マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2017.02.13
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 脳科学者の中野信子さん(横浜市大教授・医学博士)はトランプさんのことを「サイコパス」だと言う。つまり精神病質者と言う訳だ。他人のことを全く気にしない言動。女性蔑視や人種差別的な発言。自信過剰で自己中心の性格などからそう判断したのだろう。

 そんなトランプさんの懐に安倍総理が飛び込んだ。しかもタイミングは最悪。アメリカの高等裁判所が、例の7か国からの入国禁止大統領令の中止の裁定を下したのだ。それにも関わらずトランプさんは戦う姿勢を見せた。一つ目は訴訟手続きの継続。そして二つ目の選択は新たな大統領令の発令だ。元々あの大統領令は政府内の調整が不十分で、拙速との意見が強かったようだ。




 安倍総理の渡米前から、トランプさんは強いジャブを放っていた。在日米軍への経費負担。日米貿易の赤字。日本政府の為替操作の疑念。アメリカ車輸入への疑惑などなどだ。それらの多くは思い違いにせよ、どう対処すべきか、日本政府は悩んだことだろう。だが全ては、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の格言通りになった。結論を急いで、このたびの共同声明を再考して見たい。以下はY新聞のまとめによる。




 <日米共同声明ポイント> *一部筆者が編集
1)米国は核と通常戦力の双方で日本の防衛に関与する。
 これは日米安保条約の重要性を再確認したのだろう。

2)尖閣諸島は日米安保条約第5条の適用範囲と考える。
 これは先に来日したマティス防衛長官の発言の再確認でもあり、中国に対する大いなる牽制だ。




3)東シナ海及び南シナ海での力の行使や威嚇による現状変更に反対すること。
 これは中国の無法な行為に対する牽制で、アメリカが今後も積極的に関わることの意思表示だ。

4)沖縄の普天間基地の辺野古への移設を推進すること。
 これは日米政府が十数年かけて合意したことの再確認。さらに2)3)への対応と、沖縄駐留米軍の国外への移転計画と連動していることの再確認でもあろう。




5)両国は今後経済対話を創設し、関連分野の横断的な協議を進めること。
 これは日本側から渡米前に提案したが、反応はなかった。今回安倍総理が直接トランプ大統領に進言して、推進が決まった。日本側は麻生副総理、アメリカ側はペンス副大統領らが中心となる。ペンス氏は4月来日予定のようだ。これで、両国の財政、金融、経済、貿易関係に関する包括的な協議が進むだろう。




6)アジア・太平洋地域の貿易ルール作りを日米が主導すること。
 これはトランプさんが嫌っていたTPPから1対1の貿易体制を広めることの確認。日本もTPP参加の12か国中8か国とは既にこの関係にあり、今後さらに協議して新たなルールを作るのだろう。

7)安倍総理の招待により、トランプ大統領の年内来日を調整すること。
 言うまでもなく今回の返礼。当然天皇陛下との謁見もあり、両国の関係はさらに深まるはず。




 昨年の大統領選挙中に安倍総理がトランプさんと会見した時から、「朝貢外交」と批判した野党があった。今回もまたそうだった。日米関係の強化は決して軽んじられない重要事項。それは日本の近隣諸国の情勢を見たら明らかだろう。今回の訪米中に、北朝鮮は日本海に中距離ミサイルを発射した。威嚇の意味だろうが、早速日米両国はこれを非難する共同声明を出した。国連決議を無視する暴挙なので、当然のことだ。




 今回2人は専用機や大統領の別荘などで親密に話を進め、時には安倍総理の世界観、政治観をトランプ氏に披露した由。新米で経験の乏しいトランプ氏はそれがかなりの参考になったと聞く。安倍総理は日本の報道陣にこう言ったそうだ。「日米の首脳の親し気な姿を見せるのは、中国や北朝鮮に対する牽制だ」と。だからこそ「朝貢外交」と言われたりゴルフへの批判も意に介さなかったのだろう。

 世界は今回のこの2人をどう見たのか。恐らくあれほど不可解だったトランプ氏の、異なる一面を見て驚いたのではないか。そして安倍総理と日本の選択の意義を再認識したのではないだろうか。だが、評価はこれから。豪華客船「トランプ丸」の航海はようやく始まったばかりなのだ。





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Last updated  2017.02.13 04:30:03
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