全22件 (22件中 1-22件目)
1
始まりました!ハニーちゃん、相変わらず妖艶で情感たっぷり、まさに砂漠一の美女!でもお話は想像と全く違いました( ̄▽ ̄;)オホホホ~適当に紹介していまい失礼いたしましたさて漠风吟は9月29日から絶賛配信中です!VIP→初日1~6集で1話ずつ更新会員→初日1~4集で1話ずつ更新なお非会員は10月6日からとなります※詳しい配信予定やあらすじは公式HPで必ずご自身でご確認ください〓〓イントロダクション〓〓大漠では常に水が不足し、部族間では湧き水の奪い合いが絶えなかった争いが激化して淘汰されながら、時が流れ、雲沛・天都・麻随の3城が鼎立する弱小部族が大漠で生き残るためには部族一美しい娘を領主に献上しなければならなかったそんな中″大漠奇巻″という書物が現れ、再び部族間の均衡が崩れ始める″大漠奇巻″を手に入れた者が最高の資源を手に入れる…雲沛城主・那戦はこの書物を手に入れようと各部族との和親を決めたしかしこれが再び争いの火種となってしまうその頃、麻随で謀反が起こり、城主が弟に殺された父を失った九公主・格心薇は母と乳母と3人で脱出、わずかな護衛と共に天都へ逃げる城門で庇護を求める3人だったが、報告を聞いた北靖領主・霍擎雲が受け入れを拒否格心薇たちは矢の雨にさらされ、逃げようとした母の背中に矢が命中してしまう母は娘だけでも逃がそうと乳母と一緒に強引に馬に乗せ、雲沛へ行けと命じて絶命した一方、厄娜泣族の娜袖・皇北霜は和親のため雲沛に向かっていたしかし自由奔放な皇北霜は和親を嫌い、道中の野営からこっそり逃げ出してしまうすると広い砂漠で偶然にも皇北霜と格心薇が出会ったそこへ厄娜泣の侍衛が追いつき皇北霜は捕まるが、格心薇は一行が雲沛へ向かうと知って同行させてもらう雲沛に行きたくない皇北霜と雲沛へ行かねばならない格心薇利害関係が一致した2人は義姉妹の契りを交わし、名前と身分を交換することにした格心薇は皇北霜の護衛や侍女にここで去ることを許したが、皆がついて行くと決める翌朝、偽の皇北霜と偽の格心薇は互いの無事を祈りながら別れたしかし道中、大漠一の美女と言われる格心薇を探していた黄天狂の首領・若問が現れ、偽物とは知らずさらってしまう一方、皇北霜は道中、砂漠で動けなくなっている男を見つけた車の窓から顔を出した娘の美しさに息をのむ霍擎雲すると娘は親切にも水を分けてくれる霍擎雲は自分が追い払った娘とも知らず心を奪われ、皇北霜もまた母を死に追いやった敵だと知らずに男を助けたが…※中文のため正確性は限りなく低いのでご了承ください(^ꇴ^)現在6話まで視聴本編はハニーちゃんが雲沛へ辛くも到着した5話からでしょうか時々、不自然なカットがあって残念音声は言わずもがな…ですがそれを十二分に補うハニーちゃんの美しさよォォォォ~( ˶´꒳`˵ )あ、でもイールンはいつものイールンだった…いやどういう意味?wそしてすでに男主1も2も脱いでます←またいらぬ情報wハニーちゃんと女主2の話が並行して進んでいきますお目当てがハニーちゃんだったので女主2は″必殺!早送りの術″炸裂かと思われましたが、女主2のキャラが意外に面白いそんなわけでよく分からないながらも楽しんで視聴しています!
2024.09.30
コメント(0)
长相思 lost you forever第30話何者かの陣に閉じ込められ、襲撃された小夭(ショウヨウ)。梅の木から伸びた鞭に打たれたかと思うと急に静かになり、今度は獰猛な獣が現れた。小夭は護身用の短剣で獣と戦ったが、危機一髪のところで獣が消えてしまう。「出てきなさい!次は何?!どんな手を使うか見てやるわ!」そこへ見知らぬ男がやって来た。男は赤宸(セキシン)に一族を滅ぼされた沐斐(モクヒ)だった。沐斐は氏族の敵を討つため、赤宸の唯一の子である小夭を殺すという。「勘違いも甚だしい!赤宸は赤の他人よ!私の父は皓翎(コウレイ)王だもの!」しかし復讐に駆られた沐斐の耳に小夭の訴えは届かなかった。霊力の弱い小夭はなす術なく両手を縛られ吊し上げられた。沐斐はまず赤宸に滅ぼされた詹(セン)氏と晋(シン)氏のため暗器を放ち、小夭の血を捧げる。真っ白な雪の上に滴り落ちる鮮血、小夭は皓翎王が自分の父だと訴え続けたが、沐斐は聞く耳を持たなかった。「父さん、母さん、兄さん、義姉さん…どうか安らかに」すると無数の梅の花が暗器と化し、小夭の身体をめった刺しにして息の根を止めた。↓カメハメハ〜!(残酷な映像が苦手な方は次の動画を飛ばしてください)辰栄残党軍の陣営にいた相柳(ソウリュウ)は突然、激しい胸の痛みに襲われた。小夭の身に危険が迫っていると気づき、慌てて飛び出す相柳。同じ頃、政務中だった西炎瑲玹(セイエンソウゲン)はふいに胸騒ぎを覚え、思わずうなだれた。「父が戦死した時と全く同じだ…」瑲玹は暗衛を呼び、直ちに小夭を迎えに行くよう命じた。「私も行く!」一方、青丘でも塗山璟(トザンケイ)が小夭の異変に気づいていた。それは病み上がりの祖母に薬湯を届けていた時のこと。肌身離さず持っていた玟小六(ビンショウロク)お手製の香袋が落ちてしまう。瑲玹たちが梅林に到着すると、ちょうど辰栄馨悦(シンエイソウエツ)が令嬢たちと王姫を探しているところだった。ともかく手分けして小夭を探すことにしたが、その頃、ひと足先に塗山璟が血だらけで倒れている苗莆(ビョウホ)を見つける。驚いた塗山璟は式神を招喚して付近を捜索、するとすでに息のない小夭を発見した。塗山璟は小夭を救うため自分の全霊力を使い果たす覚悟だった。しかし小夭は息を吹き返さず、身体は次第に冷たくなっていく。「小夭…全て私のせいだ、何があろうと君と離れるべきではなかった!」塗山璟は小夭を抱きしめながら涙に暮れたが、その時、陣が炎に包まれてしまう。小夭を失った塗山璟は絶望のあまり共に果てようと決意、自分の身体を盾にして小夭が燃えないよう守った。「小夭、私は君だけの葉十七(ヨウジュウシチ)だ、一生、君のそばにいると言っただろう? 私を見捨てないでくれ、君がどこへ行こうと私は付いて行く…」そして小夭と塗山璟は激しい炎にまかれてしまう。瑲玹たちは梅林の中で燃え盛る炎を発見した。「あの中に小夭がいる!」瑲玹は矢も盾もたまらず駆けつけようとしたが、絶殺陣に入れば生きて出られるはずがない。鈞亦(キンエキ)は仕方なく取り乱す主人を手刀で打ち、眠らせた。そこで瀟瀟(ショウショウ)は鈞亦に主人を任せ、配下を連れて絶殺陣に向かう。陣の中ではすでに梅林が焼き尽くされ、ほぼ鎮火していた。すると小夭を抱きしめたまま大やけどを負った塗山璟を発見する。瀟瀟は塗山璟の腕を外そうとしたが、塗山璟は小夭を手放すまいと拒むかのようになかなか離れなかった。瑲玹が目を覚ますと紫金(シキン)宮だった。小夭も戻ったと聞いた瑲玹は急いで会いに行ったが、小夭はすでに息がないという。「殿下、王姫はすでにお亡く…」「でたらめを言うなっ!」医者の言葉を聞いた瑲玹は烈火の如く怒り、誰も王姫の死を口にできなくなった。塗山璟が霊力を注いでいたおかげか小夭はまるで眠っているように美しいままだった。瑲玹は引き続き霊力で小夭の肉体を守らせることにしたが、どんな神医にも助ける術はないという。その頃、相柳は毛球(ケダマ)に乗って懸命に小夭を探していた。辰栄山の結界を破って曲者が侵入した。報告を聞いた瑲玹は小夭の世話を任せて自ら宮門へ出たが、曲者が相柳だと知る。「私を殺すため、はるばる辰栄山へ来たか?!」鬱憤を晴らすにはちょうど良い相手だったが、相柳は殺すために来たのではないと否定した。「昔なじみを救うために来た、私を阻めば妹妹はあの世行きだぞ?」「箝口令を敷いたのにどうやって嗅ぎつけた?」実は玟小六がかつて軒(ケン)に埋め込んだ蠱虫は相柳に移し替えられていた。「救えるのか?」「小夭を渡せ、私なら救える…差し出さねば小夭は死ぬ」玉の寝床に横たわった小夭の姿にさすがの相柳も血の気が引いた。しかし元神を探ってみると、まだ一縷の望みが残っていると分かる。「いつ目が覚めるかは分からない、数年後か数十年先か…」瑲玹は悩んだ。しかし小夭が助かる望みがあるなら、それがどんな策であろうと試してみようと腹をくくる。「彼女を連れて行け、ただし傷つけたら辰栄残党軍を掃討し、お前を八つ裂きにする」「傷つけなければ掃討せず、八つ裂きにはしないと?」すると相柳は霊薬を要求、さらに小夭を救えた暁にはどんな望みにも応えるよう迫った。「小夭を救えたらな約束しよう」「今の言葉を忘れるな」瑲玹は相柳に小夭を託し、瀟瀟に密道へ案内するよう命じた。瀟瀟は襲撃事件を捜査、瑲玹に報告した。王姫の手足には刺し傷があり、さらに両脚を6カ所と両腕を4カ所、刀で切りつけられ、全身に無数の暗器が刺さっていたという。敷かれていたのは火陣だったが傷は水霊術と木霊術の達人によるもので、少なくとも3人が関わっていると判断した。「これは王姫を狙うため、長い時をかけ周到に練られた謀です ひとりは曋淑恵(シンシュクケイ)の友でしょう、曋淑恵が辰栄小姐と王姫を招くと知りうるような…」「探し出せ、だが決して殺すな」一方、塗山璟は傷が深くないにも関わらず、昏睡していた。瀟瀟の話では死を望むあまり生気が戻らないという。瑲玹は塗山璟が小夭と死を共にする覚悟だと知り、その誠意に感銘を受けた。「霊薬を贈れ、小夭が峠を越せばあいつも目覚めよう」塗山璟は辰栄府で療養していた。赤水豊隆(セキスイホウリュウ)は瑲玹と塗山氏に亀裂が入らぬよう、太夫人にうまく話をしてくれたという。あとは相柳が小夭を救ってくれることを願うしかない。一方、塗山璟には胡珍(コチン)と静夜(セイヤ)が付き添っていた。胡珍は主人がなぜ死を望むほど悲しんでいるのか分からなかったが、静夜は再び琴を弾かせてくれた王姫こそ主人の命を握っていると気づく。その頃、相柳は小夭と貝殻の中に閉じこもり、自分の心の臓の血を与えていた。情蠱により一心同体となった相柳と小夭、今やそれが小夭を救える唯一の手立てとなる。つづく( ๑≧ꇴ≦)まさかの女主死亡!
2024.09.29
コメント(1)
长相思 lost you forever第29話西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は赤水豊隆(セキスイホウリュウ)が来るのを待ちながら、祖父の戒めの言葉を思い出していた。『爺爺!小夭(ショウヨウ)を玉(ギョク)山にはやらないでください!』『瑲玹、今のお前では小夭を守ることはできぬ』小夭を愛するがゆえ自分の心を押し殺さねばならない瑲玹、そこへ豊隆が現れた。豊隆は私兵集めに苦心する瑲玹のため一度、赤水に戻って勇猛な男たちを連れて来るという。しかし瑲玹は反対した。実は西炎軍の糧秣(リョウマツ)と武器を盗まれ祖父が激怒、軹邑(シユウ)城にも戒厳令が敷かれている。豊隆は仕方なく年明けまで待つことにしたが、瑲玹の本当の不安は辰栄府にいる小夭と塗山璟(トザンケイ)が2人きりになることだった。五神(ゴシン)山に瑲玹から文が届いた。喜んだ阿念(アネン)は内容も知らず強引に父から瑲玹の文を奪い取ったが、瑲玹が辰栄馨悦(シンエイケイエツ)を娶ると知る。王族の縁談は政(マツリゴト)の駒だと分かっていても深く傷つく阿念。そこで瑲玹を諦めるため、思い切って父に婿選びを頼んだ。塗山璟は防風邶(ボウフウハイ)こと相柳(ソウリュウ)に呼び出され、歌舞坊の個室に入った。実は清水(セイスイ)鎮まで荷を運んで欲しいという。塗山璟は西炎の糧秣と武器を盗んだのが相柳だと分かった。「頼まれる義理はない」「これは取り引きだ」塗山璟は相柳が小夭を盾にして脅していると気づき、不快感をあらわにした。「取り引きの条件が小夭なら応じる気はない…だが荷を運ぶ件は引き受けた 小夭に弓術を教えてくれたことには感謝している、その恩を私が返そう」「代わりに恩を返すだと?小夭が承知するかな?」「私と小夭の問題だ、気遣いは結構、もちろん貴殿の意に染まぬなら断ってくれ」すると相柳は悔しさをにじませながら積荷を渡す時と場所を教えた。琴を習うという口実で密会を重ねる小夭と塗山璟。そんなある日、小夭は塗山璟の琴が聞きたいと頼んだ。しかし手首の怪我のせいで以前と同じように弾けなくなった塗山璟は困惑してしまう。すると小夭はもし腕前が落ちたとしても弾く喜びは変わらないと励まし、何より楽を学んだことがない自分には良し悪しなど分からないと笑った。「何を弾こうか?」「酒席で私が歌った歌を覚えている?」小夭は塗山璟の伴奏で山歌を歌った。木樨(モクセイ)園から聞こえて来る美しい琴の音。塗山璟の侍衛・胡珍(コチン)と侍女・静夜(セイヤ)は主が弾いていると気づき、思わず涙した。まさか再び主の琴を聞ける日が来ようとは…。皓翎では漪清(イセイ)園で阿念の婿探しの宴が開かれた。しかし結局、瑲玹しか目に入らない阿念にとって、宴はただの時間潰しでしかない。一方、小夭は瑲玹の心配をよそに塗山璟との蜜月に夢中になっていた。瑲玹は赤水豊隆と落ち合った。すると豊隆はいつの間にか赤水に戻り、霊力の強い兵士を連れてきたと報告する。瑲玹は呆然、なぜ何も言ってくれなかったのかと困惑した。「色恋より友情の方が大事だろう?内緒にして驚かせたかったんだ!」瑲玹の真意など知る由もなく、豊隆は満足げに友と肩を組んだ。小夭は赤水豊隆と辰栄馨悦に琴を披露することになった。そこで慌てて塗山璟から一番、簡単な曲を教えてもらったが、付け焼き刃の演奏は散々たる結果に終わる。豊隆は頭を抱え、小夭には別の才があると前置きし、今後は演奏を控えた方が良いと伝えた。すると率直な馨悦は従兄の名誉のためにも塗山璟が師だと言わないでくれと頼む。「上達は無理ね」「何ですって?!」小夭は思わず馨悦に木の実を投げ、追い回した。辰栄府で気の合う仲間たちと楽しい日々を送る小夭。しかし新年が近くなり、塗山璟は一族の祭祀に出席するため青丘へ戻らなければならなくなった。豊隆と馨悦の手前、小夭は別れを惜しむ時間がなかったが、静夜に塗山璟のための薬を持たせて戻る際、すれ違いざまに塗山璟から書き付けを受け取る。こうして後ろ髪を引かれる思いで帰路に着いた塗山璟。一方、恋文を読み終えた小夭はしばし雪を眺めながら愛しい人に思いを馳せた。新年早々、五王・西炎徳岩(セイエントクガン)と七王・西炎禹陽(セイエンウヨウ)のもとに中原に詳しい沐斐(モクヒ)が訪ねてきた。沐斐は瑲玹が王姫を辰栄府に滞在させていると報告、これも赤水豊隆を取り込むためだという。「実は王姫大将軍のある噂を耳にしました、ただならぬことなのでご相談に…」小夭は馨悦に誘われて梅林の宴に参加した。曋淑恵(シンシュクケイ)たちは歓迎してくれたが、小夭は王姫である自分がいると氏族の娘たちに気を遣わせると気づき、護衛の苗莆(ビョウホ)と散策に出かけてしまう。雪景色の梅林はひときわ美しかった。「次は瑲玹と一緒に来ましょう…苗莆?」実は小夭は誰かが仕掛けた陣に捕まり、苗莆と離ればなれになっていた。すると梅の木の枝が伸びて鞭となり、小夭に襲いかかる。「私を殺したいの?!だったら隠れていないで出てきたら?!」その時、梅の木の鞭が消え、今度は狼が現れた。つづく( ๑≧ꇴ≦)えーっ?!バイ◯ハザード?wそれにしてもまさか相柳が17にやり込められちゃうなんてねw
2024.09.27
コメント(2)
长相思 lost you forever第28話小夭(ショウヨウ)は西炎瑲玹(セイエンソウゲン)のため辰栄(シンエイ)城の招きに応じた。屋敷で暇を持て余していた辰栄馨悦(シンエイケイエツ)は大歓迎。父や兄は忙しく、母も長年、赤水(セキスイ)にいるため、遊び相手になって欲しいという。すると豊隆(ホウリュウ)が駆けつけ、小夭の好物だと聞いた瓜を山のように差し入れた。しかし兄の贈り物を見た馨悦は呆然、もっと王姫に似つかわしい貴重な品を贈れと叱られてしまう。そこで豊隆は酒豪の小夭と猴妖(コウヨウ)王が霊果(レイカ)で醸した名酒・猴児酒を酌み交わし、龍石が埋め込まれた賽子を振って遊んだ。豊隆は小夭と意気投合、こんなに気の合う女子は初めてだと妹に報告した。「小夭は何もできない令嬢とは違う、賽子に飲み比べ、拳遊び…最高の遊び仲間だ」頭を抱えた馨悦は兄に贈り物禁止を言い渡し、小夭のことは自分に任せるよう告げた。馨悦は役立たずの兄の代わりに化粧道具を小夭に贈った。「使い方を教えてあげる、西炎城の流行りも知ってるわ」実は馨悦は幼い頃、人質として西炎城に住んでいた。父が中原を任されたのを機に馨悦と母が西炎城に居を移し、兄は赤水に残ったという。「西炎の重臣たちは元辰栄王族の父に中原を任せることに反対だったから… それから数十年、二心なしと判断されて帰郷を許されたの」馨悦は思えばあの時、瑲玹と小夭に出会っていればと悔やんだ。しかしその時にはすでに小夭は天下をさすらい、瑲玹は人質として皓翎(コウレイ)にいたという。小夭は囚われの身だったという馨悦に親近感を持ち、それ以来、2人は姉妹のように親しくなった。赤水豊隆は練兵に要する費用と物資を従兄弟である塗山璟(トザンケイ)に調達してもらった。当然、私兵の件は一切もらしていないが、塗山璟も薄々、勘づきながら、何も聞かず力を貸してくれたという。瑲玹は塗山璟の協力に感謝しながらも、求める見返りが財物でないことを思うと複雑だった。塗山璟が辰栄府に滞在することになった。小夭は馨悦から従兄がいても構わないかと聞かれ、思わず防風意映(ボウフウイエイ)も一緒か確認してしまう。「いいえ、独りよ、彼女を招くものですか」馨悦はしかめっ面になり、優しい許嫁という意映の評判など嘘だと訴えた。「あれは芝居よ、前に長老の誕辰祝いで一族が勢揃いしたの 殿方たちは雪の中、狩りに出かけたんだけど、璟哥哥は怪我で行けなかった でも彼女は狩りに出かけてしまったわ、しかもなかなか山から戻って来なくてね 璟哥哥のことなんてどうでもいいのよ、彼女の目的は将来の族長夫人の座だから」その夜、豊隆と馨悦は中庭の涼亭で小夭と塗山璟を歓待した。小夭は馨悦が披露した琴の腕前を絶賛、しかし馨悦は塗山璟には及ばないという。「琴を弾くの?聴いたことがないわ」塗山璟は小夭の言葉に困惑したが、その時、豊隆が芸を見せたいと席を立った。すると豊隆は火球を作り曲芸を披露、最後に大きな花火となって空中で弾けてしまう。その時、激しい火花で一瞬、視界が見えなくなった。小夭はその隙に思わず隣の席にいた塗山璟を引き寄せ、頬に口づけしてしまう。宴もたけなわ、小夭たちもすっかり酔いが回った。すると馨悦が次は小夭の番だと急かす。小夭は琴棋書画に通じていないと断り、その代わり山歌(サンカ)を披露することにした。舞いながら歌う小夭の妖艶な姿、その様子を眺めながら、塗山璟はふと15年だけ待つと誓った小夭との口づけを思い出す。しかしそんな2人の密かな情愛の裏で、清水鎮へ戻った相柳(ソウリュウ)は再び血生臭い日々に身を投じていた。翌朝、小夭は馨悦に塗山璟が琴の名手なのか尋ねた。馨悦は従兄に勝る子弟などどこを探してもいなかったと絶賛したが、行方知れずとなって戻ってきた時には人となりが一変、更に脚と手に深手を負ったのか、琴も弾けなくなっていたという。「璟哥哥の法術の源は琴の音だから霊力も半減したわ」そこで小夭は手ほどきならできるはずだと訴え、この機に塗山璟から琴を習いたいと言った。「私から頼んでみるわ」一方、瑲玹は鈞亦(キンエキ)から逐一、小夭と豊隆の様子を聞いていた。報告によれば2人は意気投合、しかしまるで兄弟のようだという。瑲玹は失笑したが、実は辰栄府に塗山璟も滞在していると聞いて動揺した。「4人で宴に興じたそうです 誰も侍女を帯同しておらず詳細は不明ですが、王姫は上機嫌でお戻りになったとか」「上機嫌?」すると鈞亦は辰栄馨悦からまた文が届いていると報告した。念のためまた多忙を理由に断るか確認したが、瑲玹は珍しく会うという。瑲玹と馨悦は山間の川辺で逢い引きした。そこで馨悦は素足をさらし、水につけて自慢の赤い爪を見せる。瑲玹は咄嗟に目をそらしたが、馨悦は小夭の足の爪にも同じ紅い色を塗ったと話した。すると瑲玹は馨悦の足を見つめながら、小夭の爪を想像して顔をほころばせる。「小夭が宴で山歌を歌ったの、歌ってあげる」瑲玹は小夭が隣で自分のために歌っているような錯覚に陥ったが、ふと現実に戻った。「遅くなった、公務が山積みゆえ戻らねば…」琴を習うという口実で塗山璟と2人きりで過ごすことが叶った小夭。そこで小夭はまず塗山璟の脚の傷を確認した。王姫となった今なら妙薬や霊薬を入手することも可能となり、見た目なら綺麗に戻せるという。「君は気になる?」その時、小夭が塗山璟の傷痕にそっと唇をつけた。「私が気にすると思う?」「なら治さなくていい」実は馨悦の話を聞いた小夭は傷のせいで塗山璟が周りから奇異の目で見られることを心配していた。しかし塗山璟は小夭がそばにいれば、他人の目など関係ないと微笑む。すると愛しい小夭の顔をながめているうち我慢できず、唇を重ねてしまう。「君を独り占めしたくなった…もしくは君があまりに美しいから…」小夭は塗山璟の腕に抱かれながら、女子の幸せを実感していた。つづく(๑•̀ㅂ•́)<想い人が来てくれたのに賽子ふっちゃうやつ、いる?ザワザワ(*´・ω)(ω・`*)ザワザワ(๑•̀ㅂ•́)<いねーよなあ?!
2024.09.26
コメント(0)
长相思 lost you forever第27話青丘(セイキュウ)に戻った塗山璟(トザンケイ)は防風意映(ボウフウイエイ)を居所に呼び、改めて退婚を申し出た。「想い人がいる、君とは夫婦(メオト)になれない」そこで意映の名誉を守るため祖母の養女となるよう提案、塗山氏から嫁がせ、防風家は赤水(セキスイ)氏・西陵(セイリョウ)氏・鬼方(キホウ)氏の後ろ盾を得られると懐柔した。しかし意映は塗山璟がこのために奔走していたと知り激怒、出て行ってしまう。塗山璟は退婚に向けて着実に準備を進めていた。しかし祖母の態度が一転、三月後に意映と祝言を挙げるよう命じられてしまう。「どんな女子を連れて来ても構わない、だけどそれは意映を娶ったあとの話よ」塗山璟は祖母が初めから退婚する気はなかったと知って深く失望し、生涯、妻を娶らないと反発した。「ならば私は青丘を離れ、軹邑(シユウ)城へ行きます」塗山璟は修繕が始まった紫金(シキン)宮に自ら資材を届けた。小夭(ショウヨウ)には文を送ったがなしのつぶて、そこで西炎瑲玹(セイエンソウゲン)に言づてを頼みたいと懇願する。瑲玹はなぜ小夭が怒っているのか分かっていた。辰栄(シンエイ)府での誕辰祝いの時、小夭は赤水豊隆(セキスイホウリュウ)が妹に代わって塗山璟の許嫁である防風意映に頭を下げるのを目の当たりにし、しかも未だ退婚もままならない。「どの面下げて小夭に会うつもりだ?…悪いが協力できぬ、話は退婚してからだ」一方、小夭は再会した防風邶(ボウフウハイ)こと相柳(ソウリュウ)から再び弓術を習い始めた。すると相柳は腕を上げた小夭に新しい弓を買うよう勧め、早速、2人で塗山氏の武器鋪を訪ねる。店では高価な品を求める客だけが中庭で武器を試せるようになっていた。「こちらが金天(キンテン)氏によって作られた上等な弓です」ちょうどその頃、塗山璟も武器鋪に到着した。しかしなぜか防風意映が現れる。意映は太夫人から塗山璟が柳(リュウ)族長から宴に呼ばれたと聞いて武器鋪で待ち伏せしていた。匕首が好きな柳族長のため、塗山璟が必ず贈り物を買いに来ると踏んだのだ。「あなたと話したくて…ゥッ…(ノ_<)」意映は思わず涙すると、人目を気にした塗山璟は仕方なく意映を連れて店に入った。( ๑≧ꇴ≦)意映の泣き芸がwww防風意映は中庭で仲睦まじく弓を選ぶ小夭と二兄の姿を見て驚いた。王姫の話では二兄から弓術を習っており、今日は新しい弓を探しに来たという。思いがけずまた意映と一緒のところを見られて気まずい塗山璟。すると意映は二兄が王姫に弓を贈ると誤解し、夫人気取りで二兄の弓代も払って欲しいと塗山璟に頼んだ。しかし小夭は青丘公子から自分への贈り物のようだと断り、相柳に目配せする。「そうでしょう?″邶″?」相柳は小夭の顔を立て、話を合わせた。「これは私からの贈り物でね、払われては困るんだ」小夭は相柳の機嫌を損ねたと気づき、後を追いながら必死に謝った。すると相柳は急に立ち止まって小夭に弓を渡し、代金を返せと迫る。小夭は急いで銭袋を渡したが、相柳はそのまま物乞いに投げ渡した。「あなたが怒っているのは私に利用されたせいよね?2度としないから許して…」しかし相柳は黙って帰ってしまう。小夭の寝殿に塗山璟の式神がやって来た。式神は懸命に誘い出そうとするが、小夭は優柔不断な塗山璟への怒りが収まらない。実は小夭はその時、相柳の機嫌を直そうと美しい料理に見立てた猛毒を作っていた。翌日、小夭は相柳を歌舞坊へ呼び出し、男装で出かけた。全く味わう様子もなく、あっという間に猛毒料理を平らげてしまう相柳。「…これで許してくれる?弓術の稽古を続けたいの」「少し軹邑城を離れる、帰りを待て」小夭は相柳が清水鎮の陣営に戻るのだと気づき、改めて防風邶ではなく相柳なのだと実感する。「ずっと防風邶のままなら良かったのに(ボソッ」しかし相柳は急に立ち上がり、黙って帰ってしまう。防風意映は青丘に戻って塗山篌(トザンコウ)と密会、塗山璟が意地でも退婚するつもりだと泣きついた。「このままでは笑いものになる、早く始末して! いい?藍枚(ランマイ)も片付けるのよ?そうすれば私が妻になれ…」「どうかしているぞ?!」塗山篌は妻を殺せと迫られ驚き、しばらく会わないと言った。その夜、宴の帰り道で塗山璟の馬車が刺客に襲われた。侍衛たちは応戦したが、その隙に槍が車を直撃、塗山璟は刺されてしまう。一方、塗山璟の式神はまだ小夭の寝殿に居座っていた。「まだいたの?!帰らないと霊獣の餌にしちゃうから!」|ω・`)}}}}} gkbrすると瑲玹が慌ててやって来た。塗山璟が刺客に襲われ、生死も分からないという。小夭は激しく動揺したが、塗山璟に何かあれば式神も消えるはずだと気づいた。小夭と瑲玹は草凹(ソウオウ)嶺に駆けつけた。すると庭で小夭が来るのをじっと待っている塗山璟の姿がある。小夭は思わず駆け出し、瑲玹のことも忘れて塗山璟に抱きついた。「何しているの?!心配させないで!」「やっと来たね」塗山璟は式神が小夭を連れて来るのを昨夜からずっと待っていた。そのため宴には分身を行かせ、帰路で殺されたのは塗山璟の分身だという。「哥哥…2人きりで話をさせてくれる?」「ならばあとで迎えに来よう」瑲玹は仕方なく小夭を残して引き返した。小夭は自分の心にいるのが塗山璟だけだと安心させた。もちろん縁を切るつもりはないが、それでも防風意映と一緒にいる姿を見るのは辛いという。すると塗山璟は正直に祖母から意映を娶るなら想い人を迎えてもいいと言われたと報告した。小夭は怒って背を向けたが、塗山璟は小夭を抱きしめ、必ず解決すると約束する。「15年だけ待つと約束したわ、婚約解消できる日を待ってる」小夭は悶々としながらも、葉十七(ヨウジュウシチ)として心を通わせた塗山璟をあきらめられなかった。「でも身の安全を優先して、敵に情けは無用よ?」「分かった」青丘の塗山府は悲しみに包まれた。防風意映は塗山篌が自分のために手を下してくれたと喜んでいたが、塗山篌から寝台にいるのは分身だと知らされる。すると翌日、本物の塗山璟が元気な姿で祖母の前に現れた。太夫人は涙ながらに喜び、必ず刺客を捜し出して罰するよう告げる。「奶奶、ご心配なく、必ず見つけます」侍衛の胡珍(コチン)は軹邑城の58店舗の使用人を全て入れ替えた。塗山篌は後ろ暗いせいか協力的だったという。一方、塗山篌と防風意映は密室にいた。「ごめんなさい、私が軽率だったわ」「気にするな、私たちは夫婦も同然、どんなことも共に乗り越えよう 失ったものは大きいが、五王と七王は私の味方だ」すると意映は今後はおとなしく塗山篌に従うと約束した。塗山璟が刺客を捜し出すという名目で塗山篌の配下を一掃。そのせいで五王たちは配下を失い、嫌でも中原での勢いが衰えることになった。瑲玹はなぜ塗山篌がこんな下策に出たのか分からなかったが、確かに成功すれば塗山璟を亡き者にし、同様に刺客捜しという名目で塗山璟の配下を一層するつもりだったのだろう。そんな中、赤水豊隆が瑲玹に小夭との仲を取り持って欲しいと頼んだ。実はいくら誘っても小夭に断られてしまうという。「分かった、話してみるが、決めるのは小夭だぞ?」紫金宮に戻った瑲玹は早速、小夭を訪ねた。実は赤水豊隆から口添えを頼まれたという。「確かに豊隆は良い人よ、でも哥哥に似てるの、考えが透けて見える 私に会いたいのも最も条件が良い女子だからよ」「私に似ているから不満だと?」瑲玹は思わず小夭の頭を小突くと、会ってみなければ本心は分からないと諭した。「私の顔を立てて会ってくれぬか?」瑲玹は辰栄山で密かに私兵を鍛えていると明かした。すると小夭は従兄のため豊隆に会うと了承してくれる。実は瑲玹は内心、小夭が愛する塗山璟と一緒にいるより、打算的な豊隆といてくれる方が安心だった。つづく( ゚ェ゚)17も17だけど、女主も大概だよね~惚れた弱みで利用されちゃう相柳もどうなんだろう…
2024.09.24
コメント(1)
神隐 The Last Immortal第6話「慕情と嫉妬 」阿音(アイン)の希望で主従契約を解くことにした梧帰(ゴキ)。しかし梧帰は古晋(コシン)の正体が元啓(ゲンケイ)だと気づき、東華(トウカ)上神が結んだ契約が2人を守るためだと知って断念した。あきらめきれない阿音だったが、古晋は前輩を煩わせまいと半ば強引に阿音を連れて谷をあとにする。静幽(セイユウ)山に戻った古晋は阿音に無理をさせないよう自分で傷を癒すことにした。すると古晋を探していた阿音に見られてしまう。古晋のたくましい背中は阿音の乙女心をくすぐった。「もう許してあげる、″飼い慣らし法″は使わないわ、これからは友だちよ」古晋は慌てて上着を羽織ると、阿音に遮天傘(シャテンサン)を貸した本当の理由を明かした。確かに孔雀公主は憧れの人であり恩もあるが、貸したのは公主の父親への深い愛情を感じたからだという。「俺のように父親を失って欲しくなかった」古晋の父はかつて劫に見舞われた時、妻と息子を残して独りで立ち向かい、古晋は最後に会うこともできなかったという。「大きな責任を果たそうとするほど自分のために生きられなくなるんだ」「じゃあ古晋は自分のために自由に生きて!」古晋と阿音はようやくわだかまりが解け、大澤山で弟子たちといつまでも楽しく過ごそうと約束する。実は阿音はこの日、気に入った仙君の名を書き留めるために持っていた眷仙(ケンセン)録にこっそり古晋の名を書き入れた。古晋は翌日、阿音を連れて妖界の賭場にやって来た。次の目的地は前天帝・晨輝(シンキ)が修練を積んだという帰墟(キキョ)山、主守は娘・晨敏(シンビン)だという。古晋は今日の賭物が仙妖大戦で紛失した晨家の紋章だと分かり、これを手土産にするつもりだ。しかし新参者の2人は元手がないからと門前払いされてしまう。その時、紫月(シゲツ)山で姿を消した鴻奕(コウエキ)が現れた。「阿音!元気だったか?これからは阿玖(アキュウ)と呼んでくれ、一緒に船遊びに行かないか?」古晋は阿音につきまとう鴻奕に苛立ちを隠せなかったが、阿音は鴻奕なら妖界に顔が利くと気づいた。「阿玖、私たちを賭場に入れてくれない?」「賭場?」鴻奕は困惑したが、この機会を利用して邪魔な古晋を阿音から引き離そうと思いついた。鴻奕は元手がなくても顔だけで賭場への入場を許された。しかしあえて古晋を自分が捕らえた仙奴として元手にするという。古晋は紋章を手に入れるため黙って従ったが、店に入った鴻奕は阿音の気を引くため、まだ妖丹が痛むと訴えた。心配した阿音は霊力で治療しようとしたが、古晋が咄嗟に止める。「阿音、言ったはずだ、その治療術は寿命を縮める」「阿音の寿命を縮める?」何も知らなかった鴻奕は驚いたが、その時、賭け事が始まった。最初の賭物は晨家の家紋だった。晨家と言えば仙家で最も権威ある名家、しかし白芷(ハクシ)天后が仙妖の戦を起こし、儀合(ギゴウ)から罰を受けて没落したという。それから200年間、娘の晨敏公主は独りで帰墟山を守っていた。鴻奕は古晋たちの目的がこの紋章だと気づいたが、古晋は目的を明かさないまま勝負に名乗りを上げる。すると賭け事で負けなしの賭博王・三眼虎(サンガンコ)が現れた。古晋は三眼虎が若い公子に目がないと知り、自分の主を賭けると言い出した。「私の主人はあなたをお慕いしています、あなたの気を引きたくて私をここへ…」焦った鴻奕だったが、阿音から協力して欲しいと頼まれ、仕方なく同意してしまう。喜んだ三眼虎は紋章を譲り、仙奴の古晋も解放、鴻奕を連れて自分の閨房へ消えた。鴻奕の協力で古晋は無事に家紋を手に入れた。安堵する阿音だったが、その時、次の賭物が登場、孔雀公主・華姝(カシュ)が捜していた碧血霊芝(ヘキケツレイシ)だと分かる。碧血霊芝は10万年に1度しか採れない貴重な宝で、これが九州八荒で唯一となった。阿音の心配をよそに古晋は華姝のため再び勝負に名乗りを上げ、見事、賭けに勝つ。その時、突如、鷹族公主・宴爽(エンソウ)が現れ、古晋から碧血霊芝を奪った。しかし古晋が咄嗟に宴爽の腕をつかんで奪い返し、2人で争奪戦が始まる。するとちょうど三眼虎に解放された鴻奕が戻って来た。内傷が完治していない古晋は劣勢を強いられ、思わず阿音に碧血霊芝を投げ渡した。「早く逃げろ!」驚いた宴爽は阿音に向かって鞭を振り下ろしたが、鴻奕が助けてくれる。鴻奕は狐の妖術で宴爽を惑わすことに成功、阿音は術が聞いているうちに宴爽を乾坤袋の中に閉じ込め、賭場をあとにした。その頃、青霖(セイリン)の復活で妖族に紛れていた魔族たちが主のもとに集結していた。青霖は早速、灼影(シャクエイ)に火鳳玉を奪うよう指示、九淵熬獄(キュウエンゴウゴク)の結界を解くという。九淵熬獄は混沌によって生まれたが、真神の神元が弱り始め、7万年前に緩みが生まれていた。その際、上神が兵解の法で結界の穴をふさいだものの、今も弱点であることに変わりはないという。「真神の神元があれば穴を破ることができる 三首火龍の体内に帝眷(テイケン)の神元の一部がある、火鳳玉さえあれば時間はかかるまい 九州八荒に魔物たちを再来させ、三界を滅ぼす!」ここは三重天にある玄昌(ゲンショウ)宮。虎族の二殿下・林墨(リンボク)は鴻若(コウジャク)との蜜月の頃を思い出しながら、寂しさを紛らせていた。その様子を物陰から密かに見ていた青霖は憤怒、姿を消してしまう。…やっと会いに来たのにまだ鴻若を?…かつて林墨と鴻若は恋仲だった。林墨は虎族にとって最も大事な心頭虎骨(シントウココツ)を鴻若に贈ったが青霖が横恋慕、思わぬ罠を仕掛ける。青霖は妖丹が砕けて余命わずかだと嘆き、林墨に嫁ぐことが唯一の願いだと訴えた。責任を感じた林墨は青霖の最後の願いを聞き入れることにしたが、鴻若は深く傷つき、心頭虎骨を返して別れを告げる。しかし仙妖大戦で青霖と対峙した鴻若は全て青霖の企みだと分かった。青霖はとうに魔道に落ち、林墨を騙して罪悪感を利用、結婚したと知る。実は青霖は同じ九尾狐でありながら公主である鴻若を妬んでいた。結局、無理やり結婚しても林墨の心には鴻若しかいない。ちょうどその頃、鴻若の兄夫婦は魔族の企みにより仙族に殺されてしまう。青霖から残酷な知らせを聞いた鴻若は呆然、その時、儀合が魔道に落ちて同族を殺した罪で青霖を捕らえ、九淵熬獄の極刑に処したのだった。あれから月日は流れた。狐族長老の鴻媚(コウビ)は孤独な狐王を心配し、真心は得がたいものだとそれとなく諌める。確かに鴻若は林墨への恨みを手放したが、今となっては時が経ち過ぎていた。「成り行きに任せるわ…また彼が来た時に考える」一方、古晋と阿音は帰墟山のふもとに到着していた。そこで古晋はこっそり鴻奕の背中に霊符を貼って動きを封じ、別れを告げる。「本当に行かないの?…分かったわ」鴻奕が動けないとは知らず、阿音は残念そうに古晋の後を追いかけた。…グッ、そう簡単にこの九尾狐の身体を封じられると?…すると鴻奕は咄嗟に妖気となって阿音の乾坤袋に隠れてしまう。しかし宴爽がいることをすっかり忘れていた。鴻奕は口やかましい宴爽にへき易、術で口を封じてしまう。古晋は阿音に梧桐の木を感じるか試させた。すると阿音は不思議とまた梧桐の木を探し当てる。古晋は難なく4つ目の仙元を手に入れたが、その時、思いがけず怒号が響き渡った。「誰だ!帰墟山に侵入するとは!つづく( ˙꒳˙ )え?ベン?!ベンだよね@虎編集のせいなのか字幕だから仕方がないのかワケが分からないwだからつまらないのかな~
2024.09.23
コメント(0)
キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!いよいよ配信予定が出ました!原作は《大漠情殤》ハニーちゃんは大砂漠一の美女で没落部族の公主・皇北霜イールンは北境領主・霍擎雲復讐を胸に和親に向かったハニーちゃん道中で3人の男と出会い、やがて砂漠の覇権争いに巻き込まれるとか、巻き込まれないとか…ごめん、適当w9月29日より配信予定!いつもながらあくまで予定!でも絶対、配信してね!w
2024.09.22
コメント(0)
神隐 The Last Immortal第5話「ぎくしゃくする主従」紫月(シゲツ)山の梧桐(ゴトウ)の木は九淵熬獄(キュウエンゴウゴク)にあった。しかし九淵熬獄には弑神花(シシンカ)が生い茂り、強力な魔物が多く、古晋(コシン)の素性を知る水凝(スイギョウ)神獣・碧波(ヘキハ)は絶対に連れて行けないと拒む。すると三首火龍(サンシュカリョウ)が古晋を連れ出し、自分の身体に帝眷(テイケン)真神が神元を残したため、結界を開けることができると教えた。「ただし頼みがある」その頃、阿音(アイン)は祖先にあたる碧波に水凝獣一族復興の手がかりを聞いていた。碧波の話では凝雲(ギョウウン)山が水凝獣の故郷で、そこにある懸(ケン)湖が霊力の源だという。しかし7万年前の仙魔大戦で水凝獣一族も凝雲山も滅びていた。阿音はどうすればいいか尋ねようとしたが、碧波は酔い潰れて眠ってしまう。その時、背後から破裂音が聞こえた。…九淵熬獄?…火龍が結界を開けた。ただし魔物が出て来こないよう1刻しか開けられないという。古晋は用を済ませたらすぐ戻ると約束したが、そこへ阿音が駆けつけた。「仙元を探すなら私も行くわ」「お前は無理だ」実は古晋は万物を隠すことができる神器・天梭衣(テンサイ)を持っていた。そこで衣をまとって姿を消してみせる。すると阿音も天梭衣の中に潜り込み、一緒に結界へ飛び込んだ。阿音は禁谷の時と同じように何かを感じ、梧桐の木のある場所が分かった。2人は神気に守られた梧桐の木のもとへ到着、早速、火鳳玉を招喚する。すると梧桐の木に宿っていた2つめの仙元が火鳳玉の中に入った。古晋は火龍との約束で梧桐の心(シン)を取らねばならず、阿音を待たせた。手持ち無沙汰で付近を見回す阿音、その時、偶然、梧桐の木の根元で負傷した狐を見つける。そこで霊力で傷を治してやることにしたが、古晋はその狐が鴻奕(コウエキ)だと気づいた。梧桐の心を手に入れることに成功した古晋。しかしそのせいで神気が消え、いきなり弑神花が襲いかかって来た。焦った古晋は咄嗟に狐を抱いていた阿音に天梭衣を投げたが、代わりに弑神花の標的になってしまう。すると九淵熬獄に封印されていた青霖(セイリン)が火鳳玉の存在を感じ取った。阿音は狐を乾坤袋に隠して飛び上がり、古晋にしがみついた。思いがけず抱き合いながら天梭衣に包まれた古晋と阿音…。2人はふいに互いを意識して照れくさくなってしまう。しかし今は一刻も早く逃げ出さねばならなかった。その頃、ようやく目を覚ました碧波は結界口が開いたことに気がついて慌てて駆けつけた。火龍は碧波がなぜここまで激しく動揺するのか分からなかったが、実は古晋は帝眷(テイケン)と儀合(ギゴウ)の息子で三界唯一の真神・元啓(ゲンケイ)だという。「(((ʘ ʘ;)))何だって!あ、でもダイジョウブダイジョウブ~ 天梭衣があるから魔物には見つからないって…」「あれは仙力が低いとすぐ消える!古晋の仙力ではもう消えてるぞ!」「∑(⊙∀⊙)ヒャーーーッ!」碧波の予感は的中、結界口に向かっていた古晋と阿音を覆っていた天梭衣が消えた。すると青霖に見つかり、襲われてしまう。古晋は阿音をかばって一撃をくらい、激しく血を吐いた。しかし倒れた衝撃で身体から元神(ゲンシン)剣が飛び出し、主の血を浴びて長剣に変貌する。古晋は神剣で反撃、さすがの青霖も神気に怯んだ。その時、鴻奕が加勢する。🦊<つかまれ!巨大な狐と化した鴻奕は2人を背中に乗せると結界口へ飛び込んだ。まさか九尾に青霖が身を隠し、一緒に九淵熬獄から脱出してしまったとも知らずに…。古晋と阿音が九淵熬獄から戻った。碧波と火龍は安堵したが、阿音は危険が迫っても古晋が遮天傘(シャテンサン)を開かなかったことから、孔雀公主に貸してしまったと気づく。古晋は激怒する阿音をなだめようと仮病を使ったが、本当に倒れてしまう。阿音は碧波の山小屋で古晋を治療した。しかし霊力では治せず、碧波から教えてもらった術を使う。無事に意識を取り戻した古晋は阿音に感謝したが、阿音の怒りは収まっていなかった。「なぜ相談もなく傘を貸したの?! 鏡花水月(キョウカスイゲツ)の術が習得できないのも心が一つじゃないからよ!」その時、阿音はうっかり″主人を飼いならす方法″を落としてしまう。「はっ!お前だってこんな手を!」「たっ、たまに読むだけよ…そんなに嫌ならさっさと仙元を集めておさらばしましょう!」古晋に詰め寄られた阿音は捨て台詞を吐いて出て行ってしまう。阿音が古晋を罵りながら森を散策していると、鴻奕を見つけた。しかし外傷は治ったが内傷が酷く、まだ人像には戻れない。「さっき古晋の文句を?ウッ…内丹さえ無事なら俺が代わりに…」そこで阿音は碧波が教えてくれた術で鴻奕を治療した。すると偶然、阿音を探しに来た古晋がその様子を目撃、慌てて止める。「こっちへ来い!」阿音が碧波から学んだ術は自分の内丹を燃やして癒す術だった。古晋は自分を犠牲にするなと叱ったが、阿音は皆を救うのが水凝獣の本分だという。「あなたにも使ったわ?」「俺にも?!」その時、鴻奕が現れ、古晋にわざとぶつかって走り去った。山小屋に戻っても口喧嘩が絶えない古晋と阿音。すると火龍は不仲なら主従の関係を解消すべきだと助言した。「半神以上の仙君なら解けるさ…あ、私は妖界の半神だから駄目だが」互いを意識し始めながら、なかなか心を一つにできない古晋と阿音。古晋は不貞腐れて散策に出かけると、ようやく人像に戻った鴻奕と出くわした。鴻奕は古晋が阿音をいじめていると非難、阿音を引き取りたいという。「主従関係を解いて自由にしてやれよ」「手を出す気だろう?!」「阿音を助けてやりたいだけだ」そこで古晋は鴻若(コウジャク)との約束で鴻奕を連れ帰らねばならないと挑発した。阿音を巡って古晋と鴻奕は一触即発となった。互いに武器を招喚、しかし鴻奕が突然、狐に戻って走り出してしまう。拍子抜けする古晋だったが、振り返るとそこに阿音がいた。阿音は逃げてきた狐を抱き上げ、狐に八つ当たりするなと怒って行ってしまう。翌朝、古晋と阿音は気まずかったが、仙元を集めるためにも急いで静幽(セイユウ)山へ戻った。しかしいざ乾坤袋から狐を出そうとすると鴻奕がいない。確かにここに入ったはず、阿音は乾坤袋の痕跡を調べて欲しいと懇願した。すると鴻若は確かに鴻奕がいたと納得する。「あの子が素直に戻ってくるはずないわね…」そこで鴻若は約束通り聖地である谷へ入ることを許した。「ただ…あの方を煩わせないように」古晋と阿音は鴻火(コウカ)の案内で静幽谷の梧桐の木がある小島にやって来た。しかし樹霊である梧帰(ゴキ)が不在のため、鴻火が探しに向かう。古晋は梧帰と聞いてぴんと来たが、その時、阿音が近くに仙元を感じると言った。「またか?」「何よ?信じないの?じゃあどちらが先に見つけるか競争よ!古晋はあっち!」古晋はまだ阿音が怒っていると気づき、仕方なく探しに出かけた。独りになった阿音は湖にある結界を見つけ飛び込んだ。すると小島の真下にある裏側の世界に入り、そこでも梧桐の木を見つける。その時、阿音は突然、仙縄で縛り上げられ、梧帰が現れた。「お前が?体にあの者の一部が…」しかし主従関係のおかげで古晋が駆けつけ、阿音を助けた。梧帰は激怒、古晋と阿音を″無幻の境″へ閉じ込めてしまう。古晋は暗器に襲われながらも水の術で脱出できると気づいた。そこで阿音と主従で使える術・鏡花水月を試すことにする。すると危機に直面して初めて2人の心が通じ合い、抜け出すことに成功した。梧帰は梧桐の木に閉じこもって仙元を渡そうとしなかった。そこで古晋は阿音に聞かせるふりをして7万年前の鳳皇だった鳳熾(オウシ)の逸話を聞かせる。…梧帰は梧桐島にある双子の祖木の1本で、7万年目、鳳皇の鳳熾と恋仲だったしかし神魔大戦で鳳熾が死亡してしまう諦めきれない梧帰は密かに散った鳳熾の仙元を集めて復活させ、記憶を封じて伴侶にしたそのせいで次の火鳳が誕生できず、鳳族は鳳熾の記憶を戻してしまう鳳熾は一族を守るため梧帰との別れを選び、涅槃に帰したこの一件で梧帰は鳳族に追放され、狐王に拾われる深く傷ついた梧帰は静幽谷で暮らすことを選び、この3万年間、幼い狐を育てていた…古晋の話では本来、梧帰は鳳熾を下界へ連れ出した罪で玄雷の極刑に処されるところだったという。しかし鳳熾は梧帰を守るため祖神と取引していた。「でもな~前輩のいない所でこの話をするのもな~」古晋がわざともったいぶると、続きが聞きたい梧帰が現れた。…鳳熾は祖神に全て自分の罪だったと訴え、梧帰は無関係だとかばった『私は涅槃に入り、火鳳を誕生させます しかし″火鳳は1人″という定めは何とぞ撤廃を…お願いです これ以上、孤独な火鳳を生まず、梧帰のように悲しむ者が出ぬように』こうして鳳熾は愛する梧帰を守り、独り天雷を受けた…梧帰は鳳熾の悲願を知って涙した。すると火鳳の仙元を手放し、2人を連れて結界を出る。阿音は仙界の半神である梧帰なら主従契約を解けると気づき、この機会に頼んでみることにした。早速、梧帰は解いてやることにしたが…。つづく
2024.09.20
コメント(0)
长相思 lost you forever第26話逍遥(ショウヨウ)丹の禁断症で倒れた西炎瑲玹(セイエンソウゲン)。翌朝、目を覚ますと付き添ってくれた愛しい小夭の寝顔があった。瑲玹は自分の気持ちを抑えきれず顔を近づけたが、その時、小夭の寝言を聞いて我に返る。「哥哥…悲しまないで、私がいる、いつでもそばにいるわ…」「お前さえいれば悲しくない」すると小夭がふいに目を覚ました。小夭は慌てて瑲玹の脈を確認、すでに体内の毒は消えていた。小夭は瑲玹の断薬に付き合って酒を断っていた。すると回復した瑲玹が溜まっていた青梅酒を小夭の寝殿まで届けてくれる。塗山璟(トザンケイ)は瑲玹たちが中原に来てから決まって15日に15本の青梅酒を送っていた。「中原に来てからもう幾月も経つのね…」瑲玹はなぜ塗山璟が″15″という数字にこだわるのか分からなかったが、小夭は塗山璟との約束を明かさなかった。( ๑≧ꇴ≦)しつこいようだが17あざとい!wそんなある日、塗山璟は式神の白狐を使いに出し、小夭を秘密の場所へ招待した。ここは山守さえ知らない草凹(ソウオウ)嶺、偶然にも茅葺きの小屋を見つけて室内を整えておいたという。「1000年経ってもまだ霊力が残っているんだ」「…以前の主が誰か知ってる?あの悪名高き赤宸(セキシン)よ」小夭は紫金(シキン)宮にある典籍で赤宸の居所だった草凹嶺が禁地であると知っていた。しかし贅の限りを尽くしたと思われている赤宸がまさかこんな質素な暮らしをしていたとは…。塗山璟は何も知らなかったとは言え、小夭を敵の家に案内してしまった自分の愚かさを嘆いた。すると小夭はすでに過去のことだと笑ってくれる。「気に入ったわ、今後はここを私たちの隠れ家にしましょう」↓チワワではないw一方、辰栄(シンエイ)府では馨悦(ケイエツ)がちょうど瑲玹に会いに行くという兄を引き留めていた。いくら目的のためとは言っても身を慎むよう瑲玹に忠告して欲しいという。しかし赤水豊隆(セキスイホウリュウ)は妹を冷静に諭した。「一途な男を望むなら瑲玹はやめておけ、大志を抱く瑲玹が女子に左右されるとでも? 瑲玹に嫁ぎたいなら独占や優先を望まぬことだ、今後はもっと辛い経験をする」瑲玹と赤水豊隆は人目につかない山奥で再会を果たした。そこで瑲玹はいずれ赤水一族を率いる豊隆が本当に先をも知れぬ自分に付き従うつもりか確認する。豊隆は迷わず拝跪、瑲玹に忠誠を尽くして決して後悔しないと誓った。すると瑲玹も片膝をつき、今後は義兄弟となって共に戦おうと約束する。一方、小夭は塗山璟の侍女・蘭香(ランキョウ)が塗山篌(トザンコウ)の密偵だったと聞いた。しかし塗山璟は父親代わりだった兄をどうしても罰することができないという。塗山篌が真相を知るまでの400年余り、兄弟は仲が良く、誰よりも優しい兄だった。「あなたは優し過ぎて優柔不断だけど、そこがあなたの良いところだわ 私の祖父母や両親、哥哥は決して情に流されたりしない、私にも同じ血が流れている あなたを好きなのは私と違うからね」塗山璟は小夭の口から初めて自分を好きだという言葉を聞き、天にも昇る心地だった。夜更けになってようやく紫月宮に戻った小夭。しかし瑲玹が寝ずに帰りを待っていたと知り、土産を渡して機嫌を取った。実は塗山璟が例の九尾狐の尾で霊器を作ってくれたという。「あなたに化ける人形よ、身代わりに使えば瀟瀟(ショウショウ)や金萱(キンケン)でさえ見破れないわ」塗山璟に嫉妬する瑲玹はいらないと拒んだが、そうとは知らず、小夭は自分の敵である狐の尾を持つのが嫌なのだと誤解した。「哥哥の身を守るためなの、私を安心させると思って、ね?お願い!」小夭に懇願された瑲玹は仕方なく受け取ったが、塗山璟はもやは葉十七(ヨウジュウシチ)ではないと釘を刺した。族長となれば意のままにならないことも多く、塗山璟の退婚は難しいだろう。「お前が傷つくのを見たくないんだ、それからこれを…防風邶(ボウフウハイ)の素性を調べたぞ」小夭と瑲玹は赤水豊隆と辰栄馨悦の誕辰祝いに招かれた。辰栄府には氏族の子弟が勢揃い、すると馨悦は厳密に言えばいずれも親戚だという。瑲玹と小夭も例外ではない。確かに王族や氏族は何代も家のための婚姻が繰り返され、系譜をたどれば必ずどこかでつながっていた。小夭は複雑すぎて分からないと笑ったが、どうりで西炎王が頭を痛めたわけだと納得する。…中原の氏族には複雑なつながりがある、普段は親しくなくとも存亡の危機となれば団結するに違いないわ…赤水豊隆と塗山璟が一局、手合わせしていると、妹が気を利かせて小夭を連れて来た。しかし小夭に気づいた防風意映(ボウフウイエイ)が横から入り、二兄がずっと待っていたと半ば強引に連れて行ってしまう。小夭は防風邶に成り済ました相柳(ソウリュウ)が堂々と祝宴に顔を出したことに驚愕した。「どうしてここに?!…ちょっと聞きたいことがあるの」すると小夭は皆が見ている前で防風邶を誘って出て行ってしまう。中庭に出た小夭は相柳を連れて築山に入った。辰栄馨悦の話では築山には陣が敷かれ、迷宮に続いているという。「正体を知られたらどうするの?!私でも救えないわ」「ここは中原だ、中原は辰栄軍と西炎王の間では中立、私を捕らえたりしないだろう」すると相柳はまた小夭に弓を教えたいという。一方、馨悦も瑲玹を誘って築山に入った。兄から警告されてもどうしても瑲玹を諦められない馨悦、そこで自分から瑲玹に唇を重ねてしまう。皓翎(コウレイ)に戻った阿念(アネン)は傷心のあまり閉じこもっていた。皓翎王は塞ぎ込んでいる娘を心配して含章(ガンショウ)殿を訪ねたが、原因は瑲玹だと分かる。「あんな人じゃなかったのに…」話を聞いた皓翎王はおそらく瑲玹が敵を欺くために芝居をしていると見抜いた。今後は氏族の力を借りるため、婚姻を利用することになるという。阿念は父のように利用せずとも王になれると言ったが、実はそれが原因で″五王の乱″が起きたのだった。当時、皓翎王は白虎部と常曦(ジョウギ)部から妃を迎えなかったが、そのせいでどちらも謀反を支持したという。築山から迷宮へ入った小夭と相柳。そこで小夭は瑲玹からもらった防風邶の身上書を読んで相柳を追求することにした。…北方の防風氏の族長の次男である防風邶、しかし母親の身分が低く幼少より虐待を受け、若くして賭博を覚え、返しきれぬほどの借金を作る、そして極北の地に身を隠して45年、家族はもはや死んだと思っていたが、防風邶が突如、大量の氷晶を手にして戻り、家族から歓迎される、それ以来、防風邶は病に苦しむ母親を看病し、母も最期は笑顔で逝った、一族はそんな防風邶に感じ入り、その孝行をたたえた…「本物の防風邶は極北で死んだのね?」「そうだ…私を選んだのは彼の方だ」相柳は氷晶を探しに向かった極北の地で凍死寸前の防風邶と出くわした。すると防風邶は自分の霊血も霊力も全て譲ると約束し、その代わり母の面倒を見て欲しいと頼んだという。一族も凍傷で顔が変わったという防風邶に何の疑いも持たず、相柳は約束通り防風邶の母に孝行して看取っていた。「だがこの取り引きで得をしたのは私だった」卵からかえった相柳は目を開けた時にはもう母はいなかった。しかし防風邶のおかげで母を持ち、母に愛され、母子の情を知ったという。「約束を果たしたのになぜ防風邶の振りを?」「ふりだと?ふっ、私は常に自分らしく生きている、呼び名など意味はないさ」「そうね…どちらも本質は冷淡だもの」騙されていた小夭は思わず嫌みを言うと、その時、相柳は塗山璟が来たことに気づいた。そこで小夭に誰かが自分たちを見張っていると吹き込み、氷鋲を渡す。「稽古の成果を見せてもらおう」小夭が振り向きざまに氷鋲を投げると、塗山璟は素手で受け止めた。「璟?あなただったの?!」小夭は相柳にからかわれたと気づき、憤慨して帰ってしまう。焦った塗山璟は追いかけようとしたが、相柳が邪魔をした。「向こうでうちの妹妹が探していたぞ?」赤水豊隆は独り、塗山璟との一局を解いていた。そこへ瑲玹と辰栄馨悦が戻ってくる。豊隆は瑲玹を誘って碁の続きを始めたが、侍女が駆けつけ、詹雪稜(センセツリョウ)が許嫁の樊彰(ハンショウ)と帰ったと報告して下がった。かつて詹氏は赤宸に一族を滅ぼされ、1人残った娘を親しかった樊氏が世話をしている。馨悦は思わず赤宸を残虐な魔物だと罵ったが、ちょうど小夭と帰って来た防風邶が聞いていた。「他はどうあれ辰栄氏が赤宸を罵るべきではない」「なぜいけないの?」「君の父上に聞いたらどうだ?借りがあるのはどちらか」するとちょうど防風意映が現れ、馨悦から二兄の態度を厳しく非難されてしまう。塗山篌と璟兄弟が戻って来ると、ちょうど防風意映と辰栄馨悦が言い争っていた。赤水豊隆は同志たちに亀裂が入らぬよう妹を止めたが、面白くない馨悦は出て行ってしまう。その様子を小夭は不安そうに門の近くで見ていた。するとそれとなく瑲玹が寄り添い、黙って小夭に飴を勧める。「甘いわ」瑲玹は小夭の機嫌を直して手を取り、そこで祝宴を切り上げた。瑲玹と小夭は帰り道、長い石段を登っていた。「小夭、これから私はお前のよき哥哥になる、辛い思いはさせたくない 少なくともどちらか1人くらいは幸せでなければ…」「どうしたの?何があったの?」「私が選んだこの道が幸せに続くと思うか?…これからは哥哥としてお前を守る」この時、小夭はまだその意味を深く考えずにいた。つづくΣ(⊙∀⊙)ハッ!そう言えば小夭を虐待していたのは狐だよね17の一族ではないの?野狐は青丘とは無関係?
