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☆ウォーキングコース(玉川上水)で、クサギの木の葉が落ちて、たくさんの実が目立つようになりました。☆クサギは、日本全国の日当たりの良い原野に自生するシソ科クサギ属の落葉小高木です。以前はクマツヅラ科に分類されていましたが、現在はシソ科とされています。☆5つに分かれた萼が、実の時期にはすっかり赤紫色になり、後ろにそり返っています。☆熟したクサギの果実です。果実は光沢がある藍色の液果で、後ろにそり返った5枚の赤い萼片がよく目立ちます。液果とは、多肉果とも言われ、果皮が肉質で液汁の多い果実のことだそうです。☆この果実は、鳥に食べられて種子が拡散するので、ウォーキングコース(玉川上水)のあちこちにクサギの若い木が目立ちます。クサギの果実は、カラス、キジバト、シジュウカラ、ジョウビタキ、ツグミ、ヒヨドリ、ムクドリなどに食べられるそうですが、どの野鳥もウォーキングコース(玉川上水)で冬に見かけます。☆8月に咲くクサギの花です。開花時に花の付け根に見える薄い緑色の萼片が、次第に赤くなり、果実が熟すと赤くなって反り返ります。(2015年8月10日撮影)。☆クサギ(臭木)の名は、葉が独特なにおいがすることから名付けられたそうです。実際に葉をちぎってみましたが、独特の臭いがあり、クサギ(臭木)という名に納得できます。(2016年7月26日撮影)。☆クサギの花言葉は、「運命」「治療」などだそうです。どのような由来があるのでしょうか。
2016.11.30
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☆今年も、隣の団地の入り口にあるアーチに巻きついたサネカズラの実が赤くなりました。☆サネカズラは、関東地方以西の山野の林縁に生えるマツブサ科サネカズラ属の常緑の蔓性植物です。今年は、昨年に比べて、サネカズラの実が多いようです。☆サネカズラ(実葛)の名は、実(サネ)が美しい葛(カズラ:つる性植物)に由来します。サネカズラの語源について、牧野新日本植物図鑑には次のように書いてあるそうです。「実葛は、多分、果実の時に美くし目立つからであると思う。また一説にサネカズラは古名のサナカズラの音転で、サナカズラは滑り葛(ナメリカズラ)の意味。このサは発語で、ナは滑(なめ)のナだという。」☆サネカズラの独特の形をした実が赤く色づき、艶のある鮮やかな色合いです。☆サネカズラの古い茎はコルク層が発達し、太さ2センチほどになります。上から見ると、時計巻きになっています。☆サネカズラの実が熟していく過程です。雌花から成長し始めたばかりの果実は薄緑色ですが、次第に薄クリーム色になります。☆薄緑色から薄クリーム色、そして次第に朱色を帯びてきます。☆次第に、朱色が濃くなってきました。☆朱色から、赤みが増してきました。☆全体が薄い赤色になりました。☆果実が赤く熟してきました。☆この果実を見ると、花の後に花床が球形に膨らみ、そこに小さな実がたくさん付いているのがわかります。☆すっかり熟したサネカズラの果実です。球形に膨らんだ花床に小さな実がついています。それぞれの実(液果)の中には、腎臓型の種子が2個入っているそうです。液果とは、果皮のうち中果皮または内果皮が、とくに多肉質で水分が多く、軟らかい果実のことだそうです。☆サネカズラは、雌雄異株と雌雄同株があるそうです。サネカズラの雄花です。花の中央に赤く見えるのは、雄蕊の集合体だそうです。(2015年8月10日撮影)。☆サネカズラの雌花です。花の中央に黄緑色に見えるのは、雌蕊の集合体です。(2014年8月7日撮影)。☆サネカズラの若い枝は赤褐色で、木部に粘液を含んでいます。かつて、蔓を水に浸して粘液を取って整髪料に使ったので、ビナンカズラ(美男葛)の別名があります。牧野新日本植物図鑑には、「美男葛は枝の皮の粘汁を水に浸出してその液で頭髪を整えたからである。」と書かれているそうです。☆サネカズラの花言葉は、「再会」「また逢いましょう」「好機をつかむ」などだそうです。調べてみると、百人一首の句に、サネカズラの蔓に縁結びを託すような「忍ぶ恋」の詩があるそうです。
2016.11.29
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☆ウォーキングコースの民家の庭や畑の脇で、11月中旬からコウテイダリアの花が一斉に咲き始めました。残念ながら、撮影翌日の11月24日の雪で花と葉はしおれ、その後枯れてしまいました。(2016年11月23日撮影)。☆コウテイダリアは、メキシコからコロンビアにかけて自生するキク科ダリア属の多年草です。コウテイダリア(皇帝ダリア)の学名はDahlia imperialisです。Imperialis(インペリアリス)は皇帝の意味ですから、皇帝ダリアの名は学名をそのまま訳して名付けられたようです。☆コウテイダリアは、草丈が最大で6メートルにもなるそうです。このコウテイダリアは、高さが4メートル近くありそうです。コウテイダリア(皇帝ダリア)という名前にふさわしく、見上げるように大きく育っています。☆キク科の植物なので、秋になり日が短くなると蕾ができ花を咲かせます。キク科など短日植物の開花の仕組みを調べていると、植物は日の短さで季節を知るのではなく、「植物は、葉が連続する暗期の長さで季節を知る」(『新しい高校生物の教科書』栃内新・左巻健男、ブルーバックス、2006年)ことを知りました。近くに街灯や家の灯りがあると、蕾ができず花が咲きません。☆コウテイダリアの別名は、木立ダリアです。幹といってもいいような茎の太さは、直径5~6センチあります。茎を輪切りにして植えると苗ができるそうです。芽は節のところから出るので、節を2つ残すことが必要だそうです。☆コウテイダリアの葉は対生で羽状複葉です。☆対生の葉の葉腋から、花茎が伸びているようです。☆コウテイダリアの葉は、2回奇数羽状複葉です。☆コウテイダリアの小葉は、主脈が目立ち、葉の周りには鋸歯があります。☆コウテイダリアの花を裏から見ると、総苞は内と外の2列あります。☆総苞外片は緑色で肉厚、5枚あります。☆総苞内片は先端が膜質で、舌状花と同じ8枚あります。☆コウテイダリアの花びら(舌状花)は8枚、花の直径は20センチメートル以上あるようです。舌状花は、薄紫色で花びらの先端は尖り、下部は筒状になっています。☆コウテイダリアの花は、周辺部の8つの舌状花と中心部の黄色い筒状花からできています。キク科の舌状花には、雄蕊・雌蕊がある両性のもの、雌蕊のみがある雌性のもの、雄蕊・雌蕊がない無性のものがあります。コウテイダリアの舌状花は、雄蕊・雌蕊が見えないようですが、無性なのでしょうか。☆コウテイダリアの筒状花の花冠は、先端が5つに分かれています。筒状花は周りから順に咲いており、外側の花では雌蕊花柱が伸びて先端が2つに分かれています。内側の筒状花は雄性期で、雄蕊の葯が合着して筒状になった集約雄蕊が見えます。☆コウテイダリアの花言葉は、「乙女の真心」「乙女の純潔」「優雅」「華麗」だそうです。「乙女」については、「まっすぐ天高く伸びて、秋の青空にやさしく澄んだピンク色の花を咲かす姿にちなむともいわれます」という解説がありましたが、草丈の大きな花の姿からは「乙女」というよりは「優雅」「華麗」という印象を持ちました。
2016.11.28
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☆昨日の日記で、「モミジの紅葉の仕組み」を紹介しました。続いて今日は、「黄葉」した葉はなぜ黄色になるかを紹介します。記事の作成にあたっては、国立科学博物館のホームページの「『紅葉』・『黄葉』のしくみ」を全面的に参考にさせていただきましたので、お断りしておきます。◎秩父ミューズパークのイチョウ並木の黄葉です。(2016年11月17日撮影)。☆なぜ「黄葉」した葉は黄色に見えるのでしょうか。次のようなプロセスを経て、緑の葉は黄色に変わっていきます。(1)落葉樹では秋になると落葉の準備が始められる。(2)クロロフィル再生産が抑制され緑色が薄くなる。(3)葉の中にもともと含まれていた黄色の色素が見えて来る。◎荒川のライン下りで見かけた「黄葉」です。中央に黄色く見えているのは、クヌギの黄葉のようです。(2016年11月18日撮影)。(1)落葉樹では秋になると落葉の準備が始められる。1.温度が低い場合には、十分な光があっても光合成効率は悪くなります。2.葉それ自体も養分を消費しているため、葉が生産する養分が消費する養分より少ない場合に葉を残すことは植物の生存にとって不利になります。3.冬の空気は乾燥しているため、葉の表面から水分が蒸発することも問題になります。4.秋の晴天によって紫外線が増加し、活性酸素が増大するというデメリットも生じてきます。5.そこで落葉樹では秋になると,落葉の準備が始められます。◎荒川のライン下りで見かけた「黄葉」と「紅葉」です。青空に黄色く映えているのはクヌギの黄葉、下の方で赤く見えるのはモミジの紅葉です。(2016年11月18日撮影)。(2)クロロフィル再生産が抑制され緑色が薄くなる。1.通常クロロフィルは常に分解・再生産されることを繰り返していますが、再生産が抑制され、分解だけが行なわれるようになります。