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2019.12.27
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三生三世十里桃花 Eternal Love
第27話「消えた素素」

天君が結魄灯(ケツパクトウ)を持って紫宸(シシン)殿に戻って来た。
すると珍しく東華帝君(トウカテイクン)が咳き込んでいる。
天君は帝君の気息が少し不安定になっていることに驚いた。
司命(シメイ)星君はお節介にも帝君が青丘(セイキュウ)の小殿下を2度も仙力で助け、また東皇鐘(トウオウショウ)に動きがあったので擎蒼(ケイソウ)を仙術で制圧したと説明、しかし途中で帝君が制止する。
今はそれより夜華(ヤカ)を救わねばならない。
「結魄灯に火をともし夜華の枕元に置きなさい、3日で夜華の元神をちゃんと集めてくれる
 しかし3日間、決して火が消えないよう見守るのだ、だが仙術で守ってはならん」
連宋(レンソウ)は了解し、早速、火をつけた。

一方、青丘では白浅(ハクセン)が折顔(セツガン)からもらった忘情薬を見つめていた。
思い出すのは夜華と交わした夫婦の誓い言葉…。
「夜華…まさかあなたとこれほど深い縁があったとはね(ふっ)でも結局ただの悪縁に過ぎなかった」
すると白浅はためらうことなく薬を飲みほし、眠ることにした。

その頃、昏迷していた夜華は、草屋の寝台に座っている素素(ソソ)の夢を見た。
『東荒俊疾(シュンシツ)山の素素はもう存在しない…夢が覚めたら何もかも忘れ去っている…』
そう言い残して消散した素素、するとついに夜華はうっすら目を開ける。
夜華?夜華!>( ´・ω・)´・ω)(ω・`(・ω・` )<夜華?夜華!
「急げ!薬王を呼ぶのだ!」
しかし夜華は自分が天宮にいると分かって落胆したのか、再び目を閉じた。

薬王の診察を待つ間、天君と連宋は中庭に出た。
「連宋、本君は夜華に対して厳し過ぎたであろうか?」
この数万年、天君の意に従って生きてきた夜華…。
あれはまだ夜華が幼過ぎて経文が読めなかった時のこと、夜華は母の前で1度だけ涙を流したことがあった。
そんな幼子に心を痛めた楽胥(ラクショ)は天君に慈悲を求めたが、かえって過保護な母が子供を駄目にすると天君を怒らせてしまう。
それ以降、夜華は2万歳で上仙に昇進するまで母と会えなかった。
すると連宋は夜華が墨淵(ボクエン)を超える神童だとしても、自分の目には哀れな子供にしか見えなかったと吐露する。
幼い頃から独りぼっちの夜華は遊び友だちさえいなかったからだ。
実は連宗は男女の情も知らない夜華を密かに嘲笑していたという。
「しかしそんな夜華が素素と出会い、本当の愛に巡り合った結果、こんな結末になるとは…」

白浅が戻ったと聞いて狐帝・白止(ハクシ)たちは十里桃花に駆けつけた。
狐后は娘の寝顔を眺めながら安堵したが、一方で娘の度重なる試練に胸が痛む。
2万年しか師事していない墨淵に義理堅くも己の心の血を分け与えて仙体を守ったかと思えば、今度は上神に昇進するため情劫に見舞われるとは…。
すると折顔は白浅から忘情薬を求められたと教え、目覚めた時にすべて忘れているのも悪くないと言った。
「私たちは素知らぬふりをしよう、ただ彼女の両目を治してはおいたが、強い光りは見られない」
狐后は自分が嘘をつけない性格のため、すべて白真(ハクシン)に任せることにした。
しかし狐帝だけはなぜ隠す必要があるのかと首をかしげる。
飛昇上神の試練なら皆が過去に経験しているからだ。
「あなたに何が分かるの?この子が耐えられることなら忘情薬を求めたりしません!
 いいわ、この子が忘れたいなら忘れさせてあげましょう」
「お、おぅ」←狐帝w
「その通りだ、彼女には擎蒼との戦いで怪我をして眠っていたことにしよう
 目については…(あ!)…生まれつきの病気で、今回、怪我を負ったのを機に発症したことに…」
「そうね、そいうことにしましょう…あなた分かった?」
「お、おぅ」←狐帝www
すると折顔は白止に黄泉(コウセン)へ行くよう頼む。
玄光を使って遮光できる白綾(シラアヤ)を作り、白浅につけさせてやるためだ。

