マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2017.02.08
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 先日一人のアメリカ人が韓国へ行った。新しく国防長官に就任したマティスさんだ。本当は最初に日本へ来たかったようだが、国会開催中のため日程の調整がつかなかったそうだ。



 韓国は今、大統領が弾劾裁判の最中で大混乱。次期大統領候補のナンバーワンと言われた前国連事務総長のパンギムンさんも、候補から下りてしまった。目下最有力なのは野党第1党「共に民主党」の文党首みたい。彼はもし自分が大統領になったら、アメリカに行くより前にピョンヤンを訪問すると公言している。もちろんTHAAD(高高度防衛ミサイル)は拒否し、日韓合意も見直すらしい。




 アメリカの恐れは、そんなところにもあったみたい。韓防衛相と会談したマティス氏はTHAAD配置について再確認し、もし北朝鮮が核を使用した場合は圧倒的な対応を取ることを表明した。韓国の赤化を懸念すると同時に、北朝鮮の暴発を抑止する狙いがあったのだろう。

 彼は海兵隊の大将だった筋金入りの軍人。軍歴が全くないトランプさんと違って、これまで戦って一度も負けたことがない。恐れを知らないことから「狂犬」と言われているが、読書家で歴史に明るく7千冊の蔵書を有する知識人でもある。そのことから「戦う修道士」との異名もある。未だに独身を貫くのは、軍人はいつ死ぬか分からないからとの信念からとか。




 来日して稲田防衛大臣や安倍総理と会談したマティス長官は、以下の確認をした。1)尖閣諸島は日米安保条約の適用範囲にあること。2)日本政府による米軍基地経費負担率は、世界の見本となる内容であること。3)普天間基地の移転先は、辺野古以外にないこと。4)東アジアはアメリカの核の傘の下で守られること。トランプさんが選挙中に言っていたことは、どうやら杞憂に終わったようだ。




 さてマティス長官が外遊中にアメリカに渡っていた翁長沖縄県知事だが、結局は今回もスゴスゴと帰国する羽目となった。国防省の日本部長には面会出来たものの、辺野古移転拒否が受け入れられることはなく、共和党の有力議員にも面会出来なかったようだ。本来外交や防衛は国家の重要な任務。それを県知事が動かそうと言うのが土台無理な話なのだ。そんなことより尖閣への中国公船の侵入に抗議すべきではないのか。




 政府は動いた。第一は米軍横須賀基地から、岩国基地への一部移転。この再編によって、沖縄の基地負担を減らす考えだ。第二は辺野古基地沖での拡張工事の再開。辺野古基地への移転が完了したら、老朽化した普天間基地の危険性が減少し、沖縄に駐留する米軍兵士の3分の1が海外に移ることが可能になる。第三はシリアの難民留学生300人を受け入れること。これには妻子も含まれる。ささやかな数だが、これも立派な国際貢献だ。




 トランプ新政権に対する中国の出方は、これまで極めて静かだ。トランプ氏に対する国民の関心や非難を、あまり刺激しないよう注意しているとしか思えない。トランプ氏の中国に対する発言は強硬。為替操作の疑い然り。対中国の巨額な貿易赤字然り。南シナ海の軍事基地化問題然り。だが、強硬な発言の多い彼の閣僚には、中国情報に精通した人物はいないと言うのが目下の評価。




 さて、中国が尖閣諸島を自国領と主張している根拠は、1895年4月17日に締結された下関条約。これは日清戦争の賠償が協議されたもの。中国は尖閣が当時の台湾領で、会議以降日本の支配下に置かれたと言う。ところがつい最近新たな資料が見つかった。上の写真は1887年にイギリスのスタンフォード地図店が発行した地図。黄色い円の中が尖閣諸島だが、国境線はその左側に引かれている。




 1868年にドイツのアドルフ・シュティーラーが製作した地図も国境線は尖閣諸島の左側にあり、尖閣は琉球領となっている。当時の列強国はどの島がどの国の領土か神経を使っていた。当時の台湾は蛮族の島。琉球王国は慶長14年(1609年)の侵攻によって島津藩の支配下に入ったのが歴史の真実。形は中国の柵封下にあったが、実質は日本の支配下。つまり両属だったのだが、中国はそれを知らなかったのだ。

 中国の「琉球王国はかつて朝貢していたので中国領」と言う主張は幼稚。それなら現在のベトナム、フィリピン、インドネシア、シンガポール、マレイシアなども全部中国領と言うことになるが、実際はそうなってはいない。「一つの中国」であるはずの台湾ですら、未だに自立を保っている。




 アメリカのティラーソン新国務長官も、このたび尖閣諸島が日米安保条約の適用範囲であることを明言した。翁長知事はこの歴史の事実を認識し、早く領土保全の重要性に気づいてほしい。安倍総理は今月10日にトランプ大統領と会談する。一緒にゴルフも楽しむようだが、総理には正々堂々と日本の立場を主張してほしいと願っている。





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Last updated  2017.02.08 04:30:03
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