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面白い本を探して巡り合った畑中恵作「まんまこと」時代は江戸時代後半(?)の町名主の跡取り息子やその友人の名主と同心の物語。江戸時代の江戸は世界でも最も犯罪が少ない治安や秩序が保たれた街であっただろう。武士社会のお上の機構の他に、いまでいう民事を任された町の名主の活躍もその秩序を確かなものにしていたに違いない。長屋の騒動、夫婦の問題、孤児の身の振り方、商家の跡継ぎ等々庶民の諸問題をお上に訴える前に名主に相談して裁いてもらう。神田町の名主の跡継ぎ息子の麻之助に持ち込まれる厄介ごとを友人たちや町の人々の協力で迷(?)でない名裁きをする物語。テレビドラマになったらしいがみていない。「こいしり」「こいわすれ」「ときぐすり」「まったなし」と続く。宮部みゆき氏や池波正太郎氏のように江戸にタイムスリップさせてはくれないけれど、殺人も強奪もなくお気楽に読める江戸時代の小説。作者が漫画家出身と知って納得。血なまぐさい事件や、極悪人登場の物語よりも気ままに読み進められる。いろんな面倒を解決するのに結婚が大きな役割を果たす。「1+1が2~5」にもなる結婚。未婚の男や女の周囲の人たちのお節介な縁結びこそが「江戸の平和」を保たせた理由かもしれない。まんまこと 文春文庫 / 畠中恵 ハタケナカメグミ 【文庫】
2019.09.07
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「生まれる前の記憶を持つ子供」や「魂でもいいからそばにいて」など最近は不思議な魂や前世の世界の話に縁がある。「月の満ち欠け」も直木賞とかで話題の本だったので、図書館に申し込んでいたら2か月かかって手元に届いた。冒頭は還暦近い中高年の男とこましゃくれた7歳の少女と母親の出会いから描かれる。よく意味が飲み込めないまま、ストーリーは展開する。この少女の記憶には男の亡くなった娘の魂が宿っている?男の娘もこの娘も、もっと以前の27歳の人妻の魂が受け継がれているのか?そして、この少女は4代目なのか?大フアンだった内田康夫さんが亡くなって、宮部みゆきさんの本に少々疲れて、新しい読み応えある作品を探して、とりあえず話題作を図書館に申し込んでみる。ストーリーを知らないまま、直木賞や新聞で紹介された話題作を読んでみるが、なかなか次作が買いたくなる作家には出会わない。芥川賞や直木賞作家の作品は読後感が良いとは言えない。やりきれなさや、虚しさ、悲しみは苦手。面白い小説や作家を探す中で、最近は「魂」や「前世」の作品が心に残るのは身勝手な殺人鬼の犠牲になった人たちの無念さに心が痛むせいかもしれない。魂となって又、地上に生を受けなければ、あまりにも理不尽すぎる。月の満ち欠け [ 佐藤正午 ]
2019.08.17
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霊体験を持つ人は多いが、大切な人を失った辛い体験での中での霊体験は妄想としか思われないから語られなかったのかもしれない。18000人以上も死者行方不明者を出した東日本大震災のように同地域の中に体験者が多くいたことが、「霊体験」が語られるきっかけになったのだろう。夢や希望にあふれた人たちをあの世につれて行った2011年3月11日の東日本大震災。ノンフィクション作家の奥野修司氏がその被災地での不思議な体験を体験者たちから聞き取り収録した本。十数人の体験者の話が語られている。中でも、ニュースを聞いた時にやりきれなく、先生たちの判断の甘さで亡くなった石巻の大川小学校の児童の死はなんともいたたまれなくつらすぎるニュースでした。全校児童108人中74人が津波に巻き込まれて死んだり行方不明になった。体験談の一つに大川小学校2年生だった琴くんの話があった。大川小の傍を通りながら学校側を信じて迎えに行かなかたことを後悔する母。行方不明のまま2年後から自宅の壁をたたいたり、琴君独特の足音で天井を歩く音、家族には琴君が家族の元に来たことを感じる。この本には様々な霊体験がかたられている。「生きていろんなことをしたかった」「嘆き苦しむ家族に寄り添いたくて」何億光年という宇宙というはてしない空間で地球上の生と死、魂が時には人間として生存し、時には魂として、自分を追い求めてくれる人の傍にいる。沢山の体験者がいるのに、体験していないからと否定はできないはず。魂でもいいから、そばにいて 3・11後の霊体験を聞く [ 奥野 修司 ]先日書いた生まれる前に魂がママを選ぶ話が生前の琴君の口から語られていたそうだ。「空のうえからオッカアのことを見て、ずっとオッカアのところに行きたいと思っていたんだよ」生前の小学1年生まで、生まれる前のことを母親に語っていた琴君。神社が大好きで神楽師になるのが夢だった琴君。大好きなオッカアを見守ってあげてほしい。
2019.08.04
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「ちょっと困った”女たち」の副題で杉村三郎の「杉村探偵事務所」開設から10件目以降の事件簿。刑事でも検事でも弁護士でもない一般庶民の杉村三郎を主人公にした5作目。「誰か」「名もなき毒」「ペテロの葬列」そして、バツイチになり某社の調査員兼探偵事務所を開業して「希望荘」~「昨日がなければ明日もない」と社会に潜む見過ごされそうな「犯罪」をあぶり出してしまう杉村三郎探偵。 彼が気が付かなかったら、日常の中に埋もれてしまっていただろう犯罪はあまりに身近すぎて (もしかして?殺人事件では?)と思うことがあっても警察に言うこともなく、暴くことなど思いもよらない身近な疑惑。今回の作品に出てくる「絶対零度」は困った女性の出身地、実家がさいたま市浦和で「昨日がなければ明日もない」の困った女性の出身地(実家)がさいたま市大宮なので、よけいに見過ごされそうな犯罪が身近に感じられました。2月は白内障手術で外出したくない日々が続いたこともあって、本棚の既読の宮部作品を読み漁っていました(読み返しても新しい発見があって面白い)昨日、やっとシャンプー、洗顔、化粧がOKになったので、街へ出かけて書店の店頭にあったこの本を買って1日で読み終わってしまいました。この語り口の旨さにハマってしまい、次がまた読みたくなる宮部マジック。昨日がなければ明日もない
2019.02.27
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宮部みゆきはどうしてこんなに「語り上手」なのだろう?「希望荘」は杉村三郎が主役の推理小説の第4作目で短編4作品集である。刑事でも検事でも弁護士でもない一般庶民の杉村三郎はこの4作目ではバツイチになり某社の調査員兼探偵事務所を開業した。「誰か」「名もなき毒」「ペテロの葬列」と社会に巣喰う「名もなき毒」に遭遇した杉村三郎。大会社の社長の娘の妻の夫から一転して古びた事務所の「調査員兼探偵」。でも、大きな大事件でなく、社会に潜む見過ごされそうな「犯罪」を庶民の杉村三郎があぶり出してしまう。彼が気が付かなかったら、日常の中に埋もれてしまっていただろう。デビュー作品「我らが隣人の犯罪」以来、日常に潜む「隣人の犯罪」の語り口の上手さ!4作品の中でも「希望荘」は流石!宮部さん、語り口がうますぎる!あまりに身近すぎて(もしかして?あの事件の犯人はこの人では?)と思うことがあっても警察に言うこともなく、暴くことなど思いもよらない疑惑。それをきちんと暴いて解決に結びつける杉村三郎という人物の面白さ。毒のほうは「あまりに見過ごされそうな犯罪」だからよけいに怖い。【新品】【本】希望荘 宮部みゆき/著
2019.02.07
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「かみさまは小学5年生」の作者のすみれちゃんの本を読んで思い出した本がありました。産婦人科医・池川明著「前世を記憶する日本の子どもたち」と言う本です。生まれてきた赤ちゃんが記憶する生まれる前のことを聞いて池川明先生が書いた本。生まれる前を話す、すみれちゃんの話との共通点に驚いてしまいます。池川先生は幼児期までは記憶していても小学生に上がると大抵は記憶を無くしてしまうらしいと言うのです。でも、すみれちゃんは小学生になっても覚えているのですね。共通するのは人間になる前は「魂」だったということ。大抵は人間いなれる順番を待って「このママの子になる」と生まれてくる。人の役に立つと言う使命を持って生まれてきてたとえ中絶されても虐待されても障害を持ってうまれても「人間界の経験」どんな経験でも生まれる前のシナリオは「このママの子になって幸せになる」と言う結末。生まれる前の記憶は年少さんで4割、年中さんで3割、年長さんで2割と薄れると池川先生は書いているのですが・・・我が家の年中の5歳児に聞いてみようかな?前世を記憶する日本の子どもたち[本/雑誌] / 池川明/著ぼくが生まれてきたわけ / 池川明 【本】
2018.09.10
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「魂はね人間界で修行しないと神にはなれないの」「ママから生まれて幸せで始まり幸せで終わって神さまの国に行く」「魂がママを選ぶときは、自分のママだと思ったから」空のうえの記憶を持ったすみれちゃんの話をのぶみさんが聞いてイラスト入りで編集した本、定価1200円+消費税信じるか信じないかは読む人の主観だけれど、「世の中には不思議な能力が備わる人がいる」ことを信じる私には面白かった。昨日、東京に出かける電車の中で読もうとエキュートの本屋さんで買って読んだ。肩の凝らない面白いはなしだった。昨夜シナリオ教室の仲間の同窓会が新宿であった。駅近くの居酒屋さんだったが迷いに迷ってたどり着いて懐かしいメンバーと語り合った。20代から70代と年はさまざまだけれど、流石に面白い話ばかり中でも不思議体験が興味をひいた。卒業してからコンテスト応募に参加しないままの私もすみれちゃんの話と同窓生の話と結びつけてシナリオを書きたくなった。かみさまは小学5年生/すみれ【1000円以上送料無料】
2018.08.26
