[モンゴルでの日系企業] カテゴリの記事
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新空港オープンは、２０２０年上期に決定！？
もう既にご存知の方も多いと思いますが、ようやく新空港のオープンが実現しそうです。時期は来年春とのことです。（正確には今年7月から10か月以内、だそうです）なんでこんなに開港時期が遅れたのか？ハードの問題（格納庫の整備、UBへの高速道の完成遅れなど）も確かにありましたが、やはり一番大きいのは空港運営会社の経営権の問題だったようです。空港運営会社の経営権なんて、空港建設着工前から日本企業がやっると決まっていましたから、通常の契約通りであれば経営権の問題なんて起こりようがありません。ですが、そこはモンゴルです。モンゴル人にとっては「あの時は、経営権を日本に任すと言えば空港建設用の資金が入ってくると思ったから、そういう契約をした。」だけのことなのです。ですから「もう完成したんだから、やっぱりモンゴル側が経営権を持ちたい」と言いがかりをつけたというわけです。「それは契約違反でしょ？」というのは、日本人の認識であり、国際ルールでもあります。でも、モンゴル人にとっては契約とは「あの時はそう思った」というだけのことで「その後のことを考えると、やっぱり違うと考えた」と合意をひっくり返すことには大して抵抗感はありません。OT（世界最大級の金・銅鉱山）に関するリオ・ティエントとの契約も同じです。後出しじゃんけん、なんでもありがモンゴルの政治家なのです。というわけで、とっくに決まっていたことをひっくり返されながらもなんとか正式契約にこぎつけたのが7月5日で、「ニュー・ウランバートル・インターナショナル・エアポート」（NUIA）という日・モ合弁会社が設立されたのです。日本側が５１％で、三菱商事、成田国際空港社、日本空港ビルディング、JALUXの4社です。モンゴル側はモンゴル政府です。三菱商事は、空港建設を請け負った会社です。成田国際空港社は成田空港の運営会社で、日本空港ビルディングは羽田空港の運営会社です。JALUXはJAL系の空港関連のサービス会社です。MIATと成田で提携しているのは全日空なので全日空系が参加するかと思っていたら、JAL系でした。これをきっかけにJALがウランバートルへ飛んでくれるといいのですが。個人的にはマイレージが使えるので、ありがたいです。このニュースは日本にいるモンゴル人や日本語を勉強しているモンゴルにいるモンゴル人には、結構インパクトあるというか、注目されているようです。私のところには時々日本にいるモンゴル人学生などが相談に来ることがありますが、この運営会社は願ってもない就職先と言えそうです。断っておきますが、私は一切コネクションはありませんので、個人的な依頼にはお応えできません。ただ、モンゴル人は「甘い考え」を持つ人もいるので、その辺はちゃんと認識しないといけません。ある留学生の方は「どうやったら、この運営会社に入れますか？」から始まって、私に相談されました。何をやりたのかと聞くと「日本側の代表となって、新会社を経営したい」だそうです。それも「将来の話」ではなく「代表として入社できるか？」だそうです。まあ、日本人がこういう話を聞くと「何言ってんの、その人？留学生でしょ？経営？できるはずないでしょ？」と思うわけですが、モンゴル人留学生の中には、怖いもの知らず（ほぼ同義語で世間知らず）の方もいますので、短期的に経営者になれる道を探るわけです。残念ですが、遠い将来はともかく、近い将来に日本側代表として未経験のモンゴル人が経営者として送られることはないでしょうね。これに近いことを言うと、素直に「なぜですか？私は出来ますよ」と返ってくるので、なかなか説明が難しいのがモンゴル人なんですね。ま、こういう超積極的姿勢は今の日本人学生にはないものなので、私自身は一概には否定しません。そうした中から、将来のモンゴルを担う人材が出てくる可能性は十分ありますから。現チンギスハーン空港の旅客数実績は１４２万人（２０１８年）です。三菱商事と共に建設に参画した千代田化工建設によると、年間２００万人が利用可能な旅客ターミナルビルを建設するとあります。キャパは大丈夫なんでしょうか？当然、今後はモンゴルも観光客誘致により力を入れていくでしょう。モンゴルは外国人観光客の誘致に力を入れていくにあたって、一つ難しい問題があります。昨年、バトトルガ大統領とお目にかかったときに「外国人にもっとモンゴルに来てもらいたい。どうしたらいいか？」と聞かれました。私は笑いながら「人数を増やすのは簡単ですよ。中国人向けビザを撤廃し、観光客を誘致すればいいのです。」と言いました。さすがにこれは受け入れ不可能だとわかって言ったのですが。モンゴルは人口３００万人の国です。陸続きの人口大国中国人がどっとやってきたら、そのうちの何パーセントが不法滞在者として残るでしょうから、数年もすれば中国人の方が多くなってしまうことも笑い事ではなくあり得ます。内モンゴルもチベットもウィグルも、一番怖いのは武力よりも「漢人による大量進出とその結果としての漢化」ですから、それだけは飲めません。外国人観光客は増やしたいけど、最大の供給源である中国は制限したい、のがモンゴルの本音です。大統領は「一番来てほしいのは日本人です。」とも言ってました。そうなると、ガチでベトナム、タイ、シンガポールなどの東南アジア諸国と競合になります。今までのように「来たい奴だけくればいい」的なやり方では、日本人の動員は難しいでしょう。チケット代、交通手段などのインフラ整備、ホスピタリティなど問題はたくさんあります。ただ、多くの問題はウランバートルの方で、地方の整備されたゲルキャンプなどは多くの日本人にも喜ばれることでしょう。今後の、観光施策に期待しましょう。
2019.07.29
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アイザワコンクリートが日経新聞に！
今日の朝刊にアイザワが載っていました。モンゴル関係者の方ならすぐにピーンとくる名前です。この会社の日本での正式名称は、会沢高圧コンクリートという北海道にある会社です。２００９年にモンゴルに現地法人アイザワモンゴルを設立し、UBの産業地区に工場を作りました。この会社のことは、本ブログでも何度か言及していますが、日本でテレビにも取り上げられていました。２０１３年８月２７日付け「テレビ東京未来ジパングの影響でしょうか？」（https://plaza.rakuten.co.jp/mongolmasami/diary/201308270000/）私は何度か現場を訪問させていただき、その度に「これはオーナー企業じゃないと難しいな」「でも、こういう海外進出が日本の、特に地方の中小・中堅企業には合っているのではないか」と思っていました。会沢コンクリートは売上１６６億円の、コンクリートの会社としては国内では決して大手とはいえる規模ではありません。会沢がモンゴルに目を付けたのは「寒冷地」というキ－ワードです。北海道の寒さで鍛えられた寒冷地用のコンクリート技術がモンゴルで優位性を持てるのではないかとの思いで、モンゴル進出を決めたそうです。確かに、モンゴルは知らない国でリスクはあります。ですが、だからといって、北海道の会社が東京や大阪へ行けばリスクはないのかといえば、そういうわけではありません。そこはそこで、大都市周辺には熾烈な生コン会社同士の競争が待っています。ここが日本の地方の中堅・中小企業の考えるべきポイントです。東京進出が安全で、新興国進出がリスクの塊なのかどうか、ということです。とはいえ、アイザワモンゴルも当初は苦戦を強いられていたようでした。数億円かけて工場を作り、日本から何人もの技術者を常駐あるいは長期出張させていました。明らかに先行投資です。売上がほとんどない中で、品質向上に向けいつも頑張っていた日本人技術者たちの姿は、今でもよく覚えています。しかもモンゴルは中国の隣ですから、安い中国製品がバンバン入ってきます。その上、モンゴルの国内品も結構出回っていましたし、生産余力もありました。つまり、新興国にありがちな「市場の成長に供給力が追い付かない」なんて話ではなかったのです。ですので、設立後間もない頃は、せっかくの新工場の稼働率も低かったのです。ですが、そこはアイザワの踏ん張りどころで「当社の品質を認めてくれる（＝高い価格でも買ってくれる）客にのみ売る」「価格競争とは一線を画す」と、赤字覚悟で品質にこだわりました。なのでモンゴル人（もちろん、業界人ですが）の間では「品質は良いが、高くて手が出ない」という一定の認識は得ていました。そしてその後、モンゴルでも高品質の建物、路面を必要とする案件が出てきたのです。シャングリラホテルは、もちろん現在のモンゴルでのトップクラスの建物ですが、ここはアイザワを指名してきたそうです。また新空港でも、特に重要な路面はアイザワを使いたいとの要望があったそうです。新聞には「マイナス４０℃でも凍結せずに出荷できる生コンは、アイザワの独断場」とありますが、私にはこの記事はちょっと違和感がありました。アイザワの技術に関してはなんの疑いもありませんが、そもそもマイナス４０℃になる時期に工事なんかできるのか？ということです。わざわざマイナス４０℃と書いてあるからには、屋外での使用でしょう。ですがモンゴルでは、法律により極寒期（確か１１月から３月だったかな？）の屋外での工事・作業は禁止されているのです。なので、本当にマイナス４０℃の時に生コンを注文する会社があるのだろうかという疑問です。それはさておき、プラスマイナスで８０℃以上にもなる可能性のあるモンゴルでは、耐寒性のあるコンクリートはありがたいし、今のところアイザワ以外には供給できないでしょう。北海道の会社は、寒冷地ということもありますし、ベンチャースピリットも強いのでしょう、モンゴルとは縁がある会社が結構あります。建設系なども実際に出ている企業もあります。ですが、行ったら即成功するというわけではないので、忍耐強く自社のチャンスをうかがう必要があります。そういう意味では、オーナーが直接モンゴルに赴き、意思決定をした企業が生き残っていくと思います。逆に、きれいなビジネスプランを必要とする大企業は、いつも社内の壁で頓挫してしまいます。私が個人的に期待しているのは、北海道のセイコーマートです。２０１６年１２月１４日付け「ウランバートルからセイコーマートへのラブコール」（https://plaza.rakuten.co.jp/mongolmasami/diary/201612140000/）いつか、この声が届くといいのですが。
2018.08.06
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世界のITOEN？
先月モンゴルへの出張中、伊藤園の自販機を見つけたと本ブログに書きました。やはりあれは単なる「たまたま自販機があった」というのではなさそうです。先日の新聞に伊藤園がグローバル戦略を本格化しているとの記事が出ていました。それによると、最近伊藤園は海外進出を本格化しており、アジアへの進出も活発化しているとのことです。アジアはシンガポールベースとあります。そうなんです、シンガポールをアジア進出の拠点とする企業はかなり多く、日本企業も例外ではありません。ここでいうアジアにはモンゴルも含まれます。モンゴルにはシンガポールから輸入されている商品が実際結構多いのです。モンゴルのタイガービールは、皆さんご存知の通りＭＣＳが運営しています。が、モンゴルで作っているタイガービールは瓶タイプだけで、缶ビールはシンガポールから輸入しています。日本企業でも、ある日用品メーカーは生産国はタイだったり、インドネシアだったり、或いは日本だったりしますが、モンゴルへの輸出企業はシンガポール法人です。ですから伊藤園がアジア強化をする時も、モンゴル向けは当然シンガポール経由であることが考えられます。おそらくその一環で、モンゴルにもITOENの自販機が設置されたのでしょう。お茶は、アジア全体に普及しているので進出しやすいと思われるかもしれませんが、実は結構違いがあるのです。東南アジアのコンビニでお茶を買った経験がある方はおわかりでしょうが、基本的に砂糖入りが主流なのです。それに対して、日本茶は無糖タイプで、むしろ少し苦さを感じさせる味となっています。当然、当初は受け入れららなかったわけですが、昨今の和食ブーム、抹茶ブームそして健康ブームで、アジアや欧米でも日本茶の人気が高まっているのだそうです。今ではティーパックや粉末スティックも投入され、和食ブームに乗って販路拡大しているというわけです。モンゴルでは、お茶といえばモンゴル伝統のミルクティー（スーテーツァイ）があるので、レストランなどでは紅茶を頼むときには「リプトン茶ください」という場合が多いです。これは紅茶の普通名詞みたいに扱われて、リプトン茶じゃなくとも紅茶が出てきます。これと同じのが「キャノンする」というのが「コピーする」と同じになっている例があります。ミノルタのコピー機でも「キャノンできます（コピーできます）」と看板に出ているほどです。どうやらITOENはこの路線を狙っているようです。「日本茶ください」を「イトウエンください」となるレベルまでもって行きたいようです。モンゴルには既に韓国から大量の緑茶が入り込んでいますので、それを覆せるかはわかりません。濃い味に慣れた私からすると、韓国緑茶の味はなんだか薄い水っぽい味に感じますが、味というのは最初に浸透した商品が有利という傾向があります。どこまで伊藤園がやれるかはわかりませんが、「日本茶のリプトン」を目指すITOENブランドに注目していこうと思います。
2016.01.18
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新空港建設、将来品質問題が出てくる？
こちらで空港関係の話を伺うと、なんだか不安要素がたくさんで心配になります。何が心配かというと「空港の品質」です。このブログでは何度も空港についてお伝えしてきた通り、新空港受注は三菱商事ですが、その三菱商事は空港建設（土木工事や建物建設）についてはＳ建設（韓国ギャラクシー系）に丸投げしています。これがまさに「丸投げ」であって、品質管理についても一切関わっていないようです。ちなみに、空港の設備や機器（コンピュータシステムとか）は千代田化工が担当するようです。モンゴルでの現場の話を聞けば聞くほど「本当にそんなんでいいの？」「商事はどこまでわかってんの？」と思ってしまいます。なぜこんな心配をするかというと、一般のモンゴル人（及び一部しか関心ないでしょうが一般の日本人）にとっては、新空港は「日本のお金で日本人が建設している」という認識なのです。この国では日本品質は最高品質と同義語です。最近の太陽橋はもちろん、太陽道路やバガノール方面に行く鴻池道路に至るまで、「さすがは日本人が作った道路だ。本当に素晴らしい」と高い評判を得ています。新空港はこれと同じように「さすがは日本人が作った空港だ。品質が高い！」と思われる予定なのです。ですが、実際にはほとんどどこにも日本品質なんて存在しないんです・・・当初は円借款による新空港建設に期待していた日系企業も、今では落胆の色を見せています。商事から丸投げを依頼されたＳ建設は、ほぼというかすべての日系建設会社が逃げてしまうような無理な低予算でも「はい、やります！」と言ったわけです。その心は・・・「品質を気にしなければ、なんだってやれる！」というところのようです。もちろん、私や業界人の推測ですが、そうとしか考えられないやり方なんだそうです。三菱商事がＳ建設に丸投げした時点で、日系企業が主たる役割を行うことはなくなってしまいました。商事は商事で、「下手にこの会社をつかえとか、この品質じゃあだめだ」なんて言ったら、Ｓ建設から「それじゃあ、予算オーバーでできないよ。商事の責任だよ。」と言われてしまうので、「建設に関しては一切関わらない」と宣言していると、一部では言われています。最後の最後は、三菱商事は「建設に関しては、一切の責任はＳ建設にある」と逃げる道を作っているとしか思えません。Ｓ建設から直接日系企業に声がかかることは少ないようですが、それでも日系企業に声がかかってきます。なぜか？Ｓ建設がモンゴルの下請け企業に「この設計通りにやれ！」と指示が来ます。ですが、当然ですがモンゴル企業にはどうやったらいいかなんてわかりません。空港建設で必要なノウハウなんてないのですから。困ったモンゴル企業が日系企業に依頼してくるわけです。もちろん、場合によってはＳ建設自身でやってくることもあります。設計自体は日本の設計会社が作っていますから、その通りに作れば品質には問題ありませんが、その通りにやっていてはコストがかかってしまいます。（だから、日系ゼネコンは逃げたんですけど）Ｓ建設側は、この品質でこの価格でやれと、ものすごい高圧的な態度で要請してくるそうです。もちろん、日系企業だって仕事は欲しいですから、一生懸命説明しますが、全く聞き入れないそうです。Ｓ建設側は、「じゃあ、こういうやり方でやれ」と安価な方法を指示してきます。が、それではとてもこの寒冷地の空港の品質としては耐えられません。日系企業は「低品質を承知で受注する」なんてできませんし、やったところで設計会社の品質調査にパスしないことは目に見えているので、できないと断ります。「明らかに日本の設計会社が設計した品質とは違う品質」で構わないから、とにかくやれ！と指示をしているそうです。モンゴル企業はサＳ建設がそれでいいと言うのだからと、その通りのやり方で工事しているというのです。「あのままで、本当にいいんですかね・・・新空港が一体いつまで持つのかなぁ」との日本人技術者のつぶやきを聞きました。「日本企業がＳ建設と一緒に仕事をするのはほとんど無理じゃないでしょうか？ああいう高圧的で、無茶苦茶ばかり押し付けてしかも品質を大事にしない企業と付き合うのはほんとに嫌ですね」とも。私は「そうはいって、日本の設計会社が品質にＯＫを出さなければ、検査は通らないんじゃないですか？」と聞きました。すると、「現場は、もうひどいことになっているようです」と聞きました。検査というのは、完成するまで何もせずにずっと報告を待って、出来上がってからチェックするなんてもんじゃないのです。工事期間中から現場をチェックして、工法や資材の確認もしているのです。なので、日本の設計会社が「その品質ではなく、この設計通りの品質でやるように」とＳ建設に指示を出すことも多いようです。ところがＳ建設側が「その指定された品質ではＳ建設はできない」と設計会社に言ったんだそうです。ちょっと信じられませんが、建設会社が平然とできないと言うとは驚きです。入札の際にわかっていたはずですから。普通だと「じゃあ、今回の入札を取り消すか」となるところですが、そうなったら他に誰がやるんだ？そもそもＳ建設以外引き受ける企業もないからこうなった、などの理由でうやむやに・・・現場では日常的に日本の設計会社とＳ建設との良く言えば協議、悪く言えば喧嘩が多発しているとのことです。もちろん、三菱商事はその仲裁には乗り出さないでしょう。乗り出したら、コストアップにつながりますから。私の疑問は「そうはいっても、韓国の技術力はちゃんとあるんじゃないの？だって、インチョン空港作ったのは韓国企業でしょ？」と聞くと「あれは、Ｈ建設（ソナタ系）でしょ？Ｈ建設はちゃんとした技術ありますからね」との答え。「そもそもＳ建設なんて最近できたんじゃないの？基本的にはＳ商事みたいなもので、技術なんてないよ。Ｈ建設なら問題ないけど、Ｓ建設はねー・・・」なるほど、韓国系云々ではなく、どうもＳ建設固有の問題、やり方のようです。どうなるんでしょうかね、この問題。きとんと予定通りの予算で予定通りの期日で完成したら「品質で妥協した」ことになり、「品質で妥協できない」となれば、工期や費用の見直しが必至のような気がします。新空港が数年後に「滑走路にひびがたくさんできて大変」なんて評判は聞きたくないですね。
2014.02.21
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ＪＦＥエンジニアリング、受注！発注者はだれ？
