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今、農家の振興に手を打つべき時
私はずーっと東京で働いてきましたが。
2000年から神奈川県の真鶴・小田原のみかん栽培にかかわるようになりました。
だいたい週の半分を、遠距離農夫で小田原のみかん園に通っているんです。
みかん栽培の様子は、2008年からこのブログで発信してきました。
最近、みかんの手入れについて、歳の限界を感じて、
このままでは、みかん園の将来はどうなるのだろうか、
「われ亡きあとには、洪水来れ」と、
やけっぱちにならざるをえなかったんですが。
ちょっと、「しんぶん赤旗」11月15日付をみて、気持ちを持ち直しました。
みかん作業に出かけた間に、家にたまっていた新聞を読んでいたんですが。
それを読み直して、問題の今の焦点はここからか、と思ったんです。
というのは、疲れていると新聞に一応はめをとおすんですが、
だいたい、氷の上を滑るようなものなんです。
しかし、今回の小田原のみかん園行きには、二つの出来事がありました。
ひとつは、50年余まえの小田原の高校の同期会です。
もう一つはみかん園の園主二人との懇談でした。
ともに、私などの焦点だったのは、小田原の地場の名産の一つ「みかん」です。
私などは74歳で、体力の限界を感じだしているんですが、それを許してはくれない。
小田原・石垣山のみかん園では、80歳代の人がみかん園を担っているんです。
74歳なんてのは、まったくの青年部の部類で、若造なんです。
高齢者のみかん園の手入れというのは、歳相応に縮小せざるを得ないじゃないですか。
私などが手入れしている畑は、耕作放棄地になりかけたみかん園の援農なんです。
そのサポートに限界を感じていた時でしたから、
50余年ぶりの同期会では、小田原に縁のある有識者として何とかできないかと、吠えたんです。
翌日の夜にあった園主さんとの懇談会では、この先のみかん園をどうするのか、問うたんです。
もちろん、だれもそれに答えれるような人は、ありません。
でもその現実を、私としては問わざるを得ないんです。
そんな時の、この「しんぶん赤旗」でした。
二つ問題を提起してます。
1、食料自給率現状の38%を50%に回復で、共産・立憲・国民・社民・れいわが、ともにしている。
2、農業者の生活を保障する直接支払い制度でも、共産・立憲・国民・社民・れいわが提案している。
今回の総選挙の結果は、それぞれの党が、メンツを越えて、農家の要求にたって力を合わせれば、それが実現しうる可能性を現実に持っている、との指摘です。
これには、農民運動全国連合会の会長の長谷川敏郎氏がコメントを寄せています。
「農家は高齢化とともに、5年先10年先の耕作が見通せず、計画を具体化できないと行き詰まっている。2030年には農地はさらに100万ヘクタール近く減るとの予想もあります。農業生産の現場は崩壊しつつあります」と。ようするに、政治の無策は国を亡ぼすところに来ている、と。この現実を見よ、と。
「新規就農対策に真剣に取り組むことがもとめられている」と。
私などのみかん園で日々体験している様子と、まったく共通です。
農業の後継者というのは、生活保障が必要ですし、すぐには技能がマスターできるわけでなく、農地は一年でも放置すれば雑草で荒廃して、それを回復するには容易なことではないんです。
率直に言って、赤旗の記事は、今の大切な指摘なんだれど、現実問題としてはあまい。
そこには、長年蹴飛ばされ続けてきた農家のあきらめがあります。
1年半前に亡くなったみかん園の園主ですが、酔うとくり返しはなしてました。
「TPPでは、アメリカなどからの農産物の自由化反対・日本農業をまもれの課題で、全農業者は日本武道館で集会を開いた。自民党も多くが参加した。しかし日米政府はそれをねじ伏せた。こんなおかしいことはない」と、日本政治の不条理を嘆いていました。
しかし、その有識者はあの世に行っちゃって、にわか農夫の私などが残された。
そして今回の自民・公明の与党の過半数割れです。
この機会に、一刻もはやく、農家と科学の有識者の声が、社会の表にでてこれるような、そうした事態をつくらなければならないと思います。
ひどい政治を押しつけてきた政治家は、政権は、この選挙で少数となったんです。
公明に加えて、さらに助け舟をしたがる政治家・政党も出てくるかもしれません、
しかし、主権者の国民の声を否定する政治家は、今回同様に見捨てられるんです。
農家のひとたちが求めていた政治が、ようやく表に出てくる、そうした時です。
そのためには、農家は草取りしているだけではだめです、
みんなで議論もして、自分たちが求めている方向をつくるために、
政治家の多数を集めるべき時です。
赤旗のこの記事は、そうした大道・正道を示してくれていると思いました。
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