白真は折顔と庭に出たが、なぜ両親がいつも折顔の言いなりなのか訝しんだ。
すると思いがけず、折顔と父が母を巡って戦ったことを知る。
結局、母は無骨な父を選び、父と折顔は激しい戦いのあと友人になったという。
「私に感謝するんだな
 私がお前の母をあきらめなかったら、お前たちは今頃ここにはいなかったんだぞ?」
「恥も外聞もなくまあ~母上が老鳳凰を好きになるものか(呆」
「老鳳凰?…真真?1歳の時、私の身体を這い上がって来て、ちゅっと口づけしたのを忘れたのか?」
「老鳳凰~私が1歳の時の事を今さら持ち出して、面白いか?」
「ああ~面白いね」

夜華は意識が戻ったが、寝台で身体を起こしたまま失意の底にいた。
楽胥(ラクショ)は哀れな息子の様子を見かね、薬王からもらった忘情丹を勧める。
「これを飲めば素素を忘れることができるわ、以前の天族太子に戻るのよ
 大業を成す必要はないの、母はただ…そなたに生きていて欲しいだけ…うっ」
するとようやく夜華が重い口を開いた。
「私は彼女を忘れたくありません…」

↓あっさり忘れる女と引きずる男の図


一方、十里桃林でも白浅が目を覚ましていた。
すでに狐帝たちの姿はなく、白真がひとり現れる。
「四哥?…なぜだか物がはっきり見えないの、目がチカチカする」
「まあ焦るな、折顔が手当てしたからじきよくなる、でも強い光は見られない」
「どうしてこんなことに?」
そこで白真は折顔が決めた通り、生まれつきの病だと嘘をついた。
母が白浅を身ごもった頃、ちょうど天君が四海八荒九州万民を戒めるため大洪水を起こしたという。
洪水の後は食べる物もなく、母は当然、身体が虚弱になった。
そのせいで白浅はシワシワの小狐狸で生まれ、目も患っていたという。
しかし白浅はこれまでこんな症状はなかったと訴えた。
白真の話では十数万年も白浅の身体に潜伏していた疾患が今回の熱病を機に発症したのだという。
すると白真が白綾を渡し、父が黄泉の玄光で光りを遮る白綾を作ってくれたと教えた。
白浅が明るい場所に行けば自然に現れ光を遮ってくれるが、視界に影響はない。
早速、白浅は白綾を目につけてみると、ようやく眩しさがなくなって普通に見えるようになった。
「で、擎蒼と戦ったあと数年も眠っていたから、その間のことは覚えていないだろうな~
 白浅上神?」
「上神?」
白浅は自分の元神を確認して上神に昇進したと知ったが、いつの間に飛昇上神の劫を乗り越えたのか分からない。
「擎蒼と戦って数年、眠っていただけなのに?夢の中で上神に飛昇したのかしら?」
「ぁぁぁ~お前は本当に運が好いな?(汗」
その時、白浅は急に墨淵のことを思い出し、慌てて飛び出して行った。

墨淵の仙体を安置している炎華(エンカ)洞にちょうど折顔がいた。
白浅は慌てて師父の様子を確認したが、自分の心臓の血を飲ませていなかったにも関わらず、仙体に変化はない。
すると折顔は、恐らく墨淵がもうすぐ目を覚ますからだと教えた。
「墨淵はじきに目覚めるのやも…」