やや旧聞に属する話ですが、モンゴルでＪＦＥエンジニアリングが空港ビル建設受注という記事が載っていました。それによると、モンゴルの新空港で、旅客ターミナルビルの建設２０億円程度をＪＦＥエンジが受注したとあります。これだけなら、おめでたい話です。ＪＦＥエンジはウランバートル市の南北を結ぶ太陽橋を完成させた会社です。私もその会社に招かれて、現場を見ました。極端な寒さ、当局との折衝の困難さ、現地の会社との協業の難しさなどありましたが、それらを超えて、立派な橋を作った会社です。安心して任せていい会社だと思います。気になるのは、その発注形態です。この新空港プロジェクトは三菱商事・千代田化工連合が受注したプロジェクトです。発注者はモンゴル政府ですが、全額日本政府の円借款ですから、日本人にも無関心ではいられません。日本政府の円借款プロジェクトを三菱商事が受注して、その一部を日本企業に請け負わせるのは問題ありません。が、実際には、ＪＦＥエンジが受注する相手はサムスン物産です。三菱商事が自ら建設に責任を持つのであれば、ＪＦＥエンジに直接発注すればいいのです。が、それはあり得ないことなのです。なぜか？それは、本ブログでもたびたびお伝えしているように、三菱商事は「形だけ、表面的な」新空港建設者だからです。もっと言えば「三菱商事は、建設業務には一切関わらない」とさえ言っているそうです。なので、建設については「すべてサムスンに丸投げ」というわけです。こういう構造は、現地の多くの関係者はわかっていたことで、秘密でも何でもありません。なのに、なぜか日経新聞は三菱商事に発注先が決まった時には、まるで新興国で厳しい競争の末に大型建設受注を勝ち取ったかのようなおめでたい書き方をしていました。もちろん、その時点で「韓国企業へ丸投げ」は日経新聞もわかっていたでしょうが、なぜか一切書かれていません。そもそも円借款事業だということも、最後にちょっと触れただけです。こういう意図的な動きを見るにつけ、新聞社もなんとなく日本政府お抱え的気質があるんだなあと思います。もちろん、日本政府の言い分は想像できます。「こんな世論のご時世に、国民の税金を使う大型事業のほとんどが韓国企業に丸投げされるなんて、発表されたら困ります」というところでしょう。それだけを聞けば、なるほどそうかと思いますが、「じゃあ、なんでそうなってしまったんだ？」というところにまで目を向けてほしいのです、マスメディアには。大本営に逆らえない、いや、逆らうほどの取材力のない日経新聞では難しいのでしょうが、そこまで追求することで、今後の国民の税金のまっとうな使われ方が浮かんでくるのではないかと思います。誤解なきように申し上げますが、今回の三菱商事の立場は「困ってしまった政府関係者を助ける立場」だということは承知しており、三菱商事に責任があるとは思っていません。そうならざるをえなかった、ＪＩＣＡや政府関係者にもっと税金の大切さを知ってほしいということです。
2013.09.21
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MONNISは日産の正規ディーラーじゃないの？まさか！
何気なくトヨタのHPを見ていたら、グローバルネットワークというページに行きました。私は未だにモンゴルにおける日本車の正規ディーラーがどうなっているのかよくわかりません。私の認識では、日産はだれもが知っているMONNISがありますが、それ以外はないような気がしていました。モンゴルのクルマの市場は、日本車の比率はかなり高いとは思いますが、そのほとんどは日本やアメリカからの中古車輸入であり、新車はほとんど見ませんでした。そんな中、日産だけは１５年も前からウランバートル市内のいい場所（平和橋のたもと）に拠点を持ち、新車販売に力を入れてきたというイメージです。「モンゴルにはランクルがたくさん走っているけど、トヨタはまだ進出してこないんだね」というと、多くのモンゴル人は「いいえ、もうトヨタは来てますよ。ちゃんと看板出して売ってます」と口々に言います。ですが、私から見るとなんだか古臭いトヨタの看板で、とてもグローバルな正規ディーラーには思えていませんでした。ところが、１－２年ほど前から「最近、トヨタのちゃんとしたディーラーができたんですよ」という話を聞いたことがあります。そんなわけで、ちょっとトヨタのHPからグローバルの正規ディラーを見てみようという気になったのです。で、見てみると・・・ない。やっぱりありません。アジアだけでも、３０以上の国・地域に正規ディーラを持っているのに、モンゴルにはないのです。内陸だから？人口が少ないから？隣のカザフ、戦争ばっかりしているアフガニスタンにもあります。ネパールにもあるくらいですから、内陸とかそんなのは関係ありません。人口かな？ですが、なんとブータン（７０万人）や南太平洋の島国サモア（人口１７万人）にもあるではないですか！バヌアツ（２４万人）、タヒチ（１７万人）そしてなんと人口１０万人のトンガにまであります。そのサイトを開くと、確かに正規ディーラーとして紹介されているのです。内陸でも人口でもない。一体なんなんですか、トヨタさん？！わかりませんね。気を取り直して、日産を見ることにしました。さすがにここには正規ディーラーとしてMONNISが紹介されていることでしょう。が、・・・ない、ないのです、モンゴルの名前が！いくらなんでも、MONNISはあるでしょ、と何度もチェックしましたがないのです。うーん、まったく理解できません。MONNISは正規ディーラーではないのでしょうか？でも、店のCI（デザインやロゴなど）は日産のグローバル基準に準じているように見えます。もしかして、これは私の単純な推測でしかありませんが、MONNISはディーラーではあるけれども、グローバルの正規ディーラー基準を満たしていないのかもしれません。あるいは契約上は、exclusiveつまり、モンゴルでの独占契約をしていないのかもしれません。でも、正直わかりません、なぜ日産本社のグローバルネットワークリストに入っていないのか。ということは、他のメーカーもそうなんでしょうか？ウランバートルの西のほうにスバルのディーラーがあるのはご存知の方も多いと思います。あれはどうなんでしょうか？スバルのHPを覗いてみると・・・えー、やっぱりない！スバルにもなしかー。あの比較的きれいなスバルのディーラーも、正規契約を結んだディーラーじゃないってことなんでしょうかね？ということは、モンゴルには日系メーカーの正規ディーラーはないってことなんでしょうか？なんだか、日産までないとなると、モンゴルそのものが黙殺されているような気がして心配です。BMWのディーラーはMONNISの近くにあります。あの店つくりはいくらなんでも、正規ディーラーの雰囲気いっぱいです。調べてみると、BMWの年次報告の中に「BMWは東アジア市場で伸びてる。」とBMW Group Asiaという会社の傘下にモンゴルのディーラーが含まれているとのことでしたから、間違いなく正規ディーラーでしょう。そうだ、三菱も私がいたころ新しい拠点を作ったはずだ。遊園地につながる東への道路沿いです。三菱自動車のサイトから探していくと・・・あったー、ありました、モンゴル！ついに日系の正規ディーラーを見つけました。この後、ホンダ、マツダやスズキも見ましたが、やっぱりメーカー本社のHPにある正規ディーラーリストに載っていたのは三菱自動車だけということになりました。BMMMという会社です。MMMはなんとなくですが、Mongol Mitsubishi Motor の略に見えますね。Bはなんでしょうか？バヤンゴル地区にあるから、なんてまさかね。とにかく、今日現在モンゴルにある日系の正規ディーラーは三菱自動車だけと判明しました。日産はサブディーラー契約なのかわかりませんが、どうも違うようだということがわかりました。トヨタさん、そろそろ本気でモンゴルに来てほしいです。というか、たくさんのモンゴル企業がアプローチしているはずなんですけどね。トヨタの正規ディーラに選ばれれば、ほぼ間違いなく「絶対に儲かる」でしょうね。
2013.09.05
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テレビ東京「未来世紀ジパング」の影響でしょうか？（２）
その後登場したのは（順番は忘れましたが）ＨＩＳ会長澤田さんのハーン銀行。日本式のきめ細かい融資（羊を担保にして小口融資をする）が紹介されていました。これは有名なグラミン銀行に勝るとも劣らないマイクロファイナンスの仕組みだと思うほどです。が、番組としてはなんでも日本と結びつけたがって「日本式の融資を持ちこんだ」と言ってましたが、もちろん、そんなわけはありません。澤田さんは会長ではありますが、経営は世界から集めたアメリカ人などのプロフェッショナルバンカーに任せていました。昨年の春からトップが日本人になりましたが、ここまで成功してきた要因は日本式ではないグローバルスタンダードで銀行経営をしてきたことにあります。ま、ちょっと取材しただけではわかるはずもないでしょけど。あと、ジャパンタウンも紹介されていました。今はジャパンタウンの名前は使われず、フォーシーズンと呼ばれています。スルガ・モンゴルが長い年月をかけて作り上げてきた街づくりが紹介されていました。紹介によると、一戸当たり２０００～５０００万円とありました。モンゴルの賃金水準からするとべラボーな価格で、ＧＤＰ比で言えば、六本木ヒルズよりも高いかもしれませんね。以前はもっと安かったんですけどね。私の記憶では５年くらい前で１０００万円（１００平米）だったかな？私も見学させて頂いた北海道のコンクリート会社も紹介されていました。この会社、寒冷地でのコンクリート製法のノウハウたくさんある会社です。番組の紹介の仕方が「お米だけじゃないんです。携帯も進出しているんです。通信会社ですね。」とモビコムのことを紹介していました。今年試験販売を始めたばかりの新潟のお米とモビコムを同列に扱うのは、いくらなんでも違うだろうと感じました。他の番組でもありましたが、この手の番組を見ていると時間の概念がなく、数ヶ月前のことと１８年前のことが視聴者にはほとんど同じことのように伝わるのではないかと思ってしまいます。（モビコムは１８年前からやっている）そして番組の最後は「モンゴルは第二のサウジアラビアになる」でした。うーん、センスないなあ。サウジアラビアって、結局石油を一部の王族が独占して、一般国民が騒がないようにその「ほんの一部」を配っているだけの国ですよね？まず日経新聞のなんとかさんという編集委員に申し上げますが、モンゴルは民主国家です。サウジのような国家独占主義ではありません。この編集員は、誤解したというのではなく、確信的に間違っていると思いました。「金、銅、石炭の産出によって国家が利益を得て、その利益を国民に配って豊かになる」とはっきり言いましたからね。それはサウジでしょ？カナダやオーストラリアはそうしてますか？違うでしょ？私はモンゴルがサウジアラビアのようになって欲しくはないです。カナダやオーストラリアのように民主主義のまま、民間資本を中心に資源開発を行い、政府はそこからの税収入などで国家全体のインフラ整備などに資金を使って欲しいです。「国家が利益を得て、それを国民に配る」などという寝ぼけたことを言う編集員は信用できません。そもそも番組中から、モンゴルに対する知識が「ちょっと昨日勉強しました」的雰囲気がぷんぷんでした。とはいえ、この人以外は全体にポジティブでいい番組でした。これを見て「よし、モンゴルへ行こう」という日本企業が増えてくれることを望みます。（完）
2013.08.27
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テレビ東京「未来世紀ジパング」の影響でしょうか？（１）
ここ数日更新してないのに、急に訪問者数が増えています。これはもしかして、今晩放送があったテレビ東京の番組、未来世紀ジパング【知られざる親日国モンゴルが沸騰】の影響でしょうか？きっとモンゴルを知らない人が見て興味を持ち、モンゴル関係でネット検索している中で私のブログにも立ち寄られた方が少なからずいるってことなんでしょう。とにもかくにも、モンゴルに興味を持ってくれる人が増えることは大歓迎です。私も見ました。今日の午後、モンゴル関連の知人からこの番組がある旨教えてもらい見ることができました。ご覧にならなかった方やモンゴルにいる人もいると思いますので、ここでちょっと内容を紹介しましょう。基本的には大変モンゴルに対してポジティブな内容でした。というか、実態以上に「日本とモンゴルは強くビジネスで結びついている」という印象を受けるほどでした。私の実感からすれば、日本企業の進出が少なすぎる！と思っているわけですが、番組的には「日本企業大活躍」的雰囲気でした。ま、ほとんどの日本人はモンゴルのことを知らないので、これくらいポジティブに宣伝してくれた方が良いかもしれませんね。まずは「大草原の国モンゴル・・・知られざる親日国」というところから始まりました。ＵＢの発展ぶりや世界的に見てもトップクラスの高い成長国であること（ＧＤＰの伸びは２年連続で世界第３位なんだそうです）などです。もちろん、お約束の大相撲も出てきました。この番組は、日経新聞社もバックアップしているので基本的にはビジネス的なアプローチがメインです。そんな中、新潟産のお米の話が出てきました。モンゴルでも最近は肉メインの食生活から日本式の定食屋さんなどが人気があると紹介され、米の人気も上昇中とのこと。多分、ノミンでの買い物風景でしょうが、お米を買っている人にインタビューしていました。モンゴル人男性がお米を買おうと手に取る姿を見て「お米は好きですか？」と。好きだというと「そのお米はどこの国のですか？」と聞きました。これが例の「ＣＡＫＹＰＡ」（すいません、ちゃんとしたキリル文字ではありません）そう、サクラ・ブランドのコメだったのです。サクラはモンゴルでも日本的な名前とされており、ケンピンスキーホテルの「さくら」やデパート前の「さくらベーカリー」でもお馴染の名前です。もちろん、両店とも立派な日本人シェフが美味しい料理を提供しています。そのモンゴル人男性も当然サクラは日本の米だと思ったのでしょう。「日本の米ですよね？」と答える男性に「原産国を確認してください」というと、なんとチャイナ。ヒャタッドと言ったかどうかは知りませんが、それを見て「え？中国？じゃあ、危険な食品かもしれないな・・・」と棚に戻してしまいました。（これ中国人が見たら怒るだろうなあ。やらせかと。）そんな前振りから、新潟県のお米業者の社長さんがモンゴルでこしひかりを売る奮戦ぶりが放送されました。１ｋｇ７０００トゥグルグで売られてました。日本円で５００円ほど。中国産のサクラは１５０円くらいですから、３倍以上になります。新潟のお米が売れるといいですね。期待してます。（続く）
2013.08.26
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三井住友銀行、やっぱり一般人にはメリットないらしい？
三井住友銀行のモンゴル駐在員事務所開設は、モンゴルの銀行でいろいろ不便を感じている日本人には朗報かなと思いましたが、やっぱり既報の心配通り、狙いは邦人サポートではないそうです。駐在員事務所ですから、預金や送金などの窓口業務はできないのは予想通りです。とはいえ、何か少しでもメリットあるのかな、或いは今はできないけど将来メリットを出すことを目指しているのかなとかすかな期待はしていたのですが・・・現地からの情報によりますと、今回の設立の目的は今後の資源開発によって期待されるインフラプロジェクトなどでのプロジェクトファイナンスが目的だそうです。プロジェクトファイナンスだけであれば、確かに現地に支店を作らなくても行うことは可能でしょう。また、既に業務提携をしているハーンバンクとの提携を一層強化する目的があるというわけでもないそうです。つまり、今後多くが期待できるインフラ整備への資金供給が目的だということです。まあ、それはそれで結構なことですが、今回完全に「邦人や日系企業サポートは目的じゃないんだな」と確信したのは、この駐在員事務所の主管（銀行の組織上、主たる管理部門。要するに、この事務所長の親分のいるところ）がなんと韓国の三井住友銀行だということです。アフリカや南米ならいざ知らず、こんなに近い国なのに、なんでわざわざ日本ではなく韓国の傘下にするのか？当然、疑問が湧きますね。でもその理由は、モンゴルを良く知っている方々なら、実は心の中に答えを持っていると思います。私を含めて。「モンゴルで一番元気な外資系企業、外資系事業者はどこの人たちですか？」と問われれば、なんと答えるでしょうか？実質的には、中国の存在が大きいことは誰もが知っていますが、でも街の中での存在感は実はそうでもありません。中国側もモンゴルの国民感情の難しさを知っているからなのか、東南アジアなどとは違ってここモンゴルでは驚くほど目立ちません。その代わりに目立つのが韓国系企業や事業者たちです。「あのビルはどこが作った？」「韓国系の建設会社」「そのホテルはどこの資本？」「韓国系」「最近目立ってきている化粧品は？」「韓国系」・・・サムソンやヒュンダイだけではなく、消費財や食べ物屋さんも韓国系が多いのは、モンゴル経験のある方なら誰もが経験されていることでしょう。残念なのは、別に歴史的なつながりがあるわけでもなく、前からそうだったわけでもありません。日本が一番人気だった時代に日本がきちんと向き合わなかったせいもあります。中国嫌いがＤＮＡの中にしみ込んでいるせいもあるでしょう。でも、一番は韓国の人たちのバイタリティと積極性じゃないかと思います。そんなモンゴルの事情は、いくら新興国に疎い日本のメガバンクだってわかっているでしょう。ズバリ、三井住友銀行は「モンゴルで躍進する韓国企業の資金需要の取り込み」も狙っているんだそうです。さすがは住友の歴史を汲む銀行だけのことはあります。合理的でわかりやすい論理です。とはいえ、日本人にはちょっと残念ですけど。噂によれば、東京三菱ＵＦＪ銀行も進出検討中とか。こちらはどこが主管になるのでしょうかね？日本だといいんですけど、どうでしょうか？
2013.08.22
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三井住友銀行、駐在員事務所開設。
三井住友銀行がモンゴルに駐在員事務所を開設する、との報道がありました。三井住友銀行の進出自体は以前より話題になっていましたが、どういう形で進出するのか興味深いところです。三井住友銀行は昨年３月にモンゴル開発銀行と、今年３月にハーンバンクと業務提携をしたとの発表があり、モンゴルビジネスに関心を持っていることが伺えます。（２０１２年３月１２日付け「三井住友銀行がモンゴルへ？」 http://plaza.rakuten.co.jp/mongolmasami/diary/201203120000/参照）駐在員事務所という名称から想像できることは、いわゆる銀行業務はやらないということでしょう。ハーンバンクや開発銀行などとの提携業務をより進めるためか、或いはＯＴやＴＴへの投融資を視野に入れた支店開設準備なのか？その辺はまだわかりません。ただ、一部のモンゴルの方々で「日本の銀行ができるなら、預金や送金がしやすくなる」と期待を持っておられる方もいらっしゃるようですが、駐在員事務所のままですとそういう銀行業務はできません。基本的には、情報収集のみです。とはいえ、ハーンバンクのオーナーは澤田さんですから、なんらかの話し合いは常に持たれていることでしょう。三井住友の日本口座を持っている人には、モンゴルの銀行並みの預金が適応されるとか、送金料が安くなるとか、何かそういうメリットができるといいですね。私はモンゴルに口座を持っていますが、非常に不便です。銀行のＡＴＭ引き出しカードを持っていましたが、それは既に無効になっており再発行できません。外国人の場合、モンゴルに居住を続けていないと再発行できないんだそうです。日本の場合は、一度作ったカードは紛失でもしない限りずっと有効です。現に、私は大学生の時に作ったカードが今でも有効なんですから。モンゴルへ行った時に、デビットカードとして決済しようとした時に「使えません」と言われて困りました。ＡＴＭももちろん使えませんでした。またゴルムトはインターネットバンキングができると言っていますが、これまた手続きに行ったら外国人は居住証明がないと作れないと言われました。そういうわけで、自分の口座が一体どうなっているのか、日本にいては残高があるのかないのかさえもわからない状態です。よく「モンゴルで口座開設して投資しませんか？」などという話を見ることがありますが、本当に自分の手で自由に動かせる口座なのかどうかは確かめた方が良いと思います。そういう不便も含めて、三井住友の進出で日本人や日本企業がモンゴルで安心して金融活動ができるようになれば嬉しく思います。
