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2022.12.28
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カテゴリ: 玉昭令 全52話


玉昭令 No Boundary Season 1
第29話

温孤(オンコ)が端木(タンボク)営を訪ねると、ちょうど端木翠(ダンムーツェイ)が悪夢にうなされていた。
苦しそうな将軍を見た温孤は術を使って起こそうとしたが、運悪く阿弥(アビ)に見られてしまう。
「何をしている?!」
阿弥は温孤が将軍に危害を加えていると誤解、いきなり襲いかかった。
すると打たれたせいで温孤の首筋に一瞬、幽族の原型が浮き出てしまう。
「(はっ!)大胆不敵な幽族め!」
「誤解しないくれ、私は将軍を目覚めさせようとしただけだ!」
温孤は仕方なく殺したければ殺してくれと開きなおったが、その時、端木翠が目を覚まして阿弥を止めた。
「人族であれ幽族であれ、彼は私に悪意を抱いていない…」

温孤は母が人族だった。
そのため幽族の地では半妖と蔑まれ、人族の地では正体を隠さねばならなかったという。
すると温孤は種族で差別されなかったのは初めてだと感謝し、端木翠のために処方を書いた。
「これで安眠できるようになります…将軍、ご安心を、もう2度と近づきません」

一方、展顔(ヂャンイェン)は幽族の捕虜となった虞都(グト)を救出、端木営に入隊したいと頼んだ。
「将軍と面識が?」
「あると言えばある…実は女傑と名高い端木将軍に憧れているんだ」
しかし端木営は男を採用しないため、虞都は兵士を募集している楊鑑(ヨウカン)将軍に推薦するという。
「必ず応募しろよ!じゃあこれで!」

崇城(スウジョウ)では人族の温夫人が熱心に怪我をした小動物を助けていた。
しかし幽王はせっかく元気になった兎を無惨にも放り出してしまう。
幽王は温夫人が自分たちの息子・太敖(タイゴウ)を勝手に王宮から出したことが未だ許せずにいた。
すると温夫人はこのまま王宮にいれば息子が幽王のようになってしまうという。
「私が医者として唯一の後悔はあなたを救ってしまったことよ!」
幽王は自分に反抗してばかりの夫人に憤ったが、いずれ幽族が人族を統治すれば分かる日が来ると言った。

息子を手放してから孤独な日々を送る温夫人、そんな夫人のそばにはいつも紅鸞(コウラン)がいてくれた。
紅鸞は夫人が王宮から出したからこそ太敖は善良のままでいられると安心させる。
しかし温夫人は特殊な身分の息子が心配だと漏らした。
そこで紅鸞は自分が太敖の安否を確認して来るという。

虞都が捕虜となり、觳閶(コクショウ)は機密が漏れていると気づいた。
そこで端木翠と高伯蹇(コウハクケン)だけを呼び、今後の協議は副将抜きで行うと伝える。
将軍たちの話が気になる成乞(セイキツ)はわざと銅貨を落とし、拾うふりをしながら天幕に近づいた。
すると偶然、通りかかった温孤が落ちている銅貨を拾ってしまう。
落とし主を探して見回す温孤、すると視線の先に成乞の姿があった。
「大人(ダーレン)、これはあなたの銅貨では?」
「知るか!失せろ!」
「…銅貨から幽族の匂いがする、何かやましいことでも?」
成乞は何か勘付かれたと動揺して温孤に剣を突きつけたが、騒ぎに気づいた端木翠たちが出てきてしまう。

高伯蹇はまた面倒を起こした成乞を一喝、陣営に引き上げることにした。
すると端木翠は温孤の身を心配し、咄嗟に先日の薬が良く効いたので1日おきに届けて欲しいと頼む。
「もし来なければ私が高伯営を訪ねよう」

成乞は兵営で温孤に手を出せなくなった。
そこで温孤に安邑城の外を巡回するよう命じ、幽族に口封じを頼む。
一方、紅鸞は太敖を探して安邑城の近くまでやって来た。
そこで偶然、刺客に襲われる人族の兵士を見かける。
「太敖?!」
紅鸞は深傷を負った兵士が太敖だと気づき、桃花の術で助け出した。
しかし刺客に追いつかれ、包囲されてしまう。
その時、人族の兵営を目指していた展顔が通りかかり、巨闕(キョケツ)で助太刀した。
「(はっ!)君たちだったか?」
「どこかでお会いしましたか?」
「かもな…」
展顔は桃花の術で刺客を囲い込むよう助言、紅鸞は見事に刺客を退けた。



その頃、上機嫌の成乞はまた端木営に嫌がらせにやって来た。
「いっそのこと皆で高伯営の男に嫁いだらどうだ~」
しかしその時、虞都が元気な姿で戻って来る。
「私なら生きているぞ?」
端木営の姉たちに囲まれ嬉しそうな虞都、その様子を成乞は呆然と見ていた。
「まさか…なぜ?!」
「もしや私に死んで欲しかったのか?あいにくだがこの通り無事だ」
すると驚いた成乞は逃げるように帰ってしまう。
やがて騒がしい声に気づいた端木翠が外へ出て来た。
そこには生還した虞都の姿ある。
(  ̄꒳ ̄)<将軍!
( ;∀;)<…よくぞ戻った!

紅鸞はひとまず人里離れた衣羅(イラ)の家に避難することにした。
戦乱で両親を亡くした衣羅は天涯孤独となったが、かつて賊から助けてもらった縁で紅鸞を姉のように慕っている。
衣羅は紅鸞がついに想い人を見つけたと喜んだが、紅鸞はでたらめだと否定し、薬の準備を頼んだ。
しかし展顔はなぜ好きなのに認めないのかと首を傾げる。
「釣り合わないから見守るだけでいいの、彼が幸せなら十分よ」
「目の前の機会をつかまなければ一生、すれ違いで終わるのに?」
「どうして分かるの?」
「…そんな気がした」
すると紅鸞はなぜ桃花の術を知っていたのか聞いた。
展顔は古書で読んだことがあるとごまかし、2人に会えて良かったと告げる。
「2人の幸せを願っている」

虞都は端木翠に展顔という腕利きの男が助けてくれたと教えた。
しかしどうやら人族の陣営に内通者がいるという。
端木翠は虞都の馬が急に動かなくなったと聞き、真っ先に成乞を疑った。
「馬の管理は高伯営の仕事、あの時、成乞自ら馬を届けに来るなんて変だと思った」

温孤が目を覚ました。
喜んだ紅鸞はかつて太敖が助けてくれた桃の花だと伝える。
「修練を積んで人の形を手に入れたのか…」
「あなたのおかげでです」
「そんなことはない、お前の努力の賜物だ…私はもう太敖ではない、温孤と名乗っている」
温孤の″温″は母の姓で、孤独の″孤″は誰にも頼らず生きるという戒めだという。
そこへ展顔がやって来た。
温孤は自分たちを助けてくれた恩人だと知り、心から感謝する。
すると展顔が虞都の推薦で入隊するつもりだと聞き、一緒に兵営まで行こうと誘った。
紅鸞は自分も一緒に行くと言ったが、温孤は正体がばれたら危険だと訴え、かえって自分の負担になるという。
仕方なく紅鸞はあきらめ、何かの時は会いに来て欲しいと頼んだ。

一方、安邑城では幽族太子が報告を聞いて激怒していた。
人質の虞都には護送中に逃げられ、成乞の要請で送った配下も全滅したという。
焦った魑女は成乞に事情を聞いてくると伝え、急いで出かけた。
すると刺客たちが桃花の術で襲われたと分かる。
「この身の程知らずは誰かしら?」

紅鸞はやはり温孤について行こうと決め、衣羅の家を出た。
すると途中で香袋を忘れたことに気づき、引き返すことにする。
一方、衣羅も紅鸞の香袋を見つけ、届けに行くことにした。
しかし門を開けたところで運悪く温孤を探していた魑女たちと出くわしてしまう。
温孤の似顔絵を見せられた衣羅は知らないと誤魔化して逃げようとしたが、何か隠していると勘付かれ、魑女に捕まった。

衣羅は拷問されたが口を割らず、無惨にも殺された。
何も知らずに戻った紅鸞はすでに事切れた衣羅を発見、涙に暮れる。
その頃、虞都は内通者を探して馬を走らせていた。
すると馬が何かに気づいて勝手に駆け出してしまう。

紅鸞は衣羅の敵を討つため家を飛び出した。
やがて魑女と成乞を見つけ、様子をうかがう。
すると成乞が手の傷を見ながら、女に引っかかれたとぼやいていた。
「すぐ殺さないからよ」
紅鸞は衣羅を殺したのが成乞だと確信、いきなり襲いかかる。
「覚悟するのね!」
しかし魑女が立ちはだかり、霊力の弱い紅鸞は吹き飛ばされた。

つづく



(  ̄꒳ ̄)展顔まだ~?w





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最終更新日  2023.01.02 09:42:52
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