マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2017.03.27
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<2つの委員会>



 東京都議会に設置されたいわゆる「百条委員会」だが、豊洲市場問題で今回何か新事実があったのだろうか。私はそんな印象は全く受けなかった。初日招致されたのは歴代の市場長。だが石原元都知事との多少の感触の違いはあったものの、過去の矛盾を突く新たな視点はなかったように思う。

 2日目の浜渦元副知事に至っては、自分が何か悪いことをやったかと開き直る始末。それに対する議員の質問が腰砕けで、元副知事の独演会を許してしまった。あれは議員側の完全な力不足で、「都民ファーストの会」の力量も露呈した感じを受けた。




 第3日目は石原元都知事に対する喚問だが、高齢を理由にわずか1時間の質疑しか行えなかったのが残念だ。ここでも新たな視点は出なかった。逆に石原氏は小池都知事に対し、豊洲新市場への移転を早急に決行すべしと迫った。土壌汚染の専門家によれば、環境基準は地下の水質で地上には影響を与えず安全は確保されているとの主張。私もその点は賛成だ。

 ようするに小池都知事は、あまりにも豊洲市場を政争の材料にし過ぎたのではないか。そして都議会だけでなく東京都庁の職員の認識の甘さもあったことは事実。ようやく小池氏は都事務局内に「戦略本部」を設置し、築地市場と豊洲市場運営費の比較を始めた。築地に残る方がかなりの高負担になることが判明したようだ。安全、安心の確保も当然だが、移転延期に伴う損失もかなりの規模で、早期の決断が求められよう。




 衆参両議院による森友学園籠池理事長の証人喚問は「百条委」よりはずっと迫力があった。質問する側の各党議員は税理士、弁護士、警察官僚などの出身で、かなり突っ込んだ質問になった。一方これに対する籠池氏は自分に不利な質問はさらりとかわしたり、追訴の恐れありとの理由で証言を拒む場面も多かった。ただ籠池氏の強弁には矛盾点も多く、今後偽証を理由に告訴される可能性はあるように感じた。




 安倍首相の昭惠夫人との関係(名誉校長、寄付金、講演会謝礼、関係省庁への口利きなど)に関する籠池氏の説明には不明確な面、作為的な面が感じられ、籠池氏が世間知らずな昭惠夫人を利用し、政治家を使っての関係省庁、大阪府などへの運動も容易に想定出来た。先ずは昭惠夫人の脇の甘さが目立った。結局はその善意が悪用されたのだろう。




 そもそも今回の小学校設置申請には多くの問題があったように思う。認可の条件である自己資金が全然乏しかったこと。校地も事前に準備出来なかったこと。申請が正しくなかった(建築費用、専任教員数、教員の実態、入学予定の生徒数、小学校運営の経験年数など)こと。学園の経営内容が悪化していたことなど、多くの項目で条件を満たしていなかった。

 それを強行突破するため昭惠夫人の名を借りたり、政治家を動かして近畿財務局に精神的な圧力を掛けた部分もあるように感じた。籠池夫妻の精神状態は真っ当なものではない。まして小学校運営に関わる資格は皆無。申請そのものが無理だったと私は思うのだが。




 国会では野党側が昭惠夫人などの証人喚問を要求中だが、与党側はその必要性を認めていない。夫人同士のメールのやり取りを一部目にしたが、籠池夫人の対応には明らかな作為がある。昭惠夫人の人の良さを悪用した感じがする。一方大阪府では松井府知事が「百条委の設置」を口にし、野党の自民党が設置を要求したが、逆に与党側の維新の党と公明党が設置反対に回った。大阪府は今後籠池氏を告訴する動きもある。

 一連の騒動で森友学園は小学校設置の申請を取り下げ、それに伴って財務省は更地での用地返還を求め、国土交通省は補助金5600万円の返還を求め、大阪府は幼稚園への補助金を停止し、建築業者は校舎建築費用の不払いを理由に、系列幼稚園の資産を差し押さえした。「無理が通れば道理が引っ込む」。「天網恢恢疎にして漏らさず」。悪事は必ず露見する。





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Last updated  2017.03.27 04:30:03
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