2013.08.17
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WEDGEに新空港の記事が出てたけど・・・
新幹線でも売っている雑誌WEDGEの７月号に、モンゴルの新空港の記事が出ていました。当然のことながら、興味深く読みました。ですが、内容を読んでがっかりです。何も新しいことが書かれていません。このブログでは、昨年の１２月２０日、今年に入って４回（１月４日、２月２８日、５月１１日、５月１８日付け）に渡って新空港について書いてきましたが、そこに書かれている以上の内容はゼロでした。WEDGEは結構硬派のビジネス誌で、以前モンゴルの鉱山特集もしていたので、ちょっと期待していたのにです。しかも、わざわざフリージャーナリストを現地に送ってまでして記事を書かせているのに、Nothing newなのは誠に残念です。私が思ったのは、やっぱりモンゴルの情報はほとんど日本には伝わっていないってことです。私のブログを読んで下さっている方ならほとんど既知の情報であるようなことでも、ジャーナリストがもっともらしく記事を書けば、それが載るってことです。これがアメリカや中国ならどうでしょうか？編集者側も基本的な知識があるので「そんな誰でも知っていることをまとめただけじゃあ、記事にならないよ！」と言える人がいるでしょうが、モンゴルならモンゴルを知らないジャーナリスト（ちなみに経歴からロシアに詳しそうな方）でもちょちょいのちょいの記事でもいいんですね。良いとして点は、とにもかくにもモンゴルに関する記事がこういう雑誌に載ったという事実だけです。一応、既知の情報とはいえ、記事の内容をご紹介しましょう。私は今までＭ商事とか、イニシャルで書いてきましたが、正式に決まったことですし、普通に雑誌にも出ているので今後は実名で書きましょう。要は、三菱商事と千代田化工が共同で新空港を受注したが、実質的な建設業者は韓国のサムソンだということです。でもこれって、私のブログを見ても昨年の１２月の時点では関係者は既にわかっていた話です。私のような日本にいる関係者ではない人も知っているわけなんですが、それをさぞ「特ダネ！」みたいに書いているわけです。対抗馬の清水建設の提案が期間の長さ（を正直に提案した）が問題となって落とされたこともブログに記載の通りです。またこれも既報の通り、ＪＩＣＡの当初の見積もりがわずか２８８億円だったことが、新空港の着工が遅れに遅れた原因であることも書かれていました。それが今回５００億円近い金額で決まったとあります。私はこの辺りのことは誰でも知っている話なので、せっかく現地まで取材に行くんなら、その先をレポートしてほしいと思いました。でも、最後の方は「品質、工期などを正直に入札に反映しようとした日本企業が負け、とにかく無茶でも取りに来たサムソンが取った」ような口ぶりで書かれています。確かにその通りかもしれませんが、今回に限って言えばサムソンというか韓国側の悪口を言うよりも、日本側（ＪＩＣＡ）のミス、政治力のなさなどが原因であって、それに誰も手を出せなくなってしまって、仕方なくサムソンに頼ったと考える方が正しいと思います。要は、最初からＪＩＣＡが建設会社などの意見も聞いて「ちゃんと」やっていれば、とっくに日系ゼネコンに決まっていたことだということです。そういう根っこの部分を取材せずに、ナショナリズム的に韓国企業をターゲットにして文句言うのは頂けませんね。そんなことより、今後の三菱商事の対応を取材してほしかったです。予算、期間ともに入札通りにはいかないとの見方が専門家の間ではもっぱらです。特に、期間はつい先日着工したばかりで、今年はあと４カ月余り。２０１４年（実質半年だけ）、２０１５年（半年だけ）そして２０１６年（半年だけ）の工期です。全部足しても２年あるかどうか。そんなんで本格的な国際空港ができるんでしょうか？一部には、三菱商事はもう完成時期の延期の申し出を行ったという噂も出ています。また金額も５００億円弱で決まりましたが、これでも足りないという声が出ています。サムソンは当初はそれでやるとは言っているでしょうが、インフラが整っておらずセメントなどの資材調達もまだまだこれからであることを考えると、当然値上げを言ってくるでしょう。その辺のは、物価変動条項だけで本当に間に合うんでしょうか？せっかくジャーナリストが行くんですから、その辺の「三菱商事と日本政府の密約」くらいは取材してほしかったです。ちなみに、三菱商事側はサムソンに丸投げで、「一切お任せしており、建設に関しては口は出しません」とのことだそうです。単なる丸投げ以上に「そんな面倒なことには、当社は一切関わりません」とでも言いたげな雰囲気です。多分、建設に関してはリスクも丸投げなんじゃないでしょうか？なので、だれでも知っている情報をまとめるんじゃなく、それらを整理した上で三菱商事、サムソン、ＪＩＣAなどへの取材をして欲しかったです。そういう取材は残念ながらゼロでした。このまま何の問題もなく、２０１６年の開港を迎えられるとは・・・思えませんね。
2013.06.21
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新空港決定！の続編です。
５月１１日付け「なんで今ごろ、日経新聞に新空港の記事が？」の続編です。基本的には、あの通りのようですが、あの記事を書いた同じ日にモンゴルでも新聞記事になったようです。モンゴルの新聞記事によると、「資金の問題で一時的に止まっていた新国際空港の建設工事を加速化するために、新政権は関連する問題を国会に上程し、解決した結果、本プロジェクトの実施が開始される事になった。」とあります。そこには約５００億円と言われていた建設費が４９４億円と書かれていました。やっぱり資金の問題で着工ができなかったということですね。この記事によれば、モンゴルの国会で資金問題が解決したと書かれています。私はこれを読んで「さすがに、これ以上着工時期を延ばせないので、モンゴル側がなんとか資金の目途を付けたんだな」と思いました。とはいえ、２００億円近いアップです。一体どうやって、解決したんだろうと思いました。が、どうも事情はそうではなかったようです。そうではないというのは、モンゴル政府が解決したということではないということです。要するに、日本政府が不足分を追加融資すると決定したってことなんです。これを聞いて「ああ、やっぱり」と思いました。M商事が名乗りを上げた時点で、この資金問題は政治的に処理されるんだろうなとは思っていましたが、本当にそうなったということです。前のブログにも書いたように、最初はT建設、次はS建設という日本を代表するスーパーゼネコンが名乗りを上げたものの、建設予算と現実見積の大幅なかい離を埋めることができずにここまで延び延びになってきたわけです。そのかい離の原因はJICA主導の見積もりミスでしたが、役人はそのミスを認めないがために、長く放置されてきました。最終的にM商事が出たということは、予算引き上げの確信がなければできるはずないなと思いましたが、まさにその通りでした。つまり大手建設会社にはないけど、M商事には政治力があったということなのです。新聞記事によると「日本側の元請業者は、新国際空港の建設工事を契約通り２０１６年１２月に開港するよう間に合わせると約束した。」とあります。これで目出度し、目出度しです。あとは完成を待つばかり。でも、本当にできるんでしょうか？今は５月中旬です。来月から始めても今年工事できるのはたったの４カ月くらい。あと３年あると言っても、実質的には全部で２年程度？日本のS建設もその期間では無理だと伝えたそうです。S建設ができないのに、なぜM商事はできるのか？一部の声では、M商事も完成時期に関してはどうも流動的のようです。もしかして「入札した時点（昨年秋）では、２０１３年春から着工できる予定であったが、最終的な契約が５月まで延びてしまったので、完成時期も延ばさざるを得ない」という申し入れをするのではないかとも言われています。どうなるのでしょうか？専門家の意見を聞くと、やっぱり２０１６年１２月は厳しそうに見えます。部外者としては、半年くらい遅れても構わないから、立派な空港ができるように祈っています。
2013.05.18
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またまた日経新聞の記事です。
最近日経新聞がモンゴルのことをたびたび取り上げてくれるのは嬉しいのですが、ちょっと意図的というか、改ざんとは言わないけど、記者の無知というより敢えて読者に誤解を与える書き方をしているなと思うことが多いです。いつも言いますが、モンゴルのことをほとんど知らない北京駐在の記者が書いている記事であり、日本人はほとんどモンゴルのことを知らないので、何が正しいかなんてその記者の個人的な気分で決めてしまうのでしょう。以前も書いた、「最近の資源開発による高度成長を狙って商社続々参入」みたいなのを１０年以上も前からやっているモビコムの話にすり替えたりとか。今回は、ハーンバンクです。日経の一面に出ていたので、ご覧になられた方も多いと思いますが、「HIS銀行再建」との見出しで１０年前にハーン銀行を８億円で買収して大成功を収めたと書かれています。細かく言うと、HISではなく澤田さん（あるいは、澤田さんの個人会社）が買収しました。聞いた話では、最初澤田さんはHIS（あるいは、その傘下の会社）として買収しようとして取締役会に提案したところ、リスクが大きすぎると否決されたんだとか。それ故、HIS本体ではなく、彼の個人会社の買収になっているのだそうです。本当だとすれば、HISって意外と取締役会が機能しているんだなと思いました。彼ほどのオーナー社長であれば、無理すれば押し通すこともできただろうに、取締役会に従ったというのは立派です。他方、これほどの実力あるオーナーがやろうとしていることを、一般常識的な見方で否決してしまう取締役会って、やっぱり機能していないのかなとも思いました。事実とちょっと違うというのは、このこと（HISではなく澤田さんだ、ということ）ではありません。気になったのは、その後の文章です。記事によれば、２００３年にリスクのある国（モンゴルのこと）の赤字の銀行を腹をくくって買収したと書かれてます。そしてその時澤田さんは「賄賂の禁止」と「５年後の首位」を目標にしたとあります。首位はともかく、賄賂の禁止は大切な施策です。国有銀行時代は知りませんが、相当な情実融資であったことはこの国に住めば容易に想像できます。この記事を読めばわかりますが、これは２００３年のことで、５年後つまり２００８年を目標としていたことがわかります。そしてその目標は実現されたのです。素晴らしい！と、ここまではいいのです。次の文章は、そんな事業化（澤田さんです）の「夢」を金融のプロが実現した、とあります。そして紹介されているのが、ハーン銀行の現頭取の東京三菱出身のKさんです。融資の透明性を図る一方で、モバイルバンキングなどを導入したともあります。こういう流れで読むと、読者の皆さんはどう思いますか？「へー、そのKさんという頭取はすごいな。１０年も前からモンゴルで頑張ってきたのか！」って思いませんか？そうですよね、記事的にはそう読めますよね？現実は全く違います。そもそもKさんは、昨年ハーン銀行に入った方です。しかも当初は正式な頭取ではありませんでした。恐らく今は新聞記事にまでなってるくらいですから、頭取になられたことでしょう。私は別にKさんがどうこう言うつもりはありません。Kさんは穏やかで素敵な方です。人物的にも問題なく、私だって「よくぞモンゴルへ来て下さいました」と申し上げたいほどです。私が言いたいのは、この記事の流れ及び記事から受ける読者の理解が、間違いなく事実と異なるからです。日経新聞の記者は、そのくらいの事実はわかっているはずですから、意図的に「日本の元銀行員が頑張っている」と誇張した記事にしたかったのでしょう。でも、中国や北朝鮮ならともかく、日本の新聞社であれば私は事実をちゃんと書くべきだと思います。ハーン銀行の成功は、澤田さんという素晴らしい起業家の決断と「オーナーとマネジメントの分離」にあったと言えるでしょう。ここで言うマネジメントというのはグローバルスタンダードでの金融のプロです。ハーン銀行をここまで引っ張ってきた頭取は、日本人ではなくアメリカ人でした。澤田さんは、当初からこの銀行を真のプロフェッショナルな銀行にしようと人材を広く海外に求めたのです。その結果、頭取だけではなく欧米を中心とするプロのバンカーたちのチームによって、再建及びその後の成功を達成したのです。そのアメリカ人頭取が昨年の春に辞任したいとの表明をし、その後Kさんが頭取代行的に参加されたという経緯なのです。この歴史を見れば、どう考えても日経新聞の書き方は事実と違うと言えるでしょう。私は日本人が良いとかダメと言っているのではありません。事実を書くべきだと。澤田さんの素晴らしいところは、自分に経験のない銀行分野を未知の国で成功させるには、国籍に関係なく世界からプロを集めて経営を任せたというところだと思います。そんなことができる日本人経営者はほとんど聞いたことないですから、そういう部分を取り上げて誉めて欲しいと思いますね。１０年間のも時差がまるでないかのように、「買収後日本人の元銀行員の下、再建しました」という書き方は、やはり勘違いではなく改ざんというべきでしょう。私は個人的には今後のKさんに期待していますけど。日経新聞さん、そろそろモンゴル専門の記者を駐在させて下さいな。いつまでも北京の出先扱いじゃあ、こんな半端な記事ばかりになりますよ。
2013.05.16
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新潟にもモンゴルつながりあり！
昨日新潟に来て、今日の午前中はモンゴルに縁のある方々との面談です。同級生のI女史が、私が来るというので、モンゴル関係者との面談をセットしてくれたのです。最初に訪れたのは、在新潟モンゴル国名誉領事であるNさんの会社です。新潟にモンゴルの名誉領事があるというだけで驚きました。しかもこの方は、単なる「名誉領事」だけでなく、実際のビザ発給などの実務も受けておられるんだそうです。またその担当県を見てびっくりしました。新潟県、富山県、石川県はともかく福井県や山形県までもカバーしています。更にはなんと山梨県も！山梨県なら、どう考えても東京の方が近いと思いますし、山梨県があるのに長野県がないというのも不思議な気がします。そもそもこのNさんは、技術を使ったベンチャー企業を新潟で起こされて、ジャスダックに上場まで持って行かれた優秀な経営者です。そして元々、ロシア、中国や韓国などとの国際交流に力を入れてこられたそうです。そういうご経験もあり、現在は新潟県の国際交流協会の理事長もされている方です。モンゴルとの縁は、必ずしも深いわけではなさそうですが、モンゴル側が新潟市に名誉領事を置きたいとの依頼があった時に、新潟県などから強くお願いされたようです。名誉領事を引き受けられる人は限られているということがわかりました。領事としての仕事は仕事としてあるのに、ボランティアで引き受けるわけですから、ある程度組織を自由に動かせる立場の人でないと無理です。場所的にも、市内の中心部から遠いところというのも領事としては難しいでしょう。そもそもモンゴルに縁が深くて、更に大きな組織を率いていて、市内の中心部にある人なんて、新潟辺りにいるはずはありません。このNさんも、他に引き受ける人がいないから引き受けたのだろうと思いました。名誉という割には、ビザの実務もあれば、担当地域で困っているモンゴル人を助けなければならないという仕事もあるようで、まあモンゴル側から見れば「おんぶにだっこ」でお願いしているみたいに見えました。こういう国際交流に本気で取り組んでいる人が新潟にもいるというのは大変喜ばしいことです。せっかく新潟にも名誉領事がいるのですから、新潟の企業にもモンゴルに出て行ってもらいたいですが、さすがに経済交流（要するにビジネス）のレベルはまだまだだとおっしゃってました。その後にお目にかかったのは、株式会社日園という園芸、造園の会社のK社長さん。この会社は、なんと５年も前からモンゴルと行き来してきたんだそうで、ついに合弁会社まで立ち上げたんだそうです。そしてそのビジネスパートナーというのが聞いてびっくり、あのツェツェグ・トゥヴ（フラワーセンター）なんです！（すいません、モンゴル在住の方なら全員お分かりだと思いますけど）日本円の両替でお世話になった人もいるでしょう、あのビルの主です。モンゴルにおいてモンゴルで栽培された花などが冬にも楽しめるようになったら、さぞかし素晴らしいことでしょう。K社長さんもおっしゃっていましたが、モンゴル人は花が好きです。３月の女性の日はもちろん、バレンタインデーも卒業式もシンジル・パーティ（ニューイヤーパーティという名の、年末のパーティ）でも花は大人気です。寒い地域でのハウス栽培の難しさ、日本から苗や生花を輸出する時の難しさ、輸送コストの壁など、たくさんの困難がありますが、Kさんは一つひとつに立ち向かって解決しようとしています。既に「ヤポン・ツェツェグ」として、販売した実績もあるようです。「花の次は、野菜もできたらいいですね」なんて、素人の私は勝手なニーズを口にしていました。Kさんも「まさか新潟出身の同窓の人で、こんなにモンゴルに詳しい人がいるとは！」と喜んで下さいました。こういう地方の地に足のついた企業がモンゴルに進出して行く例が増えれば、益々日蒙関係が強くなっていくと思います。私としても、できるだけ何らかの形でお力になりたいと思いました。午前中だけで、モンゴルに縁の深い新潟人に二人も会うことができました。これも新潟ならそこにでも顔が利くI女史のおかげです。これを機会に、新潟経由のモンゴル関係も考えて行きたいと思います。で、午後はいよいよ今回新潟に来た目的が待っています。
2013.05.14
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なんで今ごろ、日経新聞に新空港の記事が？
