マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2012.08.16
XML
≪ 懐かしい顔、涙の顔 ≫

 それにしても何故おんちゃんがウルトラを走るようになったのだろう。ゴール後に聞いたら、昨年初めて走った「秋田内陸」では、62km地点でリタイヤしたもののとても楽しく、それ以来すっかりはまってしまった由。なるほどねえ。そうそう、住吉台のCちゃんがDさん達の少し前を走っていたことを書き忘れていた。

 道は徐々に下り、鳴瀬川に架かる旭橋を渡る。もう最後の町、加美町だ。国道の角のコンビニに寄り、アイス最中、お握り2個、「つまみ」を買う。外でアイス最中を食べている時にS原さんが通っていった。結構速いスピードだ。自転車で追いかけた時は、かなり前へ行っていた。前方から逆走して来る赤いシャツのランナーは、同じ走友会のM井さん。彼は前週「奥武蔵」を走ったばかり。「後5kmです」。確かにそうなのだが、私のゴールは60km先にある。

 残り4kmくらいで、今度はS山さんが逆走して来た。彼はかなりのスピードランナーで、仲間のO友さんと一緒に55kmを走ってゴールし、今はクールダウンの積りで走っているのだろう。多分65km以上走ることになるはず。恐るべき青年だ。いよいよ国道347号線を左折して薬莱山への道に入る。

 水沼橋の向こうに3人のランナーが見えた。一番後ろの人は歩いているが、前の2人は元気良く坂を走って登っている。最後の難関の登り坂。ここまで来れば薬師の湯はもう直ぐなのだ。こんな登りは自転車ではきつい。一番小さなギアにしても苦しい。歩いていたのはH多さん。最近はほとんど練習をしていない由。それでもこの「薬莱山とお足」へ、仲間と一緒に参加するのが自分への励みになる由。

 話ながら坂を登る道の横に、1台の車が停まった。窓から顔を出したのは、この会の事務局長を長い間勤めてくれたU海さん。彼は目下闘病中の身。きっと仲間の顔が見たくなり、奥様の運転でわざわざ応援に来てくれたのだろう。案外元気そうな顔。私が彼と会ったのは彼が病気になった年だから、5年ぶりくらいのはず。最後に飲んだあの店は、今では名前が変わっている。

 思いがけない再会だった。H多さんは泣いていた。私は彼女の手に、そっと手を重ねた。U海さんも感極っていた。U海さんと別れた後、彼女はゴールまで走ろうとしたが、もうそんな力は残ってなかった。ゴールの薬師の湯に着いたのが9時47分。家を出てから4時間12分後だ。マウンテンバイクを日影に停め、私は体操をした。長時間のロングライドで固まった体をほぐすのだ。

 駐車場のU海さんの車の前で、K村さん、H多さん、K藤さんの3人がU海さんと泣きながら話していた。あのまま引き返そうとしたU海さんを、奥様が「折角だから仲間と会って行ったら」と宥めて戻った由。U海さんは私が不調なことも知っていた。今年の文集にT田さんが書いた文章を読んだ由。久しぶりに仲間と会って話せたせいか、U海さんは安らかな顔で帰って行った。

 K村さんはまだ泣いていた。「鬼の目にも涙」だ。最近は思うように走れなくなったと言う同学年の彼女。私が不整脈で走れなくなった時に彼女は言った。「Aちゃんは不整脈に負けてる」と。その厳しくも熱いエールを、私は今でも良く覚えている。「人はいつか走れなくなる時が必ず来るんだよ」。それは自分の体験に基づく実感なのだが、果たして彼女はどう受け止めたのだろう。

 K藤さんが幹事役のKさんに連絡してくれたお陰で、飛び入り参加の私も名簿に名前を追加して入場出来た。早速温泉へ向かう。大浴場、水風呂、露天風呂、サウナ、そして再び水風呂。冷たい水が筋肉の火照りを癒してくれた。1年ぶりの薬莱山。無謀な冒険だったかも知れないが、何とかここまで辿り着くことが出来た。無事ゴールした仲間が続々温泉へやって来る。<続く>






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2012.08.16 13:20:42
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: