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2022.11.28
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皎若云间月 Bright as the moon
第11話「発見した記録」

軍機大営で新兵の選考試験が始まった。
試験の中でも難しいのは騎射、しかも冷(レイ)王の息子・冷邵卓(レイショウタク)が副試験官とあって見る目も厳しい。
四皇子は拓跋(タクバツ)葉倩(ヨウセイ)がここで脱落すると期待したが、葉倩は密かに弓に細工をして競争相手を蹴落とした。
次の格闘技では得意の武術であっさり勝利、すると憤慨した四皇子は自ら葉倩と手合わせするという。
しかしこれが災いし、冷邵卓は張拖把(チョウタバ)という新兵が実は女子だと気づいた。



その夜、冷邵卓は父と一緒に三皇子を訪ね、四皇子が軍営で女を囲っていると報告した。
しかし三皇子はどこか上の空、そこで冷王は話を切り上げさせ、息子を外へ出す。
「三殿下、心ここに在らずでは邪魔者を蹴落とす機会を失います」
冷王は雲浅月(ウンセンゲツ)が原因だと気づいたが、三皇子は誤解だと否定した。

翌朝、朝議で四皇子が軍営で女を囲っていると告発があった。
そこで皇帝は退朝後、三皇子と容景(ヨウケイ)に閲兵を口実にして調査に向かうよう命じる。
一方、雲王はてっきり孫娘が男装して四皇子に会いに行ったと誤解、屋敷に戻るなり浅月を叱った。
すると事情を聞いた浅月が驚いて茶を吹いてしまう。
「\(^o^)/オワター!爺爺!軍令牌を貸して!」

三皇子と容景は直ちに軍機大営に出かけた。
すると四皇子の天幕に確かに女子がいる。
しかしそれは祖父の令牌を持って正式に訪ねて来た浅月だった。
見れば四皇子は顔中に赤い発疹が現れ、浅月は心配して看病に来ていたという。
布団の中に隠れていた葉倩は苦しくなって危うく飛び出しそうになったが、何とか切り抜けた。

浅月は容景と一緒に軍営をあとにした。
しかし容景は四皇子の天幕にいた浅月に憤慨、帰りの馬車で冷たく突き放す。
「ハイハイ〜今日から男友だちはあなただけと誓うわ…ふふっ
 あなたがこんなにやきもち焼きだなんてね~今回だけは許して?ね?」
容景は甘える浅月にほだされ、すぐ機嫌を直した。



三皇子は四皇子をかばった浅月に憤り、屋敷に戻るなり酒をあおった。
すると藍漪(ランイ)が駆けつけ、ある情報を伝える。
「…確かか?」
「藍家の情報に間違いはありません
 不吉とされる双子が生まれ、当時は噂が広まって陛下も怯えていたとか…」
一方、宮中では皇帝が災難続きの天聖(テンセイ)に心が休む暇もなかった。
その日は風邪を引いた総管・呉虞(ゴグ)の代わりに弟子が仕えていたが、実は皇帝に上奏したいことがあるという。
「先日、訪ねて来た同郷の者が言うには郷里にえらく羽振りの良い老婆がいるそうで…
 何でも昔、雲王府で働いていたというのです
 重大な秘密を知ってしまったため、大金をもらって暇を出されたのだとか
 昔、雲王妃が男女の双子を出産、不吉ゆえ1人は殺されたはずでした
 しかし雲王爺が密かに1人をどこかへ…」

その夜、雲王府は突然、封鎖された。
何も知らずに屋敷へ向かっていた浅月だったが、途中で待っていた彩蓮が急を知らせる。
「秦玉凝(シンギョクギョウ)が鷹揚衛(ヨウヨウエイ)に少姐を探させています」
「一体、何があったの?!」
すると三皇子が現れ、自分に策があると言って浅月を屋敷へ連れて行った。