白浅は折顔と一緒に狐狸洞に戻った。
すると迷谷(メイコク)が右往左往している。
聞いてみると天宮から戻った白鳳九(ハクホウキュウ)が酒浸りだという。
連れ戻しにきた父・白奕(ハクエキ)と一悶着あり、迷谷は父に打たれる鳳九を見かねて救い出していた。

白浅と折顔が奥の部屋へ様子を見に行くと、白真が酔っぱらった鳳九に付き添っていた。
「小九?なぜそんなに飲んだの?」
 お酒は一時的に心を楽にするけど、酔いが冷めたからって何も解決していないのよ?」
プッ( ˘ω˘ )oO(忘情薬、飲んだヤツが良く言うわ@折顔
するとようやくうな垂れていた鳳九が顔を上げた。
「姑姑…お酒を飲んでも悩み事が消えないことくらい、もちろん知ってるわ
 だけど飲んでいないと辛くて仕方がないの、だからずっと飲んでるしかない
 帝君の前で泣けないし、他人の前で泣くこともできないし、泣けるとしたらこの部屋だけよ」
白浅は白真を解放すると、鳳九と帝君の間に何があったのか聞くことにした。

その頃、天宮の一攬芳華では阿離(アリ)の泣き声が響き渡っていた。
奈奈(ダイダイ)は阿離をあやしていたが、やがて自分まで悲しくなって来る。
「泣かないで…泣かないで…うっ…私は分かっています、どうして泣いているのか
 母上の両目を傷つけ、命まで奪った人が今夜、父君に嫁ぐのですものね
 もし母上が誅仙台で飛び降りていなかったら、今日、洗梧宮に嫁ぐのは母上だった
 その代わりに母上を殺した女が来るなんて…」

鳳九は自分でもなぜ東華帝君が好きなのか分からなかった。

それにしても狐帝の孫で青丘唯一の小公主である鳳九がなぜ東華帝君を好きになったのか。
東華帝君は天君より年長で、かつて天地の主だった。
白浅はそれこそ鳳九の父が生まれる前から東華帝君はすでに天地の主だっと教える。
「知っています、司命が話してくれたから」
「ならなぜまだ悩むことがあるの?」
「理屈では割り切れないわ…(はっ)姑姑は誰かを好きになったことある?
 私みたいにボロボロになった?」
「…あったわ」
しかし夜華との記憶がない白浅が思い出した恋の相手は離鏡(リキョウ)だった。
「やめましょう、崑崙虚にいた時の事よ、恥ずかしい話だわ」

紫宸殿では仙娥たちが祝賀の飾り付けで慌ただしく動き回る中、夜華はなぜか墨淵の行方を調べ始めていた。
しかし天君が調査させて7万年になっても手がかりさえない案件だ。
連宋と司命星君は戸惑いを隠せずにいたが、夜華は司音(シイン)と墨淵の失踪には必ず裏があると疑っていた。
墨淵が最も寵愛した司音、そんな愛弟子が師匠の仙体を天族の聖地である無妄海(ブボウカイ)に埋葬しないどころか、仙体を盗むだろうか。
夜華は司音が墨淵を生き返らせるために盗んだと考えていた。
「司音を探したい、知りたいんです、墨淵を生き返らせる方法を」
連宋はようやく夜華が素素を取り戻すため、司音を探したいのだと気づく。
すると2人の話を聞いていた司命星君は心当たりが1人いると思い出した。
「誰だ?!」
「白鳳九です…」
「…青丘白浅の姪だな」
「その通りです、彼女は何が知っているような気がします」
夜華は取るものも取り敢えず青丘に出かけることにしたが、連宋が慌てて引き止めた。
「今か?忘れたのか?!今日は素錦とお前の婚儀だぞ?!」
「…そうでしたか?本当に忘れていた」
こうして夜華は狐狸洞にやって来た。