今日の日経新聞に「モンゴル新空港受注」と大きく出ていました。なんで今頃？これってニュース（新しい情報）なの？本ブログをご愛読の皆様には、新空港についてご報告してきました。詳細にご興味ある方は、下記三部作をご覧ください。「なぜ、こんなに決定が遅くなったのか？なぜ建設会社ではなく、三菱商事なのか？」は、本ブログ２０１２年１２月２０日付け記事へ。http://plaza.rakuten.co.jp/mongolmasami/diary/201212200000/「モンゴルでの入札発表はどうなっていたのか？」は、本ブログ２０１３年１月４日付け記事へ。http://plaza.rakuten.co.jp/mongolmasami/diary/201301040000/「一体、いつ三菱商事に決まったのか？」は、本ブログ２０１３年２月２８日付け記事へ。http://plaza.rakuten.co.jp/mongolmasami/diary/201302280000/で、今回の発表です。記事は結構なスペースを割いて載っていますので、その点では嬉しいですね。こういう新聞記事は、私の経験上ではモンゴルにあまり詳しくない北京の記者が書いていることが多いので仕方ありませんが、なんかちょっとちぐはぐです。どの辺がちぐはぐか？この記事ではどうも新空港受注のことに合わせて、経済成長著しいモンゴルに日本の総合商社が関心を持っている、ということも合わせて読者に伝えたいようなのですが・・・その一例として、三井物産がTTに入札参加しているとありました。それは正しいですが、正確に言えば、他の大手商社だって入札には参加しています。が、なぜかその記述はなし。まるで物産だけが入札しているように読めます。住友商事については、携帯電話事業とありますが、これは現在の高度成長とは関係なく、１０年以上も前から進出してきた話です。が、流れで読むと、まるで最近取り組んでいるように見えます。それなら、鉱山用建設機械をTTに大々的に売り込んでいることでも書けばいいと思うのですが、なんか変。また、当然のことながら新空港は日本政府による円借款で建設されるのですが、記事的にはなんとなく「モンゴル政府と民間会社の契約発表」みたいな感じです。形式的にはそうであっても、これは国民の税金を使ってやる事業なんですよ、というメッセージは前面に出すのが普通だと思いますが。記事内にはもちろんちょこっと書いてありますけど。トルコやベトナムでの大型案件受注の時は、そういうのが最初に明確に書かれていると思いますが、なんか記者の思惑があるのでしょうか？で、本題です。受注額は５００億円とあります。うーむ、やっぱり三菱商事だね。どうやってお金を出させたのかな？上記の記事をご覧いただければわかりますが、当初日本政府は３００億円台で新空港ができると見積もったようなのです。正確に言えばJICAです。ですが、これがとんでもない間違いだとわかってから、新空港問題は二転三転してきたわけです。最初はスーパーゼネコンのT建設。ここが入札しようとして精査したら、そんな金額では出来っこないってことが判明。ですが、ご存知のように日本政府の役人は「絶対に間違いをしない人たち」なのです。なので、この間違った金額でやれと押し付けたのですが、最後はT建設は撤退。ばかばかしくてやってられないってことです。その後、上下分離とかいろいろやってはみても、応札がなかったり、入札者に文句言ったりで、無駄に時間だけは過ぎてしまいました。そこで引っ張り出されたのが、同じくスーパーゼネコンのS建設。が、やっぱり１００億円以上も損する仕事を引き受けられるわけもなし。応札はしてみたものの、入札条件と大幅に違う内容で応札したので、これも没。このままでは、日蒙関係そのものが危うくなります。日本は３００億円出すと約束したのではなく、新空港建設をすると約束したんですから。地元モンゴルでも、「一体どうなってるの？」という雰囲気でした。「日本がやらないなら、この際中国にお願いしたら？」なんて声も聞こえたほどでした。で、最後は日本国を代理する天下の三菱商事が登場となったのです。恐らく資金の追加を政治的折衝でひねり出したのでしょう。またコスト削減のためには、日系大手を使うわけにはいかないので、なんと韓国のS建設（ギャラクシーの会社と同じ財閥）と組むことになったのです。こういう経緯があったので、韓国系でも誰も文句は言えなかったんじゃないでしょうか？ただ、マスコミ的には韓国企業と組んで日本の円借款というのはまずいとの配慮からでしょうか、空港建設には何の興味も実績もない三菱系の千代田化工と組むと発表してます。日経新聞では韓国のS建設のことは一切書いてません。この案件はS建設への丸投げ案件ですから、いくらモンゴルに疎い日経の記者でも知らないはずはありません。いろんなことを配慮して「大人の記事」を書いたのでしょう。で、２月にはもう決まっていたのに、なんで今頃記事で出てきたのかという疑問もあります。私なりの考えでは・・・新空港は２０１６年に完成予定です。本当は昨年着工してたはずなんですが、上記の理由で遅れていました。で、２月に決まったのを聞いて「なんとか間に合うかな？」とホッとしたのを覚えています。２０１６年まで３年あると思ってはいけません。モンゴルは冬期の間建設業界はお休みなんです。ですから、この春に始めても実質１年半しかありません。なので、てっきりもう着工していると思っていました。が、建設関係の方に聞いたら「なぜか、まだです」とのこと。理由は、資金の目途です。当初の予定されていた円借款の額と実際の入札結果との違いが埋められていなかったそうなんです。モンゴル側負担分についても、具体的にどう支払うかも交渉中だったようです。このタイミングでの発表は、これらの懸念が全て解決したというサインなのかなと思います。いつ具体的に工事が始まるかはわかりませんが、今年の着工はできそうな気がします。今後の関心は、資材調達です。特にコンクリート。いわゆる生コンです。今モンゴルで調達できる量ではとてもじゃないが足りません。生コンだから、中国からも無理です。恐らく新空港現場に生コン工場を作ることになるんじゃないでしょうか？とにかく、秋はあっと言う間にやってきます。早く着工してほしいと願っています。
2013.05.11
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新空港建設進むかな？
新空港の話は一体どうなっているんだろうと思っていたら、ようやく正式に決まったと聞きました。私のブログでも、昨年１２月２０日付けと本年１月４日付けで書きましたが、この春着工のはずなのになかなか決まらず心配しておりました。施工業者は、前回のブログ通りにM商事となったようです。ま、この１社だけしか入札していないんですから、当然といえば当然ですけどね。実際の施工も予定通り韓国のS建設（液晶テレビNo1と同じグループ）です。一部では「日本のODA資金なのに、その多くを韓国企業に流すとはけしからん！」とM商事に対して非難している向きもあると耳にしましたが、それは大きな誤解でしょう。そんなに優良案件なら日本の建設会社が入札をすればいいのです。最初はT建設、続いてS建設（共に日本のスーパーゼネコン）と入札を検討しては降りるという、とんでもない案件なのです。このままでは、日本のODAが不発となるところをM商事がなんとか仕切ったというのが、恐らく真相でしょう。元々は、日本側の見積もりミスから始まったこの騒動は、なんとか落着しそうです。それはともかく、これでなんとか新空港の着工の目途が立ったと言えるでしょう。新空港に関連しては、高速道路建設もプロジェクトが動いているようです。恐らくルートは、トゥブ県の新空港から現在の空港付近を経由してウランバートル市内に向かうことになるでしょう。その先は、大きく二つのルートに分かれ、将来的にはウランバートル市を回る環状線のようなものになるらしいです。つまり単なる新空港と市内を結ぶ線ではなく、都市高速道路としての建設も視野に入れているようです。なんだかワクワクしますね。地下鉄建設については、ウランバートル市主導で調査を行っているとか。日本の建設コンサルタント会社が既に調査を開始しているとも耳にしました。まずは「東西線」でしょう。現市長は、次の市長選挙前までには「着工」したいと希望しているとのことですが、それは微妙ですね。高速道路も地下鉄も市民には朗報ですが、資金をどうするかは常に頭痛の種のようです。昨年起債した国債をこういうインフラに使ってくれるのかどうかは不明ですが、鉱山開発も重要なのはわかりますが、是非とも首都基盤の強化にも投入してほしいものです。とはいえ、高速道路と地下鉄が揃うのはいつになるんでしょうかね？２０１５年とか言ってたこともありますが、そりゃあ無理でしょう。ま、２０２０年までにできればオンの字でしょう。空港は日本のODAですから、もっと早いでしょうけど。ちなみに、新空港以上に前から行なっていたTTの入札の結果は、まだだそうです。昨年の今頃は「国会の選挙が終わらないと、意思決定はできないでしょう」と言われていましたが、最近では「今年の大統領選が終わらないと意思決定できないでしょう」という声もあるそうです。そんなこと言ってたら、ずっとできない気がするのですが・・・モンゴルの人たちは「日本人は意思決定が遅い」と良く言いますが、モンゴルもなかなかの遅さではないかと思います。
2013.02.28
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新空港、入札終了？
先日書いたブログの続きが、モンゴルの新聞で発表されたようです。が、なぜか日本の新聞には発表されておらず、ネットで検索しても古い記事しかありません。そもそも「モンゴル 新空港」で検索すると、私のブログが一番最初に出るくらいですから、日本ではほとんど誰も関心がないということでしょうか？モンゴルからのニュースによると、昨年１１月９日に技術入札が行われ、１２月２７日に価格入札が行われたとのことです。だとすると、先日の私の記事でM商事が入札したと書いたのは、技術入札のみだったってことですね。で、今回晴れて価格入札も行ったのですが、応札はやはりM商事のみでした。ですが、発表記事では「M商事とC化工のJV」とありました。C化工というのは、M系の大手プラントエンジニアリング会社です。このC化工、M商事に頼まれて「お付き合い」で入っているのはミエミエですね。C化工のホームページを見ても、どこにも空港の実績なんてありません。国際的に大きな実績を持つ同社ですが、それらはエネルギープラント、医薬プラント、石油プラントなどばかりで空港なんで出てきません。地域で見ても、中東やインドネシア、オーストラリアなどで、モンゴルでの実績はないようです。私の憶測では、本当は韓国のS建設（最大手液晶テレビメーカーと同じグループ）とのJVで受注するのだけど、円借款ということもあり、S建設とのJVを表には出しにくかったのでしょう。なので、空港建設とは何の関係もないC化工に「リスクなし」での名前貸しをお願いしたんじゃないかと思います。現にS建設は、モンゴル国内でモンゴルの地場建設会社に下請けとして参加できるかの打診を始めています。S商事でもC化工でもない、韓国のS建設がです。私がコンサルティングしたお客さんも含まれているので、それはそれで楽しみですけどね。これを機に、モンゴルの地場建設会社も力をつけてほしいです。ここに至る事情は前回申し上げたように、日本勢がどこもしり込みしてしまい、（官民に？）「お願いされた」M商事が韓国のS建設と組んでなんとか応札したというところでしょう。とはいえ、予算が低いのはどうしようもないようで、今回M商事が入札したか価格が当初予定していた範囲内の価格である可能性は低いと思われます。M商事だって、頼まれてやっているのに、敢えて最初から赤字承知ではやらないでしょうから。技術入札も価格入札も終わりました。これで形式的には、いつ正式な建設業者が発表されてもおかしくない状況にはなっていますが、M商事が出した価格がどの程度高く、モンゴル政府として受け入れ可能かどうか見極める時間が多少は必要なのかも知れません。このM商事案が蹴られたら？そうなれば円借款そのものが立ち消えになり、モンゴル政府としても大いに困ることになるでしょう。その場合は、様々なリスクを全部承知の上で、中国に丸ごとお願いして作ってもらうことになるのでしょうか？中国なら数百億円で将来のモンゴルをコントロールできると思えば安いもんでしょうから。この春着工となると、いくらなんでもあと１カ月以内には明確にしないといけないでしょう。どうなるか、注視していきたいです。
2013.01.04
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新空港はどうなっているの？
日本政府による円借款で建設される新空港ですが、なかなか具体的な体制が見えてきません。この話はもう随分前から出ている話で、本当であればもうとっくに業者が決まって今年の内に着工されていてもおかしくないプロジェクトでした。が、未だにどこが建設するのかは決まっていません。お金がないならわかりますが、日本政府が出すと言っているのになんでまだ決まらないのでしょうか？どうもそこにはいろんな手違いやボタンの掛け違いがあったようで、今も混とんとしているようです。私は一切の「事実」を知りませんので、ほとんどは聞いた話か私の憶測にすぎませんが、どうやらこんなストーリーのようです。（ですので、事実と違う部分があっても、責任はもてませんので、そのつもりでお読みください）元々は、JICAが新空港建設について調査・提言し、そこに日本政府による円借款がついたのが始まりです。その時点である金額が見積もられました。当然、それをベースに円借款が組まれます。役所のことですから、一度決まった話は簡単には変えられないでしょう。で、実際に入札となります。日本の空港設計に強い設計会社が現地調査をして見積もってみたら、なんと倍近いコストがかかることがわかったらしいのです。これは大変です。当然、円借款の増額を求めましたが、それはできません。多少の上積みはあったようですが、焼け石に水です。当初有力視されていたT建設は、足りない部分の支払いについてはモンゴル政府が支払うと言われても、資金回収の目途が困難だと判断し、入札を降りたようです。その後、上下分離（滑走路とターミナルビル建設業者の分離）などの案もありましたが、それに対応しようとした日系業者も結局断念しました。そんなこんなで１年も２年も経ってしまったというわけです。しかし、日本側はもう決めたことですし、モンゴル政府も大いに期待しているプロジェクトです。再びこの１０月に入札が行われることになりました。当初から予定されていたT建設は辞退したので、代わりに日系のS建設が入札に参加することになりました。これで一件落着かと思われましたが、どうもS建設だってこんな低予算ではできるはずないと判断したようです。S建設としては、低価格ではやれない（赤字確実）との判断もあり、しかるべき高い価格で見積もりを出すことになったと思われます。このままでは、日本政府も困るしモンゴル政府はもっと困ります。本当の原因は、当初のJICAの見積もりの甘さ（空港建設の常識レベルもなかったという声もあります。）にありますが、さすがに円借款を倍増はできない相談のようです。で、困った挙句に登場したのがM商事かなと思います。私は当初、M商事が何で後から入ってきて、S建設を追い出すようなことをするかと思っていましたが、どうも事情はその逆のようです。S建設はそんな条件ではやりたくない、降りたいというのが本音のようです。結局、M商事が「周囲にお願いされて」（もちろん私の推測）入札に参加することにしたけど、入札準備の時間がない。で、前代未聞の「入札参加者の要請で１カ月入札を延期」したようです。で、１１月に予定通り入札は行われました。M商事は、日本の建設会社はどこもしり込みしているので、韓国のS建設と組んで応札したそうです。日本のS建設も形ばかりの参加はしましたが、そもそも入札基準通りの見積もりではなく、早々に失格となったようです。ですので、M商事に決定！めでたしめでたしとなって、今頃は決定していたはずですが、なぜか未だに未決定です。その理由は？まあ、噂程度は聞いてますが、まだ書けるほどではないですね。以上の事情も全ては私の憶測と「聞いた話」だけであり、信ぴょう性は全く保証しませんので、ご了解ください。でも、なんとなく「こんな感じかな？」ってレベルではあると思いますけど。
2012.12.20
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モンゴルの記事、広告ご覧になりましたか？
昨日、出張中の新幹線の中で新幹線用の雑誌「WEDGE」を読みました。（もちろん、一般の書店でも買えます）新聞広告や地下鉄の中吊り広告で「資源に沸くモンゴルの”中国ジレンマ”」というタイトルが大きく出ていたので、日本にいるモンゴルサポーターの方の多くは、この広告に気づいたのではないでしょか？私も数日前の新聞広告を見て「今度の出張の時に新幹線で読もう」と思って出かけました。こんなに目立つ感じでモンゴルの記事が広告になったのは初めてなんじゃないでしょうか？朝青龍とかの関連ではなく、純粋にモンゴルという国、ビジネスの対象の国と言う意味では。で、読みました。結論から言えば、１０ページにも渡るモンゴル関連の記事が載っており、良い印象を持ちました。日本においては、新興国と言えば一に中国、その次は東南アジア、インドへと関心が行ってしまうので、兎にも角にもモンゴルの今を伝えてくれるメディアは大切なことだと思います。執筆者は北海道交流・協力総合センター研究員で、フリージャーナリストの吉村慎司さんという方です。内容的には、このブログの読者の多くの方からすると「Nothing new」ではありますが、一般の日本の読者向けとしては丁寧に書かれており、わかりやすい構成となっていると思います。中身は、モンゴル国の紹介、OT・TTのこと、それに伴って外資が流入していることなどがまず書かれています。その上で、これらの発展は「現実には中国の景気に支えられてきた」と、輸出先の９４％が中国である旨と書かれています。また輸入についても、ガソリンはロシアに頼っているが、それ以外の食料品・日用品のほとんどを中国に頼っているとあります。そうした中で昨年成立した、主として中国資本排除を意識した「外資規制法」について触れています。中国は嫌いだけど、中国なしでは発展がないよ、というここ最近の成長の基本的な悩みも書いています。一方、モンゴル人の富裕層についてもザイサン周辺のマンションやルイヴィトンなどとともに紹介され、新興国に良く見られる格差社会が急速に広がっている点にも触れています。日本との関係としては、ハーン銀行の澤田さんのこと、商社は鉱山権益に入りたいけど、なかなか簡単ではなさそうなことなどと合わせて、あまり日本の大企業が入ってきてないことも書かれています。他方、スモールビジネスで活躍する日本人ということで、このブログの読者お馴染のさくらベーカリーのまさるさんやMYKのお二人の共同経営者などのが紹介されています。という流れなわけで、最初に申し上げた通り、何か新しい事実への取材があったわけではなさそうです。要すれば「モンゴルは資源で成長すごいけど、中国次第。日本企業は大企業は及び腰だけど、小規模で頑張っている人がいますよ」ということです。当たり前ですが、こういう現状もほとんど日本には伝わっていないわけで、私も含め、モンゴルに関係している日本人はもっとモンゴルの存在感をアップさせるために頑張らにゃあならんと思った次第です。前回のブログにも書きましたが、中国がくしゃみしているようなので、モンゴルの風邪の具合が気になります。ちょっと寝れば治るくらいなら良いのですが、肺炎とかになると困りますね。どうやらそろそろウランバートルも「最高気温」がマイナスになる時期になってきたようです。モンゴル人は寒さに強いから心配ないけど、経済の風邪はちょっと心配です。
2012.10.26
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太陽橋、いよいよ１０月１７日開通です。
太陽橋の開通があと１０日ほどに迫ってきました。太陽橋とは、日本の無償援助によってできる、ウランバートル市内を走る鉄道をまたぐ橋で、市内の渋滞緩和に貢献できると期待されています。この８月に見た時は、外見的にはもうすっかり出来上がっていました。名前が太陽橋というのは、日本の無償援助でできた太陽道路の上を走る道路でもあるから、そういう名前になったようです。日本の建設会社が作った太陽道路は、他のモンゴルの一般道路とは全然違って、道路の傷みも少なくモンゴル人の間でも評判のいい道路です。今回の太陽橋も、今後ちゃんと定期的なメンテナンスをすれば、１００年でも大丈夫なんだそうです。このブログでもご紹介しましたが、私がまだモンゴルに住んでいた時に着工しました。（２０１０年３月）「一度現場を見に来ませんか？」とJFEエンジニアリングの方からご連絡を受け、現場を見に行きました。その時の様子を思い出すと、遂に完成したんだなと嬉しい気持ちになります。「モンゴルは冬期は工事ができないの、工事期間が２倍かかります。」とも教えてもらいました。長さ８９５ｍの鉄橋は、南北をつなぐ道が少ないウランバートルにおいては、便利な道路になることでしょう。有名な観光スポットであるガンダン寺へも、空港方面からは市内の渋滞を避けて行きやすくなると思います。こういう無償援助による建設支援はモンゴルにとっては大変ありがたいものになるでしょう。が、さすがにモンゴルも発展してきていますので、聞くところによればこうした大型工事への無償援助はこの橋で最後だそうです。現在、入札を控えている新空港建設は無償ではなく、日本政府による有償円借款によるものです。ちなみに、その新空港の入札ですが、昨年来いろいろあって、かなり遅れています。１年ほど予定より遅れていますが、ようやく来週実施ということでした。が、正確性はわかりませんが、どうもその入札もまたしても１カ月ほど延期するそうです。いずれにしても、来春の着工に間に合わせるには、いつまでもずるずる引き延ばすわけにはいかないでしょう。いつかは、モンゴルが自力で地下鉄などを作る日も来るかもしれません。そんな日を楽しみにしています。
