マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2008.09.07
XML
レース後の走友達

 早く風呂へ入って体を洗い、そして心行くまで暖かい温泉に浸かりたい。だが風呂場はもの凄い混みようとのこと。仕方なく乾燥室へトレイル用のシューズを乾かしに行く。乾燥室の中は大変な数の雨具やシューズで溢れていた。早く冷えた体を暖め、早く濡れたシューズを乾かしたいと言うランナーの気持ちが良く分かる。

 部屋へ戻って暫く話す。室堂の関門にわずか15分遅れただけのO川さんは、さすがに元気がなかった。足もまったく痛んでないだけに悔しい思いが募るようだ。室堂へ向かう途中氷雨に濡れてとても寒く、私同様にビニール袋に両手を突っ込んで歩いていたと話す彼。かなり手前のホテルを室堂と間違え、何とか間に合いそうとぬか喜びをした途端、周囲のランナーにゴールはまだ先と教えられ、戦意喪失したそうだ。

 私より1時間も早く雷鳥荘に着き、既に入浴を終えた彼は、2段ベッドに身を横たえながら何かを考えているようだった。翌日、からりと晴れ上がった遥か上空に、前日どうしても辿り着けなかった雄山山頂がくっきりと見えた。ゴールの位置を彼に教えようとしたのだが、彼は決してその方向を見ようとはしなかった。それだけ悔しい思いが強かったのだと思う。

 一方ウォーク組のK村さんとK藤さんは比較的元気そうだ。それでも寒かった頂上は登頂者にとっても過酷だったようだ。標高3003mの雄山山頂。氷雨による低温は急速にランナーの体温を奪い、低い気圧はランナーの体調を悪化させる。後日雲峰師匠から頂いたメールによれば、雄山神社の扉には閂(かんぬき)が掛けられ、神主による御祓いは少し下の小屋の中で行われた由。

 心配なのはH多さん。一度部屋へ顔を出したきり、とんと姿が見えない。彼女が部屋へ戻ったのはずいぶん後になってからのことだ。1時間短くなった制限時間は、今回が最後と臨んだ彼女にも相当の無理を強いたに違いない。頑張り屋の彼女のことだ。きっと頑張り過ぎて体調を崩し、仲間に心配をかけまいとの気遣いから体が落ち着くまでどこかで隠れていたのだと思う。

 突然雲峰師匠が部屋へやって来た。お互いに顔を見合わせて驚く。何と言う奇遇。「山頂では会わなかったね」と師匠。「今年は1時間短いですからね。もうマラニックは無理なので次回からはウォークの部にします」と私。それにしても雲峰さんは元気だ。2度の手術を受けて、なお闘志満々。月の内どれくらい家を空けてランやウォークの旅に出ているのだろう。

 香川のTANさんも顔を出した。ずいぶん早く私を追い越して行ったのだが、やはり室堂の関門に捕まったようだ。それにしては様子がさばさばしている。かつて任地だった九州で数多くの山に走って登った彼。今回初めて「立山」を体験し、コースの概要と制限時間の厳しさとを身を以って知り、十分納得できたのだと思う。17時20分から一緒に夕食することで合意。

 ようやく風呂へ向かう。風呂の入り口で会った東京のK島さんに、大浴槽の奥に在る展望風呂にも入ったか訊ねたが、良く理解できなかったようだ。洗い場で先ず体を洗い、階段を登って展望風呂へ。一部開いた窓から地獄谷の硫黄の匂いが入って来る。雨に煙る地獄谷の風景。浴槽に冷え切った体を沈める。ふ~っ。やはり天然温泉は良い。完走は無理だったものの今年も健康で立山に参加し、素晴らしい眺めが見られただけでも嬉しい。浴槽は各地の言葉でレースの厳しさを語るランナー達で溢れていた。<続く>






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008.09.07 19:29:14
コメント(3) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: