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禊
そして心身の条件が揃わないと
為せないものがあるようだ
私は 禊 をしたかった
しかし
水がでなかったり
混んでいたり
誰かが じっ とみていたり
やっと水の前までやってきても
自分の後ろに並んだ大勢の人のことを考えると
足だけしか清められなかった
自分の家でやればいい
そう思って家路に向かおうと
息子を乗せて自転車を漕ぎだすと
今度は 後方へ しか進まなかった
夢の中でも試行錯誤していた私は
では自転車を後ろ前にして乗ってみたら?
試してみた
自転車は
ノロノロ ヨタヨタ フラフラ
それでも少しずつ 前へ 進んでいった
乗って行った先には
海があった
海の前には
たった今 干潮を迎えた かのような
広々とした 干潟 があった
私はその干潟を
ますます重くなった自転車のペダルを
渾身の力をふるって漕いでいた
太陽は光り
海はまるで 大きな鏡 だった
私の視界は
だんだんと広がって
干潟 と 大海原 と 輝く太陽 を
見渡せるようになっていった
私は自分が 上空へ向かっている ことを感じた
禊 は 水 があれば出来るわけではない
そして
禊 は 水 だけで出来るものではない
包み照らすような 光 が
私を清めるのだろう
そしてそこには
ふるさとの海 には
私を 待っている人 がいるのだろう
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