2012.10.06
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ウランバートル新空港の行方？
もう１年以上になるんじゃないでしょうか？ウランバートル新空港の入札結果は、とっくの昔に発表され、今頃着工していたはずでした。新空港の建設は、モンゴルにとっては今後の成長のための一大事業であり、日本が協力する最後の大物事業かもしれません。これは日本の円借款で建設することが決まり、日本の大手建設会社T社が落札するのではないかと言われていました。モンゴル側からすれば、一日も早く建設してほしい案件でありました。が、円借款と無償援助は当然ですが、手続きなどが全く異なります。無償援助であれば、要するに「日本政府が日本企業と一緒になってモンゴルのために作ります！」だけの話です。モンゴル側は当然許認可などでは積極的に動くものの、お金を払うのも仕事を請け負うのも日本側なので、それを見守るしかありません。ですが、円借款となると違います。建設主体はモンゴル側で、日本は形式的には「お金を貸す」だけの存在です。もちろん、国民の血税を使うわけですから、それなりのルール（日本製品の使用割合とか）はありますが、あくまでも決定権はモンゴル側にあるのです。実際に他社が活動していたかは不明ですが、多くの関係者は大手建設会社T社で決まりだろうと思われていました。が、最終的にT社は、モンゴル側の支払いリスク（日本が提供する資金だけで足りなかった場合の取り決め）を気にして、入札そのものに参加しなかったのです。つまり「応札ゼロ」に終わったのです。そこからこの新空港案件は漂流し出しました。空港全体の請負では大きすぎてリスクがあるという声に対応したのかどうかは知りませんが、その後「上下分離方式」が立案されました。ざっくり言えば、空港建設を滑走路主体の土木部門と空港ビルなどの建築部門に分けて発注することになったのです。これに応札したのが、道路や滑走路建設で高い実績を誇る日本のN社でした。モンゴル側のパートナーBグループともしっかり組んで入札に臨みました。これも他社の存在は知りませんが、受注確実だろうと目されていました。が、なぜか結果は落札できず、でした。一説には、モンゴル側の問題というよりは、日本側がなんらかの技術的な指摘をしたとも言われていますが、本当のことはわかりません。困ったのは、モンゴル側です。国民には２０１５年（だったかな？）の新空港開港を約束しています。とうに決まっているはずの、請負事業者が未だに決まっていないのです。このままでは、来春の着工もできなくなってしまいます。ご存知の通り、モンゴルの土木工事は春から夏が勝負です。というか、その期間しか工事できません。そのためには、どんなに遅くとも年内、できれば１０月までには決めたいところです。モンゴル側はしびれを切らして、モンゴル側がやるべき工事（排水とか空港への道路など）を既にスタートさせたとのことです。ですので、新空港が「絵空事」で終わることはないだろうとは思っています。私も建設予定地を見てきましたが、中央県のとても広大な草原でした。で、もう９月です。このままでは春を迎えられないと思っていたら、どうやら１０月上旬にモンゴル政府による正式な入札があるそうです。今回は、上下分離はやめて、一体入札だそうです。そこで噂されているのが、日本の大手建設会社のS社です。「ああ、これでなんとか間に合いそうだな」と喜んでいたのもつかの間、もう１社入札する会社があるとのことです。日本の大手商社M社です。もちろん、商社でも何でも競争は大いに結構なことです。当然、商社ですから建設会社はどこかと組まねばなりません。なんとその組む相手は韓国のH社だというではないですか！このH社というのは、現大統領の出身会社です。うーむ、この時期・・・いいのかね？私はビジネスには国籍も国境も関係ないと思っています。これが完全な民間事業であれば、だれとどう組もうが自由です。現に、日本の商社やエンジニアリング会社は世界中のパートナー企業と組んでいます。でも、このプロジェクトの資金の出しては日本です。政府の金ということは、国民の血税に他なりません。であれば、国民の納得する使い方をして欲しいと思います。日本がお金を出して、モンゴルの国民のお役に立つ。ここまではいいです。でも、日本が出す建設資金の大半が、大統領の出身会社に流れるって言うのはどうなんでしょうかね？日本の国民の望むお金の流れなんでしょうか？しかも、この時期に・・・日本側が誰も入札に応じない、というならわかります。でも、日本の大手S社がやると言っているんですから、わざわざ韓国企業を呼ぶ必要はないんじゃないかと思います。再確認しますが、私は韓国企業が悪いとは言っていません。技術的にはなんの問題もない優秀な企業でしょう。民間の仕事であれば、どんどん協力すべきだと思います。でも、これは日本国民のお金の使い方の問題です。その場合は、その使い方にも一定の配慮が必要じゃないかと考えるということです。商社のM社は、多分、「世論的には不利」なのを承知しているでしょう。ですので、「びっくり低価格」で出すことも予想されています。「びっくり低価格」のM社か、「日本のお金は日本企業に」のS社か。あえて、もう一つ言えば、S社の方がモンゴル企業にはメリットあると思います。韓国企業の過去の例を見ると、現場の作業員も韓国から引き連れてくる例があります。日本企業はさすがにそれはできないので、モンゴル国内の建設業者とパートナーシップを組みながら進めて行くことになるでしょう。判断するのは？基本的には、モンゴル政府だそうです。一体、どちらを選ぶんでしょうか？１１月くらいには結果は出るんじゃないでしょうか？
2012.09.17
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最近たびたび、モンゴルが新聞に登場しています。
最近、モンゴルに関するニュースが新聞に結構載っています。モンゴルの鉱業大臣が「外国の民間企業に投資してほしい」とか、それとは裏表ですが、中国の国有企業がモンゴルの石炭大手企業の買収を断念したとか。そうした大きなニュースに埋もれがちですが、具体的に進出を決めているのは地方の会社の方が積極的です。群馬県の会社がモンゴルで野菜や果物を栽培するとか、北海道の会社がモンゴルに進出するとか。私の支援している企業もモンゴル進出を着々と進め、新聞発表されるまでになり、大変喜んでいます。私の見たところ、大型案件っぽいもの、例えば世界最大級の炭鉱や金銅鉱山開発などは、新聞などに派手に名前は出るものの、なかなか進んではいないようです。また、レアアース開発を日蒙共同で行う、などの発表も「大本営」よろしく、発表内容の素晴らしさと、その実態の進み具合とのかい離は大きいようです。それに対して、民間の、特に日本の地方企業によるモンゴル進出は極めて実務的に、国を巻き込むような大きな話ではないところで、着々と手を打っているように見えます。もちろん、数的にはまだまだ少数派ですが、いつまでも日蒙両国の政治交渉に頼ってばかりの大企業組とは違う行動を取っています。なぜ、大企業と中堅企業とで差が出るのか？意思決定能力とリスク受容力の差でしょう。意思決定能力というのは、言うまでもなく日本の大企業がなかなか意思決定ができないのは世界的に有名ですが、今も現状は大して変わっていません。当然、そこにはリスクがあります。リスクが好きな企業はありませんが、大企業の場合「誰もが納得する」リスク回避策が必要となります。チャンスはあっても、リスクは嫌、しかも誰もが納得するリスク回避策となると、結局は日蒙両政府を巻き込んだプロジェクトに頼るしかないというわけです。大企業の場合は、その是非はともかく、その道しかないので「いつも活動しているようで、いつも何も決められない」状況が続くのでしょう。それに対して、地方の中堅企業はもっと真剣、深刻です。そもそも日本国内の方がリスクが少ない、という概念さえも消え去ろうとしている昨今ですから、リスクがあっても市場の可能性があるところへ打って出ようという気概が強いです。更に、大企業と違って政府が何かしてくれないと動かない、という依頼心は最初からないので、市場と真正面から向き合って意思決定をするしかないのです。農業でも建設業でも「新興国にはリスクがある」と言った場合「じゃあ、日本に閉じこもっている場合のリスクはどうなんだ？」との自問自答が続きます。本来、当然ですが、大企業の方がよりリスク抵抗力もあり市場機会も多いのですが、やはり意思決定ができない体質なのでしょう。日本政府や関係機構、団体も、大企業進出の後押し的活動よりも、地道に進出を考えて行動している地方の中堅企業が進出しやすいサポート体制に力を入れてほしいものです。その方が結果としてずっと早く進出企業が増えると思います。
2012.09.04
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ウランバートルで食品商談会！
ちょっとご無沙汰し過ぎてしまいました。梅雨明け後の暑さと仕事の関係で、なかなか落ち着いてパソコンに向かうことがありませんでした。それにしても暑いですね。関東地方は、ほとんど３５度を超え、３８度の地域も多いようです。都心部は天気予報の数字よりも実際は数度高いので、やはり４０度近いのでしょう。モンゴルのトゥグルグが、懸念していたように再び弱含みになりつつあるのでちょっと心配です。モンゴルからの報告では、貿易収支も赤字が続き、通貨供給量も以前として増え続けているとのことなので、下落懸念はしばらく続きそうです。ただ、短期的には、この夏にモンゴルへ旅行される方にはいいでしょう。ところで、モンゴルからの情報で、日本の銀行主催の「食品物産展」というのがあることを知りました。正式には「第1回ちばぎん食品物産商談会 in ウランバートル」です。（http://www.chibabank.co.jp/news/hojin/2012/0723_01/ 参照）日本企業向けで、しかも食品産業という特定の分野向けのこうした商談会はほとんど記憶にありません。場所はアサ・サーカスですので、もしかして朝青龍との協力事業かもしれませんね。日本の食品をモンゴルで売るとなると、いくつかネックがありそうですから、そういう課題を解決するところまで千葉銀がサポートできるのは不明です。最大のネックは、輸送単位と輸送コストでしょう。当然、日本から送るとなると飛行機輸送ではいくらなんでもコストがかかりすぎます。船で送るとなると、中国経由です。日本からモンゴルへの輸送物質は極端に少ないので、一番いいのはコンテナを借り上げて送ることですが、多くの場合、量的にそこまでは無理でしょう。モンゴルでの需要もあさることながら、賞味期限もあるので、当面は少量ずつ送らざるを得ません。そうなると、コストが合うかどうか？更に「醤油や味噌、カレールー」などは、中国やアジアに拠点を持つ日系メーカー品が既にモンゴルに入っているので、価格的にそれで対抗できるかどうかも考えないといけません。モンゴル在住の方にはご存知の通り、ブリッジ・グループのエブリデイなどで既にかなり日本食を売っていますが、日系人や日本経験のモンゴル人以外にはあまり浸透しているようには見えません。先日エブリデイを覗いた時も、以前よりもラインナップが減っていると思いました。高級スーパーのスカイでも、以前は結構日系食品を売っていましたが、これも減少傾向にあるようです。一番の問題は、価格でしょう。輸送量に加え、円高トゥグルグ安で、５年ほど前より５割以上は割高な値札になってしまいますから。それでも、千葉県の食品業者でかなり可能性を感じている企業が多いからこそ、このような商談会をウランバートルで開催するのでしょう。この商談会をが成功し、こうした動きが他の地方にも広まることを期待しています。
2012.07.28
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双日が発電所建設。
今朝の新聞に、商社の双日がモンゴルで発電事業を行うと書いてありました。経済成長を続けるモンゴルにおいては、電力問題は以前からの大きな課題でした。現在の発電所は、かなり老朽化しており、修理しながら使ってはいますが、近いうちにパンクしそうなのはわかっていたことです。それに対しては、モンゴルは外資系事業者にIPP（電力の卸売りをする発電事業者）としての事業権入札を行っていたということです。総事業費が１０００億円もあるので、今のモンゴルではとても日本からの無償援助の対象ではないということです。当然ですが、電気代はみんなきちんと払っていまし、そもそも電気代の徴収までやるわけではありませんから、利益目的の事業としても十分に成り立つということで、今回の入札に至ったのだと思います。なぜ、こんな当たり前のことを書くかというと、以前当局側の方とお話しした時に、水問題の話になったことがあります。外資に対して、ウランバートルゲル地区を含めて、水供給の事業参入を考えているような話を聞いたのです。その時「水道を欲しがっている家庭はたくさんあるから、そこへ供給することによって長期的な利益が得られるので、外資にとっても魅力的でしょう」と言うのです。ですが、聞いていると、どうも各家庭に供給することもやって欲しい、と言っていたのです。私は、「ウランバートル市の水道局に水を供給するならわかりますが、ゲル地区の一戸一戸に供給して、お金を徴収するわけではないですよね？」と聞きました。ですが、その時はどうも各家庭までやってくれるのを期待していたように感じました。「いくら将来の使用料が期待できると言っても、各家庭への徴収まで外資ができるはずありませんよ」と話したのを覚えています。そんな経験があったので、今回の参入が「卸事業」であるという当たり前のことが確認できて良かったと思った次第です。この双日のパートナーを見た時、なんとなく日本側のやる気のなさを想像してしまいました。日本は、政府も含めてインフラ事業輸出を唱えています。そういう意味では、火力発電所建設は原子力発電の輸出がストップしている中では、有力な輸出事業です。ですが、双日の事業パートナーは、韓国の鉄鋼大手ポスコとフランスのエネルギー大手GDFスエズグループなのです。当然、双日は、このプロジェクトの当初は、日系の大手鉄鋼会社やエネルギー会社、重工業会社に相談を持ちかけたことでしょう。商社が商売をするのに、事業パートナーを日系以外にしてはいけない、なんて狭い了見はもうとうありませんが、常識的には日系企業にも話は持って行ったでしょう、とうことです。ですが、結果としてはフランスや韓国勢と組んでやることになったのです。原因が、競争力や技術力のせいなのか、あるいは「やる気のなさ」によるものなのかはわかりませんが、結果としては他の日系企業は参画しません。窓口が日本の商社であるというのは、ある意味日系企業には大きなアドバンテージであると思うのですが、それすらに参加していないのは残念です。同じ新聞の隣の記事に「ベトナムでゴミ発電」というのがありました。これは官民挙げての輸出ですが、事業総額は２４億円です。モンゴルの火力発電所の４０分の１以下の規模です。ゴミ発電という、新しい発電事業なので、単純には比べられませんが、なんだか日本の官民は共にモンゴルにはご熱心じゃないように感じられます。２０１６年からの稼働ですから、あと４年でモンゴルの電力事情は大きく変わるということでしょう。停電がもっと少なくなり、電力供給のひっ迫感もなくなれば、新しいビジネスも安心して始められるようになると思います。
2012.07.06
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モンゴルの石炭を日本へ？
今日の新聞にモンゴルの石炭を日本へという内容の記事が出ていました。記事によれば、双日がモンゴルの鉱山物流関連の企業に出資しして、将来的には日本へ持ってきたいというようなことが書いてありました。ですが、どうもこの記事が読みづらい。それは書いている人や編集している人が自覚しているのかどうかわかりませんが、中国とモンゴルをごっちゃにしているからです。実際に、中国である内モンゴル自治区とモンゴル国との区別が良くできない人はいます。ですが、それは「あまり知らなかった」で済むでしょうが、新聞に書くときは細心の注意で書いて欲しいものです。例えば、最初に「双日はモンゴルの石炭加工・物流事業に参入する」と書いてあります。その後の文章では「石炭物流量でモンゴル大手の中蒙煤炭（内モンゴル自治区）の株式を取得する」とあります。モンゴル大手といいながら、会社は内モンゴル自治区とありますから、中国企業であるのは間違いないです。更に「日本企業がモンゴルの石炭物流事業に出資するのは珍しい」ともあります。こういうのを読むと、いかにも双日がモンゴルの企業と提携し、投資するように見えますが、もちろんこれもモンゴル企業ではなく中国企業です。とはいえ、この記事の表現は別にすれば、中国企業との提携はありかなと思います。一つには、モンゴル企業の場合、企業としての体力がまだ十分でないせいか、株式を１０％程度持った程度では、十分に事業協力の成果が見込めない場合があるからです。また鉱山関連ですと、政府の方針や法律が簡単に変わってしまうことがあるので、少なくとも企業としての基盤がしっかりしている中国企業との協業の方が、早く確実に成果を出すことが期待できるからです。もう一つは、モンゴルから石炭を持ってくる場合、中国を通過しないといけないという理由もあります。ですので、モンゴル企業とだけ提携して、途中の中国で「非関税障壁」（要するに嫌がらせ）を受けるよりは、最初から中国企業と手を組んだ方が効率的だというのもあります。この記事に書かれている考え方や方法については、わざわざニュースにするほどの話ではないでしょうけど、モンゴル企業とのパートナーシップよりも中国企業の方が実利がありそうだという点では、なるほどと思いました。こういう動きには、タワントルゴイの入札結果すら半年も１年も結論を出さないモンゴル政府にいら立ちを覚えて、「待っていられない。やれるところからやり始めよう」というような考えが背後にはあるんじゃないかと思います。そういうモンゴル政府の影響下にあるモンゴル企業もなかなか本格的に動けないので、実績を積んで行くにはもう一つのモンゴルである内モンゴル企業と提携するということなのでしょう。本来のモンゴルの願いは「このままだと、何もかもが中国に牛耳られてしまう。それを避けるためにも、第三の隣国である日本や韓国らと直接の結びつきを持ちたい」と思っていたはずなんです。が、こういう形での日本企業の参加であれば、第三国のパワーも含めてぜ～んぶ中国企業にコントロールされてしまうということになりそうです。モンゴル政府は、多分そんなことは全然気にしてなさそうです。鉱山関連については、外資を排他的にする政策を強めようとしているように見えますが、結局はそれが一層中国の立場を強くしているようになって行く気がします。選挙後に、早くすっきりしてほしいものです。
2012.06.16
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調印式!