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一億冊を売った内田康夫氏のデビュー作品で無名時代の自費出版作品。内田作品には珍しい男女の愛欲シーンから始まる。事件の発端はダム湖に捨てられていたバラバラ死体。事件現場の管轄は長野県飯田署、被害者は東京の男。最初に通報を受けた飯田署の竹村岩男巡査部長(30歳)が事件を追う。(この事件の活躍で、その後に信濃のコロンボと呼ばれる)東京の室町署の岡部和夫警部補(30歳)が四面楚歌の竹村の理解者として登場。事件は借金の返済を迫られていた甥の犯行として捜査本部は解散するが、執拗に事件の真相を追う竹村巡査部長が入り組んだ連続殺人を解明していく。私は古本屋で手にしたこの作品から内田康夫氏の推理作家としてのフアンになった。新人と思えない情景の表現力と事件の展開。この後「信濃の刑事コロンボ」として活躍する竹村岩男を何人もの俳優が演じてテレビで放送されたが、私は中村梅雀さんの竹村岩男が大好きで、本のイメージ以上の魅力を感じた。奥様の陽子役の原日出子さんもイメージ通り。本の作品の竹村岩男も陽子も年をとらないけれど、役者さんは年をとって役の年齢とかけ離れて行くが、30代の竹村は中村梅雀さんが演じないなら、30代の俳優さんに演じてほしい。浅見光彦役は最初は水谷豊さんだった。以後、背が高いハンサムでマザコン気味お坊ちゃまの光彦氏を長身でハンサムな俳優さんが演じていますが、イメージとは違う水谷豊さんの光彦さんの印象が一番強いですね。母親役は野際陽子さんがなんといってもはまり役でした。新刊はでていないのか、探したら電子書籍であるだけでした。新装版 死者の木霊【電子書籍】[ 内田康夫 ]
2018.04.12
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4月末で完結ストーリーの募集締め切る内田康夫氏が連載途中に脳梗塞で倒れて休講となり、続きを一般読者に託した募集締め切りが今月末。最近は新刊を買わなかった私が内田氏が亡くなったことを知って3月19日に楽天ブックで注文して届いたのは4月4日。続きストーリーの募集を見たら400字詰め原稿用紙なら350枚~500枚を30×40字で117~167枚。私が内田氏のフアンであることを知っている「シナリオセンター」の友人たちから応募を奨められたがとてもとても・・・書けそうにもない。主人公は浅見光彦。舞台は熊野古道~紀伊半島。熊野古道に置かれていた牛馬王子の首が切られた事件から~古代~明治~現代とさまざまな事象が事件の背景として描かれている。礼儀正しい好青年の浅見光彦が後輩相手だとちょっと会話がくだけた口調になるのが気になったが、内田先生の最後の浅見ミステリーだと思うと、どんな結末になるのか気になる。応募は熊野古道は私は歩いていないし、今からなんて到底無理。孤道 [ 内田康夫 ]
2018.04.07
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1億部を越えるという内田康夫氏の本の発行部数。2006~2007年に日経新聞朝刊に連載した小説が「地の日 天の海」である。内田氏の代表作「浅見光彦シリーズ」でも浅見光彦は「旅と歴史」のルポライターで、行先ざきの観光名所の歴史も詳しく書かれている。この本は探偵小説でも刑事小説でもなく戦国時代から活躍した天海と信長・光秀・秀吉・家康の物語である。名僧天海は易学者でもあった。本書には天海が「足利学校」で易学を学んで、その博識で戦国時代の光秀、秀吉、家康に影響を与えたことが書かれていた。108歳まで生きて徳川家3代の知恵袋として江戸の都市計画をしたとされる天海の物語。日経新聞に連載された時も読んだはずなのに、単行本になったものを読むと、新聞で読んだはずの記憶が曖昧だったことに気付かされる。作者のあとがきにも新聞連載小説を単行本にする時に大幅に手を加えたと書かれていた。本書では天海が会津から修行に出て、まだ随風だった頃のことで、家康との接触はまだ少ない。光秀が亡くなり、地の日の秀吉が亡くなって家康に再会するまでの物語。戦国を終わらせた名将たちに尊敬された卓越した博学の中に、足利学校で習得した易学の知恵があったことに、易学を学んだ私は我が意を得たようで納得できた。新聞に連載されていた時は秀吉や光秀の活躍にのみ関心をもっていたのに、今読むと、この本は「天の海=天海」が主役の物語だったことに気がついた。地の日天の海(上) (角川文庫) [ 内田康夫 ]
2018.03.19
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無冠の大ベストセラー作家の内田康夫氏が亡くなった。内田作品の大大ファンだった。「死者の木霊」以来のファンで、私の本棚は内田作品で一杯!他の小説はブックオフに持っていけても内田作品は売れない。何度も読み返す。浅見光彦シリーズもいいけれどパソコン探偵や信濃のコロンボ他もみんな楽しい作品。最初の「死者の木霊」は自費出版という。そのあと大ベストセラー作家になっても「文学賞」に選ばれた話はきいていない。以前は新刊が発売されるとすぐに書店に買いにいって読んだ。文体が読みやすくて1~2日で読んでしまう。旅情ミステリーで景色の情景が素晴らしくて、知らない土地も旅情気分に浸れる。そして、浅見光彦はじめとする主人公の優しさが推理小説にありがちな嫌な後味を残さない。あの語り口、全国の名勝を描写するあの表現力、主人公の魅力は内田氏だから創作できた。もっともっと作品を書いてほしかった😭私の本棚、
2018.03.18
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犬や猫には魔除けの力があるのかもしれません。霊験お初の活躍を再読中、かまいたち(迷い鳩・騒ぐ刀)「震える岩」に続いて「天狗風」を再読しました。「騒ぐ刀」は犬の力で人を殺めたくなる刀の魔力を退治する(三合開局の力)はなし。「天狗風」は猫の力で女の怨霊の化け物を退治する話。どちらもシナリオの勉強中の私にとって最も映像化したい「霊験お初捕り物控」の物語です。最初この物語を読んだ時はせっかく魅力的なキャラクターのお初の捕物控にしては猫「鉄」の言葉を聴き取るお初が女の怨念の妖怪を猫の力を借りて退治する話はストーリーが奇抜すぎると思っていたのですが、ペットの魔除けの力は犬や猫を飼い続けている私にとって思い当たることなのです。結婚後に飼った2匹目の愛犬。親犬から飼っていたので我が家で生まれて我が家で安らかに死んで行った愛犬がその力を教えてくれた「巖寿」で15年も楽天市場に出店できています。私や家族を健康にしてくれた「巖寿」の力を教えてくれたのは愛犬でした。愛猫も魔除けの力を持っていることを実感します。今、我が家にいる愛犬のラブラドールレトリバーの朝晩の散歩で私の万歩計は毎日1万歩超。「犬を飼うと中高年以上の女性の寿命は延びるのよ」と言うのは「いぬのきもち」の仕事をしている娘。たしかに犬がいないと散歩をさぼりがちだったのに、犬の散歩は義務のように欠かしません。【新品】【本】天狗風 新装版 宮部みゆき/〔著〕
2017.11.14
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「死にたい。生きていてもしょうがない」と言う人にとりつく怨霊。「言葉は言霊」自分の口から放たれた言葉は「言霊」となって思いがけない力を持つ。宮部作品の中でも私の大好きなキャラクター「霊験お初」。「かまいたち」の「迷い鳩」や「騒ぐ刀」を読んだあと「お初」の活躍する本を読み返している。ちょうど「死人憑き」を読んでいたら、「自殺願望者9人殺害」のニュース。震える岩に出てくる殺人鬼に憑かれて惨い殺人を犯す人も傍目には普通の人。生きる希望を見いだせない男、いく度も首くくったりの死にそこなった男が取り憑かれた怨霊。墓から彷徨い出た過去の殺人鬼がそういう男の体を借りて殺人を繰り返す。声に出して言った言葉も「言霊」を持つのに、ツイッターに書き込だら、それは自分では想像できないほどの力を持つはず。発想力や物語の展開、登場人物のキャラクターのどれをとっても宮部みゆきさんは天才だと思ってしまう。シナリオの勉強で映像化したい作品と思って古い作品を読み直してみて「騒ぐ刀」では三合の力が書いてあることに驚いて(私が算命学を学ぶ前に読んだ時は気付かなかった)「震える岩」では死人憑きに憑かれた男の狂気が描かれている。並行して起きた現代の「死人憑き」に憑かれたような男の犯罪に愕然とする。言葉は言霊。死にたい気の人にとりつく「死人憑き」文庫版 「震える岩 霊験お初捕物控」 宮部みゆき 【中古】
2017.11.02
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宮部みゆきの時代物はどれも面白い。江戸時代にタイムスリップして江戸の町を体験している気がする。登場人物のキャラクターがなんとも見事。中でも「迷う鳩」の「霊感お初」がいい。「騒ぐ刀」「震える岩」などにも登場する。「ぼんくら」や「日暮し」の美少年「弓之助」と記憶の達人「おでこ」もいい。シナリオを勉強している私にとって、宮部みゆき作品のキャラクターをもっともっと活躍させるシナリオが描きたくなる。「迷い鳩」と「騒ぐ刀」は「かまいたち」に収録されている。かまいたち改版 (新潮文庫) [ 宮部みゆき ]
2017.10.13