2.その結果、緑色が薄くなり、葉に含まれる他の色素の色が見えるようになります。◎荒川のライン下りで見かけた「黄葉」です。青空に黄色く映えているのはクヌギの黄葉で、緑色や茶色に見えるものもあります。(2016年11月18日撮影)。(3)葉の中にもともと含まれていた黄色の色素が見えて来る。1.葉にはクロロフィルと呼ばれる光合成色素と、「カロチノイド」という黄色の色素が含まれています。2.黄色に見える「黄葉」は、クロロフィルが分解され、葉の中にもともと含まれていたカロチノイドという黄色の色素が見えて来ることで起こります。◎荒川のライン下りで見かけた美しい景色です。緑色のものとともに、「黄葉」や「紅葉」、茶色に見えるものもあります。(2016年11月17日撮影)。◎荒川のライン下りの後の散策の途中で見かけた荒川流域の景色です。長瀞周辺の荒川流域の山々は、様々な色に色づいてきています。(2016年11月18日撮影)。◎同じく、荒川のライン下りの後の散策の途中で見かけた荒川流域の景色です。濃い緑色、黄緑色とともに、黄色、茶色、赤色などが混ざり、感動的な光景です。(2016年11月18日撮影)。◎なお、紅葉が真っ赤に色づくためには、次のような条件が必要だそうです。(キッズgoo保護者のページ「紅葉豆知識~なぜ紅葉するの?」参照)(1)日中の天気がいいこと。・赤い色素となる糖分は光合成によって作られます。(2)昼と夜の寒暖の差があること。・夜の気温が高いと、昼間作った糖分を使って活動してしまうため、鮮やかな赤になりません。(3)適度な雨や水分があること。・乾燥しすぎると葉が紅葉する前に枯れてしまいます。◎荒川のライン下りで見かけた美しい景色です。天候に恵まれ、久々に心洗われた飯能・長瀞・秩父での4日間でした。(2016年11月17日撮影)。
2016.11.27
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☆11月23日の日記に、秩父ミューズパークの「モミジの紅葉が見頃で、青空の下、真っ赤に染まったモミジの紅葉に感動しました。」と書きました。(2016年11月17日撮影)。☆そこで、今回は、秩父ミューズパークのモミジの紅葉とともに、モミジの紅葉の仕組みについて調べ、紹介することにします。☆記事の作成にあたっては、国立科学博物館のホームページの「『紅葉』・『黄葉』のしくみ」を全面的に参考にさせていただきましたので、お断りしておきます。☆なぜ「紅葉」した葉は赤色に見えるのでしょうか。次のようなプロセスを経て、緑の葉は赤色に変わっていきます。(1)落葉樹では秋になると落葉の準備が始められる。(2)クロロフィル再生産が抑制され緑色が薄くなる。(3)葉の根元と枝の間に「離層」が形成される。(4)葉で作られたブドウ糖が分解され「アントシアン」がつくられる。(5)緑の葉は赤と緑が混じった茶褐色から赤色に変わっていく。☆このプロセスを詳しく見てみることにします。(1)落葉樹では秋になると落葉の準備が始められる。1.温度が低い場合には、十分な光があっても光合成効率は悪くなります。2.葉それ自体も養分を消費しているため、葉が生産する養分が消費する養分より少ない場合に葉を残すことは植物の生存にとって不利になります。3.冬の空気は乾燥しているため、葉の表面から水分が蒸発することも問題になります。4.秋の晴天によって紫外線が増加し、活性酸素が増大するというデメリットも生じてきます。5.そこで落葉樹では秋になると,落葉の準備が始められます。(2)クロロフィル再生産が抑制され緑色が薄くなる。1.通常クロロフィルは常に分解・再生産されることを繰り返していますが、再生産が抑制され、分解だけが行なわれるようになります。2.その結果、緑色が薄くなり、葉に含まれる他の色素の色が見えるようになります。3.黄色に見える「黄葉」は、葉の中にもともとクロロフィルと一緒に含まれていたカロチノイドという黄色の色素が見えて来ることで起こります。4.一方、赤色に見える「紅葉」は、次のように少しプロセスが複雑です。(3)葉の根元と枝の間に「離層」が形成される。1.「紅葉」する樹では、クロロフィルの再生産停止と同じ頃、葉の根元と枝の間に「離層」と呼ばれるコルク状の物質が形成されます。2.その結果、葉と枝の間の物質の交換を妨げるようになってきます。3.葉で作られたブドウ糖が、枝に流れず葉に蓄積されるようになります。(4)葉で作られたブドウ糖が分解され「アントシアン」がつくられる。1.ここに日光、特にその中でも紫外線が当たることでブドウ糖が分解されます。2.その結果、それまで存在しなかった新たな色素、赤色の「アントシアン」がつくられます。(5)緑色の葉は赤と緑が混じった茶褐色から赤色に変わっていく。1.イロハモミジなど「紅葉」する葉をよく観察すると、初め緑色の葉は赤と緑が混じった茶褐色の時期を経て、次いで全体が赤色に変わって行きます。2.葉で作られたブドウ糖が紫外線によって分解され、「アントシアン」がつくられ、緑色の葉が赤色に変わり、鮮やかな紅葉になります。☆初めて、本格的に「紅葉」の仕組みについて調べてみました。それにしても、感動的な秩父ミューズパークのモミジの紅葉でした。
2016.11.26
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☆今年も団地内で、ヤツデの花が咲き始めました。☆ヤツデは、本州(茨城県以南の太平洋側)・四国・九州・沖縄の海岸近い林内に生えるウコギ科ヤツデ属の常緑低木です。庭などにも植えられていますし、ウォーキングコース(玉川上水)では野生化しています。☆ヤツデは、球形の散形花序が集まって枝先に大きな円錐花序を作ります。☆今年初めて気づいたのですが、枝先の上部の開花した大きな散形花序とともに、下の方に小さな開花していない球形の散形花序が見えます。☆上部の開花した大きな散形花序は両性花で、下の方の小さな開花していない散形花序は雄花です。5年間もヤツデを観察してきましたが、枝の下部のほうに雄花があることは、今年初めて気がつき知りました。雄性先熟には注意して観察していましたが、新たな発見でした。☆ヤツデは、雄性先熟の植物です。ヤツデの花は、散形花序ごとに雄性期から雌性期になり、同じ散形花序内での自家受粉を避ける仕組みになっています。☆これは開花前期(雄性期)の花で、小さい5枚の花びらと5本の雄蕊があります。☆これは3年前に撮影した雄性期の花で、花中央のベージュ色の花盤には、たくさんの透明な蜜の粒が見えます。このヤツデの花盤にある蜜は、糖度50%という甘い蜜で、花が少ない冬の時期にほのかな香りと特別に甘い蜜で昆虫をおびき寄せます。(2013年12月15日撮影)。☆これは、雄性期の終わりに近づいた花のようで、雄蕊の葯から花粉が出ており、花盤の中央から5本の雌蕊柱頭が顔を出し始めています。(2013年12月15日撮影)。☆花びらと雄蕊が落ちると、雌蕊の柱頭が伸びて開花後期(雌性期)になります。雌性期の花の中央には、5本の雌蕊花柱が伸びて広がっています。(2013年12月15日撮影)。☆両性花の下にある雄花です。☆両性花は全て開花していますが、雄花は開花していません。両性花は雄性期が終わると雌性期に変わっていきますが、雄花は雄性期が終わっても雌性期にならずに、花弁を残したまま全体が枯れて落ちてゆくというので、引き続き観察してみます。☆ヤツデ(八つ手)の名は、葉が深く手のひらのように切れ込んでいることに由来するようですが、「八つ」は数が多いことを意味するそうです。葉は、7つか9つの奇数に裂けており、8つに裂けることはないそうです。この葉は、9つに裂けています。☆この葉は、7つに裂けています。ヤツデは、別名を「天狗の羽団扇(てんぐのはうちわ)」といい、大きい葉に魔物を追い払う力があると考えられてこの別名がついたそうです。☆この葉も、7つに裂けています。一見して8つに裂けているように見えますが、主脈は7本です。☆この葉は、5つに裂けています。一見して6つに裂けているように見えますが、主脈は5本です。☆ヤツデは虫媒花で、ハエが花粉を媒介する「ハエ媒花」だそうです。ハエは、気温が低い時期にも活動するので、ヤツデなど冬に花が咲く植物にとっては重要な訪花者になるそうです。「ハエ媒花」には、白い花が多いこと、小さい花がかたまって咲くこと、蜜腺が露出していること、蜜腺が皿形になっていることなど、ハエが着陸しやすいという特徴があるそうです。☆ヤツデの花言葉は、「分別」「 親しみ」「健康」などだそうです。「健康」は、枯れ葉や葉の傷みが目立たない光沢のある丈夫な葉につけられているそうです。
2016.11.25