2024.09.18
コメント(1)
神隐 The Last Immortal第4話「妖界の洗礼」大澤(ダイタク)派の祝宴に孔雀公主・華姝(カシュ)がやって来た。華姝の目的は鷹族の侵略を防ぐため東華(トウカ)神君から仙器・遮天傘(シャテンサン)を借りることだったが、すでに神界へ昇ったと知る。そこで後を引き継いだ閑善(カンゼン)と交渉したが、実は遮天傘は古晋(コシン)の仙器になっていた。その頃、古晋は明日の下山準備のため阿音(アイン)と居所に戻っていた。しかし気がつくと阿音の姿がない。実は阿音は修練の成果を試すべく、こっそり古晋からどこまで離れられるか試していた。古晋は仕方なく阿音を探しに行くことにしたが、その時、思いがけず憧れの華姝が現れる。「会いたかったわ、ますます凛々しくなったわね いつぞやは私が火鳳玉を見たいと言ったことを黙っていてくれてありがとう」「そうだ、私の手紙は届きましたか?返事がなかったから…」華姝は手紙など忘れていたが、咄嗟に話を合わせた。「百鳥(モモトリ)島は絶えず鷹族に脅かされているでしょう? 同族のことが気がかりで返事を忘れていたの、ごめんなさい」華姝は古晋の自分への情を利用し、遮天傘を手に入れることにした。しかし本題に入ったところで阿音が駆けつけ、邪魔されてしまう。「師兄はこれから火鳳の仙元を探しに妖界へ行きます、だから遮天傘は貸せません まだ霊力が公主より下だし、修練をさぼってばかりで… 師兄から遮天傘を取ったらまるで…まるで…えーと… はげ頭から毛を抜いた…何だっけ?産毛?」すると華姝は護身用なら無理強いはできないとあきらめ、帰って行った。古晋は慌てて引き止めようとしたが、阿音の放った霊符のせいで盛大に転んでしまう。古晋は華姝の前で面目を潰され、罰として阿音を一晩中、走らせた。すると青衣(セイイ)が阿音から頼まれていた仙獣の伝説本を差し入れに来る。阿音はその中から″主を飼いならす方法″という書を選び、走りながら回避策を学んだ。…主に合わせてこそ成功する…翌朝、阿音は遅れて山門に到着した。古晋はまだ機嫌が悪そうだったが、試しに古晋が食べたがっていた人間界の菓子を招喚する。すると阿音の手作りの菓子を食べた古晋は元気になり、わざわざ石段で阿音の手を引いてくれた。…あれだけで機嫌が治ったの?秘伝書おそるべし…その時、閑善と閑竹(カンチク)が弟子たちを連れて見送りにやって来た。実は東華神君からまずは天帝と懇意の狐王がいる静幽谷へ、次に紫月山へ行くよう指示があったという。「無事を祈る」その頃、妖界では狐族の鴻奕(コウエキ)が叔母の目を盗み、再び生死門に挑んでいた。やがてついに強者たちを退け突破、三重天へ入ることが叶う。鴻奕の父と母は仙族の罠にかかって戦死していた。その時に仙族に奪われた寂滅輪(ジャクメツリン)を取り戻すため、ここ黒澤(コクタク)池で己の武器を磨かねばならない。その様子を密かに魔族・灼影(シャクエイ)が見ていた。すると突然、池から寂滅輪が現れ、鴻奕は罠とも知らず追いかけて行ってしまう。灼影は九淵熬獄(キュウエンゴウゴク)の結界口にいた。三界では同族の内丹を取り込んだ者が魔道に落ちるが、年に1度だけ妖龍(ヨウリュウ)半神が新たな魔を九淵熬獄へ誘い込む。灼影は寂滅輪で鴻奕を誘き出すと、鴻奕は寂滅輪を追いかけて結界に飛び込んだ。九淵熬獄に誘い込まれた鴻奕の前に青霖(セイリン)が現れた。鴻奕は太刀打ちできない相手だと気づいて動揺したが、その時、亡き父の声が聞こえてくる。…我が子よ、東南の梧桐の木へ行け、梧桐は神界の木、魔は侵せぬ…すると防御一辺倒だった鴻奕は隙を見て逃げ出し、梧桐の木に避難した。狐王・鴻若(コウジャク)は三重天に入った鴻奕が消息不明だと報告を受けた。そこで鴻奕を探しに三重天にある紫月山へ向かったが、ここは帝眷(テイケン)真神の修練場、山を守る三首の龍に追い返されてしまう。そんな中、大澤派の弟子・古晋と阿音が静幽山に現れた。2人が訪ねて来た事情は分かったが静幽谷は狐族の聖地、長老たちはたとえ東華上神が自ら来ても近づくことはできないと反発する。しかし鴻若は鳳淵(ホウエン)が愛娘の仙元を散らした古晋を擁護したことを思い出し、おそらく出自に理由があると察した。…古晋なら紫月山に入れるかもしれぬ…そこで鴻若は許可する代わりに紫月山で失踪した鴻奕を探し出すよう条件を出した。「紫月山は三重天にある妖界の始まりの本源よ?」「はお、どちらにしても紫月山の梧桐の木にも行く予定でした、探して参ります」古晋と阿音が紫月山へ向かう道中、偶然、鷹族に襲われる華姝を見かけた。驚いた古晋は思わず遮天傘を開いて華姝を守り、鷹族公主・宴爽(エンソウ)は手が出せなくなってしまう。宴爽は仕方なく配下たちと引き上げたが、華姝が手に入れた霊芝は壊れていた。華姝は鷹王との戦いで仙元を負傷した父を助けるため、唯一、傷を治せる碧血霊芝(ヘキケツレイシ)を手に入れた。しかし鷹族の霊芝を奪われた宴爽が激怒し、襲われたという。古晋は負傷している華姝を心配し、近くの宿で休ませることにした。そこで華姝はこの機会に古晋から遮天傘を借りようと企み、阿音を遠ざける。阿音は公主のため霊薬を取りに行かされ、華姝の陣に封じ込められた。そうとは知らず古晋は一族を守るため孤軍奮闘する公主に同情し、遮天傘を貸してしまう。目的を果たした華姝はこっそり術を解くと、やっと阿音が帰って来た。(* ゚ェ゚)<あれ?戻れた!この宿、変なのよ〜古晋は華姝を阿音に任せて霊薬を煎じに向かった。するとしおらしかった華姝は一変、阿音には高圧的な態度でさっさと帰ってしまう。阿音は華姝の人柄に疑念を持ったが、古晋は華姝のこととなると盲目だった。↓ちょ…おま…( ̄▽ ̄;)古晋と阿音は紫月山に到着した。確かに紫月山はとても妖力が強く、これではおいそれと近づけないだろう。しかし古晋はなぜか自信ありげだった。すると山の守り龍が現れ、2人はあっけなく吹き飛ばされてしまう。「待ってくれ〜!碧波(ヘキハ)の知り合いなんだ!」その時、水凝(スイギョウ)神獣の碧波が駆けつけ、龍を止めた。三首火龍(サンシュカリョウ)は侵入者が碧波の知り合いだと知って人像(ヒトガタ)に戻った。古晋は九尾狐を見かけなかったか尋ねたが、痕跡はないという。そこで紫月山にある梧桐の木の場所を聞いた。しかし碧波の様子がおかしい。「あるにはあるが…絶対に連れていけない」実は梧桐の木は九淵熬獄にあった。つづく( ゚ェ゚)はて?仙界と妖界は敵同士なのになぜ孔雀族はOKなのか?またよく分からないまま進む〜w
2024.09.15
コメント(0)
神隐 The Last Immortal第3話「仙元捜しの旅」禁谷に閉じ込められて10年、古晋(コシン)はようやく禁足を解かれ、喜び勇んで衍天(エンテン)殿に駆けつけた。「師尊にご挨拶を!師兄にご挨拶を!」宗主・東華(トウカ)は元気そうな古晋の姿を見て安堵したが、仙僕にされた阿音(アイン)はあからまに不機嫌だった。「師尊だから何?偉いからって私をいじめるの?!これじゃ家族と団らんもできない」しかし水凝獣(スイギョウジュウ)一族は7万年前の神魔大戦で滅んでいた。家がないと知った阿音は落胆したが、東華はまだ主従契約を解けない代わりに神力を与えて阿音を仙人に昇格させてくれる。「阿音、大澤山のために梧桐島にいる鳳隠(ホウイン)の仙元を集めてくれぬか 集まったら主従契約を解いて正式に大澤山の弟子にしよう」古晋はてっきり鳳隠が復活したおかげで解放されたと思っていたが、実際は何かの理由で鳳隠の仙元が三界に散ってしまったという。東華の見立てでは仙元の1つがこの大澤山にあり、それを見つけることで残り8つの行き先が分かると期待した。そこで古晋と阿音に主従で協力して修練できる鏡花水月(キョウカスイゲツ)の術の巻を授ける。「2人が習得して心が通じてさえいれば別行動ができるぞ」↓( ゚Д゚)( ゚Д゚)<別行動?!マジっすか?!古晋が挨拶を終えると、外で待っていた大澤(ダイタク)派の弟子たちが再会を喜んだ。仲間外れの阿音はふて腐れていたが、実は弟子たちの目的が自分だと知る。「青衣(セイイ)から聞くよりずっと愛らしいな~ そうだ、これはお近づきの印に…今日から我らは家族だ」「家族?」すると弟子たちは古晋を押しのけ、次から次へと阿音に贈り物を渡した。その夜、古晋は阿音を連れて自分の居所に戻った。1日も早く自由になりたい阿音は早速、修練しようと言ったが、古晋は眠いと拒む。「そんな調子じゃ華姝(カシュ)公主も振り向かないから!」「なぜそれを?!」「酔っ払って話してた」実は阿音は化身する前から見聞きしたことを全て覚えていた。古晋は思いがけず阿音に弱みを握られ、しぶしぶ修練に付き合う。こうして始まった古晋と阿音の新しい生活。しかし翌朝も古晋は朝食を食べ終わるとすぐ寝台に戻って休憩してしまう。阿音は怠けてばかりの古晋に落胆し、自分の仙途が心配になった。すると青衣(セイイ)が確かに向上心がないが師叔は良い人だとかばう。「一生の仙侶になるわけじゃないし、少し我慢して」「仙侶?…よくぞ言ってくれたわ!」阿音は鳳隠の仙元を探し出して自由の身になれば、いずれ非凡な仙君と巡り会えると期待に胸を膨らませた。妖界では狐族の鴻奕(コウエキ)が鍛錬のため三重天(サンジュウテン)に入ろうとしていた。そのためには生死門を突破する必要があったが、鴻奕はいきなり門番に捕まってしまう。すると狐王の叔母・鴻若(コウジャク)が駆けつけ、鴻奕を門の外へ引っ張り出した。「生死門の向こうは歴代の妖族の強者が…」「止めなければ突破できたのに!」鴻奕は叔母を恨んでいた。鴻奕の両親は仙妖大戦で亡くなり、叔母の鴻若が狐王を引き継いで確かに繁栄させている。しかし大戦当時、鴻若は虎族の林墨(リンボク)と密会していたせいで戦に遅れ、兄を助けられなかった。「だから王兄と王嫂の代わりにあなたを守らなくては…」鴻若は反抗する鴻奕を無理やり連れ帰ったが、その様子を密かに魔族の灼影(シャクエイ)が見ていた。阿音は念のため禁谷の森も探そうと訴え、強引に古晋を連れて来た。しかし古晋はここにあるならとうに見つけていると呆れて昼寝を始めてしまう。阿音はその間に自分の卵があった場所へ戻り、もう一つの卵を取り出した。…阿羽(アウ)、独りで寂しかったでしょう?いつも一緒だったのに私が古晋に拾われて置いてけぼりにしてしまった、でも安心して、今日は連れて帰るから…すると主従関係のせいで引っ張られた古晋が現れた。「卵を隠していたのか?!」古晋は思わず阿音を引き戻したが、驚いた阿音はうっかり卵を落としてしまう。阿羽の卵は勢いよく転がり、やがて谷に落下して止まった。卵が落ちた谷は偶然にも神界が作った剣塚だった。驚いた古晋は阿音を安全な場所で待たせ、剣塚に入って卵を無事に保護する。しかしうっかり剣気で手を切り、血が流れた。すると古晋の血に反応して剣塚に封印されていた剣霊が出現。それは古晋の母である儀合(ギゴウ)の古帝(コテイ)剣が三界に落ちてできた混沌の剣霊だった。古晋は真神になるつもりがなかったが、剣霊は古晋に従うと決めて勝手に取りついてしまう。そこで剣指で招喚してみると、思いがけず短剣が飛び出した。「これが?さっきの巨大な神剣?」「…武器は主の実力によって変わるんだ(ボソッ」古晋は自分の剣をこれから″元神(ゲンシン)剣″と呼ぶことにした。阿音は妹の卵を助けてくれたお返しに水凝獣の治癒の霊力で古晋の傷を治した。嬉しそうに阿羽の卵を抱きかかえる阿音、その時、地響きがしたかと思うと、付近の崖が崩れ始める。すると壊れた剣塚からこつ然と梧桐の木が現れ、驚いたことにその木から鳳隠の仙元が見つかった。一方、東華は厳しい修行の末、ついに上神となった。そこへちょうど鳳凰の元神を手に入れた古晋と阿音が戻って来る。元神はすでに火鳳玉に入っており、剣塚の梧桐の木にいたという。鳳凰は古来より梧桐に住んでいたことから、東華は鳳隠の仙元も三界にある上古の梧桐に宿ったのだと気づいた。しかし東華でも知っているのは他に3本だけだという。「狐族の聖地である静幽(セイユウ)谷、紫月山の九淵熬獄(キュウエンゴウゴク) 先の天帝・晨輝(シンキ)が修練を積んだ帰墟(キキョ)山…あとはひたすら探すしかない」すると東華は古晋と阿音に自分が作った仙丹を授け、さらに古晋には護身用に仙器・遮天傘(シャテンサン)を譲った。「これは半神より下位の者では壊せぬ、そなたを守ってくれるだろう」その時、天への道が開かれ、東華はゆっくり昇り始めた。「古晋よ、鎮魂塔に入った鳳隠の肉体がいつまでもつか分からぬ、急がねばならぬぞ」東華の上神を祝う宴が開かれ、大澤山に多くの仙人が集まった。阿音はこの機会に理想の仙侶を求めてめぼしい仙君に声をかけてみたが、全く相手にされない。しかしめげずに次の仙君に声をかけたところ、古晋が慌てて呼び戻した。「奴を誰だと?!」すると阿音が古晋の仙僕だと気づいて霊風(レイフウ)がやって来た。阿音が声をかけたのは古晋の天敵だった。「これはこれは〜ろくでなしの二世、仙力の低い仙僕まではべらせて、やれやれ でもお似合いだな、確かろくでなしも昔、高嶺の花を追いかけていたっけ 仙僕が身の程知らずの夢を見るのも仕方ないか~」(˘・з・˘)<ねえ、この人はなぜ口汚いの?( ゚ロ゚)はぁ?(˘・з・˘)<だから口が臭いのね、やだ何その髪?変なの~ねえ行きましょう?(`ω´ )何だとーっ?!霊風は阿音の暴言に激怒、すると古晋は阿音がまだ霊風の凄さを知らないからだと釈明した。「悪かったな…皆に紹介する!こちらは万儀(バンギ)山の少主・霊風だ 実力は私と五分五分のできそこないだが、大口を叩かせたら私も歯が立たぬ」霊風は思わず拳を振り上げたが、古晋はここがどこか忘れたのかと迫った。「お前が手を上げたら大澤山の弟子たちに袋叩きにされるぞ?」「チッ!覚えてろよ!」霊風は仕方なく引き下がった。(* ̄꒳ ̄).oO(転べばいいのに~阿音が思わず悪態をつくと、なぜか霊風は盛大に転んで皆の笑い者になった。そんな騒ぎの中、古晋はうっかり孔雀族の公主・華姝の来訪を見逃してしまう。つづく( ゚ェ゚)古晋が火鳳玉を持ってたの?いやそれより神界の門は閉じてるのに入れるのねw
2024.09.15
コメント(0)
长相思 lost you forever第25話小夭(ショウヨウ)の寝所に現れた仮面の男。小夭は恐る恐る仮面に手をかけたが、その男は防風邶(ボウフウハイ)だった。防風邶は叔父たちに追われているという。しかし防風家は叔父たちに与したはず、なぜ追われているのだろうか。ともかく小夭は薬を与え、今にも倒れそうな防風邶に寝台を譲った。一方、五王の息子・西炎岳梁(セイエンガクリョウ)は刺客の捜索のため西炎瑲玹(セイエンソウゲン)の寝殿に乗り込んでいた。しかし瑲玹は逍遥(ショウヨウ)丹の幻覚で抵抗するどころか将軍のなすがまま、恍惚とした表情を浮かべている。その頃、七王の息子・西炎始冉(セイエンシゼン)は阿念(アネン)の寝殿に到着していた。すると門を開けた海棠(カイドウ)がいきなり霊術で兵士を吹き飛ばしてしまう。小夭は向かいの寝殿から阿念の怒号を聞いた。そこで始冉を呼びつけ、死にたいのかと脅す。実は始冉が小夭の侍女だと思っていた海棠は妹の侍女、つまり友人という名目で滞在しているのは皓翎(コウレイ)第二王姫だった。身分を隠していたのは阿念の身の安全を守るため、祖父の意向だという。驚いた始冉は慌てて兵士を止めたが、それとなく小夭の寝台をのぞき込んだ。すると小夭がわざと置いた胸当てを見て慌てふためき、逃げるように出て行ってしまう。騒ぎが収まると小夭は寝台に隠れていた防風邶の脈を診た。すると極上の薬を与えたにも関わらず、全く効いていないと分かる。防風邶の正体はやはり相柳(ソウリュウ)だった。相柳は傷を癒したいと訴え、いつもそうしていたように小夭の首にかみつこうとする。しかし小夭が止めた。「…ここはだめ、今の私はもう男じゃないのよ?」小夭は仕方なく腕を差し出した。相柳に血を吸われた小夭は急激に血を失ったせいで卒倒した。しかし相柳も霊力が回復するまで動けず、図らずも小夭と枕を共にすることになってしまう。相柳は何とか寝台の端まで移動、小夭と離れてから意識を失った。翌朝、阿念は怒り心頭で瑲玹を訪ねた。すると瑲玹は身なりも乱れたまま、従妹が虐げられたと聞いても反応がない。阿念は従兄の変わりように困惑していたが、そこへ鈞亦(キンエキ)がやって来た。実は昨夜のお詫びに始冉から贈り物が届いたという。その贈り物とは歌舞坊の芸妓2人だった。金萱(キンケン)は瑲玹の配下だがもう1人は従弟たちの手先、芝居を続けねばならない。しかし阿念に瑲玹の企みが分かるはずもなく、従兄に深く失望した阿念は皓翎に帰ってしまう。その頃、先に目が覚めた小夭は相柳の寝顔を見ながら、清水(セイスイ)鎮での気ままな日々を思い出していた。すると相柳がいつの間にか心の隙間に入り込んでいたことに気づいて動揺してしまう。そこで小夭は相柳の着替えを枕元に置き、別れを告げた。「傷が癒えたら離れて、あなたが防風邶であろうと相柳であろうと縁を切る 別れの挨拶はしないわ」しかし相柳は寝たふりをしたまま黙っていた。小夭が薬房にいる間に相柳はいつの間にか消えていた。自分から別れを切り出しながら、なぜか落胆してしまう小夭。すると瑲玹が回廊でぼんやりしている小夭を見つけた。「昨夜は本当に舅舅を狙う刺客が現れたの?」「地図の紛失を爺爺に知られぬため、でっち上げた騒ぎだ 西炎の兵糧庫と武器庫が中原にある、その在りかを示す地図を辰栄残党軍に盗まれたんだろう」「そういうこと…」小夭は事情を飲み込むと、防風邶の来歴を洗いざらい調べて欲しいと頼んだ。「ところで阿念を怒らせたの?ふふ、堕落者のふりは楽しい?」「ふっ、今すぐ誰かに刺し殺して欲しいくらいだ」そこで小夭は瑲玹の脈を診た。すでに丹薬への依存が強くなっていると警告したが、瑲玹はあと少しだという。実は刺客騒ぎのおかげで瑲玹は叔父たちに正気を失っていると信じ込ませることに成功していた。一方、中原では塗山璟(トザンケイ)と赤水豊隆(セキスイホウリュウ)の策が功を奏し、族長たちは中原の象徴である紫金(シキン)宮を修繕するため、西炎王に人の差遣を求めることを決めた。実は塗山璟は古蜀(コショク)に西陵(セイリョウ)氏を訪ね、手回ししておいたという。豊隆はさすが塗山璟だと感心し、あとは瑲玹が上手く立ち回ることを期待した。瑲玹は2人の期待通り堕落者を演じ切り、倒壊の恐れがある紫金宮の修繕特使に任命された。そこで皓翎玖瑤(コウレイキュウヨウ)の同行を嘆願したが、さすがに叔父たちに他国の王姫を連れて行く必要はないと反対されてしまう。しかし西炎王は小夭が西陵珩(セイリョウコウ)の娘であることを理由に五王たちの意見を一蹴した。瑲玹は同志の協力を得てついに中原行きを叶え、紫金宮に居を構えた。すると逍遥丹の禁断症状が現れ始め、壮絶な発作に襲われるようになる。しかし瑲玹が小夭を煩わせまいと口止めし、金萱はやむなく逍遥丹を与えるしかなかった。そうとは知らず、寝宮にこもって瑲玹の解毒薬の処方を考えていた小夭。ようやく穏やかに毒を除く術を思いついたが、手遅れだった。その夜、瑲玹は逍遥丹を断つと決め、寝所に閉じこもった。しかしちょうど小夭が寝殿の前を通りかかり、異常に気づいてしまう。鈞亦(キンエキ)は発作中には誰も入れるなとの命だと止めたが、小夭は自分がそばにいて助けると譲らなかった。「哥哥!」↓( ๑≧ꇴ≦)哥哥eeeeeeeeeeee!※音量注意w瑲玹は発作のせいで小夭のことさえ認識できず、手を上げようとした。「私は小夭よっ!哥哥っ!…耐えて、耐えれば楽になる、耐えるの!」すると瑲玹は小夭を突き飛ばし、自分の手をかんで必死に堪えた。「哥哥…昔、好きだった歌をうたってあげる!あなたも好きだった歌よ?」小夭は瑲玹を抱きしめながら、母が歌ってくれた子守唄を聞かせた。やがて瑲玹は朝雲殿で小夭と一緒に過ごしていた頃を思い出し、急に苦しみから解放される。「哥哥…あなたには私がいる」小夭は憔悴した瑲玹をなだめながら、その日はそのまま付き添った。翌朝、瑲玹が目を覚ますと、枕元で居眠りしている小夭がいた。瑲玹は美しい小夭の寝顔を眺めているうち、口づけしたい衝動に駆られてしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)危な〜い!哥哥っ!
2024.09.13
コメント(1)
长相思 lost you forever第24話乙女心を察してくれない塗山璟(トザンケイ)に憤る小夭(ショウヨウ)。しかし塗山璟が青梅酒を送らなくなった理由を明かすと、ようやく自分の考え過ぎだと分かった。「誰かが酒に触れた痕跡を見つけた、君の身に何かあっては困る それに…青梅酒が君に約束を思い出させると言っていた、だから煩わせまいと思って」塗山璟はそんな自分が小夭を不安にさせていたと知り、必ず退婚すると伝えた。実は祖母がふさわしい時機を見て退婚させると約束、それまで防風意映(ボウフウイエイ)を妹として扱うよう助言されたという。すると小夭は納得してくれたのか、魚丹紫の首飾りを身につけた。「小夭、戻ってくれてありがとう」「…瑲玹(ソウゲン)のためよ」「だとしても嬉しい、瑲玹のことは心配ない、君との約束は必ず守る」「約束?」驚いたことに塗山璟は今も玟小六(ビンショウロク)が第12話で″軒(ケン)老板に危害を加えないでくれ″と頼んだことを覚えていた。( ๑≧ꇴ≦)やっぱり狐妖は人たらしなのか?wその頃、瑲玹は塗山璟が連れてきた⾚⽔豊隆(セキスイホウリュウ)と辰栄馨悦(シンエイケイエツ)兄妹に会っていた。すると豊隆は王位を狙うなら叔父たちが掌握する西炎城をあきらめてはどうかと助言する。今や西炎の領土は西炎城だけではなく、北地・西域・南彊(ナンキョウ)・中原全体まで広がっていた。「分からぬか?お前が治めるべき地をよく見ろ」「なるほど…」確かに西炎の中心はもはや中原であり、中原を掌握すれば天下が見渡せる。瑲玹は豊隆の意図に気づいて心から感謝し、共に天下統一を目指す同志を得た。「瑲玹、中原で待っている」↓俺は西炎王になるっ!(๑•̀ㅂ•́)و✧一方、小夭は塗山璟の身近にいる間者を暴くため、ある方法を思いついた。「でも瑲玹と豊隆の話に加わらなくていいの?」「彼らは大望を抱いているが、私の望みは君と暮らすことだけだから」しかしそんな甘い言葉はかえって小夭を冷静にさせた。「どの瓶にも猛毒が入っているわ、この毒で2枚の手巾に絵を描いて」そこで塗山璟は1枚に蓮の花、もう1枚に青梅酒の瓶と同じ梅の絵を描いた。小夭はまた約束を忘れさせないつもりかとからかったが、焦った塗山璟は誤解だと訴える。するとうっかり猛毒の絵の具が手につき、急に体の力が抜けた塗山璟は小夭に覆い被さるように倒れてしまう。その時、図らずも2人の唇が重なった。「ちっ違うんだ…」「ふふっ、分かっているわ、毒のせいでしょう」小夭は塗山璟に手を貸し、すぐ毒消しを飲ませた。「蓮の花の手巾を持って帰って、間者が探りそうな場所に置いておけば手に取って調べるはず 触れれば毒にあたる、解毒薬も欲しがると思って作っておいたわ」小夭は起き上がった塗山璟の曲がった冠を直し、すっかり美しさを取り戻した黒髪を褒めた。実は手入れは侍女に頼まず、塗山璟が自分で梳かしているという。「今後は私が手入れしたい…これからは様子を知らせて、ただ待っているのは何より辛いの」「はお」塗山璟が灯を消して部屋を出ると、ちょうど瑲玹が立っていた。「時間を忘れて話し込んでしまった、彼女は疲れたと言って眠ってしまった」「傷つけるな、小夭を裏切って泣かせたらお前の命をもらう」「そんな時が来たら殺してくれ」瑲玹は後ろ手に隠していた短剣を思わず握りしめ、血を流すことで嫉妬に耐えた。翌朝、小夭が目を覚ますとすでに塗山璟の姿はなかった。すると手に塗山璟の一条の黒髪がある。「私から離れていくくせに髪を残して私の心を乱すなんて…」しかしこれまでの心のもやが晴れ、小夭はまるで天にも昇る心地だった。( ̄▽ ̄;)小夭メンドクセーw小夭が浮かれている頃、瑲玹はすでに先を見据えて動き出していた。瑲玹の新政により西炎王が功労のある湖禾(コカ)族を水運から排除、瑲玹は朝臣の反感を買って孤立してしまう。五王・西炎徳岩(セイエントクガン)はこれに目をつけ、七王・西炎禹陽(セイエンウヨウ)に息子たちを瑲玹に付き合わせるよう指示した。「血を見ずに殺すのが上策だ」西炎岳梁(セイエンガクリョウ)と西炎始冉(シゼン)は瑲玹を誘って歌舞坊へ出かけた。瑲玹はどんな芸妓にも興味を持たなかったが、ある舞姫の花妖を見初める。実はその舞姫は瑲玹の暗衛である金萱(キンケン)だった。青丘に戻った塗山璟は毒入りの手巾のおかげで間者を捕まえた。静夜(セイヤ)は蘭香(ランキョウ)の裏切りに怒り心頭だったが、心優しい塗山璟は見逃してくれる。「ただこれだけ教えてくれ、標的は私か、塗山氏か?」「…少主です」すると塗山璟は故郷へ帰るよう命じ、今後は人の争いに関わらないよう釘を刺した。塗山璟から青梅酒が届いた。小夭は塗山璟の面倒が解決したと知って安堵し、これで全力で瑲玹の力になれると奮起する。その頃、瑲玹が憂さ晴らしに遊び回っているという噂は中原まで届いていた。心配した塗山璟は赤水豊隆と接触、実は五王たちの警戒を解くための演技だと知る。訳もなく中原に行きたいと言い出せば当然、怪しまれるからだ。すると塗山璟は自分にも策があると切り出した。「辰栄山の28峰に今も人はいるか?」「国が滅び、王族の師弟の多くは軹邑(シユウ)城に移った。今や侍衛や宮女が残っているだけだ」「辰栄山を取るならこれを契機に使うのだ」瑲玹は今夜も従弟たちと歌舞坊へ出かけた。すると始冉が憂いを失くせるという丹薬・逍遥(ショウヨウ)を勧めて来る。瑲玹は罠だと分かっていたが、金萱の心配をよそに素直に飲み込んだ。しかしその帰り道、ばったり亡き父の腹心だった応龍(オウリュウ)と出くわしてしまう。応龍は瑲玹を諌めようとしたが、瑲玹はわざと逍遥が入った瓶を投げつけ、暴言を吐いて呆れさせた。小夭は瑲玹が戻ったと聞いて寝殿を訪ねた。「先に言ってくれれば解毒薬を作ったのに」「医者に尋ねた、病みつきになる薬らしい、だが私ならやめられるさ」瑲玹は叔父たちが自分を使い物にならなず、何の志もないと思い込まさねばならないと訴えた。「私にはお前がいる」「いつまで続ける気?」「契機を待っているのだ」一方、赤水豊隆が策を弄した辰栄山に雷が落ちた。天雷は偶然だったが、塗山璟は契機ができたところで火に油を注ぐ必要があるという。するとある夜、琦園(キエン)に突然、岳梁と始冉が兵を率いて乗り込んで来た。実は刺客が現れ、捜索しているという。対応に出た鈞亦(キンエキ)は反発したが、五王の令牌があっては拒めなかった。その頃、小夭はすでに休んでいた。しかし寝所に誰かが侵入したと気づいて身体を起こす。寝所には念のため毒を仕掛けておいたが、驚いたことに仮面の男は平然と寝台までたどり着いた。…毒が効かないの?…「霊力は高いけれど深手を負っているようね?私は手を貸さない」すると男は帷を開けた。小夭は恐る恐る手を伸ばして仮面をはずしたが…。つづく( ゚ェ゚)辰栄山うんぬんがさっぱり分からないけれど、きっと何かあるんですw
2024.09.12
コメント(0)
长相思 lost you forever第23話その日、防風邶(ボウフウハイ)が小夭(ショウヨウ)を案内したのは離戎(リジュウ)氏が営む地下賭場だった。離戎氏と言えば双頭の天犬の末裔、身分を隠したい客は犬の仮面をつけるという。しかし周囲の目など気にしない小夭は堂々と入った。格闘場ではどう猛な男と華奢な少年が戦っていた。すると客たちの予想に反して少年が勝利する。小夭は心を失った傷だらけの少年の姿にかつての自分を重ね、防風邶に賭けを持ちかけた。「どちらがあの子に希望を与えられるかしら」小夭は少年に温かく接し、生きていれば必ず良い事があると励ました。しかし少年の死んだような目は全く動かない。防風邶は思わず失笑、小夭と交代した。すると少年は防風邶の言葉を聞いて急に顔を上げ、目を輝かせる。「何を言ったの?」「それは…秘密だ」小夭は帰りの道すがら、少年に何を言ったのかしつこく聞いた。仕方なく防風邶は″自分も闘技場の奴隷だったがこうして生きている″と伝えたと明かす。しかし小夭は少年がそんな嘘を信じるとは到底、思えなかった。「他に何かしたでしょう?」「奴隷だけが知る言葉で話しかけたんだ」「あなた、何者なの?」良家の子息が奴隷の言葉など知るはずがない。小夭は思わず防風邶の胸と自分の胸に手を当てた。すると2人の鼓動が同じだと分かる。その時、偶然にも西炎城に到着した塗山(トザン)氏の馬車が通りかかった。塗山璟(トザンケイ)は防風意映(ボウフウイエイ)を連れて各地の主管たちと面会し、ようやく目的地の西炎城に入った。すると窓から外を見ていた意映が二兄の姿に気づき、馬車から降りる。「二哥!」「意映?久しぶりだな…彼が青丘公子か?私の将来の義弟だっていう…」意映は二兄と一緒にいるのが第一王姫だと気づいて慌てて拝礼した。思わぬ形で小夭と再会を果たした塗山璟、それにしても噂の防風邶が相柳とうり二つとはどこかいかがわしい。そこで塗山璟は馬車で王姫を送って行こうと申し出たが、小夭は歩きたいと断り、防風邶と親しそうに帰ってしまう。一方、五神山では皓翎(コウレイ)王が全てお見通しだとは知らず、阿念(アネン)が侍女・海棠(カイドウ)と変装し、王城を脱出していた。塗山璟は翌朝一番で琦園(キエン)を訪ねた。瑲玹(ソウゲン)は塗山璟の目的が小夭だと気づいたが、小夭なら朝雲殿に出かけたところだという。そこへ老桑(ロウソウ)が駆けつけ、王姫が来たと報告した。しかし現れたのは王姫は王姫でも阿念、すると塗山璟は落胆し、帰ってしまう。阿念は父王がなかなか西炎に行くことを許してくれず、策を講じてこっそり抜け出したと自慢した。しかし瑲玹はそう簡単に城門を出られないことなど重々、承知している。ともかく正式な訪問でない以上、人には小夭の友人と言うよう助言した。「ここでの私の立場は弱い、小夭の友人なら安全だ」「ぉぅ…心配しないで、哥哥に迷惑をかけないようにする」「迷惑なものか」その頃、塗山璟と顔を合わせたくない小夭は朝雲峰で弓術の修練に励んでいた。すると西炎王が様子を見に来る。小夭は祖父を座らせると、西炎王は小夭の手にできた立派なたこに驚いた。「若い娘は手袋をはめて稽古するものだぞ?」「目的が違うから…狩を楽しむためじゃない、私は敵と戦うためよ」西炎王はため息をつき、よく考えて夫を選ぶよう勧めた。小夭が選んだ相手なら誰に嫁いでも構わないという。「どんな夫を望む?」「幼い頃から苦労が多かったから、年頃になっても生きるのに必死で恋どころじゃなかった やっと伴侶が欲しいと思った時には、もう誰も信用できなくなっていたわ 母親でさえ私を捨てたのよ?私を捨てない男がいるとは思えない 何より祖父王や父王のような人は怖い、伴侶より優先する事があるから どんな選択を迫られようと私を選び、どんな困難が訪れようと私を見捨てない… そんな人がこの世の中にいるのなら添い遂げてもいいわ」「私が天下を取るよりも難しいだろう」「分かっているから私は誰のことも想わない、心が揺れ動いても抑えようと努力する 理想の人に出会えなければ嫁がない、男がいなくても楽しく過ごせるわ」西炎王は時には愚かな方が良いこともあると助言したが、どちらにしても思うがまま動けない瑲玹の代わりに小夭には自由でいて欲しいと言った。瑲玹は河運内史(カウンナイシ)に任命され、一見すると順調そうに見えた。しかし実際は叔父たちに懐柔された官吏が言うことを聞かず、苦労が絶えない。この日も河運署では湖禾(コカ)族の官吏が水族と結託して通行手形の手続きを遅らせ、民たちは鮮度が肝心の荷を運べず途方に暮れていた。瑲玹は官吏に掛け合ったが逆に脅され、水族にからまれてしまう。そこへ船が遅れていると聞いた塗山璟がやって来た。塗山璟の姿を見た官吏は態度が一変、塗山家が全ての荷を買い取ると聞いて慌てて民たちに通行手形を出してくれる。こうして瑲玹は塗山璟のおかげで叔父たちの嫌がらせを回避した。瑲玹は阿音を祖父に紹介した。阿念は自分も西炎王を″爺爺″と呼びたいと懇願、西炎王は快諾し、西陵纈祖(セイリョウケッソ)の碧玉の腕輪を授ける。「ありがとうございます、爺爺!」小夭が鞦韆に乗って弓矢を手入れしていると瑲玹が現れた。瑲玹は阿念が来たと報告し、今頃、祖父に碁を教えてもらっているという。「阿念に見つかると面倒だから出かけるわね」しかし瑲玹は小夭が防風邶と待ち合わせだと知るや本題を忘れて厳しい表情になった。「会ってもいいがこれだけは忘れるな、防風氏は叔父たちを頼っている 少しの油断が命取りになる」「心配しないで、矢を向けられたことは忘れない」すると小夭は瑲玹が塗山璟の件で来たのだと気づいた。恐らく塗山璟が自分に会いたいと言ったのだろう。瑲玹は正直に今の自分には塗山璟が必要だと明かし、会って欲しいと頼んだ。防風邶は弓を射る小夭を見てすぐ機嫌が悪いと分かった。そこで今日は弓術の稽古をやめようと言ったが、小夭は気分に左右されては一生、上達しないという。すると防風邶は小夭の傷だらけの指に気づいた。「王姫とは思えぬな」「私は温室育ちじゃないのよ?」「…王姫などやめて私と放浪の旅に出ないか?」「いいわよ?全てを捨てる覚悟があるならね」しかしその言葉を聞いた防風邶は失笑してごまかしてしまう。「本当に口先だけね、私を甘く見ないで」塗山璟は再び琦園を訪ねたが、瑲玹は帰っていなかった。しかし第一王姫が戻っていると知り、老桑に案内してもらう。すると驚いたことに小夭の寝殿で防風邶が待っていた。「小夭は弓の稽古で疲れていてね、適当に座ってくれ」小夭は横になっていたが、塗山璟の声に気づいて飛び起き、慌てて身なりを整えて顔を出した。塗山璟は急によそよそしくなった小夭に困惑した。「哥哥が戻るまでここでしばらくお待ちを…私と邶は用があるので失礼するわ」すると小夭は防風邶と仲良く出かけてしまう。しかし門を出た小夭は瑲玹のため塗山璟の機嫌を取る約束だったと思い出した。「実は哥哥の用事を思い出したの、今日は行けないから日を改めない?」その時、防風邶はぞっとするような冷たい視線で小夭を見つめた。小夭は一瞬、相柳を思い出して怯んだが、防風邶はすぐ笑顔に戻る。「用があるなら仕方がない、またの機会に」塗山璟は船遊びの時、小夭が兄が手に入れた魚丹に興味があると気づいていた。貴重な魚丹紅は見つからなかったが、運良く手に入れた魚丹紫を持ってきたという。「これを君に…」実は塗山璟は小夭のため、試しに水中で息ができるか試していた。「これがあれば1日中、水中にいられた、だが君は霊力が強いからそんなにはいられない」小夭は塗山璟の誠意が嬉しい反面、苛立ちを隠せなかった。「忘れようとすると私の心を揺さぶるんだから!」「…すまない、来るべきではなかった」「何も分かってない!」小夭は思わず魚丹をほおり投げてしまう。一方、防風邶は何とも惨めな気分でなじみの小食堂に入った。「いらっしゃい、今日はあの美人さんと一緒じゃないの?」「…1人じゃダメですか?2人じゃないとだめなんですか?!」つづく( ゚ェ゚)なるほど、小夭が爺爺に明かした気持ちが全てを物語ってるのね
2024.09.11
コメント(0)
长相思 lost you forever第22話塗山璟(トザンケイ)は辰栄(シンエイ)府に赤水豊隆(セキスイホウリュウ)を訪ねた。実は西炎瑲玹(セイエンソウゲン)を支援して欲しいという。しかし今の西炎は五王と七王が朝廷を牛耳っており、後ろ盾のない瑲玹を助けても何の利もなかった。豊隆は難色を示したが、塗山璟は高い志を持つべきだと訴える。「何の功も立てず、一氏族の長で終わる気か?」翌日、瑲玹は五王の息子・岳梁(ガクリョウ)から宴に招かれた。小夭(ショウヨウ)はまだ足場が固まっていないうちに朝雲(チョウウン)峰から出るのは危険だと止めたが、瑲玹は頂に立つためには避けられないという。その時、小夭は妓楼で見かけた相柳(ソウリュウ)とうり二つの公子を思い出した。「何だか嫌な予感がする…私も行くわ、侍衛も帯同して」岳梁は瑲玹を招待しておきながら完全に無視した。招待客たちも示し合わせたように関わろうとしなかったが、そこへ七王の息子・始冉(シゼン)が客を連れて来る。「あの赤水献(ケン)を負かした皓翎羲和(コウレイギワ)部一の猛者だ」「禺彊(グウキョウ)です」一方、女客の宴席にいた小夭は歓待されていた。しかし令嬢たちの話に全くついていけず、息が詰まって外へ出てしまう。小夭は宴席を離れて独り酒を飲んでいる黒髪の相柳を見つけた。「相柳、ここで何をしているの?」しかし男は人違いだという。「君に一目惚れしたと言ったら?ふっ」確かにその男から蠱虫(コチュウ)の反応はない。そこで試しに毒入りの酒を飲ませてみたが、男は本当に毒にあたってしまう。小夭はすぐ毒消しを飲ませて謝罪したものの、やはり不信感は拭えなかった。「私は防風邶(ボウフウハイ)、もう間違えるな」実は相柳とうり二つの男は意映(イエイ)の兄だった。すっかり日も暮れ、宴はお開きとなった。馬車の前で瑲玹が来るのを待つ小夭、すると門から瑲玹と禺彊が現れ、別れの挨拶を交わしている。その時、小夭は一瞬の突風に驚いて空を仰ぎ、防風氏の白馬を見つけた。小夭は慌てて瑲玹を呼び戻したが、瑲玹が振り返った瞬間、いきなり禺疆に襲われてしまう。しかし瑲玹は応戦、禺疆と霊力と霊力がぶつかり合い、激しい衝撃波が起こった。すると小夭が巻き込まれ、馬車に激突し、地面に叩きつけられてしまう。「小夭っ!」慌てた瑲玹はわずかに集中が途切れ、禺疆はその隙をついて一撃を放った。小夭の目の前で瑲玹が力なく倒れた。「誰かっ!誰かぁぁぁぁぁぁぁ!」動けない小夭は必死に侍衛を呼んだが、禺疆の結界が侵入を阻む。すると禺疆は瑲玹を捕まえ、巨大な氷刀を招喚した。小夭は悲鳴を上げながら必死に這いつくばり、何とか瑲玹を救おうともがく。「禺疆nnnnnnnng!羲和部が滅んでもいいの?!」「これは個人的な復讐、羲和部には関係ないんじゃ!」「なわけあるか!私は皓翎王姫だぁぁぁぁぁぁ!」「よそ者のために羲和部を滅ぼすつもりか?!」「こっちのセリフじゃ!よそ者と結託して瑲玹の暗殺を謀りやがったな!」「兄はこいつに殺された!この首を兄の墓に供えにゃ気が済まねえ!」禺疆はついに氷刀を振り下ろした。「やめてェェェェェェェェェェェェェェェ!」その時、突然、現れた赤水献が氷刀を粉砕、禺疆を誘い出した。瑲玹は九死に一生を得た。しかし小夭は空から防風氏が狙っていることを思い出し、何とか立ち上がって瑲玹を守る。瑲玹も防風氏に気づき、小夭を巻き込むまいとした。すると小夭は瑲玹を抱きしめて自ら盾となる。「小夭、どけ!」「動かないで!」「いいからどけeeeeeeeeee!」「私は皓翎王姫よ!あいつらに私は殺せない!私を信じて!信じてェェェェェ!」「小夭、どけ!」「動 く な っ!」すると弓を構えていた防風邶はとんだ茶番を見せられ、結局、瑲玹の暗殺をあきらめて引き上げた。↓( ๑≧ꇴ≦)<别动(びぃぇど~ん)! ※音量にお気をつけください赤水献は禺疆を郊外まで誘き出した。禺疆はなぜ邪魔をしたのかと憤怒したが、赤水献は好敵手のあまりの下策に呆れ果てる。