白鳳九は白浅に破雲扇(ハウンセン)を取り戻したは自分だと報告した。
白浅は鳳九が本当は憂さ晴らしで北海へ行ったことを迷谷から聞いていたが、それでも傷心の鳳九が自分のために立ち上がることを忘れなかったと喜ぶ。
そこへ迷谷が慌ててやって来た。
突然、天族太子・夜華が訪ねて来たという。
「姑姑っ!アイツは薄情な人よ!嫁ぐなんてダメ、絶対!」
「私が太子に嫁ぐ?」
迷谷は白浅が療養で眠っていた時、狐帝と折顔が太子夜華との縁談をまとめてきたと教えた。
何も知らなかった白浅は唖然、破談になったとたんに婚約、しかも今度は二皇子の甥である太子が相手とは…。
白浅は自らこの婚約を取り消して来ると息巻いたが、迷谷が止めた。
当初の北海水君との縁談とは違い、今回は青丘白浅と皇太子との縁談、しかも天君と狐帝が四海八荒の神仙たちがいる前で取り決めたという。
もし白浅が本当に断って再び破談になれば、青丘と天君の面目を潰すことになる。
「もういいわ、太子に帰ってもらいなさい、私は会わないから」
「姑姑?太子殿下が会いに来たのはあなた様にではなく…鳳九様で…」
「鳳九?あなた、太子と仲がいいの?」
「んなこたぁ~ない!だって彼のことメチャ嫌いだもん!」
「本当?でも天族太子が自らあなたに会いに来るなんて…何かやらかしたのね?」
「いや、やってないから!…あ、でも彼の従妹も帝君が好きなの
(はっ)まさか従妹のために私を懲らしめに来たとか?(汗」
鳳九は動揺したが、ともかく会ってみることにする。
すると白浅は自分がいることは内緒だと言った。

夜華が待っていると狐狸洞から鳳九が出て来た。
「(ペコリ)太子殿下…私は太晨宮(タイシンキュウ)にいましたが、太子殿下と面識はありません
 どういうわけで私に会いに?何のご用でしょう?」
「今日は尋ねたいことがあって来た、司音上仙のことを聞きたことがないか?」
(˘•ε•˘)oO(帝君も太子もなぜ私に聞くの?…って、あ!きっとおしゃべり司命ね!
「司音?折顔上神が拾った小狐狸で、崑崙虚へ修行に行かせたっていう?
 太子殿下のおっしゃっているのが彼のことかどうか分かりませんが…」
「いかにも、君は知らないか?7万年前の大戦の後、彼がどこに行ったのか…」
「知りません…」
「(じーっ)」
「(にっこり)」
「…そうか、ではこれで」
夜華はあきらめてすぐ帰って行った。

天宮では素錦が花嫁衣装に身を包んでいた。
幸せそうな素錦だったが、辛奴(シンド)は皇太子の冷たい仕打ちに不満が募る。
天君から賜った縁談にも関わらず、四海八荒への拝礼の儀式もなければ、皇太子自ら花嫁を迎えにすら来ないとは…。
しかし素錦にとって婚儀の形式など重要ではなかった。
「肝心なのは今夜から私が洗梧宮に住むことよ、夜華の側妃になるの」

夜華は青丘から戻ってからと言うもの、ずっと黙ったまま座っていた。
天枢(テンスウ)と伽昀(カイン)は困惑し、素錦が洗梧宮に到着するので着替えるよう進言する。
すると夜華は立ち上がり、紅燭はチカチカするので取り替えるよう命じて出て行った。

