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2005.11.04
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カテゴリ: 読書
リリー・フランキー、何者?
この本を手にするまで全く知りませんでした。
こちらにリリーさんのインタビューがありますよ。

http://books.rakuten.co.jp/RBOOKS/pickup/interview/lily_f/

イラスト、エッセイ、TVにも出ているの?
知っている人は、お顔も拝見しているのでしょうね。
しかし、リリー・フランキーってお名前には騙されましたけど(笑)

東京タワー

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

この「オカンとボクと、時々、オトン」が全てです。

丁寧に書かれた、いいお話です。
自伝的小説ですよね。

読む人がそれぞれに、自分がどんな風に生きてきたのか振り返る事でしょう。
また、この先の事を考えるかもしれない。
いろんな事を思い浮かべるだろうなと思う。
だから、この感想はごくごく個人的なことになるんじゃないかナ~。

~~~~~~~~

炭鉱の町での子供時代。
炭鉱の町が寂れていく様子を、子どもの視点で書かれている。
彼が見た様子だからね。
そこに「寂れていく炭鉱の町で町の人がブラスバンドで盛り上がる事もなく・・・」という文章があって、あ。あの映画ねと思い出した。
「ブラス!」だよね。
実はまだ見た事がなかったので、早速借りてきてしまった。

学生時代の自堕落な日々。
オカンからの仕送りを受けながら、オカンへの電話には真面目な学生を装いながら、実は一日布団に入りっぱなしだったり・・
自分が何をしたいのか、どうしたいのかさっぱりわからない、そんなもやもやとした日々。

そしてバブルの頃の東京での大学生活。
でも貧乏で借家を追い出されるそんな生活。

ここらへんの所は、実は自分の息子を思いながら読んでいた(笑)
もちろん、こんなに生活力?のある奴ではないんだけど、この無気力感などは息子も十分に味わっている様子なので・・・
たぶん、この学生時代の様子は、人によっては自分の若いころと重ねる人もいるのではないかと思う。
そう、こんな生活したよな~なんてね・・・・

そして、オカンとの東京での暮らし。
大人になった彼が、オカンを東京に呼び一緒に暮らすことになった。
若い人はみんなおなかがすいているというのが、オカンの信念。
彼の所に来る誰彼かまわず、おなかいっぱい食べさせようとするオカン。
彼がいなくてもオカンの周りにはいつも誰かが飯を食べている、そんな風景がとてもいい。

~~~~~~~~~

やはり誰もが恐れる「死」
そして誰もが経験するであろう親しい人の「死」
それに対して、彼が丁寧に丁寧に書いている。
自分の気持ち、闘病の様子。

どれくらいなにかをしてあげても足りないと思う。
何か、し忘れたのではないかと思う・・・
悔いが残る。

その気持ちがわかるのだ。

やはり私は自分の父の事を思い出した。
悔いは残る。
し忘れた事がたくさんある。
リリーさんに比べたら、何もしてあげなかったなあ~と。

そして、自分もオカンのように子どもに何かを残していかないとなあ・・・


日々の生活で忘れていた事を、思い出させてくれた「オカンとボクとオトン」だった。
そして、それは決して苦い想いではなく、ストンと気持ちを落ち着けさせてくれる物だった。















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最終更新日  2005.11.04 23:39:46
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