「兄がいたのか」「私の本名は玄冥(ゲンメイ)、兄は玄庭(ゲンテイ)だ」「かつての悪名高き軹邑(シユウ)城の主か?」「違う!兄は優しい人だった!」赤水献は復讐心を利用されているだけだと指摘したが、禺疆は何にせよ殺せるなら構わないという。しかし赤水献は復讐を阻み続けると警告し、帰って行った。赤水豊隆は塗山璟に頼まれて結局、瑲玹を救った。しかし瑲玹の立場が弱いことは事実、深入りしたくないのが本音だという。すると塗山璟は地図を招喚した。「今は立場が弱くとも、西炎城を離れれば話は変わる…ここが西炎山だ」翌朝、西炎王は負傷した瑲玹を見舞い、朝雲峰の衛兵を動かせる令牌を託した。しかし西炎を手に入れたいならここに閉じこもっていては駄目だと助言する。やがて傷が癒えた瑲玹は小夭と一緒に王族の墓へ出かけた。瑲玹は再び小夭が自分の盾になることがあってはならないと五神(ゴシン)山へ帰すことにしたが、小夭は別々の道を歩むとしても今ではないという。すると小夭は瑲玹の手を握りしめた。西炎王は瑲玹を河運内史(カウンナイシ)に任命し、西炎城内に屋敷を下賜した。叔父たちは瑲玹の暗殺を邪魔した小夭に恨みを募らせたが、禺疆の件で息子たちが父王から叱責されたばかり、表立って動くことはできない。一方、瑲玹は琦園(キエン)に居を構え、小夭も一緒に朝雲殿を出た。すると荷物を整理していた侍女・珊瑚(サンゴ)が駆けつけ、青梅(セイバイ)酒が最後の1本になったと報告する。「あなたにあげる、瓶は捨ててちょうだい その酒は放っておくと苦みが出る、放っておかれる苦々しさは玉(ギョク)山で味わった いくら好物でも苦味が出たら要らないわ」瑲玹は塗山璟への当てこすりだと気づき、代わりに桑葚(ソウシン)酒を持って来るよう珊瑚に命じた。「塗山璟に近況を尋ねる文を書こうか?」「結構よ、期待もしなければ失望もしないって言ったでしょう?それより薬房をしつらえて」「また毒か?」小夭は塗山氏の車力に清水(セイスイ)鎮への荷物を頼んだ。荷物は一見、美しい点心の詰め合わせに見えたが、実は毒だという。「それで受取人は?」「届ければ取りに来るはずよ」するとその帰り道、防風邶と出くわした。防風邶は小夭が憮然としていると知りながら、しつこくついて来る。しかし自分たちの命を狙いながら平然と現れた防風邶の企みが気になり、小夭は弓術の腕前が見たいと挑発した。小夭は防風邶が目を見張るほどの凄腕だと知り、今さらながら身震いした。…この男に射られていたら私も瑲玹もひとたまりもなかった…「お見事ね」「習うか?」すると防風邶の指南のおかげで霊力の弱い小夭でも見事に的を射ることができた。防風邶の話では弓術なら少しの力で最大限の効果を得られ、強い者にも勝てるという。「どうだ、私に師事する気になったか?」「うん!」思いがけず気分が晴れた小夭は罠だとしても思い切って飛び込んでみようと決めた。防風邶は馴染みの小食堂に小夭を連れて行った。「ここの肉は西炎城で一番うまいぞ」すると防風邶は小夭のために肉を取り分け、焼餅(シャオビン)の柔らかいところを譲った。「どうした?」「何でもない、私の知り合いではないと確信しただけ」防風邶の顔や飄々とした雰囲気は相柳によく似ていた。しかし本当に相柳なら塗山璟のように女子を優しく気遣ったりはしない。一方、青丘に戻った塗山璟は小夭のことを思わない日はなかった。そんなある夜、西炎の密偵から報告書が届く。…こちらに大きな動きはなし、ただし第一王姫は防風邶と親しくしており、人目もはばからず街に繰り出しては娯楽に興じている、宵の口まで秘境や山野を巡ることも…塗山璟は驚きのあまり、慌てて部屋を飛び出した。小夭は防風邶のおかげで退屈することがなくなった。「今日はどこへ連れて行ってくれるの?」つづく
2024.09.10
コメント(1)
长相思 lost you forever第21話西炎(セイエン)王は孫たちが到着したと知っていたが、少し昼寝をすることにした。「ここまでの道は長い、まだまだかかるだろう」西炎王の予想通り、小夭(ショウヨウ)と瑲玹(ソウゲン)は門衛に阻まれ、城門で足止めされていた。叔父の五王・西炎徳岩(セイエントクガン)と七王・西炎禹陽(セイエンウヨウ)が言うには父王が瑲玹の拝謁は許していないという。しかし小夭はひるまず、瑲玹と一緒に入れないならこのまま皓翎(コウレイ)へ帰ると脅した。確かに民のため国に殉じた将軍の娘である王姫を追い返したとあれば大事、叔父たちは体面を考えて仕方なく引き下がるしかない。こうして小夭と瑲玹は300年ぶりに朝雲(チョウウン)殿へ戻った。小夭と瑲玹は西炎王に叩頭、帰国の挨拶をした。小夭の態度を見れば祖父に不満があるのは明らかだったが、西炎王はそんな孫の様子を微笑ましく見ている。しかし朝雲殿の唯一人の王孫である瑲玹には厳しい顔を見せた。「帰り道を忘れたのかと思ったぞ?」「遅くなりました…国を得るために戻りました」西炎王は瑲玹が覚悟をもって戻ったと知り、その代わり自身の力で手に入れるよう釘を刺した。「悪く思うな、私が与えたとしてもお前は守りきれぬ」「分かっています」小夭と瑲玹は拝謁を終えて外に出た。朝雲殿の前庭には今も鳳凰樹があったが、幼い頃に遊んでいた思い出の鞦韆(ブランコ)はない。しかし瑲玹は鳳凰花は昔のままだと言った。「私たちも戻った」すると瑲玹はその夜、鞦韆を作り、翌朝には鳳凰樹にぶら下げておいた。瑲玹は久しぶりに祖父と碁を打った。西炎王は孫の腕が落ちていないことに安堵しながら、連絡もしなかった自分を恨んでいるかと尋ねる。しかし瑲玹は祖父の石を持つ手が震えているのを見ながら、長い年月の苦労を察した。「苦難を望む者はいません、しかし苦難に打ち勝てば自らの力となります」「…この一局は見事だった」「爺爺(イェイェ)、少しは身体を動かさなくては、外を歩きましょう」すると瑲玹は自ら祖父に履き物を履かせた。小夭が祖父への挨拶に向かうと留守だった。しかし門衛から中で待つよう勧められ、小夭は生前の頃のまま残してある祖母の遺品を懐かしむ。西陵纈祖(セイリョウケッソ)の化粧台には今も鳳凰花が飾られていた。小夭は祖母のかんざしを挿してみることにしたが、そこへちょうど西炎王と瑲玹が戻ってくる。「気に入ったのなら持って行くが良い」祖父の声に驚いた小夭はかんざしを化粧箱に戻し、装飾品など所詮は男の気を引くための道具に過ぎないと言い放った。「冷然としているな、お前の母や祖母とはまるで違う」「だから何なの?男のために苦労しろと?私は男に尽くしたりしない」すると西炎王は王室の者なら悪くない考え方だと認め、孫たちを下げた。瑲玹は小夭を鞦韆に乗せた。小夭は祖父の自分たち家族への仕打ちを思うと素直になれなかったが、意外にも瑲玹は一国の君主である祖父の選択が理解できるという。「私と同様、爺爺もきっと傷ついてきたのだ」しかし瑲玹も祖父も小夭にはそのまま正直であって欲しいという。「哥哥…君主になるためには爺爺と同じ道を歩むべき?勇敢で冷酷であるべきなの?」「まだ何も成していない私には答える資格がない」「私にできることがある?」「私はお前を利用して来た、もう十分、助けてもらった」瑲玹は塗山璟(トザンケイ)が自分に協力的なのは小夭のおかげであり、何より帰国できたのは小夭が王姫に戻ってくれたからだと感謝した。「お前が私を思ってくれる、それが助けとなる お前の手を血で汚すことは望まぬ、ただそばにいてくれ、それだけでいい」小夭はもはや背を押してくれる人はいないと鞦韆を諦めていたが、今は瑲玹が何度も小夭の背中を押してくれた。( ;∀;) イイハナシダナー一方、青丘に戻った塗山璟は和解こそ難しいものの、母の過ちを償うため兄・塗山篌(トザンコウ)を許すことにした。しかし塗山篌にとって最善の謝罪は塗山璟が消えることだという。そんなある日、塗山璟は人払いしてから太夫人に防風意映(ボウフウイエイ)との退婚を申し出た。太夫人は憮然とし、いくら情がないと聞いても塗山家に尽くして来た孫も同然の意映を追い返しては恩を仇で返すようなものだと激怒する。「奶奶(ナイナイ)、族長の座には就かず、汚名は私が背負います!」すると頭に血が上った太夫人は倒れてしまう。↓店長とクレーマーみたいなwその頃、防風意映は愛しい塗山篌からもらった魚丹紅の首飾りを眺めていた。そこへ侍女・喧昼(ケンチュウ)が血相を変えて駆けつける。「二少主が太夫人に退婚を申し出たそうです 太夫人はお怒りのあまりお倒れになったとか…」意映も塗山璟に情などなかったが、両親の手前、防風家の後ろ盾を失うわけにはいかなかった。塗山璟は小夭のため準備した青梅酒を確認した。すると1瓶だけ梅の花のない枯れ木の絵になっている。驚いた塗山璟は侍女を呼んで酒に触れたか聞いたが、静夜(セイヤ)も蘭香(ランキョウ)も決して触っていないと言った。「これは瑲玹殿下に届けないでくれ」塗山璟はこれまで小夭への想いを込め、季節ごと瑲玹あてに酒を届けて来た。1組9本を12組、しかしまだ4組しか送っていない。小夭は老桑(ロウソウ)と2人、鳳凰樹林で最後の青梅酒を空けていた。急に届かなくなった塗山璟の誠意、しかし小夭はどこか冷めている。すると瑲玹がやって来た。「用があって街に出る、一緒にどうだ?」「いいわ!」小夭は帷帽(イボウ)で顔を隠し、瑲玹と歌舞坊を訪ねた。「妓楼に来るとは意外ね?…ここで待ってるわ」「そうか、では舞でも見ていてくれ」すると瑲玹は独りである芸妓の部屋に入った。芸妓・金萱(キンケン)は瑲玹の亡き伯父が建てた青鳥(セイチョウ)司の暗衛の一人だった。しかし今や青鳥司は凋落し、金萱は王孫が命を狙われたことも最近になって知ったという。「申し訳ありません」「謝る必要はない、叔父が放った刺客はお前の知らせで避けることができた」すると金萱はこれまでに集めた消息を瑲玹に渡した。実は西炎王の具合が悪く、五王と七王が勢力を伸ばし、猛者たちが次々と配下に下っているという。「殿下の侍衛だけでは敵いません、朝雲峰を出るのは危険です」その頃、舞を眺めていた小夭はある公子とすれ違い、驚愕していた。面紗から垣間見た公子は黒髪でありながら相柳(ソウリュウ)とうり二つ。驚いた小夭は思わず追いかけようとしたが、ちょうど瑲玹が現れ、その間に見失ってしまう。一方、塗山璟は密書を受け取り、西炎で不穏な動きがあると知った。…小夭が危ない…塗山璟は急ぎ西炎に向かうことにしたが、ふと思い直して行き先を軹邑(シユウ)城に変える。すると防風意映が手作りの差し入れを持って見送りにやって来た。塗山璟は断ったが、意映の手の包帯に気づく。侍女から意映が火傷してまで作ったと聞いた塗山璟は結局、差し入れを受け取った。「ありがとう」実は回復した祖母がひとまず婚礼を保留すると言ってくれた。…意映を妹と思って過ごせばいい、退婚は時機を見て話し合いましょう…妓楼からの帰り道、小夭はそれとなく相柳の話を振った。「手配書に人相画がないのはどうして?」「顔を見た者は多いが、奴は九頭蛇だ、素顔が9つある上、変幻自在だからな」小夭はふと自分に見せていた顔も相柳の素顔とは限らないと怪しむ。「でも妙だな、なぜ顔を変えずに仮面をつけていたんだ?」「彼も私と同じように自分自身の顔で生きていたいのかも…」つづく|ω・`)そうだよね、やっぱり相柳も出てくるよね…
2024.09.09
コメント(1)
神隐 The Last Immortal第2話「古晋の劫」降誕目前で仙元が砕け散ってしまった鳳隠(ホウイン)。そのきっかけとなった古晋(コシン)はどんな罰も厭わないと覚悟したが、そこに大澤(ダイタク)派宗主・東華(トウカ)が駆けつけた。実は古の神器・鎮魂塔(チンコントウ)が2つ揃えば鳳隠を呼び戻すことができるという。もし仙元が帰すれば長い苦行も不要になるというのだ。東華は鎮魂塔を招喚、ひとまず鳳隠の肉体を保存することにしたが、もう1器は幽冥(ユウメイ)界にあった。しかし神の道である問天路を通るためには9度の天鞭(テンベン)に耐えねばならず、半神でなければ命はない。すると東華は自分が借りてくると約束してその場を収めた。責任を感じた古晋は自ら問天路に出向いた。激しい天雷に耐えること9道、ついに問天石への嘆願が叶う。「古晋…いや元啓(ゲンケイ)よ、お前の願いは小火鳳のことだろう」問天石はその代わり元啓が計り知れない代償を払うことになると警告した。しかし古晋は自分の身体に流れる″混沌の血″が結界を破り、母が与えた火鳳玉が自分の血に反応して鳳隠の仙元を吸収しようとして破裂してしまったと嘆く。「後悔しません、どんな代償も受ける覚悟です!」「いいだろう…お前に劫を授ける、鳳隠の帰還はお前の災いと引き換えだ」すると問天石は元啓に光り輝く霊石を授けた。「鳳隠の仙元は新たに三界に集まる、縁あれば帰するであろう」( ๑≧ꇴ≦)_⭐︎古晋は光る石を手に入れた!って鎮魂塔は?鳳隠の肉体と霊石は鎮魂塔に保存され、再び涅槃で封印された。しかし古晋は劫を避けられず、それがいつなのか、何なのか、誰も分からない。実は祖神擎天(ケイテン)が置いた問天石との取り引きは祖神との取り引きも同然、呪詛の解呪方法はなかった。鳳淵(ホウエン)は劫により真神の血が途絶えてしまうのではと不安になったが、東華は古晋の劫と鳳隠の帰還が複雑に絡み合う因果であり、運命には逆らえないという。結局、古晋が見たという黒い影は行方が分からず、種族も不明なままだった。鳳淵は修行のため閉関、その間、天帝の座はしばらく瀾灃(ランホウ)に譲ることにする。…その頃、問天石が授けた霊石から仙元が飛散した、その1つは大澤山の谷深くに舞い降りる…あれから10年が経った。古晋は鳳隠が目覚めるまで霊獣・火翅(カシ)の厳しい監視の元、禁谷に閉じ込められている。すると月に1度だけ入谷を認められている青衣(セイイ)が差し入れの酒を届けにやって来た。しかし相変わらず孔雀公主・華姝(カシュ)から何の音沙汰もないと知り、古晋は落胆する。青衣はいい加減にあきらめるよう諫め、2人は釣りを始めた。その時、突然、火の鳥が現れる。(ˇ⊖ˇ)<ピーッ!!!(時は来た!)青衣は火の鳥に驚いてうっかり酒瓶にぶつかり落とした。驚いた古晋は貴重な酔玉露(スイギョクロ)を拾うため崖下まで降りたが、その時、物陰で青く光る丸い石を見つける。そこで手を伸ばして石を取り出してみると、水凝獣(スイギョウジュウ)の卵だと分かった。水凝獣は九州八荒で1番の霊薬と言われ、その霊丹は傷んだ内丹を治して仙力を補うという。「皮膚も骨も爪でさえ薬になるんだ、まさか禁谷で見つかるとはな」「じゃあ食べるんですか?」「まさか…そうだ鳳隠にあげよう、目覚めが早まるかも!」古晋は卵を持って山小屋に戻った。仙獣をふ化させた経験はなかったが、まるで母鳥のように大切に育て、ついにある夜、卵がかえる。しかしちょうどその時、古晋は酔い潰れて眠っていた。水凝獣は自分の霊丹を狙う古晋に恨みを募らせ、思わず唾を吐きかけて逃げ出してしまう。水凝獣は卵があった場所へ戻り、しばらく何かを探し回っていた。するとどう猛な野獣が現れる。必死に逃げ惑う水凝獣、その時、古晋が現れ、仙術で野獣を追い払ってくれた。翌朝、古晋は水凝獣を鳥籠に閉じ込め、勝手に出歩いたことを叱った。するとまだ小さな水凝獣が泣き出してしまう。古晋は言い過ぎたと反省、自分がふ化させた水凝獣に情が湧き、霊丹を取り出すのも忍びなくなった。「俺の朋友はお前の親戚のようなものだ、お前が成長したら助言をもらおう」どうやら水凝獣も納得したらしい。古晋は水凝獣を籠から出して手のひらに乗せた。「俺の霊獣になるか?…お前は嚶嚶(インイン)泣くから″阿音(アイン)″と呼ぼう」暴れん坊の阿音は半年経っても古晋を手こずらせていた。その夜、古晋は阿音を懲らしめるため、山小屋に結界を張り巡らせ、眠ってしまう。閉じ込められた阿音は不満を募らせ、古晋が大事にしている酒を全て飲み尽した。すると阿音は霊力が強い酔玉露を飲んだせいで突然、化身してしまう。翌朝、目を覚ました古晋は隣に見知らぬ娘が寝ていると気づき、驚いて蹴り落とした。「誰だ?!お前、誰だよ?!」すると起き上がった阿音は自分が人像(ヒトガタ)を得たと気づき、言葉も話せると分かる。「食ってやる…」阿音はこれまでの鬱憤を晴らすように古晋に突進、肩に噛み付いた。古晋が見つけた水凝獣がふ化し、1000年もかからず人像を得た。しかし水凝獣は7万年前に絶滅したはず、しかも霊力源となる懸湖(ケンコ)の養分もない。報告を聞いた東華は仙鏡で禁谷の様子をのぞいたが、古晋は仙獣に乾坤袋を盗まれて翻弄されていた。「進歩のないやつだ…」そこで閑善(カンゼン)に山門巻(サンモンカン)を所望、古晋の気運を確認したが、″血光の劫″が見える。どうやらこの水凝獣こそ古晋の災いらしい。そこへ清池(セイチ)宮の主管・紅綢(コウチュウ)が現れた。「小神君の脅威なら殺すまで」紅綢が仙界に留まっているのは元啓を無事に玉座に返すためだった。しかし今回、小神君を止めず問天路に行かせた東華に反発、すぐ仙獣を始末するよう迫る。東華は三界の生き物を勝手に殺せないと拒み、何より儀合(ギゴウ)から古晋のため秩序を乱さぬよう釘を刺されていた。「私が試しましょう、劫を回避する方法を…」阿音は古晋の留守中に乾坤袋を盗み、山小屋に帰って来た古晋を仙鎖で拘束した。すると何の霊符かも知らずに適当に放ち、古晋は散々な目に遭わされてしまう。「俺が本気を出せばお前なんぞ…はっ!小刀はダメだ!」阿音は古晋が小刀を恐れていると気づき、首に突きつけて外へ出ろと脅した。しかし阿音が禁谷の外れまで来たせいで野獣の群れに襲われてしまう。阿音は仕方なく古晋の仙鎖を解いて一緒に逃げ出したが、猛獣の数が多過ぎた。やがて2人は崖まで追い詰められ、やむなく飛び降りる。その時、突然、2人は霊力につながれ、額に何かが封印された。実は東華は野獣を倒して古晋たちを救い、2人に主従契約を結んだ。これで阿音は古晋の仙僕(センボク)となり、決して主に危害を加えることができなくなる。その頃、古晋と阿音は地面に落下、互いに相手が何かの術を使ったと誤解した。怒った阿音は性懲りも無く古晋が落とした乾坤袋を奪い取って霊符を放とうとしたが、急に頭が痛くなって動けなくなってしまう。そこへ青衣が駆けつけた。実は尊師が2人を主従関係で結び、阿音は主に悪事や邪念を抱けなくなったという。しかも阿音は主から一定の距離しか離れられず、逃げることもできなかった。「ふっ、こりゃいい、尊師!感謝します」すると翌朝、禁谷の結界が解けていた。つづく( ゚ェ゚)まだ可もなく不可もなく…
2024.09.08
コメント(1)