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難事件解決に三十数年間大活躍をした永遠の33歳浅見光彦がやっと34歳になる。「数々の難事件のヒロインたちが軽井沢に集まって盛大な誕生日パーティーを開催」からもの語りは始まるのですが・・話の展開が時代を超え海を越えた雄大なストーリー。ナチス・ヒトラーが没収して処分したはずの名画が日本に秘蔵されているのではないか、その埋蔵場所を示す「遺譜」。浅見光彦はドイツに日本各地にと財宝を廻って旅をする。内田作品がテレビで映像化されて何度も再放送されるのは「歴史と旅」のミステリーで家で見ているだけで日本中を旅した気分になれて日本の歴史を再認識できるからなのでしょう。数知れない事件のヒロインの中で浅見光彦の意中の人は初期の作品〇〇殺人事件のまだ幼かったヒロインのようで、彼女との結婚を示唆し、探偵業を辞める決心をしたかのような展開。無冠(?)のベストセラー作家・内田康夫氏もこの作品を書き上げたあと脳梗塞で倒れられたとのことで、このあとの作品「孤道」が未完で続編は一般公募されている様子。作家デビュー作品から30年以上「内田作品ファン」の私は残念でならないのですが・・・「遺譜」は壮大な歴史の事件とドイツ、オーストリア、日本の抒情的な景色と浅見光彦のこれからとが上下の長編を一気に読ませてくれる内田先生の見事なストーリーテラーぶり・・・何度も読み直してしまいます。遺譜 浅見光彦最後の事件【上下 合本版】【電子書籍】[ 内田 康夫 ]
2017.09.28
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横浜・横須賀・会津・裏磐梯・高尾山編ですがなかなか面白かった。昨年の秋にテレビで放送された裏磐梯編を見て、裏磐梯に行きたくなっていたら、今年の7月に友人たちと行くことになって1泊2日の旅で出かけたのですが生憎の大雨で、タモリさんの行程は全然たどることができなかったので、本を買いました。本を読んで五色沼も塩温泉も次は絶対訪ねてみようと思っています。番組の視点、タモリさんの知識、案内人さんたちの情熱今までも旅行の本とは違う「旅の本」です。紹介されている場所にますます行ってみたくなります。裏磐梯だけでなく、知っているつもりの横浜も横須賀もタモリさんの視点から見ると本当に魅力的な街。DVDがついていたらもっとよかったのにと思うほどです。【送料無料】 ブラタモリ 8 横浜 横須賀 会津 会津磐梯山 高尾山 / NHKブラタモリ制作班 【本】
2017.07.26
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書名に惹かれて購入しのですが、読んでみてガッカリ。実例はほとんどなく(1例とか)、評論家(?)らしき人たちの意見ばかり。占い師としても、シナリオ勉強中の私としては、「宝くじ」運の良さをどう人生に繋げたか?「事故物件を借りた人」はどうなったか?「バックバッカー」のその後「留学に逃げた人」の人生って?知りたかったのにまだ最後まで読み終わっていないのですが、途中で読む気がなくなりました。知識人や評論家さんたちの意見でなくて現実が知りたかったのに・・・・(実例が少なすぎてガッカリです)タイトルや宣伝文句で買ってしまった結果・・・【新品】【本】宝くじで1億円当たった人の末路 鈴木信行/著
2017.07.23
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「私たちは田中角栄という未曽有の天才をアメリカという私たちの年来の支配者の策謀で失ってしまった」反田中であり角栄氏を批判していた石原慎太郎が一人称で田中角栄を書き、そのあと書きでそう述べている。近くの図書館で去年の3月に予約して10か月後にやっと借りることができた「天才」。政治が苦手なため、自分で買う気にならなかったが、なんとなく読みたかった本を、トランプ大統領就任の日に読み終わることができたのも、何かの因縁。「コンピューター付ダンブカー」と称された政治家。官僚出身の政治家とは違い、けた外れの実行力。中国との国交を復活させ、中東からの石油供給を推進して、アメリカの国益に危機感をもたせた政治家が「アメリカと言う支配者の虎の尾を踏みつけて、彼らの怒りを買い、虚構に満ちた検察や裁判で失脚させられた愛国心溢れた政治家、田中角栄」今、アメリカの国益を最優先する大統領の出現に、日本の国益のために、指導力と行動力を示してくれる政治家はいるだろうか?「今こそ田中角栄待望論」本を読み終わっても、政治家も、官僚も、司法でさえ(三権分立?)、大虎の意に逆らえずに、世論をあおって日本のために動いてくれる「実行力ある愛国心溢れる政治家」を闇に葬る流れに、割り切れない思いが残る。私自身、ロッキード問題が角栄つぶしの言いがかりと感じながら、あの当時は何もしなかったし、何もできなかった。60年前の丁酉の年、安倍総理の祖父岸総理の時に案ができた「日米安保条約」。2017年の丁酉にはどんな日米関係が構築されるか??中国や韓国と敵対している時ではないと言う思いがしてならない。
2017.01.20
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出羽三山の旅の広告を最近よく見かけます。宗教的な色合いも濃い修験者・山伏たちの修行の山という色合いの濃い三山も観光地として注目されてきたようで不思議でしたが、宗教心のあるとは思えない知人も「出羽三山に行ってきた」と言うのでビックリ!旅情ミステリー作品の多い内田康夫の作品はほとんど読んでいたはずですが、この本は見逃していました。相変わらずの永遠の33歳のルポライター浅見光彦の犯人に優しい旅情ミステリーですが、この本を読んで出羽三山がどんな山なのかを理解できました。いつも、単なるミステリーではなく、土地の歴史と情景と読み進みたくなるミステリーを組み合わせてくれる内田先生に感謝。黄泉の国とは羽黒山、そして、舞台は京都府の天橋立、伊根、そして鶴岡羽黒山(死者の入り口)・月山(死後の世界)・湯殿山(生まれ変わり)。三山にはそれぞれ修験者たちを泊める宿坊があり、その経営者たちもまた、その権利だけでなく、修行者たちを導く力を有していなければならないのか?世の中の事件は「色と欲」で利権と男女の情愛のもつれ、どんなに修行しても、人間の欲望は凡人と変わらないのでしょうか。犯罪者に優しい浅見光彦の解決の仕方に納得できない心残りはありますが、出羽三山の旅情を十分に楽しませてもらった小説でした。【楽天ブックスならいつでも送料無料】黄泉から来た女 [ 内田康夫 ]【はじめての方限定!一冊無料クーポンもれなくプレゼント】黄泉から来た女【電子書籍】[ 内田康夫 ]
2016.06.09
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何故1か月しか展示しないのかが不思議です。「生誕300年記念・若冲展」江戸時代の京都で趣味の絵画を、独学で才能を開花させた若冲。家業の青物問屋を弟に家督を譲って、絵を描くことに没頭したのは40歳。今回の展示作品の何点かの色鮮やかさは絵具などの画材が当時の最上質なものだったからなのでしょう。趣味を高じて名画を描いた当初は、若冲が経済的に恵まれて生活のために描いたわけではなかったようですが、相国寺に寄贈した初期の作品も本当に素晴らしい。実家のあった錦小路市場が悪奉行によって取り壊されそうになった時は錦市場を守るために絵を中断して代官と戦った実業家の顔がある。そして、大火事で焼けだされたあとからは、絵描きを生業にしたのでしょう?それでも、流派の閥が厳しい時代に独自の画風で大異能の画家伊藤若冲活躍した天才画家。今回の展示作品が宮内庁三の丸に保管されているものが多かった。海外の個人所有者の作品も多いとか?17日土砂降りの雨の中を3時間半も並んで1時間足らずしか鑑賞できなかったから、心残りでならないので、もう一度と思いながら、今日は4時間待ちとか?聞くと、とても再鑑賞に行く勇気が持てませんでした。時々、ランチ会を開く友人たちと、今回は「若冲を鑑賞してランチ」と企画を立てたものの、あれほどの混雑とは思ってもみませんでした。前日にメンバーの1人がコンビニで券を買ってくれたので、チケット購入に1時間半は節約できましたが、ランチの時間を延長してもらいながら、夕方には家に帰っていたい主婦たち、チケットが買ってなかったら見るのを断念したかもしれない。それほど、《カルチャー&ランチ》の一環で気楽な気持ちで出かけたものの、「見れて良かった」と心から思っている。
2016.05.21
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魅力ある男と女とはと探した時に、やはり一世を風靡した大スターの魅力が念頭に浮かびます。図書館で《原節子》《吉永小百合》を借りてきて読んでみると2人ともやはり大スターとしての魅力を備えていたと納得しました。人を引き付ける魅力はやはり《輝き》なのです。容姿端麗とか演技の旨さではなく《輝き》。2人とも貧しい家ではなく、中流家庭だけれど家族のために働く必要があったことが共通しています。《山口百恵》もたしか家族のために働きたかったから《スター誕生》にでたとのことですから、ハングリー精神があると、仕事に対する取り組み方が違いますね。私も子供のころラジオで聞いた「赤胴鈴之助」のヒロイン役の応募者は8千人と書いてありました。そのヒロインのライバルで千葉道場の娘(?)の小百合役を射止めた小百合さんはやはり目を引くオーラーがあったのでしょう。映画館で観た原節子さんの映画は「わが青春に悔いなし」だけでしたが、吉永小百合さんの映画は沢山見ました。日活映画が明るく楽しい作品を作っていた時代に彼女の輝きは映画館に足を運ぶ引力がありました。日本映画が2人の魅力を引き出す映画を作っていたころは確かに映画全盛のころでした。でも、人気の割合には雑誌などでは評論家と評する人々はけしてほめてはいませんでした。容姿も演技も・・・なんで批判するのだろうと思うような書き方をしていたことを覚えています。評論家は《スター》の輝きの価値が解らない人が多いのではないかと思うほどです。お2人ともスクリーン以外のところでは波乱万丈だったのですね。それでも、輝きを失わなかった。やはり《大スター》です。魅力ある女は《演技力でも八頭身美人でもなく、輝く目と、引き付けるオーラーと、生きる姿勢》にあるのではないかと思うのです。【楽天ブックスならいつでも送料無料】小百合ちゃん [ 中平まみ ]原節子あるがままに生きて
2016.05.15
