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风起霓裳 Weaving a Tale of Love第14話「刺繍に隠された文字」掖庭(エキテイ)に捕らわれた医官の豆子(トウシ)こと庫狄琉璃(コテキルリ)。記憶を頼りに図案を書き出すという約束でようやく食事にありつけたが、ふと裴行倹(ハイコウケン)との約束を思い出して慌て出した。このままでは皇太子に身の危険を伝える手立てがない。一方、後宮では武媚娘(ブメイニャン)が皇帝の見舞いにも行かず写経に勤しんでいた。それにしてもたった二時(フタトキ)の写経で腰が痛むとは、皇太子はさぞ疲れているのだろう。武媚娘はふと思い立って筆を走らせ、尚服局に腰当ての図案を届けるよう命じた。「そうだわ、やはりこの図案は不禄(フロク)院に届けて、豆子に作らせてちょうだい」しかし侍女・松涛(ショウトウ)の話では豆医官はその腕を見込まれて尚服局へ移動したという。松涛は図案を届ける道すがら、偶然、尚服局の鄧七娘(トウシチジョウ)を見かけた。そこで七娘に図案を託して豆子を指名したが、豆子は今、掖庭に入っているという。松涛は仕方なく誰が作るか任せると言って帰ったが、七娘はこの機会に豆子を助けようと思いついた。しかし卓錦娘(タクキンジョウ)は武才人の指名だと聞いても、豆子が自分に従わない限り掖庭から出られないという。琉璃は卓錦娘に急かされ、図案を書き出した帳面を渡した。喜んだ卓錦娘だったが、よく見てみると、どの題材も死装束に使う図案だと気づく。「豆子、どうしてくれようか…」その時、庭園で宦官が今が盛りの牡丹を刈り取っているのを見た。聞けば潘(ハン)副総管の指示だという。実は楊妃(ヨウヒ)の宮殿に最も美しい牡丹を植えるよう指示したが、後に庭園で咲いた牡丹の方が見事だった。植え替えるには時期が悪く、潘副総管はやむを得ず庭園の牡丹を掘り起こすことにしたという。「そうすれば錦楽(キンガク)宮の牡丹が最高になり、楊妃娘娘の不興も買いません」その話を聞いた卓錦娘は急に機嫌が良くなった。…豆子がいなくなれば私が宮中一の腕を持つ存在でいられる…七娘はこっそり掖庭の豆子を訪ねた。琉璃は卓大家の側近を警戒したが、七娘は親戚の友人である裴行倹と阿霓(アゲイ)に頼まれたと明かす。驚いた琉璃は2人に危険を冒さないよう言付けを託し、それより皇太子を呼んできて欲しいと頼んだ。七娘はさすがに皇太子への伝言など無理だと断ったが、ふと才人から引き受けた仕事があったと思い出す。「才人にあなたの事情を伝えれば助けてくれるかも?」しかし琉璃は恩人である武媚娘を巻き込むことを恐れ、断った。「分かったわ、何とか仕事を引き受けてここに持って来る」「ありがとう」「曹吾の友人の頼みだから、これで曹吾にも顔向できるわ」卓錦娘は自ら武才人の腰当てを作り始めた。そこで七娘は大家が夜なべしてまで作ることはないと訴え、自分が代わると申し出る。「私が直接、才人にお届けし、その際に忙しい師父が寝ずに作ったと報告します」喜んだ卓錦娘はそこで切り上げ、続きを七娘に任せて休んだ。琉璃は七娘から腰当ての材料を受け取った。しかし胸当ての鳩の刺繍を見て、あの時、母が直すことになった褘衣(キイ)の刺繍と同じだと気づく。…阿娘に刺繍を直させたのは卓錦娘だったのね、そのせいで阿娘は死んだ…翌朝、七娘は豆子が仕上げた刺繍を受け取り、そのまま咸池(カンチ)殿に届けた。武媚娘は出来栄えに満足し、豆子の代わりに誰が作ってくれたのか尋ねる。すると七娘はひざまずき、豆子が恩返ししたいと訴えたため、掖庭で作らせたと明かした。驚いた武媚娘は改めて刺繍を確認すると、鳩がとまっている木の模様が文字になっていると気づく。…太子に難あり…武媚娘は慌てて掖庭に豆子を訪ねた。「あれはどういう意味なの?」「宮外で裴行倹と知り合い、太子の危機を知りました 裴行倹の身分では宮中に上がれず、私が医官だと知ると僅かな可能性に賭け、伝言を託したのです でも私は捕まってしまい…」「すぐ太子に会うわ」皇太子・李治(リチ)は武家と裴家に交遊があり、武才人が裴行倹と幼馴染だと知った。武媚娘は裴行倹の人柄を良く知っていると訴え、信じられない話だが、全く根拠がないとは思えないという。一方、卓錦娘は潘副総管に賂を届け、豆子に死罪を申し渡すよう頼んでいた。しかし潘副総管は流石に命までは取れないと銭を返し、どうしても手を下すなら目をつぶるという。「ただし証拠は残さないでくれ」すると卓錦娘は結局、口止めに賂を渡し、魏林(ギリン)を使うことにした。居眠りしていた琉璃は裴行倹の夢を見た…『玉児!玉児!私だ!』裴行倹は皇太子に伝言が届き、面会を許してもらえたという琉璃は上手くいったと喜んだが、裴行倹は浮かない顔をした実は獄卒から今日の午時に豆子が死罪だと聞いたという『阿翁も順子も救えた、太子に危機を伝えることもができた 戻ったかいはあったわ、これで死んでも琉璃に悔いはない…』琉璃はうっかり口を滑らせた驚いた裴行倹だったが、そこへ獄卒が来て連れて行かれてしまう『君は誰なんだ!秘密を抱えたまま逝く気なのか?!本当に悔いはないのか?』…そこで琉璃は目を覚ました。「そうよ、このまま死ぬわけにいかない」琉璃は母の敵を討ち、無実の罪を晴らすと誓った。そしていつか全てを白日の下に晒し、自分こそ″天下第一針″の真の後継者だと知らしめるのだ。玉児を救出できずに悶々としていた裴行倹、すると裴宅に突然、華天(カテン)が訪ねてきた。「主がお話があるそうで、まもなくこちらに…」裴行倹は酒や詩作に付き合う気分ではないと断ったが、そこへ白馬にまたがった男が侍衛を引き連れて駆けつける。「久しぶりだな、火急の事態を伝えたのはお前の方だが?」「九公子、酒も飲まぬうちから酔っているのか?」「無礼な!学生ふぜいが太子殿下の御前で何と偉そうに…」従者に叱られた裴行倹はようやく酔香楼で知り合った九ちゃんの正体が皇太子だと知った。裴行倹は曹(ソウ)王・李明(リメイ)が密かに甲冑を入手していると密告した。実はこれまで権力におもねる者を軽蔑してきたが、こうして国家の危機に際し、主君の役に立ちたいと切望しながらも、この身分のため拝謁の術もなかったと嘆く。「″真に才ある者は隠居せず″という」李治は俗世を離れれば身を清く保てるが、正義を貫いてこそ真の男だと言った。「今回の手柄に褒美を取らす」すると裴行倹はその場で平伏し、豆医官を掖庭より救って欲しいと嘆願した。「手柄を立てたのは私ではなく豆医官なのです、私は何も頂けません」李治は豆子が武才人に伝言を託した医官だと気づいた。「武才人でしたか…豆子は一介の医官でありながら大義の前には死も恐れない その気概には頭が下がります 嘘がつけないお人好しで、優れた裁縫の腕を持っています 宮中に馴染めず逃げ出そうとしたのですが、私と出会って太子殿下の危機を知り、自首したのです まさか本当にやり遂げるとは…」「分かった、必ず助けよう」つづく( ゚ェ゚)松涛の方がメイニャンっぽいのにね~
2023.06.21
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风起霓裳 Weaving a Tale of Love第13話「師匠の思い」執拗に医官・豆子(トウシ)を探す副総管・潘秦海(ハンシンカイ)。尋問された孫徳成(ソントクセイ)は知らぬ存ぜぬを通したが、そこへ思いがけず琉璃(ルリ)が戻ってきた。豆子は俸禄が少ないので外で買った巾着を売ったが孫内侍にひどく叱られ、その上、順子(ジュンシ)が捕まったので怖くて逃げ出したという。しかし街中に手配書が貼られて大事になったと知り、慌てて帰って来たというのだ。孫徳成は話を合わせて大目に見て欲しいとかばったが、順子の釈放と引き換えに豆子は掖庭(エキテイ)に収監されてしまう。順子は従犯として1年の俸禄停止と板打ち50回で解放された。孫徳成は不禄院に戻った順子を献身的に介抱するが、順子は頑なに口を利こうとしない。一方、尚服(ショウフク)局の大家(タイカ)・卓錦娘(タクキンジョウ)は豆子が自首したと聞いて早速、面会した。琉璃は母の弟子である卓大家まで巻き込まないよう身分を明かさなかったが、どうも様子が違う。「質問に答えてくれたらここから出してあげる 仕立ての技はどこで覚えたの?誰かに教わった?それとも奥義書を読んだとか?」「不禄院で豪華な衣の妃嬪の骸を見てきました 衣の刺繍を眺めながら針の運びを考えるうち、おのずとできるようになったのです」しかし卓錦娘はあの技を自然と身につけることなどできないと知っていた。「なら最後にひとつだけ聞くわ、″天下第一針″の安(アン)氏を知っている?」「もちろん名前だけは…卓大家は弟子だったとか?どんな方でしたか?」「何が弟子よ!私の才能を妬んで技を伝えてくれなかった!名ばかりの師弟関係だったわ!」卓錦娘は思い出したくもないと声を荒らげ、豆子がその技を伝授されたのなら尚服局のために自分に教えて欲しいという。「よく思い出して、思い出せたら獄卒に言って私を呼びなさい」すると卓錦娘は帰り際、獄卒に賂を渡し、豆子が自分を呼ぶまで水も食べ物も与えないよう頼んだ。孫徳成は順子が面会に来なかった自分を恨んでいると分かった。そこで順子の心を開こうと、救出するために奔走したが卓錦娘に阻まれ、銭だけ巻き上げられてしまったと説明する。「お前には申し訳ないことをした、もし私を許してくれるなら何か言ってくれ…」しかし真実を知った順子はかえって自責の念に苦しむことになる。一方、阿霓(アゲイ)は如意衣装店に戻り、安四郎(アンシロウ)に事情を説明していた。安四郎は阿霓を責めることなく、琉璃は情に厚く、幼い頃から融通が利かないところがあったという。「またあの子を守ってやれなかった、なんと情けない伯父なのだ…」琉璃は母と卓大家の間に因縁があると知った。思えば義父から母の唯一の弟子である卓大家に決して身分を明かしてはならないと厳しく言われたことがある。その時、孫徳成が獄卒に賂をつかませ、差し入れを届けにきた。「…手料理を持ってきた、味は11年前と同じだ、覚えているな?」琉璃はその意味を悟って器を受け取ろうとしたが、突然、卓錦娘が現れ、料理を払いのけてしまう。計画は失敗、孫徳成は諦めて帰ることにした。「容易に人を信じるなよ…義父の言葉を決して忘れるな」卓錦娘は念のため豆子を別の独房に移動させた。琉璃は卓大家を警戒し、うまくあしらうおうと考える。「そう言えばあれから思い出したんです…幼い頃に奇書の類いを読んだことがありました 美しい刺繍を施した衣が描かれていて、思い起こせばあの本から学んだのです」卓錦娘は目を輝かせ本の在り処を聞いたが、琉璃は妃嬪の遺品だったと嘘をついた。「読んだ後、棺に戻したので骸と一緒に埋葬されましたよ?」「その妃嬪とは?」慌てた琉璃は覚えていないとごまかしたが、卓錦娘は妃嬪がどんな衣を着ていたか絵に描けと迫った。「ごちそうを届けるからここで描いて、ごまかそうとしたら死より苦しむことになるわよ?」その夜、不禄院から順子の姿が消えた。孫徳成は弟子たちと手分けして探し回ったが、御花園の池に身を投げようとしている順子を見つける。「掖庭で酷い目に遭ったのだな…だがお前の命は豆子が命懸けで守ったんだぞ?」「師父に申し訳がたちません…豆子にも悪いことをした…」順子は卓錦娘にそそのかされて師匠が豆子のために自分を捨てたと勘違いしていた。死ぬのが怖くて豆子が巾着を売ったことや宮中を出たことを白状してしまい、2人に顔向できないという。「最も大事な友人を裏切ってしまった…死んで当然です!」しかし順子は結局、豆子の素性までは明かしていない。孫徳成は順子の判断のお陰で豆子が今も無事なのだと感謝し、厳しい状況の中でもよく頑張ったと褒めた。鄧七娘(トウシチジョウ)は明日の仕入れで街へ出る際、親戚の家を訪ねたいと大家に願い出た。七娘は幼くして両親を亡くし宮中に上がったが、自分を気にかけてくれた唯一の親戚だという。すると卓錦娘は門限までに戻れば良いと認めてくれた。曹(ソウ)氏は甥の曹吾(ソウゴ)から遠縁の七娘に会ったと聞いた。そこでたまには顔を見せるよう七娘にこと付けたところ、仕入れのついでに店に寄ってくれる。曹氏は如意衣装店に対抗するため、この機会を利用して尚服局の卓大家が唯一認めた直弟子の七娘が戻ってきたと宣伝した。阿霓は四門学に裴行倹を訪ねた。実は曹記衣装店に尚服局の親戚が来ているため、玉児(ギョクジ)を救う手立てがないか聞いてみようと思ったという。しかし下手をすれば玉児の正体に気づかれると思い直し、裴行倹に相談に来たのだった。裴行倹はならば自分が豆子の友人だと申し出て状況を聞き出そうと提案、早速、2人で曹記衣装店を訪ねる。すると阿霓を好きな曹吾が喜んで2人を七娘に紹介してくれた。裴行倹は宮仕えしている七娘に頼みがあると切り出した。「友人の豆医官が皇宮を出た日、私が頼み事をしたせいで戻りが遅れてしまった 豆医官が無事かどうか探ってもらえないだろうか」「何日も戻らなかった理由は他にもあるはずです、掖庭で罰を受けているという噂は聞いています」七娘は奴婢の自分が手に負えるような単純な話ではないと断ったが、曹吾にまで嘆願されては無下にできない。「弟のような曹吾の頼みなら断れないわ…様子を探ってみます、でもそれ以上のことはご勘弁を」つづく
2023.06.21
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风起霓裳 Weaving a Tale of Love第12話「知られた秘密」医官の豆子(トウシ)を捕まえた裴行倹(ハイコウケン)は皇宮へ入るため腰牌を貸して欲しいと頼んだ。琉璃(ルリ)は協力できないと断ったが、驚いたことに″豆子″の手配書が出回っていると知る。その時、2人がいる酒楼に捕吏が駆けつけた。裴行倹は腰牌を貸すなら、脱出を助けると持ちかけた。やむなく琉璃は取り引きに応じ、腰牌は玉児が持っているとごまかす。そこで裴行倹は咄嗟に衣を交換して豆子を逃すことにしたが、豆子が頑なに拒否した。裴行倹は仕方なく豆子を抱えて2階から脱出、馬で逃走する。やがて馬を乗り捨て物陰に隠れた2人、しかし裴行倹は豆子を抱き止めた際に胸に触っていた。「君は何者だ?」琉璃は仕方なく裴行倹を連れて安府に戻り、玉児の姿に戻ってから事情を説明した。実母はある宝物を持っていたため命を狙われ、玉児だけが恩人の助けで不禄(フロク)院に隠れて生き延びたという。しかし実父は冷たい人で玉児が邪魔になり、黙って去ることが孝行だった。話を聞いた裴行倹は玉児の敵が強大な権力者だと察したが、ふと従兄と恋仲という話も嘘だと気づく。玉児は良縁など興味などないが、信じさせるため出まかせを言ったと明かした。喜んだ裴行倹は思わず口元がゆるんだが、慌てて話を戻す。「目立つのにどうして医官の格好で外出を?」「知人の目をごまかすためだったの、あなたに話せるのはここまでよ」そこへ琉璃を探していた阿霓(アゲイ)が帰って来た。阿霓は裴行倹が秘密を知ったと聞いて驚き、ひとまず琉璃を連れて中庭に出る。すると琉璃は母の身分までは明かしていないと教え、安心させた。玉児は本当に腰牌を持っていなかった。落胆する裴行倹だったが、琉璃は義父と順子(ジュンシ)を心配し、宮中に戻るつもりだという。「なぜ皇宮に入りたいの?力になれるかも…」裴行倹と阿霓は無駄死にするだけだと反対したが、琉璃は計画を練ってから行くとごまかした。すると裴行倹は皇太子に謁見したいと明かし、皇太子の身が危険だと知らせたいという。孫徳成(ソントクセイ)は毎日、差し入れを持って掖庭に順子を訪ねたが、未だ会わせてもらえずにいた。その帰り道、誰かがつけて来ると気づいて物陰に隠れると、魏林(ギリン)だと知る。さらに内侍院が豆子の捜索を始めたことが分かり、街中に豆子の手配書が貼られたと聞いた。動揺が広がる不禄院、もしや順子が豆子を告発したのだろうか。孫徳成は順子を信じながらも、琉璃が心配で眠れなかった。すると第4話で琉璃が無事に城門を出た時は城壁に目印を残すよう頼んだことを思い出す。…明日は私が街へ出られる日だ、印を確かめよう、さもないと安心できない…翌朝、魏林は尚服(ショウフク)局の大家・卓錦娘(タクキンジョウ)の居所を訪ねた。どうやら孫徳成の耳にも豆子の手配書の件が届いたようだという。実は今日が慣例により孫徳成が街へ出る日、もし豆子が宮中を出たのならこの機に接触するはずだ。しかし自分の尾行に気づいた様子、どうすべきか相談に来たという。すると卓錦娘は鄧七娘(トウシチジョウ)に任せることにした。「見失わないで、しっかり頼んだわよ」琉璃は義父に会うため、阿霓の目を盗んで屋敷を飛び出した。慌てて琉璃を探しに出かけた阿霓、するとちょうど安宅を訪ねるところだった裴行倹と出くわす。裴行倹は玉児が勝手に出かけたと聞いて困惑したが、阿霓は孫内侍に会いに行ったと気づいた。実は毎月5日は不禄院の内侍が街へ出る日で、確か玉児は都を去る時に城門に印をつけると約束したという。すると偶然、曹吾(ソウゴ)が裴行倹と一緒にどこかへ急ぐ阿霓を見かけ、慌てて後を追った。市場は大変な人出だった。そこで裴行倹と阿霓は酒楼の露台から玉児を探すことにしたが、なかなか見つからない。すると阿霓が玉児は帷帽(イボウ)をかぶっているはずだと気づいた。「はっ!玉児だ!」一方、琉璃は義父を見つけ、嬉しそうに手を振りながら人混みをかき分けて走り出した。孫徳成を尾行していた七娘にはよく見えなかったが、急ぎ始めた孫徳成を慌てて追うことにする。その時、突然、従兄の曹吾が現れた。「数年ぶりですね~家に寄って行きませんか?」足止めされた七娘は孫徳成を見失い、ちょうど告示板にいた官兵に協力を頼んだ。琉璃はもう少しで義父と再会できるはずだった。しかし裴行倹が突然、玉児の腕をつかんで横道に引っ張り込む。その時、七娘から通報を受けた官兵が孫徳成を捕縛、琉璃は義父が連行される姿を黙って見ていることしかできなかった。琉璃は義父と順子を助けるため、宮中に戻ると決めた。驚いた裴行倹は興奮する玉児を点穴して眠らせ、阿霓にくれぐれも外へ出さないよう頼む。その夜、裴行倹は玉児のことばかり考えて眠れなかった。…あの賢くて不思議な娘が気にかかる…しかし琉璃に付き添っていた阿霓はうっかり眠ってしまう。翌朝、阿霓は琉璃の書き置きを持って慌てて屋敷を飛び出した。するとちょうど様子を見に来た裴行倹と出くわす。「玉児が行ってしまった、太子殿下にあなたのことを伝えておくと書き置きが…」裴行倹と阿霓は急いで宮門へ向かった。しかし一足遅く、医官姿の豆子が永安門に入って行く姿が見える。琉璃は腰牌を持っていなかったが、門衛に自分の手配書を見せていた。一方、副総管・潘秦海(ハンシンカイ)は孫徳成を一晩、掖庭で反省させてから尋問することにした。孫徳成は相変わらず豆子の居場所が分からないの一点張りだったが、その時、豆子が現れたと報告がくる。つづく( ̄▽ ̄;)グリナザ…もうこれ以上、目をでかくしないで欲しいw
2023.06.20
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苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第22話長珩(チャンハン)の転生である蕭潤(ショウジュン)の学友となった東方青蒼(ドンファンチンツァン)。恋敵との友情に戸惑いながらも、小蘭花(シャオランファ)の助言を守って笑顔で応えた。しかしその様子を小蘭花と結黎(ジエリー)に見られ、月尊としてはばつが悪い。一方、無理を押して雲夢澤(ウンムタク)に駆けつけた容昊(ヨウコウ)は、洞窟に戻ると苦しそうに胸を押さえた。蝶衣(チョウイ)は首領の身を案じて思わず後ろから抱きしめたが、容昊は黙ってその手を引きはがしてしまう。すると容昊はかつて師匠の亡骸が横たわっていた大きな岩を懐かしそうに眺めた。…3万年前、容昊は師匠・赤地女子(セキチジョシ)の亡骸に元神をかろうじて留めることに成功した神仙をよみがえらせることができるのは万物を育む特別な力を持つ息山神女(ショクサンシンニョ)ただ1人しかし息山神女は代々息山を守り、凶神・太歳(タイサイ)を抑え続けて三界を守って来た功績がある何より師匠は息蘭族と懇意で、現息山神女を昔から知っていた容昊は他に手立てがなく、自害して師匠の後を追おうと覚悟したが、その時、どこからともなく不気味な声が聞こえて来る『お前が命を捨てても帰墟(キキョ)の境で会うことは叶わぬ』洞窟に謎の黒い霊が現れた暗黒の霊は容昊に息山神女の元神を奪い、命で命を救えばいいと焚き付ける『水雲天(スイウンテン)の神仙が命を惜しまなければお前の師父が犠牲になる必要などなかったはず 奴らは戦神の死を悲しむどころか戦乱が終わったと歓喜し、そしてまた安逸をむさぼり始めた お前の師匠の死に何の思いも持っていない、孤独と悲しみを味わっているのはお前だけだ』暗黒の霊にそそのかされた容昊は師匠を失った悲しみから魔に落ち、ついに凶行に及んでしまう容昊は息蘭族を襲い、息山神女を引き渡すよう迫った追い詰められた両親は時間を稼ぐため結界を敷き、娘の霊力を封じて記憶も消し、顔かたちも変えて逃すと決める『これからお前はただの精霊となる、たとえ肉親でもお前だと分からないだろう もうこの世から息山神女はいなくなる…』すると息山神女は小さな蘭の種子に変わってしまう容昊は結局、息蘭族を皆殺しにしたが、息山神女を見つけることはできなかった容昊は息山神女の元神を手にいれようとしたが失敗したすると暗黒の霊は祟気(スウキ)で赤地女子の命をつなぎ止め、息山神女が見つかるまで元神を歴劫させて時間を稼ぐよう勧める容昊は暗黒の霊が太歳だと気づいたが、太歳と言えばはるか昔、息蘭族に滅ぼされたはずだったしかし太歳は高笑いし、息蘭族はただ身体を破壊しただけで、息山神女の力で元神をこの砕霊淵(サイレイエン)に閉じ込めただけに過ぎないという『つまり太古から今まで何十万年かかっても息蘭族はお前を滅せぬと?』『私は簡単には死なぬ、しかし祟気(スイキ)がなければ長くはもたぬ』この世で最も邪悪な力と言われる祟気、祟気なら息山神女の清浄な霊力にあがなえるという容昊はようやく太歳の目的が自分に祟気を作らせ、息山神女を殺し、封印を解かせることだと分かった『その者は私の祟気で生きながらえている、私が死ねばその者の元神も灰となるだろう』…容昊は蝶衣にすぐ祟気を集めるよう命じた。しかし今や化魂鼎(カコンテイ)は壊され、蒼鹽海(ソウエンカイ)の内乱も収まって巽風(ソンホウ)とも手が切れている。「もう祟気は手に入りません」すると容昊は自分が何とかすると言った。一方、小蘭花と東方青蒼はそれぞれ謝惋卿(シャワンケイ)と蕭潤に接近、仲良くなった。そこで結黎の計画に従い、いよいよ2人を引き合わせるべく静逸雅軒に誘い出す。酒楼は演舞台のある廊下を挟んで南北に長く伸びており、結黎は右の厢房で小蘭花が謝惋卿を、左の厢房で月尊が蕭潤をそれぞれ接待するよう指示した。謝惋卿は小蘭花に親しみを感じると話し、初めて気が合う友だちができたと喜んだ。「実は色々と話したいことがあるの…」これまで数々の浮き名が立った謝惋卿、しかし心が動く相手はいなかったという。それが元宵節の夜、月明かりの中、風のように現れ、去って行った謎の男が忘れられない。小蘭花は東方青蒼のことだと気づいて動揺したが、想い人を探す手伝いを頼まれ、断れなくなった。東方青蒼は店の前で蕭潤を待っていた。「また賭場だな、浮ついて遊びまわっている、厳しく叱らねば…」觴闕(ショウケツ)はまるで本当の兄弟のような口ぶりだと揶揄したが、そこへようやく蕭潤が現れた。実は人生を左右する大事な決断をしたため遅れたという。何でも蕭潤は前世から縁がある娘と出会い、その娘を娶ると決意していた。東方青蒼はてっきり謝惋卿のことだと誤解、後押しすると約束してしまう。すると蕭潤は自分がいつの間にか描いていた仙女の絵を大きく引き伸ばし、酒楼の演舞台に掛けた。まだ名前も身分も分からないが、手がかりをくれた者に銭10万枚を贈るという。…確かに記憶を消したはずなのになぜ覚えている?…東方青蒼は蕭潤の想い人が小蘭花だと知って怒り心頭だった。しかし励ました手前、協力せざるを得なくなってしまう。「東方兄!褒賞金を借りたい、必ず返す!」「ギギギ…いいだろう、分かった」席に戻った蕭潤は実の兄より東方青蒼に親しみを覚え、義兄弟の契りを結びたいと言い出した。焦った東方青蒼は吉日を選んで準備をしようとごまかしたが、蕭潤は特別なものは必要ないという。こうしてあれよあれよという間に兄弟になってしまった不倶戴天の敵同士。一方、觴闕は結黎と一緒に急いで小蘭花の絵を片付けようとしていた。しかし曲水(キョクスイ)が現れ、邪魔されてしまう。結黎は丹音(タンイン)が蕭潤の従者だと知り、主を思うなら絵を外すべきだと説得した。「下賜品を妓女に贈り、求婚したかと思えば、今度は鹿城(ロクジョウ)一の酒楼で大騒ぎして… 老爺の耳に入ってまた打たれてもいいの?主の幸せを願うならなおさら外すべきよ この絵が町中の噂になったら、かえってこの娘子は会ってくれないかも…」驚いた曲水は慌てて絵を片付けたが、手遅れだと気づいた。「しまった!若君は同じ絵姿を数百枚、城内中に貼れと命じていた!」容昊は蒼鹽海(ソウエンカイ)との境で忘川を眺めていた。そこへ運悪く見回り中の天兵たちが現れる。「容昊仙君ですか?!…やっぱり、以前、命を救われた者です」容昊は咄嗟に負傷した長珩のため、薬草を探しに来たと嘘をついた。すると将軍は自分の兵に協力させると申し出て陣地に案内するという。一方、蕭潤はすっかり酔っ払い、東方青蒼に絡んでいた。「東方兄!分かりますか?想い人がいるのに相手の心が分からず、気持ちを伝えることもできない 東方兄〜東方兄〜東方兄〜!」東方青蒼は蕭潤に手を焼き、酒を取って来ると言って出て行ってしまう。するとちょうど部屋を出た小蘭花と鉢合わせになった。東方青蒼は小蘭花を連れて階下に降りた。「また隠れてあいつと会ったのか?!」驚いた小蘭花は元宵節の夜に会ったのが最後だと否定し、東方青蒼が記憶の抹消に失敗したせいだと言い返す。「もう良い、それにしてもよほど縁が深いのだな!」東方青蒼は嫉妬のあまり嫌みを言ったが、かえって小蘭花に詰め寄られてしまう。「月尊大人?!自分こそどうなの?!元宵節の夜、謝惋卿に何をしたのよ?!」聞けば今や東方青蒼は謝惋卿の想い人、小蘭花は一緒に探す羽目になったという。小蘭花と東方青蒼が痴話喧嘩している頃、2人の帰りが遅いのを心配した蕭潤と謝惋卿が個室を出て探し始めた。「東方兄~!」「蘭花娘子?」2人の声を聞いた小蘭花と東方青蒼は呆然、慌てて別々に逃げたものの、結局、同じ箪笥の中に隠れて鉢合わせになる。思いがけず狭い箪笥の中で密着し、気恥ずかしい小蘭花と東方青蒼。やがて2人の姿が見えなくなると、改めて場所を変えることにした。しかし別々に逃げた小蘭花と東方青蒼は運悪くそれぞれ蕭潤と謝惋卿に見つかってしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)えーっ?!モクモクさん!すっかり忘れていたけれど、3話に出て来た太歳だったのね
2023.06.19
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苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第21話今夜は謝惋卿(シャワンケイ)が運命の相手と巡り合う大事な日。容昊(ヨウコウ)は手負いの身体ながら雲夢澤(ウンムタク)に駆けつけ、師匠のために簫を吹いていた。謝惋卿は初めて聴く音色になぜか懐かしさを覚え、欄干にもたれながらしばし耳を傾ける。一方、東方青蒼(ドンファンチンツァン)は姿を消した小蘭花(シャオランファ)を追っていた。やがて觴闕(ショウケツ)と結黎(ジエリー)に合流、霊力を使えないため手分けして探すしかない。実は小蘭花は東方青蒼が謝惋卿の歴劫を邪魔しに来たと誤解し、急いで飛仙(ヒセン)閣に向かっていた。東方青蒼は高楼の屋根に登って小蘭花を探すことにした。すると偶然にも飛仙閣の露台に立つ謝惋卿の姿を見つける。「刻限か…」その頃、蝶衣(チョウイ)は主の元へ駆けつけ、東方青蒼が鹿城(ロクジョウ)に現れたと報告していた。しかし東方青蒼の目的は師匠の元神、容昊は歴劫を終える花朝の婚礼の晩までは手を出さないと分かっている。「3万年あまり師父の歴劫を見守ってきた… ついに息山神女(ショクサンシンニョ)が見つかり、師父の歴劫も終わる 何事もなくこの生涯が終われば、師父は私と共に帰れるのだ」謝惋卿の運命簿には″元宵節の夜、自害を試みるも蕭郎が止める″とあった。しかし肝心の蕭郎が未だ姿を表さず、東方青蒼は気が気でない。一方、賭場を逃げ出した長珩(チャンハン)の転生・蕭潤(ショウジュン)は飛仙閣まであと少しというところで用心棒に見つかった。小蘭花はちょうど逃げて行く蕭潤の姿を見かけ、咄嗟に追いかける。すると蕭潤は裏道で用心棒たちに追い詰められていた。「玉を出せ!」「…これは渡せない、生まれた時に握っていた物なんだ、銭は返すから!」「やめなさい!」小蘭花は止めに入り、花粉をまいて用心棒たちを眠らせ、蕭潤を救った。謝惋卿は人生に絶望し毒酒を飲もうとした。しかし止めるはずの蕭郎が現れず、東方青蒼はやむなく自ら駆けつけ阻止する。謝惋卿は突然、高楼に現れた男に不思議な縁を感じたが、ふいにうなじの業火(ギョウカ)のあざがうずいた。「前世で会ったことが?あなたは誰?!」驚いた東方青蒼は咄嗟に方術で謝惋卿を眠らせた。その頃、蕭潤は自分を助けてくれた小蘭花に一目惚れしていた。「君とどこかで会ったかな?」「いいえ、人違いでは?」小蘭花は顔を隠しながら逃げ出し、物陰に身を潜めてやり過ごす。しかし蕭潤は小蘭花が夢に出てくるあの仙女だと確信し、飛仙閣へ行かず恩人を追った。東方青蒼は露店の後ろに隠れている小蘭花を見つけた。「お前を案じて探し回っていたが、まさか長珩と密会していたとは…」実は東方青蒼はすでに飛仙閣の宴で長珩に気づいていた。しかし小蘭花が自分の骨蘭を宝物だと言ってくれたため、小蘭花を信じて知らないふりをしたという。小蘭花は確かに東方青蒼を騙したと認めたが、お互い様だと開き直った。「ならあなたはどう?先の戦神の元神を奪いに来たくせに!」「なぜそれを?!結黎か?」「違う、命格(メイカク)詩を読めばだいたい見当はつくわ」すると東方青蒼は小蘭花が自分に付き添うためではなく、初めから長珩に会うために来たのだと誤解してしまう。「ならば人間のうちにあいつを始末してやる!」「ダメよ!長珩仙君は蕭郎よ!」「何だって?!」東方青蒼は蕭郎が蕭潤だと知り、小蘭花と出会ったせいで飛仙閣に現れなかったと分かった。「私が止めなければ謝惋卿は死んでいたんだぞ?!」「何ですって?あなたが謝惋卿の自害を止めたの?!関わったら運命が変わるわ! オワタオワタ___詩の通りにならないと歴劫は失敗、元神が灰になてしまう!」東方青蒼は蕭家に忍び込んだ。するとちょうど曲水(キョクスイ)がやって来る。「誰だ?!」「そなた…確か丹音(タンイン)と言ったな?」曲水は慌てて助けを呼んだが、東方青蒼が指を鳴らすと卒倒してしまう。そこへ悲鳴を聞いた蕭潤が駆けつけた。「私もお前も共に鹿城に来るとは縁があるな…」「はあ?」東方青蒼は蕭潤も眠らせ、小蘭花と出会った記憶を引っ張り出して消しておいた。東方青蒼が屋敷に戻ってきた。無事に蕭潤から記憶を消すことができたと聞いた小蘭花は安堵したが、根本的な解決にはならない。歴劫では2人が婚姻し、謝惋卿は蕭郎に殺される運命だった。そのためにはまずすれ違った謝惋卿と蕭潤を引き合わせなくてはならない。すると結黎が人間の出会いは自然なもので、無理に会わせるのは駄目だと言った。「月尊と觴闕は蕭潤に、私と小蘭花は謝惋卿に近づくの」「…じゃあそうしましょう」觴闕はまだ分からないことがあって質問しようとした。しかし結黎は月尊と小蘭花を2人だけにするため、強引に連れて行ってしまう。東方青蒼は気まずくなって席を立ったが、小蘭花は話があると止めた。翌朝、謝惋卿が目を覚ますと寝台にいた。確かに昨夜、誰かと会った気がするが、侍女は酔って夢を見たのだという。「そうだ、試玉(シギョク)軒の崔(サイ)様から招き状です、10日後に探春の宴を開くと…」謝惋卿は断るよう頼んだが、急に気が変わった。「鹿城一の庭師を呼んで」一方、蕭潤と曲水もようやく中庭で目を覚ました。すでに朝だと気づいた蕭潤は大慌て、曲水を急かして学問所へ行く準備に戻る。すると書斎の机の上に美しい仙女の絵があった。「これは?」「昨夜、自分で描いたでしょう?!」謝惋卿は金陵で花の仙女にも劣らないと評判の小蘭花を招いた。するとこれまでどんな庭師でも花を咲かせることができなかった牡丹の王様・烏金耀輝(ウキンヨウキ)が小蘭花の手入れでついにつぼみを付ける。謝惋卿は小蘭花を絶賛、探春の宴に招待した。一方、東方青蒼は蕭潤に近づくため学問所に編入、学友になった。蕭潤は夜渓(ヤケイ)楼を1箱の金子で買った噂の金陵の富豪だと大喜び、隣の席に座った東方青蒼に馴れ馴れしく話しかける。すると先生が激怒、教室の外で2人とも立たされてしまう。蕭潤は従者の曲水と觴闕を残し、東方青蒼と2人で学問所を抜け出すことにした。「東方兄、西の広場で蹴鞠があるんだ、見に行かないか?」「講義中ゆえ門は閉まっている」「私に妙案がある!」すると蕭潤は犬の通り道になっている壁の穴から脱出、東方青蒼を急かして腕をつかみ、引っ張り出した。( ꒪ͧ⌓꒪ͧ)<何ということだ…長珩に手を引かれ、犬の抜け穴を通ってしまった…しかし運悪くそこへ別の先生がやって来た。蕭潤は咄嗟に東方青蒼は自分を止めようとしたとかばったが、思いがけず東方青蒼がこの状況を打破してくれる。「いや、私が無理に誘ったのだ」そこで東方青蒼はいきなり先生にめくらましを放ち、蕭潤を連れて逃げ出した。↓( ゚ロ゚)」東方兄!早く早く!東方青蒼と蕭潤は蹴鞠に参加、見事に赤組を勝利に導いた。「まさか東方兄がこんなに上手いとは!」「…蹴鞠の技は幼い頃、父から教わった」「へえ〜うちの親父は″遊ばず、学び、名を上げろ″と言うばかりだよ」「私は名を上げることに興味はない、蹴鞠はこの世で最高のものだ」「その通り!」蕭潤は東方青蒼が不倶戴天の敵だとも知らず、すっかり心酔した。その時、東方青蒼はあの夜の小蘭花の話を思い出す。…あなたに話があるの、友だちになったらしかめっ面はだめよ?…何と答えるか分からない時は笑って…巽風(ソンホウ)と仲直りする時、教えたでしょう?すると東方青蒼は口角を上げて蕭潤に笑顔を見せた。つづく( ๑≧ꇴ≦)長珩www腹痛いわwwwww
2023.06.18
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第2話「したたかな母上」凱旋早々、参内せずに嫌疑人を追跡していた凌不疑(リンブーイー)。その夜、ようやく皇帝への挨拶を終えると、側近の梁邱起(リャンチゥチー)と梁邱飛(リャンチゥフェイ)が待っていた。「陛下に責められましたか?」「まさか、若主公は陛下の″義子″だぞ?」皇帝は参内の件を凱旋で帳消しにしてくれたが、兵器の事案は様子を見るという。しかしこのまま手をこまねいている凌不疑ではなかった。「兵器の横流しは長年の懸案、一刻を争う」凌不疑たちは帰りの道すがら城陽(ジョウヨウ)侯府を通りかかった。梁邱起は帰還後まだ挨拶していないと声をかけ、外征中も朝廷で不孝だと陰口を叩かれたらしいと心配する。しかし凌不疑は馬を止めることもなく、屋敷の前を通り過ぎた。「これ以上、罪状を増やされたから何だ」一方、程(チォン)家では老夫人董(ドン)氏の弟が武器の横流しで捕まり大騒ぎだった。老夫人と仲(チュウ)夫人葛(ゴー)氏は釈放を働きかけるべきだと程始(チァンシー)に迫るが、軍法で処置されるため無理だと突っぱねられてしまう。葛氏は掃除が終わっていないと言い訳して母屋を開け渡さなかった。蕭元漪(シャオユエンイー)を敵視し、兄夫婦を娘がいる離れに追いやる葛氏、しかし蕭元漪は文句も言わず素直に従う。一方、程少商(チァンシャオシャン)は具合が悪いふりをして薄幸な娘を演じていた。その時、回廊から母と青蓯(チンツォン)の話が聞こえてくる。どうやら父は娘の惨めな境遇に同情的だが、母は手強そうだ。…母上は鋭い、私の芝居を見抜いたのかも?…実は蕭元漪は帰還を半月遅めに伝え、老夫人たちに不意打ちを食らわせていた。思った通り老夫人たちは自分への恨みを娘で晴らしていたのだろう。「十数年も娘を放任したせいで手遅れになるやも、しかと躾けて性根を叩き直さないと…」少商は自分の境遇に気づいていながら放置し、虐げた者を成敗せず自分を躾けると言う母に失望した。…やはり当てにできるのは自分だけね…凌不疑は程家を監視させていた。あの日、捜査を妨害したのは程家二房の李(リー)老婢で、老夫人は弟を売った四娘子(スーニャンズー)に激怒しているという。すると廷尉獄(テイイゴク)に程家の四娘子から荷物が届いた。中には藁と布切れが入っていたが、凌不疑はその意味を悟って直ちに葛氏布荘を捜索、帳簿の問題を見つける。「実に面白い」凌不疑は程少商のこと、とっくに己の退路を見つけていると踏んだ。程老夫人は弟を救うため葛氏と董舅母と示し合わせ、中庭で死にたいと騒ぎ始めた。何事かと慌てて駆けつける程始と蕭元漪、その様子を少商は蓮房(リエンファン)と一緒に上階から面白そうに眺めている。しかし父も百戦錬磨の大将軍、祖母の猿芝居には騙されないだろう。少商の予想通り父はその場にひざまずき、母より大声で自分には舅父を助ける力もないと号泣した。「救わないのではなく救えないのです!凌不疑は鉄面閻魔ですよ?! 私が功績をあげていなければ連座になっていました!」さすがは母子、芸風も良く似ていたが、老夫人はついに泣き芸を諦めて逆切れした。「いいわ、ならお前が背いたと御前に訴えてやる!陛下は何より孝道を重んじるとか…」すると黙って見守っていた蕭元漪が口をはさんだ。「君姑、親に背くことは大罪、息子を流刑や斬首にするおつもりですか?!」そこまで大事だと知らなかった老夫人は再び泣き崩れ、流石に蕭元漪も呆れ果てる。その時、蕭元漪は静養しているはずの娘が回廊から盗み見ていることに気づいた。高みの見物を決め込んでいた少商、しかし回廊に母が現れた。少商は急に咳き込んでごまかしたが、両親が戻ってかえって自由が利かなくなったとこぼす。「厳しい母親でも意地悪な叔母よりはいいのでは?女君も女公子を思ってのことです」しかし蓮房の言葉も慰めにはならなかった。一方、少商のおかげで証拠を得た凌不疑は董倉管(ソウカン)を尋問した。董舅父は何とか言い逃れしようとしたが、拷問の恐怖から観念、全て白状するという。その頃、老夫人に手を焼いた蕭元漪は胡(フー)婆を呼び寄せた。親友と再会を果たした老夫人は今生で会えるとは思わなかったと涙し、抱き合って喜ぶ。すると胡婆は外地で賊に襲われたところを程始に救われたと話し、その時、粗末な矛が折れたので敵の刀を奪って守ってくれたと説明した。「戦場では刀や剣は将士の命なのに、あくどい奴らが良い武器を粗末な武器とすり替えている 全く良心の欠片もない!」胡婆は蕭元漪に言われた通り老夫人に訴えた。董舅母は何も知らずに義姉を訪ねた。すると老夫人の態度は一変、董家のために程家を犠牲にはできないという。「昨日、煙突から煙が出ないから変だと思い、道士にお告げを聞いたの そうしたら程家は親族に巻き込まれ先が危ういと言われたわ 道士は正しかった、二房の布荘まで差し押さえられて、お前たちのせいよ!」老夫人は董舅母を2度と屋敷に入れるなと命じて追い出したが、それから部屋にこもって食事にも出てこなくなてしまう。その夜、程始は母に点心を差し入れた。ようやく息子の優しさに触れた老夫人は機嫌を直したが、なぜ葛氏の嫁荷を蕭家の家計に回したのかとこぼす。程始は嫁荷の行方は知らないが、さすがに誤解だと否定した。「蕭元漪が嫁ぐのは2度目だよ?家財も全部、抵当に入れた、そんなに大切なのかい?」「もちろんです!」すると程始はあろうことか早くに父を失くした母に再嫁を勧め、怒らせてしまう。少商は老夫人の部屋を見下ろしながら、父がどうやら祖母を怒らせたのだと分かった。「母上のほうが上手ね…夫君に戦わせて自分は牙を隠している」「つまり全ては私の計画だと?」その声は蕭元漪だった。すると蕭元漪は盗み聞きし悪意ある憶測をしたと叱責、戒尺で少商の手を打ってしまう。「明日から礼記(ライキ)を書写しなさい、それまで外出禁止よ」少商は父と灯会に行く約束だと訴えたが、蕭元漪は認めなかった。少商は母が戒尺を持って自分の粗探しに来たと誤解した。しかし″母と子の道″など自分には無縁、悲しむ必要もない。一方、蕭元漪は程始が老夫人に再嫁を勧めたと聞いて驚いていた。「叩かれて当然よ!私がもう一度、叩くべきね!」程始は笑い飛ばしたが、蕭元漪は娘の人騒がせな才能が息子以上だと訴える。実は昨日、煙突から煙が出なかったのは娘の仕業だった。祖母の迷信深さを知っていた少商は密かに煙道を変え、天のお告げだと吹き込んでいたという。「おおお~嫋嫋(ニャオニャオ)は聡明だな、煙突にも詳しい」「かばうの?!私の配下だったら軍棍(グンコン)の刑よ!」興奮した蕭元漪は慌てて口をつぐみ、娘に仕置きしたことを思い出した。本当は身体に合わない衣を着ている娘のために何着か作ろうと思い立ったが、まさか物差しで罰を与えることになろうとは。「間違った選択をして嫋嫋はあんな子に育ってしまった…もう間違えられない 甘やかせば娘の一生を誤らせるわ」つづく(  ̄꒳ ̄)え?ガリレオ?w〓通称多過ぎ問題〓程少商→嫋嫋・四娘子・女公子程始→家主・大郎・阿父蕭元漪→女君・阿母程老太太→老夫人・君姑・大母二房(次男の家)葛氏→仲(2番目)夫人・二叔母
2023.06.17
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第1話「掟破りの四娘子」早朝の洛陽(ラクヨウ)、まだ静まり返った都に伝令兵が馬を駆けて飛び込んできた。「隴右(ロウユウ)にて勝利!大軍が凱旋!」前将軍・凌不疑(リンブーイー)たちは城門で盛大に迎えられ、早速、曹(ツァオ)常侍(ジョウジ)が皇帝の詔を読み上げる。凌不疑は光禄勲副尉(コウロククンフクイ)に任じられ羽林(ウリン)衛左騎(サキ)営の統領に、他にも北軍五校の越騎尉(エツキイ)の統括、侍中(ジチュウ)に昇格した。すると曹常侍が皇帝が賜った礼服を差し出し、すぐ宴に向かうよう勧める。しかし凌不疑は下賜された外套をまとい、再び馬にまたがってしまう。「急な報告を受けたため、処理を終えてから伺います…出発だ」凌不疑は高台から片田舎の家の前に止まった馬車を見つめていた。「捕らえますか?」「…慌てるな」その家には程(チォン)家の四娘子(スーニャンズー)こと少商(シャオシャン)がいた。少商は戦乱により幼い頃から両親と離れ離れ、祖母や叔母の元で育てられる。しかし祖母と叔母に疎まれ、事あるごとにこの別宅に放り込まれていた。今回は置き去りにされて1ヶ月、ここ数日は熱を出していたが、医者も呼んでくれない。それがどういう風の吹き回しか、突然、李(リー)老婢が差し入れを持って迎えにやって来た。一方、洛陽では程家の老夫人・董(ドン)氏が息子の帰りを楽しみに待っていた。しかし仲夫人・葛(ゴー)氏は兄夫婦に少商を追い出しことがバレるのではないかと冷や冷やしている。老夫人は四娘子ならすでに迎えに行かせたと安心させたが、驚いたことに息子夫婦が予定より早く帰ってきた。四娘子のことも忘れて再会を喜ぶ老夫人、すると程始(チァンシー)と蕭元漪(シャオユエンイー)は娘の出迎えがないことに気づく。「嫋嫋(ニャオニャオ)は?」「はっ!ぁ〜それが〜あの子は〜ここにはいないの」少商は無礼な李老婢を上手くあしらい馬車に乗り込んだ。その時、偶然にも車から藁ぐまへ向かう足跡があることに気づく。すると侍女・蓮房(リエンファン)が車の中がやけに汗臭いと訴えた。少商は確かに何日も湯あみをしていない男の臭いだという。馬車が出発すると突然、黒甲衛(コクコウエイ)が立ちふさがった。「朝廷の命で賊を捕捉する、誰か、馬車を捜索せよ」驚いた李老婢は車に乗っているのが程校尉の四娘子だと教え、未婚の娘の車を男が捜索することは許されないという。しかし車から娘子の声が聞こえた。「武将の家族なら命に従わなくては…ただ捜索の前に将軍にお話があります」そこで凌不疑は馬を車の横につけた。すると窓から真っ白で華奢な手が現れ、来た道を指差す。「うちの藁ぐまの方が面白いかと…火でもついたら人が飛び出してくるやもしれません」驚いた李老婢は慌てて止めようとしたが、黒甲衛の1人が松明を持って飛び出してしまう。藁ぐまに火がつくと、たまりかねた男が飛び出してきた。凌不疑は馬車を行かせて男を捕らえたが、連行された男が程校尉の実の舅父(キュウフ)だと分かる。つまり馬車に乗っていた四娘子は自分の大叔父を引き渡したというのか。一方、少商は馬車に揺られながら両親があと半月で帰還すると聞いた。蓮房はこれで主も虐げられずに済むと安堵したが、少商は自分を捨てた両親に期待などしていない。その頃、捕縛された董舅父は程少商を長幼の序も分からないとんだ性悪だと嘆いていた。「程少商か…」凌不疑は馬車を見送りながら、顔も知らない四娘子に興味を持った。程家では老夫人が息子夫婦に事情を説明していた。四娘子は強情な性格なため、田舎に送ったのも躾のためだったという。その時、李老婢が慌てて屋敷に飛び込んできた。「大変です!一大事です!母親の躾もなっていない四娘子が董舅爺を大変な目に~!」「誰の娘ですって?!」憤慨した蕭元漪が出てくると、李老婢はすでに家主が戻ったと知って卒倒してしまう。すると少商が門から入ってきた。「阿父、阿母…やっとお戻りになったのですね」しかし娘はすっかりやつれ、身なりもひどく、激しく咳き込んでいた。この15年、外地で国を守っている間、娘はてっきり都で何不自由なく過ごしていると思っていたが、まさかこんな惨めな境遇だったとは…。程始は娘を虐げた老婢を薪小屋に入れるよう命じた。驚いた葛氏は咄嗟に君姑に合図、すると老夫人が息子の同情を引くため倒れたふりをする。…その程度の芝居?…そこで少商も負けじと卒倒した。程始は迷わず娘を助け、母を置きざりにして少商を連れて屋敷に入ってしまう。しかし蕭元漪は娘が父の腕に抱かれながら、うっすら片目を明けて二叔母を挑発している嫋嫋を見逃さなかった。四娘子を虐げてきた老夫人は何とか取り繕うと必死だった。そもそもこの十数年、両親が娘を放っている間、自分たちが赤子を育ててきたという。しかし蕭元漪の従者で義姉妹・青蓯(チンツォン)が反発した。「赤子を捨てたい母親がいるとでも?…誰かが強いたからです」老夫人は憤慨したが、程始は確かに親孝行のため娘を残したのに、まるで自分たちが押し付けたような言い草だと嘆く。焦った葛氏は普段の四娘子は悪たれで手が負えず、そのせいで君姑が怒りから具合が悪くなったと訴えた。少商は寝たふりをして聞いていたが、形勢が悪くなりそうで目を覚ます。「ご心配をおかけしました、物心がついて以来、初めて両親と会えました 礼をもってお迎えしなくてはならないのに…私はふつつか者です、二叔母が罰して当然なのです」娘の殊勝な姿に程始は胸を痛めた。すっかり悪者にされた老夫人はそもそも嫁のせいだと八つ当たり、蕭元漪が来てから息子は何でも言いなりだと涙する。「はあ~怒りで息が詰まりそう~どこかで呼吸を整えなければ~」実は老夫人は再嫁の蕭元漪を毛嫌いしていた。少商は薄目を明けて部屋を出て行く祖母と二叔母の姿を盗み見ていた。蕭元漪はそんな娘の様子に気づいていたが、母らしい優しい言葉をかける。「嫋嫋、ゆっくり休みなさい、厨房には好物を作らせておくから」「…私の好物をご存じなのですか?」蕭元漪は返す言葉もなかったが、その時、使用人が慌てて飛び込んできた。「家主、大変です、黒甲衛が来て包囲されました!」程始と蕭元漪は一目見てあの誉れ高き無敵の凌将軍だと分かった。凌不疑の話では朝廷の命で武器を着服した者を捕らえたが、その際、程校尉の家族を驚かせてしまったという。そんな中庭の様子を少商は上階からのぞき見していた。「今日、董大叔父を捕らえた人かしら?目的は私かも…」武器を着服した嫌疑人は老夫人の弟で程始の舅父の董倉管(ソウカン)だった。「功績が高かろうと国をむしばむ行為は徹底的に調査します」凌不疑は程校尉に報告して屋敷を出ると、上階から視線を感じて四娘子が見ていると勘づく。そこで帰り際、四娘子の協力に感謝していると伝えた。蓮房は主がお咎めを受けるどころか誉められていると安堵したが、少商は将軍が自分を遠回しに非難していると気づく。「忠義が先立つ?つまり不孝ってことね… 年長を恐れないですって?…言い換えれば不敬ってことよ 私が廷尉府の拷問役のようって、つまり過酷で女らしからぬってことだわ 凌不疑…上等ね、恩を仇で返すなんて、道義にもとる」つづく(  ̄꒳ ̄)いや〜ルースー、相変わらず上手いわ〜さてウーレイが出てくるまで続くかな…w
