マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2013.02.01
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 最後は1人に 

 トンタタ、トンタタ、トンタタ。飴を切る軽快な音。名物草団子を買う人の列。猛烈な人混みの中ではもう走れず、私達も観光客の一部になった。昨年の7月に初めて来たこの地。お寺の方角は分かっている。先ずトイレを済ませ、水道の水をペットボトルに詰めた。スタート前に買ったスポーツドリンクは残り3分の1まで減っている。そこに水を入れたらかなり薄まるが、それも仕方がないこと。

 日の当たる沿道に腰を下ろし、ポシェットからお菓子を出して食べた。「それ買ったの?」と男のランナー。「いや、持って走っているの」と私。「ここまで大体30km走ったよ」と彼。どうやら時計にGPS機能がついているようだ。30kmねえ。ここまでそんなに走ったのかなあ?スタートは9時半で着いたのが午後1時36分だったから4時間ちょっとかかった計算。

 「ゴールまで残り10kmちょっとだね」彼は連れの女性ランナーにそう話していた。一方の私は全く距離感が摑めなかった。だが、S木さんの話だと41kmではなく44kmだから、残りは最低でも14kmになる。後日ジョギングシュミレーターで測り直したら、帝釈天までは28.8km、ゴールまで44.2kmあった。残りは15.4kmだが、この時はそれを知らずに焦っていた。

 そそくさと食べ、帰途に着く。コースを知ってるランナーたちがスタートしようとしていたからだ。広場で大道芸を観ていたK藤さんに声を掛けた。それで彼女も気づいたようだ。お寺の裏道を堤防の方へ進むと、小高い丘があった。そこに瀟洒な東屋も。思わず「へえ~っ、こんなところがあったんだね」とつぶやくと、凛峰さんが「ここ通らなかったの」と聞くので、「お巡りさんのはしごをしたんだよ」と返事。結局どっちでも同じくらいの距離だったようだが、やはり信号のない土手は走り易い。

 後日知ったのだが、この柴又公園をスタート、ゴールとする第1回の「柴又ウルトラマラソン」が6月に開かれるようだ。コースは一旦南に5km走って引き返し、そこから土手沿いに埼玉県方向に行って戻る50kmと100kmのレース。まさにこの土手を走るのだ。足に痛みを感じた私は、出来るだけ道路の端の芝生の部分を走るようにした。

 男女のペアが抜いて行った。速い集団にも置いて行かれ、青とピンクのウインドブレーカーの女性2人組も抜いて行った。凛峰さんが挨拶代わりに手を振って前へ行った。彼女のペースは朝から全く変わらない。きっとあのスピードのままゴールまで行くはず。河川敷へ下り、どこかの鉄橋を潜った先で、K藤さんが「酸っぱいものを食べる?」と言ってクエン酸入りのグミのようなものを2個くれた。

 「背中が反っているよ」。前半から私にそう注意してくれていた彼女も、凛峰さんを追うように前へ行った。どうやら単独走になったみたい。でもそんなことは織り込み済み。後で聞いたらK藤さんは迷子になるまいと必死で凛峰さんを追った由。私は迷子にはならない自信があったが、足が最後まで持つかどうか心配だった。折角お金を準備したが、タクシーの姿を一度も見たことがなかったのだ。

 さっき過ぎた川向こうの大きなマンションと大学の塔。あの付近が下総国府があった辺り。平安時代に平将門が国府を襲い、平安末期には鞍馬寺から奥州平泉に向かった若き日の義経が、この地の牧場に潜んでいたみたいだ。東京スカイツリーもどこかで見えた。江戸川水門付近で迷いかけたが、何とかサイクリングロードに戻れた。膝に異常を感じたのは都立篠崎高校前。ここは約37km地点。鋭い痙攣が両膝を襲う。とうとう膝が長距離の重圧に悲鳴を上げ出したのだ。まずい。これはピンチだ。<続く>

 1月のラン&ウォーク 

ラン回数:11回 ラン距離:219km ウォーク72km 月間合計=年間合計291km これまでの累計:81207km





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Last updated  2013.02.01 06:21:35
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