一つの日本企業のモンゴル進出が決定しました！昨年夏から検討を続け、今年１月より具体的な「モンゴル進出プロジェクト」を私として応援してきた日本企業が、本日ついにモンゴル企業との正式な契約締結をすることができました。私としても大変嬉しく思います。モンゴルにほとんど日本企業がやって来ないに文句言って来ましたので、こうして具体的に進出のお手伝いができるのは嬉しい限りです。モンゴルを知れば知るほど、リスクは当然あるものの、日本企業にとっては大変多くのビジネスチャンスがあると感じました。やはり経済成長率が１７％（昨年）もある国では、成熟した日本と違って、品質や技術上で困っていることが多く、日本企業が貢献できる分野がたくさんあります。契約書の調印は、先方の事務所でやると思っていたのですが、ホテル内のレストランの一室を借りて「調印式」のような形が用意されていました。いつも思いますが、モンゴル人は人をもてなすのが上手です。この「もてなす心」がなぜ、普通のレストランやデパート（の店員）には全くないのか不思議です。調印式そのものは、日本側の代表者とモンゴル側の代表者がサインをし、握手を交わすというテレビなどでも見る光景と同じでした。ですが、そこにサプライズが待っていました。立会人として国会議員が来ていました。その人は、なんと元首相だったのです。私はこれで、モンゴルの元首相と会うのは二人目となりました。（共に民主党です）日本ではもちろん経験ありませんが、モンゴルの方が人口も少ないせいか、政治家が身近に感じられます。会場となった「さくら」の発展ぶりには驚くばかりです。わずか３年前までは、ホテルの高級和食屋さんでしかなかったのが、その後は、フランス料理屋をカシミヤ工場の隣に作り、街の中心地にはお寿司屋さんも。そして、今回調印式をした場所は、新しくケンピンスキーホテル内にできた鉄板焼屋さんでした。やはり中心となっている日本人シェフのSさんの力と、Sさんへの会社側（財閥系）の信頼が厚いのでしょう。日本食ならなんでも成長するのかというと、そんなに簡単ではありません。私たちの滞在しているバヤンゴルホテルの近くにあった「石亭２」が閉店していました。そこにいた日本人シェフも今はいないそうです。石亭１の方は、私がいた時から日本人シェフ不在により味の低下が感じられていましたが、中心地にオープンした石庭２の方は、客足が伸びず閉店となったようです。こちらも経営は財閥グループですが、経営者やシェフによって、こうも結果が違うのかと再認識しました。とにかくどんどん変わっているモンゴルです。
2012.06.04
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JETROいろいろ頑張ってるようです。
最近不安定な天気（竜巻とか落雷）の多い関東地方ですが、今日は普通の曇り空のようです。確かに日本の春の天気は変わりやすいと言われていますが、今年はかなり異変が多いようです。晴れているのに、突然雲が黒くなり大雨が降るとか。モンゴルもさすがにもう春かなと思って天気予報を見ると、昼間はプラスの気温ですが、やはり夜はまだマイナスのようです。最高気温が８℃で最低がマイナス５℃というのは、東京では立派な「真冬の気温」です。今年から時期限定とはいえ、飛行機の便も増えるし、モンゴル人のビザ取得の基準も緩和されるし、国交４０周年でもあるし、是非とも日蒙の経済交流がより拡大することを期待しています。そんな中で、ジェトロ関係で良いニュースが。一つは、JETROがモンゴルにコレスポンデントを持つようになったことです。今までUBにJICAはありましたが、JETROのオフィスはありませんでした。JETROの場合、JICAほどの予算を持っていないこともあり、支局のある国や市は限られています。今までは一応北京支局の管轄だったようですが、UBに住んでいる人ならだれでもわかるように、「日モ関係」のことを北京から見ていてわかるはずはありません。とはいえ、いきなりUB支局開設は難しいので、まずはコレスポンデントを持つということです。ここでいうコレスポンデントというのは、日蒙の経済交流に関してモンゴルにおける情報収集拠点となる、くらいのイメージです。幸い、この役割にモンゴル人の友人のTさんがなることになり、今後の交流発展に一層期待が持てると思っています。もう一つ。モンゴル進出を検討している企業の方から「このビデオご覧になりました？」との連絡を頂きました。それはJETROがこの春に作った「モンゴル紹介」の番組録画でした。登場人物は、ほぼ見覚えのある方ばかりでしたので、懐かしさも感じながら拝見しました。いい感じでモンゴルを紹介しているので、ご興味あればご覧ください。http://www.jetro.go.jp/tv/internet/20120317070.html ４０周年を祝うと言いながら、今年も早、半年近くが過ぎようとしています。なんか具体的な成果が出てこないかなと思っていますが、まだびっくりするようなニュースはありませんね。
2012.05.12
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モンゴルセミナーに行ってきました。（２）
一番の問題はやはり「質疑応答」でしょう。日本人が質問しても、ほとんど誰も一つもまともに答えてはくれませんでした。これは明らかに通訳の方の問題ではなく、モンゴル人役人特有のやり方です。（残念ながら、日本の政治家にも多いですけど）聞いている側の日本人は、さすがにちょっとイライラしたことでしょう。あまりに的外れな答えが多かったからなのでしょうか、あるプレスの方が、非常にシンプルに「ＴＴの入札に日本企業は入るのか？それは６月までに決まるのか？それだけをお答えください」と聞来ました。が、そんな質問どこ吹く風と、ＴＴの石炭がいかに素晴らしいかとか、多くの国々に輸出したいとか、わけのわかんないことを答えていました。こういう場は、時間や通訳の制約もあるのでなかなか質問者は「そんなこと聞いてるんじゃないでしょ？ズバッと答えてください」とは言えないんですね。なんせ、質問者が質問したら「それ以上は話さないでほしい」とばかりに、ジェトロスタッフがマイクを取り上げに来るんです。ですが、これだけではおさまりませんでした。回答者として指名されていないモンゴル人の方から手が挙がり、発言しました。ですが、その内容は、誰も一度も質問してないことを延々と続けていました。しかも、その方は元大臣というではないですか。これはジェトロ側も困ったでしょうね。いわゆる、政治家のよくある意味のない演説みたいな内容なのです。質疑応答は１５分を予定されていましたが、その人だけでなんと延々１０分以上も演説です。まさか司会者も「もう止めてください」とも言えないし、呆然と見ているだけです。ちなみにその方の発言は、２回もありました。２回とも、日本人が聞きたい部分とはかなりずれている話でした。質問する日本人は、もちろんモンゴルへの理解レベルには差がありますので、新聞読めばわかることを聞いている人もいましたが、それでも答えがピントはずれなのには驚きました。で、私も日本人ビジネスパーソンの多くが思っていると思われる疑問をぶつけてみました。が、予想通り、全然違う答えが返ってきました。前に座っておられた日本人経営者の方から「一つも答えてもらえませんでしたね」と声をかけて頂いたほどです。結局、終了時には開始時の３分の１くらいの賑わいになっていたような気がします。帰り際「ブログを読んでいます」という日本人の方や「モンゴルでビジネスやってます。今度話聞かせてください。」というモンゴル人の方から声をかけて頂きました。少しでも、日本とモンゴルのビジネスの発展にお手伝いできればと思っています。私自身の得た収穫は、Ｂさんらのコメントも総合すると、やはりＴＴの入札には日本企業を外すことはなさそうだなという実感です。総じて、今回のセミナーについては「事前の予想通り」という感想です。もちろん、予想自体を低く見ていたという意味ですが。ただ、同情すべき余地はあります。ジェトロにとって、このセミナーはどちらかといえば「突然」決まったようなものなので、十分な準備はできなかったのは明らかです。内容の吟味も、通訳の選択もかなりタイトなスケジュールの中で決まって行ったのでしょう。これらを全て救ってくれたのが、バトボルト首相の登場ではないでしょうか？多くの参加者は「内容はいまいちだったけど、バトボルト首相の話を直接聞けたから、ま、いいか」って感じじゃないでしょうか。なんとなく日モ関係が進展していくような雰囲気は感じました。ですが、今後このような催しがあるときは、日本企業の課題や悩みを理解した上で、それを解決するソリューションを提供できる場にすることが求められるのだと思います。要するに、供給者の論理ではなくユーザーの論理で開催してほしいということです。スタッフの皆さま、ご苦労様でした。（完）
2012.03.14
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モンゴルセミナーに行ってきました。（１）
モンゴルセミナーに行ってきました。昨日１３日のモンゴルセミナー（ジェトロ主催）に行ってきました。会の様子は、大体事前に予想したとおりでした。特に何か新しい話やためになる話があったわけではありません。ですが、なんとなくですが、最近の動きからして、日蒙関係ももう一歩上の段階に進めるのかもという「希望」はあるような気がしました。会は１４時から始まりましたが、１３時半過ぎにはかなりの人が会場におり、人々の関心の高さを感じました。私も早めに入館の手続きをして入りました。すると、早速昨日一緒に飲んだＵさんの姿がありました。「ちゃんと持ってきましたか？」と聞かれ「え、何を？」と言うと「本ですよ」と言われました。本というのは、私が書いた「ビジネスパーソンのための断捨離思考のすすめ」です。確かに前の日に飲んでるときに、本持ってくるようにと言われていました。この会が終わってから、私の本を手元に置いて、私にインタビューするという話でした。が、「終わるの何時になるかわからないから、今やりましょう」と言って、私とモンゴルのテレビ局のカメラマンを会場の隅に連れて行き「さあどうぞ」と言われました。「さあどうぞ、と言われても・・・何を言うの？」と聞くと、私がモンゴルと関係するようになった経緯やこの本のモンゴルでの出版のこととかだそうです。本当は昨年モンゴルで出版する予定だったのですが、翻訳作業の遅れから今年になってしまったのに「日蒙国交４０周年を記念して出版することになりました」ということにしましょう、となりました。なんとかも方便です。結局、インタビュー形式というよりは、私が昔からの経緯などを話すだけで撮影は終了しました。多分、私の本のモンゴル語版を今年のどこかで出版する時に、テレビ広告やテレビ番組の中で流すのだと思います。どんな風に編集されるのかは、見当もつきません。Ｕさんは、断捨離を変にモンゴル語に翻訳せず、そのまま「ダンシャリ」で貫きたいと言ってました。「流行語」狙えるといいのですが。撮影を終えると、そろそろ会のスタートです。１０分ほど遅れましたが、開会のあいさつは来日中のバトボルト首相の挨拶です。首相のお話しの時だけ、同時通訳が行われました。（この後は、逐次通訳でした）さすがに一国の首相というのは、それだけで魅力があり、なんだか挨拶も有難いものに思えるから不思議です。ガタイのいいＳＰらしき人もそこここにいました。結論から言えば、この首相の挨拶している時が一番盛り上がり、出席者にとっては一番満足度が高い瞬間だったのではないでしょうか？つまりは、その後は「全く予想通りの展開」だったということです。ですが、やはり現実的には、今「モンゴルウィーク」中で、三井住友銀行、孫さんの風力発電、更には三井物産への政府持ち分ＴＴからの石炭供給など、話題がピークになっているだけあって、なんとなく「良い感じ」な雰囲気でした。バトボルト首相は当然、あいさつ後は次の公務に向かって帰りましたが、当然モンゴルのテレビ局も一緒に消えてしまいました。ビジネスコミッション団（昨日飲んだＢさんも、この一団の一員です）の多くのメンバーも、講演が進むにつれて、ほとんど消えてしまいました。でも、講演内容が面白ければそれでいいのですが・・・基本的には、モンゴル側の言いたいことだけを一方的に行っておしまいという、いつものパターンでした。もちろん、新規の情報はありません。少なくとも、新聞でわかる範囲以上のことは何もありません。でも、もう少しプレゼンに工夫が欲しかったのが正直なところです。私ですら見覚えのある以前どこかで見たスライドが何枚もあったり、いかにも「アメリカ人用」のプレゼンと思われるものも含まれていたり（要は、使い回し？）で、内容そのものに魅力が乏しかったのは事実です。私はそこでそんなびっくりする話が出るなんて鼻っから期待してなかったので、それはそれでいいんですけど。一番の問題はやはり「質疑応答」でしょう。（続く）
2012.03.14
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三井住友銀行がモンゴルへ？
今日の新聞に、三井住友銀行がモンゴルの開発銀行と提携し、日系企業進出を後押しすると書いてありました。本当なら嬉しいのですが、この新聞の文章からはよくわかりません。多分、新聞社自体も背景が良くわかっていないのでしょう。まず、このモンゴル開発銀行ですが、これはこのブログでも何度かお伝えしたように、設立当初から日本とは少々すったもんだがあったようです。当初は、日本と提携して開発銀行を設立する予定でした。まだ銀行が設立されていなかった一昨年の時点で、会長だけが選任されていました。その選任されていた方は、私をモンゴルに呼んで下さったＫさんです。そして、その時点で、開発銀行の主要パートナーは日本ということがほぼ決まっていました。日本通のＫさんの会長就任は、日本がパートナーとなるという前提で決まっていたのです。ところが、入札直前になって、日本側が降りたのです。それ以前からずっと開発銀行設立に関わりアドバイスなどをしてきて、ほとんど一緒にやろうという状況だったにもかかわらず、突然（少なくとも、モンゴル側にはそう見えた）日本側は降りたのです。ここでいう日本側というのは誰かというのは、ちょっと微妙なのですけど・・・また日本が降りたという理由も、あまりにもしょうもない理由だったようで、ここで書く気にもなれないような話です。で、入札に日本が応じない状況になってしまったのです。結局は、韓国だけが入札に応じました。モンゴル側は、会長人事をはじめとして、全部日本がパートナーという前提で準備してきたため、当然困りました。その結果、確か２０１０年の末までに入札結果を発表するとしていたのですが、それがずるずると引き延ばされていました。私もこの事態に憂慮し、関係各所に声をかけたのですが、力及ばず何もできませんでした。この時に、なんとまあ、日本側は横の連絡が全然ないのだろうかと驚いたものです。この１点を見ただけでも、日本政府には対モンゴルでの戦略がゼロであったことが明白になりました。結局その後、韓国系がマネジメントを引き受けることになり、Ｋさんは会長ではなくなってしまったようです。恐らく、韓国に強いネットワークのある方に決まったのでしょう。この開発銀行については、モンゴル国内では「インフラ整備などへの融資に待望論」があるのは確かなようですが、そもそもどうやって資金を調達するのかは、目処は立ってなかったようです。日本の開発銀行の場合は、政府保証を付けて起債して調達しているようですが、モンゴルではそこまでできてないようなのです。じゃあ、どうやって調達するのか？いろいろ考えても、結局は政府が持っている鉱山の権利を担保にするしかないというのが、大方の見方でした。鉱山を担保にするとなると、日本側も経産省をはじめとして関心を示すのですが、そこは日本のお役所「あれは金融庁の案件だ」となって、それっきりです。一部は、韓国から資金を入れるという話もありましたが、インフラ整備となると、とてもそんな規模では足りないとのことでした。なので、モンゴル開発銀行は、未だ実質的な活動はしていないという状態だったのです。そんなところに、今回の報道です。新聞は「業務提携」とあるだけで、詳細は書かれていません。またモンゴル進出を目指す日本企業を金融面で後押しをする、ともありますが、現在モンゴルで最大規模の事業を行っている大企業も「今回のことは初耳です」と言ってます。一体何なんでしょうか？三井住友が無担保で融資するなら、それはそれで拍手喝さいしたいですが、まずそれは無理でしょう。担保があるなら、それは今入札で問題になっているＴＴ関連ということになると思いますが、それでもないようです。日系企業の後押し？はっきり言って、三井住友銀行が融資したくなるような大型優良案件は、残念ながら今のモンゴルには、日系企業相手ではほとんどありません。うーん、ちょっとわかりませんね。で、ちょっと周囲に聞いてみたら・・・やっぱりそうか、みたいな部分もあるようです。今回のモンゴル首相来日に合わせて、日蒙両政府から何かアドバルーンを上げてくれと依頼があり、三井住友銀行はまだ生煮えの話で応じたというのが真相ではないかと思われます。なので、あまりリスクのない形での「業務提携」という形で報道されたようです。日経新聞もモンゴルのことはほとんどわかっていないようですから、背景事情を抜きに、大本営の発表をそのまま記事にしたというのが真相ではないかと、現時点では推測します。ですが、瓢箪から駒ということもあります。これが現実になって、本当にモンゴルインフラ整備に三井住友銀行がどんどん出してくれるなら、日系企業には本当にチャンスが出てくると思います。もう少し様子を探ってみたいと思います。
2012.03.12
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スルガモンゴルの社員、どうした？
速報なので、私の記述には正確性を欠くかもしれませんが、関心のある方もおられると思いますので、書いておきます。（グーグルで日本語で検索しても出てこないので、まだ日本には伝わっていないだろうということで、ここに書きました。）現地のネット報道によりますと、スルガモンゴル（倒産した日本のスルガコーポレーションとは、現在は資本関係はないようです）の日本人社員が、麻薬関係の容疑で警察当局に拘束されたそうです。それが逮捕なのか、単なる拘束なのかはわかりません。スルガモンゴルは、ジャパンタウン（現在は、この名称は使わず、フォーシーズンズと言いますが、ジャパンタウンの方が有名です）という高級マンション建設で、地元でも有名な会社です。その社員が、ウランバートルにあるパレスホテルというホテルで、当局に身柄を拘束されたらしいです。拘束ということで、当分はモンゴルから出られないとのことです。この社員というのは、一部には社長という報道もありますし、具体的な個人名まで報道しているニュースもありますが、もちろん、正確なところはわかりません。その後のことは、いつわかるかわかりませんが、恐らく「モンゴルだるまさん」が、このブログをご覧になったら、解説してくれるのではないかと思います。だるまさん、よろしく。
2012.03.02
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寒いモンゴルの不動産事情