2023.06.16
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梦华录 A Dream of Splendor最終話「それぞれの願い」顧千帆(コチェンファン)は皇后・劉婉(リュウエン)と接触し、忠誠を誓う代わりに趙盼児(チョウパンアール)を見逃して欲しいと訴えた。しかし皇后から欧陽旭(オウヨウキョク)への訴えを取り下げさせるよう迫られ拒否、交渉は決裂する。「…悪いけど力にはなれないわ」顧千帆は咄嗟に皇后に短剣を突きつけ、パンRが助かるなら命も売り渡す覚悟だと脅した。「私は裁きへの干渉を求めているのではない、同じ女子であるパンRに機会を与えてやって欲しい その後は勝とうが負けようが恨み言は申しません」「いいでしょう」すると顧千帆は去り際、真実を明かした。「陛下の手元にある夜宴図は真作です、パンRが贋作だと示唆したゆえ、あなたは難を逃れた」何も知らなかった劉婉は驚愕した。聞けばパンRは賎民のままならぬ辛さなら自分も良く分かると共感し、皇后を助けたという。顧千帆はパンRが欧陽旭を訴えたのも、皇后が斉牧(サイボク)からの侮辱に耐えられなくなったことと同じだと話した。パンRはなかなか意識が戻らず、皆を心配させた。しかしパンRの気概に感銘を受けた高鵠(コウコク)が太宗から下賜された妙薬を届けてくれる。顧千帆は高観察を信じ、薬を砕いてからパンRに口移しで飲ませた。するとついにパンRが目を覚ます。一方、劉婉は皇帝や顧千帆の話を噛みしめながら、ようやく自分の過ちに気づいていた。「陛下に謁見したいと伝えて」皇后はパンRに再び機会を与えた。そこで皇帝は公平を期すべく長官を交代させ、審理を公開とする。パンRは重い身体をひきずりながら再び登聞鼓院(トウブンコイン)へ出廷し、早速、杖刑(ジョウケイ)の続きを受けることになった。しかしそこへ伝令官として崔(サイ)内侍が駆けつけ、聖旨を伝える。「皇后の誕辰を祝い、本日より女子に対する杖刑以下の罰は銭で免除できるものとする…ちんつー」顧千帆たちは急いで門で見守っている葛招娣(カツショウテイ)と陳廉(チンレン)に銭を集めろと指示した。「30貫だ!」すると集まっていた民衆がパンRのために寄付してくれる。その中には開封府の前でパンRを蔑んだ男たちもいた。パンRは30貫と引き換えに残りの杖刑を免れた。欧陽旭は皇后が助けてくれると信じて出廷し、依然として婚約破棄を否認する。証書はとうに破棄し、結納品もなく、婚約を証明する物などないはずだ。パンR側の証人・孫三娘(ソンサンニャン)は身内も同然、また杜長風(トチョウフウ)も今や孫氏の許嫁のため、2人の証言は信頼性に欠ける。「確かに酒によって婚姻をほのめかしたことがありました、過ちは認めます なれど男側からの婚約破棄は容赦されるかと…」欧陽旭は誠意を示してパンRに謝罪したが、パンRは偽りの謝罪など必要ないと冷ややかだった。「欧陽旭、訴状をしっかり読んだ?婚約破棄は訴えの一部、問題は私を中傷したことよ?」三娘は婚約祝いに家宝の硯(スズリ)を欧陽旭に贈ったと証言した。返還を求めたがすげなく追い返され、用心棒に都から追い出されそうになったという。しかし欧陽旭が離京前にすべての身代を質入れしたため、硯を見つけることができた。池蟠(チハン)は質札と硯を証拠として提出、硯には確かに三娘が説明した通り表に文言、裏には″孫″と表記があり、質札の契約人は欧陽旭となっている。パンRは婚約する前から欧陽旭が自分から再三、銭を借りながら返済を拒んだと訴えた。「だまし取りは窃盗と同罪のはず、5貫以上は斬首となります」その時、つい立ての裏で審理を聞いていた皇帝は、激怒してうっかり椅子を叩いてしまう。長官は咳払いして慌てて誤魔化したが、顧千帆は皇帝の存在に薄々、勘付いた。皇帝は皇后と一緒に審理を見守っていた。「…皇上、先日は私が悪うございました」「長年、連れ添った夫婦ではないか、幸いにもまだ取り返しがつく」「でも斉牧を許すことはできません」「私が群臣の反対を押し切ってそなたを立后したのは、野心あふれる有能な女子だったからだ(コソッ)知っての通り私は決して知慮に富む賢君ではない… そなたを好いたのは己にないものを持っていたからだ よいな?これからは天下の民の噂話に耐え得るような手立てを取れ この大宋はそなたの家でもあるのだ」欧陽旭は思わぬ証拠に動揺し、硯の件は失念しただけだと釈明した。「これは趙盼児の報復行為だ!君はなぜこんな下劣なことを…」「あの日の発言に感謝するわ」開封府で訴えを差し戻された後、パンRは帰り際、自分の訴えを受け止める勇気もないのかと欧陽旭を非難した。すると欧陽旭は勝ち誇ったように刑法と慣習は全く別物だと言ったという。「それを聞いて悟ったわ、婚約破棄では断罪できないとね… 欧陽旭、私はあなたを地獄へ送る、あなたが私の首を締めたようにね」「何の話だ?…首など締めていないぞ!そんな証拠はあるはずない!」焦った欧陽旭は従者に助けを求めようとしたが、すでに従者は姿を消していた。その時、証拠集めに奔走していた宋引章(ソウインショウ)が駆けつける。「証拠ならありまーす!」欧陽旭の侍従・淑徳(シュクトク)と書生・子明(シメイ)は賊に殺されたことになっていた。実は子明の屍(シカバネ)から″歩虚韵(ホキョイン)″という楽譜が見つかっていたが、確認した引章は楽譜の奇妙な点に気づいたという。「これは道家の祭事で演奏される音曲で、書生は道教の修行者でした しかし歩虚詞と工尺譜(コウシャクフ)が一致していないのです そこで奇妙な箇所だけを横に読んでみると、ある文章が現れました、″欧陽旭が私を殺した″と…」驚いた皇帝はまた椅子を叩きそうになったが、すんでのところでこらえた。楽譜の裏には″紫陽観(シヨウカン)″という文字もあった。そこで引章は欧陽宅の近くに建つ紫陽観を捜索、すると座蒲(ザフ)の下から書生の遺書を発見する。「欧陽旭は侍従を死に至らしめ、大金で刺客を雇い、趙氏を殺そうとしたと… それを目の当たりにした書生は口封じに殺されると思い、楽譜に暗号を記したのです 欧陽旭は音律を知らぬため、気づかれません」酒楼組合へ向かっていたパンRたちを襲った黒幕は欧陽旭だった。欧陽旭は激しく取り乱し、捕らわれまいと暴れ出した。するとついに皇帝と皇后が姿を現す。欧陽旭は全て聞かれていたと知り呆然、その場にへたり込んだ。「欧陽旭の官職を全て剥奪し、詔獄(ショウゴク)へ…いいや、皇城司の獄へ収監せよ! 顧千帆、朕に代わりしっかり取り調べてくれ」皇帝は趙氏、孫氏、宋氏の功績を認め、何でも望みを叶えることにした。「孫氏、言ってみよ」「わっ!私ですか?!…私は永安楼の新作料理を召し上がって頂ければ十分です 願わくば誥命(コウメイ)夫人の衣を賜りたく、栄に浴することができましたら、この上ない幸せです」「許そう」今や立派に自立した引章は、これを機に登聞鼓院が常に開かれ、杖刑が減ることを望むと嘆願した。皇帝はさすが″風骨″の文字を授かっただけのことはあると感心し、許可するという。皇帝は最後にパンRの望みを聞くことにした。するとパンRはいきなり3度ほど叩頭し、政に口を出す無礼を謝罪する。「私は父の罪により楽妓となりました…父は民を救ったがゆえに死んだのです 宋氏は官妓の家の出ですが、世塵(セジン)にまみれることなく、琵琶に邁進しています そんな私たちは欧陽旭より卑しいでしょうか?」パンRは賎民が決して卑しくないと証明するため欧陽旭を訴えたと説明した。男女を問わず一度、賎民になれば容易に抜け出すことはできず、一生、世間から見下されてしまう。パンRは楽師や職人、奴婢の家に生まれた者を賎民である苦しみから解き放って欲しいと涙ながらに嘆願した。良賎制は秦漢(シンカン)期に始まった。皇帝も改めたいと思っていたが、天下の大業ゆえ、代々の帝王が徐々に進める必要があるという。「では今日はまず1つだけ定めるとしよう… 今後、教坊司の優秀な楽師や職人に内侍省翰林院の職を授けるものとする つまり官吏だ、当然ながら賎民ではなくなる また国に貢献し、善行を積んできた官奴婢と私奴婢に対しては上奏を許可する 朝廷が適切に取り計らおう」そして皇帝もこの日をきっかけに堂々と劉婉を伴って朝議に向かった。永安楼では宋引章の琵琶を聞こうと多くの客が集まった。その様子を池蟠は上階から幸せそうに眺めている。一方、三娘は夢を叶え、杜長風との婚儀で鳳凰冠をかぶり、礼服を着た。傅子方(フシホウ)は母の新たな門出を喜び、仲睦まじい陳廉と招娣も2人を祝福する。こうして紆余曲折を経て幸せをつかんだパンR。顧千帆は愛するパンRが嫁いでくれる日を待ちながら、今日もパンRに付き添っていた。終わり無事に完走しました!中国ドラマにハマるきっかけがパンR演じるリウイーフェイが出演した武侠ドラマ金庸の女神と言われたイーフェイが久しぶりにドラマ復帰した作品でしたが、期待が大きすぎたせいか、ちょっとこれじゃない感が…ともあれ私の愚痴を聞きながら最後までお付き合いくださった皆様、ありがとうございましたw
2023.06.14
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梦华录 A Dream of Splendor第39話「決死の直訴」何としてでも都に留まりたい欧陽旭(オウヨウキョク)は皇后に寝返った。秘密を知った趙盼児(チョウパンアール)は欧陽旭に殺されそうになったが、駆けつけた陳廉(チンレン)に救われる。陳廉はパンRを無事に送り届けたが、皇后は決して自分たちを見逃さないと警告した。しかしパンRは必死で抗えば機会が生まれるかもしれないという。「蕭謂(ショウイ)が言っていたの、人が多い場所なら手は出せないと…」翌朝、雷敬(ライケイ)や高慧(コウケイ)の陳情を聞いた皇帝は蕭欽言(ショウキンゲン)を参内させるよう命じ、顧千帆(コチェンファン)の釈放を決めた。都虞候(トグコウ)・張允(チョウイン)の態度は一変、顧千帆への拷問を謝罪し、耳に良く効く薬を持たせて見送る。顧千帆は真っ先に桂花巷(ケイカコウ)へ駆けつけたが応答はなく、慌てて永安楼へ向かった。すると池蟠(チハン)からパンRが欧陽旭を訴えるため開封府へ行ったと知る。一方、欧陽旭は皇后の従者に昨夜の一件を報告していた。「深夜の上、大理寺の見張りもいたので使いを出せませんでした 皇后にパンRを始末するようお伝えください、さもなくば…」その時、屋敷に開封府から審理の通達が届いた。どうやらパンRは騒ぎを大きくして自分に手出しさせないつもりだろう。欧陽旭は動揺したが、従者はすぐさま審理を非公開にするよう手を回すことにした。「恐れるな、そもそも趙盼児は訴えることができない」審理は一方的に非公開となり、開封府の門は固く閉じられた。そんな不公正な中、パンRは欧陽旭が自分との婚約を一方的に破棄し妾になれと強要、断ると中傷を受けたと訴える。「物証も揃っています」すると欧陽旭はそもそもパンRに自分を訴える資格はないと伝えた。「趙氏の籍は銭塘(セントウ)、私は赴任地の新州にあります」長官はパンRが東京に移ってまだ1年経っていないと確認、確かに開封府の所轄ではないと退けた。「銭塘で改めて訴えよ」パンRが開封府を出ると正門で顧千帆が待っていた。思わず顧千帆に抱きついて喜ぶパンR、耳の怪我も幸い大した傷ではなかったという。すると野次馬たちはやはり探花の欧陽旭が勝ったと噂し、妓女だった女なら婚約破棄も仕方ないと見下した。これが世間というものだろう。自分が賎民の女子というだけで、人は善悪の区別もせず欧陽旭の側に立つのだ。「欧陽旭を訴えたのは千帆を救うためだった、でもこれからは自分の名誉挽回のために訴える 欧陽旭を法で罰してやるわ」顧千帆はパンRを応援すると励ました。陳廉は慌てて欧陽旭の後ろ盾が皇后だと教えたが、顧千帆はこの機会に欧陽旭こそ裏切者だと皇帝に知らしめるという。「やられたらやり返す、私のために来てくれたのだ、今度は私がパンRを助けなければ…」その時、見知らぬ書堂が声をかけた。「趙娘子、東京でもまだ訴状は出せます、少々、難しいですが…」実は景徳(ケイトク)年間、闕門(ケツモン)の外に官民の訴えを受理する登聞鼓院(トウブンコイン)が設置された。ここでの民の訴えは直接、皇帝に届くという。しかし朝廷のお達しで登聞鼓院が受理する案件は賂(マイナイ)や恐喝、殺人などの罪だけ、他の事案は通常、県から州へ順番に上告する必要があった。「…あとは越訴(オッソ)だ」パンRは登聞鼓院の太鼓を打ち鳴らした。しばらくぶりに鳴り響く太鼓の音、すると力自慢の孫三娘(ソンサンニャン)が途中で代わり、力の限りばちを振り下ろす。「訴えたのは誰だ?!」長官は訴状を受け取ったものの越訴であると分かった。越訴の場合、掟に従って訴人は杖刑20回を先に受けなければならない。それでもパンRは欧陽旭を訴えると譲らなかった。「そなたが勝訴しても私が与えられる罰はせいぜい結納品の返還だが?」「それでも構いません」パンRはどちらにしても高官が″八議(ハチギ)の法″で守られ、懲罰を減免されると知っていた。しかしパンRは自分が軽薄な女ではなく、欧陽旭こそ徳を欠いたえせ君子だと証明したいという。皇帝は太鼓を打ったのが趙盼児だと聞いて驚いた。すると皇后・劉婉(リュウエン)が駆けつけ、パンRを殺すべきだと進言する。大理寺の調べで欧陽旭を襲ったのは蕭欽言(ショウキンゲン)ではなく斉牧(サイボク)だと分かったが、審理が始まる直前になってパンRが欧陽旭を訴え出るとは怪しい。「そもそもなぜ今頃になって訴えるのでしょう? これも欧陽旭の名誉を傷つけ、大理寺への印象を悪くするためです 清流派は蕭欽言や顧千帆と結託したのでしょう、そしてパンRを味方につけたのです 皇上、今回ばかりは我慢なりません!」劉婉はこれ以上、夜宴図に悩まされるのはご免だと訴え、思わず涙ぐんだ。「皇上、お願いです! 大理寺には厳正に審理させ、欧陽旭殺害を企てたのが斉牧だと究明してください!」登聞鼓院での審理の日、空は暗雲が垂れ込め、冷たい雨になった。長官は改めて越訴の場合、訴えの乱発を防ぐため先に杖刑を受けてから審理に入る掟だと確認、執行の札を投げる。こうしてパンRは前庭に用意された執行台に乗った。目をそらさずパンRを見つめる顧千帆、しかし三娘と宋引章(ソウインショウ)は思わず目を背けてしまう。門では池蟠(チハン)たちが心配そうに見守っていた。すると4回目を打たれた時、パンRは激しく血を吐き出し、6回目で気を失ってしまう。欧陽旭はその姿を見ながら、まるで何かに取り憑かれたように呟いていた。「打て…いいざまだ…殺せ…」顧千帆たちは思わず執行人を邪魔してパンRを守った。長官は法廷への介入は大罪だと激怒したが、顧千帆は皇后が裏で手を回したのだと気づく。「杖刑とは臀(デン)杖で脊(セキ)杖ではない!こんな重刑を科し、趙氏を殺して口封じするつもりか!」驚いた長官は侮辱罪で顧千帆を捕らえるよう命じたが、顧千帆は公平性に欠けるとしてパンRを抱えて帰ってしまう。池蟠たちは何が起きたのか分からなかったが、ともかく急いで道を開けさせた。すると引章が悪徳官吏が勝手に脊杖に変えたと暴露する。「脊杖20回とは流刑になる者の罰だぞ?!」文人である濁石(ダクセキ)と袁屯田(エントンデン)は驚愕した。まさか冤罪を晴らすための場所で長官が訴人を殺そうとするとは…。「この世の公正はどこにある?!行こう!上申するぞ!」皇帝は御花園で偶然、女官たちの噂話を耳にした。「何の話だ、聞かせてくれ」「安陽殿の女官から聞いたのです、永安楼の趙娘子の杖刑のことや、実は武官の娘だったと…」パンRは実は趙謙(チョウケン)の娘だった。皇帝はパンRの凋落が自分のせいだと知って胸が痛む。しかし永安楼を訪ねた時、パンRは帰り際、皇帝に感謝していると話していた。…手が空くと陛下の息災を祈っています、陛下のご厚恩がなかったら都の華やかさを享受できず、酒楼も開けませんでした…皇帝は女官たちを集めてパンRをどう思うか聞いた。皇后の手駒となった崔(サイ)内侍は顔をひきつらせて皇帝の顔色をうかがうことしかできない。すると女官の1人が顧千帆のような夫を迎えられて羨ましいと言った。「″生き閻魔″の顧千帆が良き夫にもなるとはな〜」「何でも趙娘子のために刑場破りをしたそうです、天下一の良き夫です!」「刑場破りだと?!」何も知らなかった皇帝は後宮に駆けつけ劉婉を追及した。皇后が民の命を軽んじ、今や市井では″登聞鼓院も朝廷も不公正″と噂になっている。劉婉は自分が間違っているなら罰して欲しいと嘆願した。自分を追い詰める元凶の斉牧を処刑できるまであと少し、邪魔をされたくないのは当然だという。「婉R、私が怒る理由が分からないのか?」皇帝は子を産めない劉婉に借り腹を認め、権力を望むゆえ立太子も見送って来た。お忍びで永安楼へ行った時も別の意図があると誤解され、パンRへの嫉妬もあったのだろう。「国を納める道は平坦ではない、まさか朕が何事にも寛容だと思っているのか? 父皇の教えだ、″君たる道、気ままであるべからず、心に天の理を抱き、民意を重んじよ″と… 朕はたとえ斉牧に陥れられたとしても皇后を信じた 趙盼児を殺したところで皇后がでっち上げた斉牧の罪状に世の民は納得すると思うか? …よく考えなさい」皇帝は皇后に真心で接して来ただけに、失望も大きかった。劉婉はその場でへたり込んだまま動けなかった。ふと気がつくと夜も更けて真っ暗な寝宮に独り、すると突然、顧千帆が現れる。「夜半に皇后の寝所に侵入するなど死罪になるわよ?!」「分かっています」すると顧千帆は拝跪し、実は蕭欽言の実子であると明かした。しかし育ててくれた叔父・斉牧に皇城司へ送り込まれ、蕭欽言に対抗するため宮中の機密を集めて来たという。「皇后の身辺調査で夜宴図の存在を知り、絵を隠滅する任務で訪れた銭塘でパンRと知り合いました 私は大勢の官吏の秘密を握っています、手駒にしていただけるなら皇后への忠誠を誓います どうか許嫁・パンRの命をお助けください」劉婉はならばパンRに訴えを取り下げさせ、斉牧の審理が終わったら欧陽旭を引き渡すと言った。「煮るなり焼くなり好きにして」「…取り下げはできません、欧陽旭を死罪にしてパンRの名誉を回復させたいのです」「馬鹿な…悪いけど力にはなれないわ」つづく( ๑≧ꇴ≦)えーっ?!まだ1年経ってないの? ←そっち?w
2023.06.13
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梦华录 A Dream of Splendor第38話「背後に潜む者」母・孫三娘(ソンサンニャン)と師範・杜長風(トチョウフウ)が恋仲だと知った傅子方(フシホウ)は猛反発。女子は三従四徳を守り、父に夫に子に従うべきだと言い放った。「俺の同意なしに一緒にはさせない!」しかしこの言葉を聞いた三娘は息子に深く失望し、自分の婚姻に口出しできる者などいないという。「私が甘やかし過ぎたせいね…母の慈愛に子が応えるとは限らない、あなたは父親そっくりだわ」すると三娘は息子を置き去りにして帰ってしまう。 子方は屋敷へ戻ると母に謝罪した。着替えを持って待っていた三娘は、改めて自分は母である前に女であり人だと言い聞かせる。しかし礼服を着る夢を叶えたくて息子に学問を強要したのも事実だった。「これからは私の夢のために生きなくていい、礼服を着る夢は自分で叶えるから…」三娘はもう怒っていないと安心させた。永安(エイアン)楼を任された宋引章(ソウインショウ)は立派に勤めを果たし、趙盼児(チョウパンアール)へ報告に来た。引章の楽しそうな様子に安堵するパンR、そこへちょうど顧千帆(コチェンファン)が帰って来る。実は都を発った欧陽旭(オウヨウキョク)が海賊に襲われ、命を落としていた。しかし今朝の朝議で顧千帆も突然、言官に弾劾されたという。商人と通婚を図り、許嫁に買い占めをさせて民と利を争っているというのだ。その時、屋敷に侍衛司が踏み込んだ。都虞候(トグコウ)・張允(チョウイン)は勅命により顧千帆を連行するという。顧千帆はすぐ戻るとパンRを安心させたが、結局、夜になっても帰ってこなかった。顧千帆は張允がかつて殿前司(デンゼンシ)・崔(サイ)指揮の配下だったと知っていた。「敵討ちのつもりか?」恐らく張允はその復讐心を利用され、清流派と皇后派の争いに巻き込まれたのだろう。しかし皇帝は拷問を禁じているはず、その証拠に身体に目立った傷が残らないよう水責めしかしなかった。顧千帆は政争に関わらないよう警告したが、張允は次に鐘刑を命じてしまう。パンRは陳廉(チンレン)から事情を聞いた。実は蕭(ショウ)家の印が入った宝玉が顧宅から見つかり、欧陽旭を襲った賊の骸にも蕭家の紋があったという。蕭欽言(ショウキンゲン)は現在、病を理由に謹慎中だった。すると蕭宰相の前妻が顧千帆の″叔母″らしいと噂が広まり、蕭欽言が息子も同然の顧千帆を出世させたと憶測が流れる。言官は蕭欽言が顧千帆の婚姻に不満で、顧千帆が一緒だと知らずにパンRを襲ったと上奏した。驚いた皇帝は今回ばかりは皇后と蕭宰相のやり過ぎだと激怒したが、皇后が潔白を主張したため顧千帆の尋問を命じたという。「つまり陛下は顧千帆を皇后派と見なし、夜宴図の件で私に嘘をつかせたと思ったんだわ 皇后の罪を隠したことが拘束した本当の理由なのね」パンRはひとまず静観することにしたが、自分の命を狙ったのが蕭欽言でも斉牧(サイボク)でもないと感じていた。顧千帆の消息が全く分からないまま丸1日が経った。皇城司もパンRも身動きが取れず不安が募る中、杜長風は自分が偵察に行くと申し出る。「これでも官吏だ、何があっても切り抜けられる、男なら家族の困難に立ち向かわなくては…」孫三娘(ソンサンニャン)は杜長風の力強い言葉に感激し、パンRも拝礼して感謝した。杜長風は医者に成りすまし、顧千帆の診察を命じられたと嘘をついて牢獄に潜入した。すると顧千帆は拷問で耳から血を流し、音が良く聞こえないという。「皆、むやみに動くなと伝えてくれ…陛下のお望みは私の審問でパンRと永安楼には手を出さない つまり陛下は何かを疑っているが確かな証拠はない 当初、雷敬(ライケイ)が私に夜宴図を探させた、恐らく奴は今頃、必死で陛下を説得しているだろう 私が死ぬことはない、くれぐれもパンRを心配させないでくれ…」しかし嘘がつけない杜長風は鋭いパンRにあっさり見抜かれてしまう。顧千帆は拷問されて耳を痛め、高熱を出していた。心配したパンRは陳廉に見張りをまいて欲しいと頼み、顧千帆を唯一、救える蕭欽言に会いに行く。しかし蕭欽言はすでに手を回してあると教え、5日以内には解放されると教えた。「その間、そなたは東京を離れた方がいい」蕭欽言は家職を呼び、馬車に厳重な守りをつけてパンRを送るよう命じた。「千帆はいい子だ、そなたもな…全て悪いのは私だ」パンRは馬車に乗って蕭府をあとにした。すると突然、蕭謂(ショウイ)が車に乗り込んでくる。「助けに来た」蕭謂は父が顧千帆を見限ると教えた。実は皇后が蕭欽言と顧千帆の噂を耳にし、疑心暗鬼になったという。「父が絵の存在を隠し、異心を抱いていると… そこで父は今日、劉(リュウ)国舅(コッキュウ)と接触し、断言した 当時、顧氏とは憎み合って別れ、顧千帆とは帽妖事件以外で一切、関わりがないとな …残酷だと思うだろうが昔からだ、だから今の地位がある 父にとって父子の情など取るに足らぬもの、最も重要なのは権勢だ」蕭謂はパンRが何も知らずに父を頼ったと思ったが、パンRはすでに父が自分の父親の敵だと知っていた。「私を狙ったのは蕭宰相ではない、でも顧千帆が捕まって私を消す気になったのね 私が斉牧一派に殺されたように見せかければ宰相と顧千帆の疑いは晴れるから… でも顧千帆さえ助かるなら宰相を恨まないわ、この命を差し出してもいい」「なるほど、血を流しても君を娶りたがるわけだ」「どうして助けてくれたの?顧千帆を嫌っていたのに…」「それでも私の大哥だ、帽妖事件の時は命を救われた、妬んでいても死んで欲しくはない」蕭謂は兄の大事な人も守りたいと訴え、しばらくは永安楼にいるよう勧めた。「人が多い場所なら手は出せまい…大嫂、気をつけて」雷敬は顧千帆が予想した通り、皇帝を必死に説得していた。夜宴図の件は何度も調べたが絵空事であり、任務以前の顧千帆は何も知らず、ましてや趙氏との結託などあり得ないという。蕭欽言も前妻の″甥″である顧千帆を引き立てたことはなく、もしそれが事実なら自分が顧千帆に厄介な任務を任せられるはずがないと訴えた。そもそも顧家は清流派、前妻とも憎しみあって別れたのだろう。一方、パンRは蕭謂の助言に従い永安楼にいた。すると陳廉から思わぬ知らせを聞く。実は死んだと聞いていた欧陽旭が救出され、大理寺が都に護送していた。「使用人2人と桂花を満載した商船の船員、計8名が死にましたが、 欧陽旭は川に飛び込み、板を抱えて助かったとか…」陳廉は欧陽旭を説得し、全て清流派の仕業だと皇帝に証言させてはどうかと提案した。しかし斉牧は蕭欽言と顧千帆が父子だと知っている。パンRは逆に父子の結託と経歴改ざんで死に追いやられると考え、反対した。つまり黒幕は蕭欽言と顧千帆が親しい関係だとしか知らないのだろう。「…欧陽旭に会うわ」パンRは大理寺の見張りを催眠香で眠らせ、欧陽宅に潜入した。中庭では陳廉が物陰に潜んで警戒している。欧陽旭はパンRが自分を殺しに来たと思ったが、パンRは否定し、証言を頼みたいと切り出した。「あなたの部屋は鵝梨帳中香(ガリチョウチュウコウ)の香りがする…巷では少ないけれど宮中では珍しくない 皇后の使者に会っていたのね?そうでしょう? 賊に襲われたというのは嘘、黒幕は斉牧ではなく皇后だわ、あなたはとうに皇后に寝返っていた 皇后は夜宴図の件で斉牧を恨んでいる、都から追い出しても今後のために潰したかったはずよ? そこで連環計を謀った、まずは蕭欽言を疑うよう仕向け、証拠に不備を残す 斉牧は都におらず陛下に釈明できない 陛下は皇后はを疑い、それ以上に清流派を疑う、と同時に皇后は勢いづく蕭欽言を牽制できる」「なぜ分かった?」パンRは欧陽旭が桂花の過敏症だと知っていた。そんな欧陽旭が都を出るために桂花を積んだ船に乗るはずがない。パンRは最初から最後まで誰かが手配した計略だと気づき、背後にいるのが皇后だと分かった。しかし欧陽旭は全て自分が計画したと否定する。実は欧陽旭は恥を忍んで皇后の兄を頼っていた。完全に斉牧と敵対したため、今後は皇后に尽くすと誓ったという。「私が命懸けで仕組んでこそ皇后は斉牧を排除できる だから皇后は私を信じて東京に残れるよう機会をくださった…」「そのために8人の命を奪い、私を殺そうとしたのね?」欧陽旭は他に道がなかったと訴えながら、急に膝から崩れ落ちた。苦しそうに項垂れる欧陽旭、驚いたパンRは恐る恐る顔をのぞき込んだが、その時、欧陽旭がパンRの首をつかんで押し倒した。「君が憎い、私を変えたのは君だ!なぜ私を拒み、顧千帆を選んだのだ?!」欧陽旭は恨みつらみを爆発させたが、気がつくと抵抗していたパンRの手がだらりと床に落ちた。激情に駆られた欧陽旭は愛するパンRを手にかけ、思わず腰が抜けた。しかしもう選択肢はない。欧陽旭は次に顧千帆を殺すと息巻いたが、その時、死んだふりをしていたパンRが欧陽旭の頭を蹴り飛ばして逃げようとした。「誰か!」パンRの悲鳴に気づいた陳廉は急いで部屋に乗り込み、欧陽旭を殴ってパンRを救出する。そこへ目を覚ました護衛たちが駆けつけたが、欧陽旭は追うなと命じた。…慌てるな、パンRに知られたところで証拠はない、どうせ顧千帆は牢だ、明日、皇后に報告すればいい…一方、雷敬はまだ皇帝を説得していた。欧陽旭が刺客に襲われたというのもおかしな話、もし蕭欽言の指示ならしくじるはずがないという。すると突然、賢(ケン)妃の姪である高慧(コウケイ)が心の友であるパンRの陳情にやって来た。パンRが顧千帆の権勢で商売敵を抑えたなど事実無根であり、そもそも他の酒楼の嫌がらせが原因で香料を買い占めただけだという。「都で頼る者もいない女子が酒楼を開くことは大変なことです! 無辜の民を政争に巻き込まないでください!」すると崔内侍は食い下がる高慧を止め、強引に連れて下がった。皇帝は気位の高い高慧がなぜパンRと友人になったのか首を傾げた。すると雷敬はこの機を利用し、皇后も潔白だからこそ侍衛司に顧千帆を調べさせ、蕭宰相を謹慎させたのだと畳み掛ける。「これも陛下を信頼してのこと もしこの件が誣告だった場合、陛下が蕭宰相の復帰を遅らせれば皇后が傷つくのでは?」一方、陳廉はパンRを無事に桂花巷(ケイカコウ)へ送り届けていた。つづく( ゚ェ゚)え?使用人2人って…ザワザワ…
2023.06.12
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梦华录 A Dream of Splendor第37話「募る憎しみ」東京(トウケイ)に来た当初はしおらしくしていた傅子方(フシホウ)。しかし次第にわがままになり、孫三娘(ソンサンニャン)は手を焼いていた。今朝は書院に行かないと駄々をこねる息子を送り届けたが、三娘は仕事にかこつけて息子の相手をしない自分を責めてしまう。すると杜長風(トチョウフウ)が現れ、子方ももう14歳、母親とべったりでは笑われるとなだめた。「君の息子は私の息子も同然だ、私が育て上げる」三娘はしみじみ杜長風との出会に感謝し、都へ来たことは人生で最も正しい選択だったと言った。趙盼児(チョウパンアール)と顧千帆(コチェンファン)は復縁し、幸せな時間を過ごした。しかしパンRは軌道に乗った永安(エイアン)楼の仕事が忙しく、今は婚礼どころではない。パンRとの結婚生活を夢見る顧千帆だったが、それでも無理強いはしなかった。「私に嫁ぐのはいつだっていい、ずっと嫁がなくても私は待っているよ 君は恨みを捨てられる人だが、わだかまりはあるはずだ 君に付き添い、心の傷をゆっくり癒して行きたい」パンRは顧千帆の真心に感激し、思わず涙ぐんでしまう。すると顧千帆は夜宴図(ヤエンズ)の件も解決したと安心させた。「欧陽旭(オウヨウキョク)は新(シン)州の通判に…」「横滑りで降格ではない、欧陽こそ諸悪の根源なのに…」欧陽旭は辺地に飛ばされると知って絶望した。皇帝の怒りはすでに静まっていたはず、恐らく斉牧(サイボク)と顧千帆にそそのかされたのだろう。そこで赴任するまでの十数日の間に活路を見いだすべく、銭をかき集めることにした。「西京(セイケイ)での苦労を2度と味わいたくない、ここに留まれるなら命を売り渡してもよい」叔徳(シュクトク)は欧陽家の最後の身代である屋敷の売却に反対したが、欧陽旭は子明(シメイ)に証文を渡してしまう。欧陽旭はパンRに謝罪するため永安楼を訪ねた。驚いた宋引章(ソウインショウ)は咄嗟にパンRなら留守だと追い返し、謝罪文をパンRに届ける。…この情、追憶となるを待ち、惘然(ボウゼン)とする…パンRは欧陽旭が自分たちの追い打ちを恐れて旧縁にすがっているだけだと分かった。皇帝の欧陽旭への処分は確かに甘すぎだが、欧陽旭にとって前途を断たれるのは何よりの罰だろう。そんな折、池蟠(チハン)当てに酒楼組合から招請状が届いた。パンRに香料を買い占められたと知り、来年の醸造権の入札について相談したいという。「女子が正店を営むことを組合は禁じて来た、君が会合に行けば鼻を明かせるぞ?」パンRは明日の休みに顧千帆と出かける予定だったが、池蟠の言葉で心が動いた。欧陽旭は子明が400貫しか持って帰らなかったことに激怒、折檻した。実は淑徳から売らずに質入れしろと指示されたという。そこへ慌てて淑徳が現れた。淑徳は質入れなら請け出すことができると訴えたが、欧陽旭は質札を出すよう迫る。「私は先代に欧陽家を託された身、たとえ死んでも渡せません!」激情に駆られた欧陽旭はいきなり淑徳を殴打、そのまま撲殺してしまう。「欧陽家の主はお前か?!私だ!くたばれっ!」子明は常軌を逸した主の様子に呆然、腰が抜けて動けなくなった。顧千帆はパンRとの生活のため、調度品を買い揃えた。するとパンRは改めて蔵の鍵を要求、このままでは破産してしまうという。そこへ陳廉(チンレン)が子犬を連れてやって来た。「ご命令どおり賢い犬です!」顧千帆とパンRは幸せに包まれ、これからは顧宅で楽しい毎日が待っていると信じて疑わなかった。池蟠は酒楼組合へ出かけるため馬車でパンRを迎えにやって来た。しかしパンRを心配した顧千帆が一緒について来る。狭い車の中でにらみ合いを続ける顧千帆と池蟠。痺れを切らしたパンRは2人をなだめ、今回は入札を打診されても断ろうと提案した。「今、手を広げ過ぎてもうまく回せない 杜氏もいないし、人選びに失敗すれば名折れになるわ 商いも戦と同じ、攻めてばかりではいけない」その時、馬車が急停止した。露店と馬車が接触、道がふさがっている。するとパンRは組合ならもう近いので歩こうと言った。パンRたちが組合への道を歩いていると、突然、工事中の陸橋から材木が落ちて来た。池蟠は運良く免れたが、パンRをかばった顧千帆は材木の下敷きになってしまう。その時、顧千帆は陸橋の上から自分たちの様子を確認する男と目が合った。顧千帆は男が自分たちを狙ったと気づいて暗器を放ち始末したが、そのまま意識を失ってしまう。顧千帆は大事に至らず、足を負傷したパンRは顧宅で静養することになった。知らせを聞いた杜長風は慌てて桂花巷(ケイカコウ)へ駆けつけたが、子方は師範の姿を見て動揺する。「母さんに用ですか?僕は何もしていませんよね?」陳廉は咄嗟に自分が呼んだと取り繕い、一緒に昼餉を食べようと誘った。三娘は杜長風の優しさに感激しながらも、まだ息子に婚姻の件を伝えることができなかった。杜長風はこそこそ付き合いたくないと漏らしたが、三娘の気持ちを汲んで待つことにする。一方、陳廉は引章に永安楼の主を託したいとパンRから事付かっていた。パンRは軽傷だが事情が複雑なため、顧千帆がそばに置いておきたいという。現場に先に駆けつけたのが開封府のため皇城司は手を出せなかった。引章は了承したが、刺客の狙いが誰だったのか気になる。もしや酒楼組合だったのか。しかしパンRたちを狙ったのは酒楼組合ではなかった。王楼(オウロウ)店主はパンRの事件に酒楼組合が関わっていないと確認して安堵した。するとこの機に店主が宋氏に代わると分かり、思わぬ好機だと喜ぶ。そんなある晩、永安楼に急報が舞い込んだ。可四(カシ)が長楽(チョウラク)郡主府へ料理を届けたが、蟹醸橙(カイジョウトウ)の蟹が腐っていると騒ぎになっているという。引章と三娘が長楽郡主府に駆けつけると、可四が門前に縛り付けられていた。すると誰が煽ったのか、騒ぎを聞きつけて人だかりが出来ている。その時、腐った蟹を持って家職が現れた。見たところ確かに蟹は腐っていたが、引章は同行した医官に調べさせ、蟹みそが朱色だと分かる。三娘は群衆にわざわざ蟹みそを見せて回り、これが永安楼の料理ではないという証拠だと訴えた。「赤いみそは雌蟹特有のもので、雄蟹のみそは黄色です、召し上がった方ならお分かりでしょう 水産組合も証言してくれます、雌蟹を永安楼に卸したことは一度もないと…」実は東京で貴重な江南産の蟹を提供しているのは永安楼だけだった。他店が出している沢蟹とは身の肉が全く異なり、医官はひと目で判別したのだという。潔白を証明した三娘は可四を解放した。すると可四は陰謀だと訴え、群衆を焚き付けたのが王楼の店主だと暴露する。引章は訴状の到着を待つよう告げたが、焦った家職は結託を否定し、自分も騙されたと謝罪した。しかし翌日、今度は李家に酒を買いに行った葛招娣(カツショウテイ)が断られて帰って来る。何でも欲しいなら鬱金(ウッコン)と蘇合(ソゴウ)を全部差し出せと脅して来たとか。「ここは池蟠の出番ね」あの事件以来、池蟠は寝殿に引きこもっていた。引章は寝所へ乗り込み、このまま永安楼が潰れたら笑いものになるという。ようやく永安楼が嫌がらせを受けていると知った池蟠は一念発起、地方で酒を買って来ると出かけて行った。その夜、杜長風は三娘を抱きしめ慰めていた。しかし運悪く厨房へ来た子方に見られてしまう。2人の関係を知った子方は屋敷を飛び出したが、追いかけて来た三娘たちに橋で挟み撃ちにされた。「来るな!飛び込むぞ?!こんな破廉恥な女、母親じゃない!よその男と通じるなんて!」すると激怒した引章は子方を橋から落としてしまう。「溺れやしないわ」確かに子方は浅い水路であっさり立ち上がった。「俺は悪くないぞ!」「いいえ、銭塘(セントウ)で必死に育ててもらった恩にどう報いたの?! 東京では最上の衣食を与えられ、書院にも通ってる、あなたに孝行心はないの?!」「とにかく下種と通じるなんて間違ってる!」これにはさすがの杜長風も言い返した。「私は進士で下種などではない、君の母君は表裏のない清らかな人だ 君子と淑女が愛し合うのは喜ばしきこと、恥でも何でもない」「でも…おれは許さないぞ!」 つづく( ๑≧ꇴ≦)引章、覚醒!意外にも最後は一番カッコよくなりそうw
2023.06.11
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苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第20話雲夢澤(ウンムタク)に居を構え、人間の振りをして過ごすことになった東方青蒼(ドンファンチンツァン)と小蘭花(シャオランファ)たち。すると結黎(ジエリー)が花街へ出かけようと提案した。「だって気晴らしに来たのでしょう?」人間界に来た目的を隠していた東方青蒼と觴闕(ショウケツ)は黙って付き合うことにしたが、飛仙(ヒセン)閣という酒楼に鹿城(ロクジョウ)で名高い芸妓・謝惋卿(シャワンケイ)がいるという。惋卿は芸と教養で並ぶ者がなく、仙女にも勝る美貌だと評判だった。惋卿の客には名門貴族が名を連ね、その顔を拝めるのは招待状を持つ客だけだという。しかし東方青蒼は大枚をはたき、今夜の宴に潜り込むことに成功した。日が暮れる頃、東方青蒼たちは中庭に入ったその時、小蘭花は招待客の中に長珩(チャンハン)にそっくりな人間を見つける。しかし男の腰飾りが奇幻流蛍石(キカンリュウケイセキ)だと気づき、やはり長珩本人だと確信した。なぜ歴劫で人間界に転生したのか分からないが、東方青蒼に見つかったら殺されてしまう。焦った小蘭花は東方青蒼を連れて前の席に座り、振り返らないよう気をつけた。謝惋卿の舞が始まった。その妖艶さに誰もが目を奪われる中、小蘭花は謝惋卿のうなじに業火(ギョウカ)の傷跡を発見する。3万年前、業火で傷を負った神仙と言えば先の戦神・赤地女子(セキチジョシ)。小蘭花は東方青蒼の目的が先戦神の元神を奪うことだと分かった。…先戦神の元神を使って何をするつもり?何とか阻止して歴劫を成功させなければ…すると舞台が終わり、長珩が急に立ち上がって歓声を上げた。驚いた小蘭花は咄嗟に東方青蒼に腹が痛いと訴え、長珩が見えないよう視線を遮る。長珩は人間界で放蕩息子として有名な蕭家の次男・蕭潤(ショウジュン)に転生していた。謝惋卿の房間を訪ねることができる客は一人だけ、その日、最高の品物を贈った客だった。すると蕭潤が下賜品の紅珊瑚を贈り、今夜の客に選ばれる。皆の注目が蕭潤に集まる中、小蘭花は咄嗟に腕輪を落としたと嘘をつき、霊力を使えないので皆で探して欲しいと訴えた。「だって骨蘭(コツラン)は私にとって唯一無二の宝だもの」その間に蕭潤は給仕に案内されて中庭を後にした。「見つかったわ!」しかし東方青蒼は小蘭花の不自然な様子を怪しんでいた。蕭潤は謝惋卿の房間に入った。実は蕭潤の父親は謝惋卿の父と同期の役人で、先帝は当時、蕭潤と謝惋卿の婚姻を下賜している。蕭潤は紅珊瑚を贈って求婚に来たと言ったが、謝惋卿は断った。謝家は10年前に派閥争いに敗れ、男たちは全員、極寒の地に流され、女子たちは妓女に落とされている。「あなたとは一杯の茶を飲むだけの縁、厚意は受け取るのでお帰りください」「また日を改めるよ」蕭潤が出て行くと、謝惋卿は紅珊瑚を返すよう指示した。長珩を追って歴劫に来た丹音(タンイン)は蕭潤の従者・曲水(キョクスイ)に転生していた。蕭潤は紅珊瑚を持ち出したことがばれて棒打ちの罰を受けたが、それでも謝惋卿を娶ると譲らない。実は蕭家は妓女に落ちた謝惋卿を許嫁と認めていなかった。しかし曲水は主がなぜ愛していない謝惋卿にこだわるのか分からない。「幼い頃からよく仙女の夢を見るのだ… とても気高く、谷間に咲く蘭のようで、彼女と少し似ている、縁があると思うんだ」宴が終わった。飛仙閣を出た東方青蒼は情義がないならなぜ骨蘭を″唯一無二の宝″と言ったのか小蘭花に尋ねる。「私を騙したのか?」「違う」「ならば情がないというのが嘘なのか?」「それも違う、もしもあなたが水雲天を攻めることがあれば、あなたは私の敵よ? …あなたこそ私に怒っていないの?前は私が文句を言ったり逆らったりすると怖い顔で怒ったわ」「そんな風だったか?」「そうよ?でも近頃は違う…本当に怒っていないの?」東方青蒼は確かになぜか怒る気になれないと気づき、自分でも困惑した。屋敷に戻った東方青蒼は觴闕に本心を打ち明けた。「近頃、心が乱れて集中できぬのだ、特に小蘭花には怒るべき時であってもなぜか腹が立たない」しかしあれ以来、小蘭花は自分と距離を取り、確かに静かにはなったが心の中にぽっかり穴が空いたようだった。「尊上、実は私も同じです」觴闕も結黎への自分の思いに戸惑っていた。小蘭花は結黎に長珩仙君が歴劫で人間界にいると明かした。上級の神仙が歴劫をしくじれば大事、そのため東方青蒼には隠したいという。しかも妓楼で踊っていた謝惋卿は先の戦神・赤地女子だった。結黎は3万年前に死んだ戦神が蘇るのかと驚いたが、小蘭花にも詳しいことは分からない。「ただ月尊大人は赤地女子の元神が欲しいみたい」明日は元宵節、謝惋卿が運命の相手・蕭郎と巡り合う日だ。すると小蘭花は蕭郎とは長珩の転生した蕭潤のことだと気づく。一方、息山(ショクサン)で精気を養っていた容昊(ヨウコウ)は雲夢澤が乙酉(イツユウ)年の元宵節だと聞いた。「そばで見守らねば…」元宵節の夜、小蘭花と結黎は人間と同じように灯籠を持って祭りを楽しんでいた。しかし東方青蒼は赤地女子の歴劫を見守らねばならず、早々に引き上げるという。そこで結黎は気を利かせ、偵察して来ると言って觴闕を引っ張って行った。結黎は意味が分かっていない觴闕に月尊と小蘭花を2人きりにしたと教えた。「私たちも2人きりね?」しかし觴闕は急に恥ずかしくなって急いで行ってしまう。一方、東方青蒼と小蘭花は気まずそうに2人で散策していた。すると少女が花を買って欲しいと声をかける。「この花を恋人の髪に挿して、そうすれば100年も一緒にいられるの」「100年だけか?」※人間界の100年=仙界の100日「10万年も100万年も一緒にいられるよ」東方青蒼は大きな芍薬の花を買うと、小蘭花の髪に挿した。「人間の男の真似をしただけだ」「…ねえ、本当に気晴らしで来たの?私を騙してない?」「だますものか、気晴らしだ…そんなに心配なら今後はお前を決して騙さないと誓う だからお前も私を騙すな、よいな?」その時、東方青蒼は露店で売っている鞠を見つけた。父と蹴鞠で遊んだことを思い出し、しばし物思いにふける東方青蒼、しかしふと気がつくと小蘭花の姿が消えていた。一方、蕭潤は賭場で大負けしていた。ついに大事な玉まで賭けて負けてしまったが、回収される前に玉を取り戻して逃亡してしまう。その頃、謝惋卿は祭りの喧騒を嫌って房間に閉じこもっていた。すると夜も更けた頃、どこからともなく簫の音が聞こえて来た。つづく( ๑≧ꇴ≦)長珩仙君は人間界の方が生き生きしてる!