神隐 The Last Immortal第1話「新たな火鳳の降誕 」足元には一本の道 谷に横たわる生死を黄泉という見上げれば一本の川 川を望むと今生が映し出される川の上には一本の橋 忘憂とは過去の塵が散ること道の果てには石一つ 三生とは全ての塵縁(ジンエン)を断つことここは幽冥界修言(シュウゲン)が酒を飲みながら幽君の詩を聞いていると、阿音(アイン)が現れた『阿音…歴劫(リャッコウ)に送ってまだ18年、公主の身分をあげたのにもう終わりか? 皇室の龍の気でも君の衰運は救えぬと?』『私を歴劫に送る時、言ったわね?今度は平和で幸せな人生だって、なのに私は兄皇に… 不幸な結末だったわ、この道を20回以上も歩いたけれど、いつ終わるのかしら?』その時、阿音が川を望むと風格ある神仙の姿が映し出された『彼はなぜ悲しそうなの?』あれは1000年前のこと、彼が愛した女仙が妖族の狐王を助けたそれが元で仙界の霊山が滅び、仙妖の戦が起きてしまう彼は見せしめに女仙を神剣で刺し、女仙の仙元は散ったそれ以来、彼は女仙の仙元が残っていないか、こうして毎年、探しに来ているという『死なせてしまったからって、そこまで執着しなくても 私がその女仙ならきっと生まれ変わっても2度と会いたくないわ じゃあ行くわね~あ、そうだ、その女仙の名は?』『阿音だ』『その女仙の名前を聞いたのよ?』その時、阿音の姿に気づいた元啓(ゲンケイ)が幽冥界に飛び込んできたしかし修言が咄嗟に阿音を歴劫に送ってしてしまう『修言?!今のは阿音か?!』『阿音はもういない、神君、お忘れか? 元神剣は至高の神剣、剣を受けた者は終わる、全ては幻だ』元啓は修言の辛辣な言葉に目を潤ませながら、必ずまた阿音と巡り会えると信じていた…時はさかのぼり1000年前。仙界の梧桐(ゴトウ)島では鳳族が次の火鳳(カホウ)の誕生を楽しみに待っていた。火鳳が殻で育ち始めて100年、涅槃(ネハン)を経てそろそろ降誕する頃だろう。しかし現鳳皇の存命中に次の火鳳が誕生するのは前代未聞のことだった。天帝であり鳳皇・鳳淵(ホウエン)は小火鳳の降誕を祝う宴を催すことにした。大澤(ダイタク)派の弟子・古晋(コシン)は宗主・東華(トウカ)の代わりに祝いを届けることになり、青雲(セイウン)とちょうど入門したばかりの新弟子・青衣(セイイ)を同行する。すると道中、青雲は青衣が人間界から昇天してすぐ大澤山に入門できるとは幸運だと話した。「我ら大澤山は一等仙門だ、相当ついてるな」「一等?!では最高位ですか?!」「いいや」この世は太古より神が最も貴く、神界の下、人間界の上に仙界・妖界・幽冥界の三界があった。神界は真神(シンシン)が住む所で、上神となって始めて行くことができる。残念ながら神界の門は長らく閉じたままだったが、三界にはそれぞれ主がいて、そもそも神界は滅多に関わることがなかった。実は古晋の正体は真神の血族である元啓だった。素性を知るのは大澤派の東華、閑竹(カンチク)、閑善(カンゼン)の3人を除けば天帝と清池(セイチ)宮の主管しかいない。あれは200年前、滅世(メツセ)の劫が起こり、元啓の父神・帝眷(テイケン)が劫を止めるために散った。母神の儀合(ギゴウ)は悲しみに暮れ、神界を閉ざして帝眷の復活に力を注いだという。当時、まだ幼かった元啓は深く傷ついて神力を失ってしまい、儀合は息子に修行させるべく下界へ送ったのだ。火鳳と言えば真神の霊獣、東華は降誕する小火鳳と古晋にも深い関係があるため、古晋を祝宴に送っていた。神族の話を聞いて目を輝かせる青衣、しかし古晋は神界など冷たくて面白くないと言い放った。「行ったことが?!」「…いや、想像さ」その時、突然、馬が暴れて車が激しく揺れた。すると馬車の横を万儀(バンギ)派の弟子たちが笑いながら抜き去って行く。「霊風(レイフウ)め…」実は万儀派の少主・霊風は酔仙(スイセン)楼の競売で貴重な酒・聞仙酒(ブンセンシュ)を古晋に横取りされた恨みがあった。梧桐島の祝宴には多くの招待客が集まった。すると降誕が待ちきれず、鳳隠(ホウイン)はこっそり涅槃を飛び出して自分の祝宴を見学することにする。その時、蒼梧(ソウゴ)殿に妖君で狐王・鴻若(コウジャク)が甥・鴻奕(コウエキ)を同伴して現れた。妖族の姿に眉をひそめる仙族たち、しかし実は鳳淵と鴻若は長年の盟友だという。「今日は鳳隠が降誕する日、忘れないで かつて静幽(セイユウ)山の手合わせであなたが負け、鳳族から好きな嫁を選べと言ったわ 鳳隠が成人したら正式に結納に来るわね」しかし寝耳に水だった鴻奕は仙族を娶る気などさらさらないと言い捨て、帰ってしまう。その様子を鳳隠がこっそり見ていた。(ˇ⊖ˇ)<気性の荒い妖君だこと、仙界に恨みでもあるのかしら?鴻若は蒼梧殿を飛び出した甥を引き留め、なだめていた。その時、制御不能になった馬車が現れ、鴻奕が咄嗟に妖術で馬を御して止める。しかし勢い余って古晋たちが空から落下して来た。哀れな姿に霊風は失笑、妖君を煽って古晋と手合わせさせようとしたが、鴻奕は馬鹿馬鹿しいとばかりに帰ってしまう。「もっと妖君と話したかったのに…」古晋は名残惜しそうにぼやいたが、その様子を鳳隠も見ていた。(ˇ⊖ˇ)<この仙君は…蒼梧殿に孔雀王・華黙(カモク)が娘の華姝(カシュ)を連れて現れた。孔雀公主の美しさに仙君たちの目は釘付け、しかしそのせいで華姝は女仙たちの嫉妬を買ってしまう。(*´・ω)<孔雀族は二流の仙門なのに偉そうよね(*´・ω)<見て~頭に孔雀玉胆(ギョクタン)を載せてる~(*´・ω)<でも鳳族が真神からいただいた火鳳玉の方が貴いわネー(*´・ω・)(・ω・`*)ネー祝宴が始まった。しかし鳳淵は宴席をのぞきに来ていた鳳隠に気づき、後を追いかけて捕まえる。「殻の中で待たず、幻形術を使って飛び回るとは…なぜ出て来たの?」「尊師が誰を選ぶか心配で…相手は私が選ぶから勝手に決めないで」すると鳳隠は神仙たちの貴賤を決めるのは天なのか聞いた。宴席の女仙たちは名門たちに嫁ぎたいと話し、仙君たちも家柄を競っていたという。「なぜ家柄が気になるの?分からない」「あなたは天性の王、皆の苦悩など分かるはずないわ」しかしだからと言って簡単に鳳皇の座に就けるわけではなく、火鳳は数々の劫を経験しなければならなかった。↓見っかちゃった!梧桐島は多くの招待客のため結界を解いていた。魔族の灼影(シャクエイ)は主に報告、この機に梧桐島へ侵入するという。仙族と妖族に九淵熬獄(キュウエンゴウゴク)に封印されて200年、青霖(セイリン)は恨みを募らせ、小火鳳を殺して火鳳玉を奪えと命じた。古晋は宴席を抜け出し、青雲と青衣を探していた。すると偶然、庭園にいた霊風と女仙の話を立ち聞きしてしまう。女仙は祝宴に駆けつけた仙君たちの目当ては火鳳との縁組だと噂していた。「でも火鳳は真神の霊獣よ?神君の元啓には誰も敵わない」「誰も顔を見たことがないんだ、ひどく醜くて小火鳳は嫌がるかも 何が真神だ、確かに生まれはいいが、親の愛を受けずに育った しかも昔、神界は乱れていて、母の儀合は下界の神君と噂があったとか 元啓は帝眷の子ではないかもな 帝眷も元啓が真神の子でないと知り、怒って滅世の劫に身を投げたのかも…」「黙れ!」古晋は思わず霊風に殴りかかった。霊風はなぜ古晋が真神をかばうのか分からなかった。しかしこれまでの恨みを晴らすべく殴り返し、仙鎖で縛り上げてしまう。驚いた女仙は必死に止めたが、その時、誰かが法術で霊風を罰し、古晋を解放した。「誰だ!」霊風は激怒したが、女仙は物陰からわずかに見える真紅の紗に気づき、孔雀公主だと誤解した。慌てた霊風と女仙はただの遊びだったと謝罪、逃げるように去って行く。実は古晋を助けたのは鳳隠だったが、偶然にも全ての成り行きを華姝が見ていた。古晋は孔雀公主を呼び止め、救いの手を差し伸べてくれたことに感謝した。華姝は物陰にいた赤い衣の娘と自分を勘違いしていると気づいたが、大澤山の弟子に恩を売っておけばいつか役に立つと踏んで成り済ます。「いいの、気にしないで」「ご恩は必ず…何が欲しい物があれはお持ちします」すると侍女・紅雀(コウジャク)はわざと無理難題を言った。「何でも?ふふ、では小火鳳は儀合真神の火鳳玉を持っているとか、さすがに無理でしょう?」しかし古晋は手に入れると安請け合いしてしまう。一方、灼影は梧桐島に潜入したものの炙火(シャカ)の結界に阻まれ、小火鳳の殻に近づくことができずにいた。すると誰かの気配を察し、慌てて物陰に潜む。それは恩人に報いようと火鳳玉を借りに来た古晋だった。古晋の手にはちょうど霊風ともめた時にできた傷があったが、驚いたことにその血が結界を破ってくれる。しかし古晋は急に火鳳玉の力に引っ張られ、慌てて仙鎖を放って木に縛りつけた。そこで灼影は咄嗟に鎖を切断、涅槃に吸い込まれる仙君と一緒に入ろうとしたが、独り跳ね返されてしまう。鳳淵たちは涅槃の異変に気づき、火鳳の様子を見に行った。すると殻の中の鳳隠が離散、その前で古晋がへたり込んでいる。鳳淵と鴻若は直ちに燃魂灯(ネンコントウ)で鳳隠の仙元を探し回ったが、三界には見当たらなかった。おそらく火鳳玉に砕かれ、時空の乱流に落ちたのだろう。「姑姑…」「なぜ鳳隠の涅槃に入ったの?!」「火鳳玉を借りたくて…」「何のために?!」華姝は巻き込まれることを恐れたが、古晋は恩人を売らなかった。「それは…結界の外にいたのに、何かの力で引き込まれたのです 鎖仙術で身体を止めたのに、黒い影が現れて…鎖を切られ飛ばされました 火鳳玉は何かの衝撃で破裂したようです」古晋のせいで数万年かけて生まれる火鳳が消えた。これに鳳族は激怒、たとえ東華の弟子でも雷刑にすべきと鳳皇に嘆願する。古晋は潔く罰を受け入れると言ったが、古晋の身分を知る鳳淵は困惑した。つづく(  ̄꒳ ̄)うむ、長い…これでもかなり端折ったのにw
2024.09.07
コメント(0)
长相思 lost you forever第20話塗山璟(トザンケイ)は許嫁・防風意映(ボウフウイエイ)とは結婚しないと断言。実は傷だらけの身体を見られてしまい、意映に毛嫌されていると教えた。「ただの傷痕でしょう?うわべのことだわ、勘違いじゃない?」しかし小夭(ショウヨウ)にとってたかが外見のことでも、世間では多くが称号や家柄に惹かれるものだという。塗山璟はそんな小夭が一番だと笑顔を見せたが、かつての玟小六(ビンショウロク)が今や誰もが絶賛する皓翎(コウレイ)の第一王姫・皓翎玖瑤(コウレイキュウヨウ)となり、自分では釣り合わないとうつむいた。「あなたはあなたでしょう?…そうだ、昨夜ある男に口づけするよう迫られたわ でも今はあなたにしたい」すると小夭は自ら塗山璟に唇を重ねてしまう。塗山璟は驚きを隠せず、小夭から身を引いた。「やめよう…時期尚早だ」「はて?男は女子を見れた誰にでもすぐ口づけしたいのかと…」「私は違う」「じゃあ…いつできるの?」「分からない」塗山璟は以前のように″いつ″とは約束できなかった。…時機を決めるのは君だ、私ではない、私が欲しいのは君の愛であり、哀れみではない…その時、小夭を探しにきた西炎瑲玹(セイエンソウゲン)の声が聞こえて来た。瑲玹が海岸で小夭を探している、小夭がひょっこり現れた。「なぜ髪が乱れている?!…いつの間に塗山璟と一夜を共にする仲になった?!」「これが夜通し遊び尽くしたように見える?」確かに小夭は髪の毛に海藻を絡ませ、衣は塩水でシワシワになっていた。「あなたの可愛い妹妹に海へ突き落とされたのよ!」その頃、阿念(アネン)は小夭が翌朝になっても戻らないと知って心配になっていた。すると突然、侍女が止めるのも聞かず小夭が寝宮に乗り込んでくる。小夭は鍵を閉めてから阿念を挑発、2人は取っ組み合いの大げんかになった。しかし霊力を封じられた阿念は小夭に拘束されてしまう。「母親の身分が高い私を羨んでいるんだろう? だが母親が王姫大将軍だったばかりに国の大義を背負って出征、2度と帰らぬ人になった …なんなら母親を交換するか?」「嫌よ!」「…瑲玹と私は互いを唯一のよすがとしている、私を虐げるお前を許すと思うか? どちらに味方するか分かっているから嫉妬しているんだろう?!」これまで唯一の王姫として愛されてきた阿念、確かに突然、小夭が現れ、自分の居場所を奪われてたのだから無理もない。そこで小夭は姉妹として仲良くできなくても、互いに干渉しないことで折り合いをつけようと提案した。「いいわ、関わらない」阿念は小指を差し出し、小夭と指切りして平和協定を結んだ。防風意映は旅先で塗山篌(トザンコウ)との密会を楽しんでいた。すると偶然、塗山篌が隠し持っていた鴛鴦の刺繍入り手巾を発見する。浮気がばれた塗山篌は一夜の遊びだったとなだめたが、意映は裏切られたと激高、出て行ってしまう。その頃、小夭は塗山璟を訪ねていた。彼が皓翎を離れたら次はいつ会えるか分からない。しかし塗山璟は外出してしまったという。瑲玹は赤水豊隆(セキスイホウリュウ)、辰栄馨悦(シンエイケイエツ)兄妹と塗山璟たちを誘って船遊びに出かけた。すると豊隆は塗山篌までいることに困惑する。「なぜあいつが?」「″兄も一緒に″と言われたんだ」豊隆は塗山璟がまだ兄弟の和解を諦めていないとため息を漏らしたが、瑲玹には何の話か分からなかった。瀛州へ足を伸ばした小夭は露店で珊瑚の装飾がついた箱に目を止めた。そこで店主に価を聞いたが、突然、どこかの令嬢が現れ、箱を横取りされてしまう。小夭は傲慢な令嬢が辰栄馨悦と防風意映だと気づき、箱を譲って帰ることにした。すると瑲玹が帷帽(イボウ)で顔を隠した小夭に気づく。「小夭?…小夭!お前も散策していたのか?」辰栄馨悦は自分が箱を奪った相手が瑲玹の従妹で第一王姫の小夭だと知った。そこで仲直りの印に箱を返し、謝罪する。「明日、帰るのでお土産にしたくて無礼な真似を… そうだ、今から皆で船遊びに行くの、一緒にどう?」一行に小夭が加わり、送別の宴となった船遊びは和やかに始まった。辰栄馨悦が小夭を兄の隣に座らせてくれたおかげで、赤水豊隆は美しい小夭に釘付け。するとすっかり気を良くした豊隆が酔った勢いで海に飛び込んだ。「魚を捕って来る!」泳げない瑲玹は驚いたが、防風意映と仲違いしてむしゃくしゃしていた塗山篌まで飛び込んでしまう。「私も捕って来る!」それを見た意映は自分も泳ぎたいと口実をつけ、塗山篌を追った。すっかり感化された馨悦は泳げないという瑲玹に自分が教えると迫り、道連れにしてしまう。船に残ったのは小夭と塗山璟だけとなった。思いがけず塗山璟と2人だけの時間を過ごせることになった小夭。しかし塗山璟と防風意映が一緒にいる姿を見るのはやはり辛い。「他の女に思われている男は好きにならない どんなにいい人でも自分が損をするなら見限る」一方、塗山篌と防風意映は小島に上陸していた。意映はまだ怒っていたが、塗山璟は2人の馴れ初めを思い出させ、機嫌を取る。「許してくれ…意映、あの年の端午節のことを覚えているか? 出会いはやはり船の上だったな」「忘れるわけない、北方育ちの私は初めて水景を見て興奮のあまり川に飛び込んだわ」「お前はまだ泳げず、霊力を使うことも忘れるほど慌てていたな」そんな意映を助けたのが塗山篌だった。「あの時から私の心を占めているのはお前だけだ、本当に好きなのはお前だけ」塗山篌は手巾の主が弟の間者だったため利用したとごまかし、意映と仲直りした。塗山璟は防風意映にも自分への情がないのは事実だと訴えた。しかし残念なことに清水(セイスイ)鎮とは事情が異なり、自分も小夭も自由に動けなくなったという。「君の父王に婚姻を申し入れる、猶予をくれないか、堂々と君の前に立ちたい! 私以外を思わないで欲しい」「あなたは本当にずる賢い、青梅酒を贈って来たりして何かと約束を思い出させる ″過分な望みは抱かない″と言いながら決して諦めようとしないのね」「すまない、私にはもったいない人だと分かっているが、どうしても諦められない」瑲玹たちは無事に船に戻り、身なりを整えた。するとわざと時間をずらして塗山篌が最後に海から上がって来る。その手には深海で仕留めた魚妖の魚丹があった。魚丹は装身具や薬材、道具作りに用いられ、上質になると呼吸を助ける道具が作れるという。色によって魚丹紅・魚丹紫・魚丹黄に分けられるが、多くはまだらのため、塗山璟が持っていた真っ赤な魚丹は貴重だった。小夭と瑲玹は五神山に戻った。船で2人きりになった小夭と塗山璟の様子が気になる瑲玹、しかし逆に小夭から辰栄馨悦に色目を使われていたとからかわれてしまう。瑲玹は馨悦が色目を使うのは自分が西炎王の孫だと知ったからだと冷ややかだったが、自分も同類だと認めた。「辰栄馨悦だからこそその気持ちを拒まなかった 嫌いな者の恨みは買えず、好きな者には近づけない、辛いさ だが西炎を得るには避けられぬ代償だ」「西炎山に戻れば骨肉の争いが待っている、覚悟はできているの?」「来年の姑姑の命日に私は朝雲(チョウウン)峰に立つ」「…もう長いこと母親の墓参りをしていないわ」すると小夭が瑲玹に手を差し出した。「瑲玹…私たち帰りましょう」「はお、一緒に帰ろう」瑲玹は小夭の手を握りしめた。西炎王は小夭こと皓翎玖瑤(コウレイキュウヨウ)の墓参りを許した。内心、面白くない五王・西炎徳岩(セイエントクガン)と七王・西炎禹陽(セイエンウヨウ)だったが、父王の手前、小夭を手厚くもてなすしかない。すると叔父たちは小夭を温かく出迎えながら、一緒に帰ってきた瑲玹を完全に無視した。「瑲玹は拝謁できぬ」小夭は仕方なく自ら瑲玹の手を引いて城門に向かったが、門衛が立ちはだかった。つづく( ̄▽ ̄;)これどうするよ?…と思ったら西炎に帰国で俄然、やる気になる管理人w
2024.09.06
コメント(0)
