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2022.03.27
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カテゴリ: 長歌行 全49話


长歌行 The Long Ballad
第28話「あの頃のように」

永安(エイアン)公主・李楽嫣(リラクエン)は弟の代わりに南山の視察へ向かった。
すると道すがら弟の亡骸にすがりつく少女・五娘(ゴジョウ)と出会い、自分の姿を重ねて胸を痛める。
一方、流雲観(リュウウンカン)では阿碧(アヘキ)が阿離(アリ)と名を変えた李長歌(リチョウカ)に食事を届けていた。
「あすぁん!」
長歌は阿詩勒隼(アシラシュン)の夢を見て飛び起きると、阿碧が心配そうにやって来る。
「阿離、悪い夢でも見たの?…″あすゎん(阿孫)″って誰?飼っていたサルの名前?」
「…阿隼よ」
「すぁん?じゃあ鳥を飼っていたのね?」
「…昔の連れだった、でも私がひどいことをしたの、恨んで会いに来ない方が私も気が楽だわ」
その頃、阿隼は中原人の衣に着替え、秦(シン)老たちと行動を共にしていた。
偵察から戻った緒風(ショフウ)は長歌らしき女子が確かに医者と若い男と一緒にロバで洛陽(ラクヨウ)に向かったと秦老に報告したが、阿詩勒隼が幼い媛娘(エンジョウ)をあやしている姿を見て激高する。
媛娘を親の敵から引き離そうとする緒風、しかし秦老が咄嗟に間に入った。
秦老は阿詩勒隼に媛娘を寝かせつけて欲しいと頼むと、興奮する緒風を叱る。
「媛娘を第二の小公主のように憎しみの中で生きて行かせるつもりかっ?!」

洛陽府衙に戻った楽嫣は皇太子・李承乾(リショウケン)が街へ出かけたと聞いた。
視察をさぼって遊んでいる弟に呆れる楽嫣、しかし民の惨状を見るのも勉強になると思い、騒ぎを起こしさえしなければ構わないという。
しかしその頃、流民を煽っていた逆賊が街をかっぽする皇太子を狙っていた。
「晟辛(セイシン)?夫人がお前を選んだのだ、この先はお前の腕次第だぞ」

承乾は大道で見た雑技を気に入り、腕比べが終わると喜んで褒美を撒き散らした。
すると群衆が銀子に群がり大混乱、承乾はもみくちゃにされてしまう。
護衛たちは皇太子を見失い、騒ぎに乗じた逆賊が皇太子を押し倒してわざと手を踏みつけた。
その時、年の頃も近い少年が現れ、承乾を助け出してくれる。
承乾はわざわざ薬まで塗ってくれた少年に感謝したが、護衛たちが現れると少年は名前も告げずに逃げて行った。



イケメン好きの媛娘はすっかり阿準(アジュン)哥哥に懐いた。
しかし阿隼はやはり緒風の言う通りだと気づき、自分に近づいては駄目だと言い聞かせる。
「…これは狼笛だ、草原だけにある
 償いはできないが困ったらこれを吹け、ご両親に代わって見守る」
( ˙³˙♟༄ ピィ~プゥ〜

皇太子の評判は人里離れた流雲観にも届いた。
慰問に来た皇太子が雑技を見て金をばら撒き、街は大混乱になったという。
そのせいで大勢の怪我人を出し、流雲観も手当てに大忙しだった。
長歌は相変わらずの皇太子に呆れたが、そこへ司徒郎郎(シトロウロウ)が現れ、これから南山へ行くという。

承乾は府衙に帰るなり長安に戻りたいとわめいた。
そこで皓都は公主に太子の世話を任せ、騒ぎ立てた物乞いを捕まえに向かう。
今までならすぐ切り捨てていた皓都、しかしふと公主の言葉を思い出し、明府に処置を任せた。

その夜、野宿していた秦老たちは媛娘がいないと気づいた。
緒風たちは手分けして探すことになったが、その時、どこからともなく笛の音が聞こえる。
狼笛だと分かった阿隼は慌てて駆け出すと、花を摘んで高台に上がれなくなった媛娘を発見した。
安堵した秦老だったが、なぜこんな所まで来たのかと尋ねる。
すると媛娘は明日が母の誕生日だと言った。

( ˙꒳​˙ )<木にちゃいているはにゃには手が届かにゃくて…穴に落ちちったの


楽嫣は自ら皇太子の手当てをした。
すると魏淑玉(ギシュクギョク)が負傷者の数と戸籍を調べ、一軒ごと慰問に行こうと提案する。
しかし承乾はせっかく金をまいたのに仇で返されたと憤慨した。
「そうだ、阿姐が代わりに行ってよ!怪我をしたんだ、数日、休ませて」
「はあ~今回だけよ」
楽嫣は仕方なく弟を許し、部屋を出た。

承乾は怪我を理由に流民の慰撫を姉に押し付けた。
しかしまた街に出る勇気はなく、淑玉に隋(ズイ)の梓微(シビ)宮に行ってみたいと頼む。
梓微宮とは煬帝(ヨウダイ)が民からの搾取で建てた宮殿、淑玉は民の反感を恐れ、それより視察すべきだと諌めた。
すると承乾はいかに贅を尽くした宮殿かを見て己を戒めると屁理屈を並べ、強引に出かけてしまう。

長歌は今日も南山へ出かけた。
すると流民の五娘が静澹(セイタン)真人に頼まれて付近を案内してくれる。
五娘は元気がない阿離を心配し、自分の飴をあげた。
「阿離姐姐?家族は?」
「…いないわ」
「私の家族ももういないの…
 家は雲州にあって、冬が近くなると草原の人たちが強奪に来たわ
 その後、災害が重なって生きて行けなくなって、両親は私たちを連れて逃げたの
 南へ行くと助かるって…でも父さんは病にかかって死に、母さんも病で…
 私たち民は天にすがるしかない、天が命を奪う気なら従うしかないの」
五娘は結局、弟と2人で流雲観に流れ着いたが、先日ついに弟まで病で失っていた。
「みんなこれで弟はもう辛くないって言うの…阿離姐姐、本当にそうなの?」
「…そうよ、もう辛くない、きっと両親と一緒にいるわ」
「でも私はちっとも嬉しくない…やっぱり辛い…」
長歌は五娘の涙を見て心が締めつけられる思いだった。
かつては農民の家に生まれて平穏に暮らしたいと願うこともあったが、どうやら大きな間違いだったらしい。
「今頃、気がつくなんて…」
長歌はやはり飴を五娘に返し、一緒に観主の元へ戻った。

その頃、秦老たちは無事に洛陽へ到着、大普客桟(ダイフキャクサン)に落ち着いた。
一方、長歌は五娘のおかげで迷いが消え、観主に自分も流民を救いたいと申し出る。
そこへ偶然にも楽嫣が慰問にやって来た。

五娘は公主が来たと聞いて喜んで出迎えた。
すると楽嫣は民を救済している弟子たちの中に懐かしい従姉の顔を見つける。
ついに再会を果たした長歌と楽嫣、2人は互いの無事を喜び、旧情を温めた。
「チャングァ…私を恨んでいる?」
「過去の私は執着し過ぎるあまり拒み続けた、楽嫣、許してくれる?」
「許すも何も…」
2人は手を取り合い、再び姉妹の絆を取り戻した。

長歌はウサギの刺繍の袋を思い出し、雲州に楽嫣を探しに行ったと話した。
しかし皓都に先を越されてしまったという。
楽嫣はあの娘が勘違いしたのも仕方がなかったと合点がいったが、その時、雲柔が駆けつけた。
「公主!皓郎君が来ました!」
驚いた楽嫣は明日あらためて市場で会おうと約束し、長歌を逃がす。
長歌は不自然にならないよう早歩きで山荘に向かうと、楽嫣が皓都を引き止めてくれた。
「皓都!ちょうどもう行くところよ」
「お待ちを…」
皓都は長歌に似た後ろ姿が気になって追いかけようとしたが、楽嫣は咄嗟に腹痛を訴える。
「月のものが…って、ぁ…( ̄▽ ̄;)」
すると皓都は安柔に剣を預け、公主を抱き上げて引き返して行った。

|ω・`).oO(あの2人、どうなってるん?!


阿隼と緒風はなかなかわだかまりが解けなかった。
しかし洛陽にはちょうど視察で皇太子が来訪、しかも城内で暴動も起きているという。
その夜、秦老はこんな時こそ力を合わせるべきだと訴え、思い切って阿詩勒隼と緒風に決着を付けるよう勧めた。
「宿を壊さんでくれよ」

つづく


( ;∀;) ユェンニャン…可愛すぎる…





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最終更新日  2022.03.27 22:06:00
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