2023.06.10
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苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第19話東方青蒼(ドンファンチンツァン)は小蘭花(シャオランファ)のおかげで七情を取り戻し、父へのわだかまりも解けた。そこで月族の掟に従い、小蘭花の頬に赤い顔料をつけて感謝を捧げる。小蘭花はこれで三界に平和が訪れると安堵したが、東方青蒼の口からとんでもない発言が飛び出した。「そなたの家に帰れぬ辛さがやっと分かった…本座は決心した 水雲天(スイウンテン)を平定し、雲中君(ウンチュウクン)を討ち取ってお前の家を取り戻す!(๑•̀ㅂ•́)و✧」思わぬ結果に小蘭花は呆然、気分がすぐれないので休みたいと断り、部屋に戻ってしまう。「本座の介抱で寝ていなかったであろう…ゆっくり休め」( ತ _ತ).oO(月尊を変えられると思った私がバカだった…東方青蒼は帰り際、小蘭花から受け取らなかった蘭@16話を見つけ、寝宮に持ち帰った。すると觴闕(ショウケツ)が承影(ショウエイ)剣の破片を持って現れ、罰を請う。「最後の一片を見つけ出せませんでした」実は破片を全て集めて承影剣を鋳(イ)直せば蘭花仙子が殺されるため、辛くて身が入らなかったのも事実だと認める。しかし東方青蒼は見つからないのなら最後の一片は砕け散ったのだと話し、探す必要はないと許してくれた。「捨てるがよい」觴闕が寝宮を出ると、回廊で巽風(ソンホウ)と出でくわした。巽風は觴闕が持っているのが承影剣の破片だと気づき、兄が不要なら欲しいという。「最後の一片を探し出せるかもしれない」すると觴闕は最後の一片なら砕け散ってしまったようだと伝え、巽風に渡した。雲中君は昊天(コウテン)塔に丹音(タンイン)を送り、弟に退路を残した。そこで丹音は嘘でも罪を認めれば出られると説得したが、長珩(チャンハン)は愛する人を守ることが過ちだというなら、このままでいいという。丹音は長珩を鼓舞するため、悲しまずとも小蘭花は戻って来ると教えた。実は司命仙君の神器・天極鏡(テンキョクケイ)で長珩と小蘭花が雲夢澤(ウンムタク)で婚礼を挙げる様子を見たという。驚いた長珩は歴劫で人間界に転生しようと思いつき、丹音に脱獄させて欲しいと懇願した。丹音は反対したが、長珩はこれが唯一の機会だという。「君は愛を知らないからだ…頼む!手を貸してくれ!」丹音は長珩の願いを断れず、結局、昊天塔から逃がし、神水庁(シンスイテイ)へ向かった。「ありがとう、丹音、来世では必ずこの恩に報いるよ」すると長珩は滝の中に身を投げてしまう。…あなたは私が愛を知らないと言ったわ、それは違う、私は愛を誰よりも知っている…丹音は愛する長珩を守るため、共に歴劫に行く道を選んだ。その夜、小蘭花は幼い自分が両親と楽しそうに遊んでいる夢を見た。…私には両親がいないはず、最近こんな夢ばかりだわ…小蘭花は太古の神霊・元亀(ゲンキ)から言われたことを思い出し、自分の真身が分からず思い詰めてしまう。翌日、東方青蒼はなぜか急に寒気に襲われた。業火(ギョウカ)を身につけた東方青蒼は寒さとは無縁のはず、原因は小蘭花に違いない。その頃、小蘭花は極寒の洞窟にこもっていた。結黎(ジエリー)は小蘭花が凍え死ねば自分も月尊に殺されると訴えたが、小蘭花は自分が何者か突き止めたいという。すると東方青蒼が毛布を持って駆けつけた。東方青蒼が小蘭花に毛布をかけてやると、結黎はそそくさと出ていった。「お前は息山(ショクサン)の蘭だと言っただろう?」「だけど元亀は私の真の姿を示さなかった…私の真身は見たことのない葉っぱだった…」東方青蒼は思わず小蘭花を抱きしめた。「何者だろうと関係ない、お前は三界で私が最も気になり、最も大切にしたい者だ 永遠に私のそばにいれば良い」すると急に小蘭花は東方青蒼の腕から飛び出した。「いや!あなたは月尊、仙界を平定し、水雲天の者を皆殺しにするのでしょう?!」東方青蒼は困惑し、小蘭花にどうしたいのか聞いた。しかし小蘭花は仙族でも月族でもない自分にはどちらにも義理などないという。「私は得体の知れない草よ、私たちの間には情も義もない…もう私に構わないで!」「なぜ今になってそんなことを…自分で仙族ではないと言ったろ?」「ごめんなさい…でも水雲天は私の家、大事な人もいるわ、あなたの他は皆、水雲天にいる…」東方青蒼は小蘭花の言葉に深く傷つき、独りで帰ってしまう。巽風は人間に生まれ変わった赤地女子(セキチジョシ)の赤子を発見した。そこで玄虚(ゲンキョ)の境で封印を解くことにしたが、巽風が取り出した元神があやうく消散しそうになる。東方青蒼は慌てて元神を赤子に戻したが、赤子は元神を取り出されてもなぜか死んでいなかった。東方青蒼は結黎を使って小蘭花から歴劫の情報を聞き出した。「神仙は人間に転生するたびに違う運命があるの、運命簿の命格詩に従って生きるわ 例えるなら運命簿は台本で、命格詩は台本のあらすじみたいなものよ 台本ほど細かくはないけれど、命格詩には経験すべきことが書かれているの」「″試験で首席を取り、役人となる″と書かれているのに試験に行けなくて首席になれなかったら? 歴劫は失敗ってこと?」「そうなるわ、失敗すると霊力を損なうか、最悪、灰になってしまう だから霊力が強い神仙ほど歴劫は危険なの」「もし歴劫に出た上級の神仙が赤子のうちに死んだら元神は灰になるの?」「なるわ、だから余程の理由がない限り歴劫に出ない方がいい」東方青蒼は隠れ身の術でその話を全て聞いていた。東方青蒼は赤地女子の元神をやみくもに奪えないと知った。しかし巽風は小蘭花をいぶかしみ、そもそも修繕が済んだのなら殺すべきだという。東方青蒼は殺せない理由があるとだけ答え、ともかく赤地女子を運命簿通り鹿城(ロクジョウ)へ送り届け、歴劫を見守るよう頼んだ。小蘭花は結黎が急に運命簿に興味を持ったことを怪しんだ。…誰かに頼まれたのかしら、確か″上級の神仙″と言ってたわ…そう言えば修復した運命簿は謝惋卿(シャワンケイ)という人間だった…もしや転生した上級の神仙?でも歴劫中の神仙なら私が知らないはずはない…でもなぜあの運命簿は海市(カイシ)に保存されていたのかしら小蘭花は修復した運命簿に書かれていた命格詩を思い出しながら書き出した。新婚初夜に新郎に斬ら殺されるとは、何とむごい運命なのか。その時、小蘭花は鏡に映る自分の顔が謝惋卿に変わるのを見た。もしや謝惋卿とどこかで会ったことがあるのだろうか。觴闕と将棋を指すと言って出かけた結黎が戻ってきた。何でも雲夢澤へ行く月尊のお供で夜まで戻らないという。「鹿城は寂月宮よりも楽しいもんね~」…鹿城?!謝惋卿がいる鹿城だわ…小蘭花は東方青蒼が謝惋卿を探しに出かけたと気づいた。聞けば人間界はちょうど正月、命格詩によれば元宵節に謝惋卿は運命の人に出会う。「結黎、支度して!鹿城へ行くわよ!」小蘭花と結黎は帷帽(イボウ)で顔を隠し、東方青蒼を追跡した。しかしあっさり見つかってしまい、寂月宮に戻れと命じられてしまう。そこで結黎は咄嗟に小蘭花が月尊を怒らせたことを反省し、付き添いたかったのだと釈明した。すると觴闕も蘭花仙子の想いを汲んではどうかと進言してくれる。悪い気はしない東方青蒼、結局、同行を許したが、小蘭花はどこか気まずかった。觴闕は独りで付近の偵察に出かけた。すると飴細工の露店を見かけ、買うことにする。何も分からず5文の飴細工に高価な霊玉を出してしまった觴闕、しかし結黎が現れ、店主から霊玉を取り戻してくれた。「飴細工に一体、いくら払うつもり?」「…蒼鹽海(ソウエンカイ)では見ない目新しい物なので、飴の好きな君に買おうと思ったんだ」一方、東方青蒼と小蘭花は茶屋で2人を待っていた。「月尊大人…ありがとう、私を責めずに同行を許してくれて」「我らの間に情がないなら責めることはない」(*´・ω・)お、おう…「情も義もないなら偽りの言葉を吐くな、聞きたくもない」(*´-ω-)おぅ…「何も言えぬのか?」「何か言えば怒らせるから…」「そうだ、黙っているのが一番だ」(゚ェ゚(。_。(゚ェ゚(。_。*)コクコクその時、ようやく觴闕と結黎が戻ってきた。結黎は月尊たちが人間界の常識に不慣れだと分かった。しかし郷に入っては郷に従え、月尊であっても人間と同じように振る舞うべきだという。東方青蒼は自分が決まりだと一蹴したが、小蘭花は雲夢澤には独自の運命があると師匠から聞いたと教え、月族も仙族も手出しできないと警告した。「うかつに手を出すと、その元神が灰になることもあるみたい でも…みんながひれ伏す月尊大人よ?人間のふりをするなんて難しいわ〜」小蘭花は謝惋卿を守るため、負けず嫌いの東方青蒼を煽った。「私に難しいことなどない、ただ人間になるなら最も偉大な者だ…結黎、人間の話を続けろ」「尊上…ここで一番偉いのは皇帝です、でも皇帝は独りしかなれませんし…」「では他を殺す」驚いた小蘭花は人間界の運命を変えたら灰になってしまうと訴え、結黎に助けを求めた。そこで結黎は月尊なら富豪か貴人だと話し、″金陵から来た富豪の東方員外″という身分を思いつく。「小蘭花は東方家の花を世話する侍女、私はお金の管理をする侍女、で、觴闕は護衛 これでそう?」※員外=尊称(* ˇωˇ)<仙女でもない、月尊でもない?…本当にそうならいいのに(ボソッすると結黎はまず鹿城に屋敷を構えるよう勧めた。つづく( ;∀;)觴闕…苦労人なのになんて実直なのかしら〜
2023.06.09
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梦华录 A Dream of Splendor第36話「黄色い花に託す想い」高慧(コウケイ)の腹当てを利用して縁談を迫っていた欧陽旭(オウヨウキョク)。しかし今や露店で誰もが自分の名が刺繍された絹の手巾を買うことができた。「一つ条件をのむなら君が必要な物を返そう」焦った欧陽旭は腹当ての半分を差し出し、助けてくれるなら2度と高家に関わらないと誓う。「しかし傍観するなら…君が嫁ぎ先で安寧を得ることはないだろう」高慧はそれがただの脅してないと分かった。「何をすればいいの?」「陛下に会わせて欲しい」東京織物組合の会頭でもある池蟠(チハン)は趙盼児(チョウパンアール)に頼まれて絹の手巾を大量に作った。「あと3日もすれば東京(トウケイ)は絹の手巾だらけになる、で手巾を何に使う?」「私を助けてくれた人への恩返しよ」パンRは仕事の合間を見つけては熱心に邸報(テイホウ)を読んでいた。池蟠はまだ顧千帆(コチェンファン)が気になるのかと疑ったが、パンRはこれも永安(エイアン)楼のためだとごまかす。「永安楼の繁盛ぶりを見て他店が放っておくと思うの?」しかし実はパンRは父親が命に背いた年の邸報を読んでいた。すると当時、左司諫(サシカン)・蕭欽言(ショウキンゲン)が父・趙謙(チョウケン)を弾劾したという記載を見つける。パンRはついに顧千帆が自分に会えなかった理由を知り、激しく動揺した。宋引章(ソウインショウ)は書斎にいるパンRを訪ねた。孫三娘(ソンサンニャン)が傅子方(フシホウ)との再会を喜び、屋敷に住まわせたいという。パンRは構わないと言ったが、どこか様子がおかしかった。しかし引章は詳しい事情を聞かず、悩みがあるなら散歩して気分転換するよう勧める。「林(リン)三司の屋敷から逃げ出した時、行く当てもなく歩き続けていたの 寺で雨宿りしながらずっと考えていたけど、答えは出なかった でもそのうち夜が明けて雨も止み、寺を出たわ、気の向くまま歩いていると心が晴れていたの」「はお…場所を変えて考えてみる」パンRは迷いを吹っ切るように寺の石段を一気に駆け上った。そこへちょうど大師が現れる。「大師、ある人との縁が良縁か悪縁かどう見極めるべきでしょうか?」「縁の良し悪しは縁自体にはなく、自身の考え方次第なのです」「世の悩みに因果あり、お言葉どおりです」一方、雷敬(ライケイ)は顧千帆と舟で接触していた。「全てうまく行った、陛下、蕭(ショウ)宰相、斉(セイ)中丞、それぞれに話をつけておいたぞ お前の考えで四方丸く収まった」雷敬はこれから朝廷がどう変わろうと自分の地位は盤石だと喜んだ。老舗の酒楼はこぞって永安楼で人気の酒を真似することにした。思えば誰もが食通というわけではない。同じ酒なら安い方が良いはずだ。王(オウ)楼の店主は早速、蘇合と鬱金を混ぜた酒を店で出したが、噂を聞いた池蟠が怒鳴り込んでくる。「うちの製法を盗んだな?!」「蘇合鬱金酒の製法は古書に載っている、書写して東京中の正店と脚店に配ってやった! 幻の酒もあと3日でどこでも飲めるようになるぞ!」池蟠は王楼で喧嘩になり、顔をすり傷だらけにして戻った。しかし誰も同情せず、他店に真似されても悔しそうではない。すると可四(カシ)が手当てしながら、パンRが東京中の鬱金と蘇合を買い占めたと教えた。他店が真似して鬱金と蘇合を買うなら、むしろ儲かるよう手を打っておいたという。三娘の話ではすでに蟹醸橙に使う江南の蟹も買い占めてあった。「王楼は理屈を分かっていないから、きっと沢蟹を使うはずよ? 沢蟹の鮮度はもって2日、古くなれば苦味が出て料理が台無しになる」しかも明後日には新しい酒を出すという。「丁香琥珀(チョウコウコハク)酒だって?…まさか丁香と琥珀も買い占めたのか?で、いくら稼いだ?!」「それほど多くない、でも酒楼の組合長より先に香薬業の副組合長になる」「…パンR姐、やっぱり夫婦になろう!2人が組んで商いをすれば無敵だ!」「ふん、どうやら頭を打ったみたいね」引章も新しい演目を決め、素娘(ソジョウ)や教坊司の舞妓を招いたと報告した。パンRは皇帝が来店したとあって皆が来たがるのだと思ったが、引章はそれだけではないという。楽妓たちは酒楼に呼び出されると演奏より接待を求められ、休憩も狭い倉庫に押し込められていた。しかし永安楼は謝礼が高いだけでなく気配りも細やか、大勢の文人が半月ごとに機嫌を取りに来てくれると評判だという。パンRは引章も一歩ずつ成長していると知り、いつか賎民という言葉に悩まされずに済む日が来ることを願った。「パンR姐、池蟠の求婚を断るの?尻に敷けるのにw」「今なら分かるの、本気で愛している人には自分が得る物ではなく、与えられる物は何かと考える」「…その人には何を?」「自分の殻を破らせ、私の元へ導く…」するとパンRは意味ありげに微笑んだ。その夜、皇城司を出た顧千帆は不自然に咲いている黄色い花に気がついた。「ちょっと出かけてくる、ついて来るな」しかし陳廉(チンレン)だけは慌てて追いかけてしまう。顧千帆が半遮面に駆けつけると、パンRは荒れ果てた店内で待っていた。「これが最後よ…まだ私を娶る気がある?」その手には顧千帆が贈った思い出の珊瑚のかんざしがある。「もちろんある、だが…君は私を許さない」「なぜ?父親が蕭欽言だから?あなたの父親が私の父を弾劾したからなの?」「知っていたのか…」顧千帆は自分にパンRを娶る資格がないと嘆いた。しかしパンRは当時の蕭欽言はただ職責を全うしただけ、自分が賎民になったのは皇帝や蕭欽言のせいではないという。「父の選択だったのよ、罪だと知りつつ門を開けた、民が殺されるのを見ていられなくて…」それでも顧千帆はパンRを抱きしめることができなかった。「今は恨みを捨てることができても、何十年後には変わるかもしれない …一時的な欲望や意地で突き進めば君の人生を損なう」「先々のことより今を見るべきよ…あなたがいなくなりどんなに辛かったか分かる?」パンRは嵐で全てが吹き飛ばされた時、顧千帆も見つからず、一度は汴河(ベンガ)に身を投げようと思ったという。するとパンRは中庭に出て石をつかみ、珊瑚のかんざしを壊すことにした。「誇りをかなぐり捨て、もう一度聞くわ、すべての過去を忘れて私とやり直す? 3つだけ数える…E…R…」その時、顧千帆は慌ててパンRを抱きしめた。「やり直そう…残りの人生は君を愛し、守り続けたい」そんな2人の姿を陳廉と葛招娣(カツショウテイ)が見守っていた。欧陽旭は皇帝と会える機会を知り、宦官が止めるのも聞かず回廊で足止めした。「万死に値する罪を犯しました、ですが悪人の讒言を信じてしまったのです!」しかし皇帝は深く失望したと嘆いて行ってしまう。実は皇帝は欧陽旭と斉牧がすでに西京で知り合っていたと聞いていた。恐らくあの贋作は斉牧が作って欧陽旭に持たせたのだろう。皇帝の怒りは清流派へ向いた。ただ欧陽旭が高慧を巻き込まぬよう破談に応じたと聞いて誠意はあるのだと誤解する。「探花の旧例に従い、小さな州の通判にしてやれ」皇帝は賢(ケン)妃の顔を立てれば高家もそしりを免れるだろうと言った。実は欧陽旭が謁見できたのは皇后が女官に手を回したお陰だった。崔(サイ)内侍は皇后に欧陽旭の一件を報告したが、なぜ皇后が協力したのか分からない。「恨みには徳よ…子犬と老犬をもっと争わせておけば、陛下の清流派への信頼も揺らぐはず 今日はお手柄でした、そなたの甥は私の兄弟・劉国舅(コッキュウ)の軍で面倒を見ましょう」劉婉(リュウエン)は甥を人質に取り、皇帝の側仕えである崔内侍を手駒にしていた。「分かっております、太子が擁立されれば貴方様は上奏を批准する権限を失ってしまうと…」「陛下は仁君であり良き夫でもある、でも最後まで私を守ることはできないわ」翌朝、パンRは顧千帆の屋敷から永安楼に現れた。すっかり割り切った引章とは対照的に、池蟠はパンRと顧千帆が復縁したと知って絶望の淵に突き落とされてしまう。しかしそんな池蟠を尻目に、パンRは招娣から三娘が子方に手を焼いていると聞いた。「来たばかりの時はいい子だったけど、徐々に荒れて、今朝は書院に行かないと駄々をこねてた」「説教してやらなくちゃ」パンRは池蟠など眼中にないようで、招娣と厨房に行ってしまう。すると引章は思わず惨めな池蟠を見ていると気分がいいと嫌みを言った。2人は言い争いになったが、可四たちは仲が良いほど喧嘩するものだと見抜いている。つづく ( ̄▽ ̄;)復縁話、長いわ!w ←ってそこがメインなのにwここにきて宮中が面白くなってきた~皇后も腹に一物ありそう
2023.06.08
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梦华录 A Dream of Splendor第35話「隣家の秘密」趙盼児(チョウパンアール)は顧千帆(コチェンファン)と合流、皇帝に欧陽旭(オウヨウキョク)の夜宴図(ヤエンズ)が贋作だと思わせたと説明して帰ることにした。すると顧千帆はパンRを引き止めるため、咄嗟に孔午(コウゴ)の助言に従い足が痛いふりをする。しかし橋の上で機敏に動いていた姿を見たパンRはすぐ嘘だと分かった。「芝居に付き合っている暇はないの」パンRは皇帝が初めから皇后の出自を承知していたと察し、自分の話を信じるはずだと言って立ち去ろうとする。焦った顧千帆は任務で傷を負い、望月(ボウゲツ)楼の件は知らなかったと釈明した。「だから臆病になったと?馬車から降りなかったわ ←(゚ェ゚(。_。(゚ェ゚(。_。*)コクコク そこまでして直接、別れを告げることから逃げた ←( ๑≧ꇴ≦)最低! なぜはっきり言えないの?!…正真正銘の臆病者ね 欧陽旭の方がまし、使用人を寄越して別れを伝えたもの ←( ๑≧ꇴ≦)そうだそうだ! …あなたなんて願い下げよ」その時、ちょうど池蟠(チハン)が現れ、パンRを顧千帆から引き離した。顧千帆はパンRを追いかけ腕をつかんだが、パンRに手を振り払われてしまう。「陛下の前でボロが出るわよ…会いに来ないで」池蟠は今にも泣きそうなパンRを灯籠祭りへ連れ出した。大道芸を見たり、飴細工を買ったり、池蟠のおかげでパンRはいつの間にか笑顔が戻る。そこで池蟠は安くて美味しい店に入って食通ぶり、酒を飲みながら酔狂な武勇伝を語って新鮮味を醸し出し、蝋燭が瞳を照らす時になって真面目な話を始め、真剣さを演出した。しかし花街で育ったパンRには全てお見通し、その手の口説き方なら聞き飽きているという。池蟠は仕方なく率直にパンRへの想いを伝えたが、パンRからはっきり拒絶された。「あなたを好きじゃない…豆腐脳の好みだって甘味と塩味がある、優劣ではなく味が違うの」池蟠はまだ納得できなかった。そこで帰りの道すがら、運命を信じて賭けをしたいと頼む。「私が勝てば君は私といる、私が負けたら3つの要求に潔く応えよう」「いいわ…」その時、橋を渡る男の子が見えた。「次に橋を渡るのが男か女か当てるのはどう?」「男だ、遊び仲間がついてくる」しかし子供を追ってきたのは母親だった。。・゜・(ノД`)・゜・。うわ~ん!踏んだり蹴ったりの池蟠、思わず手巾で顔を覆い、悔し涙に暮れる。するとパンRは池蟠のため露店で人形を買い、身代わりに渡した。パンRは賭けに負けた池蟠から顧千帆の身の上を聞くことにした。すると池蟠は幼い頃に知った隣家の秘密を明かす。「奴の両親は家に背き、外地で婚姻を結んだらしい だが祖父の顧審言(コシンゲン)はかつての礼部の高官で、とんだ堅物じいさんだった …思い出した!ある日、じいさんが激怒していたんだ 程なくして千帆が母親に連れられて顧家に来た、てっきり奴の伯父の隠し子だと思ったよ だが奴の父親が追いかけてきて裏門を叩き続けていた 奴と母親は中で泣き続けていたが、爺さんが父親に怒鳴っていた ″顧家には百年の誉れがあり、ハエだか犬だかの婿はいらぬとか何とか…」「蝿営狗苟(フウエイクコウ)ね、恥知らずのことよ」「それだ!で伯父が父親を追い返しながら言っていた ″千帆は母親の姓を名乗る、蕭(ショウ)姓ではない″って…」パンRは顧千帆が実母を叔母と呼ぶ理由を知り、実父が蕭欽言(ショウキンゲン)だと気づいた。当時、通りには屋敷が3邸、顧家と池家、蘇(ソ)家があった。蘇家の娘は銭塘(セントウ)の楊(ヨウ)家に嫁いだが、残った家族は疫病で死に絶えたという。池蟠の両親も世を去り、今や当事者以外でこの秘密を知るのは池蟠だけだった。「あなたも黙っていて」「君が聞かなければ話すこともなかったよ」「…そうだ、あなたは東京織物組合の会頭よね?」するとパンRは2つ目の要求に応えてもらうことにした。パンRが桂花巷(ケイカコウ)に戻ると、門のそばに黄色い花が飾ってあった。…黄色の花を掛けたら茶坊で落ち合おう…しかしパンRは花をもぎ取って捨ててしまう。屋敷に入ると宋引章(ソウインショウ)が欄干に腰掛けて待っていた。あれから店でちょっとした問題が起こったが、引章が解決したという。すると引章が改めて2回も間違いを犯したと謝罪した。「賎民であることが不満の原因だから賭けに出る… あなたを世間知らずと言いながら、その年頃に私も欧陽旭の偽りの誓いにだまされたわ 今だって一向に成長していない だけど女子とは梅の花のように風霜を経験するほど美しい花を咲かせるものなの」パンRは花月宴と千山閣が順調なのは引章の力が大きいと感謝した。引章はパンRを母屋まで送り、窓を閉めることにした。するとうっかり棚にある重石代わりの花瓶を倒し、書類が散らばってしまう。「大丈夫よ、もう休んで」パンRは引章を帰して髪をほどこうとしたが、ふと鏡に映る手形に気づいた。「三千貫って…」パンRは葛招娣(カツショウテイ)にすぐ陳廉(チンレン)を呼んでもらった。陳廉の話では顧千帆は遼(リョウ)の使者の歓待を命じられた日に荘園を売ったという。「あの日、馬車に隠れて私を避けたのはなぜ?」「″会いたいが会えないと″…あんなに怯えた姿を見るのは初めてです パンR姐に許してはもらえないと恐れる何かを抱え、逃げたのです」そんなある日、永安楼で騒ぎが起こった。孫三娘(ソンサンニャン)は顔馴染みの文人・袁屯田(エントンデン)のため自ら配膳に出たが、厨房へ戻ろうとした時、杜長風(トチョウフウ)が現れる。「今日は趙娘子(ニャンズー)に用があるんだ」すると階下から池蟠たちの怒号が聞こえた。どうやら子供が届け物の菓子を盗み食いしたらしい。三娘は上階からのぞきこんだが、その子供の顔を見て驚愕した。「子方(シホウ)?」「娘(ニャン)…」皇帝から調査を任された雷敬(ライケイ)が謁見した。江南の密偵はまだ戻っていないが、東京にいる銭塘出身者に当たったところ、皆が口を揃えて楊運判は確かに趙氏の店で絵を買っていたと証言したという。しかも潤(ジュン)州知州の呉銘(ゴメイ)に至っては楊家で夜宴図を見たことがあった。皇帝はパンRの話が本当だと確信し、欧陽旭と斉牧(サイボク)が皇后を陥れようと謀ったと憤慨する。すると雷敬は欧陽旭と斉牧も誰かに欺かれたのではないかと進言した。「すでに自害した鄭青田(テイセイデン)が関わっているやも… 死ぬ間際、遺書で罪を悔いたのは、誰かをかばうためやもしれません」雷敬は他に黒幕がいると匂わせ、皇帝があの夜宴図を贋作とも真作とも認めないよう上奏した。皇后・劉婉(リュウエン)は今回も九死に一生を得たと分かった。…当時、多くの困難を乗り越え、今の地位がある、過酷な数十年がさらに続くなど我慢ならない…斉牧は雷敬と接触、なぜ付き合いのない自分を助けたのか聞いた。すると雷敬は皇帝に昇(ショウ)王しか子供がいないことから、いずれ昇王が即位すれば皇后が実母ではないことを知るという。「その時、皇后派は皇帝の支持を失う、巻き添えはご免です 今後は密かに斉中丞と助け合いたい、宰相となる日を待ちます」「その暁には貴殿を太尉として迎えよう」「感謝します…ただ陛下の激しいお怒りを静める矛先が必要でしょう」「それなら考えがある」高鵠(コウコク)は欧陽旭を呼んで激怒した。妹の賢(ケン)妃の話では皇后が皇帝の寵愛を取り戻し、夜宴図が欧陽旭の虚言だと一蹴したという。「そんなはずは…贋作なら皇城司とパンRが追うはずありません!…あ」欧陽旭はうっかり口をすべらせ、本当は西京(セイケイ)で絵を手に入れたのではなく、パンRからもらったとばれてしまう。すると高鵠はようやく分かった。夜宴図の秘密を知った欧陽旭は皇后派の宿敵・斉牧に身を寄せ、再起を図ったのだろう。顧千帆とパンRがいずれ出世の妨げとなるのは目に見えていた。そこで夜宴図の出所をごまかし、皇帝を利用して顧千帆に隠蔽の罪を着せようとしたのだ。しかし今や夜宴図が贋作か真作かは問題ではない。「巷の噂では陛下がお忍びで永安楼を訪れたらしい もし事実ならパンRが陛下に何を伝えたのか、予想もつかぬ」追い詰められた欧陽旭はもはや自分たちは同じ穴の狢だと開き直った。「私を救う気がないと言うなら、愛の証しの腹当ての半分を人目にさらします」一方、蕭欽言は雷敬が斉牧の信用を得たと聞いて喜んでいた。このまま清流派に打撃を与え続ければ、皇帝はかえって警戒心を強めてしまう。今回、雷敬は斉牧に助け合おうと持ちかけ、同時に皇帝に斉牧の手抜かりを印象づけてくれた。「これにより陛下が抱く清流派へのわずかな好感も砕け散って跡形もなくなる… 安心せよ、いずれ私が朝廷と君主の補佐を一手に握る、その時は悪いようにはせぬ」欧陽旭は帰りの道すがら、見覚えのある刺繍を持った女人を見かけた。「すいません、この手巾は?」「東京の至る所で売っているわよ?」驚いた欧陽旭が露店に駆けつけると、確かに色々な名前入りの手巾が売っている。「誰の仕業だ…」そこで欧陽旭は高府に戻り、高慧の部屋に乗り込んだ。「君の仕業か?」欧陽旭の手には″慧″と刺繍が入った手巾がある。「一つ条件をのむなら君が必要な物を返そう」つづく( ๑≧ꇴ≦)最後に笑うのは誰だ?!おじいちゃんたちが気になって男主と女主の話がどうでも良くなってるwww
