Free Space
割れてしまいそうな空
っと君がいう
その空の下に僕はいない
僕は
あの空をそんなふうに眺めた君の本意が知りたくて
その空は 割れるのかい?
それとも 割れないのかい?
っと尋ねたんだ
その空が
あまりにも澄んで美しかったら
割りたくなる人もいるかもね…
美しいものを破壊したら
そこに満足感はあるのだろうか
割れてもステンドグラスのように綺麗なら
破片に価値があるのだろうか
そして もし君がこの空を割りたくなるのなら
その理由はどこにあるのだろうか
僕は矢継ぎ早に君に尋ねたのさ
今にも割れそうなものを
割りたくなるのはどうしてなのか
もし割ったならば
その後は捨てるだけなのか
割れたものを裡にしまっておいたら
怪我させられてしまうのか
そしてまた
その割れてしまいそうな空を
いろんなものに置き換えて
僕の裡で考えてみたりしたわけさ
割れてしまえ
と君は言う
その君の破壊衝動は
空が割れるものなら
という前提が君の裡にあるからだろうか
或いは
空は割れないものだから
という前提があるからだろうか
割れた後のことはわからないし
割れてしまえ
と思うことと実際に割ることとは
全く別のことなのさ
空を眺めるだけにしても
割れそうなものと関わっている
或いは割れそうなものを
裡に含有してることは
ある何かしらの感情を
人に抱かせずにはいられないのだろうか
ねえ君
衝動は駆られるもの
だけど
衝動というのは自分の一部のようで
その実
自分 個人 個性とは最もかけ離れた
本能のようなものかもしれないよ
なにはともあれ
破壊衝動をつねに抱きながらも
割れそうな空
ではなく
割れてしまいそうな空
と
君が言い表したことに
僕は 心惹かれたわけなのさ....
熱の球 2017年11月21日
蜘蛛の巣の空 2017年06月12日
螺旋 (二) に記事を更新致しました 2017年01月10日
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