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前回記事に引き続き、今年サン・ガーデンに飛来した蝶を紹介したいと思います。ナガサキアゲハ開張90-120mmの大型種で、元来九州から山口県の分布にとどまっていたが温暖化に伴い北上し2000年代に入り中部、関東地方でも確認されている。飛ぶ時にあまり羽ばたかず、後翅に尾がないため容易に判別できる。 ミカン科の植物を食草としている。モンシロチョウ 日本全土に分布する開張40-50mmの中型種。名前の由来は黒い紋白い蝶という意味。キャベツなどアブラナ科の植物を食草としており飼育が容易なため小学校の理科の授業で活躍する。筆者の小学校では幼虫の飼育ブームが起こり、腐ったキャベツの葉が悪臭を発していたため3年生の教室で行われるはずの職員会議が中止になったことがある。アカボシゴマダラ奄美大島などに定着していた亜種は準絶滅危惧種とされているが、1998年に中国産のものが神奈川県に放蝶されて以来定着したものは要注意外来生物に指定されている。開張75-85mm。ニレ科のエノキ等に産卵するためオオムラサキなどの在来種との競合が懸念されている。 アオスジアゲハ本州以南に分布する開張65mmのクスノキ科の植物を食草とする大型種。普段は高速で高い位置を飛び回るが花に止まる時と地上の水を吸うときのみ低空飛行を行う。翅には印象的な青色の筋があり、その部分には鱗粉がない。前回記事と今回で今年庭に飛来した蝶を紹介しましたが、この他にも多くの種類が来ていました。また来年さらに多くの蝶が観察できるのを今からとても楽しみにしています。皆さんも珍しい蝶など確認されましたら是非ともご一報頂きたいものです。人気ブログランキング
2017.12.28
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ガーデニングを楽しんでいると様々な蝶を見かけることも多いと思います。庭を訪れる蝶には翅の色や形などに様々な特徴があり、それらを観察することも楽しみの一つだと思います。そこで今年見かけた蝶の一部を紹介したいと思います。(サン・ガーデンの記事はこちら)アゲハチョウ日本全土に分布する開張70-100mmの大型種。翅の鱗粉は黒と黄色を基調にして後翅の下部に赤点がある。ミカン科の植物に産卵し幼虫は若葉を食べて成長する。モンキチョウ日本全土に分布する開張50mmの中型種で、マメ科を食草とする。花に止まる時は翅を閉じる習性があり行儀が良い。翅の外側は黄色の鱗粉に白と黒の点があるが、前翅の内側には黒い帯がある。ジャコウアゲハ本州以南の低い山に分布する開張100-110mmの大型種で緩やかに空を舞い地面に降りることは稀。黒色で透き通った翅と特徴的な赤い腹部を持ち、香水の素材となる麝香(じゃこう)の香りがすると言われているが、実際に嗅ぐチャンスはあまりない。ウマノスズクサ科の植物を食草とする。ツマグロヒョウモン日本全土に分布する開張70mmの中型種で、スミレ科を食草とする。栽培スミレの普及と温暖化の影響により近年生息地を拡大している。幼虫はとげとげしい毛虫で食草を求めて地面を歩き回ることもあるが無毒なので見かけたときはお手柔らかにお願いします。クロアゲハ本州以南に分布する開張100-120mmの大型種で、ミカン科を食草とする。翅は全体的に黒い鱗粉で覆われ後翅に赤点がある。地面に降りて吸水することもある。普段は林の中など薄暗い場所で木の間を縫うように飛ぶが食事をしに明るみに出てくることもある。後編へ続きます。人気ブログランキング
2017.12.24
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今回紹介するのはワイルドフラワー・メドーと呼ばれる現在注目を集めている野生的なプランティング・スタイルです。写真を見てもらうとわかる通り草原のような見た目ですが、それもそのはずこのデザインは自然植生をもとにデザインされています。スイスの高山植生やアメリカのプレーリー、アフリカや中国の人の手が届かないようなエリアに残っている自然景観をもとに、その組成を分析、種子の発芽率の実験などを通して都市部での実用化がされるようになりました。イギリスのプランティング・デザイナーであるナイジェル・ダンネットはワイルドフラワー・メドーの第一人者として知られており、ロンドン・オリンピックパークを始め様々なプロジェクトを展開しています。適用の仕方はとても簡単で、一年草を中心としたシードミックスを地表に蒔き、レーキで満遍なく広げてあとは放任です。見た目の自然な美しさもそうですが、利点としては維持管理がとても簡単で、年に2回切り戻しを行うだけです。一度目の切り戻しは夏で、春咲きの植物群のピークが過ぎた時に行います。刈り戻しと言った方が適切かもしれませんが、全てをなぎ払い一旦更地に戻します。そうすることで秋咲きの種に日光が当たるようになり、再び芽吹いて秋にまた花を咲かせます。そしてまた冬に刈り戻しを行います。刈り戻した植物はその場にしばらく放置し種が地面に落ちるのを待った後、そこから取り去ります。そうすることで土地が痩せていくので、ある一種類が他の植物を駆逐してしまうことはなくなり、全体のバランスを保つことができます。多年草も用いられますが、ほとんどがこぼれ種で増える一年草や球根類で形成されているため、植え直しをする必要もほとんどありません。現在では様々なカラーコンビネーションや日照環境に合わせたシードミックスが開発されており、デザイン、用途ともに様々です。見た目の美しさと維持管理のしやすさから行政からは得に好まれていて、道路の中央分離帯にワイルドフラワー・メドーを用いたり、公園の芝生を一部ワイルドフラワーに置き換えたりすることはよくあります。(芝生は頻繁に刈り取らなければならず燃料費、機材、人件費などがかさむ。)また、一般家庭でも管理しづらい斜面や余った土地をワイルドフラワーに転換する人もいます。 また、ワイルドフラワー・メドーは蝶や蜂などに好まれ生物の住処を提供し、都市部に自然を呼び戻すことができるので、子供達の自然学習の場にもなります。今のところ日本の植生をもとにしたシードミックスは開発されていませんが、自然が豊かな場所に住まれている方や、登山やハイキングなどによく行かれる方は、そこにある植生を参考にして新たなスタイルを作り出すことができるかもしれません。人気ブログランキング
2017.12.24
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今日は前回紹介したポターズフィールド・パークにおけるオーナメンタル・グラスを紹介したいと思います。ここで使われているグラスは背丈も60cm - 80cmと小ぶりのもので、テクスチャーが細かく他の植物とマッチさせやすい品種ばかりです。ナチュラル・ガーデンを作りたい方はぜひ導入を検討していただきたいものです。ディスチャンプシア ・ゴールドタウディスチャンプシア・セスピトーサの園芸品種、ゴールドタウは背丈が60cm から80cmのコンパクトなオーナメンタル・グラスです。常緑種で日向から半日陰まで適応できるユーティリティ・プレーヤーであり、夏から秋にかけて多くの穂を立ち上げます。ディスチャンプシア・セスピトーサよりも小ぶりですが穂の数はより多く、夏から秋にかけて銀色から茶色がかった金色へと変化していきます。群生させると一面が霞みがかったような金色に染まり、幻想的な風景を作り出します。小型で姿形が整っていて、手間もかからず育てることができる非常に優秀な品種です。私は去年サン・ガーデンのデザイン中に販売元を探しましたが見つからず、断腸の思いで諦めました。しかし今年ついにいつもお世話になっているおぎはら植物園からデビューしました!これから買ってバンバン使うつもりなのでバナーは張りますが、みなさん購入はお控えください。グラス ディスチャンプシア ‘ゴールドタウ’.....冗談です。僕の分は無くなってもいいのでどんどん導入してください。セスレリア・オータムナリスこちらも常緑種で草丈は60cmほどです。コンパクトで姿形の整っていて細長い葉の作り出す細かなテクスチャーが特徴で、日向から半日陰まで様々なコンディションで活躍する汎用性の高いグラスです。オーナメンタル・グラスといえばパンパスグラスのように大型で目を引くものを思い浮かべる方もいるかと思いますが、こうした小型のグラスは景色の中に溶け込み全体としての統一感を生むために非常に重要な働きをしています。