ワルディーの京都案内

ワルディーの京都案内

2017/03/16
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テーマ: 京都。(6076)
カテゴリ: 常駐ガイド
2017年 3月16日(木)】

 養徳院第16日目の勤務です。「京の冬の旅」は3月18日(土)が最終日。私の勤務は今日が最終日です。「京の冬の旅」は、もっと長くてもいいのに、何故この時期に終わってしまうのでしょう。3月下旬以降は、「暑さ寒さも彼岸まで」というように、気候もよくなるし、春休みになるし、少しすれば桜の季節。宣伝しなくても、あるいは何か企画しなくても、お客様は来ていただけます。京都の強みです。しかし、寒い冬、暑い夏は、さすがの京都も人出が少なくなります。それで「京の冬の旅」、「夏の旅」が企画されているわけです。「東山花灯路」、「嵐山花灯路」、「京の七夕」しかりです。

 まだまだ寒い一日でした。最終日が迫っているせいか、平日にしては多いお客様の数でした。今日の私の担当は受付。受付は3回目です。受付は2回経験していて、2回目は落ち着いて短時間でできました。

 今日も問題なくできると思ったのですが、事前の締めで、計算が合わない部分があり、時間を多く使ってしまいました。反省です。有終の美を飾れなかったのが残念です。

 受付をしていて、ご朱印のところに座っておられる副住職と色々お話することもあり、お寺を継ぐことについて、若いころどう考えていたかといようなこともお聞きすることができました。意外だなと思う部分、驚いた部分もあり、ご紹介申し上げたいところですが、プライバシーに配慮して控えます。


 前回、室中の間、寺宝「鉄庵道生賛山水画」、「鑑真和上請来鉄鉢」、「曽我直庵白と黒の鷹図」の説明をしました( こちら )。

 引き続き、お庭の案内をします。

 お庭は、 苔の枯山水 です。妙心寺は北山の山裾に位置しており、この養徳院も緩やかな傾斜面に建っています。そのため、普通の目線より高い目線でお庭をご覧いただくことができます。苔の枯山水のお庭です。名前は特にありません。誰か高名な作庭家が作ったものではなく、この養徳院のご住職が、天塩に掛けて整備されてきたお庭です。

 真ん中やや右に背の高い灯籠があります。宝珠の部分が長く、花が咲いたようになっているのと、笠の部分も長いのが特徴で、 変形春日燈籠 と呼ばれる形です。




 左手奥には 十三重の石塔 があります。栃木県の那須から移築したものです。近くまで寄っていただくと、背が高いということが実感いただけると思います。上の相輪の部分が食パンの のようなもので取り囲まれています。十三重の石塔としては珍しいかたちです。台座の部分に石仏が彫られています。四方に彫られた 「四方仏」 で、東に 薬師如来 、西に 阿弥陀如来 、南に 釈迦如来 、北に 弥勒菩薩 が彫られています。優しいお顔をされており、養徳院のご朱印の一つにも描かれています。








 お庭には、赤松、黒松、楓の他、右の方に 台杉 があります。中央やや右に地を這うような枝ぶりの木は 「フジ」 です。藤棚にぶら下がっているのを鑑賞することが多いですが、このような寺院のお庭ですと、景色を隠すことになるので、意識的に地を這うような剪定がされています。滝が流れ落ちるような咲き方になるとのことです。

 その他、「冬の旅」が始まった当初は、千両、万両の赤い実がご覧いただけました。クチナシの実もご覧いただけます。そして今は、梅の花が満開です。




 庭の南の塀の向こう側は墓地になっています。その入り口を入ってすぐ左側には石河家の墓所がございます。その近くの桜の木は、円山公園の有名な 「祇園枝垂れ桜」 の孫桜です。6年前に12年物の苗木を植えて育てられています。咲いたときの写真が廊下の上に掛けられています。

 このことは説明しませんが、石河家墓所の左側奥には、性被害者の引き揚げ女性に「人道中絶手術」を施した 秦禎三 (1912-2001)医師を顕彰する石碑が平成14年に養徳院・ 横江桃国 ご住職によって建立されました。「戦争がもたらした悲劇の史実とい故人の勇気を後世に伝え、二度と戦争を繰り返さない誓いを深めたい」と願われています。

 また墓所左隣には、 衛藤(えとう)正治 という税理士の方が奉納された秦先生を讃えるために建てられた小屋があります。

中央:石河家墓所、右:枝垂れ桜(祇園枝垂れ桜の孫)、左:衛藤正治氏奉納の小屋(秦先生を讃える)

http://shukatsu.nifty.com/haka/kyoto/kyotoshiukyoku/haka001309/


 あと庭で目を惹くのは、白い木肌の サルスベリ の木です。なかなかこれほど立派な枝ぶりのサルスベリを見ることはありません。樹齢350年くらいとのことです。白い花が咲くとのことです。その下の灯籠がカワイイ形をしています。そのそばに、 「思いのまま」 という品種の梅が咲いています。一つの花の中に、白とピンクの花びらが混在している珍しいものですが、残念ながら、そうなっているのはこの頃は一つくらいしかないようです。






 お庭は受付を出て、右のほうに回っていただくと出ることができます。 


 以上が、一通りの説明内容ですが、実際の説明では、込み具合に応じて、説明内容は取捨選択しています。


 これで延べ16日間の養徳院勤務が終わりました。うち12日間が説明員、3日間が受付、1日が当日責任者でした。これに加え、無報酬ですが、事前説明会が1日、受付の指導が1日ありました。説明は最初は緊張しましたが、次第に慣れ、すぐに上手く説明できるようになりました。団体客対応のコツも理解できました。公開が初めての寺院ですが、養徳院全体責任者の方が説明用の資料や補足資料をこまめに作成してくださり、とても助かりました。途中で新たに分かったことも資料として付け加えてくださり、説明の深みを増すことができました。他の方が全体責任者だったら、こうはいかなかったと思います。深謝です。

 寒さが堪え、久しぶりにシモヤケもできました。先輩方に色々ご指導をいただき、なるほどと思ったことも多かったです。立ち位置が悪く、監視が疎かになっていたこと、混み具合で必要に応じ説明の長さを変えること、漢字の読み間違いなどなど。でも、中にはご自分の狭い価値観だけで指導される場合もあります。先輩方に敬意を払うことは大切ですが、自分自身が是々非々をしっかり持っておくことが大切なことを改めて実感しました。

 当日責任者、受付も経験させてもらって一通り理解できました。受付について3度経験させていただいたにもい拘わらず、最後も集計に手間取ったのが唯一の反省事項です。


(内容再考版。原文は非公開日記に移動済み。) 



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最終更新日  2019/05/27 05:31:06 PM
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