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本日の日経に中村天風氏のDVDの紹介が大きく掲載されていた。中村天風氏の「成功の実現」を図書館に申し込んでから1年半もかかって借りることができ読み終わったのが昨年の10月。宇野千代さんが60歳過ぎて書けなくなった時に、人に勧められて天風にあって、それまで以上の名作を執筆できるようになった。 天風氏が亡くなって半世紀もたつのにも全国に「天風会」があるっていうことは、天風氏の教えを受けて、実践している方たちが多いからなのでしょう。 心身統一法の実践の場所が「天風会」なのでしょうか。 門下生として 東郷平八郎・山本五十六・尾崎行雄・双葉山など歴史的有名人が名前を連ねる。 宇野千代・広岡達朗・越後正一・稲盛和夫・松下幸之助など著名人の名前がづらりとあります。43歳までのあまりの数奇な運命。 少年時代から何度も命のやりとりを経験した天風氏が 九死に一生の生存率7%以下の国際スパイ時代に目や頭にも後遺症が残ったはずなのに、 30歳で奔馬性肺結核で医者からは死を宣告されたというのに・・・ 50代ではのどのガンで医者から手術を勧められたのに・・ 辻説法を生涯使命に選んだのに、話ができなくなる手術なんてまっぴらだと拒否して、 自ら産み出した「心身統一法」で克服してしまった教え。 死と背中合わせの仕事をしながら生を得た強運。 死病と言われた病を克服した心身統一法の極意。本を読むだけでは習得できなかった「心身統一法」はDVDなら習得できるでしょうか。下記は書籍?【楽天ブックスならいつでも送料無料】【コミック・書籍全巻セット】【10倍】中村天風成功哲学三部作(3巻セット) [ 中村天風 ]
2016.05.04
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マンガは苦手なのですが、娘がプレゼントしてくれました。シナリオ基礎コースを終えて今月から「本科」に進むと言ったら、「マンガやゲームのシナリオならニーズが多いって言っていたから、ゲームはやらないでしょうから、とりあえずマンガを勉強してみたら」とブックオフで購入。とりあえず1~29巻までで、まだ続くと言う。「30巻からは新刊並の値段だから新刊で買うわ」とのこと。ラジオの仕事で「百人一首」を取り上げていたせいかもしれないが、マンガになれない私がやっと1巻読み終わった時には娘は10巻まで読み終わっていた。「同僚の男性がマンガ家めざして勉強中なの」とのこと。シナリオセンターの先生もマンガやゲームのシナリオも需要が多いと言っていた。主人までも「会社の同僚の息子がマンガ作者として成功しているそうだ」なんて言う。ストーリーは(まだ一巻ですが・・・)主人公の小学6年生の綾瀬千早が転校生の綿谷新君に誘われて「かるた」に興味つ。文武両道、負けず嫌いの同級生の太一と3人で近所の「かるた会」に入門。抜群の記憶力、瞬発力、聴力が不可欠な「かるた」3人はさまざまな「かるた大会」に出場して腕を磨いていく。そんな3人が中学生になると、綿谷君が転校、太一は有名中学に進学して別れ別れになる。まだそこまでしか読んでないのですが・・・マンガの表現になれないので、みんな同じ顔に見えるし、名前が覚えられない・・・何時になったら読み終えるか・・・(今日は明日提出のシナリオ20枚書かなければいけないし)それにしても、ブックオフで私の古本は10冊で125円だったのにこの中古マンガは1万円近くかかったのかな(?) 【中古】【書籍・コミック 少女コミック】末次 由紀 ちはやふる 27巻【中古】afb
2015.11.09
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中村天風氏の「成功の実現」を読み終わった。43歳までのあまりの数奇な運命には驚かされた。少年時代から何度も命のやりとりを経験した天風氏が九死に一生の生存率7%以下の国際スパイ時代に目や頭にも後遺症が残ったはずなのに、30歳で奔馬性肺結核で医者からは死を宣告されたというのに・・・50代ではのどのガンで医者から手術を勧められたのに・・辻説法を生涯使命に選んだのに、話ができなくなる手術なんてまっぴらだと拒否して、自ら産み出した「心身統一法」で克服してしまう。本を読んだだけではその方法がわかりません。ただ、病気を意識しない、病気が治った気になれば「命そのものの力が体を生かしている」のはなんとなく納得します。天風氏が亡くなって47年もたつのにも全国に「天風会」があるっていうことは、本で読んだだけでは習得はむずかしい心身統一法の実践の場所が必要なのでしょう。門下生として東郷平八郎・山本五十六・尾崎行雄・双葉山など歴史的有名人が名前を連ねる。宇野千代・広岡達朗・越後正一・稲盛和夫・松下幸之助など著名人の名前がづらり死と背中合わせの仕事をしながら生を得た強運。死病と言われた病を克服した心身統一法の極意。本を読むだけではりかいできないけれど・・・【楽天ブックスならいつでも送料無料】【高額商品】【5倍】成功の実現 [ 中村天風 ]
2015.10.30
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日経新聞の朝刊に連載されている宮部みゆき作の「迷いの旅籠」は第2話になった。第1話は幼さの残る娘が話す「絵師が描いた絵の亡者が生霊となる話」でしたが、第2話の「仕出し屋・だるま屋」が「かき入れ時に仕出し屋を休業する理由」の不思議な話が始まった。「迷いの旅籠」は三島屋百物語「おそろし」「あんじゅう」「泣き童子(わらし)」の続編。 三島屋百物語とは 「 江戸は神田にある袋物屋「三島屋」に住む主(あるじ)の姪おちかが「黒白の間」で聞きとる、江戸市中の不思議な話。事始めの「おそろし」では、婚約者を幼馴染に殺されるというむごい出来事で、おちかは川崎の実家の旅籠から、親戚の神田の「袋物屋・三島屋」に行儀見習いで暮すことになった。 不幸な過去からか、三島屋の主の叔父夫婦の急用で客の相手をしたおちかに客は突然と誰にも話せなかった自分の怖い体験談を語りはじめた。 三島屋の主の伊兵衛はその話をおちかから聞くと、客が語る不思議な物語はおちかの慰めにも、自分たちの道楽にもなるのでは、と「三島屋では不思議な話を集めている」とうさわを流し、その仲介役に「口入屋」を頼んだ。 「おそろし」では5話。「あんじゅう」では4話。 「泣き童子」には6話。 宮部みゆきの江戸物語は見知らぬ世界なのに、読み手が江戸にタイムスリップできる。江戸には懐かしい文化がある。三島屋の袋物も想像してほしくなる。だるま屋のお弁当もとてもおいしそうだ。子供だって、手足が多少不自由だって、真面目に働く気がある者には仕事がある。だるま屋さんの話はどんな不思議物語なのだろう?この時代に世界で最も治安が良かった江戸。今日からNHKテレビの木曜時代劇では宮部みゆき作「ぼんくら第2話」が始まる。シナリオの勉強している私にとっては、最も映像化したい「ぼんくら」「日暮し」「おまえさん」登場人物のキャラクターがなんとも魅力的!私なら配役はと考えると楽しくなる。ストーリー展開だけでなく、江戸の粋な文化や魅力あふれる人々に会いに、宮部みゆきさんの江戸物語を読みすすめたい【楽天ブックスならいつでも送料無料】【KADOKAWA3倍】あんじゅう 三島屋変調百物語事続 [ 宮部みゆき ]。
2015.10.22
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去年の6月に図書館に申し込んでいた「中村天風・成功の実現」をやっと借りることができました。去年のクルーズ旅行で知り合った方から聞いたその本を近所の大宮図書館で予約した時は予約者100番目でした。書店で新書を購入したら1万円以上するので待つことにしたのですが、本当に1年以上かかりました。その間に「運命を拓く」「中村天風生きる手本」「成功へ導く言葉」など手ごろな価格のものを買って読んでいたので、「成功の実現」も内容がそれほど変わっていなくて、やはり「天風言葉集」でした。明治9年(1876年)に生まれて、明治・大正・昭和を激動の人生を送った中村天風氏。国際スパイ・銃殺刑からの生還・肺結核・故郷の日本で死のうと帰国途中でカイロでヨガ哲人カリアッパとの出会う・3年間修業・帰国後事業活動・43歳で地位や財産捨てて・辻説法(しだいに浸透して)・天風会設立、昭和42年(1968年)亡くなる。政財界に多くの支持者を持って、作家の宇野千代さんも17年も書けない大スランプを天風氏に合ってその説法を聞いてからはベストセラー作家になっている。算命学的にみてもかなり興味深い方。けして身強ではないのに43歳まで九死に一生を繰り返した運の強さは、後半の人生の為??彼が生かされた理由は「戦後の日本の復興に貢献する人々の精神力強化の役割のため?」肺に大きな空洞をかかえながら92歳まで精力的に活躍された。「人は宇宙の中の地球に生かされた小宇宙。役割を持って活かされている」の算命学の理論を実践されたかのような中村天風氏。「人間の驚くべき広大無辺の働きを持つ、心というものは、どんな場合であってもその心を用いて、人間そのものに与えられた、生命の本来の正しい義務を遂行するために、と言うのが造物主の目的」(天風語録から)宗教も占いも信じない天風氏が「若い時に死と紙一重に生きた自分が生かされた理由」を自分の体験から感じ取った言葉だと思います。【楽天ブックスならいつでも送料無料】【高額商品】【5倍】成功の実現 [ 中村天風 ]【楽天ブックスならいつでも送料無料】運命を拓く [ 中村天風 ]【楽天ブックスならいつでも送料無料】中村天風の生きる手本 [ 宇野千代 ]
2015.10.08
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映画「駆け込み女と駆け出し男」の原作を読んでみました。原作と映画のストーリーはかなりちがいます。江戸時代に夫と離縁したい妻は、鎌倉の東慶寺に駆け込んで、俗世間から離れて東慶寺で2年(24か月)過ごすことで離縁できる、粋な制度があった。妻たちが夫から逃げ出す理由はさまざまですが、15話、この本には篇おさまっています。主人公が東慶寺門前の御用宿の店主の親戚の医者修行しながら滑稽本作者の信次郎であるのは筋は映画と同じですが、満島ひかりの役も、戸田恵梨香の役も、かなり違う設定になっていました。鉄練り屋のおきんさんが信次郎とハッピーエンドで終わるシーンが良かったのですが・・・小説では「働き者の妻を働き手として失いたくない夫の身勝手さ」を懲らしめる内容にはなっていなかった。「八犬伝」風な読み物の作者(山崎努)も、庶民の娯楽や贅沢禁止の時代背景も映画では強調されていたけれど・・・本には描かれていなくて・・・・???離縁の理由は江戸時代も現代もさまざまですが、江戸時代に女に課せられた24か月の寺修行。それを覚悟で離縁をする女たちの覚悟。現代の離婚はどれほどの覚悟が必要とされるのか???ただ、ニュースでみえてくる現代の離婚による母子の事件の背景に想像される、夫側の身勝手さは江戸時代も現代も変わらないように思う。【楽天ブックスならいつでも送料無料】東慶寺花だより [ 井上ひさし ]