庭づくりでは花も大切ですが背景となる緑の部分にも凝っていきたいものです。ポターズフィールドのデザインでは、紫のサルビアは細かく繊細な花穂を持ち、そこにセスレリアとディスチャンプセアのどちらも細かな葉を持つ緑を組み合わせることで、テクスチャーを揃えて統一感を生んでいます。美術で言うところの余白の美といいますか、メインオブジェクトの配置も重要ですが余白(余緑?)の質を高めていくことも非常に重要なのです。残念ですがこちらを取り扱っている園芸店はまだ確認できておりません。モリニア・カエルレア・ムーアヘクセモリニア・ムーアヘクセは草丈約1mにの中型オーナメンタル・グラスです。日向から半日陰を好み、ムア「moor =湿原」の名が表すとおり湿地と草原の境目の水はけが良く潤った土壌を好みます。穂は紫から焦げ茶色に変化し、カラマグロスティス・アクティフローラのように垂直に整った形状をしています。宿根草の間に混植させることでナチュラルな雰囲気を醸し出すことができるほか、花色の違う二種類の品種の間にスクリーンのとして植えることでカラークラッシュを避けることもできます。こちらも残念ながらまだ取り扱っている園芸店を発見できておりません。しかしながら、こうした世界的に優秀な品種を紹介し、広めていくこともこのブログを立ち上げた一つの理由です。プランティング・デザインの発達は品種の発達に支えられています。より多くのより良い品種が流通することで、プロアマ問わず園芸界全体をレベルアップにつながると考えています。そのためには私のようなデザイナーと種苗業界の連携、そしてみなさんの応援がなによりも必要です。もしその活動に力を貸していただけるのであれば、下のボタンを一押しいただくか、記事をシェアしていただけるといずれ園芸界を大きく動かしていく力になると信じておりますし、これからの活動の励みになります。人気ブログランキング
2017.12.17
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今回は私の気に入っているプロジェクトの一つであるポターズフィールド・パークを紹介しようと思います。ポターズフィールドはロンドンのテムズ川の南岸、ロンドン市庁舎に隣接した公共庭園です。ロンドンブリッジの跳ね橋も付近にあり観光、経済、政治的に重要な位置にあります。この地にはかつてオランダから宗教的な迫害を受けた陶工(Potters)が多く移住していたためこのような名前が付いています。スコットランドのランドスケープアーキテクト Gross Max のデザインを基に以前の記事でも少し紹介した ピート・ウードルフが植栽をデザインを手がけました。ポターズフィールド・トラストという非営利組織が維持管理を行っています。敷地のサイズは52m x 120m。北から西側にかけて高木が立ち並び、朝から昼にかけて日を浴びる日向と木の根元の半日陰から構成されています。ピート・ウードルフのデザインの真骨頂は彼の卓越した植物の形態変化の理解にあります。もともとオランダで種苗業を営んでいた彼は、特別なデザイン教育を受けたわけではありませんが、植物一個一個の生態をつぶさに観察し、植物の構造をライフサイクルを通して理解を深めました。彼が突如出現するまでは、ガートルード・ジェキルのデザイン手法のように植栽を絵画に見立てカラーコンビネーションを考えてデザインする手法が主でした。しかし彼は芽吹きから開花そして種子をつけ枯れるまでの変化する形態を考慮しながら、時間とともに変化する植栽の造形的な変化をデザインするという離れ業を以て植栽計画を行っています。その結果が一枚目の写真と二枚目の写真に現れています。同じ場所を6月と8月に撮影したものですが、視覚的に見て全く別の表情を体現しています。夏の時点ではサルビアやセスレリアが空間を支配していますが晩夏にはオレガノやへレニウムといった植物へと主体がダイナミックに移り変わっています。視覚的には目立たなくなりましたがサルビアやセスレリアも生きて存在し続けています。植え替えを行わずに一年通して豊かな表情を見せてくれるのが彼のデザインなのです。一時期のみ良く見える「見頃」のある庭園ではなく、一年を通して高いパフォーマンスを維持していてすべての植物が共存しています。植物毎のライフサイクルを理解し、与えられた環境での最良のコンビネーションを導き出すために長年試行錯誤を続けた彼ならではのデザインと言えます。彼から学ぶべきことはとても多く、彼のプランティング・デザインに対する情熱は70歳とは思えないすさまじいものがあります。私の尊敬するデザイナーの一人です。人気ブログランキング
