さるすべり9722の介護日記

2016年11月09日
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 42歳の夫はある日、自宅の台所にそっと置かれた「鮒」を発見する。バケツに15センチの鮒。一年前に別れた露子に部屋で飼っていたものだ。夫は肝を冷やすが息子が飼うことになる。
 ある日夫と息子は露子のアパートの付近を息子と歩く。露子のアパートには赤ん坊の服が干されていて、露子は引っ越したようだ。近くの喫茶店のマスターも「元気みたいですよ」という。その声音から夫は露子がそれほど自分を恨んでいない、と感じる。
 帰り道、夫は、露子の置いていった鮒を大事に育てて、ゆくゆくは露子の生まれ故郷の霞ヶ浦に放してやろう、と思う。
 家に帰ったら、鮒は死んでいた。





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最終更新日  2016年11月09日 10時42分54秒
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