モンゴルは益々寒くなってきたようです。「最高気温が０℃になった」と書いたのが、ほんの１０日ちょっと前です。が、ここ数日はもうマイナス１０℃になったようです。もちろん、最高気温の話です。今日の最低気温は、マイナス２１℃とネット天気予報には出ています。そんなモンゴルに比べれば、この日本、特に東京近辺は天国なのですが、残念ながら今日は朝からずっと雨です。前から楽しみにしていた土掘りも、残念ながら朝５時の時点でキャンセルに。昨日の予報では、午前中は大丈夫だったようなので、午前中は気合で行けるなと思っていました。ですが、未明から雨。行き先の天気予報は「雷・強風注意報」が出たとあっては、諦めるしかありません。こんな日は、空いた時間がたっぷりなので、何をしようかと思案してましたが、結局大半は「二度寝」に費やした次第です。先日、モンゴルに興味を持っている不動産関係の方と会いました。国内で投資家向け不動産の仲介などをされている方で、大変若い社長さんに見えました。聞けば、新興国への不動産投資に関心を持っている投資家はかなりいるとのことです。が、彼はまだ実績がないので、まずはご自分の資金でやってみたいというのです。つまり、大きな投資というわけではありません。ですが、こうしてモンゴルにビジネスで関心を持って下さる方が一人でも多く増えることは大歓迎です。そもそも、日系企業では、大企業はほぼ全てモンゴルには関心がないようです。ですので、進出を考えているのは中小企業や個人ベースという方が、少ない中ではメインのように見えます。とある中堅企業で事業進出に関心を見せているところもありますが、やはり意思決定だけは「大企業並み」のようで、いつも「前向きに考えている」だけで、何も進みません。こうしたイメージはもうモンゴル人ビジネス社会では有名になっており、有力財閥などは日本企業と本気で話すのは「時間の無駄」とさえ考えているところもあります。確かに、韓国系、中国系に比べれば、決断力だけでなく、資金力も、本気度もとてもかなわないのが現実です。先日会ったその方は、個人ベース（といっても、彼の会社ベースでしょうが）で決められるようで、期限も明確にして意思決定をしたいと言ってます。恐らく彼が考えている他の新興国に比べても、モンゴルの不動産市場は整備されていない可能性がありますが、その分値上がり余地というか、成長できる市場だと思いますので、彼のポートフォリオに加えてほしいと願っています。日本の投資家が、モンゴルで不動産関連に投資をするとしたら、どんな分野が考えられるか？分類的には、日本と大して違いがあるわけではありません。一番手軽なのは、分譲マンションの購入です。外国人にとっても、なんの制約もなく買えます。最近の相場は、もちろん場所や建物にもよりますが、平米１０００ドルくらいと言ったところでしょうか。１００平米で１０万ドルですね。新築ではもう少し高く、１２００－１５００くらいと聞いてますが、２０００ドルくらいのもあるようです。こうなると、日本の地方都市と大して変わらないかもしれません。今申し上げた相場感覚でいえば、５年前の倍以上となっています。実際には、３年程度で倍にはなったのですが、リーマンショック後落ち込み、最近ようやく復活したという感じでしょう。ですので、一般のモンゴル人からすると「またここ１－２年で値段が倍になるぞ。だから早く買わないといけない」と考えているようです。一見バブルのようですが、基本的にはモンゴル人による実需が支えている相場と言えますから、経済成長に伴い少なくともあと数年は続くものと思います。分譲マンション以外では、アパート丸ごとということもあるでしょう。どこかに土地を見つけ、日本の学生相手のアパートのようなものを建てるということです。これは相場というよりは、土地などの取得もあるので、モンゴル人パートナーの協力が不可欠であり、簡単というわけにはいきません。ですが、すごい利回りで運営された話を聞いたこともあります。もっと大きな資金のある投資家なら、オフィスビル丸ごととか、ホテル丸ごとというのもあるでしょう。ホテルを経営している知人とモンゴルの相場を調べたことがありますが、押し並べてモンゴルのホテルは日本に比べると割高といえるようです。理由は簡単で、モンゴルではホテルの数が少なく、儲かるからです。正確にいえば、外国人ビジネスマンを迎えられるようなホテルが少ないのです。１０年近く前から比べると、びっくりするほどウランバートル市は発展しており、鉱山関係をはじめとする外国人ビジネスマンがやってきているのに、それを迎えるホテルの数は大して変わってません。あえて言えば、この１０年で３つ、４つくらい増えたかな？という程度です。建物は古く設備も大したことないようなホテルでも、外国人を泊めるときには１００ドルとか１５０ドルとかかかることもあります。で、コストの中で最大の人件費は日本の８～１０分の１程度です。これでは儲からないはずがありません。日本の地方都市のホテルは、ネットで探せば４－５千円でも立派なところはたくさんあります。こうして比較してみると「そりゃあ、日本の方が儲からないに決まっているし、モンゴルの方が目茶苦茶儲かる」というのも理解できます。ですので、仮に外国人ビジネスマンでも利用できうるホテルだと、日本よりずっと高く、専門家いわく「日本の地方都市の数倍はする感覚」だそうです。日本も１９９０年まではそうでしたが、厳密に利回りを計算して不動産を買うというよりは、将来の値上がりを見越して投資する人が多かったです。モンゴルへの投資も、そういう観点も勘案しないと、却って割高に感じてしまうかもしれません。ですが、ＩＭＦ（だったかな？）の発表によれば、向こう５年間でアジアで最も高い経済成長を見込める国はモンゴルだそうです。そうです、将来の国なんです。そういう観点で見れば、大変魅力的な投資先と考えることができるでしょう。多少なりとも、ご関心を持った方は、連絡してみてください。
2011.11.19
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やっぱり難しい？日本企業のＴＴ参加
昨日、元ウランバートル駐在の方（大企業ビジネスマン）と一緒に食事をしました。やはりお互い元モンゴルにいたとあって、話はモンゴルの話題に。というか、私が最近のＴＴ（タワントルゴイ）事情を聞いたんですけど。前のブログでも書いたように「なんか雲行きが怪しいけど、本当のところはどうなんですか？」という旨を聞きました。彼の話によれば、大体のところは私の推測通りのようでした。やはり国と一体となって迫ってくるロシアや中国と日本は勝負にならないようです。今日本がやっているのは「正式な発表の先延ばし作戦」みたいでした。なるほど、だからもうほとんど決まったかのように報道されている割には、なぜか正式発表っぽいのがないんだなと感じていたのです。そういうお話から、二つ感じました。一つは、やはり日本という国は「好かれてはいる」けど「恐れられていない」ということです。以前の報道では、必ず日系商社の名前が、中国やロシア企業とともに言及されていましたが、やはり懸念していたように最近は意図的に外しているんだそうです。日本は過去、モンゴルの民主化後の復興に経済的援助として最も貢献してきた国ですから、多くの国民は感謝してくれています。中国のように、日本が援助してきたことを政府が隠したりはしませんから、その点ではありがたいです。政治家ももちろんそんなことは百も承知ですが、彼らの関心は「それは過去のこと」であり、今後どれだけ「法外な援助を約束できるか」や、もっと言えば「どれだけモンゴルの政治家を潤せるか」という点です。その点で言えば、何も確約できません。援助は国のやることであり、今回の入札は民間の仕事ですから、全く絡めることができないというわけです。モンゴル国内では、中露をはずしたら、怒鳴り込んでも来るだろうし、大変なことになる。という恐れがある。しかし、日本をはずしたって、誰も怖いことは言って来ないだろうという確信があるというのです。ま、その通りなんですけど。もっと言えば、今回開発に参加できなくても、日本は市場としては魅力的なので、その時になってまた買いに来るだろうという見込みもあるのでしょう。簡単に言えば「舐められてる」ってことです。ちょうど１年前の今頃は、日系商社大手５社でほぼ決まり！問題はその中でのシェア割り振りくらいだったのが、秋頃には、日系の２グループの後ろに、中国系やロシア系企業も参加みたいな報道でした。それが年が明けると、アメリカを含む１０数社の入札参加となり、段々日系商社の存在感が落ちて行きました。そして遂に、日系商社の名前が外されるところまで来てしまったというわけです。１年前とは様変わりです。とはいえ、まだ最終手続きまでは行ってないようです。日本政府（？）は、ここへきて、なんとか巻き返すべく頑張ってますが、なんせ具体的な提案ができな状態ですから、文句を言ってる程度なのではないかと推察します。日本側の狙いは、今の段階で日系企業参加を復活させることは難しそうなので、とにかく来年のモンゴルの国会議員選挙まで引き延ばそうという作戦らしいです。うーむ、いかにも日本人らしい「戦略なき引き延ばし、先延ばし作戦」って感じです。でも、これって一体だれのため何でしょうか？モンゴル国民のためには、そもそも延び延びになっているＴＴ開発は、早ければいいわけです。かといって、日本企業のため？それもよくわかりません。延ばしたところで、勝てる戦略なんてないでしょうから。しかも、モンゴルへのＯＤＡは来年からなくなるらしいのです。無駄な引き延ばしをやっても、あまり意味はないとは思いますが、確かに「負けの確定」は嫌だというのも理解できます。こういうときこそ政治家に登場してもらいたいですが、「党内融和」が最大の目標である新政権には、こんなことへの対応は全く望めないでしょうね。今からでもいいから、菅さんにモンゴルへ飛んでほしいです。モンゴル人から見れば、まだ菅さんの賞味期限は残ってると思うのです。もう一つは、大使の存在感です。そもそも大使館制度は、１００年以上も続いており、制度疲労を起こしてるんじゃないかと思っています。日本人がめったに外国へ行けない時代であれば、その国との交渉や情報は特別なルートでしか手に入りませんでしたから、存在意義はわかります。ですが、今の社会での大使館って、総務的な仕事（ビザ発行など）はわかりますが、それ以外の機能はほとんどないに等しいのではないでしょうか？在外邦人を守る？在モンゴルの日本人で「いやー、大使館のお陰で助かったよ」なんて一度も聞いたことありません。あるのは、「あいつら何の役にも立たん」とか「助けようなんて気もない」という陰口ばかりです。私も同じ感想です。まあ、当然でしょう。数年に１回のローテーションでモンゴルに赴任してきた役人には、在留邦人とは「面倒なことを持ちこむ人」という認識くらいしかないですから。ただ、大企業系の人とは仲がいいように見えます。私のように個人でモンゴルに来た人間は、将来面倒なことを起こす可能性がある人、くらいにしか思われてないでしょうね。じゃあ、経済や貿易ではどうか？これも「英語が話せるのは外務省にしかいない」時代ならともかく、必要なことは経産省なり担当官庁がやるので、大使館は単なる連絡かかりにしか過ぎません。民間企業であれば、時代とともに必要性が縮小した組織は変わって行くものですが、役所は１００年前と同じ認識でやっているので始末が悪いです。そんな中での「大使の役割」です。聞けば、最近駐モンゴル大使が交代した（する）そうです。今の大使は２００９年着任ですから、わずか２年です。そういえば、今の大使が来たときは「定年まであとちょっとだから、それまでの期間らしい」と聞いたような気がしました。それが本当になったということです。定年まで無事に過ごすことしか考えてない人に、こんな重要な資源交渉ができるはずもありませんが、外野の声を総合すると、相当「なにもしてくれなかった」そうです。聞けば、次の大使はモンゴル駐在経験が何度もあるらしく、思い入れもあるそうです。はっきり言って、対先進国（欧米各国など）の大使は、誰でもいいし何もしなくていいでしょう。大使に頼らずとも、日本とのパイプは政財界ともにたくさんありますから。ですが、途上国の場合は、重みが違います。相手国から見ても「顔」ですし、日本から見ても、他にあまりルートがないので、期待せざるを得ないのです。新しい大使が、前評判通りの方であれば、もしかして今回の「引き延ばし作戦」も、何か突破口を見つけ出してくれるかもしれません。かすかではありますが、期待してます。
2011.08.30
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モンゴルの世界最大炭鉱、ＴＴの雲行きが怪しい？
このブログでも、何度もお伝えしている世界最大のコークス炭鉱であるタワントルゴイ（ＴＴ)の入札結果は、どうも日本勢にはよろしくない結果になりそうです。日本の新聞が一切報道していないので、日本企業が選ばれたのか、本当のところはまだわかりませんが、かなり厳しい状況です。モンゴルでの報道によると、入札結果は、中国企業、ロシア企業そしてアメリカ企業とあります。このグループ分け自体は、前からわかっていたので驚くほどではありませんが、一切日本企業の名前が出てこないのが気になります。気になる理由は、いくつかあります。一つは、以前はこういう報道があるときは、中国企業と組む三井物産の名前が出ていましたが、今回は出ていません。またロシア企業と組む伊藤忠や住友商事の名前も、以前はセットで報道されていたのに、今回は出ていません。二つ目は、モンゴルの国会議員や一部マスコミによる「日本や韓国企業を排除すべきではない」という発言が何度も見られるからです。裏を返せば、日本や韓国企業が入っていないとも取れます。私の推測では、モンゴル政府から見た正式な入札企業には、日本企業が選ばれていない可能性が随分高いような気がしています。恐らく、日系の商社は、開発そのものに参加するのは諦め、裏で中国企業やロシア企業から産出した石炭を回してもらうという程度の緩い仲間としては残っているんじゃないかと思います。この辺のいきさつは、全くわかりませんが、ちょっとずつ報道される内容から推測することはできます。例えば、ロシア企業。ロシア企業がドーンと大金をモンゴルの入札につぎ込むとは考えられません。ロシアは未だにモンゴルは自国の言うことを聞く属国くらいにしか思っていないのではないかと思うような政治的な振る舞いが多いのです。ある記事にほんのちょっとだけ「ロシアはモンゴルの鉄道事業について、将来的に契約を見直す用意がある」というのが載っていました。これは何を示唆するか？モンゴル国内のど真ん中を走っているモンゴル鉄道は、元々は旧ソ連のものでした。それが民主化後は、モンゴルとロシアで５０：５０の比率に変わりました。ですが、実質的な政策決定権はほとんどロシア側が握っていたのです。そもそも自国内の幹線鉄道の整備強化すら、ロシアのお許しがなければできないような契約だったのです。これは大きな問題でした。恐らくロシアは、この契約の縛りをちょっと緩めてあげるということを条件に出したのではないでしょうか？これには１円もかかりませんが、モンゴル側にしてみれば大きな魅力です。中国企業はどうでしょうか？中国企業にとっては、隣国の高品質の石炭確保は共産党の絶対命令です。ですから、鉄道を作れ、道路も作れ、発電所も作れ、前金でたくさんよこせ、などというモンゴル政府の過大な要求にも、Yesと言えるでしょう。ですが、日本企業は、民間企業であり、投資に対する見返りが不透明なものには投資できません、この半年近くの入札のやり直しや延期などで、モンゴル政府の条件のハードルはかなり上がっているのでしょう。投資収益をほとんど考えない中国と既得権益の条件緩和をちらつかせるロシアにあがなうことはできないのでしょう。隣接国だけでは危険であることは明白で、番犬としての第三国が必要なので、結果としてアメリカ企業にその役割が回ったのだと思います。それにしても・・・もう何年も前から、多くのモンゴル国民は「ロシアや中国に牛耳られたらヤバい。なんとしても日本企業に参加してほしい」と願っていました。ですが、どうもその懸念は現実のものとなりそうです。ちょうど１か月前に、モンゴルの大臣が日本に来て、鉄道建設への協力を依頼しました。一番大事なＴＴの話そっちのけで、鉄道の話かよ？とも思いましたが、もしかしてモンゴルの大臣は「日本はＴＴ獲得のためには、政府が鉄道整備を約束してくれるのか？」というようなことを確認しに来ていたのかも知れません。が、多分結果は全く駄目だったのでしょう。これは少しでも役所と付き合ってみればわかります。鉱山は経産省、鉄道は国交省、対外援助は外務省と、それぞれが完全に分かれているので、「あれを得るためにはこれをやる」という発想ができないのです。日本の援助の在り方そのものの問題が、今回の入札に顕著に表れていると思います。今、ウランバートル市内に大きな橋を作っていますが、これは日本の援助です。今後、新空港が数年後にできることになっていますが、これも大半は日本の資金です。日本のお金で作った新しい空港や新しい橋を、ロシアや中国の企業が炭鉱開発のために大いに利用するのです。日本にお金がないなら、何も言いません。でも、民主化後２０年間の最大の援助国は日本であり、それは今も続いています。主にインフラ整備や教育関係に注ぎ込んできました。それらを生かすべき時代が来たら、それらを多いに使うのは、ロシアや中国なのです。こういうお金の使い方が、個人や私企業であれば全く問題はありません。ですが、全ては国民の税金です。納税者が納得する使い方をしているのか？納税者のことなどこれっぽっちも考えたことがない外務省などの利権である限りは、こうした構図は変わらないのです。またモンゴルのある記事には「これで５人の（モンゴルの）大臣は、個人的に大儲けしてパーティをやるでしょう」というのもあったようです。パーティの費用くらいは、ロシアや中国が出したことでしょう。モンゴル人にとって一番嫌いな国は中国、二番目がロシア。一番好きな国が日本。これだけの好条件がありながら、負けてしまう日本という国の資源交渉力は、いったいなんなんでしょうか？唯一の救いは、多くのモンゴル人が「日本企業が選ばれなかったことを残念に思って」くれることです。
2011.08.22
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モンゴル政府の対応がちょっと心配・・・（後）