2017.12.17
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ドイツのブレーメン近郊にあるナーセリーにプロジェクトに使う樹木の選定に訪れています。先日日曜から雪が降り積もっていていい感じにクリスマス感が出ています。このナーセリーには何千本もの木がサイズごとに整理されて植わっており、すべてのフィールドが街全体に広がっています。フィールド間の移動は車で行います。現地スタッフの方は樹木の種類とフィールドの位置を熟知しており、効率良く案内していただいたおかげで限られた時間内で多くの木を選定することができました。冬のこの時期は落葉樹の葉が落ちているため、木の骨格を見ることができます。樹形や枝ぶりもほぼ均一になっており、微妙な違いを見つつ一番良いものを選定しました。
2017.12.13
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最初のプラン作成から何度かの見直しを経ていよいよ実際に植え込んでいく作業へと移ります。デザイナーの仕事はここまでで、ここから仕事の中心はガーデナーへと移っていきます。4月の写真です。気温が少しずつ上がってきて苗が育ち始めました。サルビア・カラドンナはすでに咲き始めています。6月下旬、エキナセア・パラドクサが咲いています。エキナセアの原種というだけあって、成長が早いです。隣のエキナセア・グリーンジュエルはゆっくりと株を充実させてきています。7月上旬、アガスターシェ・ブラックアダーとペロフスキア・アトリプリキフォリアが咲いています。ペロフスキアの明るい紫とアガスターシェの濃い紫の微妙なコントラストを生みながら、繊細なテクスチャーの花穂同士を組み合わせることで統一感を出す狙いがあります。こちらも7月下旬。エキナセア背後に咲いているのはバーベナ・ボナリエンシスで、背丈は1.2mくらいですが枝葉が細く透視性が高いため圧迫感なく風景に溶け込んでいます。花期も長く丈夫な優良種です。エキナセアのピンクとは抜群のコンビネーションだと思います。8月になるとエキノップス・ブルーグローが咲きます。球型の青花を多く咲かせています。植えたものの中にはうまく育たなかったものもありましたが、多くは環境に適合してしっかり育ってきたと思います。今年の冬にもう一度プランや土づくりを見直して、また来年に向けて準備を進めているところです。以上が今年一年の取り組みですが、少しでも皆様の参考になれば幸いです。今回の植物:アガスターシェ ‘ブラックアダー’ロシアンセージ ‘リトルスパイヤー’エキノプス‘ブルーグロー’バーベナ ボナリエンシス エキナセア ‘グリーンジュエル’人気ブログランキング
2017.12.10
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前回はイメージボードからプランティング・パレットの作成までをこれまた素早く見ていきました。絵画で言うところの、絵の具をそろえるところまで来たわけです。今回は絵の具を使って実際に絵を描いてゆく作業です。ではカンバスとなる敷地を見ていきましょう。敷地は南北に約28m、北端が東西に約17m、南端が約7mの幅を持っています。今回デザインしているのは上図のサンガーデンです。グーグルアースを使って測量しただけなので正確な寸法やレイアウトは分かりませんが、これで十分だと思います。ここに、既存の植物や庭石などを描き込んでいきます。Cはカレックス、Pはロシアンセージ、Phはフォロミウム、Laはラベンダー、Roはローズマリーです。黒斜線は庭石でその他にバラやサルスベリが植わっています。Xが付いているものは移植するバラたちです。これで準備は整いました。ここでプランティング・パレットに上がっていた植物を幾つか紹介しましょう。