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2017.12.24
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2017年全日本女子フィギュアタイトル。名実ともに女王に最もふさわしい選手が、それにふさわしい演技をし、彼女の競技人生の中で最も輝いた日になった。

宮原知子は、模範的な演技者だ。何度やっても同じ演技ができるのではないか――この「安定感」はかつてのクリスティ・ヤマグチを彷彿させる。「新時代のミスパーフェクト」というキャッチコピーはミシェル・クワンから拝借したものだろうが、宮原選手の繊細で上品な表現力は、中国系のクワンよりも、日系のヤマグチに通じるものが多い。ヤマグチも「スーパーヒューマン」と呼ばれ、その真摯な人柄で広い尊敬を得ていた。

けがのために今季は出遅れ、ショートでも2位。全日本女王の座を何年も維持してきた実力者とはいえ、今の女子フィギュアの「流れ」を見ると、若手にあっという間にその座を奪われる。安藤・浅田時代と比べると世界的な成績では粒が小さくなったとはいえ、日本女子シングルは層が厚い。マスコミは「まりんまりん」と今季は成績も出てない選手の「覚醒」を勝手に囃し立てて待っている。宮原選手にとって優位な状況とはとても言えない。むしろ逆境に近い。

そうした凄まじい重圧の中、フリーの演技スタート。嬉しかったのは会場の拍手が宮原選手に対してひときわ大きかったことだ。会場にまで来て演技を見ようというファンは目が高い。そして、演技開始の最初の滑り、最初のポーズから、「やはり宮原は違う」と思わせる技術の高さ、芸術性の高さ、つまりはその裏にある、長年の積み重ねた練習量の豊富さを見せつけられた印象だった。

とにかく滑りがイイ。ストロークがきれいに伸びて、ブレードが氷に張り付くようにまったくブレない。だからポーズもピシッと決まり、美しい。スピードの緩急もメリハリがついて見える。すべてを支えているのは基礎的な滑りのうまさ。

あっという間にループを跳び、ほれぼれするような伸びやかな軌道を描いてルッツへ…。

今回はたまたま公式練習の様子をテレビでやってくれていて、宮原選手の曲かけ練習を見ることができた。そのときは最後のダブルアクセルに3トゥループをつけてきれいに降りていたので、本番でも最初のルッツの連続は2回転の3連続にするかな、と思っていた(本当はこっちを試してもらいたかった)が、ここは予定通り渾身の3ルッツ+3トゥループ。

その後もジャンプを次々決めて、ジャンプだけでなく、すべての要素に神経の行き届いた演技をしてのフィニッシュ。これまでの競技人生の中で最も力強く、宮原選手の強さをあらゆる人に見せつける圧巻の演技だった。他の選手も高難度のジャンプを組み入れ、表現にもそれぞれ力を入れているのだが、宮原は他の選手より一段上にいる、と思わせる出来だった。

彼女を見ていると、「様式美を個性に高める」日本独特の芸術表現の追求を思い起こさせる。それがたとえば踊りでも、様式を徹底的にたたき込む。その段階では個性だとかなんだとかは、ない。教えられた様式を体でおぼえさせ、それを極めるところまで練習・練習・練習だ。すると、その様式美はいつの間にか、その人だけにしかできない「味」を発散し始める。様式だから、同じことは誰でもなぞることはできる。だが、それを人々の目を奪う芸術に域にまで高められる人は稀有だ。

その稀有な存在に宮原選手はなったのだと思う。

ケガがなかったら、ここまでは来なかったかもしれない。去年までの宮原選手とは確かに、どこかが違うのだ。それは1つ1つのポーズの決まり方、1つ1つの身のこなし。1つ1つの動作のつなぎ。とても細かい部分の積み重ねだ。

コーチも舌を巻く忍耐強さ。それは今の日本人の若者が失いつつある、伝統的な日本人の「知性」そのものかもしれない。今回の大きな一発勝負に「勝った」ことは、宮原選手の今後の人生にも、大きなプラスの影響をもたらすだろう。