以下は、私なりのモンゴル人的思考法での推測。多くの政治家や国民は、中露に挟まれたこの国では、第三国、特に日本の関与が非常に重要だとわかっています。これはもう国民共通の悲願とも言えるでしょう。日本企業もそれに応えるべく、長期的視野で入札前から助言をしたり、交渉を続けてきました。多分モンゴル人のことですから「日本企業には是非に、或いは絶対に、入ってもらいたい」とまで言ってることでしょう。もちろん、嘘ではなく「その時はそう思った」ということです。日本人的発想であれば、仮に日本企業を選定した場合は、どんなことが起こりうるか、どんなリスクがあるか、なども検討することでしょう。中国やロシアがどんな態度に出るかとか。ですが、私の経験では、モンゴル人はあまり将来のシュミレーションというのをやりません。楽観的と言えば、まさにその通りです。ロシアや中国は、下調べとか、入札前の助言とかにはあまり関心はなさそうです。本当に決まるときになったら、力ずくで取りに行けばいいと思っていますから。で、入札結果の情報が事前に漏れると・・・ロシアや中国は「てめぇ、ふざけんじゃねえや。どうなるかわかってんのか？」と言葉遣いはこの通りではないでしょうが、こういう趣旨のクレームというか横やりを入れるわけです。当然、一部の国会議員を抱き込んでロビー活動をするのでしょう。すると政府は「なるほど、そうなのか。それは困った。じゃあ、結果発表は止めよう」となるわけです。外国にいる私でもそうですから、多分ほとんどの外国人関係者は、中露の反応は十分に予想がついていたと思うのですが、モンゴル式では先のことは考えないので、一瞬思考停止になるのでしょう。最近、日本に親しいモンゴルの国会議員が「ＴＴから日本を排除するのは良くない」と新聞で発言しています。これを見て心配になりました。当然のごとく日本が含まれるなら、わざわざこんな発言をするはずないわけです。相当な危機感があるからこその発言ではないでしょうか？はっきり言って、これだけの規模（世界一の炭鉱）の入札ですから、もう純粋民間マターではありません。であるにもかかわらず、日本政府はといえば、そもそも１ヶ月後の首相が誰なのか？今月末の経済産業省の大臣が誰なのかもわかってない状態です。しかも、政治家の関心の７０％は政権がどうなるか？２５％くらいが震災・原発対応にあるようで、その他すべての政治・国際情勢合わせて５％もあるかどうかの内閣では、対応のしようがありません。軸が定まらないモンゴル政府とほとんどすべての外交関係に無関心な日本政府。こういう真空時期に、世界最大の炭鉱の行方が決まるのは、不安でなりません。モンゴル人は、親日家が多く、意気に感じてくれる国民です。今日でも明日でも菅首相が突然モンゴルを訪問し「是非、日本とやりましょう！」と言ったら、相当な確率で日本が勝てると思います。そういうべたなやり方がいいかどうかはともかく、そういう行動には心動かされる国民であり、そこがモンゴル人のいいところでもあるんです。でも、サプライズは・・・もちろん、ないでしょうね。
2011.08.10
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モンゴル政府の対応がちょっと心配・・・（前）
モンゴル政府は、外国人ビジネスマンや投資家からは十分な信頼を得ているとは言えないのが現状です。一番の原因は、言ったことを守らない、平然と法律を後から変えるなどです。そもそも「約束」の概念が日本とは大きく違うモンゴルでは、個人レベルでは約束が反故にされることは非常に一般的で、モンゴルに暮らしたことある日本人ならほとんど全員が経験済みでしょう。モンゴル人は「嘘」をついた覚えはありません。なぜなら、その時はそう思ったからです。ただ、その後状況が変わった、考えが変わった、ということなのです。ですので、約束というのは、あえて定義すれば「その時にそうなるだろうと思った一つの予想」だということです。予想ですから、それがその後変更されることに対しても抵抗感がないのです。天気予報はあくまでも予想であって、約束ではありません。日本人や多くの国の人は、約束とは守るべきものと考えているので、万難を排してでも守るべきと考えます。仮に守られなかったとしても、それをいかに守ろうとした努力（言い訳とも言います）も信頼を得る大切な要素です。つまりある時点で約束した場合は、そこに向かって今からの行動が向かっていく、場合によっては制約もありうる、と考えるのが日本人です。それに対し、あくまでも予想に過ぎない将来の約束に対して、それを制約と考えることはなく、自由にその地点に向かうのがモンゴル式です。結果として、２時間前にに友達から「ご飯食べに行こう」と言われたので、１週間前からの約束が反故にされるというのは、ごく普通に起こる現象です。そういうことにうんざりしてくると、モンゴルにいる日本人もモンゴル人のような行動を真似するようになってきます。つまり、将来の約束はしないということです。来週木曜日に会おうって決めても、どうなるかなんて経験値からすればわかりません。直前の変更、キャンセルは日常茶飯事です。なので、木曜に会いたいなら、早くて前日、普通は当日約束するというのが、オーソドックスになってくるのです。モンゴルの外からそういうのを見ると、いい加減そうな国に見えますが、中の人たちのほとんどがそういうマインドを持っている国なので、一度慣れてしまうと、日本人でもそんなに怒らなくなってくるから不思議です。これを読んでくださっているモンゴル在住経験ある日本人は、ほとんどが「そうそう」と頷いておられることでしょう。私もこのことを持って、モンゴル人を批判しようとは思いません。遊牧民の文化から出たこの考え方には一定の理解を持っています。ただ、これがビジネスや外交となると話は別です。個人ベースでの「ま、仕方ない、そんなもんでしょう」とは全然違うからです。ですが、私の見るところ、モンゴル政府はどうもこのモンゴル人的「約束」を対外的にも同じように考えているように見えます。オユトルゴイ（ＯＴ）鉱山開発でも、一旦は正式にカナダの会社に開発権を認めながら、その後何度も変更し、これはモンゴル国民のものだとモンゴル政府がシェアを持つべきだとか、ロイヤリティをもっと払えとか、そんな話を契約締結後も何年もやっていたほどです。要は契約書に書いてあることは「あの時はそう思ったけど、その後いろんな意見を聞いてやっぱり変える」ってことです。もちろん、一方的にです。今年の１月頃にこのブログでも書きましたが、モンゴル開発銀行に関する国際入札があった時も、入札結果を１月に発表すると言いながら、その後何も言わずうやむやにしてました。要は、当初のシナリオ通りに日本側が対応してくれなかったからです。でも、そんな理由は明確にせずに、期限を伸ばすどころか、まるでなかったかのように振舞うのも、モンゴル式です。この件については、その後３月か４月頃になって、別な形でスタートさせることになったやに聞いています。そして、現在は世界最大のコークス炭鉱であるタワントルゴイ（ＴＴ)の国際入札中です。この入札も、昨年後半から入札させたり、途中で組み替えさせたり、また入札したり。入札結果の発表もどんどん遅れ、７月上旬の国会会期末までには発表すると言われていましたし、現に一度はモンゴル発で入札結果情報が発信されました。が、例によって、また取りやめになったようです。あれからもう１か月も経とうとしているのに、正式な発表はありません。昨年末の段階では、日本企業が中心となるグループの受注がほぼ確定していたと言われていましたが、年が明けたら世界中から１０数ものグループが名乗り出てバトルロイヤルに。それでも、それらのほとんどは整理されて、再び日本企業を含むグループにとの案がほぼ決まりかけました。ですが、それもまた白紙に。今では「このままでは日本企業が排除されるかもしれない」との情報まであるほどです。正直、私は「多分大丈夫だろうけど」「でも、モンゴル政府のことだから、ちゃぶ台ひっくり返すって十分あるかな」と心配しています。以下は、私なりのモンゴル人的思考法での推測。（続く）
2011.08.10
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またしても延期？モンゴル政府の決定。
先日のメールでお伝えした、コークス用炭埋蔵量世界一のモンゴルのタバン・トルゴイの（ＴＴ）入札結果発表がどうも延期になったようです。モンゴルは今日現在、モンゴル国民最大のお祭りの「ナーダム」の真っ最中です。１１日から始まったこのナーダムでは、モンゴル相撲、競馬、弓矢の３種の協議会が全国各地で開かれ、国民のほとんどがこの期間中はナーダムに熱中します。ナーダム期間中は、休みのお店も多く、ナーダム前の買い出しは大切な事前準備です。外資系企業はともかく、モンゴル企業のほとんどもこの期間はお休みのところが多いです。そもそもモンゴルは、長く厳しい冬があるので、その分夏には「はじけたい！」という願望が強く、企業経営者も含め、このナーダム時期を契機に、その後も長い夏休みを取る人が多いです。早い話が、ナーダムを合図に、これから２か月近いビジネスの「お休み」あるいは「閑散」期間が始まるのです。政治も同じです。モンゴルの国会は、ナーダムを前に先週９日に終了しました。本来であれば、政府の入札結果案が議会に諮られ、決議されて晴れて発表となる予定でした。が、どうもその政府案は審議もされず閉会となったようです。そもそもモンゴルは、国会の力が強すぎると言われてきました。普通に考えると、国民に直接選ばれた大統領や国会で選ばれる首相（行政の長）があり、ともにかなり力を持っているように思えるのですが、大統領といってもアメリカの大統領とは比べ物にならないほど権限は弱く、首相でさえも、日本の弱っちい首相よりも権限が弱いような気がします。権限規定の詳細はもちろんわかりませんが、日蒙の両方を良く知る政府高官も「モンゴルは国会議員の力が強すぎて、何も決まらない。あるいは、大衆受けする、とんでもない政策が決まりやすい。」と嘆いていたのを聞いたことがあります。で、今回の未審議、未発表です。政府案は、先日このブログでお伝えした通り、三井物産と中国企業チームが４０％、日韓露チームが３６％、アメリカ企業が２４％というものでした。発表の仕方としては「中国グループ、ロシアグループ、アメリカグループ」と見事に、３大国に配慮した形で、日本企業も韓国企業も「見出し」的には無視されています。とはいえ実態は、三井物産や伊藤忠などの日系商社５社や韓国系企業４社なども含まれてはいます。こうした実態と発表時の文言は、政治的配慮もあるでしょうし、入札結果に日本政府が噛みつくなんて考えられませんが（多少は、噛みついてもいいと思いますが）、なんと韓国政府はこれに噛みついたようです。報道によると、韓国政府は「不公正、不透明だ」と非難したそうです。不公正はともかく、不透明なのは当然です。モンゴルのような、超２大わがまま大国に挟まれた内陸国において、入札結果が「品質とコスト」だけで決まるなんてありえないからです。２大わがまま大国のご機嫌を損ねないように、しかも遠いアメリカという番犬も誘い入れ、更に日韓という一番実質的に期待できるビジネスパートナーを組み入れなければならないのですから。モンゴル人に聞くと、必ずしも韓国の存在感が大きいわけではありません。韓国大好きという国民が多いわけでもありません。ですが、現地にいた感覚で言うと、モンゴルにとって韓国はとても大切な国です。それは裏返せば、日本が頼りにならないことの証左でもあります。モンゴル国民に人気投票をしてもらえば、恐らく日本が１番人気となるでしょう。嫌いは、１番が中国で２番がロシアというのも、ほぼ確定だと思います。その日本は、実際に何をしてくれたのか？ＯＤＡでの援助が１番というのは確かに立派ですが、多分それだけでしょう、１番と言えるのは。他には何もしてくれません。モンゴルはまだ貧しいですから、外国で働きたいという要望は非常に強いです。それに対して、日本政府は基本的にはモンゴル人ビザを締め付け、日本への入国を厳しく制限しています。仕事上のビザ取得は難しく、結婚ビザでさえかなり厳しくしています。１番のあこがれの国である日本へ行けるモンゴル人は、現実的には大変少ないのです。他方、韓国は違います。モンゴル人労働者を年間３万人受け入れると正式に発表し、実行してきました。３万人という数字は大変大きな数字です。なんせ人口がたったの２７０万人ですから、その１％を超える数なのです。日本に当てはめれば、１５０万人って感覚でしょうか。これだけの労働者を受け入れてくれる国が近くにあるというのは、大変な助けになります。現に「お父さんは数年間韓国に仕事に行っていた。そのお陰で、家を買えた」とか「兄弟が皆大学へ行けた」などの話は良く耳にします。韓国はこうして開放することにより、実質的な援助をしてきたのです。ちなみに、ちょっと話は違うかもしれませんが、韓国のテレビの放映権も全て無料です。日本国が受け入れないなら、こちらから進出してモンゴル経済の発展に貢献するという考えもありますが、この点でも日本は全然だめです。トヨタもソニーもモンゴルに直接進出なんてしていません。ヒュンダイやサムソンの動きとは比べ物になりません。在蒙日本人が５００人しかいないのに、韓国人は５０００人もいます。歴史的に韓国と付き合いがあったわけでは全くありません。韓国の人口が日本の半分以下だと考えれば、感覚的には１０倍どころか数１０倍の違いに思えてきます。今回の韓国政府の抗議が、実質的にどう影響するのかはわかりません。韓国企業は４社以上もロシアグループに入っているのですから、新規にどうこうするよりも、発表の表現とか、シェア割りの数字をいじるとかのマイナーな変更にとどまるような気がします。ただ言えるのは、韓国は政府がこういう大事なプロジェクトへの参加を、政府が本気で後押しをしているということです。そして、対モンゴルに関しては、韓国はモノを言える権利はあるということです。問題は、正式決定の延期により、モンゴルの経済発展がスローダウンしてしまわないかということです。なんせ、もう何年間も「延期」「延期」「延期」できたＴＴプロジェクトですので。
2011.07.12
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ようやく決着？タバン・トルゴイ炭鉱の入札結果。
タバン・トルゴイ炭鉱（通称ＴＴ）の入札結果が報道されました。数日前にも、中国とロシアに配慮した結果になるだろうとの報道も出ていました。ＴＴというのは、高品質の石炭であるコークス用炭の埋蔵量が世界一の炭鉱のことで、モンゴルのゴビにあります。もう６年も７年以上も前から外資と提携して開発すると言われてきたのですが、ようやくそれが実現しそうな段階になってきました。今回は、確かに「国際入札」ではありますが、一般的に考えられる「コストと品質」による選考というよりは、かなり政治的な判断による入札ではなかったのかと思います。そもそも昨年の入札当初の段階では、伊藤忠を中心とする商社連合と三井物産が中国企業と組む２チームが名乗りを上げていました。ですが、昨年末には、その伊藤忠のチームは韓国との共同体にするとなり、更には、今年に入って実際の入札をしてみたら、世界中から１５グループもの入札があったと報道がありました。そして、今日判明した結果は、三井物産と中国企業の連合が４０％、日韓露のコンソーシアムが３６％、そしてアメリカ企業が２４％という結果が報道されています。私にはインサイダー的な情報は全くありませんが、今までの経緯を見ると、ここに至った経緯は大体推測できます。そもそも、入札とあるからには、参加企業は競争入札をしたうえで、シェアの大半を獲得したいと思って入札したことでしょう。少なくとも、入札当初は。しかしながら、結果を見ると、参加企業数は全部で１５～２０社近くにもなろうという多くの企業が参加することになりました。裏を返せば、１社当たりの獲得可能量はかなり限られ、規模の効果が十分に発揮できるか疑問の部分もあります。結果としては、参加した日系企業はどこも「落選」はしませんでした。日系で一番大きな量を確保できるのは、三井物産でしょう。２社連合で４０％の権益ですから。伊藤忠などの連合は、一体１社当たりどの程度になるのかわかりません。なんせ判明しているだけでも、伊藤忠、住商、丸紅、双日の日系４社に加えて、韓国のポスコ、韓国電力公社、大宇、ＬＧ商社などがあり、これ以外にも韓国系は数社あるようです。更にロシア鉄道も参加しています。一部報道によれば、この連合は「ロシアを中心とする連合」とも書かれています。昨年は明らかに「伊藤忠が主導する」と表現されていたのに、なぜ変わったのでしょうか？そして、もう１社がアメリカの石炭会社です。ここは単独で２４％獲得ですから、実際はこの会社が１番大きな権益を得たともいえるでしょう。昨年までは日系グループの受注確実と言われてきましたが、結果を見ると、正しいようで、正確にはかなり異なった形と言えるかもしれません。それは言うまでもなく、モンゴル政府の政治的な決断と言えます。当初は、資金的にも技術的にも優位性がある日系企業が有力候補と考えられてきました。ですが、その後の中露による「強烈な巻き返し」があったものと推定されます。いつも言うように、モンゴルはこの中露に挟まれた国です。輸出をしようにも、必ずこのどちらかの国を通らねばなりません。ですから、この両国を敵に回してしまうと、そもそものプロジェクトが成り立たないことになります。当初から中国企業と組んでいた三井物産系は、このニーズに応えていたと言えるでしょう。他方、伊藤忠系は、日本の商社連合が中心でした。途中で韓国連合も一緒になり、石炭のユーザー連合としてはいい連合になったかもしれませんが、ロシアか中国を入れないと、入札が取れなくなると知ったので、ロシア鉄道もいれたのでしょう。これは私の推測でしかありませんが、ロシア鉄道（名前はロシア鉄道ですが、モンゴル鉄道の半分の株を持っている）はほとんどお金を使う気はないでしょう。これはロシア政府の代理企業みたいなもので、政治的なゴリ押しで日系グループに参加させたんだと思います。そして、いつの間に「ロシア系グループ」とまで報道されるほどになりました。このブログに書いた、先々月来のロシアによるディーゼル用の軽油輸出の禁止の記事を覚えている人もいるでしょう。「ロシアをのけものにすると、どうなるのかわかってるんだろうな！」という脅しは、十分に強烈です。ロシアはお金も技術も出す気はありませんが、ただ権益が欲しいのです。モンゴル政府も何をするかわからない、やくざ国家ロシアの言うことを無視できるはずありませんので、このコンソーシアムにロシアを加えてもらって、なんとか参加させたかったのでしょう。ですので実態は、当初は日系企業が主導する２グループでしたが、今となっては、中露の顔を立てる２グループとなったのです。こうなると、中露以外の第三者が欲しくなります。本来は、日本がこの役割を果たせれば問題ないのですが、中露が因縁つけてきても、今の日本政府や日系企業は中露をけん制する力も気力もありません。となると、入札に参加した１５近いグループから、誰かを選ばねばなりません。リストを見ると、モンゴル国内企業が３つありますが、これは中露をけん制するという意味では無理です。中国単独、ロシア単独が３社ありますが、これも論外です。もう必要ありません。他にはインド、ブラジル、オーストラリア、ルクセンブルグなどから６社ありますが、これらも「鉱山会社」としては素晴らしいかもしれませんが、中露への番犬の役割は無理でしょう。こうして、まだ残っているのはどこか？実は、あと１社しか残ってないのです。それがアメリカのピーボディーエナジーという会社です。なので、この会社が選ばれたというわけです。もちろん、あくまで私の推測ですが、まあ大体そんなところだろうと思います。この会社が、インドやブラジルの会社よりも優れているというよりは、アメリカが最も番犬としてふさわしいということじゃないかと思います。言っていれば、一種の漁夫の利でしょう。なにはともあれ、決まったことが大切です。なぜなら、今までずっと「将来の炭鉱」でしかありませんでしたから。これを機に、開発が本格的に進むとなれば、モンゴル経済は大いに浮上するのではないかと期待しています。ただ、伊藤忠系のグループの利害調整はなんだかごたごたするような気がしています。１０社以上が、たったの３６％に減らされたパイを争うのですから。しかも韓国、ロシアは国家企業が参加しています。理屈通りに運ぶかどうか、伊藤忠の手腕が問われそうです。
2011.07.05
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