マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2012.08.17
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 亡霊騒ぎ 

 脱衣所に戻り、バイク用のシャツとパンツに着替える。バイク用のパンツの尻にはクッションが入っており、帰路の旅を少しは助けるはず。足には赤く擦れた痕があった。偏平足用のサポーターを、直接足に着けたのが悪かったようだ。

 S水さんは既に到着していた。長町駅前を5時にスタートしたようだが、あの時間で富谷まで来、この時間にゴールするとは、大変なスピードの持ち主だ。おんちゃん達がいつ追い着かれるかビビっていたのも頷ける。

 お茶を買って大広間へ行く。ここでゆっくりと寛ぎ、用意したお握りとお菓子を食べた。擦れた足にはバンドエイドを施し、テーピングをする。帰路はサポーターは着けず、このままで行く積り。座布団を枕代わりにし、暫し横になる。畳の感触が良かったのか、それとも疲れていたのか、いつの間にか私は眠っていたようだ。この間わずか2、3分だが、それがとても気持ち良いのだ。

 ロビーでT田さんを見つけた。気づかれないように近づき、思い切りハグする。一瞬誰だと思った彼が、私の顔を観て「亡霊か!」と驚く。全く考えてなかった人物がいきなり目の前に現れたせいか、彼の脳は直ぐに「本物の私」と判断出来なかったのだろう。実は2年前、彼に驚かされたことがあった。伊豆大島ウルトラを走ろうとして東京の桟橋で待っていた時に、突然彼が現れたのだ。

 彼は私をビックリさせようと、自分の参加を隠していた由。今回はその「お返し」なのだ。「そう言えば「ハプニングがあるかも」と書いていたね」と彼。私のブログの熱心な読者で彼らの仲間kazuさんへのコメントに、確かそう書いたかも知れない。コメントまで全部読む人はなかなかいないが、T田さんは少ない例外だ。。

 缶ビールをおごると言う彼に、「小さいので良いよ」と返事。彼ら古川組は薬莱山へ向かう途中にも、既に缶ビールを飲んでいるはず。彼が撮って送ってくれた写真には、飛び切りの笑顔の2人が写っていた。こんな笑顔はいつ以来だろう。2度の手術を受け激務に苦しんだ今年の4月、鏡の中の私には「死相」が現れていた。U海さんと会ったことを話すと、とても残念がる彼。

 「私が来たことはkazuさんには内緒にしてて」と頼む。後で会ったKazuさんの驚きも大変なものだった。2人と飲んだビールは実に美味かった。「やっぱりここへ来て良かった」と健康であることの喜びを実感。だが、H多さんは畳に横になったまま。久しぶりの長距離ランにすっかり草臥れ果ててしまったのだろう。良く頑張ったね、H多さん。

 O形さんからいただいたバナナは、帰路の大事なエネルギー源として持ち帰った。M会長としっかり握手。彼はオレンジのシャツと帽子の自転車に乗った男が私とは気づかなかった由。誰にも今回の「冒険」を話していないので当然だ。お世話役のKさんには、早めに挨拶して帰りたいことを告げた。猛暑に耐えながら留守番している愛犬のために、夕方までには帰る必要があったのだ。

 M会長の挨拶に続き、私は自分の想いを話した。病気のこと、現在の体調のこと、この薬莱山に賭ける気持ち、そして今後への期待。最後に「来年はウルトラに復帰します」とは言ったが、あれは勢いから出た言葉。夢ではあっても、決して現実とはならないことを自分でも良く知っている。U海さんと会ったことは黙っていた。多分「三婆」の誰かが話すはず。この日、U海さんからは「完走祝い」の金一封をいただいた由。難病と闘う彼の気持ちを想う。頑張れ~っ、U海さ~ん!!<続く>





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Last updated  2012.08.17 09:47:37
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