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☆長瀞ライン下り後の長瀞岩畳の散策の途中で、ノキシノブを見つけました。今年6月の植物観察で、ノキシノブの名を初めて知りました。☆ノキシノブは、北海道南部以南の樹の樹皮や崖、傾斜が急な場所の地表などに生えるウラボシ科ノキシノブ属の常緑シダ植物です。☆ノキシノブの葉は、一般的に見かけるシダ植物とは異なっており、細長い線形です。ノキシノブの葉は長さ12~30センチで、先端側、基部とも細くなっています。☆葉をよく見ると、裏側に胞子嚢群があるようです。☆葉を裏返すと、たくさんの丸い胞子嚢群がありました。☆ノキシノブの胞子嚢群は、葉の上半分につき、葉裏の主脈の両側にそれぞれ1列に並んでいます。☆胞子嚢が集まった胞子嚢群(ソーラス)です。胞子が出ているかどうかは、確認できません。☆今年6月に観察したノキシノブです。こちらの胞子嚢群からは胞子が出ているようです。(2016年6月12日撮影)。☆ノキシノブ(軒忍)の名は、古い民家などの軒先にも生育し、着き方がシノブ科のシダ植物のシノブのようであることに由来するそうです。
2016.11.24
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☆秩父ミューズパークのイチョウ並木の黄葉が素晴らしいというので見に行ったら、イチョウ並木は残念ながら落葉してしまっていましたが、モミジの紅葉が見頃でした。青空の下、真っ赤に染まったモミジの紅葉に感動しました。☆秩父ミューズパークに行った時に、メタセコイアを見かけました。メタセコイアの名は知っていましたが、観察するのは初めてです。☆メタセコイアは、ヒノキ科(スギ科)メタセコイア属の落葉高木です。最近は、あちこちの公園で見かけるようになりました。☆メタセコイアは、三木茂博士が日本の新生代第三紀鮮新世から見出した植物遺体(化石)を研究し、「メタセコイア」と命名して、1941年に学会で発表しました。メタセコイアとは、すでに発見されていた常緑樹の「セコイア」に接頭語の「メタ(後の、変わった)」を付けたものだそうです。化石として発見され、当初絶滅種と考えられていたそうですが、1945年に中国の揚子江の支流の奥地で発見され、生きた化石として話題になったそうです。☆1949年以降、種子や苗木がアメリカから輸入されるようになり、公園や並木道、学校の校庭などに植えられるようになったそうです。各地のメタセコイアの巨木は、この時期に植えられたものが多いそうです。日本で栽培すると、良く成長し、挿し木でも増やせるそうです。煉瓦色になる秋の紅葉が美しく、秩父ミューズパークでも訪れた人の目を引いていました。☆メタセコイアの古い樹皮は赤褐色(灰褐色)で、縦に裂けて、薄く剥げ落ちます。☆メタセコイアの葉は、羽状に対生しており、線形で先が尖っています。☆メタセコイアによく似ているラクウショウの葉は互生でらせん状についていますが、メタセコイアの葉は対生なので区別できます。☆こちらは、昭和記念公園で観察したヒノキ科ヌマスギ属のラクウショウの葉です。ラクウショウの葉は互生でらせん状についています。(2016年8月16日撮影)。☆メタセコイアは、別名アケボノスギ(曙杉)といいます。木村陽二郎氏が、人類が誕生する前から生き続けているからという意味を込めて名付けたそうです。英名は「dawn redwood」で、dawn(あけぼの)、redwood(セコイア、アカスギ)の意味ですが、和名が先か、英名が先か、わかりませんでした。☆メタセコイアの花言葉は、「平和」「楽しい思い出」だそうです。由来は、わかりませんでした。
2016.11.23
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☆紅葉を見て感動した秩父ミューズパークで、飛行機雲を見かけました。☆左右2本ずつの飛行機雲が見えたので、旅客機の飛行機雲のようです。飛行機雲は、ジェットエンジンの排煙ではなく、飛行機の航跡にできる細長い雲です。飛行機雲のできる仕組みには、「(1)エンジンから出る排気ガス中の水分から発生する」「(2)翼の後ろの低圧部が原因で発生する」の二通りあるそうです。☆4基のジェットエンジンから、それぞれ1本ずつの飛行機雲が伸びていますので、エンジンから出る排気ガスが作り出す雲です。気温は地上から100メートル高くなるごとに0.6度下がり、飛行機の飛ぶ高度1万メートルでは、地上より約60度も低く、マイナス40度以下の世界になっています。☆このような状態で、飛行機のエンジンが周囲の空気を吸い込んで、圧縮・燃焼させ、300~600度となった排気ガスを出すと、その中の水分が急に冷やされて凍り、雲となって白く見えるのです。冬の寒い日に息を吐くと、白くなるのと同じことです。☆4本の飛行機雲をよく見ると、ジェットエンジンの排気ガスの出口から少し離れてできています。飛行機は時速約900キロ(1秒間に約200メートル)のスピードで移動しており、排気ガスの水分が凍って雲になるまでには、少し時間がかかるためです。☆飛行機雲は、飛行機の飛ぶ高さや上空の温度・湿度・空気の流れなどの条件がそろわないと発生しないそうです。☆以上の記事は、日本航空の「航空豆知識―Q飛行機雲は、なぜできるのか?」を全面的に参考にさせていただきました。◎「航空豆知識―Q飛行機雲は、なぜできるのか?」https://www.jal.co.jp/entertainment/knowledge/agora54.html
2016.11.22
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☆チャノキ畑で、チャノキの花が咲いています。東京都内、主に武蔵村山市、瑞穂町、東大和市、そしてここ立川でも栽培されている狭山茶は、埼玉県産と区別するため「東京狭山茶」と名付けられているそうです。☆この「東京狭山茶」から、東日本大震災の発生した2011年10月に東京都が行った検査で、一部の検体から国の暫定基準値を上回る放射性セシウムが検出され、出荷・販売の自粛を要請したことがありました。(2012年3月29日撮影)。☆生産農家は、年4回茶葉の刈込は続けなければならないし、早ければ5月中旬に収穫が始まるが、加工業者から「今年は買取できない」と言われ、また、加工業者・販売店も、「これ以上在庫を抱えられない。検査費用もかさみ売上も落ちている」と訴えているとのことでした。(2012年3月29日撮影)。☆明治時代、ここ立川では、緑茶の生産とともに海外に輸出するための紅茶の生産も盛んだったそうです。チャノキは、ツバキ科ツバキ属の常緑低木です。チャノキは、花の時期になるとツバキ科の植物であることが納得できます。☆ツバキの花を思わせるように、濃い緑色の常緑の葉、外側に数枚の花びら、たくさんの雄蕊があり、花は下向きに咲いています。☆花びらは5~7枚あり、たくさんの雄蕊が見え、真ん中には雌蕊が見えます。緑色の雌蕊の柱頭は、3つに分かれています。☆チャノキの花の萼片は緑色で長さ3~5mm、5~6個あり、内側のものほど大きいというのですが。濃い緑色の萼片が5枚見え、その内側に薄く緑色が残る花弁のようなものが3枚見えますが、花弁の外側のものは小型で萼片に近い性質を持っているということです。☆こちらのチャノキの花では、濃い緑色の萼片が4枚見え、その内側に薄く緑色が残る花弁のようなものが見えます。☆チャノキの実です。実には3本の筋があり、3個の種子が入っています。地図記号で茶畑を表示する三つの点「∴」は、この3個の種子に由来しています。(20014年7月22日撮影)。☆チャノキの花言葉は、「追憶」「純愛」「謙遜」などだそうです。「追憶」は、幼い頃の思い出のように、なつかしい感じをさせる白い花につけられているそうです。「純愛」は、たくさんの黄色いおしべを包んで、ふっくらと咲く花の姿の愛らしさからつけられているそうです。しろうと自然科学者は、小さな白い花を下向きに咲かせている姿から、「謙遜」をイメージしました。☆チャノキの「茶」の文字は、植物・草をあらわす「草冠(くさかんむり)」と、苦いことを意味する「余」からできているそうです。
2016.11.21
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☆公園や植え込みで、ソヨゴの赤い実が目立つ季節になりました。☆ソヨゴは、本州(関東地方以西)・四国・九州の山野に分布するモチノキ科モチノキ属の常緑小高木です。この木は、特別に赤い実が多いようです。☆ソヨゴ(冬青)の名は、風に葉がそよぐ木、風が吹くと葉がこすれる音がすることに由来するそうです。「冬青」は、冬でも葉が青々と茂っている常緑樹のことだそうです。☆ソヨゴの葉は、縁が波打っています。参考までに調べたところ、ソヨゴの現在の中国名は「具柄冬青」だそうで、長い花柄がある常緑樹ということのようです。ちなみに、アオハダの中国名は「大柄冬青」、モチノキの中国名は「全縁冬青」、クロガネモチの中国名は「鉄冬青」だそうで、漢字から何となくイメージが浮かびそうです。☆ソヨゴは、雌雄異株で5~6月頃に開花し、実は直径7ミリメートル程で5~6センチメートルの柄があってぶら下がります。☆同じモチノキ科モチノキ属のクロガネモチは、実がたくさん密集していますが、ソヨゴは実の数が少なく花柄が長いのが特徴です。☆ソヨゴの実の数は、1本の果柄に1~3個です。☆こちらは、実の数が1個または2個です。☆こちらは、実の数が3個のものが多いようです。☆ソヨゴの実は、球形で直径7ミリ程度、果柄は2~5センチです。☆ソヨゴの花言葉は、「先見の明」だそうです。「先見の明」とは、将来どうなるかを前もって見抜く見識の意味ですが、「雨が降らず地面が乾燥したやせ地でも育つように、分厚く丈夫な葉っぱを持っている」ことに由来するという説明がありました。