2015.07.26
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6月から日経新聞の朝刊に連載されている宮部みゆき作の「迷いの旅籠」は「三島屋百物語」の続編。この物語、「おそろし」「あんじゅう」「泣き童子(わらし)」は、日経を長く読んでいる中で初めての連載。三島屋百物語(江戸時代の話)はこんな物語「 江戸は神田にある袋物屋「三島屋」に住む主(あるじ)の姪おちかが「黒白の間」で聞きとる、江戸市中の不思議な話。事始めの「おそろし」では、婚約者を幼馴染に殺されるというむごい出来事で、おちかは川崎の実家の旅籠から、親戚の神田の「袋物屋・三島屋」に行儀見習いで暮すことになった。不幸な過去からか、三島屋の主の叔父夫婦の急用で客の相手をしたおちかに客は突然と誰にも話せなかった自分の怖い体験談を語りはじめた。 三島屋の主の伊兵衛はその話をおちかから聞くと、客が語る不思議な物語はおちかの慰めにも、自分たちの道楽にもなるのでは、と「三島屋では不思議な話を集めている」とうさわを流し、その仲介役に「口入屋」を頼んだ。「おそろし」では5話。「あんじゅう」では4話。 「泣き童子」には6話。奇妙な、不思議な、恐ろしい体験話がおさめられている。おちかが客の話を聞く「三島屋の奇妙な催し」に今日も客が訪れる。 千夜一夜物語のように、宮部みゆきの昔話の語り口は絶妙である。 怖い話の数々は現代にもあるはずの身近な話ばかり。連載スタートした、語り手はなんと幼い少女。 宮部みゆきの語り上手に引き込まれながら江戸時代にタイムスリップして恐ろし千夜一夜を楽しもうと思う。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】おそろし [ 宮部みゆき ]【楽天ブックスならいつでも送料無料】あんじゅう [ 宮部みゆき ]【楽天ブックスならいつでも送料無料】泣き童子 三島屋変調百物語参之続 [ 宮部みゆき ]
2015.06.05
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「我々は身体のうちに、それぞれ一頭の龍を飼っている。底知れない力を秘めた、不思議な形の龍を。」ずいぶん前に読んだ宮部みゆきの初期の作品である「龍が眠る」を再読した。人の心の言葉や記憶を読み取る力を持つサイキック少年・稲村慎司と出会った雑誌記者の高坂昭吾は彼の持つ能力に半信半疑の中で2つの事件に遭遇する。サイキックの能力を持つがゆえに苦悩する青年・織田直也と慎司。2人の能力を疑いながらも、高坂が遭遇した事件は2人の力で全様が明かされていく・・・ラスト近くサイキックを疑っていた高坂自身が2人のサイキックと「会話」ができた「我々は本当に、自分の中に一頭の龍を飼っているのかもしれない」「眠っていた龍を起こしてしまった人間は、龍を乗りこなさなければ、振り落とされてしまう」この小説は1991年の作品で翌年、日本推理作家協会賞を受賞。読後感私が宮部みゆき作品の大フアンになった初期の作品の一つで、改めて読んでも面白くていっきに読んでしまった。改めて宮部みゆきは天才だと思う。最初に読んだ頃はもしかしたら慎司のような人がいるかもしれないと思わせてくれる筆力に驚きながらも「サイキック」は架空の話だと思っていた。でも、今では慎司や直也のような能力を持つ人はいるだろうと思う。活躍できるまで生きているとしたら「龍を乗りこなす方法を身に着けた」からなのだと思う。最初に読んだときは自分が占いを信じたり、勉強したりするなんて思いもつかなかった。でも、今は、算命学を8年以上勉強して、自分なりの観る力を鍛えて、そして、観えてしまう力をもった人とも知り合った。昔は面白い作品とだけ思い、「今は宮部みゆきさんは超能力者?それとも身近にこういう人がいるのかもしれない?」と思ってしまった。【楽天ブックスならいつでも送料無料】龍は眠る [ 宮部みゆき ]
2015.03.26
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宮部みゆきは天才だと思っている私は以前は新書のハードカバーで買っていたが、今は文庫が出るまで待って買っている。もう20年以上だから本棚は彼女の作品がかなりのスペースをしめる。他の本は読み終わるとブックオフに持ち込むのに彼女の本は手放せない。新しいタイトルの文庫本を見つけて購入すると昔の本のリメイクだったりすることもあって、自分でも古いストーリー忘れていることがある。そんな、私にピッタリの本「宮部みゆき全小説ガイドブック」2011年までの作品が見事に紹介されている。再読したくなって本棚の蔵書を読み直して楽しんでいる。読みだしたら止まらなくなる作家に出会うことが少ない私にとって自分の蔵書の中から、再読したくなる本を見つける道しるべ。本の執筆者は多数14人。【中古】 宮部みゆき全小説ガイドブック 洋泉社MOOK/文学・エッセイ・詩集(その他) 【中古】afb私の本棚
2015.03.03
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女性初のイラストレーターとして60年代から「りぼん」「なかよし」の表紙を飾った田村セツコさんから「すてきなおばあさんのスタイルブック」をいただいた。去年、あるイベントのパーティでお会いした時に「占い」をして差し上げたことへのお礼とのこと。田村セツコさんは私たちの年代では憧れの存在なのです。「赤毛のアン」「足長おじさん」「星の王子さま」などの表紙や挿絵はステキで夢があって可愛いのです。エッセイ本を出したことは知りませんでした。私の占いでも、鋭い感性と器用さを持ち独創的でユニークな表現力に恵まれた方なので芸術家と生きる選択をされたのは宿命どおりなのです。イラストレーターとしても素晴らしいけれどエッセイストとしても素晴らしい表現力のある方なのですね。もくじをみると「おばあさんは魔法使い」もことば通りにたいていのおばあさんは魔法使いになれる気がします。「おばあさん(里子さん)のくらし」も本当にステキな暮らし方。「ステキな工夫」もいろんな生活の知恵が詰まっています。この本を読んで、銀製品の手入れの仕方が書いてあったので試してみると・・・本当にピカピカになりました(人生の知恵袋のおばあさんは魔法つかいです)宇野千代さんもエッセイで書いているように「60歳から才能の花が開く」のは本当それまで積み上げてきた蓄積が才能の花を開かせるのです。【新品】【2500円以上購入で送料無料】【新品】【本】【2500円以上購入で送料無料】すてきなおばあさんのスタイルブック 田村セツコ/著
2015.01.23
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人見知りではなく作者見知り(?)なのか、読書は作者で選んでしまう私にとって百田さんの作品は、今までは読みごたえがあったのですが、この作品を読み終えた感想は(幼児虐待の後遺症や多重人格など・・・心が痛む話で疲れた)の思いです。1人の人間には多面性があるかもしれないけれど・・・多重人格者を肯定する気にはなれない。「プリズム→光の屈折?」ストーリーは不妊治療中のミセス聡子がある富豪の家の小学生の家庭教師になって、その家の家族らしい男の秘密に興味を持っていく。まず、主人公の聡子に魅力を感じない。恋愛サスペンスのタイトルなのに、愛をも感じられない。今まで、素晴らしい男の生き方を描いて楽しませてくれた百田氏は女性や恋愛を描くこと苦手なのかもしれないと思ってしまった。生きることにも食べることに追われない現代は「精神と心」がクローズアップされるのか?「幼児虐待も多重人格者」も直視しなければいけない時代なのか?【楽天ブックスならいつでも送料無料】プリズム [ 百田尚樹 ]
2015.01.14
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10月16日からNHK木曜時代劇でスタートした「ぼんくら」私の大好きな宮部みゆきの江戸時代物だから、期待を込めてみたのですが・・・・やはり原作の方が何倍も素晴らしい。主人公の井筒平四郎はもう少し二枚目で品性のあるぼんくら同心のはず。後で書かれた「日暮らし」は同じ井筒平四郎が登場するこの「ぼんくら」の続編なのですが、 どちらも登場人物がとても良いのです。 一人一人がとても生き生きとしたキャラクターでイメージするのが楽しいのです。 江戸の下町を舞台に同心・井筒平四郎とその甥の美少年・弓之助の活躍で事件の謎解きが展開されるのですが、 捕り物帖でもなく推理小説というより「江戸人情風物詩」みたいな小説で、読み手も江戸にタイムスリップして、江戸の下町を体験できるような語りの上手さが魅力なのです。 鉄瓶長屋の住人が櫛の歯が抜けるように消えていく謎を追って物語は展開する。 若いが真面目なしっかり物の差配人の佐吉、人情厚い煮売屋のお徳、記憶力の天才おでこと魅力ある登場人物はタレントさんに当てはめてイメージしてみて楽しんでいたのですが、・・(新番組ではイメージとはかけ離れていました)井筒平四郎の奥さんと弓乃助が、まあまあイメージにちかいけれど・・・・他は本の「ぼんくら」の謎は大犯罪ではなかった?え!殺人でなかったの?あの謎解きはなんのため? そう「ぼんくら」は「日暮らし」の序曲だったのです。 「ぼんくら」で魅力溢れる「宮部みゆきお江戸体験へ」 そして「魅力溢れる登場人物に会おう」(本の方が魅力的です)【楽天ブックスならいつでも送料無料】ぼんくら(上) [ 宮部みゆき ] 【楽天ブックスならいつでも送料無料】ぼんくら(下) [ 宮部みゆき ]
