マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2020.01.21
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<埋葬された将軍>



  <将軍山古墳に埋葬された「将軍」の再現騎馬像>

 埼玉県行田市にある崎玉(さきたま)古墳群は国宝の稲荷山鉄剣が発見された「稲荷山古墳」など関東随一の古墳群です。あの国宝の鉄剣を作った「オワケノ臣」が、実はこんな姿だったのではと推定出来る
副葬品が付近の「将軍山古墳」(前方後円墳)から出土しています。今回はその副葬品から、当時のヤマト王権の武人として仕え、この地の豪族だった「オワケノ臣」を偲んでみたいと思います。考古学の専門的な話ですが、写真を多用し読者の理解を助けたいと思います。



          <石室内の副葬品の配置図>馬具が多いのが特徴です。



 副葬品の馬具などを複製し、埋葬当時の配置状況を再現しています。色んなものが見えて興味深いです。



       遺体および副葬品の忠実な複製化と、当時の埋葬状況再現。




 「将軍」が着用していた兜(かぶと)と鎧(よろい)の想定図。鎧(桂甲=けいこう)は小さな金属片を紐で縛って作られています。



    <馬具及び装飾品の装備状況再現図> 貴重な軍馬はこんな風に装備されていました。




 軍馬に騎乗するための鞍(くら)。写真は鞍の前部で、揺られてずり落ちないための装置です。






  不思議な形の金具は、騎乗者が将軍であることを表す旗竿(はたざお)を立てるための道具でした。



 これは馬兜(ばちゅう)と言い、大事な馬が敵の武器で怪我しないよう顔全体を覆ったのです。それだけ馬は貴重で、朝鮮半島経由でわが国にもたらされたと考えられます。再現した複製品です。 



  軍馬の飾り金具の一種の杏葉(ぎょうよう)の破片です。銀杏の葉っぱに似た形からの命名で、福岡県の宗像(むなかた)大社所蔵の物は特に有名で、純金製の完成品(国宝)で気品があり、美術品としても優れています。



 馬鈴(ばれい)です。馬に付け馬が動くと音がしました。さて、どんな音だったのかな。


 生前に将軍が使用した品か。

 将軍が着用した耳輪か。金の純度は不明です。



 ガラス小玉のネックレス。当時のガラス製品はすべて舶来の貴重品です。古墳時代にはるばるシルクロードを経由して伝わったガラス製品が、関東地方の豪族が着用していたとはねえ。やはりこの一族はヤマト王権に直接仕えた武官だったのでしょう。



       ベルトの金具です。金属製の部分だけが腐食せずに残っていました。


                     <続く>





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Last updated  2020.01.21 00:00:16
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