りらっくママの日々

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2009年11月29日
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今日の日記




「ある女の話:カリナ27(好きになる予感)」



オノダさんが目を逸らして、私の腕を離した。

「ごめん…。
変なこと言って。
俺、熱ひでーみたいだ。」

軽く笑って、布団の中に入った。

私はどうしていいのかわからなくなって、
オノダさんのことを見ていた。

「鍵、そこにあるから、
閉めて玄関のポストから落としてもらっていいかな?
わりーな。
じゃあ。」

オノダさんは表情が見えないように、
布団から手だけ出して振った。

「あ…、はい…。」

私は言われた通り鍵をみつけて、
外に出て、鍵を閉めると玄関ドアのポストに落とした。

外は寒かった。
息が白い。

私は今起こったことを反芻しながら、
駅に向かった。


  「オマエのこと好きみたいだ」


握られた手の感触がまだ残ってる。

ほとんど人が乗っていない電車に乗って、
私は家に向かった。


2日後、バイトに行くとオノダさんがいた。

「よお!こないだはさんきゅーな!」

いつもと変わらない態度と笑顔でオノダさんが言った。
流石大人なんだな…って思った。

「あ、良かったです。
治りました?」

私も何とも無いように答える。
でも、心臓が何となくドキドキしていた。

マズイな…って。

あれからずっとオノダさんのことを気付くと考えている。
バイトで会った時どうしよう?
どんな態度を取ったら?って、
ずっと思ってた。

冬休みが終わったことで、
ちょっとホッとしてた。

私はどうやら学校でもボーっとしていたらしい。

「聞いてる?カリナ?」

マッシーが帰り道に聞いてきた。

「あ、うん。
聞いてる。
…いや、聞いてるんだけど、入ってこないって言うか、あ~!
もう!どうしよう~!
どうしよう、マッシー?」

私の様子にマッシーが何よ何よ?とツッコんできた。
私はオノダさんとの出来事を話した。

「ふううううん。」

マッシーはニヤニヤした。

「も~、何か楽しんで無い?
私は悩んでるんだけど~!」

「いや~、ちょっと意外だったから!
でもちょっと納得しちゃう部分もあったりして。
やっぱ、それでカリナにちょっかい出してたのかな~って。」

「でもさ、でもでも!
そんなのいきなり言われても困るよ~!!!」

「でもストラップもらった時に、
ちょっともしかして?って思ったんでしょ?」

「ん~、でも、
そんなさ、まさか…さ。」

「そんな悩むことも無いじゃない?
普段通りにしてれば。
別に付き合ってとかって言われたワケでも、
何かされたワケでも無いでしょ?」

「そうなんだけど…。」

「気になってしょうが無いの?」

「うん。
気付くとオノダさんのことばっか考えてる。」

マッシーはあははって笑った。

「何よぉ~!」

「いや、アオヤンさんのこと忘れられていいかな…って。」

そう言われてみればそうだった。
ここのところ、オノダさんのことのせいで青山くんのこと、
すっかり気持ちから薄れてくれていた。
コレって心の防衛本能だろうか?

「私って軽薄かもね~。」

そう思うとちょっと私って何だかなぁ~って思う。

「いいじゃん。新しい恋!
若さは短いんだからさ!」

マッシーの言葉に私は笑う。

「マッシーってば、いくつだよ!」

「はは!耳年増なのかもね!」

「そっか~、新しい恋…ね。」

「ん~、なるように任せてみれば。
忘れるなら忘れるでいいし、
恋しちゃったら、恋しちゃったでいいじゃん。
心次第って言うの~?」

あはは~って私は頷く。

「いいのかな?そんなんで?
マッシーと話してたらそんな気持ちになってきたよ。」

「へへ!役に立った~?」

私達は顔を見合わせて笑う。

マッシーに言われて、ホントそんな気持ちでいた。

オノダさんを見て、
実際に会って、
何も無くて。

やっぱり現実はこんなもんだよね。
って思った。

会ったからって、どうにも何か進展するもんでも無い。
でも、
心は違う。

オノダさんが隣に来ると、
どうにも意識してしまう。

心拍数が上がって、
何だかノボせそうになる。
つい、オノダさんに近付くのを避けた。

青山くんへの好きとは違う。
落ち着かなくて。
何だろう、コレ…。

私はたまったゴミをまとめて、
ゴミ置き場へ向かった。

ゴミを置いてため息をつく。
あ~、ヤバいよ。
何なんだコレは!

振り返るとオノダさんがいた。
ビクッとする。

「あの…さ。」

オノダさんは、困ったような顔をしていた。

「変に避けるなよ。
俺、返って意識しちゃうし。
ホント、気にしなくていいから…。」

ちょっと悲しそうな低い声だった。

「あ、はい…。」

そう言われると、
何だかちょっとガッカリしてる自分がいたりする。
あれ?
私やっぱり変。

「いつも通りで行こうよ。な?
あ、良かったらさ、
夕飯おごらせてよ。
この前のお礼したいし。
オマエ明日早番だっけ?
俺も明日そうだから、良かったらどう?
あ、無理しないでいーよ。
マズイか、やっぱ。
好きなヤツいんだし。」

今度はいつもを装ってか、
明るい軽い感じで言う。
一人でどんどん話を進める。
無理してるのかな?って思った。

私は一瞬迷ったけど、
言葉の方が早かった。
唾をゴクリと飲む。

「いいですよ。
いいとこ連れてって下さいね。」

オノダさんが一瞬驚いた顔をしたのがわかった。
多分、私がそんなことを言うなんて、
思ってもみなかったんだと思った。
でも次の瞬間、すごく嬉しそうな顔になった。

「マジで?!
いいの?」

私は夕飯いっしょに食べるのをオッケーしたくらいで、
こんなにオノダさんが喜ぶなんて、
思ってもみなかった。
なので、ウンってすぐに頷いた。

「うそ?うっそ!
やったー!!!」

あまりにもすごい喜びようにビックリした。
ガッツポーズを決める勢いだ。

恥ずかしくなって、
つい周りで誰か見て無いか、
キョロキョロしちゃったくらい。

でも、私のことでそんなに喜んでくれる男がいるってことに、
私はスゴイ優越感を感じた。

参った。

私はオノダさんを好きになるかもしれない。




前の話を読む

続きはまた明日

目次





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最終更新日  2009年11月29日 18時11分00秒
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