2014.10.17
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朝ドラ「花子とアン」の原作で花子さんの孫にあたる方の著作。毎朝、楽しくみている「花子とアン」は中園ミホさんが脚本を書いて魅力あるストーリーになっていますが、やはり原作は花子の生活や同時代生きた女性たちがイキイキ詳しく描かれていて面白いですね。朝ドラに描ききれない、明治、大正、昭和を生き抜いた方たちのいろんなエピソードを興味深々で拝読しました。今から、あと2週間で朝ドラが終わってしまうことが残念でなりません。子だくさんの貧乏な家から給付生として高等教育を受け、学校の英文の原書を読みつくせるほどの英語力を身に着けた村岡花子さんがその力で大正、昭和の戦前、戦中、戦後の波乱万丈な時代を生き抜いたことに、教育の大切さや、生き抜く力は自分自身の力であることを教えられました。先に読んだ「白蓮れんれん(林真理子著)」も保存されている手紙を元に書かれた小説ですが、村岡えいじさんと花子さんの交わした手紙も参考になっているようで、モデルと手紙の存在が朝ドラ「花子とアン」をより魅力あるドラマにしているのですね「アンのゆりかご」には同時代に活躍されたいろんな女性有名人が登場します。最初に花子さんと出版社の大賞に選ばれた宇田川女史は吉屋信子さんでは?宇野千代さんは形にこだわらないおしゃれな女性と書かれていました。林芙美子・片山ひろ子・市川房枝さんなど時代を牽引された女性たちとも交流も書いてあありました。人間の運命は人との出会いや交流によって形作られるのだと再認識しました。やはり、村岡花子さんの偉業は「赤毛のアン」他、数々の外国文学を親しみやすい文章で翻訳してくれたこと・・・「赤毛のアン」をあんなにステキに翻訳してくれて本当にありがとう・・・と思いながら一気に読んでしまいました。【楽天ブックスならいつでも送料無料】アンのゆりかご [ 村岡恵理 ]
2014.09.12
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今朝NHKの「アサイチ」で「あなたの赤毛のアンとの出会い」を募集していたので、何度もFAXしたのですが、通話中(受信中)で送ることができませんでした。本日の「花子とアン」は主人公の花子が修和女学校の恩師から「グリーンゲイブルズのアン」をもらって、平和になったら日本の少女たちに翻訳本を読んでもらう約束をして別れた話でした。私の「赤毛のアン」との出会いは中学2年の時でした。そして、10代から60歳過ぎた今でも「赤毛のアン」が愛読書です。同年代の友人と旅行をしているときも、BSで「花子とアン」をみてから行動開始します。それだけみんながみているのです。花子の学生時代住んでいた寄宿舎を見たときには、友人が「私の大学時代の女子寮そっくりだ」と懐かしんでいました。友人もみんな「赤毛のアン」を読んでいて、日本ほど「赤毛のアン」のフアンが多いところはいないのではないかと思うほどです。きっと、それは翻訳者の村岡花子さんが「アン」に愛情をもって翻訳した「村岡花子の赤毛のアン」が日本人の心をとらえただと思うのです。 子供の頃に新潟の田舎町で育った私は、この本を読むまで自分の住む町を好きになれませんでした。「赤毛のアン」に出会って、☆自分の住む場所を愛する大切さを教わりました。☆自分が現実よりも夢見るタイプで想像力あるのはけして悪いことではないと安心しました。☆自分の夢は無理せずにいつか実現するだろうと願っていれば、叶うチャンスは訪れる。☆美味しいものや美しいものに対する感受性こそが人生を豊かにしてくれる。☆とにかく、楽しい物語で、笑う場面も多くて読んで幸せな気分になれる。今ある毎日の生活の中に「夢の実現」への道があることを教えてもらった本赤毛のアン-【電子書籍】。楽天で探しても村岡花子さんの訳本はなかなかみつかりません。私の本はもうボロボロになっているので、孫の読み聞かせに新しい本がほしいのですが・・・・中高年になって、生活の中で笑うことが少なくなった時に読み返してゲラゲラ笑って、久しぶりに笑ったと思ったことも度々でした。自称読書好きな私の愛読書は「赤毛のアン」。読んでいない方は是非、手にとって読んでみてほしいと思うのです。
2014.09.05
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朝ドラ「花子とアン」のせいか、本屋の店頭に積み上げられていた「白蓮れんれん」。朝ドラで花子の存在を脅かすほど強烈な仲間由紀恵さん演じる蓮子。本屋さんでも「村岡花子の生涯」よりもうず高く積まれていました。初版が出たのはもう20年も前だったようですが、「花子とアン」で注目度アップ。歴史上でも有名な「柳原白蓮の駆け落ち事件」が、ドラマで再現されたせいなんでしょう。もちろん私が読む気になったのも、昔の美女の駆け落ち事件が、ドラマのように展開したのかしら?と言う興味からです。林真理子さんが白蓮さんの家族から見せてもらった柳原白蓮と宮崎龍介の間に交わされた700通の書簡。2人の文通は出会いから結婚までのものだったせいか、この物語も宮崎龍介との結婚までが主で結婚後の生活はあっさりと書かれていました。愛のない最初の結婚。巨額な富を持つ炭鉱王との結婚では、夫の財力で贅沢三昧の派手な生活をする悪妻ぶり。世間や夫の目を盗んで、年下の帝大生との大胆な不倫。姦通罪があった時代に、夫への絶縁状を新聞に発表。悪女としか思えない白蓮が、愛する人との結婚では高齢にもかかわらず2人の子供を産んで、主婦として生きた(?)。82歳で亡くなるまで夫に大事にされた白蓮は「恋の勝利者(?)だったのか。それにしても、明治の女性たちの愛が大胆だったこと、身分の高い女性たちも不倫に生きがいを見出していたことを歴史上の女性たちの実名をあげて書いている・・・・この本は歴史小説。【楽天ブックスならいつでも送料無料】白蓮れんれん [ 林真理子 ]
2014.09.02
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宿命と運命を読み解く算命学を学んで、現実に悩める人の役に立ちたいと思いながら、力不足とアドバイスの言葉の選択に悩んでいた私にとって「運命の出会い」のような「天風語録集」「人間の力ではどうにもしようがない運命と言うのはそう沢山あるものではない」 「健康でも運命でも、それを乗り越えていくところに、生命の価値がある」 「運命だって、心の力が勝れば、運命は心の支配下になるんです」 日清戦争時に国際スパイとして捕まって銃殺刑の寸前で死を免れ、奔馬性結核(粟粒結核)で死を宣告されたりした中村三郎(天風)氏が強靭な心と体をつくって昭和43年92歳まで生き抜いた。そんな人の言葉だから人を動かす力がある。 最近、図書館で借りて「中村天風に関する本」を読みあさっています。 国際スパイとして生と死の極限を体験した人、肺病で死を覚悟した人だから、「心が健康も運命も支配する」体験談に説得力があります。「生命を支える宇宙エネルギーを、受け入れる態勢があるかどうか、なければどんな言葉も治療も漏れ出てしまう」 算命学で「宿命と運命」を読み解く技術を習得してきた私が、今、不運と病気に悩んでいる方への「運命改善の道筋」をアドバイスできる「言葉の宝庫」の本です。【楽天ブックスならいつでも送料無料】運命を拓く [ 中村天風 ]【楽天ブックスならいつでも送料無料】いまこそ中村天風に学ぶ [ 松本幸夫 ]
2014.06.27
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4月のクルーズで知り合った方が「中村天風の成功の実現を読んで感銘を受けた」とおっしゃっていたことを思い出してどんな本かと興味を持って調べてみると、なんと1万円以上する高価な本(9800円+消費税)なので、図書館に行って借りようと出向いたら、「今、99人の方が予約しています。1人2週間以上とすると、何年かかるかわかりませんが予約されますか?」と聞かれて100番目の予約者に登録してきました。とりあえず宇野千代さんの「中村天風の生きる手本(576円)」という本を楽天ブックスで買って読んだのですが、日本にヨガを広めた人で「天風会」の創設者、自分は重症の結核で死にかけて、故郷の日本で死ぬことを目指しての旅の途中で、偶然、カイロの宿で出会ったヨガの大家についてインドに行って習得した心身鍛練を学んで92歳まで生きた中村天風の語録を集めた本でした。宇野千代さん、棚沢青路さんと今まで、私が影響受けた方の理論は「中村天風さんの理論が根本にあったのだ」と思い当たりました。宇野千代さんも彼女の若い時の書いた物ではなく、彼女が天風さんの影響を受けてからのエッセイに私は大きな影響を受けて(前向きに行動する人間にならなければ)と自分の生き方を見なおしたのです。私が更年期の時に喘息になって苦しんだ時にその苦しみから救ってくれた「巖寿」の販売会社の社長も20代で大病して、その自分を救ってくれた「巖寿」で化粧品会社を起こした方ですが、話上手で講演名人のその方の話のはしはしに「天風語録」と同様なものがありました。(お2人とも中村天風さんの影響受けていたのかしら)と思ったりしています。算命学の本なら1万円以上でも購入するのですが、まだどんな内容の本なのか解らないので、買うかどうかは迷っています。図書館の予約の順番を待っていたら、忘れてしまいそうですし・・・【楽天ブックスならいつでも送料無料】【6/26 10:00迄ポイント5倍!要エントリー】成功の実現 [ 中村天風 ]【楽天ブックスならいつでも送料無料】中村天風の生きる手本 [ 宇野千代 ]
2014.06.20
