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セネカの「バーベル」
そこで登場するのが、バーベル型の解決策だ。不確実性に対する解決策は、たいていバーベルの形をしている。
バーベルとはどういう意味か? バーベルは、ウェイト・リフターが使う両脇に重りのついた棒だ。極端なものが両端にあり、中央にはなにもないという組み合わせを表している。本書でいうバーベルは、必ずしも対称ではない。
バーベル戦略は、その構造のおかげで、ダウンサイド・リスクを抑えるのにも役立つ。つまり、破滅のリスクをゼロにできるのだ。
低俗な金融の例で考えてみよう。金融の分野は、説明するのがいちばん簡単だが、一番誤解されてもいるからだ。たとえば、資産の90パーセントを平凡な現金や価値尺度財と呼ばれるもので持ち(インフレの影響はないものとする)、残りの10パーセントをこれ以上ないくらいハイ・リスクな証券で持っているとしよう。すると、資産の10パーセント以上を失うことはないが、膨大なプラスの可能性を秘めている。
反脆さとは、冒険心とノイローゼを組み合わせたものだ。ダウンサイドを切り捨て、極端な損害から身を守ると同時に、アップサイド(正のブラック・スワン)が自然とやって来るのを待つ。
閑職に就きながら執筆するというのは、とても安心なモデルだ。経済的な自立の次に、いやそれ以上に望ましい状態だ。たとえば、フランスの偉大な詩人、ポール・クローデルとサン=ジョン・ペルスや、小説家のスタンダールは、外交官だった。イギリスの作家の多くは公務員だった。カフカは保険会社に勤めていた。とりわけ、スピノザはレンズ磨きで生計を立てていたので、彼の哲学は学会の腐敗に影響されることがなかった。
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