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<きのうから続く>
カーニュシュルメールの2大観光スポットは、グリマルディ城とルノワールの家。
このうちグリマルディ城のあるオードカーニュ(Haut-de Cagnes)は、いわゆる「鷲巣村」。丘の上のグリマルディ城の周囲では、中世風の小道の散策が楽しめる。
後日行ったエズも結局はこんな感じの中世風の小道がうねっている、観光客向けショッピングストリートだった。
オードカーニュのほうが、アーティストが好んで住んだという素朴な雰囲気が残っている。店も少ない。とはいえ、南仏の「鷲巣村」は、だいたいがこんな感じ。
こちらは丘の上のグリマルディ城の入り口から循環ミニバス(44番)の通る小道を見下ろしたところ。44番のバスに乗れば無料で、長距離バスが発着するバスターミナルとオードカーニュを循環できる。うねうねした急な坂を上り下りするバスは、乗ってるだけでなかなか楽しい。
マリー・ローランサンやジャン・コクトーに交じって、藤田嗣治の作品もある。ポーズは極めて西洋風で、女優の写真グラビアのようでありながら、日本画の美人画に通じるような様式美と、ウィーン分離派を思わせる華やかな装飾性が混在している、なかなか洒落た作品だった。
これは一見の価値あり。
城の頂上に登ると、360度のパノラマが楽しめる。カーニュの町越しに広がる地中海。
緑と青の対比がきらきらしい。
逆方向は山がちの地形。海のすぐ近くまで山が迫っているのが実感できる。
ニースから日帰りできる村だし、それで十分といえば十分だが、やはり泊まれば、夕暮れの得がたい風景に出会える。
こちらの写真は、グリマルディ城の北側の広場から撮ったもの。切り込んだ渓谷に沿って灯りが点り始めた、遠方の山脈を見ていると、海に近い場所にいることを忘れてしまう。どこか懐かしい、山あいの村のような情景。
やはり海にも近いのだ。この眺めは、なだらかな海岸線が広がる大都会ニースとも、切り立った崖から海を見下ろすエズとも、生活感にあふれた漁村ヴィルフランシュとも違う。南仏の多彩な空気感をしみじみと味わうためには、やはりここで一泊したほうがいい。
しかし、ホテルはLe Cagnardがお奨めといいがたいところがどうも・・・
鉄道で来るにせよ、バスで来るにせよ、ホテルに非常に行きにくいし、クルマで来たら、あの最後の私道、タクシーも入らなかったあの超狭いをどうやって走るのか。たぶんメルセデスだったら、もうCクラスでアウトだ。
といって駅もしくはバスターミナルまで無料送迎するほど人手はない。というより、その気がない。
しかも、今HPを見たら、4/6~4/28と10/1~10/31間のMizumizuたちが泊まった部屋のレートを、5ユーロも上げてるではないか!
呆・呆・呆・呆・・・・
いくら客が少ないからって、こうやってどんどん値段を吊り上げて利益率を上げようとするフランス人の根性は、まったくどうかしている。
ホテルにせよレストランにせよ、客商売の基本は、「リピーターを作ること」なのだ。確かに内装は洒落ているし、一度なら泊まってもいいかもしれないが、あのホテルにリピーターがつくとは思えない。
値段を上げるより、バスタブの栓を直すのが先だと思う。でもま、たぶんホッタラカシだろう。ゲストがバスを使うのは夜。たとえ文句言われても、「今日は遅すぎる。明日修理屋に連絡するから」という話にする。たいていのゲストは一泊しかしないから、次のゲストが来たら、また同じことを言えばいい。連泊するゲストには、「今日は修理屋は来ない。明日来る」と言えば、「明日」をどんどん引き伸ばせるというわけ。そんなところだろうと思う。
<明日はルノワールの家をご紹介します>
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