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(男の友情って不思議。理解できない。)と、この本を読んで思いました。ただ、百田さんの本はどれもとっても面白くって、読み応えあります。もちろん、この本も例外ではありません。江戸時代の身分制度があった時代の地方の小さな藩の話です。ストーリー下士の家に生まれ、幼い日に目の前で父親を切り捨てられた勘一(後の名倉彰蔵)と 中士の家の次男に生まれ、剣も才も人並み外れて優れた磯貝彦四郎。2人は親友となった。しかし、藩の米の収穫を増やそうと努力した勘一が筆頭家老に上り詰めたのに反して、たぐいまれな文武両道の才能に恵まれた彦四郎は脱藩して、不遇の死を遂げる。ある日、勘一は自分の夢を達成できた影に、彦四郎の助けあったことを知って、愕然とする。感想この本は4月のクルーズ旅行の時に船の図書館にあったのを借りて読んだ。日本出港のダイヤモンド・プリンセス号は日本人の乗客のために沢山の本を揃えてくれていました。新しい本が多くて、私は終日クルーズの午前中はもっぱら読書。それでも、読みたい本を読むためには時間がたりませんでした。(主人は船主催のスポーツやカルチャーなどに出席)映画化の話もあるようですが(?)イメージは磯貝彦四郎は木村拓也か、福山雅治さんのような外見も素敵な男で、勘一は無骨そうで女性にはもてなそうな外見な男。不遇な境遇にもめげずに、高い志をもって自分を磨いた勘一。出世欲もない彦四郎は自分の才能を生かす場所がみつからないままに、勘一の夢に自分の才能の使い方を見つける。今回のクルーズでディナー席がご一緒だった80歳前後の女性2人は岩手県と東京と住まいも境遇も個性も別々。共通点は亡くなった旦那様が終戦時に海軍の特攻隊としての訓練を受けていて、寝食を共にしたのは4カ月だったが、その同期生の戦後に続いた深い友情が奥様達をも伴って続いていた事実。「影法師」の男の友情はそんな「国のために死を覚悟した日々を過ごした男の友情」にも共通するものを感じて、女には理解できないけど・・・憧れる・・・
2014.05.17
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この作者とこのタイトルにつられて買ったのですがまだ読み終えていない。明後日に迫った「ダイヤモンドプリンセスクルーズの旅」のお供に船の中で読むために購入した本。でも、ついつい何ページかを目を通して見て読みだしたら止まらない面白さを感じて本を閉じたところですが・・・・主人公の勤める会社の社長の話の中で田中角栄首相の話がでてきたのです。(社長が浪人時代父親のお伴で出かけた田中邸で大勢の中の1人として交わした一言を、2年後で再び出会った時に覚えていた並はずれた記憶力と人たらしの人柄)そう言えば最近「中国がアメリカを抜いて輸出大国」になったニュースがありました。世界の工場と言われる中国との国交を復活させたのは「角さん」でした。(何もしない政治家への批評は緩くて、何か改革する政治家を酷評する政治評論家やマスコミって・・・世の中をよくしようとしているとは思えない)新潟出身の私には☆コンピューター付きダンブカーと評された頭脳と実行力。☆天才的な人たらし(記憶力と気配り)で人望。と、政治家としての力は秀でた人「田中角栄」の印象なのです。田中角栄の人柄の話がでてきた冒頭。運命学をライフワークにと考えている私にとって見過ごせない題名です。昨日まで仕事をしていた私にとっての出発までの時間は旅の準備で忙しいのですが、読み進めないではいられない面白さ・・・・(最後まで続くかは??)【楽天ブックスなら送料無料】私という運命について [ 白石一文 ]ストーリーは1人の女性の29~40歳までの10年を描き、運命の不思議を鮮やかに映しだす小説。出発が迫った中での突然のコース変更で一緒に行く予定だった仲間が8人中6人もキャンセルしてしまったのでのんびりゆったりの船旅だと思って買った本でした。
2014.04.15
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愛読書は「赤毛のアン」です。10代から60過ぎた今でもずっと「赤毛のアン」が愛読書です。明日からNHKの朝のテレビ小説は「花子とアン」というのでとても楽しみです。世界中で日本ほど「赤毛のアン」フアンが多いところはいないのではないかと思うほど、アンのフアンは多いですね。きっと、それは翻訳者の村岡花子さんが「アン」に愛情をもって翻訳した「村岡花子の赤毛のアン」が日本人の心をとらえただと思うのです。今でも時々読むことがあるくらい何回も繰り返して読んでいる「赤毛のアン」。子供の頃に新潟の田舎町で育った私は、この本を読むまで自分の住む町を好きになれませんでした。田舎なのに工場町だったこともあって、住民たちも田舎と町が混ざっていて、私の両親も地元の人ではなかったせいかもしれません。「赤毛のアン」に出会って、☆自分の住む場所を愛する大切さを教わりました。☆自分が現実よりも夢見るタイプで想像力あるのはけして悪いことではないと安心しました。☆自分の夢は無理せずにいつか実現するだろうと願っていれば、叶うチャンスは訪れる。☆美味しいものや美しいものに対する感受性こそが人生を豊かにしてくれる。☆とにかく、楽しい物語。笑う場面も多くて読んで幸せな気分になれる。そんな、風に、今ある生活の中に「夢の実現」の原石がつまっていることを教えてもらった気がしました。中高年になって、生活の中で笑うことが少なくなった時に読み返してゲラゲラ笑って、久しぶりに笑ったと思ったことも度々でした。かなりいろんな本を読んできた私の愛読書は「赤毛のアン」読んでいない方は是非、手にとって読んでみてほしいと思うのです。新潮文庫 モ-4-44 赤毛のアン・シリーズ 4【1000円以上送料無料】アンの友達/モンゴメリ/村岡花子
2014.03.30
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本日の夜9時からフジテレビで放送されるのは、刑事局長の弟・浅見光彦が活躍する「旅情ミステリー「不等辺三角形」私は昨年読んだのですが、本のストーリーはこんな感じでした。名古屋の大富豪の別宅にあった古い仙台箪笥をめぐって起きた2つの殺人事件。永遠の33歳・浅見光彦が兄の旧友でもある大富豪に頼まれて捜査を開始する。 中国革命にも関わった中国要人の財宝のありかが書かれているのか? 仙台箪笥と古い屋敷、大富豪に長年仕える執事のような男たち、浅見光彦は宮城県~名古屋を行き来しながら警察と共に、犯人を追い詰めて行くのだが・・・内田作品の大半を読んでいる私にとっても、 物語の展開は旅情とミステリーと歴史との絡みあいが面白くて読み進むのですが、解決方法に裏切られる思いがしてならないのです。テレビの結末は原作と違うことがあるのですが、本日のテレビではどんな結末になるのか楽しみですが、本の結末は、大富豪の自分の財産に対する疎さが、実直な人間を犯罪に巻き込んでいたことを、知らせないままに終わっていて不満が残りましたが・・・・・ このミステリー小説は電子書籍でも売っています。【送料無料】不等辺三角形 [ 内田康夫 ]
2014.01.17
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安倍総理が靖国神社に参拝したことを批判する諸外国。それ以上に日本のマスコミが参拝を批判する。日本人が日本のために戦った人たちのために参拝することは、日本国の中でそんなに責められなければいけないことなのだろうか?太平洋戦争から68年以上経ったのに「日本が敗戦国」である事実を思い知らされる瞬間である。この小説は永遠の33歳、浅見光彦の旅と歴史のミステリーを書いて人気の内田康夫の著作で、浅見光彦が登場しないミステリーでもない作品である。電子図書で買って、旅の途中で読んだ作品がこの「靖国への帰還」。ストーリーは日本の各地で、アメリカ軍の空襲が街を焼きつくし破壊し、日本の敗戦が国民にも想像できた太平洋戦争の末期、軍部のトップによる無茶な作戦で、戦争中に若い男だったために召集され、特攻志願せざるを得なくなった男たちが死を覚悟して出撃する。誰も、死にたくはない、でも日本国の危機から、国を家族をまもるために死を覚悟せざるを得ない状況の中で合言葉は「靖国で会おう」なぜなら、墓に入れる骨などないはずだから。墓に入れてくれる身内の生死だって解らない。「国のために死んで、国民に祀ってもらえるなら」の覚悟で死んで行った人たち。その風潮をあおったのはマスコミで、洗脳された日本国民だったはず。26歳の武者滋もその1人だった。昭和20年5月25日、出撃して、敵軍のB29を追撃した武者だったが、手傷を負って、なんとか基地まで帰還しようと試みた。その途中、どういう宇宙のイタズラか、海岸線を越えたあたりで意識を無くしてしまって・・・甦ったのは現代・・・・・そんなストーリーだった。国を守るために「靖国で会おう」と敵軍に体当たりして死んで行った戦友たちは、繁栄する、今の日本では、その死さえ「無駄死に」としか評価されない。政治家たちが参拝すると諸外国から攻撃され、国民にさえ、批判される。「国のために死んで行っ同胞たちの死が報われない」武者の思いは??武者が甦ったのはなんのためだったのか?物語の途中で、当時の総理大臣が諸外国やマスコミへの懸念から「靖国参拝」を見送った話があった。あの総理大臣は1回目の安倍総理のような気がする?安倍総理は1回目で参拝を心ならず断念したことを無念に思っていたはず。最近、「永遠の0」の本を読んで、そして映画をみて「世論を煽り、国民を洗脳するのはマスコミ」と思えてならない。戦争を引き起こしたあの頃のトップは、無謀な作戦で多くの若者を死に追いやった軍の上層部は責任取ったのだろうか?インターネットが普及して、世界的な視野で物事を判断できる時代。日本はまだ、隣国のように情報規制が引かれていないと信じている。新聞やマスコミ、諸外国の批判に洗脳されてはいけない。情報に惑わされない自分の判断力を鍛えることを・・・心する。【送料無料】靖国への帰還 [ 内田康夫 ] 靖国への帰還-【電子書籍】
2013.12.27