2016.11.20
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☆今年も、ウォーキングコース(玉川上水)に面した農家の庭先で、クロガネモチの鮮やかな赤い実が目立つようになりました。クロガネモチの木の大きさと枝先についたたくさんの実に、毎年感動します。☆クロガネモチは、本州(茨城県、福井県以西)・四国・九州・沖縄の山野に分布するモチノキ科モチノキ属の常緑高木です。樹高は10メートルで、まれに20メートルになることもあるそうです。クロガネモチの名が「金持ち」に通じるので、縁起木として庭木に植えられる地域もあるそうです。☆3年前の2013年12月、この農家の方が、このクロガネモチの木について話を聞かせてくれました。剪定などをしないので立派な大きな木になったこと、赤い実がたくさんなっていて縁起がいいので結婚式の入り口に飾りたいので一枝下さいと言ってくる方もいることなど。なお2月頃にはヒヨドリがやってきて実を全て食べてしまうそうです。☆クロガネモチの葉は互生で、先端と基部が尖っており、葉柄は紫色です。☆クロガネモチの葉は、表面が濃緑色で光沢があります。葉の中央で折れ曲がるようになり、舟形になっています。☆クロガネモチは、雌雄異株です。5~6月に花を咲かせ、雌株は11月~12月に赤い実が枝に鈴なりになる光景が美しく、庭木や公園樹として植えられています。この写真でも、葉が中央で折れ曲がり舟形になっているのがわかります。☆クロガネモチ(黒鉄黐)の名は、幼枝(新しい枝)や葉柄の黒紫色を黒鉄(くろがね)色に見立てたこと、葉が乾くと黒鉄色になることに由来するそうです。モチ(黐)は、モチノキと同じように樹皮から鳥黐(とりもち)を採ることから。近寄ってみると、幼枝(新しい枝)や葉柄の黒紫色を黒鉄(くろがね)色に見立てたことが納得できます。(2013年11月3日撮影)。☆クロガネモチの実は、ヒヨドリ、ツグミ、カラスなどが食べ、鳥が種を運んでいき、芽を出すこともあるようです。こちらの農家のクロガネモチの実は、紹介した通りヒヨドリの冬の食糧になっているそうです。☆クロガネモチ花言葉は、「魅力」「寛容」「執着」「仕掛け」などだそうです。調べてみると、「魅力」は赤い実が長く残って美しいこと、「執着」は赤い実が遅くまで残っていること、「仕掛け」は鳥もちを作って小鳥などを捕まえるのに利用されたからだそうです。しろうと自然科学者は、花言葉「魅力」に一票を投じたいと思います。
2016.11.19
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☆団地内で見かけるヤブコウジ(十両)の実を11月16日の日記、カラタチバナ(百両)の実を11月17日の日記で紹介しました。今日は、それに続いてセンリョウ(千両)の実です。団地の建物の北側のあちこちに、センリョウが植えられています。 ☆センリョウは、東海地方、紀伊半島から沖縄の暖地の林内に生えるセンリョウ科センリョウ属の常緑小低木です。冬の赤い実が美しいので栽培されており、お正月の生花として利用されています。☆センリョウの品種として、果実が黄色く熟すキミノセンリョウがあります。☆センリョウの葉は対生で、長楕円形から卵状楕円形で先は尖り、縁には鋭い鋸歯があります。☆センリョウの葉の縁にある鋭い鋸歯です。☆センリョウ(千両)の名は、カラタチバナ(百両)の実が5~7個なのに対してセンリョウは実が5~10個と多いので「千両」と名付けられたと考えられているそうです。☆昨年6月に咲いていたセンリョウの花です。緑色の丸い雌蕊の側面に、薄クリーム色の雄蕊が付いています。雌蕊の上に盛り上がっているのが柱頭で、雄蕊の横に薄茶色に見えるのが葯です。この雌蕊の側面に雄蕊が付いていた痕が実の横に残ります。(2015年6月26日撮影)。☆赤く熟した実を見ると、雌蕊柱頭の痕が実の先端にあり、雄蕊の付いていた痕が実の横に小さな黒い点として残っています。☆キミノセンリョウの黄色く熟した実でも、茶褐色の雌蕊柱頭の痕が実の先端にあり、雄蕊の付いていた痕が実の横に小さな茶褐色の点として残っています。☆センリョウの花言葉は、「利益」「裕福」「財産」「富」「恵まれた才能」「可憐」などだそうです。「利益」「裕福」「財産」「富」「恵まれた才能」は、たくさんの実をつける姿に由来するそうです。「可憐」は、端正な見た目を表しているそうです。センリョウ(千両)の名や、たくさんの実をつけた姿を見ると、「富」「恵まれた才能」がふさわしい気がします。
2016.11.18
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☆昨年10月、団地内で初めてカラタチバナの実を見つけました。今年も、カラタチバナの実が真っ赤に色づき、目立つようになりました。☆カラタチバナは、茨城県・新潟県以西の常緑樹内に生えるサクラソウ科ヤブコウジ属の常緑小低木です。☆カラタチバナは、百両と呼ばれます。江戸時代に中国から、漢名を「百両金」、略して「百両」と称する植物が伝来した際に、カラタチバナにこの名を当て、庭木・鉢植えなどを正月の飾りにしたことに由来するそうです。☆カラタチバナの葉は互生で、先は尖っており、縁には不明瞭な波状の鋸歯があり、表面には光沢があります。☆カラタチバナの葉をよく見ると、葉の縁には腺点が等間隔に並んでいます。☆カラタチバナの実は、直径6~7ミリの球形で、10月頃から赤くなり、翌年4月頃まで残っているそうです。☆カラタチバナ(唐橘)の名は、花がカラタチの花に似ていることに由来し、中国から渡来したので唐のタチバナ、カラタチバナになったという説がありましたが、カラタチバナは日本に自生する植物であり、正確にはわからないようです。☆カラタチバナの花言葉は、「富」「財産」「鋭敏」などだそうです。カラタチバナは、古典園芸植物の1つで江戸時代に改良が進み、100種もの品種が生み出され、寛政年間には売買価格が高騰して売買禁止令も出されたほど人気の植物だったそうです。「富」「財産」は、そんな事情から名づけられたのでしょうか。「鋭敏」は、十両・千両・万両に比べて葉が細長く鋭いことに由来するのではという記事もありましたが、どんな由来があるのでしょうか。☆「十両」や「千両」の名は、カラタチバナ(百両)を基準にして付けられたようです。カラタチバナ(百両)の実が5~7個なのに対して、ヤブコウジは実が2・3個なので見劣りするから「十両」と名付けられたそうです。また、カラタチバナ(百両)の実が5~7個なのに対してセンリョウは実が5~10個と多いので「千両」と名付けられたと考えられているそうです。
2016.11.17
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☆昭和記念公園の「こもれびの丘」で、ヤブコウジの実を見つけたのは、2週間以上前の11月1日でした。住んでいる団地の中でも、ヤブコウジの実が色づいてきて目立つようになりました。説明文は、昭和記念公園の記事と重複する部分がありますが、了解願います。☆昨年12月、知り合いから教えられてツツジの生垣のまわりに数株のヤブコウジを見つけました。今年も、同じ場所でヤブコウジの実が赤くなっています。ヤブコウジは、北海道(奥尻島)・本州・四国・九州に分布するサクラソウ科ヤブコウジ属の常緑小低木です。樹高は、10~20センチメートル程度です。☆ヤブコウジの葉は互生で、茎の上部に3~4個が輪生状につきます。葉身は長楕円形で先端はとがっており、縁には細かい鋸歯があります。☆まだ赤く熟していない実が見えます。ヤブコウジの実が本格的に真っ赤に熟すのは、11月末でしょうか。☆ヤブコウジ(藪柑子)の名は、赤い実をミカン(蜜柑)に見立ててヤマミカン(山蜜柑)と呼び、それがヤマタチバナ(山橘)になり、ヤブコウジ(藪柑子)になったそうです。藪に生え、ミカンのように常緑で夏に白い花を咲かせ秋に実をつけることから名づけられたのでしょうか。☆ヤブコウジ(藪柑子)の名前の由来はミカンに似ていることに由来するそうですが、しろうと自然科学者はサクランボの実を思い浮かべました。3年前に撮影したヤブコウジの実です。(2013年12月8日撮影)。☆3年前に撮影したヤブコウジの実です。萼は先端が5つに深く分かれ、直径5~6ミリの球形です。やはり、しろうと自然科学者はサクランボの実を思い浮かべてしまいます。(2013年12月8日撮影)。☆カラタチバナ(百両)の実が5~7個なのに対して、ヤブコウジは実が2・3個なので見劣りするから「十両」と名付けられたそうです。☆ヤブコウジは地下茎で増えていき、明るい場所で群生して密な群落を作るそうですが、太陽の光が当たるツツジの生垣のまわりに広がってきているようです。☆ヤブコウジの花言葉は、「明日の幸福」だそうです。「明日の幸福」は、「赤い実がお正月の飾りの松竹梅を引き立てて、幸運を呼び込むことからつけられたのでしょうか」というブログの記事がありましたが、しろうと自然科学者も共感しました。
2016.11.16