2023.06.07
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梦华录 A Dream of Splendor第34話「皇帝の苦悩」欧陽旭(オウヨウキョク)は皇帝に謁見し、皇后が操を失った身で陛下を欺き、皇后の座に就いたと弾劾した。その証拠に″夜宴図″を提示、歌い手の中で鼓を打っている女子が皇后だと指摘する。「図上の女子の衣に記されている姓名をご覧に…」皇帝は皇后を侮辱したと激怒、欧陽旭に向かって硯(スズリ)を投げた。しかし欧陽旭は人倫の道を正すためだと訴え、皇帝が讒言だと思うなら死をもって謝罪するという。そこで皇帝が投げた硯を拾い、自分の頭を打ちつけた。「陛下…忠言は耳に逆らうものですが、賢帝は虚心坦懐に受け止めるものです」すると欧陽旭は意識を失ってしまう。一方、池蟠(チハン)は趙盼児(チョウパンアール)の店主としての手腕に感心していた。パンRは自分にできるのは他の酒楼の真似事くらい、そこで工夫を凝らしたという。料理の腕なら孫三娘(ソンサンニャン)の上がいるが、そのかわり新鮮かつ精巧な江南料理を出し、飽きられたら西北料理を提供すればいいという。酒が醸造できない永安楼は李家の中等品しか出せないが、香料を加えて別物にしていた。しかし琵琶や舞なら他の酒楼とは水準が違う。「私は趣向を変えているだけよ」「素晴らしい!」池蟠は今やすっかりパンRに心酔し、いっそ一緒にならないかと口を滑らせた。「あ、聞き流してくれ」欧陽旭は骨折したが命に別状はなく、皇帝も直言の臣を罪には問えなかった。皇后派の大臣たちは慌てて駆けつけたが、皇帝が激しい頭痛に襲われ、玉座でうずくまってしまう。その時、永安楼の賓客の1人だった林頻(リンヒン)が酒の入った小瓶を出し、これを飲めば痛みが和らぐかもしれないと進言した。蕭欽言(ショウキンゲン)は止めたが、皇帝は藁にもすがる思いで飲んでしまう。「…ん?効いたぞ?治った!」皇帝は林三司に同じ酒を手配させるよう命じた。聞けばこの酒は永安楼特製の蘇合鬱金(ソゴウウッコン)酒で、南洋の珍しい香である蘇合と鬱金には活血止痛と行気解鬱の効能があるという。「例の花月宴の店か…」実はこの酒は貴賓室の秘酒でなかなか手に入らず、林三司も2度目でようやく手に入れた代物だった。「永安楼には宋引章(ソウインショウ)という女将がおります 教坊司の琵琶色の教官で、蕭(ショウ)宰相の寿宴では柯(カ)老相公から″風骨″の2文字を贈られたとか」「軽々しく筆を下さぬ柯政(カセイ)が?楽妓に揮毫(キゴウ)を?!」驚いた皇帝はすぐ琵琶が聞きたいと訴え、お忍びで宮中を出た。顧千帆(コチェンファン)は鼠捕りの傷も落ち着き、孔午(コウゴ)と宮中を巡回していた。そこで妻帯者の孔午に夫人がへそを曲げた時にはどうなだめるのか聞いてみる。「烈女も愛にはほだされるものです、身を案じさせるのが肝要かと…」日が暮れる頃、池蟠と可四(カシ)は永安楼へ近づく舟を見つけた。客は林三司の紹介状を持っていたが、可四は予約がなければ入れないと断る。しかし池蟠は侍従の様子から大物の客だと見抜き、西の間なら空いていると勝手に案内した。パンRは池蟠が連れてきた一見の客を雨水廰(ウスイチョウ)に案内、ひとまず下がった。池蟠も葛招娣(カツショウテイ)もどこの富豪かと興味津々、するとパンRは龍涎香(リュウゼンコウ)の香りがしたという。「引章が銭(セン)王太妃から下賜されていたわ」ともかくただ者ではないことは事実、池蟠は丁重に接待しようと言った。侍従は酒を運んだ招娣の酌を許さず、自分で注いだ。また料理を取り分ける時も、さりげなく銀製の箸で毒見している。すると貴人は琵琶を奏でる宋娘子の姿がないことを訝しんだ。「お気づきでしたか…ご不調があると拝察しました 静謐(セイヒツ)を好まれるかと思い、借景として外で演奏させていたのです」パンRは頭が痛い時は誰でも音曲を聴きたくないものだと言った。皇帝は聡明で気が利く店主を気に入った。するとパンRが銭塘(セントウ)で育ったと聞いて話は思わぬ方向へ向かう。「両浙路転運判官(リョウセツロテンウンハンガン)・楊知遠(ヨウチエン)も銭塘に居を構えていたな…面識はあるか?」その頃、宮中では陳廉(チンレン)が慌てて巡回中の顧司使を呼び止めた。実は拱宸(キョウシン)門から出た馬車が皇帝の腰牌を提示したので追求できなかったが、侍女によると皇帝がお忍びで出かけたという。皇帝の護衛は御前司(ゴゼンシ)の務めだったが、顧千帆は何かあれば皇城司も責めは免れないと考え、密偵を送ることにした。パンRは楊運判と面識があると認め、何度か屋敷を訪ねたこともあると明かした。文人が集う茶坊を営んでいたため、仲立ち人として作品の鑑定に楊府へ行ったのだという。「楊運判には数々の名作を買って頂きました 例えば荊浩の″雪廬図(セツロズ)″、王靄(オウアイ)の″夜宴図″…懐素(カイソ)の″会棋帖(カイキジョウ)″などです でも惜しいことに火事で全部、消失してしまいました」貴人は夜宴図と聞いて一瞬、表情を変えた。「だが夜宴図は複数、存在していると…私も何枚も見た」「鎌をかけても無駄ですわ~ふふふ、夜宴図は1枚だけです」そこでパンRは妙技・茶百戯で夜宴図を再現してみせた。「幅は5尺ほど、主の両側に客人がいて…こちらには踊り子が…月も出ていました 踊り子の躍動感を出せないのが残念でなりません で員外は…いつ頃、夜宴図をご覧になりましたか?」※員外=宋時代の尊称「覚えておらぬ」するとパンRは大枚をはたいて表装させた名画が焼失するとは残念だとぼやいた。「切れ地の緑陵湖(リョクリョウコ)と軸棒の檀木(ダンボク)だけでも1貫もかかりました」皇帝はパンRの詳細な説明を聞きながら、欧陽旭が献上した夜宴図の表装とは違うと分かった。パンRは招娣を連れて下がった。貴人の正体を察したパンRは招娣に陳廉を探して顧千帆の居場所を聞き出すよう頼む。「私が命の危機にあると直接、伝えて欲しいの」一方、皇帝は中庭で身を潜めていた護衛を呼び、パンRの話の真偽を調べるよう命じた。「皇城司の者に見知られぬようにな」実は皇帝は皇后の過去を知っていた。本当に欧陽旭の絵が贋作なら清流派も口をつぐむだろう。「戻るぞ」その頃、顧千帆は永安楼の近くに御前司の馬車が止まっていると知り、慌てて馬を駆けた。パンRは貴人を見送りがてら、頭痛の時には熱い生姜湯に浸した手巾を額に置くと良いと助言した。すると皇帝は女子の身でありながら、なぜ酒楼を営む気になったのかと尋ねる。パンRは男女に能力の差はないのに見下されると嘆き、女子が正店を営むなど言語道断という組合を見返したいと訴えた。その語りぶりはまるで劉婉(リュウエン)のよう、皇帝は思わずある女子を思い出すと吐露する。「その女子は成功を収められましたか?」「私を補佐し、家を取り仕切ってくれている、完璧にな」「奥方でしたか?!どうぞ守ってさしあげてください 奥方は女子ですし、上に立つ者は恨みを買いやすいですから…」パンRは自分にも守ってくれる相手がいたが、今は別れてしまったと話した。「優しい人でした、賎民だった私を正妻として娶ろうとしてくれました、だから恨んではいません」貴人は蘇合鬱金酒を土産に舟で帰って行った。すると引章が慌てて駆けつけ、陳廉によると今の客は皇帝だったという。報告を受けた顧千帆は永安楼に向かっていた。しかし皇帝の警護を担っているのは御前司、驚いたパンRは陳廉に皇城司を撤退させるよう引章に伝言を頼む。「陛下に知られたら大変なことになるわ」「分かった!」パンRは顧千帆を引き留めに行くため、池蟠に馬車を頼んだ。すると池蟠は自ら手綱を握って送ってくれる。「顧千帆に会ったらはっきり言うんだぞ?情に流されたらまた涙することになる」一方、顧千帆は途中で馬を乗り捨て、人混みの中を走り始めた。その時、ちょうど橋の真ん中で顧千帆を探すパンRを見つける。「ついて来い」池蟠は馬車を置いてからパンRを追いかけて橋を登ったが、すでにパンRの姿はなかった。顧千帆は人目を避けてパンRを橋のたもまで引っ張って行った。「大丈夫か?何があった」「夜宴図の話が出た時、陛下だと確信したわ 欧陽旭が帰京できたのは夜宴図を手に入れたからよ、陛下は欧陽旭から聞いたのね」パンRは皇帝に欧陽旭の絵が贋作だと吹き込んだと明かした。欧陽旭は皇城司があの絵を探していたことも、顧千帆とパンRの仲も知っている。パンRは顧千帆を報復から守るため、表装裂(ギレ)の色から贋作だと思わせたのだ。「私の手抜かりを補えるのは全ての事情を知るあなただけ、あとは頼んだわ」「なぜ己を窮地に追い込む?口封じで殺されるかもしれないのだぞ?!」「…あなたを恨んでる、でも死んでほしくない」するとパンRは話なら終わったと言って帰ってしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)鼠取りの傷がかなり重症らしいwww
2023.06.07
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梦华录 A Dream of Splendor第33話「花月宴」葛招娣(カツショウテイ)は陳廉(チンレン)から聞いた話をありのまま趙盼児(チョウパンアール)に伝えた。詳しい事情は分からなかったが、確かに皇城司(コウジョウシ)の極秘任務ならかん口令がしかれ、顧千帆(コチェンファン)の居場所を隠したのかもしれない。しかしパンRは納得できなかった。「だったらなぜあの時、馬車から降りず、私に会わなかったの?」すると招娣はそれ以上、何も言えなくなってしまう。3日後、永安(エイアン)楼が満を持して開店した。高楼は賓客をもてなすための一元(イチゲン)閣、誰もが楽しめる千山(センザン)閣、そして毎日、違う演目を行う万水(バンスイ)閣に別れている。店内は顔馴染みを始め豪華な顔ぶれが揃ったが、一元閣はまだお披露目されなかった。パンRの話では一元閣には最初の賓客として東京(トウケイ)で名高い文人12名を招き、宴を催す予定だという。「明日、花月箋(カゲツセン)を12名の方に送ります、さてどなたに届くだろうか?」池蟠(チハン)は思わせぶりなことを言った。パンRは一元閣に招待する文人に招待状を書いた。当日は極上の料理と宋引章(ソウインショウ)の琵琶を楽しめる花月宴を開催、しかし50貫という高額な値をつける。「東京なら半年、家を借りられる!」招娣は目を丸くしたが、パンRは新たな客を得るためにも高値で関心を引くと説明した。花月宴に50貫の価値があると思わせるため、あえて初日に一元閣を閉めたという。「その代わり明日は少しの失敗も許されないわ」花月宴では美酒と美食だけでなく、楽しい歌と雅な舞が揃っていた。パンRの狙い通り賓客たちは五感を満足させ、まさに至福の時だと感激する。そして最後は夜空に大輪の花が上がり、宴を締めくくった。↓引章、どした?w↓実は可愛い招娣↓イーフェイよ…桃花の教訓を忘れたか!w花月宴の花火を顧千帆は父と2人で船の客室から見ていた。蕭欽言(ショウキンゲン)はパンRが人日(ジンジツ)から元宵(ゲンショウ)のにぎわいを酒楼の開店に利用したと気づき、やはり商いの才覚があると感心する。「傷はもう良くなった頃であろう?いつ婚礼を挙げる予定だ?」顧千帆は父の白々しい問いにうんざりした。「我らが会わない理由を知っているはずだ、父親を殺した敵(カタキ)の息子に嫁ぐ女子などいない… 私が疑わないとでも思ったか?あなたにとって周りの人間は駒でしかないのだな」思えば帽妖(ボウヨウ)騒ぎも斉牧(セイボク)たちを打ち倒すため自分を利用したのだろう。しかし助けるのはこれが最後だ。顧千帆は急に茶碗を割ると、破片で手の平を切って血を流した。「人の血は盃(サカズキ)10杯分だとか…あなたを助けた船上で2杯分、失った その後、あなたがパンRの父を殺したと知り、心を痛めて2杯分、吐血した そして今、最後の1杯分を返す…父子の縁はこれで切れる」すると顧千帆は最後の忠告を伝えた。恐らく父は捨て身で東京へ戻った斉牧を恐れて自分を呼んだのだろう。「斉牧の新たな腹心・欧陽旭(オウヨウキョク)がまもなく高鵠(コウコク)の婿になる…話はそれだけだ」その夜、パンRの母屋の回廊からうめき声が聞こえた。招娣は咄嗟に水を汲んで賊に浴びせかけたが、よく見ると顧千帆がねずみ捕りに足を挟まれている。すると目を覚ましたパンRが窓を開け、冷ややかな目で見ていた。「…なぜこんなところにネズミ捕りが?」「ネズミが走り回るからよ」そこへ騒ぎに気づいた孫三娘(ソンサンニャン)と宋引章(ソウインショウ)が駆けつけた。「宴の招待状をねだりに来たなら見当はずれね」顧千帆はパンRに大事な話があると訴えたが、パンRは顧千帆から預かった土地の証文と蔵の鍵が入った袋を窓から放り投げ、閉めてしまう。顧千帆はやつれたパンRを心配した。しかし三娘に諌められ、今夜のところは黙って帰ることにする。濡れ鼠となり、足を引きずりながら庭を歩いて行く顧千帆、その哀れな背中をパンRは窓紗からそっと見守っていた。↓( ๑≧ꇴ≦)チェンファンwwwここで初めて好きになったわw宮中では皇后・劉婉(リュウエン)が頭痛持ちの皇帝のため、こめかみを按摩していた。清流派は相変わらず皇后が政に関わらぬよう必死、劉婉も自分を追い出すつもりだと分かっている。皇帝は頭痛の際に皇后に上奏文の批准を代行させた自分のせいだとなだめたが、その時、植木の手入れをする宮女たちの話し声が聞こえてきた。なんでも永安楼という店には美しい菓子があり、見せ物小屋では女子の相撲まで見られるという。すると皇帝は身体の具合が良くなったら皇后を連れてお忍びで永安楼へ行こうと約束した。欧陽旭は抱一(ホウイツ)仙師の祭詞を届けに来たという口実で謁見した。なぜ欧陽旭が来たのか首を傾げる皇帝、すると欧陽旭はいきなりひざまずき、国を揺るがす事態のため嘘をついて上奏に参上したという。「皇后に関することです…操を失った身で陛下を欺き、皇后の座に就いたのです!」「なんだと?」つづく( ๑≧ꇴ≦)どさくさにまぎれて可四まで踊らせるとかw
2023.06.05
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梦华录 A Dream of Splendor第32話「顔の見えない再会」池蟠(チハン)が所有する永安(エイアン)楼で再起を図ることになった趙盼児(チョウパンアール)たち三姉妹。実は永安楽はもともと見せ物小屋で、今もその名残が残っていた。するとパンRは懐かしそうに演舞台に立ち、池蟠に官妓だった子供時代の思い出を語る。「幼い頃はだいぶ苦労したわ…」そんなパンRを優しく諭し、可愛がってくれたのが宋引章(ソウインショウ)の姉だった。引章の姐は良くパンRを見せ物小屋へ連れて行った。見せ物小屋ではいつも笑いが絶えず、歌や舞をみて楽しめる唯一の場所だったという。官妓だった数年間は振り返るのも辛い過去、それでも見せ物小屋だけはパンRにとって美しい思い出だった。するとパンRがふいに舞を披露する。池蟠はその美しさに見惚れていたが、ふと引章の姉の行く末が気になった。「で、琵琶精の姐姐は?」「…聞かないで」パンRは話題を変え、酒楼の中に見せ物小屋を作ろうと持ちかけた。「人が世を知るには五感を使って色・声・香り・味を感じ、触れて考える… 永安楼の料理と酒を東京一にするとは言えないけれど、他の4つを極めたい 美酒と美食に楽しい歌と雅な舞があり、俗楽や欲望もある場所よ 宴者は決して蔑まれたりせず、民も高官も貴人も一緒に楽しめる… これこそいまだかつて東京になかった酒楼だわ 急激な変化が必要だけど、池衙内は同意するかしら?」池蟠はパンRの壮大な計画に魅せられ、興奮してうっかり鼻血を出した。( ̄ii ̄)ぁ… (・ω・ `)あら…その頃、皇城司(コウジョウシ)では陳廉(チンレン)が昏睡する顧千帆(コチェンファン)に付き添っていた。「顧司使、起きてください、実はパンR姐が大変なんです」するとうっ血を除いた顧千帆がようやく目を覚ます。「…何があった?」顧千帆は宮中へ向かう道すがら、馬車の中でパンRたちの最近の様子を聞いていた。陳廉は心配ならこれからパンRに会いに行こうと言ったが、顧千帆は合わせる顔がないという。「私とパンRは一緒になれないんだ」その時、馬車が前を歩く人を避けきれず、急停止した。孔午(コウゴ)はパンRたちがいると報告、すると顧千帆はパンRが池蟠と一緒だと気づいて困惑する。「陳廉、池蟠に脅されていないか聞いてこい」車から降りた陳廉はなぜ敵対していた池蟠と一緒にいるのか聞いた。実は都に戻ってようやく望月(ボウゲツ)楼や茶坊の件を知ったという。「無事ですか?招娣(ショウテイ)は?」「それはあなたの質問なの?誰かの問い?」「もちろん私です、ともかく池蟠とは距離を置いた方が…」「過去なら断ち切った、私が誰といようと他人に関係ないわ」すると池蟠はパンRの心情を思いやり、聞こえよがしに自分の織物店で休もうと誘った。パンRは立ちすくんでいたが、馬車の中にいるであろう顧千帆は息を潜めて出てこようとしない。顔の見えぬ再会、パンRは信じていた顧千帆の裏切りに深く傷つき、池蟠の店に入るとひとしきり泣いた。傷心のパンRは永安楼の修繕作業に没頭し、悲しみを紛らせていた。今やすっかりパンRに心酔する池蟠、実は望月楼の店主を脅して300貫を取り返して来たという。しかしパンRは自分が契約を反故にした以上、違約金を支払うのは当然だと言った。「心遣いには感謝しているわ、でも返して来て」池蟠は仕方なく手形を納め、顧千帆に傷つけられたパンRを励ましたかったと明かす。「永安楼のことは全て君に従う、あの時の君の言葉を生涯、忘れないよ いまだかつてない東京の酒楼、その実現のために努力する」「…真面目な姿は初めてね、何だか慣れないわ」パンRは怪訝そうな顔をして厨房へ向かった。「真面目な私が好きなのか?…ブッ!( ̄ii ̄)ぁ…」孫三娘(ソンサンニャン)は見事な包丁さばきを披露して厨房を手中に収めていた。招娣は女将となり、古参の給仕たちへの挨拶を済ませる。一方、引章は弟子の素娘(ソジョウ)たちを集め、見せもの小屋では出演料のほかに売った酒の1割を払うと説明した。歩合金がもらえるとあって大喜びの素娘たち、こうして新永安楼の準備が着々と進む。そんなある日、高慧(コウケイ)が永安楼にパンRを訪ねた。婚礼が決まったと聞いたパンRは祝福したが、相手が欧陽旭(オウヨウキョク)だと聞いて唖然となる。「西京(セイケイ)から戻ったの、斉中丞(セイチュウジョウ)に取り入って昇進し、私の弱みを握って脅して来た …今の欧陽旭は冷酷な毒蛇のよう、次はあなたを狙うはずよ、くれぐれも気をつけて」杜長風(トチョウフウ)は欧陽府を訪ねた。叔徳(シュクトク)は不在だと言って追い返そうとしたが、杜長風は強引に入ってしまう。「やはりいたか!」すると騒ぎに気づいた欧陽旭が現れ、叔徳を下げた。「急遽、陛下に召され、新たな職に就き、連絡する暇がなかった、どうか許してくれ」欧陽旭は留守の間、使用人たちの面倒を見てくれた杜長風に感謝したが、気がかりなのは三娘のことだと分かっていた。東京に戻ってまだ日は浅いが、いろいろな噂が耳に入って来るという。「私と高慧が婚姻を結んだあと、パンRに報復するか心配なのだろう?」杜長風は図星だったが、欧陽旭はすでに過去への執着を捨て、今後は出世に力を注ぐと安心させた。杜長風は桂花巷(ケイカコウ)へ駆けつけ、欧陽旭の言葉を伝えた。引章は欧陽旭を信じられないと言ったが、パンRはそれが本心でも嘘でも、ひとまず自分たちと揉める気はないのだと安堵する。確かに高慧との婚姻を前に面倒ごとは起こせないはずだ。すると杜長風はうっかり欧陽旭が顧千帆とパンRの関係までは知らなかったと口をすべらせてしまう。杜長風は三娘が洗濯物を取り込むのを手伝うことにした。三娘は杜長風にパンRの前で顧千帆の名を出さなによう釘を刺し、考えれば考えるほど顧千帆に腹が立つと嘆く。「…男ってろくでもない」「私はろくでもある!…違う、ろくでもなくない」すると三娘は口下手な杜長風のため自分から告白した。「私はあなたが好き、遠回しに言うのは苦手だから…共に生きるなら正式に娶って欲しい でもいくら独り身が不便だからって、適当な相手を選んでは駄目、よく考えて」「私だって正式な官職もないし、肝が小さく、少しのことで震えてしまう でも両親は早世したから舅姑の世話は不要だ、へそくりはしない、女遊びができる性格でもない それにいずれ八品になる私に嫁げば、婚儀で礼服を着ることが叶うぞ?どうだ?」杜長風は三娘への想いがあふれ、気がはやって口づけしようと迫ってしまう。驚いた三娘は杜長風を思い切り突き飛ばし、慌てて助けようと手を伸ばした。しかし誤って一緒に転倒、運悪く招娣に見られ、2人の関係がばれてしまう。顧千帆は欧陽府に見張りをつけた。欧陽旭は承知していたが静観している。淑徳はすでにパンRと縁が切れているため安心したが、欧陽旭はパンRと顧千帆を許す気など毛頭ないと言った。桂花巷に陳廉がやって来た。招娣は追い返そうとしたが、陳廉は母親の件を謝罪し、招娣に会いたかったと吐露する。しかし招娣はパンRに義理立てし、顧千帆の配下である陳廉とは相容れないと突き放した。「顧司使の心は変わっていないよ ただ遼(リョウ)の使者を迎えた際、重傷を負って回復せず、今朝も吐血した だから来られないんだ」「でも肝心な時に逃げたじゃないか?!そのせいでパンR姐は銭を借りようとひざまずいて…」「何か手違いが?司使は2つの荘園を売り、銭を集めた、パンR姐に渡したはずだ」「来られなくても言付けくらいできるだろう?」「…実は昨日の晩も密かに様子を見に来ていた」「昨日?」ともかく陳廉は欧陽旭にも見張りを付けたと教え、手作りの人形を贈って帰って行った。三娘は杜長風との縁談が決まったものの、パンRや引章の苦い経験を考えると不安だった。そう言えば沈如琢(シンジョタク)はあれからどうなったのか。引章は誓約書を持っていると安心させ、素娘が色々と報告してくれたと明かした。「世間の噂では沈如琢が林(リン)三司の侍女と密通し、私が激怒して琵琶で指を折ったとか…」「本当に折ったの?」「そうよ、でも折ったのは林三司だけど…」船着場の一件以来、引章は″風骨がある″と評判になっていた。そのため林三司は自分を避けて沈如琢を罰したのだろう。「やっと分かったわ、男なんておもちゃみたいなもの 退屈しのぎに遊ぶのはいいけれど、愛を期待しては駄目 好きなら嫁げばいいのよ、そして飽きたら別れたらいいの」「引章…ここを出てからずい分、変わったわね」「浮世を見限り、皮肉屋になった?…ふふ、今や私も風骨ある女子、多少は変わり者の方がいいの」招娣は陳廉から聞いた話をそのままパンRに伝えた。確かに皇城司の極秘の任務ならかん口令がしかれ、顧司使の消息を隠したのかもしれないという。しかしパンRは納得できなかった。「だったらなぜあの時、馬車から降りず、私に会わなかったの?」つづく( ̄▽ ̄;)引章___お姉ちゃんが本当に素敵な人に見えたわ〜
2023.06.04
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苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第18話東方青蒼(ドンファンチンツァン)は亡き父の元神と再会、怒りと憎しみを爆発させた。「お前は私を常に道具と見なし、情と愛を断つ苦しみを与えた… 私に父親殺しの汚名を着せ、誰もが恐れる怪物にしたのだ!」しかし先代は天賦の才を持つ青蒼だけが業火(ギョウカ)を習得できると信じ、月(ゲツ)族が生き延びるための唯一の希望だったと訴える。当時は赤地女子(セキチジョシ)の大軍に北も南も奪われ、先代にとっても苦渋の決断だった。「だからお前に殺される道を選んだのだ」すると黙って見守っていた小蘭花(ショウランカ)が口を挟んだ。「待って、古書には″その手で親を殺せば七情を滅せる″なんてどこにも書いていなかったわ」情の根を断つことは極めて困難で、何度も死んでは蘇り、全てを断つには幾千年もかかった。先代は秘術だけでは間に合わないと焦り、いち早く情の根を断つためには息子が自らの手で親を殺すしかなかったという。そこまでしても息子の七情はこうして蘇っていた。「今までのお前の苦しみを全て無駄にしてしまうのか? 己の情に溺れ続け、苦しみから抜け出せなくても構わないと? 青蒼!今すぐ業火の剣を抜き、私の魂を砕け!そうすれば情の根を全て断てる!」しかし東方青蒼は剣を抜かなかった。七情と共に蘇った記憶の中には優しかった父との楽しい思い出もあったという。すると東方青蒼は父を殺した苦しみはもちろん、情がもたらす全ての苦しみを受け入れると伝えた。 小蘭花は咄嗟に荷物の中から鞠を取り出して東方青蒼に差し出した。東方青蒼は受け取らなかったが、先代が鞠を招喚し、懐かしそうに眺める。すると先代は昔のように息子に鞠を蹴った。しかし東方青蒼は蹴り返すことができないまま、ついに燃犀花(ゼンサイカ)が燃え尽き、先代の姿も消散してしまう。「父亲(フーチン)…」蒼鹽海(ソウエンカイ)へ戻った東方青蒼は巽風(ソンホウ)の雷刑に立ち会った。すると30回を終えたとこで東方青蒼が雷道を止める。「残りは私が代わって受ける」驚いた觴闕(ショウケツ)は反対したが、東方青蒼の決意は固かった。東方青蒼は巽風の前で残りの雷道51本を受け、膝から崩れ落ちた。小蘭花と觴闕が慌てて駆けつけたが、巽風は身代わりになってくれた兄に困惑し、魂胆があると疑う。「東方青蒼…そんな芝居で私の心が動くとでも?」すると小蘭花は憤慨し、持ち帰った雲影鏡(ウンエイケイ)を置いた。「これを見るといいわ」東方青蒼の命に別状はなかったが、深手を負って静養することになった。小蘭花は薬湯を用意して寝所へ戻ったが、東方青蒼の姿がない。実は東方青蒼は先代の寝殿で独り、悲しみに暮れていた。そこへ小蘭花がやって来る。東方青蒼は弱みを見せまいとしたが、小蘭花は東方青蒼の手を取り、優しく抱きしめた。「以前は父の命日でも何も感じなかった、だが今は胸が苦しい… もう2度と父上に会えない…」七情を取り戻した東方青蒼は初めて誰かの胸で号泣した。小蘭花は献身的に東方青蒼を介抱した。子供のように苦い薬が飲みたくないと言えば、好物の鮮花(センカ)餅を作ると言って懐柔する。そんな兄の様子を回廊から巽風が見ていた。↓静養中は月影先生東方青蒼が薬を飲み終えると、小蘭花は独りで歩くよう勧めた。「その方が早く治ると医者が言ってたわ」「…無理だ、まだ痛む、お前が支えてくれ、ゴホッ!ゴホゴホッ!」小蘭花は東方青蒼の様子を心配そうに見ていたが、その時、觴闕が巽風が訪ねて来たと知らせた。すると東方青蒼はうっかり寝台から飛び出し、仁王立ちになって小蘭花に着替えを要求してしまう。騙されたと気づいて冷ややかな視線を送る小蘭花。東方青蒼はばつが悪くなり、仕方なくそのまま出て行った。巽風は静養中の兄に丁重に拝礼した。実は海市(カイシ)の件で話があるという。3万年前、東方青蒼が殺されたと蒼鹽海に伝わった時、南北の幽王が九幽を攻めようとした。すると追い詰められた巽風の前に仮面をつけた男が現れ、海市の創設を助けるなら南北の幽王を抑えると申し出たという。「素性を探らないことが助ける条件でした」巽風は海市主が月族の元神から祟気(スイキ)を作っていたと知り、この3万年を思い返して奇妙な点に気づいた。確かに自分が負けそうな時は海市主が流れを変えてくれたが、優勢になると決まって敵が盛り返して来たという。こうしてそれぞれの勢力が拮抗して内乱が続き、気がつけば月族の力が衰えていた。「万死に値する私をなぜ許したのですか?」「許してはいない、犯した罪はこれから戦場で償うがよい」「はい」巽風はまだ何か言いたそうだったが、結局、下がった。小蘭花は巽風がまだ東方青蒼を恐れていると気づいた。「仲直りするのは簡単じゃない、今度は偉そうな態度を取らないで 誰だってあんな顔で叱られたら怖いわ、親しみを見せるの そうすれば許したことが伝わると思うわ」「私にはできぬ」東方青蒼は強くあれと教えられ、敵を威嚇することはできても親しみを示すことなど教えてもらったことがなかった。そこで小蘭花はまず仏頂面をやめて笑えばいいという。「そうね…この角度がいい!」小蘭花は東方青蒼の口角を無理やり引き上げ、実の兄弟ならもっと親しくなるべきだと助言した。「抱きしめたり肩を叩くといいわ」結黎(ジエリー)は小蘭花の月尊への気持ちが芝居ではなく本心だと気づいた。そうでなければ命懸けで川に飛び込んだり、手作りで菓子を作ったりするはずがない。「しかも月尊の話をする時は目が輝いてる」小蘭花は動揺して菓子を落としたが、芝居だと否定した。巽風は兄から封印された10万の兵を解き放てる方法があると聞いた。「赤地女子は転生し謝惋卿(シャワンケイ)と名乗る、間もなく生まれるゆえ雲夢澤(ウンムタク)へ行け 玄虚の境へ連れて行き、元神を用いれば封印を破り、兵を連れ帰れる」「直ちに向かいます!」「待て…」東方青蒼は巽風を引き止め、ふいに手を上げた。すると巽風は反射的に怯んだが、驚いたことに兄が自分の肩を軽く叩く。「傷が治っておらぬゆえ、気をつけて行け」「はい!」觴闕は早速、小蘭花に月尊と巽風の様子を身振り手塗りで報告した。ゆっくりではあるが確かに情に慣れて来た東方青蒼、小蘭花はこれで善意や慈悲も思い出すはずだと期待した。しかし觴闕は月尊の変化が本当に良いことなのか分からないという。「古来、仙族と月族は相容れない 始祖・鹽女(エンニョ)が言い残したんです、″宿怨を忘れないことが月族の生きる意味だ″と…」東方青蒼が司命殿にやって来た。觴闕と結黎はそそくさと退散、すると東方青蒼が小蘭花に感謝を捧げたいという。その手には血が入った小瓶があった。実は月族の掟では感謝を示す時、自分の血を相手の顔につけるという。「月族の掟だ…お前には感謝している」「やめて~血なんか嫌よ」小蘭花は慌てて顔を背けたが、東方青蒼は嫌がると分かっていたので赤い顔料にしてあると教えた。「塗りたくない…」「私が捧げる初めての感謝だ、お前は拒めぬ」東方青蒼は小蘭花の頬に優しく触れ、赤い顔料を塗った。つづく( ๑≧ꇴ≦)罰を受けるためなぜか脱いじゃう月尊w
2023.06.04
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苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第17話小蘭花(シャオランファ)は東方青蒼(ドンファンチンツァン)が父を殺したという話に何か裏があると気づいた。しかし觴闕(ショウケツ)も当時の詳しい経緯はまでは分からないという。「でもきっと七情(シチジョウ)を断つ秘術と関係がある 太古の書に記されたこの術の成功例は尊上だけなんだ」小蘭花はその本を読みたいと頼んだが、觴闕の話ではすでに燃えて灰になってしまったという。小蘭花はともかく先代の寝殿で手がかりを探すことにした。しかし寝殿は禁足地のため、觴闕はたとえ寵愛される小蘭花でも侵入すれば命はないと止める。「先代のことで尊上を怒らせ生き残った者はいない、先代のことは尊上の心のしこりなんだ」「なら尚さら行かなくては…そのことで何万年もずっと苦しんできたのよ? 全てを解き明かして治してみせる、ゆっくり眠れるように…」小蘭花は独りで荒れ果てた寝殿に入って行った。すると觴闕も月尊を救えるなら死んでも構わないと賛同、小蘭花について行く。「ちょっと~2人ともどうかしてるわ!」結黎(ジエリー)は困惑したが、どちらにしても2人が殺されれば自分も道連れだと気づいて追いかけた。七情の木が復活した東方青蒼は怒涛のごとき感情に苦しめられていた。心海で目にしたのは青々とした大木、東方青蒼は根を断とうとしたが失敗する。すると再び幼い頃の辛い記憶が蘇った。あの日、東方青蒼は父の祝いに手作りの琴を贈ったが、父の逆鱗に触れる。『お前は楽妓か?時間を無駄にしおって!』父は東方青蒼に木彫りや琴を教えた乳母たちの処刑を命じた。激高した東方青蒼は衛兵の剣を奪って父に斬りかかったが、父を殺すことなどできるはずがない。しかし父は軟弱だと叱咤し、情に流される息子を何度も打ちつけた。小蘭花は先代の玉座を調べ、椅子の中に隠してあった化粧箱を見つけた。箱の中には觴闕が言った通り灰になった古書が入っている。「でもこの書は木でできてる、元に戻せるかも…」一方、東方青蒼は情を消すため、ある洞窟へ向かった。かつて父は息子の情が完全になくなるまで、この洞窟に東方青蒼を閉じ込めている。東方青蒼は月族を再興し、水雲天(スイウンテン)を平定するため、ここで死ぬよりも辛い修練に耐えた。そして七情を失った東方青蒼は臣下たちの前で父との手合わせに勝利、新しい月尊となる。しかし父は最後の試練として自分を殺せるか試した。ふいをついて背後から息子に襲いかかった父、その時、振り返った東方青蒼はついに父を刺し殺してしまう。小蘭花は古書を再生、七情を取り除くためにどれだけの苦痛を伴うのか知った。觴闕も月尊が荒れているのは七情の木の復活で過去を思い出したせいだと気づく。「永遠に先代を許せないでしょう…」「どうして先代は自分の息子にこんな仕打ちを?…きっと何か裏があるはずよ」小蘭花はあきらめきれず、先代の寝所を調べ始めた。すると思いがけず東方青蒼の手作りの琴や、鞠、書記が残した先代の記録が出てくる。「本当なら記録は書庫に保管するはずなのに寝殿に隠していたのね…」小蘭花が巻物を広げてみると、″先代が青蒼と巽風(ソンホウ)に業火(ギョウカ)の剣を試させた″という記載を見つけた。…巽風は業火に耐えられず剣を離したが、青蒼は自在に剣を振るった、鹽女(エンニョ)を除けば蒼鹽海(ソウエンカイ)で初めてのことだ…小蘭花は先代の想いに気づいて悲しくなった。息子が業火を操れると知り、先代はどんなに悲しかったか。最愛の息子は蒼鹽海を繁栄させるために業火を学び、七情を断つ苦しみを味わなければならない。「だから言ったのよ、″なぜお前が…″と」しかし結黎は言った本人しか真意は分からないと言った。すると小蘭花は確かにその通りだと納得し、先代に会いに行くという。仙族であれ月族であれ死者の元神は忘川(ボウセン)に眠っていた。小蘭花は川底にある帰墟(キキョ)の境まで潜り、先代の元神を探して直接、本心を聞くという。しかし元神を呼び覚ます燃犀花(ゼンサイカ)はすでに滅び去っていた。すると結黎が確か燃犀花は枯れていてもまだ霊玉数千個の価値があると思い出す。「枯れた?どこにあるの?!」実は枯れた燃犀花は寂月(セキゲツ)宮の霊宝(レイホウ)閣にあった。巽風が月尊だった時、父親が恋しくて探し回っていたところ、献上されたという。「私が盗み出したの」小蘭花は枯れた燃犀花を蘇らせようとしたが七情の木のようにはいかなかった。必死に霊力を注いで復活させようとする小蘭花。結黎はいつしか眠ってしまったが、ふと目を覚ますと小蘭花は古傷が開いて腕から血が流れていた。驚いた結黎は慌てて止めたが、その時、偶然、小蘭花の血が燃犀花に滴り、ついに蘇る。「分かった!血が必要だったのね」一方、東方青蒼も悪夢に悩まされ、また眠れずに朝を迎えた。すると腕の古傷が浮かび上がる。しかし今日はいよいよ巽風の処刑の日、觴闕がそろそろ刑場へ行く時間だと知らせた。東方青蒼は寝宮を出ることにしたが、その時、腕に新しい切り傷ができる。実は忘川に飛び込んだ小蘭花は激しい水流にもまれて切り傷を負っていた。なかなか戻って来ない小蘭花を心配そうに待ち続ける結黎、その時、月尊が現れる。「小蘭花はどこだ?」結黎は恐ろしさで口ごもったが、東方青蒼は小蘭花が忘川に飛び込んだと気づいて後を追った。その頃、小蘭花は帰墟の境に到着し、宮殿を見つけた。すると死者の元神がゆらゆらと近づいて来る。「もしや先代の月尊ですか?」小蘭花は荷物から雲影鏡(ウンエイケイ)を取り出し、燃犀花に術をかけようとした。しかし突然、東方青蒼が現れ、止められてしまう。「帰るぞ!」「まだ聞いてないの、なぜあなたに辛く当たったのか…」「要らぬことだ!」そこで小蘭花は先代の寝殿で見つけた琴を出した。東方青蒼は父が自分の目の前で壊した琴を直して持っていたと知り、唖然とする。「ここまで来たのよ、どうしても確認したいの…罰は戻ってからでいいでしょう?」小蘭花は急いで燃犀花に術をかけた。するとついに玉座に先代の月尊の姿が現れる。「そなたは?」「私はご子息に遣わされて…」「青蒼か?!青蒼は仙界を平定したか?月族の再興は?」小蘭花は何も答えられず、黙って琴を差し出した。先代は青蒼がくれた琴を懐かしみ、これを壊した時は心が張り裂けそうだったと嘆く。「嘘をつくな!」激怒した東方青蒼は父の前に姿を見せた。つづく( ゚ェ゚)そのジャラジャラした髪飾り、外して潜りなさいよ、ちょとw
2023.06.02
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梦华录 A Dream of Splendor第31話「意外な救世主」東京(トウケイ)は嵐に見舞われ、大きな被害を受けた。池蟠(チハン)は率先して船着場の復旧に尽力していたが、横暴な官吏たちから理不尽な仕打ちを受ける。そんな池蟠を援護したのは偶然、通りかかった趙盼児(チョウパンアール)だった。「皆が立ち直ろうとしているって時に何なの?!卑しいのは人ではなく、人を見下す心よ!」「その通り!」パンRの言葉は群衆の心を打ち、皆がさかんに囃し立てた。すると焦った提点(テイテン)は汴河(ベンガ)に帽妖(ボウヨウ)が出た時2人の女が逃げたと話し、あろうことかパンRと孫三娘(ソンサンニャン)がその2人だと因縁をつける。群衆は帽妖と聞いて及び腰になったが、その時、突然、琵琶の音が響き渡った。船着場に沈如琢(シンジョタク)の元から逃げ出した宋引章(ソウインショウ)が現われた。引章はパンRと三娘が賊なら、共に茶坊を開き、同じ屋敷で暮らす自分も責めを負うべきかと迫る。「ならば私に″風骨″の揮毫(キゴウ)を下さった柯(カ)老相公も、その場にいた蕭(ショウ)宰相も同様ですね」提点は帽妖事件に重臣が関わっているはずないとあしらったが、池蟠は帽妖事件なら皇城司(コウジョウシ)の担当だと揚げ足を取った。「いつから開封(カイホウ)府の提点が担当することになった?」その頃、参内した高鵠(コウコク)は門で驚くべき男と出くわした。「欧陽旭(オウヨウキョク)?!なぜお前がここに?!」「無事に抱一(ホウイツ)仙師にお会いできて昨日、帰京しました」池蟠はパンRが生き閻魔こと顧千帆(コチェンファン)の許嫁だと明かした。驚いた提点は態度を一変、酒を飲み過ぎて人間違いしたと謝罪したが、パンRはお互いに権勢を盾にした者同士だと笑う。「私たちは確かに卑しい商人です、書生の高潔さや官吏の武勇はない でも私たちが酒や茶を売らなければ、都や大宋の繁栄はなかったはず 都に抃河が必要なように、大宋にも商人が必要ではないでしょうか?」パンRは民と心を合わせることができれば提点の名も轟くだろうと諭した。高鵠が屋敷に戻ると高慧(コウケイ)が涙にくれていた。実は都に戻った欧陽旭から文が届き、以前、西京(セイキョウ)に送った腹当ての半分を返してきたという。婚約解消のため用心棒を送った時、恋文を取り戻すよう命じたが腹当てのことはすっかり忘れていた。「残りの半分には私が刺繍した″慧″の文字が…」パンRと三娘は引章が逃げてきた理由を知った。引章は顧千帆に敵を討って欲しいと頼んだが、パンRは自分と顧千帆も終わったと明かす。実はあれから顧千帆が姿を消してしまい、酒楼は買い取れず、茶坊も嵐で壊れていた。パンRは危うく引章の姉との約束を破るところだったと反省したが、引章は自分の虚栄心や嫉妬心が原因だという。「私は悟ったわ、風骨の2文字は士大夫だけでなく、女子の立身の礎でもあるとね 茶坊であれ酒楼であれ、己の力を頼りに盗まず、奪わず、媚びず… 稼いだ銭に貴賎の区別はないはずよ!」引章はすっかり大人になって帰ってきたが、パンRはもはや商いをする気力を失っていた。「銭塘(セントウ)に帰るわ」しかし三娘は反対、パンRを叱咤する。「東京に残ったのは顧千帆のためではなく、意地を見せるためだったはずよ?! どうして男に執着し、初心を忘れるの?!」パンRはようやく目を覚まし、自分にも意地があると奮起した。池蟠はパンRたちに追いつき、和解を申し出た。パンRは無視したが、池蟠は自分の話を聞いて欲しいと訴え、しつこく追いかけ回す。その時、偶然、杜長風(トチョウフウ)が通りかかった。三娘の危機だと誤解した杜長風は棒を振り回し、運悪く池蟠の頭に当たってしまう。一方、皇城司では未だ顧千帆が昏睡していた。知らせを受けた陳廉(チンレン)が慌てて戻ったが、予断を許さない状態だという。蕭欽言(ショウキンゲン)が連れ帰ろうとしたが、孔午(コウゴ)が司使の命に従って断っていた。しかし何度も訪ねてきたパンRまで追い返したと聞き、陳廉はパンRが顧千帆の許嫁だと明かす。「茶坊の見張り役を呼べ、それからパンR姐に近頃、会ったか、私の母に聞いてこい!」パンRたちは医館で治療を受ける池蟠に付き添った。すると池蟠は船着場でのパンRの説諭に感銘を受け、本気で手を組みたいという。実は池蟠は東京十二商業組合の会頭でありながら酒楼組合に加われずにいた。永安(エイアン)楼という酒楼を持っていたが客足が少なく、いくら銭を積んでも重鎮から見下され、毎年の竈(カマド)神祭りでも在席さえ許されないという。「3人を永安楼の主として迎えたい、損失は私が負うが、儲けは半分ずつだ」しかしパンRはあの日の屈辱を忘れられず、医館を出て行ってしまう。池蟠は慌てて追いかけ、人目もはばからずひざまずいて叩頭した。「3度、叩頭させたから私は4度だ、これでどうだ?…銭塘には帰らないでくれ!」「銭塘に帰る?!誰が?!」三娘に思いを寄せる杜長風は慌てて口を挟んだ。池蟠の話では3人が銭塘に帰ると話していたという。驚いた杜長風は教坊司に籍がある宋引章は都を離れられず、引章を独りぼっちにするつもりかと反対した。パンRは三娘と引章の意思を確認して条件を出した。「では私が店主で三娘が料理長、引章は宴での音曲を担当 接客を担う招娣(ショウテイ)には給金の支払いを… 切り回しや働き手、長場は取りまとめるけど、配下も含め手を出さないこと 期限は1年、不満が生じたら直ちに退かせてもらう、退いても責めは負わず、引き止めも禁じる」すると池蟠は何も書いていない紙に血判を押し、パンRが自分で文面を書けばいいと言った。「池蟠、なぜ急に私たちを信用し始めたの?」「そっちこそ、なぜ私に助け舟を?」池蟠は確かに時折、愚行に走り、偉そうな態度を取ったりするが、同志と共に永安楼を天下の名店にしたいと考えていたという。「酒楼組合の重鎮が憤るくらいにな!」パンRは池蟠にも意地があるのだと共感し、申し出を受けることにした。池蟠はパンRたちを永安楼に案内した。永安楼は豪華なたたずまいだったが閑散としており、客がいないため使用人も賭場で遊んでいる始末だという。一方、高鵠は娘を欧陽旭に嫁がせることにした。思えばこれも高慧の自業自得、忠告を聞き入れて早く目を覚ましていれば、こんなことにはならなかっただろう。高慧は欧陽旭に掛け合うと言ったが、高鵠は止めた。欧陽旭は今や翰林(カンリン)学士、何より恐ろしいのは欧陽旭の後ろ盾だという。永安楼はもともと見せ物小屋で、池蟠が安値で買い取り、酒楼に改造していた。永安楼には今もその名残が残っていたが、放置されたまま荒屋のようになっている。池蟠はパンRを上階に案内、幼い頃、父とここから相撲を見たり、人形芝居を楽しんだりしたと懐かしんだ。「ここに座って顧千帆…いや、隣に住んでいた奴と一晩中、磨喝楽(モホロ)人形と遊んだものだ」池蟠は当時、自分にとって楽園だった見せ物小屋を壊せず、今もこうして残しているという。するといつの間にかパンRが階下の演舞台に立っていた。つづく( ̄▽ ̄;)何だかパンRが1番の問題児のような気がしてきたわw
2023.05.31
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梦华录 A Dream of Splendor第30話「女の底力」池蟠(チハン)は趙盼児(チョウパンアール)の弱みに付け込み、自分の女になれと戯言を吐いた。屈辱に耐えかねたパンRは池蟠を引っ叩き、結局、酒楼の資金を工面できずに帰ってしまう。悔しさと不安に押しつぶされそうになるパンR、しかしひとしきり泣いた後は前を向くしかなかった。パンRは覚悟を決めて望月楼(ボウゲツロウ)に乗り込み、店主の首にかんざしを突き付けた。「騒げば殺す!…取り引きを解消して300貫を返して!嫌なら一緒に死ぬまでよ! あの600貫は私たち姉妹が十数年かけて築いた財産、全て失うくらいなら命など惜しくないわ!」パンRは300貫を取り戻した。孫三娘(ソンサンニャン)と葛招娣(カツショウテイ)には店主に断腸散(ダンチョウサン)だと嘘を付いて丸薬を飲ませ、大人しくしていれば1ヶ月後に解毒薬を送ると脅したと説明する。「どうして独りで行ったの?もし何かあったら大変よ?」「私のせいだし、自分で解決しなくちゃ」パンRは酒楼を断念、茶坊を取り返すつもりだと明かした。そのためには宝飾品や書画を売り、杜長風(トチョウフウ)からも銭を借りるという。「だけど…2人は私と一緒にやり直したいと思う?」「もちろんよ!」三娘は即答、招娣もパンRと三娘について行くと答えた。「皆の忠告を無視した罰だわ…招娣、人には自立を促したのに私は男を頼った 私のようにはならないで」三娘と招娣はパンRから預かった宝飾品を売りに出かけた。しかしパンRが顧千帆からもらった珊瑚のかんざしだけはどうしても手放す気になれない。すると宝飾店の前で杜長風と出くわした。杜長風も仲介人としての責任を感じ、パンRに銭を貸そうと先祖が残した宝飾品を売りに来たという。招娣が店で交渉している間、三娘と杜長風は立ち話していた。その時、偶然、宋引章(ソウインショウ)が乗った馬車が通りかかる。2人の姿を見かけた引章は様子がおかしいことに気づき、酒楼の件で何かあったと分かった。そこで馬車を降りようとしたが、沈如琢(シンジョタク)に止められてしまう。「心配なら見張りをつけよう、だが今は林(リン)府の宴に行かなくては…」林三司は音律など分からない、ただの見栄っ張りの老夫だった。いきなり手を触られた引章は動揺して何度も音を外し、逃げるように下がってしまう。沈如琢はヘソを曲げた引章をなだめながら、林三司に媚を売るのも全ては引章を良民にするためだと説得した。「私の辛い気持ちもわかってくれないか」すると引章は宴に出る前に着替えて来ると言った。引章は控え室で久しぶりに張好好(チョウコウコウ)と会った。実は好好は池蟠と別れた後、ある官吏が正妻同様の待遇で身請けしてくれることになったという。「あなたはまだ若いわ、騙されては駄目よ」引章はいずれ沈如琢と夫婦になる約束だと安心させたが、好好は複雑な顔になった。沈如琢と一緒に酒席に招かれた引章、すると強い酒に酔ったのか、急にめまいに襲われた。引章は帰りたいと言ったが、沈如琢は失礼にならないよう別室で休ませてもらえばいいという。中座した引章は侍女に案内された寝所で横になった。外は次第に風雨が強くなり、その夜、東京は激しい嵐に見舞われる。やがて沈如琢が引章の様子を見に来た。どうやら引章はよく眠っているらしい。「催淫香(サイインコウ)を焚かなければ…」沈如琢が香を焚こうとしたその時、寝たふりをしていた引章がいきなり背後から襲いかかった。好好は池蟠に義理立てする必要もなくなり、引章に全てを明かしていた。実は教坊司では沈如琢の本性は有名で、名家の出というのも昔の話、上役に取り入って閑職を得たという。「狙った若い娘子(ニャンズー)をすごく丁重に扱うけど、ひとたび落とせば数日で飽きてしまう」沈如琢は歓心を買うため女子を上役に献上、慰み者にしていた。中には引章のように騙されたまま、貞操を失ったのは自分が酔ったせいで、沈如琢に申し訳ないという官妓までいたという。引章は沈如琢の頭を殴りつけ、手足を縛って寝台に倒した。「私は新人の楽妓じゃない、何度も宴に出ているのよ?迷魂薬はおろか鴆酒(チンシュ)も匂いで分かる 忘れたの?私の元夫がどんな末路をたどったのか?」引章は用意した誓約書に無理やり押印させ、侍女を襲って沈如琢の隣に寝かせてから逃げ出した。東京は未明からの嵐で街も港も壊滅的な被害を被った。半遮面に駆けつけたパンRと三娘は崩壊した店内に呆然、これでは取り戻しても意味がない。流石のパンRも今回ばかりは弱気になり、立ち直れそうにないとぼやいた。…父上、母上、東京に来たのが間違いだったのでしょうか?…商人たちが店の片付けに追われる中、池蟠は港の復旧に尽力していた。すると船着き場に官吏が現れ、こうなったのも補強しておかなかった池蟠のせいだと折檻する。可四(カシ)は先日の賂(マイナイ)が少なかったせいで官吏が難癖をつけていると分かったが、商人では頭が上がらなかった。その時、ちょうど意気消沈するパンRと三娘が通りかかる。人だかりに気づいて様子を見てみると、池蟠が官吏にひざまずいていた。「悪人が悪人を虐げる…自業自得だわ」パンRは胸がすく思いだったが、横暴な官吏は士農工商で一番卑しいのは商人だと蔑んだ。パンRは官吏の言葉に激怒し、思わず口を挟んだ。「港の組合長は民営の漕運業の領袖に過ぎない 港の復旧や河川の補修の作業は提点であるあなたに責任があるはずよ? 池衙内が支援するのは朝廷の恩義に報いるためなのに、何の粗探しかしら? …不幸続きだし、この際、言わせてもらうわ 商人が卑しいですって?ならば酒も衣も米も商人から買わないでくださいな 皆が立ち直ろうとしているって時に何なの?!卑しいのは人ではなく、人を見下す心よ!」そうだそうだ!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<ばーか! ←とは言ってないwつづく( ゚ェ゚)女の底力?…イヤイヤイヤ、それ脅迫w
2023.05.30