で。

オリンピックに向けてはやはり、3ルッツ+3トゥループだ。

宮原選手の3ルッツ+3トゥループの今季の認定(つまり回転不足を取られずに基礎点をすべて獲得する状態)の確率は…

NHK
ショート 3Lz(<)+2T     フリー 3Lz+3T(<)

スケートアメリカ
ショート 3Lz+3T (ただしGoEが-2がずらり)    フリー 3Lz+3T

ファイナル
ショート 3Lz+3T   フリー3Lz(<)+3T(<)

全日本
ショート 3Lz+3T(<)  フリー フリー3Lz(<)+3T

        (<)がアンダーローテーション判定。

8回ルッツからの連続ジャンプを跳んで、両方とも認定されたのは3回。しかもスケートアメリカのショートは「お情け認定」に近く、着氷で大きく乱れたのでGoEは-2ばかりで、これでは認定されても意味がない点数。

もっと率直に言うと、見ていてヒヤヒヤ感がなかったのは、「宮原史上最高の出来」だったスケートアメリカのフリーの1回きり。しかも、ルッツとトゥループが日替わりのようにアンダーローテーション。どっちかだけが問題というのなら、まだマシだが、どっちも取られるというのは、3ルッツ+3トゥループの連続ジャンプは未完成の選手、と今季の判定からは言えてしまう。

汗汗汗汗

最も大事な3回転+3回転の連続ジャンプの認定確率がここまで悪い選手が、オリンピックの台にのれるというイメージは、残念ながら非常に描きにくい。

じゃ、他の選手は? と言えば、ショートでは素晴らしいの一言だった坂本選手の3フリップ+3トゥループも、フリーの冒頭では2つ目の3トゥループが(<)。樋口選手のフリーの2つ目の3ルッツ+3トゥループの3トゥループも(<)。判定が甘くなれば取ってもらえるかもしれない。だが厳しく見られたらアウト。ハッキリ言って、誰が出ても、確実に3+3の認定ジャンプを跳べる選手は日本女子にはいないのだ。

これが「激戦」日本女子フィギュアの現実だ。全体的にレベルが高く、粒ぞろいと言えばキレイだが、悪く言えばどんぐりの背比べ。

そんな中でオリンピックの台のりを期待するとすれば、やはり宮原選手。もちろん本番では何が起こるか分からないから、ロシア女子が次々失敗し、カナダ女子が次々すってんころりんし、アメリカ女子が回転不足を連発し、ダメ押しでコストナー選手が3+3を跳べずに3+2になりシングルジャンプを連発し、そんな中で奇跡的に日本女子2人が今まで全然やったことないけど、ジャンプをショート・フリーとも全部認定成功させる、なんてこともあるかもしれない。

しかし、ただでさえ反日感情の強い韓国で、そんな神風は吹かないだろう。

だとしたら、宮原選手に頑張って、「宮原史上最高の3+3」をオリンピックで跳んでもらわなければならない。それもショートで。やってくださいよ~~。すべてがかかるこの最初のジャンプ。宮原選手の心身の強さを思えば、この大勝負だって十分に勝算はある。

そのあとのフリーは、ダブルアクセル+3トゥループを2つにするという手も依然として残されていると思う。ただ、2つ目のダブルアクセルが一番最後というのがね…。公式練習を見ても、技術的には問題なく跳べるが、体力的にどうか。疲れが出てしまうと回り切れない。

オリンピックまではまだ時間がある。幸い他のエレメンツはすでに非常にレベルが高いから手直ししなければいけない部分はほとんど見当たらない。セカンドにつける3トゥループの確率。日本のスペシャリスト、総動員で宮原選手にとってどの組み合わせが認定確率が高いのか検証・アドバイスをお願いしますよ。

表彰台の宮原選手の表情は、自分自身への自信で力強く輝いていた。あの晴れやかな笑顔をオリンピックでも見たい。

頑張れ、チーム日本!










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最終更新日  2017.12.24 15:49:26


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