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Hiro Maryam

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2015年01月03日
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カテゴリ: Short stories






~ ひなたぼっこ ~  ショートストーリー






冬の季節にもかかわらず、

眩しいと感じるほどの光が窓から差し込んでいる。


数日たくさん降った雨でお空がとても澄んでいるわ~


っと私は思った。








rblog-20150103084754-00.jpg
あなたは足の指の爪をきっているようで、

背中を丸めて縁側に座っていた。


陽光をシャワーのように浴びているあなたの背中も

台所でしばらく、食器の後片付けをしていたわたしの瞳(め)には、

眩しくて、眩しくて・・・


そして


暖かくて、暖かくて・・・


あなたにお茶を差し上げに来たのだけれど、

わたしは猫のように、音も立てずにスっとあなたのお傍に擦り寄った。


陽光と、さっきまであなたが燻らしていた煙草の香りと、

あなたの匂いを胸いっぱいに吸ってみた。

わたしの身体は、幾重もの暖かさでとろけそうになった。

そしてとろけて、そのままあなたの中に流れ込みたくなった。



そんなわたしの気持ちをわかっていらっしゃるくせに、


一体君は、何をそんなにうっとりした顔しちゃってんだい?


なんてとぼけたお顔で、あなたはわたしをみていらっしゃる。


でもそれは、あなたのいつもの癖で、

その裏には、

わたしのことが可愛くて可愛くて仕方がないんだよ、

そんな照れ隠しした、あなたの想いが見え隠れしていて

わたしはついつい笑ってしまうの。


そしてあなたは、

お茶いれてくれたんだ

っていいながら、お湯呑みではなくて、

わたしの手を引き寄せて、そのまま抱き寄せようとするのだけど、


そうすると今度はわたしの癖で


ダメよ、ここ縁側じゃない、、、って身を硬くするの。



本当は、

本当は、

この瞬間、この陽光のように温かい、

あなたの腕と胸に強く抱きしめられたいのにね。







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Last updated  2015年01月03日 15時19分14秒
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