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☆ウォーキングコース(玉川上水)では、「イモカタバミ」の花が4月から咲き始め、今も咲き続けています。今年は、一度も取り上げてこなかったので、紹介することにしました。イモカタバミは南アメリカ原産で、1967年に帰化が報じられたカタバミ科カタバミ属の帰化植物です。☆イモカタバミは、花の色が濃く、花弁中央部は色が濃く赤紫色で、雄蕊の葯の色は黄色です。この花の特徴で、後で紹介する江戸時代末期に観賞用として導入されたムラサキカタバミと区別できます。☆イモカタバミは、観賞用にも栽培されますが、野生化しており、ウォーキングコース(玉川上水)のあちこちで見かけます。イモカタバミの花は、花冠が5つに深く分かれ、雄蕊が5本、雌蕊の花柱も5本あるそうですが確認できません。☆カタバミ(片喰)の名は、夜に葉を中央で折るように閉じ葉が半分なくなるように見えることから「片方喰(は)む」、そこから「片喰み」、さらに「片喰」ということでカタバミになったという説があるそうです。☆この機会に、これまで観察したカタバミの仲間を紹介します。☆「カタバミ」は、日本全土に分布し、畑や道端に自生する野草(雑草)です。匍匐枝を出して周囲に伸び、タネを飛ばして繁殖し、芝生や家庭菜園でも最も厄介な雑草です。☆厄介な雑草のカタバミで思い出しましたが、カタバミの葉の形をかたどった家紋(片喰紋)は、カタバミの繁殖力が強く一度根付くと絶やすことが困難で「家が絶えない」ことに通じるので、戦国時代や江戸時代に人気があったそうです。☆葉が赤紫色の「アカカタバミ」も、カタバミと一緒によく見かける雑草です。環境に対する耐性が高いので、都市部の道路路肩など自動車の排気ガスが常に吹き付けられるような場所でも自生し株を大きく伸ばしています。☆アカカタバミの花は、中心部が赤くなることが多いそうです。☆このように立ち上がるタイプのカタバミを、カタバミの1品種で「タチカタバミ」として分類しています。☆タチカタバミは、本州中部以南の林縁や林内、草むらなどで見られる茎の立ち上がったカタバミです。☆「ムラサキカタバミ」は、南アメリカ原産で江戸時代末期に観賞用として導入された帰化植物で、今では野生化して、日当たりの良い草むらや道端に咲いています。☆ムラサキカタバミの花は、花びらは細長く色も薄いこと、花の中央はさらに色が薄く明るい黄緑色であること、雄しべの葯は白いことなど、イモカタバミと簡単に区別できます。☆東伊豆で見かけた「オオキバナカタバミ」です。オオキバナカタバミは、南アフリカ原産で、明治時代に観賞用に持ち込まれたものが野生化したものです。☆オオキバナカタバミの葉の形は、カタバミとともに美しいハート型で、葉に斑点があるという特徴があります。☆カタバミの葉には、シュウ酸が含まれています。カタバミの葉で10円玉をゴシゴシこすると、サビが落ちて光ってきます。汚れたスプーンをカタバミの汁に一晩つけると、汚れが落ち光沢も出るそうです。カタバミのシュウ酸という成分には、酸化したり汚れたりした金属のサビ、くもり、汚れを取り除き元に戻す還元作用があるそうです。☆カタバミに共通する花言葉は、「喜び」「輝く心」「母のやさしさ」だそうです。調べてみると、以下のような説明がありましたので紹介します。◎「喜び」の花言葉は、ハレルヤに由来するそうです。カタバミは、スペインやフランスなどで「ハレルヤ」(キリスト教で「主をほめたたえよ」の意味)とも呼ばれるそうです。これは復活祭のハレルヤが唱えられる時期に、カタバミの花も咲きだすことにちなむそうです。復活祭とは、春分の日の後の最初の満月の次の日曜日に、十字架にかけられて死んだキリストが三日目に復活したことを記念する祭だそうです。◎「輝く心」の花言葉は、かつて真鍮の仏具や鉄製の鏡をカタバミの葉で磨いたことにちなむそうです。
2016.11.15
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☆先日カクレミノの葉の形の変化を観察したカクレミノの木に、実がなっているのを見つけました。秋になると、木の実は赤く熟するものが目立ちますが、黒っぽく熟する実は珍しいです。カクレミノの実は、ヒヨドリやツグミなど中型の野鳥が好んで食べ、野外での分布拡大に貢献しているそうです。☆カクレミノの木を知ってみると、団地内や民家の庭に植えられていることに気づきました。日陰に強いという利点を生かして、庭植えに多く利用されているようです。それにしても、たくさんの実が目立ちます。☆カクレミノは雌雄同株で、6月から7月に枝先に球形の散形花序を1個または2~3個出して、淡黄緑色の小さな花を15~40個つけるそうです。☆両性花だけつく花序と、雄花と両性花が混じる花序があり、花柄の長さは4~7センチです。カクレミノの花は子房下位で、花の時期から花の下に大きな子房が目立つそうです。子房下位とは、子房が花被(萼と花冠の総称)とおしべの付着点より下に位置することです。わかりやすいのはキュウリで、花びらの下に子房(キュウリの実)があります。☆カクレミノの果実は液果です。長さ約1センチの広楕円形で、10~11月に紫黒色に熟し、先端には雌蕊の花柱が残っています。液果(漿果)とは、3層からなる果皮のうち、中果皮または内果皮が多肉質で水分が多く、軟らかい果実のことだそうです。☆カクレミノの淡黄緑色の花は次の記事を参考にしてください。◎カクレミノ。http://www.geocities.jp/ike_bird/1ka/kakuremino/kakuremino.htm☆カクレミノの成長にともなう葉の形の変化については、10月27日の日記で紹介しました。◎カクレミノの成長にともなう葉の形の変化(2016年10月27日の日記)。http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/20161027/
2016.11.14
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☆昭和記念公園の「こもれびの丘」で、リュウノウギクの花に初めて出合いました。(2016年11月1日撮影)。☆リュウノウギクは、本州(福島県・新潟県以西)・四国・九州(宮崎県)の日当たりのよい山地に生えるキク科キク属の多年草です。☆リュウノウギクの葉は長さ4~8センチの卵形または広卵形で、基部はくさび形です。☆リュウノウギクの葉は、ふつう3つに分かれ、ふちには大きな鋸歯があります。葉は上面が緑色で細毛があるそうですが、葉脈に沿って白い細毛が見えるようです。☆リュウノウギクの頭花は、頭花は直径2.5から5センチで、舌状花は白色ときに淡紅色を帯びるそうですが、全て白色でした。☆リュウノウギクの総苞は、長さ約7ミリの半球形で、総包片は3列に並び全てほぼ同じ長さだそうです。☆舌状花は雌性で雌蕊だけがあり、筒状花は両性というので、観察してみました。☆開花し始めたリュウノウギクの花をよく見ると、舌状花の付け根に雌蕊が見えます。舌状花は雌性で、雌蕊だけがあるのを確認できます。☆リュウノウギク(竜脳菊)の名は、茎や葉に含まれる揮発油の香りが中国から伝わった香料のリュウノウ(竜脳)に似ていることから名づけられたそうです。竜脳は、熱帯アジアに広く分布するフタバガキ科の常緑高木「龍脳樹」の樹脂を加工したもので、医薬品や香料に用いられるそうです。☆リュウノウギクの花言葉は、「忠誠心」、「無常の美」だそうです。この花が咲いている様子から、どのようにして無常(この現象世界のすべてのものは生滅して、とどまることなく常に変移していること)の思いを感じとったのでしょうか。
2016.11.13
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☆昭和記念公園の「こもれびの丘」で、ヤブコウジの赤い実を見つけました。☆「こもれびの丘」にはさまざまな山野草があり、毎年新たな出合いがあります。「こもれびの丘」で、ヤブコウジを見かけたのは初めてです。☆ヤブコウジは、北海道(奥尻島)・本州・四国・九州に分布するサクラソウ科ヤブコウジ属の常緑小低木です。樹高は、10~20センチメートル程度です。☆ヤブコウジの葉は互生で、茎の上部に3~4個が輪生状につきます。葉身は長楕円形で先端はとがっており、縁には細かい鋸歯があります。☆ヤブコウジの実が本格的に熟すのは、11月末でしょうか。☆ヤブコウジ(藪柑子)の名は、赤い実をミカン(蜜柑)に見立ててヤマミカン(山蜜柑)と呼び、それがヤマタチバナ(山橘)になり、ヤブコウジ(藪柑子)になったそうです。藪に生え、ミカンのように常緑で夏に白い花を咲かせ秋に実をつけることから名づけられたのでしょうか。名前の由来はミカンに似ていることに由来するそうですが、しろうと自然科学者はサクランボの実を思い浮かべました。☆昨年は住んでいる団地の中で、十両(ヤブコウジ)・百両(カラタチバナ)・千両(センリョウ)・万両(マンリョウ)の4種類を観察することができました。全てに共通するのは、(1)赤い実(2)低木(3)常緑の3要素です。☆十両(ヤブコウジ、サクラソウ科ヤブコウジ属の常緑小低木)です。カラタチバナ(百両)の実が5~7個なのに対して、ヤブコウジは実が2・3個なので見劣りするから「十両」と名付けられたそうです。ヤブコウジは、樹高が10~20センチメートル程度です。(2015年12月5日撮影)。☆百両(カラタチバナ、サクラソウ科ヤブコウジ属の常緑小低木)です。中国の古い植物名に百両金という名の植物名があり、江戸時代に伝わったことから、百両をカラタチバナの名に当てたそうです。カラタチバナは、樹高が20~70センチメートル程度です。(2015年10月7日撮影)。☆千両(センリョウ、センリョウ科センリョウ属の常緑小低木)です。センリョウ(千両)の名は、カラタチバナ(百両)の実が5~7個なのに対してセンリョウは実が5~10個と多いので「千両」と名付けられたと考えられているそうです。センリョウは、樹高が50~100センチメートル程度です。(2015年11月24日撮影)。☆万両(マンリョウ、サクラソウ科ヤブコウジ属の常緑小低木)です。マンリョウ(万両)の名は、赤い実の付き方が豪華でセンリョウ(千両)より実が美しいので名付けられたそうです。マンリョウは、樹高が30~100センチメートル程度です。(2015年11月24日撮影)。☆ヤブコウジの花言葉は、「明日の幸福」だそうです。「明日の幸福」は、「赤い実がお正月の飾りの松竹梅を引き立てて、幸運を呼び込むことからつけられたのでしょうか」という解説がありました。☆今年も団地内で、十両(ヤブコウジ)・百両(カラタチバナ)・千両(センリョウ)・万両(マンリョウ)の実が赤く熟してきたら、順次紹介したいと思います。
