●作品43 ヤン・ステーン《恋の病》
1660年頃 メトロポリタン美術館、ニューヨーク
この作品は、鑑賞者に若い女性の病の性質を伝えるためのヒントが数多く組み込まれています。たとえばドアの上にはクピドのシルエットが見えますが、クピドは娘に向かって「愛の矢」を射ようとしています。また奥の方では、つがいの犬が入口で交尾しています。
●作品44 ヤン・ステーン《女将と戯れる老人とバックギャモンに興じる
ふたりの男のいる酒場の室内、通称「二種類の遊び」》
1660-79年頃 アムステルダム国立美術館
酒場にいる人々が生き生きと描かれています。大きな暖炉の正面でバックギャモンに興じているふたりの男。そのうちひとりは動揺しており、上着とシャツを緩めて、つい先ほどまで座っていた腰掛けをひっくり返して立ち上がったようです。このゲームの行方を見守る男や女給仕を触ってたしなめられている老人など。この宿屋ではみな快楽に溺れて、道徳心はすっかり忘れ去られています。
【ヤン・ステーン】
ステーンはさまざまな主題を扱いましたが、焦点があてられるトピックは限られています。それは家庭生活と青少年の教育であり、恋愛の愚かしさ、そしてさまざまな誘惑─飲酒、金銭の浪費、怒りや欲望に自制心を失う人々の姿です
(別の紹介文)
◆ヤン・ステーン(1626-1679)
1626年にライデンで穀物業、ビール醸造業を営む家に生まれ、ユトレヒトとハールレムで学んだことが知られています。1640年代後半にライデン出身の風景画家ヤン・ファン・ホイエンに師事し、1648年にライデンの聖ルカ組合の創立者の一人となりました。1656年には各地を転々としています。家族の度重なる死のあと、ステーンはライデンに戻り画家としての活動をつづけ、1679年に53歳で亡くなりました。ユーモアに満ちた愉快な風俗画で知られますが、肖像画、風景画、歴史画も描いていました。彼の作品には、社会に対する鋭くウィットに富んだ批評性があり、彼が当時の喜劇、大衆文学、そしてネーデルラントの古今の芸術を深く理解していたことを示しています。
(続きます)
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