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さて今日は株式投資本オールタイムベストです。第141位は、
逆張り投資家サム・ゼル (サム・ゼル著、パンローリング社、2018年)
です。
本書は、1968年に自らが設立した投資会社のエクイティ・グループ・インベストメント会長で、ニューヨーク証券取引所の上場会社5社の会長でもあった、起業家かつ投資家のサム・ゼルの自伝です。ゼルは逆張り思考の強い人間であり、同じく逆張り好きの私にとっては、非常に共感できる、そして同時に勇気付けられる素敵な一冊です。
サム・ゼル氏は残念ながら昨年2023年に81歳で亡くなられました。この書評を彼に捧げたいと思います。
(上記データはBloomberg2023年5月19日配信の記事より引用)
今日はまず長尾慎太郎氏による監修者まえがきを見ておきましょう。
これは単に不動産投資で財を得た人物の成功譚ではなく、リスクと言うものをどのように扱うべきか、そしてそのためには人や組織にどういった「文化」が必要なのかということに関する啓蒙書なのである。
著者にとっては、リスクを取らないことはせっかく自分に与えられたチャンスを無駄にし、さらには潜在的により大きなリスクをとっていることにほかならないのである。
ゼルはユダヤ人であり、彼の両親は第2次世界大戦時に日本人外交官であった杉原千畝の発行したビザによって命を救われたスギハラサバイバーであった。ポーランドで穀物商をしていたゼルの父親はナチスの危険性をいち早く見抜き、事前に周到な準備をしたうえでギリギリのタイミングで家族と共にポーランドを脱出した。。。父親の冷静な判断と果敢な行動がゼルの一家を救ったのだ。
一方で、常識や先入観にとらわれてリスクをとらなかった多数派の人々は生き残ることができなかった。文字通りリスクの扱い方1つが生死を分けたのである。
私たちが戦う株式市場では、世間の一般常識や先入観に捕らわれた大衆・多数派は長い目で見るとほぼ負けます。市場で勝ち残るには「計算されたリスク」を取り、逆張り思考を持って臨むことが極めて大切です。
そしてこのゼルの自伝からは、多くの貴重な示唆を得ることができます。ゼルのリスクに対する考え方は極めてユニークですが同時に学ぶべきところが沢山あります。それでは次回からはこの本のベストオブベストの部分だけをコンパクトに見ていくことと致しましょう。(続く)
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