2016.11.12
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☆昭和記念公園の「こもれびの丘」で、オクモミジハグマの花に初めて出合いました。昨年はコウヤボウキの花に初めて出合ったので、コウヤボウキの花を探していたら、オクモミジハグマの花を見つけました。(2016年11月1日撮影)。☆オクモミジハグマは、本州・四国・九州(北部)の山地に生えるキク科モミジハグマ属の多年草です。☆オクモミジハグマの葉は、4~7個が茎の中部に輪生状につき、葉の縁が浅く裂けます。モミジハグマは、葉がモミジのように葉の縁が裂けますが、オクモミジハグマは切れ込みが浅くモミジハグマの変種とされています。☆オクモミジハグマの茎は、高さが40~80センチになり、たくさんの花が穂状につきます。☆オクモミジハグマの花は、花が咲いている時には横向きとなり、花柄は長さ2ミリほどです。総苞は筒形で長さ12~15ミリ、総苞片は多数並び、外片は広卵形でごく短く、内片は長楕円形で長く幅2~3ミリです。☆オクモミジハグマの花には小さな花が3個あり、花冠は白色でふつう細長く5つに分かれています。それぞれの花から、3本の雄蕊の葯が集まった集約雄蕊の中から雌蕊が伸びているのが3つずつ見えます。☆1つの花を拡大してみました。小さな花が3個あり、集約雄蕊の中から雌蕊が伸びているのが3つずつ見えます。花冠は白色で、細長く分かれているのはわかりますが、5つに分かれているのは確認できません。☆オクモミジハグマ(奥紅葉白熊)の名は、「オク」はモミジハグマよりも自生地が北部の東北に多いので「陸奥」の意から「奥」、「モミジ」は葉の形が似ているので「紅葉」、「ハグマ」は花を白熊(はぐま:ヤク)の白い毛で作った槍や旗の飾りに見立てて「白熊」の名が付けられたそうです。☆オクモミジハグマの花言葉は、「乙女の魅力」だそうです。繊細な花から乙女を連想したのでしょうか。☆似たイメージの花を思い出しました。4年前に箱根で見つけたモミジガサの花です。モミジガサは、北海道から九州の山地の林内の湿り気のある肥沃な所に生えるキク科コウモリソウ属の多年草です。(2012年9月15日撮影)。☆昨年、同じ昭和記念公園の「こもれびの丘」で見つけたコウヤボウキです。コウヤボウキは、関東から九州までの山林の日当たりのよいところに見られるキク科コウヤボウキ属の落葉小低木です。(2015年10月28日撮影)。
2016.11.11
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☆近くの団地で、キクイモの花が咲いています。昭和記念公園で観察したキクイモについては8月29日の日記で紹介しましたが、ごく間近で観察することができたので、改めて観察してみました。大部分は、8月29日の日記の内容と重複しますので、ご了承ください。☆キクイモは、北アメリカ原産の帰化植物で、キク科ヒマワリ属の多年草です。草丈は、1.5メートルから3メートルにもなります。☆キクイモは江戸時代に渡来したといわれていますが、明治以降に食用・アルコール製造の目的で本格的に導入され、各地で栽培されました。今では全国各地に逸出して雑草化しています。☆キクイモは、茎の上部で分岐して、茎の先端に直径8センチ程度の頭状花を1個ずつ上向きにつけます。☆キクイモの茎の下部の葉は対生で、茎の上部の葉は互生だそうですが、茎の下部の葉が対生であることは確認できます。☆いっぽう、キクイモの茎の上部の葉は互生しています。茎の下部の葉は対生で、茎の上部の葉は互生というのは、他の植物ではあまり聞いたことがありません。☆花の内側には多数の筒状花、まわりには10~20個の黄色い舌状花が1列に並びます。この花は、舌状花が10個あります。☆キクイモの花は雄性先熟で、雄蕊が先に成熟して花粉を出します。この花の周りで咲き始めた筒状花は、雄性期の花です。5つに分かれた花冠の中から茶褐色の筒状のものが伸びていますが、これは雄蕊の葯が合着して筒状になった集約雄蕊です。集約雄蕊の先端には、花粉が見えるようです。☆こちらは、8月に観察した雌性期の花です。筒状花から伸びて先端が2つに分かれて反り返っている雌蕊花柱が見えます。(2016年8月16日撮影)。☆舌状花のまわりの総苞片は3列で、上はそり返っています。よく似たイヌキクイモは、総苞片が2列で長く、あまり反り返らないそうです。☆総苞片には、たくさんの細い毛が見えます。☆キクイモ(菊芋)の名は、キクに似た花を咲かせ、根に芋ができるので名付けられました。キクイモの塊茎は、サトイモのような形をしているそうです。☆キクイモの花言葉は、「陰徳」「美徳」「恵み」「気取らぬ愛らしさ」で、「陰徳」とは人に知られないようにひそかにする善行を意味するそうですが、畑の雑草で外来生物法では「要注意外来生物」に指定されながらも生活習慣病を予防・改善する優れた薬効を備えていることに由来するのでしょうか。
2016.11.10
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☆ウォーキングコース(玉川上水)で、10月からアキノキリンソウの花が咲いています。☆アキノキリンソウは、日本全土の日当たりの良い山地に生えるキク科アキノキリンソウ属の多年草です。☆アキノキリンソウは、茎の上部に黄色い頭花を散房状や総状に多数つけます。☆アキノキリンソウの花は、周りに舌状花があり、内側に筒状花があります。☆蕾から、最初に周りの舌状花の花びらが広がってきます。☆アキノキリンソウの花の周囲に1列に並ぶ舌状花は雌性で、2~9個つき、花びらは細長く雌蕊だけがあります。よく見ると、右側の花の舌状花の付け根から、先端が2つに分かれた雌蕊花柱が見えます。☆この写真では、右側の花の舌状花から雌蕊花柱が伸びており、上の雌蕊花柱は先端が2つに分かれているのが見えます。☆この写真でも、右側の花の舌状花から雌蕊花柱が伸びているのが見えます。つぎに、アキノキリンソウの筒状花を観察してみます。1つの頭花には、9~13個の筒状花があります。筒状花が開花し始め、花冠の先端が5つに分かれて開いているのが見えます。☆アキノキリンソウの花は雄性先熟で、雄蕊が先に成熟して花粉を出します。花冠の中から茶褐色の線が見える筒状のものが伸びていますが、これは雄蕊の葯が合着して筒状になった集約雄蕊です。集約雄蕊の先端には、花粉が見えるようです。☆雄性期から雌性期になったアキノキリンソウの筒状花です。集約雄蕊の中から、花粉を押し出すように雌蕊花柱が伸びています。花柱の先端が2つに分かれ始めているものもあります。右奥には、花柱の先端が2つに分かれて裂片が細い糸状になっている舌状花の雌蕊が見えますが、筒状花の雌蕊とは明らかに形が違っているのがわかります。☆アキノキリンソウ(秋の麒麟草)の名は、花がベンケイソウ科キリンソウ属のキリンソウに似て秋に咲くことから。別名のアワダチソウ(泡立草)は、たくさんの花が咲く花穂の形を日本酒が発酵する時に出る泡に例えたものだそうです。☆アキノキリンソウの花言葉は、「予防」「幸せな人」「要注意」「警戒」「用心」「安心」「幸せな人生」などだそうです。どんな由来があるのでしょうか。
2016.11.09
