マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2009.01.23
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 謎を解く楽しみ 

古代史研究を趣味としてから結構長い。古いものが好きになったのは子供の頃に貝塚を見たのがきっかけだろうか。小学生の時分から古書店に出入りして、美術史などの本を見て興奮した記憶がある。私は長く大学図書館に勤務していたせいで、本に関する情報は早く入手することが出来た。歴史関係の図書を収集し始めたのは30歳過ぎの頃だから、もう35年ほど経つ。

転勤で全国を回ったことも歴史研究には大いに役立った。現場を訪れ自分の目で確かめることで、初めて理解出来たことが多かった。例えば縄文時代の遺跡では、青森県の三内丸山遺跡、宮城県の大木囲貝塚、西ノ浜貝塚、里浜貝塚、千葉県の加曾利貝塚、石川県の真脇遺跡、チカモリ遺跡などを、また、弥生時代の遺跡としては佐賀県の吉野ヶ里遺跡を訪れている。

古墳なら宮城県、福島県、奈良県、大阪府、兵庫県、岡山県、島根県、愛媛県、大分県などで見て来たし、奴国王金印が出た福岡県の志賀島、多賀城、平城京、大宰府などの都城も実際に訪れている。国府跡で見たのは陸奥国(宮城)、常陸国(茨城)、伊予国(愛媛)。城郭は北は青森県の弘前城から南は沖縄県の知念城まで70ほどは見ている。各地の主要な神社や博物館も結構訪れ、それぞれの地域の歴史を学ぶことが出来たと思う。

さて読書で新しい知識を得られるのは当然だが、歳を取るにつれて記憶力が薄れて来る。だから読んだ内容を忘れることが増えた。それでも重要だと感じることは案外忘れないものだ。そして何十年も同じテーマを追求していると、徐々に全貌が明らかになる。つまり、若い頃にはまだ理解出来なかったことが、その後の経験と知識の積み重ねのお陰で、長年の謎が解かれる喜びもたまにあるのだ。

歴史の専門家にとっては資料読解の積み重ねが重要だろうし、考古学ならそれに加えて発掘調査での確認が重要なのだろう。ところが歴史学や考古学の勉強を全然していない素人は、基礎的な知識が欠如しているのに加え、どんな本を読むべきかが分からない。つまり当てずっぽうに読んでいるだけの話。そして直ぐに忘れるとなれば、頭に残るものは少ない。それでも歴史研究(私の場合惹かれるのは主に日本古代史なのだが)の面白さは変わらないように思う。

大昔生きていた私達の先祖は、どんな気持ちでどんな暮らしをしていたのだろう。私は時々そんな想像をすることがある。信じられないかも知れないが、そんな時には先祖達の姿が目に浮かぶのだ。古代史はロマンそのもので、まだまだ謎が多い。その謎を少しずつ解いて行くのが歴史研究最大の楽しみでもある。ない頭を絞って考えることが、少しでも若さを保つことに役立つと思うのだが果たしてどうだろうか。 <続く>

お断り:本日分の原稿量が意外に増えたため、「文章と詩」「ブログ」については明日書く予定です。





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Last updated  2009.01.23 15:58:24
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