ヒース・レジャーの遺作となるテリー・ギリアム監督作品“The Imaginarium of Doctor Parnassus”では、ヒース演じるトニーの代役を、ジョニー・ディップ、コリン・ファレル、ジュード・ロウが務めるというが、それもトニーが鏡を通過して別の世界に移動するというファンタジックな設定から、別人が同一人物を演じても違和感なしとして撮影続行が決まったという。この未公開作品にも、コクトーのビジョンが地下水脈のように受け継がれている気がしてならない。
“The Imaginarium of Doctor Parnassus”でヒース・レジャーが鏡を抜ける姿を見るのは来年になりそうだが、ジャン・マレーはすでに1930年代に鏡を通り抜けていた。