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☆昭和記念公園の「こもれびの丘」で、今年もリンドウの花が咲き始めました。(2016年11月1日撮影)。☆リンドウは、本州・四国・九州の山野に生えるリンドウ科リンドウ属の多年草です。☆リンドウの草丈は、高さ20センチから1メートルで、茎は直立または横に伸びて斜上します。☆リンドウの葉は対生し、長さ3~8センチ、幅1~3センチの卵状披針形で先は尖り、3脈が目立ちます。茎の先や上部の葉腋に、紫色の鐘形の花を咲かせます。☆リンドウは、花冠が筒状の鐘形で先端が5つに分かれており、花冠の裂片と裂片の間に、副片(付属片)があります。花冠の内側には、茶褐色の斑点があります。☆リンドウは雄性先熟の植物なので、雄蕊が先に成熟して、花粉を出し終わった後に雌蕊が成熟する雌性期になります。これは、雄性期の花です。雄蕊が雌蕊のまわりに集まり5つの葯が星形になっており、花粉を出しています。☆これは、昨年観察した雌蕊が成熟した雌性期の花です。雌蕊柱頭が2つに開いており、花粉を出し終わった雄蕊は外に広がっています。(2015年10月28日撮影)。☆リンドウ(竜胆)の名は、リンドウの根を乾燥させた生薬が、熊の胆のうを乾燥させた「熊胆(のうたん)」より苦いので、竜の胆「竜胆(りゅうたん)」と名付けられ、リンドウは「竜胆」の音読みだそうです。☆リンドウの花言葉は、「悲しんでいるあなたを愛する」「あなたの悲しみに寄り添う」「淋しい愛情」「正義感」「勝利」「愛情」「誠実」「高貴」などだそうです。「悲しんでいるあなたを愛する」「あなたの悲しみに寄り添う」「淋しい愛情」は、群生せずに1本ずつ咲く花の姿と悲しみを思わせる青紫の花色に由来するといわれているそうです。「正義感」「勝利」「誠実」は、リンドウの根が漢方薬として使用され、病に勝つための手助けをしてくれることに由来しているそうです。
2016.11.08
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☆昭和記念公園の玉川上水口の入り口で、ヒイラギの花が咲いているのを見つけました。☆ヒイラギは、本州(関東地方以西)・四国・九州・沖縄の山地に生えるモクセイ科モクセイ属の常緑小高木です。ヒイラギは、若木の時は葉にトゲがあり、老木になると葉のトゲがなくなり葉は丸くなるそうですので、観察してみることにしました。☆ヒイラギの葉は対生し、葉身は楕円形で厚くて硬く、表面は暗緑色で光沢があります。葉は全縁で、トゲは見当たりません。☆若木の時は葉にトゲがあり、老木になると葉はやや小さくなりトゲがなく丸くなるそうです。そのため、長寿の守護木として仰がれているそうです。☆ヒイラギの木の下の方を見ると、幹の南側にたくさんのヤゴ(ひこばえ)が成長してきています。☆ヤゴ(ひこばえ)は若い枝なので、葉にトゲがあるのではと観察してみると、やはり葉にトゲが見えます。☆幹の上の方についている葉は、老木なので全縁でトゲは見当たりませんが、幹の下から出ているヤゴ(ひこばえ)は若い枝なので、葉にトゲがあります。☆幹の北側のヤゴ(ひこばえ)の葉にも、やはり葉にトゲがあります。☆こちらは、全縁の葉とともに、小さいトゲが見える葉も見えます。樹齢を重ねて成長するとともに、鋭いトゲが次第に小さなトゲになり、最終的には全縁の葉になるようです。☆ヒイラギは雌雄異株で、雌株の花は花柱が長く、雄株の花は2本の雄蕊が発達して雌蕊は小さいそうです。これは、2本の雄蕊が目立ち、雌蕊は小さいので雄株です。☆ヒイラギの花には、茎から伸びる緑色の花柄、緑色の萼、4つに分かれる白い花冠、花糸が白く先端に薄茶色の葯が見える2本の雄蕊、中央に小さな黄緑色の不完全な雌蕊があります。雄蕊の葯からは、花粉が出ているようです。近くで、雌株・雌花を探しましたが、見当たりませんでした。☆2年前の2014年11月6日、東北の旅の途中で塩竈神社の境内にあるヒイラギ(柊)の老木、葉にトゲがないので疑問がわいて話題になりました。調べた結果、若木の時は葉にトゲがあり、老木になると葉のトゲがなくなり葉は丸くなることがわかりました。この老木も雄株で、雄花が見えます。(塩竈神社、2014年11月6日撮影)。☆3年前に観察したヒイラギとギンモクセイの雑種のヒイラギモクセイの花です。ヒイラギモクセイの花(雄花)は、花冠が深く4つに分かれて4枚の花びらのように見えますが、ヒイラギのように先端はそり返りません。2本の雄蕊があり、花の中心に退化した雌蕊が見えます。ヒイラギモクセイは雌雄異株ですが、雄株だけが知られているそうです。ヒイラギモクセイは実がならないので、繁殖は「取り木」で行うそうです。(2013年11月15日撮影)。☆4年前に撮影したキンモクセイの花です。花粉が出ているような2本の雄蕊と中央に先が尖った不完全な雌蕊が見えます。キンモクセイとギンモクセイも雌雄異株ですが、日本には雄株しかないので、挿し木や取り木で繁殖させるそうです。(2012年10月13日撮影)。☆ヒイラギ(柊、疼木)の名は、葉の縁のトゲに触るとひりひり痛むことから、「ひりひり痛む」という意味の古語「疼(ひひら)く、疼(ひいら)ぐ」に由来するそうです。漢字の「柊」は、「冬」という季節の意味もありますが、「ひひらく」の漢字「疼」と関連付けられたものと考えられるそうです。(『語源由来辞典』参照)。☆ヒイラギの花言葉は、「用心深さ」「先見の明」「保護」「歓迎」「用心」「剛直」などだそうです。「用心深さ」「用心」は、若木の葉のトゲに由来するのでしょうか。「先見の明」については、木が年齢を重ねていくと尖っていた葉が少しずつ丸くなり、最後には棘がすっかりなくなって丸い葉になってしまうので、最初は危ないと思っても、そうではないというような変化が、「先見の明」という花言葉になったという解説がありました。☆近所でヒイラギの雌株・雌花を探しましたが、見つけることができませんでした。ブログ「神戸の花と木(今の花と木の様子)」にヒイラギの雌株・雌花と実が紹介されていました。◎ヒイラギの雌花。http://kobehana.at.webry.info/201101/article_3.html
2016.11.07
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☆昭和記念公園の「こもれびの丘」で、キチジョウソウの花に初めて出合いました。遠くから見るとヤブランに似ているように見えますが、長く伸びる葉の中に花が隠れるように咲いています。☆キチジョウソウは、本州(関東地方以西)・四国・九州の山林に生えるユリ科キチジョウソウ属の常緑の多年草です。キチジョウソウ属はユリ科に分類されていましたが、APG植物分類体系第3版ではキジカクシ科スズラン亜科に分類されています。キジカクシ科(学名:Asparagaceae)は、アスパラガス科、クサギカズラ科ともいうそうです。☆キチジョウソウの葉は、線形で高さ(長さ)が8~30センチになり、濃緑色で3~5脈があり両面とも無毛です。キチジョウソウの花茎は紫色で高さが8~13センチ、5~7センチ程度の総状花序が葉の中に隠れるように咲いています。☆キチジョウソウの花は、筒状に途中まで合着した花冠が6つに深く裂けており、裂片は後ろに反りかえっています。キチジョウソウの花は、雌蕊がない雄花と両性花があります。右の総状花序は、上部の3個の花は雌蕊がない雄花で、その下は雌蕊がある両性花です。左の総状花序は、上部の4個の花は雌蕊がない雄花で、その下は雌蕊がある両性花です。☆右上の花は雌蕊がない雄花です。花糸が白く黄色い葯がある6本の雄蕊が見えます。そのすぐ左下の花は両性花で、雄蕊と同じ長さの紫色の雌蕊花柱が見え、柱頭が3つに分かれているのがわかります。☆こちらの総状花序は、左上の花は雄花ですが、その下の花はすべて雌蕊がある両性花です。それぞれの花の下を見ると、花茎から出ている花柄が紫色の卵形の苞で覆われているのがわかります。このように観察してくると、キチジョウソウの総状花序は、上部には雌蕊がない数個の雄花があり、その下の大部分の花は雌蕊がある両性花のようです。☆キチジョウソウの花を改めて観察してみると、紫色の花茎、紫色の卵形の苞の中から伸びる短い花柄、萼片はなく萼片と花弁が変化した筒状で6つに深く裂けて裂片が後ろに反りかえる花冠、花糸が白く黄色い葯がある6本の雄蕊、雄蕊と同じ長さで柱頭が3つに分かれている紫色の雌蕊花柱です。花冠の色は、外側が薄い赤紫色で、内側はほとんど白に近いごく薄い赤紫色です。☆キチジョウソウ(吉祥草)の名は、「この花が咲くと吉事がある」といった言い伝えや、あるいは逆に「その家 に吉事があるとこの花が咲く」といった言い伝えから「吉祥草」と名付けられたようです。なお、キチジョウ(吉祥)とは、「めでたい兆し」「幸福」「繁栄」を意味しており、仏典ではめでたいことや幸先のよいことなどにも用いられるそうです。☆キチジョウソウの花言葉は、「吉事」「よろこび」「祝福」「祝意」などだそうです。全ての花言葉が、「キチジョウ(吉祥)=めでたい兆し」という名前に由来するようです。
2016.11.06
