マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2022.03.24
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 東京電力と東北電力管内に節電警報が出た日の仙台は、日中の温度が1度の寒い1日になった。冬に逆戻りしたみたいで、空調機を入れっ放しにしていた私。日が差さないどころか時々雪が舞う荒れ模様の一日。つくば勤務時代の後輩で埼玉に住むK君から地震見舞いのメールが届いた。今回の地震の被害の大きさが日を追って増して来る。すっかり疲れ果て、時々よだれを垂らしながらつい居眠りしてしまう。

      空襲後の仙台市中心部  

 私の戦争の記憶を辿ってみる。戦中に生まれた私は戦争そのものの実感はない。だが幼少期や少年時代の仙台の風景をまだ覚えている。空襲の残骸や、「防空壕」の跡を市内の数か所で見た。「米穀通帳」の存在や「食糧の配給制度」も良く覚えている。飢えをしのぐことが出来たのは、「学校給食」があったため。だが父の夜逃げで、給食費が払えないほどの貧乏も体験した。

  進駐軍の戦車

 次の思い出は進駐軍。家の近所にテニスコートがあり、アメリカ人がテニスに興じていた。進駐軍の本部は川内地区にあり、ゲートの前には2人の兵士が立哨していた。現在東北大学の川内地区には、木造平屋で白いペンキで塗られた宿舎があった。朝鮮戦争が始まると家の近所を進駐軍の戦車が、大衡村の射撃訓練場へ向かった。兵士がガムやチョコレートを投げたが、コーヒーは飲み方を知らず、不味かった。

           裸で逃げる少女  

 次の思い出はベトナム戦争。私は「アメリカはベトナムから出て行け」と書いたプラカードを持ってメーデーへ行った。カメラを持った人事係長が後から着いて来た。公務員の政治運動が禁止されていたのだ。写真は1973年のピューリッツアァー賞受賞作品。米軍が大量に撒いた「枯葉剤」のダイオキシンで多くの奇形児が生まれた。腹部が癒着した双生児ベトちゃんドクちゃんの分離手術が日本で行われた。

  ひめゆり学徒隊が医療奉仕した洞窟

 平成元年4月。私は沖縄に転勤した。ひめゆりの塔が建てられ、地下に資料館が整備され「語り部」のオバーが沖縄戦の悲惨さを訴えていた。長女は語り部たちが学んだ女学校の後輩に当たる首里高校に転校した。ひめゆりの塔の東にある「摩文仁の丘平和公園」には、大戦で亡くなった兵士の慰霊碑が各県ごとに整備されているが、沖縄県民の慰霊碑の前で毎年「慰霊の日」の式典が挙行されている。

          普天間飛行場  

 私の勤務先は那覇市の北隣の西原町にあるが、職場の数km西方にあるのが普天間飛行場。建設後に増加した人口により、住宅地に取り囲まれた超危険な空港。沖縄の海兵隊がここからベトナム戦争に参加したのだろう。私が勤務した当時は「湾岸戦争」の時で、米軍機が職場の上空を旋回しながら「タッチアンドゴー」の訓練をしていた。距離が近くて物凄い爆音だ。基地周辺の住民の苦しみが初めて分かった。

  オーストラリア戦争記念館の展示物

 博物館に転勤した際は、いくつもの博物館や美術館を見学する機会を得た。オーストラリアの首都キャンベラにある「オーストラリア戦争記念館」もそのうちの一つ。記念館の一角に日本コーナーがあった。第一次世界大戦で日本軍は友軍だったが、第二次世界大戦では敵国となり、オーストラリア本土を爆撃して死者も出た。だが展示は実に客観的で、事実を冷静に伝える内容だったことに感動を受けた。

     旅順郊外203高地の戦い    

 3年前の1月。私はツアーで中国の大連と旅順へ旅した。明治時代の「日露戦争」の際の激戦地。堅固なトーチカからの砲撃で、数万の歩兵が犠牲になった。戦争後勝利した日本軍の乃木大将と敗北したロシアのステッセル将軍が会見した「水師営の会見所」も見学したが、展示された写真の説明板に「偽満州」とあったのが印象的。司馬遼太郎の歴史小説「坂の上の雲」のドラマが懐かしく思い出された。



 3月24日。私は78歳の誕生日を迎える。寒さが厳しかったこの冬。新型コロナ感染症の蔓延もあり、ロシアによるウクライナ侵攻と言う暴虐にも遭遇した。そしてかなり大きな地震の被害。私は疲労困憊状態でブログを書いていた。この冬に咲いたシンビジュームの1本目は向かいのKさんに上げ、3本目は裏のSさんに上げた。今は少し草臥れた2本目の花が居間の窓辺で咲いている。<続く>






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Last updated  2022.03.24 00:00:10
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