りらっくママの日々

りらっくママの日々

2009年07月09日
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カテゴリ: ある女の話:ユナ
今日の日記



<ユナ4>



あの後すぐにかけなくてごめんな、ってまた謝られた。
そしたら、こっちこそごめんね、ってすぐに言葉を出すことができた。

ほじくり返されるのは嫌だったはずなのに、
フジサワくんが、あの後親大丈夫だったの?
なんて聞いてくるの、嫌じゃなかった。

親が「帰ってたんだ?夜に帰るのかと思った。夕飯あんたの分もいるのね。」
なんて、拍子抜けな対応を伝えるのも、
そんなに悪くなかった。

フジサワくんがホッとしたように笑ったから。

ひどいよね、娘なのに。
ってちょっとグチったら、
信用されてるの?それとも遊びまわってんの?
と聞かれた。

遊びまわってたら、親に怒られることなんか心配しません~
フジサワくんもひどいね、って返したら、
そりゃそうだよな。
って、また笑った。

ホントはちょっとでもそんな子に見られたのが悲しかったんですけど。
彼の笑ってる声を聞いたら、私もつられて笑ってしまう。

電話がなかなか切れない。

「来週、会える?」

フジサワくんに言われて、うん…って頷く。
好かれるために作りモノって思われてない?
でも、本当に女の子になっちゃってるんだよ。
私気持ち悪くないかな?

誰かにこの気持ちをしゃべりたくなったけど、
自分の中に押し込んだ。
すっごい幸せな気分。
だって好きになった人に会えるんだもん!

もん!だって、気持ち悪い~!
本当に私?

荒んだ気持ちが和らいでしまう。
ほっぺたをペシペシ叩く。

さあ、仕事仕事!


そんな態度は会社でも出るのかもしれない。
あんまり高卒女もムカつかなくなった。
そのうち、周りにも当然のように私が電話に出るから、
「あの子は仕事をちゃんとしていいね~。」
って、言われるようになってたんだって。

まあ、それは後日談だよ。
いいね~、ラブパワーばんざい!

水曜。あと三日。

好きって気持ちがパワーをくれて、人に親切。
自分に親切。
洋服屋さんにも、コスメのお店にも、ついつい親切~!

そしてお金がどんどん減っていった。
いいや、お給料がもうすぐ出るし!

木曜。あと二日。

だからオヤジのムカつきコメントも笑って流せる。
私はホステスじゃないですよ~!(笑)
ってなもんか?

金曜。あと一日!

夜は緊張しまくっていた。
そのせいか当日、
目覚ましより早く起きてしまった。

でも、焦るとブローがうまくいかない。
服も、思ったより暑いから変えなきゃ変かも。
でも変えたら、見事に全部変えなきゃいけなくなった。

最初から遅刻なんてできない!
オシャレは我慢よ!
ファッションチェックのタレントが言ってた。

食べるものもとりあえず、
とにかく家を出た。

あ~、お給料早く出ないかな!
出かけるお金もほとんど無いし、洋服も欲しい~!

待ち合わせの駅に着いたら、まだフジサワくんは来てなかった。
時間2分過ぎ。

あ、良かった…。
と、思ったら、柱の反対側にいた!

「ご、ごめんね~!待った?」

「そうでもないよ。
電車、思ったより早く着いちゃってさ。」
ヘッドホンをはずしながらフジサワくんが言う。

あ、何かコレって私の評価ダウン?
ちょっと心配になる。

どこ行こっか~?
って、結局、水族館に行くことにした。
プラネタリウムも映画も、時間が決まってて、
それまでどこで潰すかってこともあって。

「オレ、プラネタリウムなんて寝ちゃう。」
フジサワくんがそう言って笑った。
今度ね。って。

今度…。
何ていい響き。

あ、浮かれてるなぁ~私。

でもちょっと気になることがあった。
フジサワくんて、
手も繋いで来ないし、肩も組んで来ないんだ。

何だか男友達?って感じ。
あ、何だかこう思うのって、私がスケベなのかしら?

