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手に余るものを持とうとする輩の気が知れない.持ちきれないもの,手から零れ落ちるものというのはそれを持とうとした者自身を傷つけるのだ.ただ奪い攫うだけの害虫は,いずれ滅びるだろう.彼らは自らの土台が何であるか考えもしないのだから.
2008.03.05
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十歳の頃と比べて私は卑怯になっただろうか? 狡くなっただろうか?私はそういう意味で十の頃より汚れたとは思わない.子どもに欠けているのは慈悲,憐れみ,共感能力だ.あの頃,私たちが大人を嫌い,汚いと感じたのはそれらの柔らかいものを彼らの内に見て取ったからだろう.河を流れるうちに角の取れた石を見て私たちが感じた嫌悪,恐怖.今の私が持つようになった同情と手加減は確かに不純で疎ましいものだ.時間という河を流れ,私たちは見る間に安全で扱いやすく醜いものになっていく.もはや触れるだけで何ものかを破ることが出来ない私たちは当たって砕けて一矢報いるしかない.綺麗な破片になって,生まれたときより小さくなって.
2008.03.04
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後ろなんて振り返らないほうが良い.立ち止まって確かめるたびに私の足跡は歪に折れ曲がるのだから.
2008.03.03
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そしていつかまた私がいなくなったら最初からいなかったことにしてそのとき存在している人たちが,より幸せになる.それは恐らく良いことだと想う.私は死ねば苦しまないし,悲しまないし,何も分からない.生きている人よりもずっと幸せな存在になってだから寛大な心で全てを許せると思う.存在していないのだから許すも何も無いのだけれど.たぶん,でも,これは,人が幽霊を信じるときと同じくらい薄っぺらくて優しくて温かい矛盾だ.
2008.03.02
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忘れてしまえば良いんだろう.違和感も気のせいだということにして不安定な心が作ったまやかしだということにして何もかも無かったことにして私が最初からこの人間だったようなふりをしてまた私さえも騙して憎しみも恨みも嫌悪も,過去の事実から無かったことにしてそうすれば今より幸せになれる気がする.憎んでいても誰も幸せにならないし今度は私があの子を消して誰も知らないのを良いことに私も加害者になって,かの加害者の行為を塗りつぶす.それがたぶん一番幸せで誰にとっても良いことになる……はず.
2008.03.01
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