マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2015.07.05
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カテゴリ: 旅、温泉
<ピンチ!!懐・五能線の巻>

旅5ハナイカダA.jpg

 11時20分に予約していたタクシーが、大湯ストーンサークル館の前で待っていた。運転手はまだ若い女性だが、話に何の面白味もない。十和田南駅11時48分発大館行きの各駅停車に乗る、座席に落ち着いて、財布の中身を確かめた。う~む、これはピンチ。昨夜の夕食、3回乗ったタクシー代、そしてお土産。予想外にかかってしまった。これじゃこの先が危ないが、果たしてどうしたものか。


    大太鼓の看板 旅17鷹の巣駅大太鼓.jpg

 鷹の巣駅で停車した時に「世界一の大太鼓」の看板が見えた。鷹の巣は「秋田内陸ウルトラ」のゴール地点。角館を早朝にスタートし、13時間で100kmを走破するレースに10回出た。まだ50代から60代だった頃。怪我や老化で年々完走が厳しくなり、確か結果は6勝4敗だったはず。翌日はここから秋田内陸鉄道で角館まで戻り、東北新幹線に乗ったこともあった。まだ「若かりし日」の懐かしい思い出に、一瞬胸が熱くなる。


                 ハチ公 秋田2.jpg

 12時26分、大館駅到着。ここで奥羽本線に乗り換える。大館は東京渋谷にある「忠犬ハチ公」の故郷。彼は大人しくて勇猛な秋田犬。駅の構内にハチ公の像があった。改札を出て、駅前の食堂に入った。頼んだのは金700円也の「モツ煮込み定食」。これからは引き締めて行かないとねえ。

 満腹した私は、店主の老婆に尋ねてみた。「コンビニで仙台の銀行のお金が引き出せるんだろうか」と。それには直接答えず、「コンビニは遠いよ」と老婆。ここから「逆コの字」に曲がった先に在る由。信号のある場所を頭に入れて歩き出す。それがやけに遠いのだ。仙台ならコンビニなどどこにでもあるが、同じ市でも全然状況が違う。


秋田3曲げ輪っぱA.jpg 大館名産「曲げわっぱ」の弁当箱

 幸いにもコンビニの店頭に、キャッシュコーナーの目印が立っていた。問題は私のキャッシュカードが使えるかどうか。恐る恐る近づくと「地銀」の文字が見えた。これなら大丈夫なはず。喜び勇んで1万5千円を引き出す。この際、手数料は気にならない。それが男と言う生き物だ。帰路は別の道を通った。それが良くなかったのか、なかなか駅が見えて来ない。慌てて店の人に尋ねたら、角を曲がった先に駅があると言う。やれやれ助かった。


            秋田杉の秋田犬 秋田5.jpg

 時間内に駅に戻れて良かった。それにこの先、お金の心配もしなくても済みそうだ。最後に駅が見つからなくて慌てたが、これも何とかなった。リュックを下ろし、帽子を脱いでベンチに座り、汗を拭う。う~む、これは冷や汗も相当かいたなあ。13時45分発秋田行きの奥羽本線各駅停車に乗り込む。座席に落ち着くと、何かが足らない。あっ、帽子を忘れた。さっき座った駅のベンチだ。神戸マラソンの参加賞で自分としては、特に気に入っていたんだがなあ。号泣


五能線1.jpg

 14時34分、東能代駅に到着。ここからは五能線に乗り換える。観光客が改札を出て、駅前の様子を観に行った。だが私は駅の構内から出ない。そして五能線の乗り場に向かい、やたらと写真を撮っていた。駅員に怪しまれないよう、熱心な旅行客を装っていたのだ。


五能線3.jpg

 五能線「快速リゾートしらかみ」は全席指定。私はその指定席券を持っていない。今回の旅はJR東日本の「大人の休日倶楽部」の4日間フリーパス利用。合計6回指定席が取れるが、私は快速に指定席券が必要とは思ってもいなかったのだ。宿は途中の鰺ヶ沢に予約済み。慌てて駅に行ったが万事休す。既に満席で乗れないとの返事。これにはビックリ。今さら宿をキャンセルも出来ないし、さて、どうする?しょんぼり


五能線2東能代.jpg 電車型のホーム休憩所

 ともかく現地へ行こう。そこで電車に乗りさえすれば、後は何とかなるだろう。最悪の場合は2時間11分の間、立っていても良いのだ。私が駅の改札を出なかった理由はその点にあった。駅員から指定席券を確認されたら困るんだよね。だから知らんぷりを決め込んでいたわけ。当人にとっては実に苦しい芝居だった。ぽっ


        車掌室 五能線11車掌室.jpg

 しらかみ5号がやって来た。勇躍乗り込んだが客室には入らない。荷物置き場にリュックを置いてデッキに立っていると、車掌が見回りに来た。まだうら若い女性だ。そこで「指定席はないんです」と言って、「4日間フリーパス」を提示する。「鰺ヶ沢のホテルを予約したので、このままデッキで立ってます」。「それじゃあ困るんですよ。規則ですから、先ずフリーパスに名前を書いて下さい」。揺れる列車の中で、私は自分の名前を書いた。


五能線9臨時座席券.jpg 「仮の指定席券」

 「デッキで立つのは危険です。空席がありますから、そこに座って下さい。もしお客さんが来たら、他の席に移動してください。五能線は人気が高くて座席指定がなかなか取れなかったでしょ?」。ええ~っ、座っても良いの~?私はあっけに取られた。これまでの心配は一体なんだったのだろう。現地に行っても乗れないと言った、あの駅員の言葉は何だったのだろう。私の作戦は、どうやら成功したみたいだが。大笑い


「しらかみ」の車内 五能線10しらかみ.jpg

 車内は広々して窓も大きい。道理で人気が高いわけだ。景色を眺めるには最高の設備。とてもこれが「快速」だとは思えない。それに最後尾には展望コーナーもあり、大勢の旅行客が写真を撮っていた。結局私はほとんど座席には座らず、2時間もの間シャッターを切り続けだった。それほど美しい海岸が続いたのだが、写真の大半は後日捨てた。


五能線13.jpg五能線16画面.jpg

 左側は私が撮った写真で、右側は車内のモニター画面。窓にはブルーの遮光幕が張ってあるため、どうしても色が青っぽくなってしまう。モニターの方が、きっと自然光に近いはず。この時はそんなことには全く気づかず、写真を撮るのに夢中で疲れを知らない自分がいたのだ。


五能線17ウェスパ横山駅.jpg

 文字制限数が限界を超えた。ここからは簡単な説明に留めよう。これは途中の「ウェスパ横山駅」。


五能線20列車.jpg

          これは待ち合わせていた他の「しらかみ」。


五能線7.jpg

 五能線の夕日のポスター。これが人気の的で、指定席が直ぐに埋まる原因でもある。わずか1駅でも500円の指定席が必要だが、この路線は乗客の乗り降りが激しい。JRの利益向上策に苦しむのは、結局乗客なのだ。五能線は乗り継ぎが悪く、しかも弘前まで行けるのはこの快速しかないのに。怒ってる


旅23鰺ヶ沢駅A.jpg青森9舞ノ海.jpg

 17時23分、鰺ヶ沢駅到着。ここは元幕内力士舞ノ海の故郷だ。ホテルのバスが駅前で待っていた。<続く>





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Last updated  2015.07.05 06:13:44
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