全体の構造を決めるのに最も重要なのが、「カラマグロスティス・カールフォースター」です。直立性が高く形が整っていて夏から秋にかけて黄金色の穂をたくさん立ち上げます。1.5mほどの高さになり、ウィンターガーデンの素材にもなるので長期間楽しむことができます。次に「ペニセタム・ルブラム」です。銅色の葉から赤色の穂を多く立ち上げます。庭にアクセントを加えるのに適していて、意外性のある選手です。装飾的な形状のため、様々な多年草と組み合わせることができます。「サルビア・カラドンナ」紫色の花穂を長期間に渡って立ち上げます。すっきりした形状とコンパクトな大きさで様々なタイプの庭で活躍してくれます。密度は4/m2で計算していて全体で5m2ほど植えるので、20本使います。「アキレア・テラコッタ」黄色からオレンジ色の花を傘状に立ち上げるコンパクトな品種です。上記「サルビア・カラドンナ」の紫とのコントラストは多用され、特に美しい組み合わせの一つです。鋸歯状の葉が地表近くを覆いますが、それほどボリュームはないので他の枝葉の茂る植物と組み合わせるのに適しています。密度は4/m2で計算していて植える面積は2m2なので、8本使います。高さ、色など様々な条件を考慮して配置を考えますが。基本的な順序は以下のようになります。ストラクチャー・プラントを配置する。常緑種、低木、高性種やグラスなど。多年草を配置する。一年草を配置する。球根を配置する。球根はすでに植え付け時期を過ぎているため今回は1と2のみですが、こうしてできたのが下図です。いろいろと書き込みがあり見づらいですが、カラマグロスティスやペニセタムを分散配置することで、植栽に高さを生み、その間を多年草で埋めていきます。植物の密度は1m2あたり4本で計算しています。(密度計算は植栽の完成度を左右する非常に重要な事項なので後々触れたいと思います。)この時点では平面図は確定していませんでしたが、次回から実際にどのような植栽になったのか見ていきたいと思います。サルビア ネモローサ ‘カラドンナ’アキレア ‘テラコッタ’パープルファウンテングラス人気ブログランキング
2017.12.09
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前回はイメージボードの作成までを手短に書きましたが、今日はイメージ昨日作ったイメージボードからプランティング・パレットを作成するまでの手順について書きたいと思います。まずは昨日のボードにあったプロジェクトですが、西アイルランドにあるウェスト・コークです。また別記事で取り上げたいと思いますが、Piet Oudolfのデザインで自然植生からインスピレーションを得てオーナメンタル・グラスや宿根草を用いながらデザインされています。色彩の設定まず色彩構成を見ていきましょう。手前には白色花があり中央付近に紫の花穂が見えます。その他ピンクやマゼンタ、オレンジ系統などがミックスされ、黄金色のグラスも散見されます。この中では紫とマゼンタが目を引きますし相性が良いのがわかります。今回はこの二つを基本に据えつつ、局所的に黄色系を混ぜていく方向でデザインしていくことにしました。基本色は三色ほどに抑えると統一性が出しやすいように思います。レイアウトこの画像一枚で見る限りはブロック・プランティングで構成されています。プランティングレイアウトの基本型もまた別記事で取り上げたいと思いますが、ブロック・プランティングその名の通り、単一種を数本の塊にして配置する手法です。同一品種の群生により視覚的なインパクトが最も高いレイアウトですが、一方で季節による変化をつけるのが難しく、また環境不適合種を選んでしまった場合全滅しやすいなどの欠点もあります。古くから用いられる配置法ではありますがハイリスク・ハイリターンの攻めのレイアウトと言えるでしょう。品種の分析ここからが一番のキモになります。色や配置は見た目からすぐに判断がつくと思いますが、品種の分析はある程度の知識と下調べが必要になってきます。まず中央の一群から見ていきましょう。紫色の花穂を立ち上げているのは「アガスターシェ・ブルーフォーチュン」です。大型のヒソップで美しく丈夫な品種で、花期も長くウィンターガーデンの素材として用いることもできます。