素錦の輦車(レンシャ)が洗梧宮の前に到着した。
辛奴は素錦の手を取って輿から降ろし、皇太子が門前で出迎えていると教える。
面紗を上げた素錦は夜華の後姿を見つけ、子供の頃からの夢がついに叶うことを実感した。
幼かった夜華が書房から帰って来ると、一目散に紫宸殿に駆けつけたあの頃が懐かしい。
『夜華、帰ったのね?』『・・・』
『どうして無口なの?』『・・・』
『大丈夫よ、あなたの性格なら知り尽くしてる
 あなたが無口な分、私がたくさんおしゃべりすればいいわ、ふふふっ♪』
素錦はあの頃と変わらない夜華の無愛想な出迎えに思わず失笑した。
…あなたが生まれてから、あなただけが私のたった一人の身内だった
…夜華、信じて、この世のいかなる女より私はあなたに尽くしてみせる
素錦は1歩ずつ踏みしめるように夜華に向かって歩いて行った。
「夫君…」
すると夜華はゆっくり振り返り、すっと右手を伸ばして宝剣を招喚したかと思うと、いきなり素錦の胸を突き刺した。
「(グサッ!)どうして…」
素錦は胸を抑え、あふれる血を見て呆然とその場にへたり込む。
しかし夜華は黙って中院に入り、門を閉めた。


その夜、夜華はひとり、机の上に素素の思い出の品を並べて眺めていた。
銅鏡、玉清崑崙扇、そして目隠しに使っていた白綾…。
ちょうど同じ頃、白浅は久しぶりに崑崙虚の酒蔵にいた。
「この弟子は擎蒼を封印する前、この場所で勝手に一瓶の酒を飲んだわ
 今頃になって何とか返しに来られたの」
白浅は酒を棚に戻し、今や埃まみれになった酒蔵を見回した。
…昔、9師兄はよくここへ私を捜しに来たわ
…お酒も飲めないのに、掃除に来ては一日かかったっけ
…もし今日、9師兄がここにいたら、さぞ忙しくなったでしょうね
その時、白浅はふと玉清崑崙扇がないことを思い出した。

夜華は玉清崑崙扇を手にして眺めていたが、その時、急に法器が煙となって姿を消した。
…玉清崑崙扇が突然、消えた?!
…主の招喚を受けたのか?もしくは何処かへ行ったか?
夜華は司音が現れたのかもしれないと気づき、慌てて飛び出した。

白浅は相棒の玉清崑崙扇を取り戻し、いつもの癖で自分の鼻を軽く叩いた。
「この弟子は不孝ものね~危うくお前を失くすところだったわ」
白浅は酒蔵を出ると、大殿をちらりと眺めて帰って行く。
その時、奇しくも大殿に夜華がいたが、白浅には見えなかった。
一方、白浅と行き違いになった夜華は、噂通り弟子たちが去った崑崙虚がすっかり廃れていると知る。
…もう生命の息吹は一切ない
結局、夜華は天宮へ帰って行った。

九重天では天君が夜華の帰りを待っていた。
夜華は玉清崑崙扇が突然、消えたと話し、主である司音が現れたと思って崑崙虚へ行ったが無駄足だったと報告する。
もちろん天君にとっても父神の嫡子である墨淵の仙体は気がかりだったが、7万年も昔のこと、目下の問題は素錦のことだった。
素錦には結魂灯を献上した功があり、天君が洗梧宮へ嫁ぐことを承諾している。
すでに天旨が下っている以上、素錦は洗梧宮の側妃なのだ。
もはや夜華が認めようが認めまいが、天君の命令は変わらない。
すると丁重に拝礼してから夜華は言った。
「天君が四海八荒に申し渡された以上、私も承諾するしかないでしょう
 洗梧宮には大小100もの御殿があります
 一鸞芳華芳と紫宸殿を除き彼女がどこに住もうと私には無関係です(キッパリ」

夜華が洗梧宮へ戻ると、辛奴がいきなり走って来た。
辛奴は侍衛に止められたが、必死に素錦が謁見を求めていると訴える。
「当娘娘がおっしゃいました!素素を取り戻す方法があると!」
驚いた夜華は思わず足を止めた。

つづく


。゚(∩ω∩`)゚。 9師兄…





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最終更新日  2020.01.03 12:30:37
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