浅月は事の発端は皇帝が双子の噂を聞いたせいだと知った。
すると三皇子は雲王府との結託を疑われる危険も顧みず、浅月を助けたいという。
「私を信じて待っていればいい」
浅月は三皇子のおかげで無事に屋敷へ戻った。
そこで書斎に閉じこもっている祖父に差し入れを持って行く。
「無遠慮に入ってくるのはお前だけだな」
「ふふ~爺爺、とろこで双子の噂は本当なの?」
「いいか、2度とその話を口にするな、口は災いの元だぞ?」
雲王は双子の話があくまで糸口に過ぎず、恐らく最終的には雲王府から雲皇后にまで飛び火すると懸念した。

皇帝に雲王府を告発した太監が殺された。
三皇子は封鎖された雲王府が動けるはずもなく、誰かが雲王府を嵌めた可能性もあるという。
「鼎(カナエ)の3本の足の1本でも折れれば崩れます、大局を見失ってはなりません」
皇帝は三皇子の冷静な分析に感心し、その場で三皇子を監国に命じた。

三皇子は事件を解決し雲王府を救った。
知らせを聞いた浅月は感謝してくれたが、やはりまだ心を開いてはくれない。
一方、慕容(ボヨウ)家事件を調べている上官茗玥(ジョウカンメイゲツ)は、生存者から雲王府が虐殺に関わっているとの証言を得た。
そこで容景に自分たちで記録を探し、真相を調べようと提案する。
容景は悩んだが、結局、浅月を利用することにした。

浅月は容景から文で急かされ、昔の記録を探すことになった。
そこで祖父に屋敷の管理を任せてほしいと懇願、泣き落としが効いたのか、雲王が15日の試用期間を設けてくれる。
「15日?それで十分よ!」
こうして屋敷のあらゆる鍵を手に入れた浅月は早速、記録を探し始めた。
しかし一日中、くまなく探してもそれらしき記録は見つからず、すっかり疲れて浅月閣に戻る。
するといつの間にか部屋に潜んでいた容景が現れた。
「私が探そう」

容景は使用人の話から雲王がちょうど留守だと知り、書斎へ忍び込んだ。
そこでついに隠し扉を発見、昔の記録を手に入れて脱出する。
すると浅月はすで居眠りしていた。
容景は後ろめたさに苛まれながら、鍵だけ返して黙って帰ってしまう。



栄王府に戻った容景は茗玥と記録を確認した。
…泰熙(タイキ)9年、慕容氏が淇地(キチ)を掌握との一報があり、その意図は淇国の再興であると
…本官は慕容家を捜索し書簡を発見、差出人は淇国再興を企む一派
…天聖に帰順して久しく功もあるが、物証が明らかなため一族全員の誅殺は妥当
茗玥は慕容家が淇国の残党と通じたなどあり得ないと憤怒、噂通り雲王が慕容家暗殺の首謀者ではないかと疑った。
ならば生存者抹殺のため跡継ぎを南梁(ナンリョウ)まで行かせたのも納得できる。
しかし容景はまだ信じられず、当時を知る人物を探そうとなだめた。
茗玥は容景が郡主への情で惑わされていると指摘、今のうちに縁を切れと迫る。
一方、浅月は偶然、侍女たちの噂話を耳にした。
双子の件は景世子の密告ですって!>(*´・ω・)(・ω・`*)えー!
王府を封鎖していた衛兵が話してたわ>(*´・д)(д・`*)マジか!
実は噂を流させたのは藍家だった。

明日は乞巧(キツコウ)節、彩蓮(サイレン)は果物と赤い布を用意していた。
全く興味がない浅月だが、彩蓮は1年に1度だけ牽牛(ケンギュウ)と織女(シュクジョ)が会える日には都の男女がこぞって出かけると教える。
「ああ~七夕デートってヤツね」
そこで浅月は全く連絡をくれない容景に自分から会いに行くことにした。

つづく


(^ꇴ^)謎の公子の名前が上官茗玥と判明しました!
お騒がせしました~でも名前、出て来たかな?
なぜ栄王府に住んでるの???(←ちゃんと見ているのかw)





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最終更新日  2022.11.28 11:37:26
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