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2010.05.12
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カテゴリ: Travel(フランス)

(きのうのエントリーから続く) 

だからとりあえず、南フランスの交通の要所マルセイユまで本数減らしたノロノロ電車で来させて、そこで客をため、十分にためたうえで間引かなかった数少ない別の路線(あるいは近距離ならバス)で、北あるいは西へ運ぶというわけ。

これもあとから分かったのだが、主要路線の間引き方にはパターンがあって、とにかく南仏では「北・東・西の列車が交差するマルセイユまで来させて、客をためる」のがパターン。

カルカッソンヌからエクスに行くときは、遠回りになるマルセイユで降ろされ、待たされた。そして、マルセイユからは結局電車は出ず(間引かれた)、フランス国鉄が用意したチンケなマイクロバスでエクスに運ばれたのだ。

ちなみに、エクスTGV駅からバスに乗って街近くのターミナルに行ったとしたら2人で7ユーロかかるから、それを合計15.4ユーロから引けば2人で8.4ユーロ、つまり合計で1000円高だったということになる。

2時間半で移動できる予定が、延長された待ち時間も入れて5時間以上かかったのに、ですよ。

マルセイユ-エクス間では電車に乗れず、待たされたあげく、豪華1ユーロ路線バスとは似ても似つかない、チンケでボロいマイクロバスに満杯に乗せられたのに、ですよ。

これが、あーた、ストの名を借りた、「自分たちは怠けながら利益率をアップする作戦(ただし、総売上はど~~でもいいもんね)」でなくて、なんでしょう?

どうして、総売上はどうでもいいのか? 結局のところ鉄道事業というのは、黒字にならないビジネスなのだ。日本のJRだって、民営化されたといいながら、政府からの補助金と税制上の優遇措置を受けている。もし本当に鉄道運行という事業で利益を上げようと思うなら、料金をもっとずっと上げなければムリだが、「公共」交通機関であるかぎり、それにも限度がある。料金を上げれば客はクルマやバス、飛行機に流れ、ますますガラガラの列車を走らせることになりかねない。鉄道はどのみち時刻表どおり走らせても(実際には遅延も多いようだが)利益は出ない。総売上げを伸ばしたって、しょせんは赤字がかさむだけ。労働者の賃金を上げるには、結局は突っ込む税金を増やすしかない。どうもフランス国鉄のストは、経営側にもそういう投げやりな考え――あるいは達観と呼ぶべきかもしれないが――があるから、こうものんべんだらりと続くのではないかと思うのだ。

ちなみに、フランス国鉄(および国際列車)の遅延について。フランス国居住者なら払い戻しを受けられるよう(100キロ以上、1時間以上で半額)。ツーリストはダメ。 こちらのサイト に情報あり。通常運行でこうとは、まったくどこまでも投げやりな経営だ・・・本来、こんな状態の組織でストをやったら会社がもたない。

そして、それを許しているのが、フランス国民全体に行き渡った「労働者はデモとストで自らの権利を勝ち取ってきた」という共通認識(あるいは思い込み)だ。だが、労働者は納税者でもある。そしてフランスは公務員が多い( こちら を参照)。そういう国の行き着く先は? 納税者の負担を軽くして労働者に我慢を強いるのか? 労働者を優遇して納税者に無理を強いるのか? どちらにも行きにくい。前にも後ろにも行けないから、国鉄ストはますますのんべんだらりと続くようになる。まさに社会の悪循環だ。

かつて日本の国鉄で労使が真っ向から対立し、労働組合が スト権スト を決行した結果、一般人を巻き込むストという行為そのものを世間から厳しく非難され、労働者側の勤務姿勢にも批判が集中し(これには当時の権力者の意向を受けたメディアの世論誘導があったのは明らかだ)、労組が壊滅状態に追い込まれた状況とフランス(そしてヨーロッパ)はあまりに対照的だ。

フランスで遭遇した国鉄ストは、労働者の純粋な権利要求にしては、あまりに経営論的思考で間引き運転が決定されていた。ストと言いながら労使はどこかで結託、もしくは妥協している。

南フランス方面に関して言えば、移動客は予定より数時間から半日遅れてしまうにせよ、ちゃんとその日のうちに目的地に着くようになっている。しかも、「客を一箇所にためて、めいっぱい詰め込んで運ぶ」というのは、コストカットの手法そのものだ。

「マルセイユで客をためる」パターンは、たとえば北から来る客には以下のように応用される。

エクス(北)からニース(南東)方面のカーニュに行く日、Mizumizu+Mizumizu母の乗った直行でニース方面に行くはずのTGVは、急きょ(本当は計画的に)途中のマルセイユ止まりになった。

そして、マルセイユで待たせて客を思いっきりためたあとに、間引かれなかったTGVが来て、目いっぱい客を詰め込んでニース方面に運んだのだ。まあ、当然といえば当然なのだが、切符はそのまま振り替えで使える。

この切符も、勝手に不必要に補償が手厚い切符を売られたので、Mizumizuは2人で3ユーロ余計に払った。

ストの最中に、客の意向を聞きもせず、ちゃっかり1人1.5ユーロとか1.7ユーロとかコツコツ上乗せした切符を売るってどういう了見?

フランスで国鉄の切符を直に買う皆様。「前日の夜までなら払い戻し可(当日の変更・キャンセルは10ユーロの手数料がかかる。出発後は補償ゼロ)」という条件で十分だと思う方は、窓口であらかじめ意思を伝えましょう

そして、電車の間引き方は、実に経営側にとって都合がいいようになっている。

輸送手段をなるたけ間引き、荷物をできるだけためて、目いっぱい積んで運ぼうという運送屋の発想だ。

荷物が着くのが遅くなれば客から文句を言われるから、こういうコストカットは運送屋にはしにくい。しにくいが、文句さえ言われないなら、そうやってどこか交通の要所で荷物をためて、一挙に運んだほうが「儲かる」のだ。

フランスのストで行われているのは、まさにこれなのだ。しかも荷物扱いされているのは人間。そして、ストに関しては、フランス人の客は信じられないほど寛容で忍耐強い。毎回毎回ストに巻き込まれたが、一度も声を荒げて怒ってる客を見なかった。いろいろ聞いてる人はいるが、感情的になって文句をつけてる(らしき)人も全然見なかった。

信じられません。

「ストの状況は刻々と変化するので、その日になってみないと、どの電車が動くのかわからない」と、フランス人は口を揃えるのだが、これも到底そのまま鵜呑みにできない。

確かに乗客に知らされるのは当日だが、どの路線を間引くのかは、事前にほとんど決まっているはずだ。

カルカッソンヌに行く途中のモンペリエで足止めされたとき、それを実感した。

南フランス地図

南仏の地図。南西のカルカッソンヌ。南の交通の要所マルセイユ(海沿い)。その北にエクスアンプロバンス。マルセイユの東にニース。

(続く)






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最終更新日  2010.05.12 17:11:05


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