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怒りと悲しみが激(たぎ)っていた
怒りと悲しみが激(たぎ)っていた
もうひとりのわたしを
粉々に投げて
打ち砕きたい
衝動に吹き荒れていた
わたしは
握った両手を
強く壁にうちつけた
硬い硬い真っ白い壁に
なんども
なんども
なんども
渾身の力をこめてうちすえた
両手など折れて なくなってしまえ!
それをみていた
天使は
同情と懺悔をこめて
わたしと同じように
彼女の腕を壁にうちつけてみせた
あなたには関係ない
あなたなどには関係ない
なぜ
わたしの真似をするのか?
一体あなたに
わたしの何がわかるというのか?
激しい悲しみが私の裡で怒り狂う
確かに彼女は天使だが
わたしのこゝろを怒涛と化す
魔女でもあった
いけない・・・
これはいけない・・・
魔女など関係ない
魔女などどうでも良いのだ
こいつは
しおらしい姿をして
悪いのは
天使である わたくしめ にございます
っと示しながら
その実
わたしの怒りと悲しみを使い
悪いのはおまえ(もうひとりのわたし)だ
おまえ(もうひとりのわたし)だ
おまえ(もうひとりのわたし)だ
おまえ(もうひとりのわたし)が悪い
おまえ(もうひとりのわたし)が悪い
おまえ(もうひとりのわたし)が悪い
わたしに
もうひとりのわたし を投げつけさせたくて
投げつけ粉々にさせたくて
どうしょうもないのだから
わたしの裡へ
憎悪 を産みつけたいだけなのだから
そうしないために
両手などなくなってしまえばいい
失う痛みなどとるにたらぬ・・・
わたしが自分の両手を折って
その場を去っていったのは
失ってはならないものが
別のものに変わってしまうことを
”私自身が”最も恐れた
からにほかならなかった
熱の球 2017年11月21日
蜘蛛の巣の空 2017年06月12日
螺旋 (二) に記事を更新致しました 2017年01月10日
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