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☆昭和記念公園の「こもれびの丘」で、フユノハナワラビに初めて出合いました。フユノハナワラビは、本州から九州の山野に生えるハナヤスリ科ハナワラビ属のシダ植物です。☆フユノハナワラビは、冬緑性のシダ植物です。シダ植物には、常緑性、夏緑性、冬緑性の3種類があります。☆ベニシダ・イノデなど春に葉を出し翌年春に新しい葉が出るまで葉が枯れない常緑性のもの、イヌワラビ・クジャクシダなど春に葉を出し秋に葉が枯れてしまう夏緑性のもの、フユノハナワラビ・オオハナワラビなど晩夏に葉を出し翌年の初夏近くに葉が枯れてしまう冬緑性のものがあります。☆フユノハナワラビは、栄養葉の間から胞子葉が伸びています。☆フユノハナワラビの栄養葉の柄は長く、葉軸が3つに分かれています。小羽片は広卵形で鈍頭、縁には細かく鈍い鋸歯があります。後で紹介するオオハナワラビは、栄養葉の先(鋸葉)が鋭く尖っています。☆フユノハナワラビの胞子葉は栄養葉より長く、上部につく胞子嚢穂は2~3回羽状に分岐し、円錐状に丸い胞子嚢をつけます。シダ植物の多くは、葉の裏に胞子嚢をつけますが、胞子を作るための葉を別に持つグループがあり、フユノハナワラビもその一つです。胞子葉をもつということは、シダ植物が花を咲かせる種子植物に進化していく過程とも考えられるそうです。☆フユノハナワラビの丸い胞子嚢です。黄色く丸い胞子嚢には、緑色のスジが見えます。☆フユノハナワラビ(冬の花蕨)の名は、冬に葉があり、花のような胞子葉をつけるワラビに似たシダ植物の意味です。☆フユノハナワラビの花言葉は、「再出発」だそうです。「再出発」とは、初夏近くに葉が枯れてしまい、その後、晩夏に葉を出して成長することを「再出発」と例えたことに由来するのでしょうか。☆こちらは、3年前の12月に観察したオオハナワラビです。(2013年12月8日撮影)。☆オオハナワラビは、フユノハナワラビと似ていますが、栄養葉の先(鋸葉)が鋭く尖っており、茎などにまばらに毛があるのが特徴です。(2013年12月8日撮影)。
2016.11.05
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☆昭和記念公園の「こもれびの丘」で、サラシナショウマの花を見かけました。サラシナショウマは、北海道から九州の山地の木陰や草原に生えるキンポウゲ科サラシナショウマ属の多年草です。☆サラシナショウマは、長い総状花序をつけます。両性花と雌蕊がない雄花があるそうです。☆サラシナショウマの花は、花柄が5~10ミリ、4~5枚ある舟形の萼片と先が2つに分かれている花弁がありますが、花の早い時期に落ちてしまいます。雄蕊は多数あり、雌蕊は2本のものが多いそうです。写真では、緑色の花茎から伸びる白い花柄、舟形の萼片、花糸が白い多数の雄蕊はわかりますが、花弁と雌蕊は確認できません。☆花茎に花が1つだけついているものがありました。やはり、緑色の花茎から伸びる白い花柄、舟形の萼片、先端に2つに分かれる葯があり花糸が白い多数の雄蕊はわかりますが、花弁と雌蕊は確認できません。☆1つの株から、花が咲いているものと、果実ができているものが見えました。☆中央の花を見ると、多数の雄蕊の真ん中に細い先が曲がった雌蕊花柱が見えます。☆こちらは、昨年秋に観察したサラシナショウマの花です。長い総状花序の下の方から実ができています。雄蕊が落ちて、途中が膨らみ先端が少し曲がっている雌蕊の特徴がよくわかります。(2015年10月28日撮影)。☆こちらは、今回観察した果実が成長しているサラシナショウマの総状花序です。紫色に変化してきた花茎から伸びる薄紫色の花柄には、それぞれ2つずつの果実が見えます。☆こちらは、昨年観察したサラシナショウマの成長した果実です。先端が少し曲がっている雌蕊の特徴が残っています。(2015年10月28日撮影)。☆サラシナショウマ(晒菜升麻)の名は、根茎を天日で干したものを生薬で「升麻」といい、サラシナ(晒菜)は若菜を茹でて水に晒して山菜として食用にしたことに由来するそうです。☆サラシナショウマの花言葉は、「愛嬌」「無邪気」「温かい心」「雰囲気の良い人」だそうです。白い総状花序や白く小さな一つひとつの花を見ると、しろうと自然科学者は「雰囲気の良い人」の花言葉に一票を投じたいと思いました。
2016.11.04
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☆昭和記念公園の「こもれびの丘」で、初めてセキヤノアキチョウジの花に出合いました。(2016年10月30日撮影)。☆セキヤノアキチョウジは、本州の関東地方や中部地方の山の木陰に生えるシソ科ヤマハッカ属の多年草です。☆セキヤノアキチョウジの葉は対生、長楕円形で先は鋭く尖っています。☆セキヤノアキチョウジの花は青紫色の唇形で、茎の先や葉腋から出た花柄に総状につきます。アキチョウジに似ていますが、セキヤノアキチョウジの花は花柄が長いので見分けられるそうです。岐阜県以西の本州や四国・九州に分布するアキチョウジの花の花柄は、短いそうです。☆こちらのセキヤノアキチョウジは、茎の先端から総状花序が出ています。☆セキヤノアキチョウジの花の萼は、上唇は3つに分かれて裂片が細く、下唇は2つに分かれています。☆セキヤノアキチョウジの花は、花柄が長さ1~2.5センチで毛がなく、萼筒には5つの萼歯があって先が尖り、花は長さ約2センチ、幅5~6ミリの唇形花です。文字の「丁」のような花の形で、上唇は4つに分かれ、下唇は浅く2つに分かれて舟形になります。☆右側の花を見ると、上唇が4つに分かれており、下唇が浅く2つに分かれているのはわかりませんが舟形なのはわかります。☆セキヤノアキチョウジ(関屋の秋丁字)の名は、アキチョウジ(秋丁字)は秋になって漢字の「丁」の字に似た花が咲くことから、セキヤノ(関屋の)は箱根に多く見られることから関所の番小屋、関屋の名がつけられたのだそうです☆セキヤノアキチョウジの花言葉は、「秘めやかな思い」だそうです。群生せずに1株だけ咲いているセキヤノアキチョウジの花を見ると、「秘めやかな思い」と名づけられたのに共感できます。
2016.11.03
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☆ウォーキングコース(玉川上水)の公園で、ガマズミの木に赤い実がなっているのを見つけました。ガマズミの樹高は、2~4メートルです。☆ガマズミは、北海道から九州の日当たりの良い山野に生えるスイカズラ科ガマズミ属の落葉低木です。なお、ガマズミ属は、新しいAPG植物分類体系第3版ではスイカズラ科からレンプクソウ科に移されているそうです。☆ガマズミの葉は対生し、広卵形から円形で、ふちには浅い鋸歯があります。☆ガマズミの花期は4月下旬から6月で、枝先の直径6~10センチの散房花序を出し、白い小さい花を多数つけます。これは、2年前の9月に撮影したガマズミの花です。花の返り咲きは、一定の環境条件があると植物の一部分で起こる現象で、ガマズミでも8月~12月に開花した例があるそうです。(2014年9月12日撮影)。☆ガマズミの花冠は深く5つに分かれ、白く長い花糸がある雄蕊は5本、雌蕊は1本です。(2014年9月12日撮影)。☆ガマズミの果実は、9月から11月に赤く熟してきます。☆ガマズミの果実は、同じガマズミ属のミヤマガマズミに比べて数が多いようです。同じガマズミ属のゴマギは、赤い果実は似ていますが、果実をつけている花茎や花柄が赤くなるので区別できます。☆ガマズミの果実は、核果です。核果とは、桃や梅などの果実のように、果実の外果皮が薄く、中果皮は多肉質で水分が多く、内果皮は硬くて木質化した核になり、その核の中に種子があるものです。☆ガマズミの果実は、初冬には甘くなり食べられるそうですが、果肉は薄く種子が大きいそうです。ガマズミの果実で果実酒を作ると、きれいな深紅の色になるそうです。ガマズミの果実は、昔から天然の着色料だったそうです。☆ガマズミ(莢蒾)の名は、「神つ実(カミツミ)」から転じた説や、酸っぱい実であることから「噛み酢実」が転化した説、「ズミ」は果実で衣類を摺り染めしたことから「染(ソミ)」が転じた説などがあるそうです。(『語源由来辞典』参照)☆ガマズミの花言葉は、「私を無視しないで」「結合」「未来」「恋のあせり」「愛は強し」などがあるそうです。いったいどんな由来があるのでしょうか。
2016.11.02
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☆近所の公園で、カリンの木に実がなっているのを見つけました。カリンは、中国原産で、平安時代に渡来したとされるバラ科ボケ属の落葉高木です。東北地方や関東甲信越で、庭木として栽培されています。(2016年10月19日撮影)。☆カリンは、樹皮が灰緑褐色で平滑、樹皮が鱗片状に剥がれるのが特徴です。☆どのように剥げ落ちるのかはわかりませんが、片状に剥げ落ちた斑紋が残っています。☆カリン(花梨)の名は、マメ科のカリンの木理(木目:木材の断面に年輪の配列などによってつくられる模様)が似ていることから名づけられたそうです。☆カリンの葉は互生で、倒卵状の楕円形です。☆カリンの葉の表面は、無毛で光沢があります。☆カリンの葉の裏面は、葉脈に沿って軟毛があります。☆カリンは、ボケの実を大きくしたような楕円形の果実をつけます。☆カリンは、ボケと同じように花柄がごく短いので、茎に果実が直接ついているように見えます。果実は、硬く酸味が強いので生食はできませんが、輪切りにして砂糖漬けにしたり、焼酎漬けにしてカリン酒を作ったり、咳止めなどの薬用にも利用されるそうです。☆最初に観察してから10日後のカリンの果実です。次第に黄色く色づいてきました。(2016年10月29日撮影)。
2016.11.01
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