长相思 lost you forever第19話第一王姫の明瑟(メイシツ)殿に薬房ができた。小夭(ショウヨウ)は王姫という身分を利用して貴重な薬材を集め、久しぶりに新しい毒を完成させる。霊力が弱くなってからは母譲りの医術で自分の身を守って来たが、今となっては清水(セイスイ)鎮で相柳(ソウリュウ)のために毒を作っていた頃が懐かしい。「でももう玟小六(ビンショウリク)はいない、相柳は私に会っても気づかないわね」すると小夭はふと思い出して猩猩(ショウジョウ)の鏡に相柳の顔を映した。そこへちょうど皓翎(コウレイ)王が現れ、思い出し笑いしている姿を見られてしまう。小夭は慌てて鏡を消したが手遅れだった。「その人は…ただの知り合いよ」皓翎王は娘の想い人が塗山璟(トザンケイ)だと思っていただけに、銀髪の男を見て困惑しているようだった。「許嫁がいる人を想っても辛くなるだけ 心配しないで、ずっと男だった私には乙女心のかけらもないから」五神(ゴシン)山に″第一王姫お披露目の儀″に招かれた氏族が集まった。西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は⾚⽔豊隆(セキスイホウリュウ)たちから到着の知らせを受け、挨拶がてら本当の身分を明かすことにする。「私は西炎国の西炎瑲玹、軹邑(シユウ)城で動くには都合が悪く嘘をついていた、すまない」しかし辰栄馨悦(シンエイケイエツ)は見初めた知音の身分が王族だと知り、内心、飛び上がりたいほど嬉しかった。蓐収(ジョクシュウ)は第一王姫のため準備した礼服を皓翎王に見せた。天下一の機織り職人が作った衣は完璧だったが、真紅の布地が赤宸(セキシン)を思い起こさせ、皓翎王は理由も告げず作り直せと命じる。その頃、瑲玹は明瑟殿にいた。小夭は赤水豊隆が従兄の本当の身分を知っても受け入れてくれたと知って安堵したが、瑲玹はどこか浮かない顔をしている。「何があったの?」「塗山璟(トザンケイ)も一緒だった…小夭? もし私と塗山璟どちらか1人しか選べないと言われたら誰を選ぶ?」すると小夭は自分たちの関係は切っても切れないもの、熱しやすく冷めやすい男女の情とは違うと笑った。「心配せずにやりたいようにやって、塗山氏があなたの敵になるなら私にとっても敵だわ」お披露目の朝、小夭の新しい礼服が墨をかけられ、台無しになっていた。仕方なく小夭は父が気に入らなかった最初の礼服をまとい式場に登場、その美しさに誰もが魅了される。塗山璟はもちろん、赤水豊隆は一目で小夭に心を奪われた。礼服を汚した張本人の阿念(アネン)は何事もなく現れた小夭の姿に動揺を隠せなかったが、隣にいた母にたしなめられてしまう。こうして皓翎の第一王姫・玖瑤(キュウヨウ)としての第一歩を踏み出した小夭。まさかその場に相柳が紛れ込んでいることなど知る由もなかった。↓まさに( ゚Д゚)゚Д゚)゚Д゚)ジェットストリームポカーン儀式が終わり、堅苦しい礼服から解放された小夭。しかし父王はなぜ自分が急遽、あの礼服を着たのか理由を知っていた。「阿念が新しい礼服を駄目にしたのだろう?」実は皓翎王は小夭をひいきしていると思われないよう阿念が何をしても黙っていたという。思えばこの人生、心残りはあれど後悔はないが、娘たちのことだけが心配だった。「2人が心から互いを受け入れ、支え合うことができれば安心できる」「努力するわ」その頃、阿念は独り海岸でふて腐れていた。すると思いがけず海から相柳が現れる。相柳は阿念の小夭への嫉妬に気づき、自分が手を貸すので懲らしめようと提案した。「殺しはしない、どうだ?」阿念はなぜ自分に協力してくれるのか分からなかったが、相柳はいずれ辰栄軍のために手を貸してくれれば良いという。「でもどうやって懲らしめるの?」大役を無事に果たした小夭は寝宮で羽を伸ばしていた。すると漪清(イセイ)園の宴に出席しているはずの瑲玹が現れ、塗山璟から″龍骨獄で待つ″と言づかったという。小夭は断ったが、ふと塗山璟に15年だけ待つと約束したことを思い出した。「やっぱり会うわ」小夭は女子として初めて塗山璟と会うことになった。すると寝宮から侍女たちと一緒に衣を選ぶ嬉しそうな小夭の声が漏れ聞こえる。回廊に出た瑲玹は小夭を止めたい気持ちを押し殺し、結局、華音(カイン)殿に帰って独りやけ酒をあおった。小夭が龍骨獄へ向かっていると、林の中から急に阿念が現れ、切り立つ崖へ誘った。父と約束した手前、仕方なく誘いに乗った小夭だったが、阿念に突き飛ばされて海へ落ちてしまう。その頃、塗山璟は海岸でひたすら小夭が来るのを待っていた。小夭は崖から海に落ちても不安はなかった。…私は泳げるのよ?…しかし海上へ上がろうとした矢先、相柳に脚をつかまれ、引きずり込まれてしまう。息が続かずもがき苦しむ小夭。相柳は自分の口から息を吸うよう合図したが、小夭は拒んだ。相柳は小夭を連れて岸に上がった。「ゲホゲホゲホォォォッ!どうして私が小六だと分かったの?他人のふりをするつもりだったのに…」「私には蠱虫(コチュウ)がいる、忘れたか?…私を騙したな?」相柳は身分を隠して西炎王の孫をかばったと責め、全ての嘘を白状しろと迫った。しかし小夭は嘘をついたことはないと断言する。「今までの話は全て本当よ」小夭は相柳の機嫌を直そうと靴の中に入れていた薬瓶を取り出した。「新しい毒薬を作ったの、飲んでみて、あなたのために作ったのよ?」「…俺のために?(グビ)まだまだだな」(,,Ծ‸Ծ,,)<チッ!あきらめないんだからね(ボソッ相柳は小夭の小六らしい一面を垣間見ると、なぜかほっとした。相柳は小夭の美し顔をまじまじと見つめながら、なぜ海中で自分からの息を拒んだのか尋ねた。何とか誤魔化そうとした小夭だったが、相柳に嘘は通じない。「怖かったから、あなたが怖い」相柳は小夭の思わぬ本音に困惑した。「口づけが死よりも怖いか?」「私の哥哥が…瑲玹が言ったの、″お前は夢見る乙女だ″って あり得ないと思うけど…でもやっぱり怖い、あなたにうっかり夢に入られることが あなたは夢見ていい人じゃないのよ?それは死よりも怖いことなの」相柳は意外な理由を聞いて失笑、小夭を冷たく突き放し、独りで海へ戻ってしまう。一方、塗山璟は満ち潮で腰まで水に浸かりながら、まだ小夭が来るのを待っていた。小夭は塗山璟との約束を守るため、夜通し海を泳いだ。しかし波に飲まれて息が苦しくなり、ついに力尽きて沈んでしまう。その時、塗山璟が現れ、小夭を抱き止めた。相柳は小夭が無事に戻れるか密かに見守っていた。すると塗山璟が小夭を抱きかかえて陸に上がる姿が見える。相柳は親密な2人の様子に激しく動揺し、無理に埋め込んだ蠱虫が身体を蝕んでしまう。霊力で何とか痛みを抑え、後ろ髪を引かれる思いで海に消えた相柳。一方、塗山璟は龍骨獄で小夭との再会を喜んだ。「私は防風意映(ボウフウイエイ)を娶らない、むしろ防風意映は私を毛嫌いしている」翌朝、老桑(ロウソウ)は珍しく二日酔いの瑲玹に酔い覚ましを差し入れた。そこへ侍女の珊瑚(サンゴ)が慌てて駆けつける。「殿下、第一王姫がゆうべから戻りません」瑲玹は慌てて立ち上がったが、小夭の体面を考え、あえて冷静に振る舞った。「第一王姫は遊びに夢中で時を忘れたようだ、迎えに行く、他言無用だ」しかし小夭が塗山璟と一夜を明かしたと思うと瑲玹の心は激しく揺れた。つづく( ๑≧ꇴ≦)どうするかな~いやこれどう? ←誰に聞いているのかw
2024.09.04
コメント(0)
长相思 lost you forever第18話小夭(ショウヨウ)が駅館に戻るとすでに西炎瑲玹(セイエンソウゲン)の姿があった。「今日のところは目的を果たした、それで街に出たのか?どうだった?」「うん…なぜだか急に女子の美しい衣が着たくなった」仲睦まじい男女の姿を見てようやく女子に戻りたい気持ちが芽生えた小夭、しかし皆が自分の本当の姿に失望すれば、そんな皆に失望してしまうことが怖いという。瑲玹は小夭の心境の変化が塗山璟(トザンケイ)のためだと気づいたが、何にせよ自分と師匠は失望しないと励ました。翌朝、小夭と瑲玹は玉(ギョク)山へ発った。蓐収(ジョクシュウ)は皓翎(コウレイ)王から戻るよう文が届いたとごまかし、事情を知らない阿念(アネン)を連れて先に帰国の途に着く。一方、防風意映(ボウフウイエイ)は塗山璟の機嫌を取ろうと酔い覚ましを差し入れることにした。しかしちょうど着替え中だった塗山璟の生々しい傷跡を見てしまう。意映はあれほどの傷を負っても無事だった塗山璟の悪運の強さに驚愕した。ここまで虐待されれば誰でもその恨みを忘れるはずがない。「喧昼(ケンチュウ)、青丘に戻るわ、荷物をまとめて」防風意映は塗山府へ到着するとからくり扉から密室に入り、愛しい塗山篌(トザンコウ)と合流した。実は塗山璟から退婚を迫られ、もともと嫁ぐ気がなかった意映は応じるつもりだという。「あれほど酷い身体になったんだもの、身の程をわきまえたのね きっと耐え忍んで油断させ、一撃で報復するつもりよ、気をつけて」しかし塗山篌は生き延びた弟を再び同じ目に遭わせ、全てを取り戻すと奮起した。玉山ではすでに知らせを受けた王母(オウボ)が小夭たちを待っていた。あれから数百年経っても何も変わらない玉山の風景。それもそのはず、玉山は一年中、桃花が咲き続ける桃源郷として知られている。しかし小夭にとってはこの美しい桃林も悲しい思い出でしかなかった。「たとえ時間を巻き戻せても私はここから逃げる…死も同然の安らぎより流浪の日々を選ぶわ」王母は小夭が玉山に残るなら霊力を回復させることができると持ちかけた。自分の寿命も残すところ数百年、小夭を次の王母に指名し、玉山を託したいという。しかし束縛を何より嫌う小夭は断った。「今のままで構いません、穏やかに暮らせれば十分です」「好きにしなさい」王母は小夭の額に桃花のあざを戻し、駐顔花(チュウガンカ)を取り出すことはできないが元の姿には戻れると教えた。「玉山の神器なのになぜ取り出せないのですか?」「この世には私にできないこともたくさんある…」すると王母は小夭に瑤池(ヨウチ)へ入るよう命じた。小夭は期待以上の美しさだった。瑲玹は瑤池から戻って来る小夭に見とれ、しばらく言葉が出ない。「どうしたの?…哥哥?!」「(はっ!)何でもない」瑲玹は小夭を連れて皓翎に戻った。小夭はまだ自分の外見に自信が持てず、従兄の背中に隠れて父の前に立つことができない。痺れを切らした皓翎王は自ら娘の手をつかんで引っ張り出した。「…子供の頃は父王に似ていたはずなのに…なぜかしら?父王にも娘(ニャン)にも似ていないの」「誰に似る必要もない、健やかなら十分だ」皓翎王は美しい娘の姿に感激もひとしおだったが、ふと小夭の額に戻った桃花のあざを見ると複雑な気持ちになった。皓翎王は早速、家族に小夭を紹介することにした。阿念は母の静安(セイアン)妃と一緒に酒席で待っていたが、そこへ父王と従兄が見知らぬ美しい娘を連れてやって来る。すると皓翎王は耳が不自由な静安妃のため手話を交えて報告した。「彼女が私の大女児・玖瑤(キュウヨウ)だ」寝耳に水だった阿念はあまりの衝撃に言葉を失った。静安妃は阿念に姉への挨拶を促したが、阿念は猛反発、本当に父の娘かと噛みついてしまう。そこで瑲玹は実は小夭があの玟小六(ビンショウロク)だったと明かした。「人を褒めないお前が小六を″人柄は悪くない″と言っただろう? 素晴らしい姉を持てたのに何が不満なのだ?」しかし阿念は姉などいらないと食台をひっくり返して出ていってしまう。↓( ತ _ತ)<私と仕事、どっちが大事なの?!的な?(違うw)小夭は自分のせいで家族に亀裂が生まれたことに責任を感じた。一方、寝宮に戻った阿念は小夭への激しい嫉妬で大暴れ、父王が差し入れた食事に当たり散らしてしまう。これまで瑲玹の愛情を独占していただけに小夭の出現は何より阿念を脅かした。しかも身分の低い母を持つ自分とは違い、小夭の母は西炎の王后・西陵纈祖(セイリョウケッソ)の弟子で勇敢な西炎王姫大将軍、父王が最上の礼をもって迎えた妃だという。皓翎王は小夭に明瑟(メイシツ)殿を与えた。第一王姫の寝宮にしてはやはり狭いと感じたが、小夭はこれで十分だと笑う。「寂しいのは嫌なの、哥哥のそばがいいわ 流浪の身だったから物欲はないし、寝る場所はどこでも構わない」「小夭、お前はもう流浪の身ではない」皓翎王は娘の苦労を思うと胸が痛み、本来の生活を取り戻して習慣を身につけるよう言い聞かせた。小夭は苦手な礼儀作法や王宮のしきたりを学び始めた。自由気ままに暮らして来た小夭には何より面倒だったが、そこへ阿念が顔を真っ赤にして乗り込んで来る。「父王は天下の氏族をすべて儀式に呼ぶそうね?ちょと調子に乗ってない?!」「そうなのそうなの~嬉しくて涙がでちゃうわ~」小夭に挑発された阿念は思わず手が出たが、その時、慌てて蓐収が駆けつけ、皓翎王が呼んでいるからと連れ出した。小夭は偏殿に貴重な薬材を集めて薬房にした。すると早速、瑲玹が様子を見に来る。「医術の研鑽(ケンサン)か?」「身を守るためよ、私は霊力が弱いから阿念にさえ突き飛ばされてしまう 何か護身の術を持たないとね」「お前に言おうと思っていた、今後は私が守ると…だがその資格はないようだ」瑲玹は小夭との約束を果たせず、苦労させたことを思うと辛くなった。しかし小夭は瑲玹の負担になりたくないだけだと釈明し、自分の身を守ることが延いては相手を守ることになるという。「私たちは一蓮托生の仲でしょう?」一方、清水(セイスイ)鎮では石妖(セキヨウ)の新しい講談が始まっていた。皓翎王が第一王姫の帰郷を祝うお披露目の儀を盛大に催し、各氏族を漏れなく招いたという。その話を茶屋の片隅で相柳(ソウリュウ)が聞いていた。その夜、相柳は独り酒を飲みながら、小六の嘘に憤った。頼れる者もなく帰れる場所もないと言いながら、まさか皓翎の第一王姫だったとは…。「すべて偽りだったか」つづく(ヾノ・∀・`)イヤイヤイヤイヤイヤ〜顔、変わってないしwせめて鏡に映る顔だけでも小六の顔が別人だったらな〜惜しいわ
2024.09.03
コメント(0)
长相思 lost you forever第17話軹邑(シユウ)城の涇水(ケイスイ)湖で防風意映(ボウフウイエイ)に襲われた小夭(ショウヨウ)たち。小夭は咄嗟に阿念(アネン)を連れて湖に飛び込み、何とか岸までたどり着いた。「独りで大丈夫か?ここから絶対に動くなよ?」小夭はひとまず阿念を草陰に残し、侍女の海棠(カイドウ)を探しに戻った。一方、逃げ遅れた西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は防風意映の暗器を受けて湖に落ちた。意映は侍女・喧昼(ケンチュウ)に止めを刺しに行かせようとしたが、運悪く客室から辰栄馨悦(シンエイケイエツ)が現れる。「片がついたのね…姐姐、ありがとう、でも興醒めだわ、帰りましょう」しかし馨悦は湖面に浮かんでいる簫に気づいて足を止めた。小夭は無事に海棠を助け、阿念を気遣いながら夜道を歩いて駅館までたどり着いた。意外にも頼りになる玟小六(ビンショウロク)に好感を持つ阿念、しかし事情を聞いた師兄の蓐収(ジョクシュウ)はもめた相手が塗山(トザン)氏の許嫁だと聞いて及び腰になる。阿念は仕返しする気満々だったが、小夭もまず瑲玹の行方を突き止めることが先決だとなだめた。「阿念、湯浴みして着替えた方がいい」小夭は阿念を部屋に返してから蓐収に警告した。「防風意映は瑲玹だと知って襲ったと思う」辰栄馨悦は湖面に浮かぶ簫を見つけ、船から落ちた男が知音だと気づいた。そこで男を救出、辰栄府で手当する。目を覚ました瑲玹は身分を隠して皓翎(コウレイ)青龍部の軒(ケン)と名乗り、命の恩人が琴の奏者と知って喜んだ。「家人が心配しているはず、失礼します、お礼は改めて…」「安静にしていないとだめよ?家人には無事を知らせる文を送るわ」その様子を防風意映が回廊から見ていた。喧昼は隙を見て手を下すと申し出たが、意映もさすがに辰栄府で騒ぎを起こすことはできないという。翌朝、駅館に瑲玹の無事な知らせが届いた。小夭と蓐収は瑲玹に何か目論見があると気づいたが、阿念は従兄が浅手にも関わらず戻らないと激怒、しかも全く心配する様子がない2人に苛立ちを募らせる。一方、辰栄馨悦は眉目秀麗で才気あふれる知音との出会に心を躍らせていた。しかし侍女の鈴蘭(リンラン)はどんなに気が合っても青龍部の一般の若者では高貴な主に釣り合わないという。小夭は阿念に八つ当たりされないよう独りで街の散策に出かけた。すると偶然にも青丘(セイキュウ)から軹邑城に来ていた塗山璟(トザンケイ)と再会する。「小六、どうしてここへ?」「それは…やるべきことがある、あとで教える」「私も言わねばならぬことが…」「じゃあ機が熟した時に」2人は人目を気にして短い会話だけで別れた。瑲玹が駅館に戻った。さすがは鋭い小夭、従兄が何か思惑があって芝居を打ったと気づいていたという。実は瑲玹は清水(セイスイ)鎮で矢を受けたあと、防風意映を調べさせていた。「私を狙っているのは別人だった、叔父たちが絡んでいるのは確実だ」どうやら防風氏は叔父側に付いたのだろう。湖では敵が優勢だと見て退散すべきと考え、瑲玹はあえて負傷して湖に飛び込んでいた。しかし意外にも辰栄馨悦に助けられ、中原で力を持つ辰栄氏や赤水(セキスイ)氏と懇意になれるきっかけをつかむ。小夭は従兄が馨悦の情を得るため計画的に出会ったと疑ったが、瑲玹は鼻で笑った。「やはりお前は夢見る乙女だな?両氏族が私に付くか否かは情などではない 私がもたらす益で決まるのだ」(* ゚ェ゚)<冷めてんな___私は夢見る夢子ちゃんで結構です@小夭駅館に塗山璟から宴の招待状が届いた。瑲玹は断って急いで玉(ギョク)山へ発つつもりだったが、小夭は参加するよう説得する。「塗山璟に会う機会を失いたくないのか?」「それもあるけれど、⾚⽔豊隆(セキスイホウリュウ)に会う機会を失うべきじゃない 彼は辰栄熠(ユウ)を父に持つ赤水族の次期族長、他の氏族の子弟に慕われているとか 味方につければ哥哥も今後、動きやすくなるわ」瑲玹は何かと揉め事を起こす阿念に留守番させ、小夭を連れて辰栄府を訪ねた。塗山璟は小夭たちに協力し、豊隆と馨悦兄妹には友人の軒と彼の従弟・玟小六だと紹介する。知音の軒との思わぬ縁に喜びを隠せない馨悦、一方、瑲玹も西炎の朝議で残党軍との結託を糾弾された辰栄熠に理解を示し、豊隆の信頼を得ることに成功した。「中原を任された辰栄大人は残党軍と秘密裏に交渉し、投降を勧め、あまたの戦を防いで来た ″結託″なくして残党軍の数をここまで減らすことはできなかっただろう」「よくぞ言ってくれた、敬意を表する」こうして酒宴は和やかに始まったが、その時、思いがけず防風意映が現れた。↓第四の男登場!@赤水豊隆防風意映は小夭と塗山璟の間に割って入った。居心地の悪い小夭は手洗いに行くと断って席を立ち、辰栄府を抜け出して湖の桟橋へ出る。すると運良く小舟が通りかかり、乗せて欲しいと頼んだ。実はその舟に乗っていたのは糧秣の工面に来た相柳(ソウリュウ)。船頭は辰栄熠から相柳を早く送り出すよう命じられていたが、九頭蛇に乗せろと言われれば断れない。そこで相柳は女子に変身し、小六を同乗させた。小舟には面紗で顔を隠した令嬢が乗っていた。小夭は令嬢に感謝し、男女の別を守って舟先に立っている。すると相柳はわざと雨を降らせたり舟を揺らして小六が隣に座るよう仕向けた。相柳は水族に命じて途中で差し入れを受け取った。すると小六は自分にも妖族の友がいるという。「奴には噛まれてばかりさ…でも気性は少し荒いが、根はいい奴なんだ、すごく」やがて舟が街の水路に入る頃にはすっかり日も落ちていた。↓″根はいい奴″というexcuseあるある辰栄府では酒宴がお開きになった。塗山璟は勝手に宴に顔を出した防風意映に怒り心頭、慌てて追いかけて来た意映に改めて退婚を言い渡す。驚いた意映は拒んだが、塗山璟は無視して部屋に向かった。すると物陰から瑲玹が現れる。「誤解するな、防風意映とは…」「今日は感謝する、青丘公子のおかげで豊隆と友になれた だがこれだけは言わせてもらう、小夭を傷つける者は私も彼女の父王も許さない 傷つけぬと約束できぬなら今のうち小夭から離れろ」小夭は舟から花火を見上げた。その時、ちょうど橋の上で仲睦まじい恋人同士を見つける。相柳は小六が何を見ているのか気づき、お似合いの男女だと言った。「はたからみれば隣同士でいる私たちもお似合いかもしれないわ?」「姑娘、ご冗談を…たまたま同じ舟に乗り合わせただけだ」すると興が醒めた相柳は急に舟を止め、小六を下ろしてしまう。「辛い時はあなたを気にかけてくれる人を思って、彼も…その人もあなたを思っているわ」小夭は舟を見送った。「私を気にかけてくれる人?」つづく|ω・`)システムが分からん辰栄氏なのに兄だけ赤水?そう言えば瑲玹母は若水族の濁山さんだったわ馨悦は塗山璟を従兄だって言うし、豊隆は友だと言うし…ワケが分からないw
2024.09.02
コメント(0)
全22件 (22件中 1-22件目)
1