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Hiro Maryam

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2017年05月11日
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カテゴリ: 素描


日陰の歩道を歩きながら、ふと四十年ちかく前のことが浮かんで来た。今はまだ身を焦がすような日差しではないけれど、遠い夏の日を思い出してた。


毎年のように、毎日のように通った旅館に設備されたプール....そこは一般人にも、近所の小学生にも料金を設けて開放されていた。父の仕事の関係で私と姉は無料でそこを利用出来て、海へ行く中継地点にプールがあり海よりずっと近かったから。

たいして大きくもないプールだったけれど、小学生の私達には充分な広さだった。飛び込んだり、潜水したり、ビーチボールの奪い合いをしたり、そしてあそび疲れるとプール横の広めのバルコニーのような場所で、コンクリートの上に寝そべって、冷えた身体があたたかくなるまで甲羅干ししたのだった。

毎日最も暑い時間帯にそんなふうに三、四時間は陽にあたって遊んでいたのに、私たちの肌はちっとも黒くはならなかったけれど....

その甲羅干しの場所からは、坂道のずっと下に海が見えた。私たちが毎日眺めた海は段々のみかん畑の下に見えるか、坂の下にみえる海だった。

あの景色は今どんなになっているのだろうか?あのプールはまだ使用されているのだろうか?

一度も食べた事はなかったけれど、プールに併設された小さな食堂から何時も漂ってきていた、うどんやラーメンの匂いまでが脳裡に浮かんで来たのだった。







rblog-20170510211940-00.jpg

一昨日の窓の景色


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Last updated  2017年05月11日 01時49分45秒
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