かと言って、私からいきなり腕を組むのも何だしなぁ…。
ただでさえ、遊んでるんじゃないか?って疑われてるみたいなんだもん。

そばにいて、何のスキンシップもしない距離。
これが今の私たちの距離なんだと思った。

どうしたら縮められるのかな…。

よくわかんない。
私が付き合ってると勘違いした男は、
ベタベタ私に肩組んできてたし。

私はそうされるのが好きだったし、
好きだからそうしてくるんだと思ってたし。

でも、触れてこないのが大事に思ってるのか?って言うと、
それはよくわかんない。

もしそうだとしても、
それは、何となく淋しいんだもん。
ワガママかなぁ…。

魚を眺めていたら、何となくイジワルしたくなってきた。
ワザと側に寄ってみたら、
フジサワくんはしばらくすると、
自然にスッと隣の水槽に移った。

「アレすげーキレイじゃない?」

バカバカしくなったので、もう側に寄るのはやめた。
清く正しい交際なんだ?
私って、やっぱりすっごいスケベみたいじゃん。

魚を見るのに集中した。
海亀が水の中を飛んでいる。
優雅に…。

何で水の中の生物を見ていると、ぼんやりしちゃうんだろう。

「水の中をこうして眺めてると、
何だか魚が空飛んでるみたいに見えてこない?
ほら、海亀とか。」

私がそう言ったら、

「ホントだ。何かそう見えてきた。」

フジサワくんが新発見みたいに反応してくれた。

「ヤマグチさんって面白いこと言うね。」

「え?そう?思ったこと言ってるだけなんだけど~。」

あ、変なヤツって思われたのかな。
でも、フジサワくんが嬉しそうにしてるから、
ま、いいか~って思った。
つられて私も笑顔になる。

水族館は涼しかったのに、
出てからのショッピングモールは何だか暑かった。
汗が出てくるけど、
コレを脱いだらノースリーブだし、
誘ってるみたいかも…。

そう思うと、脱ぐに脱げなくなってしまった。
たいした格好じゃないんだけど。
たかが腕を出すくらいなんだけど。

暑い…。

オシャレは我慢!
でも、ハンカチで汗をふいたら、ファンデーションの色がついた。
ホントは化粧なんか嫌い。
ベタベタして。
スッピンでいたいのに、周りがしてるからするようになった。

何だか女って我慢ばっかり。
足もちょっと痛い。

「すごい汗かいてない?」

「うん…。」

「暑いならソレ脱げば?」

「ううん、いいの。日が落ちると寒くなるから。
ほら、こんなだし。」

私が上着の中をチラッと見せたら、
フジサワくんは笑って「あ、そうなんだ。」
と言った。

私は自分の魅力の無さにガックリきた。
それとも、一度でも寝てしまったからたいしたことないのか。

お世辞でもいいから、
表情がちょっと変われば嬉しかったのにな。
同時にこんな真似をする自分が悲しくなってきた。
お酒でも飲まないと、私は口説かれない女なのかもしれない。

今日は飲んだらまた期待しそうで、
フジサワくんが自分を口説いてくれるんじゃないかと期待しそうで、
夕食はどうするのかな…って、
またドキドキしてきた。

でも、また酔ってなんて、嫌だな~って思ってたら、
フジサワくんは、
普通にデパートの上のレストラン街で食べる提案をしてきた。

そういえば、バーベキューでも運転手だからか飲んでなかったな。
夕食時にも飲まなかった。

フジサワくんはソバのようにスパゲティをすすった。
う~ん、その食べ方はあまり好きじゃない。

やめるなら今のうちかも…と思った。
だって、何だか私ばっかり一喜一憂してない?
この人、私のこと好きなのかしら?
そう言えば、好きって言われたワケじゃない。

そう思うと、すする音が余計大きく聞こえた。

フジサワくんはまだ電車がたくさんあるうちに、私を家の近くの駅まで送ってくれた。
楽しかったのかな?
あんまりしゃべってくれないし。

この前の家の近くの通りまできたので、
「ここで大丈夫だよ。ありがとう。」
って言った。

「うん。また電話するね。」
フジサワくんがそう言って笑顔を見せた。

ホントかなぁ~?
私はちょっと信用ならない気分になった。

「私もするね。」
一応言ってみて、笑顔で手を振る。

何か疲れた。









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最終更新日  2009年07月09日 20時42分12秒
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