その右隣にあるのは「ユーフォルビア・ファイアグロー」です。ユーフォルビアの中では珍しくオレンジ色の花を夏に咲かせる品種で落葉種です。その上部には多くの人がご存知かと思いますが「エキナセア・パーピュレア」が咲き始めています。その左にはピンクの果穂を立ち上げている「スタキス・ヒューメロ」が見えます。枝葉が密でフロント・ボーダーに適しています。ところどころに見える背の高いグラスは「スティパ・ギガンテア」です。2mほどの高さ見まで帆を立ち上げる大型種であり、単体でインパクトがあります。大型でありながら葉の部分は小さくまとまっているので、透視性が高く扱いやすい品種です。ここでは5種類にとどめますが、多くの品種をリストアップし、そこからコンセプトに合うように品種の絞り込みや入れ替えを行っていきます。こうして出来上がったのが下のプランティング・パレットです。次回はパレットをもとに実際にプランを作る過程を紹介していきます。エキナセア ‘ファタル アトラクション’アガスターシェ ブラックアダー 宿根草スタキス モニエリ人気ブログランキング
2017.12.08
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こんにちは。シードヘッドです。冬の現在、地球温暖化とはいえども寒風に吹かれている方も多いのではないかと存じます。2017年も終わりに近づく中で皆さんも今年の思い出を振り返り、各々ゆく年くる年のストーリーが出来上がってきている頃ではないでしょうか。そういうわけで今回は、今年一年とある辺鄙な田舎ので行なわれた植栽デザインの取り組みを振り返ってみようと思います。ちょうど去年の今頃、ランドスケープ・アーキテクトとして働き始めて一年が経過しました。実務で幾つかのプランティング・デザインに携わる機会があり、また一年を通して訪れた様々なプロジェクトから刺激を受けて、仕事の外でプランティング・デザインを実践に移していきたいと考えていました。とはいうものの、働き始めたばかりの若輩者ですからお金もなければ土地もない。誰かガーデニングが好きで土地がある人いたっけか?と考えていたところ、実家には土地がありガーデニング好きの人が住んでるな!ということですぐ親と交渉。「すごい庭にしたるで」と。「そんなうまくいくかいな。まあやってみ。」かなり懐疑心に満ちていましたが、「まあ見てろや。」という感じでスタートしました。論より証拠。信頼とは積み重ねるものですから、プライベートではあってもまずはいい仕事をするのみですね。敷地条件の整理植物は生き物なので環境が整っていなければ生きていくことはできません。したがって、植栽計画をするときは環境条件を査定する必要があります。日照南向き斜面で特に日照を遮るものはなく1日6時間以上のは日光を受けるので日向向きの植物を起用することになります。土壌土質はロームで傾斜地のため水はけが良く乾燥しやすく痩せている。気候関東地方で夏は30℃を超え、冬は氷点下になることもある。微気候サルスベリの木と2mほどのフォロミウム、日本庭園だった名残の庭石があるため局所的に半日陰になる。また、樹木や低木付近は水分が不足しやすい。以上を踏まえた上で、作りたい空間のイメージを固めていきます。デザイン・コンセプト環境条件を理解したところでコンセプトを固めていきます。ここでデザイン方向性をしっかり決めて、植物を選ぶときの選定基準にします。空間的な統一性を生むためにも非常に重要なプロセスです。具体的にすることはイメージボードを作成になります。今まで訪れた庭園を参照したりネットや書籍からインスピレーションを探していきます。環境条件の類似するプロジェクトを参考にすると良いと思います。これが実際のイメージボードです。15から20枚近くのイメージの中から最終的には4枚のイメージまで絞り込みました。色彩や季節の移り変わりなど、この中に多くの情報が凝縮されています。次回ではイメージボードから実際のデザインへ発展させていくプロセスについて書いていきたいと思います。人気ブログランキング
2017.12.07
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