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百人一首を詠んだ人たちの想いや人物像、詠まれた場所や背景を浮かび上がらせて行く本書はまさに千年も昔の歌人たちが生きいきとイメージできて楽しい。撰者の藤原定家になりきった「ボク」が選んだ理由を含めて、歌人たちをクローズアップしていく手法。毎週土曜日の朝8時からREDS WEVE 78・3FM(FM浦和)で私がDJを勤める番組「今、あなたに伝えたい」の番組内で今日、12月土曜日から特集している「百人一首」のトークのエピソードに使わせてもらっている。本日は読み人の中で最も美男美女と言われている小野小町と在原業平の歌とエピソードを紹介したのですが・・・この本に書かれているエピソードはその人となりが良く解ってありがたいのです。来週の14日は読み人の中でも、最ももてたと言われている和泉式部とその娘の小式部内侍。以前、ラジオの相棒に「舞台用の台本を書いて」と頼まれた時に、私はこの「和泉式部の恋物語」を題材にしました。ミセスでありながら時の親王兄弟に愛されて、彼らが亡くなってからも請われて再婚した和泉式部。興味深々な女性です。【送料無料】眠れないほどおもしろい百人一首 [ 板野博行 ]
2013.12.07
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プリントした写真にそこにいなかった人が写っている。それは心霊写真?廃業した写真館の古家を買って我が家にした花菱英一一家。その英一の元に、「心霊写真」が持ち込まれる。英一はその謎を熱心に解いていく、「人の想いとは、人の念力とは、そんな風な形で人に知らせるのか?想いは思いがけないところに現れる」「目に見えないものを信じない人に、目に見える方法で知らせるのが方法の一つが写真?」ごく普通に平凡に生きている人にも、心深く傷ついた痛みがある。宮部みゆきは少年が主人公だと生きいきと描く。宮部みゆきの描く作品は不思議な力がごく日常の生活の中に溶け込んでいて、少しも違和感を感じさせない。【送料無料】小暮写眞館(上) [ 宮部みゆき ]【送料無料】小暮写眞館(下) [ 宮部みゆき ]電子書籍で本を探してもなかなか読みたい本がみつからない。私は作者に拘る読者。
2013.11.03
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電子書籍はどこでも読めるので次々と本を買いたくなってしまうのですが、好きな作家の本がなかなか買えないのが残念です。直木賞で話題になった桜木紫乃著「ホテルローヤル」を購入して読んでみました。この本が普通の書籍だったら私はたぶん途中で読むのを辞めていたでしょう。直木賞って優れた大衆文学著者を発掘する賞だったと思うのですが、最近は新人でないベテラン作家も対象になっているようですが・・・・山崎豊子、宮部みゆき、五木寛之と今までの受賞者も読みごたえのある小説を書く人が多いこともあって、期待して購入したのですが・・・・読後感は何とも憂鬱な気分。北海道の釧路のラブホテルを舞台にした短編集なのですが・・・その暗いことと言ったら読んでいて辛くなります。「シャッターチャンス」でこのホテルが廃業したことがわかります。「本日開店」などは貧乏寺の妻は檀家を繋ぎとめるために体を提供し続ける・・・・「せんせぇ」ではホテルが廃業するきっかけになったのはこのせいなの?と哀しくむなしい物語。「星をみていた」働き者の主人公がなんでこんな辛い人生をおくるのか・・・収められている7話とも暗く陰気な物語。大衆小説のワクワクドキドキするストーリー、綿密な取材から創造された骨太の作品・・・直木賞作家のそんな作品を期待したのですが、場末のラブホテルを利用する明るくないカップルを覗き見たようで・・・どんよりと重たい気分が残りました。ホテルローヤル-【電子ブック版】
2013.10.05
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電子書のkoboを娘婿から頂いて、9月末までの1000円購入券がついていたので、この本を購入しました。まだまだ使い慣れないのですが、文庫本大の端末に沢山の書物を入れることができることが便利です。文字の大きさが選べるから眼鏡なしで(老眼鏡)どこでも読むことができます。百田尚樹さんの本を購入したいと思ったのですが、楽天では既讀の「永遠のゼロ」しか売っていなかったので、内田氏の未讀の本をさがしたところこの本に出会いました。ストーリーは永遠の33歳浅見光彦が活躍する歴史と旅の推理小説です。でも、冒頭がいきなり「古事記」の「国生み」の物語からはじまります。古事記に興味を持ち「古事記朗読のCD」まで作った私が今出会うべきして出会った小説のようで不思議な因縁を感じました。イザナギとイザナミが最初に作った淡路島が舞台です。淡路島にはイザナギとイザナミが御柱を回って結ばれる話から、今でもそんな結婚の儀式が残っていると、テレビでも紹介されていましたが、古事記でも「日本列島の始まりの島」とされているせいか、古代からのいろんな習慣が伝承されているのかもしれません。小説の連続殺人のなぞ解きは、淡路島と伊勢神宮と太陽の道と、まさに歴史と旅情が満喫できる、内田氏の得意とする物語で、またまた徹夜して読んでしまいました。
2013.09.28
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ゼロ戦・戦闘機のパイロット・特攻隊とどれをとっても苦手な話題ばかりなのに、先日読んだ「海賊と呼ばれた男」のデビュー作とのことで読んでみた。読み終わるまで何日もかかった前作に比べて、一気に読み終えた。自分でも意外なほど話にのめり込んでしまった。ストーリーは ゼロ戦闘機を作った堀越二郎もそれを操縦したパイロットたちも敵国を震撼させるほどの技術を持っていた。その日本人の優秀さを戦争のために消費した日本と言う国の愚かしさ。 26歳の孫が祖母の前夫で終戦の直前に死んだ、自分の本当の祖父のことを祖父の戦友たちに聞いてまわる話から 浮かびあがる祖父の人間性。戦争の愚かしさ。沢山の優秀な日本人を死においやった上層部がその責任を取らなかった事実。 80歳を越している祖父を知っている男たちは、主人公が訪ねるまで、家族にさえ戦争の話をしなかった。でも、死に直面した人間の人間をみる目の確かさと、60年経っても忘れない記憶力に圧倒される。 それにしても、ゼロ戦闘機の優秀さ、それを操縦していた主人公の祖父の優秀さを本当に知っていたのは、敵国の戦闘員たちだったということは悔しい。 【送料無料】永遠の0 [ 百田尚樹 ]この本を読んでから、宮崎駿監督の「風立つぬ」を観に行ってきました。私のようにこの本を読んで太平洋戦争の流れがわかった人は多いのではないでしょうか。優秀な日本人を無謀な作戦で殺した軍の上層部の人たちには責任を取らせない構造は、今の日本の政治の構造にも似ている。最も、嫌な男に思えたのは「主人公の姉の恋人」。マスコミ人によくある思い上がりを代表する思考と人間性。祖父を知る元特高隊の1人だった高山が彼に言う言葉「貴様は正義のつもりか。戦争を引き起こしたのは新聞社。戦後は国を愛することは罪であるかのように、売国奴的な文化人や政治家を生みだした」私も昔のことは知らないけれど、マスコミや文化人や政治家の売国奴的行為や、数々の大失敗の本当の責任者を追求しない流れに不信感が湧きでてしまう。
2013.09.08
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天降り(天下り)の語源でもある天孫降臨(てんそんこうりん)神話の地である高千穂を舞台にした、連続殺人の謎を名探偵・浅見光彦が解いていくお馴染のストーリー。今回のヒロインは美貌の天才ヴェイオリニスト本沢千恵子。光彦は警察庁の刑事局長の力をそれほどには頼らずに、神話の里に起きた時代を越えた麻薬がらみの難事件を解決していく。内田康夫作品はもう30年も前から愛読している。この作品は初刊が昭和61年なので、光彦は東京から宮崎への移動はフェリー(飛行機嫌いもあって)。もちろん携帯電話も持っていない。久しぶりに読みなおしたのは、古事記と深い関わりのある高千穂が舞台ということで、本棚から引っ張りだして読みなおしたのですが、古事記を読む前と後ではまったく違った印象なのです。以前は永遠の33歳浅見光彦が美しいヒロインのための旅情ミステリーで、景色の描写で旅を楽しみながらなぞ解きをしていくおもしろさを追いかけて読んでいたのですが、作者の古事記に対する深い知識と博学ぶりに驚きながら再読しました。浅見光彦の本職が「旅と歴史」のルポライターであることがうなづけます。つい先日、テレビで「神話の里・高千穂」を紹介していましたが、27年前に書かれたこの物語の描写と変わらない風景や行事が映し出されていました。高千穂には学生時代に一度行ったきりですので、また行ってみたくなりました。古事記を読む前と読んだあとでは高千穂に対する関心度がまったく違ってきますね。今年は6月に伊勢神宮へ出かけて、10月には出雲大社を旅行しますが、この本を読んで次は高千穂行こうと思います。引っ越しの度に本はかなり処分してきたのですが、内田康夫作品は処分できないまま、多分、作品の9割方は本棚にあるはず。文庫まで待てない時期もありましたが、今はなるべく文庫が出るまで待って購入しています。【送料無料】高千穂伝説殺人事件 [ 内田康夫 ]
2013.08.25
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「おそろし」「あんじゅう」に続く三島屋百物語の続編。江戸は神田にある袋物屋「三島屋」に住む主(あるじ)の姪おちかが「黒白の間」で聞きとる、江戸市中の不思議な話。「泣き童子」には奇妙な、不思議な、恐ろしい体験話が6話おさめられている。婚約者を幼馴染に殺されるという哀しく恐ろしい体験をした姪の気持ちを癒すために、叔父の伊兵衛が考えた「三島屋の奇妙な催し」に今日も客が訪れる。千夜一夜物語のように、宮部みゆきの昔話の語り口は絶妙である。怖い話「泣き童子」は現代にもあるはずの身近な話。「小雪舞う日の怪談語り」の中に疱瘡のあとあるおちかの連れを笑う意地悪な母娘に怖い話をしてくれた「病が見える目」の話し手は痛快。宮部みゆきの語り上手に引き込まれながら読み終えた。【送料無料】泣き童子 [ 宮部みゆき ]
2013.07.25
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