ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Apr 17, 2022
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カテゴリ: 映画、テレビ
「隣の客はよく豆喰う客だ」(評価 ★★★★☆ 四つ星)

 とても興味深いドキュメンタリーを観たのでその感想を。
 宣伝文句は「フムスに国境はない」。イスラエルを舞台に、ユダヤ料理とアラビア料理のはざまで美食を追求する料理人らを取材したもの。
 公式サイト(英語)はたぶんここ www.breakingbreadmovie.com

 ぼくらが一般にイスラエルや近隣諸国に抱いている、「どうやらユダヤ教徒とイスラム教徒は互いに憎しみ合って生きているらしい」という先入観をしょっぱなから覆される。市民たちはほんとは仲良くやっていきたいと思っている。そして、どこの国の料理だろうと美味いものは美味い、これって万国共通。

 舞台となってる町が、イェルサレムとかテルアビーブとかじゃなくてハイファってのもいい。都市だけれど庶民的っぽく、ほどよく政治の中心から離れてるみたいだし。

 取材されてる料理人の皆さんがみんなしてお話がお上手なのにも驚く。家族経営の小さな食堂を営む人ばかりだからか、厨房に閉じこもることなく実際に顧客(常連客だけでなく異国からの旅人とか)と会話しまくることで話術が磨かれていくものなのかもしれない。

 国どうし政府どうしが敵対視し合ってたとしても、国民どうしは同じような味覚を共有してる。味覚は争いでは奪えない。これって、おそらくロシアとウクライナもそうなのかなとか思ったわけで。

 ぼくもアメリカ生活を始めたばかりの頃、周りに日本人がいないからさぞかし心細い思いをするだろうと自分でも心配していたけれど、蓋を開けてみたら比較的味覚の合う中国や韓国のお方たちと次々と仲良くなれたおかげで、なんだかんだ言って精神的に支えられたことをよく覚えている。





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最終更新日  Apr 18, 2022 09:31:42 AM
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