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梦华录 A Dream of Splendor第29話「屈辱」趙盼児(チョウパンアール)は手付金600貫を何とかかき集め、杜長風(トチョウフウ)を仲介人として無事に契約を済ませた。次は7日後、望月楼(ボウケツロウ)を引き渡す際に残りの600貫を支払えば正式に主となる。一方、重傷を負った顧千帆(コチェンファン)は回復もままならないまま無理をして都に戻っていた。しかし城門を入った途端にこらえ切れなくなり、馬を降りて吐血してしまう。そこへ蕭謂(ショウイ)が現れた。蕭謂は父に頼まれてパンRの過去を調べたと明かした。十数年前、パンRの父・趙謙(チョウケン)は民を救おうと無断で出兵し、朝議で言官に弾劾され重罪に処されている。実はその言官が蕭欽言(ショウキンゲン)だった。趙謙は民を愛し、文武両道に秀でて有能だったという。「大哥(ダーグァ)には同情するよ、未来の岳父が己の父の手で殺されたのだからな~」激怒した顧千帆は蕭謂の胸ぐらをつかんだが、蕭謂はまだ続きがあると言った。「趙謙に関する公文書をお前の卓に置かせたのは誰だと思う?私ではない、父上さ …あの人に心があるとでも?何でも利用し、全て計算ずくだ!ははは~!」蕭謂は父が長子と認める顧千帆に激しく嫉妬し、父の所業を暴いて顧千帆と離間させた。絶望した顧千帆は馬にまたがったが、やがて再び喀血し、そのまま意識を失ってしまう。その夜、パンRは悪夢を見て目が覚めた。夜風に当たりながら何の音沙汰もない顧千帆の身を案じるパンR。…神様、父上、母上、どうかあの人を無事に帰してください…実はその頃、顧千帆は古傷が悪化し、皇城司(コウジョウシ)で昏睡状態となっていた。一方、宋引章(ソウインショウ)は沈(シン)家で錦衣玉食でもてなされ、なに不自由なく暮らしていた。しかし一向に婚姻の話が進まず、いつになったら夫婦になれるのか聞いてしまう。沈如琢(シンジョタク)は正妻として迎えるためには先に賎民から籍を抜き、しかるべき良家の養女となる必要があると言った。「だから君にも協力して欲しい、演奏会などで再び重臣の目に留まり、教坊司に働きかけてもらおう それで楽妓を辞める方が自然だ」「高官の接待をしろと?」引章は困惑したが、沈如琢から将来の幸せのためだと説き伏せられてしまう。欧陽旭(オウヨウキョク)は御史中丞(ギョシチュウジョウ)・斉牧(セイボク)を訪ね、起死回生の一手を打った。「この夜宴図(ヤエンズ)と己の命を託し、犬馬のごとく仕えます」「しかしその″犬″はどんな肉を好むのか?」「東京に戻して頂けるなら肉など欲しません、例え土を食えと言われても動じないでしょう」「ほう?その土はちょうど今日、替えたばかりだ、味見してみるか?」すると欧陽旭は忠誠心を示すため四つ這いで植木鉢に近づき、土を口の中へ押し込んだ。欧陽旭は屈辱と引き換えに斉牧の信頼を得た。すると回廊で待っていた子明(シメイ)が欧陽旭の口元になぜか土が付いていると気づく。「…大丈夫ですか?」「骨を1本、抜かれたがわずかな痛みだ、ワン!ワン!」欧陽旭はまるで気が触れたように急に犬の鳴き真似をした。「東京に帰れる、骨1本が何だ?…はははは!」酒楼の引き渡しが明日に迫り、パンRは仕方なく支払いの延期を頼んだ。しかし望月楼の店主は証文通りに払えないなら契約は破棄するという。パンRは証文通りなら手付金の半分を返して欲しいと迫ったが、店主は1年かけて返済すると言った。「そちらの支払い期限は決まっているが、返金の期限は書いてない」杜長風(トチョウフウ)は立会人として責任を感じ、銭の工面を申し出た。しかし明日までに600貫を集めるなど無理、パンRは借りたとしても返せる目処がつかないという。杜長風はここであきらめれば酒楼も茶坊も失い、東京で築いたものが幻で終わってしまうと嘆いた。「そうね…全て虚しい幻で終わる…」「また質店を回り300貫を借りたらどうだ?茶坊を続けて少しずつ返済すると交渉すればいい」その時、パンRの脳裏にある男が浮かんだ。パンRは池蟠(チハン)を訪ねた。ついにパンRが頼み事に来たと知った池蟠は大喜び、そこで可四(カシ)はパンRを中庭に案内する道すがら、難癖をつけられても我慢すれば願いも通ると助言する。「ありがとう、頭を下げればいいのね」「…その珊瑚、素敵ですね」可四はパンRの珊瑚のかんざしに気づいて褒めた。パンRは質店の返済を待って欲しいと頼んだ。すると池蟠は顧千帆に捨てられたのかと嫌味を言う。「私と顧千帆は不倶戴天の間柄、お前に情があったらここにこさせるはずがない」パンRは怒りをこらえながら、さらに300貫ほど貸して欲しいと頼んだ。そこで池蟠は叩頭するなら貸してもいいという。覚悟ができていたパンRはその場でひざまずき3度ほど叩頭、しかし拍子抜けした池蟠は誠意がないとごねた。「ならどうしろと?」「歌妓だったそうだな?″想夫憐(ソウフレン)″を歌ってみろ、歌えば貸してもいい」「想夫憐?…男への想いをどう表すか知りたいのね?歌の代わりに軟舞(ナンブ)を舞うわ」「いいだろう」パンRの舞は確かに若妻が出征した夫を想う、美しくも切ない舞だった。使用人たちは思わず涙し、池蟠は感激のあまりしばし呆然とする。しかしパンRを懲らしめるため、池蟠はまだ満足できないと言い放った。「踊りも見せたし頭も下げた、まだ出し渋るとは…それでも男なの?!」すると池蟠はようやく300貫の庫券を渡すと決めた。その前にパンRを近くに呼びつけ、担保として珊瑚のかんざしを渡せと迫る。パンRは仕方なく顧千帆からもらったかんざしを抜いて差し出した。「顧千帆が捨てたなら私の女になればいいだろう?」さすがに我慢も限界、堪忍袋の尾が切れたパンRはいきなり池蟠の横面を思い切り引っ叩いた。「池蟠、ブ男のくせにずうずうしい、この趙盼児、いつの日か今日の屈辱を晴らす」つづく(# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ ダンダン!<イーフェイに頭を下げさせるなんて10年早いわ!でも欧陽旭とパンRの対比、面白かった
2023.05.29
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梦华录 A Dream of Splendor第28話「すれ違い」趙盼児(チョウパンアール)を困らせるため半遮面(ハンシャメン)に氷を売らないよう命じた池蟠(チハン)。いずれパンRが頭を下げに来ると期待していたが、思いがけず顧千帆(コチェンファン)が皇城司司使に昇格したと知った。実は内廷専用の氷室を司るのが皇城司、半遮面は氷に困っていないという。「何ということだ!」池蟠は激怒したが、その時、屋敷で見慣れぬ女を見つけた。葛招娣(カツショウテイ)の母親は孫三娘(ソンサンニャン)に言われた通り、池蟠にパンRからの文を渡した。「それをお読みになったら私に5貫くださると…」しかし紙には何も書いていない。池蟠はパンRにからかわれ激怒、女を打ち据えて外へ放り出した。その夜、顧千帆が六部から戻ると、陳廉(チンレン)が割れた人形を片手に泣いていた。「どうかしたのか?」「いいえ…銭はパンR姐に渡して来ました あ、確か大理寺から地方での調べを任されていましたね? 私が行きます、今すぐに…離京できるなら何でも良い」陳廉の気持ちが痛いほど分かる顧千帆は何も聞かず、肩を叩いて書斎へ向かった。顧千帆は配下からパンRが門前で何かを探していたようだと聞いた。恐らく黄色の花を探していたのだろう。…君に合わせる顔がない、だが一目だけでも、後ろ姿だけでも良い、君に会いたい…顧千帆はパンRへの想いが募り、深夜にこっそり桂花巷(ケイカコウ)を訪ねた。そっと母屋の窓を開けると、稲光でパンRの寝顔が見える。顧千帆は窓際の棚の上に3千貫の″大相国寺長生庫(ダイショウコクジチョウセイコ)券″を置いて帰ったが、折からの強風にあおられて手形が吹き飛んだ。翌朝、パンRは顧千帆の手形に気づかず店に向かった。三娘は招娣に母屋の片付けと換気をするよう頼み、結局、手形は床に散らばった書類の間に挟まれて棚の上に戻されてしまう。そうとは知らず、顧千帆から3日間、何の音沙汰もないまま、パンRは5日以内に手付金を準備することができなかった。パンRは先に手付金の完済を1日だけ延ばしてもらった。そこで自ら皇城司に顧千帆を訪ねたが、孔午(コウゴ)から顧千帆は遼の使者のお供で狩りに出かけたと知る。陳廉も調査で地方へ出かけて留守、パンRは仕方なく諦めることにした。すると孔午は早馬を飛ばせば一両日中にパンRが来たことが顧千帆に伝わるという。しかし手付金の期限までに到底、間に合わなかった。追い詰められたパンRは茶坊の証文と書画を質入れすることにした。三娘は唯一の財産を手放すことに反対したが、パンRは琵琶もない茶坊では先細るだけだという。「身代をなげうって東京(トウケイ)に残ると決めた時も逃げ道はなかった 質入れは賭けだけど、商いに危機は付き物よ それに私は顧千帆を信じたいの…今回は何かあったに違いないわ 三娘、望月(ボウゲツ)楼の女将になりたくないの?」「なりたい!30貫しかないけど仲間に入れる?!」招娣は若女将になりたいと訴え、三娘を尻目にパンRと一緒に質屋へ出かけてしまう。その頃、狩りに出かけた顧千帆は深手を負い、昏睡して雍丘(ヨウキュウ)城に運び込まれた。…チェンファン!…顧千帆はパンRの声でふと目を覚ましたが、なぜか父・蕭欽言(ショウキンゲン)がいる。「耶律宗盛(ヤリツソウセイ)の身を案じた陛下が私を遣わしたのだ、安心せよ、手配は全て済んでいる 大手柄だったな!」顧千帆は崖から落ちた耶律宗盛を助ける際、岩石が肺腑に直撃していた。2日間も気を失っていたと聞いた顧千帆は慌てて東京へ帰ろうとしたが、蕭欽言に止められてしまう。池蟠は質屋にも手を回した。しかしパンRは権力には権力で対抗、半遮面には柯政(カセイ)から揮毫(キゴウ)を授かった宋引章(ソウインショウ)がいると脅す。「引章がお偉方と会った時、この店の話題を出したら…」一方、顧千帆は寝たふりをして父が部屋を出るのを待ってから、耶律宗盛を訪ねた。「私を兄弟と思うなら頼みを聞いてくれ、私の愛する女が苦境にあると文が届いた 任務を完遂する予定だったが、一刻も早く会いに行きたい 大事でなければ明日の午後には戻れる、蕭宰相を足止めしてくれないか?」耶律宗盛は顧千帆の情の厚さに感銘を受け、もしもの時は自分の妾に息災を知らせに行かせたと嘘をつくと約束した。パンRは夜明けまでに何とか手付金600貫をかき集め、招娣と屋敷に戻った。すると招娣は陳廉が持って来た200貫は大きな箱に入っていたが、質屋の箱がやけに小さいと訝しむ。パンRは陳廉の箱には2文や5文相当の銭で200貫入っていたが、今回は1枚が10文の価値がある祥符元宝(ショウフゲンポウ)だからだと教えた。「そう言えば仲が良かったわよね?」「皇城司の都頭と茶坊の下働き、仲が良いなんて恐れ多いよ みんなが顧司使みたいな人に出会えるわけじゃない」「確かに私は幸運だった…幸せは自分でつかむもの、他人任せではいけないわ」欧陽旭(オウヨウキョク)はついに抱一(ホウイツ)仙師との面会を果たした。しかし隠遁した身だと授爵を断られ、これでは都に戻れない。欧陽旭は恩師にも見放され自暴自棄になった。すると書童の子明(シメイ)から御史中丞(ギョシチュウジョウ)・斉牧(セイボク)が故郷の西京(セイケイ)で療養していると聞く。柯政と同じ清流派の斉中丞が自分を相手にするとは思えなかったが、子明は贈り物でも献上してはどうかと提案した。「柯老相公が返してくれた箱の中に何かあるかも…見て来ます!」実はその箱の中にはかつて叔徳(シュクトク)が勝手に柯政に贈った夜宴図(ヤエンズ)があった。夜宴図は見事な絵だった。すると子明が絵の中に小さな字が書かれていると気づく。欧陽旭は注意深く美女の絵姿を確認すると、確かに札のように名が入っていた。「張師師(チョウシシ)…陳娟(チンケン)…王雲児(オウウンジ)…劉婉(リュウエン)…?!ふっ、都へ帰れるぞ」″劉淵″とは皇后の名だった。三娘はパンRが勝手に引章が置いて行った銭まで使ったことを心配した。しかし実は昨日、パンRは招娣を沈(シン)家に使いに出し、引章からの許可をもらったという。証文にはパンR、三娘、招娣だけでなく引章の名も入っていた。三娘は沈家に行ったことを黙っていた招娣を問い詰めた。焦った招娣はパンRに口止めされたという。「何で?!…で、どんな態度だった?」「パンR姐の文を破り捨て、即答しろとはゆすりも同然だって でも今は必要ないから、華亭(カテイ)での謝礼金だと思うことにすると… それからパンR姐の婚儀には具合が悪いので行かないと言ってた」「引章ったら!頭に来る!」しかし引章が大切にされていると知り、三娘は今度は本当に幸せなのだと分かって安堵した。すると招娣は引章が出て行ったのは失恋ではなく、妬みではないかと指摘する。思えば欧陽旭が進士になった時は周舎(シュウシャ)と駆け落ち、今回もパンRが誥命(コウメイ)夫人になると知った途端、沈如琢(シンジョタク)に身を寄せた。「パンR姐は引章姐の嫉妬心を見抜いている、だから昨日のことも口止めしたんだ」こうしてパンRたちは杜長風(トチョウフウ)を仲介人として正式に契約を結んだ。つづく( ゚ェ゚)ん___これでいいの?w
2023.05.28
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梦华录 A Dream of Splendor第27話「危うい取り引き」皇城司(コウジョウシ)では司使に昇格した顧千帆(コチェンファン)を出迎えるため配下が整列していた。すると趙盼児(チョウパンアール)と一夜を明かした顧千帆(コチェンファン)が遅れて到着する。「欲をかかず、人を欺かず、ごまかさず、命を惜しまず… これは南衙(ナンガ)の掟だが、今後は皇城司全体の掟にする、聞くだけでは駄目だ、行動で示せ」陳廉(チンレン)は司使に吏部の調査依頼を渡して自分の仕事に戻った。そこで顧千帆はざっと目を通したが、思いがけずパンRの父の名を見つける。…景徳元年、寧辺軍将校が命に抗う、罪人は都巡検使・趙謙(チョウケン)を始め配下数十名を流刑とする…驚いた顧千帆は陳廉を呼び、すぐ吏部を訪ねることにした。一方、欧陽旭(オウヨウキョク)は抱一(ホウイツ)仙師の外甥の食客となって食いつないでいた。そんなある日、屋敷の前で懐かしい恩師と再会を果たす。「恩師!」「恩師と呼ぶな!」柯政(カセイ)は新しい任地へ向かう途中で欧陽旭の噂を聞いて立ち寄ったと話し、探花に推挙したことを後悔していると嘆いた。慌てた欧陽旭は激しい雨の中でひざまずき、事情を説明する。「皇后に陥れられたのです、私は賢(ケン)妃の姪と婚約しておりました 賢妃と不仲な皇后は賢妃の使者なる者を寄越し、謁見の際は道家を褒め称えよと知らせたのです そうとは知らず私は宮観官(キュウカンガン)になってしまった… 高(コウ)家は恥だとして私に破談を求めて来ました 西京(セイケイ)では官吏が高家の勢力を恐れ、何度も嫌がらせを受け、貧困にあえぐありさまです やむを得ず古廟に住むと、高家の者が現れ、婚約解消を迫り…」「もう良い」柯政は欧陽旭が自分の窮状を訴えたいだけだと分かっていた。「私の言葉を忘れたか?″命を絶たれても気骨を守れ、士大夫たる者、風骨の2文字を胸に刻め″と…」すると柯政は欧陽旭が贈って来た物を全て返し、これで自分たちの縁は切れたという。「金輪際、人前で私の教え子であったと言ってくれるな」顧千帆は吏部で趙謙の詳しい罪状を読み、パンRの苦労を思うと胸が痛んだ。…茶舗で私が皇城司の者だと知って態度を豹変させたわけだ…一方、陳廉は店じまいの頃を見計らって半遮面(ハンシャメン)を訪ねた。すると裏庭で偶然、杜長風(トチョウフウ)と出くわしたが、驚いたことに眼鏡がなくても見えるようになったという。「良い処方のおかげでね~」パンRたちは証文の内容が吟味できる立会人を探してた。そこで書院で法も教えている杜長風に白羽の矢が立ったという。陳廉は良い酒楼が見つかったと分かったが、なぜか断られたはずの望月(ボウゲツ)楼との証文だった。店主はすぐ銭が必要なため半分だけ売ると決め、パンRたちに貴賓室だった東側を譲り、自分たちは西側で酒を醸造することにしたという。何かと杜長風の世話を焼く孫三娘(ソンサンニャン)、パンRたちはそれとなく場所を移動し、三娘と杜長風を2人だけにした。陳廉はパンRが心配しないよう司使が激務に追われていると報告した。最近はずっと六部にいて屋敷に帰る暇もないという。パンRは仕方なく陳廉に伝言を頼み、酒楼を開く銭を工面して欲しいと言った。「了解!」杜長風は証文に気になる点を見つけた。確かに望月楼が半分の1200貫になるのは良い取り引きだと思うが、″手付金5割を5日以内に完済す″という条件はいささか危険だという。通例では手付金3割を1ヶ月以内に完済、しかしパンRはそれが先方の条件だと話した。すると三娘が心配せずともパンRの未来の夫が出してくれると笑う。「これもあんたのおかげよ、あんたが以前、欧陽旭の妾になれと言って怒らせたでしょう? そのおかげでパンRは誥命(コウメイ)夫人になれる」杜長風はパンRの嫁ぐ相手が五品だと気づいて目を丸くした。三娘は杜長風を見送りがてら菓子を持たせた。すると杜長風は自分に何の称号もないことから、一念発起してまずは身だしなみを整えたいという。「私の衣は古くてしわだらけだろう?早くに母を亡くし妻もいないからどうにもできない 一緒に私の衣を選んでくれないか?」「よく言うわ、使用人がいるでしょう?」「使用人は全部、男だ!雌鶏さえいない!」「…そうね、明日ならいいわ」杜長風は三娘と出かける約束を取り付け、喜んで帰って行った。陳廉は司使にパンRから預かった補血生津(ホケツセイシン)薬を渡し、伝言を伝えた。しかし顧千帆の手持ちは200貫、仕方なく残りは自分で何とかするという。陳廉は暇を見つけてパンRに会いに行くよう勧めたが、顧千帆はパンRも酒楼のことで忙しいはずだと渋った。皇帝は雷敬(ライケイ)と顧千帆を呼んだ。遼(リョウ)からの使いとして常山(ジョウザン)郡王・耶律宗盛(ヤリツソウセイ)が東京(トウケイ)に来たが、遼王の甥である宗盛は血筋の中で一番、王位に近い人物だと聞いたという。そこで雷敬を国信所(コクシンショ)の任に就かせて使者の出迎えを命じ、顧千帆に補佐を任せた。「重要なのは相手の人柄や好みを探ることだ」皇帝は文武両道の顧千帆なら宗盛と気が合うはずだという。実は顧千帆を推薦したのは皇后だった。顧千帆は蕭欽言(ショウキンゲン)が手を回したと分かったが、今の顧千帆にとって都を離れられるなら渡りに船だ。陳廉は桂花巷(ケイカコウ)に200貫だけ届けた。残りは司使が自分で手配すると安心させ、今は使者の随行を命じられて自由が利かないが、暇を見つけて会いに来るはずだという。「じゃあこれで…そうだ、招娣(ショウテイ)は?」「今、灯油を買いに行ってるわ、何か用?」「いえ、何でもないです!」三娘は約束通り杜長風の衣を見立てた。しかも店主に掛け合って衣2枚で1400銭、手巾と靴までつけてもらう。「良い買い物だったわね~ これで次から季節ごとに帳簿を見て衣を仕立てられるの、もう出向く必要はないわ 酒楼を開けばあんたに構う暇はなくなるし…」「待つよ、一緒に出かけられる日まで待つ」杜長風は三娘への想いを告白、本気だと伝えた。実は三娘の事情なら招娣からすでに聞いているという。「何ですって?!」「せかすつもりはないんだ、酒楼の件が落ち着いたら話そう」「誰が話すもんですか?!」すると三娘は怒って帰ってしまう。陳廉は人気の磨喝楽(モホロ)人形を手に入れ、招娣に届けに来た。ちょうど中庭にいた招娣は人形を喜んだが、その時、突然、女が飛び込んでくる。「やっと見つけた!」女は招娣の母だった。そこで陳廉は親なら話し合うべきだと助言したが、招娣は陳廉が母を連れてきたと誤解、激怒する。「余計なお世話だ!」招娣は怒りに任せて人形を投げ捨て、割った。陳廉は深く傷つき、壊れた人形を持って帰ってしまう。三娘は中庭でもめている招娣と母の元へ駆けつけた。パンRから一芝居打つよう指示された三娘は招娣を捕まえ、玉観音を壊して逃げるつもりかと迫る。「あんたは誰?母親?…ちょうどいいわ、弁償してもらう」すると三娘は屋敷で待ち構えていたパンRに母親を突き出し、招娣を裏庭へ逃した。パンRは宋引章(ソウインショウ)の名を語り、娘の代わりに弁償するよう迫った。「貧しそうだから50貫でいいわ」母親は柯政も一目置くあの宋娘子だと知って態度を一変させ、弁償する代わりに娘を売り渡すという。パンRと三娘は酷い母親に呆れたが、これを機に証文を書かせて招娣を自由にした。すると母親は足代を恵んで欲しいという。「5貫でいいです」「いいわ、でも銭は池(チ)衙内からもらって、うちの主で東京十二商業組合の会頭なの」三娘は招娣の母を連れて出かけて行った。母の様子を見ていた招娣はこらえ切れず、回廊の片隅に座り込んで涙に暮れる。パンRは招娣を見つけると、ただ黙ってそばについていた。つづく( ゚ェ゚)え__うちの顧千帆が出しますって__しかも事後報告とか__
2023.05.27
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苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第16話蒼鹽海(ソウエンカイ)の猟師の集落で一夜を明かした小蘭花(シャオランファ)と東方青蒼(ドンファンチンツァン)。小蘭花は集落に男がいないことに気づいていたが、その朝、その理由を知った。実は月尊がいなくなってから幽王たちの戦が続き、召集された男たちは戦死してしまったという。女たちは髪に花を挿していたが、それは霜鹽花(ソウエンカ)と言って男に死なれた女がつける花だった。東方青蒼は宮殿に戻ることにした。すると集落を出ようとした時、月尊に気づいた老婆が呼び止める。「尊上?」女たちは月尊だと知って慌てて平伏したが、老婆は拝礼するどころか、月尊に聞きたいことがあると迫った。驚いた嫁は月尊の怒りを買えば皆殺しになると怯えて止めたが、東方青蒼は続けろという。「尊上、この3万年の間どこにおられたのですか?」月尊さえ戻れば苦しみが終わると信じて待ち続けた老婆たち、しかし月尊が戻ったのは夫や息子が戦死したあとだった。実は東方青蒼は幼い頃、父と狩りでこの村に泊まったことがあるという。老婆の孫は当時、東方青蒼と年も近く、一緒に狩りを楽しんだと話した。「後に軍隊に入ってあなた様と戦に行ったきり、玄虚(ゲンキョ)の境に3万年、封印されたままです あなた様は戻られても、孫は戻って来ません!」老婆は自分が死ぬ代わりに孫を連れ帰って欲しいと訴えた。女たちは一斉に老婆の命乞いを始めたが、東方青蒼は黙って集落を出て行ってしまう。東方青蒼は崖でしばし物思いにふけった。すると遅れて小蘭花がやって来る。「皆を見捨てたわけじゃないって、なぜ言わなかったの?」「…理由などない」「私にも言えないの?」「秘密が必要だと言ったのはお前だ」小蘭花は東方青蒼の変化に気づいていた。蒼鹽海に来た頃、月尊の怒りを買えば誰であろうと命がないと聞いたが、老婆に責められたのに見逃している。「老婆ゆえ殺すのが忍びなかっただけだ…」「忍びない?それは同情や哀れみと同じだわ、七情を失ったはずなのにどうして? はっ!もしかして…」東方青蒼と小蘭花は東方青蒼の心海に入った。すると驚いたことに根を絶たれたはずの木から新芽が出ている。小蘭花は喜んだが、東方青蒼はなぜか顔をこわばらせた。その夜、東方青蒼は父の夢を見た。幼い頃は父も蹴鞠(ケマリ)で一緒に遊んでくれたが、ある日、突然、2度と鞠には触れるなと叱られてしまう。それから父の厳しい修練が始まった。東方青蒼はふと目を覚まし、海市(カイシ)から戻って以来、毎日、夢でうなされていると気づく。…私の七情は本当に急速に回復しているのか?…翌朝、小蘭花は東方青蒼が眠れないと知り、安眠できる香りの蘭の花を届けに来た。しかし東方青蒼は情が復活することへの不安が強くなり、小蘭花にも冷たく当たってしまう。「いらぬ!情がないからこそ月族を率いて敵を殺せる お前が現れるまで苦しみなどなかった、全てはお前が現れたせいだ もう余計なことはやめよ、2度と顔を見せるな」一方、欲深い結黎(ジエリー)は駄目もとで伝説の霊宝(レイホウ)閣に忍び込もうとした。すると予想外にあっさり入ることに成功、お宝を盗み出してしまう。その頃、東方青蒼は食事が気に入らず、2度と同じ料理を出すなと激怒していた。觴闕(ショウケツ)は謝罪し、料理長が交代したせいだと釈明する。「交代した?」「お忘れですか?尊上が先日、使用人たちに休暇を出しました、久しぶりに家族に会って来いと…」すると東方青蒼は何も言えなくなってしまう。「尊上、近頃、何かお悩みが?」「…七情が回復し始めた」頭を抱える東方青蒼、そこへ衛兵が結黎を連行した。「盗人を見つけました、これが盗品です!」觴闕は盗品を受け取り、月尊の横で中を確認する。怯えていた結黎だったが、東方青蒼は小蘭花が喜ぶ物なのか聞いた。「もちろん!女子なら誰でも絹や翡翠が好きです!」東方青蒼は小蘭花が欲しい物なら持ち出して構わないと許した。しかし觴闕が結黎に荷物を返そうとした時、急に東方青蒼が止める。東方青蒼は袋の中から木彫りの人形を発見すると、なぜか表情が一変、結黎を斬れと命じた。驚いた觴闕は自分の管理不行き届きだったとかばったが、東方青蒼に投げ飛ばされてしまう。その時、小蘭花が駆けつけ、結黎をかばった。「結黎を殺さないで!…たった1人の友を絶対に死なせない! 私の顔など見たくないんでしょう?殺すなら私を殺せば良いわ!」そこへ衛兵が飛び込んで来た。何でも収監されている巽風(ソンホウ)が先の月尊にお参りさせろと騒いでいるという。「…木彫りを燃やせ!」東方青蒼は小蘭花を傷つけることなどできず、結局、結黎を見逃した。3日後は先の月尊の命日だった。東方青蒼は父に合わせる顔などないはずだと呆れたが、巽風は父に対して恥ずべきことはないという。「私を殺すことは大したことではない だがお前は海市主と手を組み、月族の仲間を売って同胞の苦しみや恨みを用いて祟気(スイキ)を作った 許されぬことだ、馬鹿なことを…」「海市主は祟気の出どころを言わなかった、お前を恨んでいるが私も父の子だ 仲間を傷つけることなどできるはずない! 元はと言えばお前のせいだ!敵討ちを焦る気持ちにつけ込まれたのだ! 東方青蒼…父上はお前に目をかけ、全てをお前に注ぎ込んだ だがお前は月尊の座のため、その手で父上を殺した…なぜ実の父に手をかけたんだ?!」「あれはお前の父だ、私は父とは思わぬ」すると東方青蒼は3日後の父の命日に巽風を処刑すると決めた。結黎は命懸けで自分を助けてくれた小蘭花に心を開いた。そこで自分をかばって怪我をした小蘭花に薬を塗ってやる。「ありがとう、ジエリー、でもどうして月尊大人は怒ったのかしら? 貴重な宝を盗んでも気にしないのに…」「觴闕によると運悪く月尊大人の怒りに触れちゃったみたい」実はあの彫像は月尊が子供の頃に乳母と彫った物だった。…あれは東方青蒼が父から急に鉄剣を使うよう命じられた時だったまだ幼かった東方青蒼はうまく扱えず、手が傷だらけになってしまうその時、乳母は東方青蒼を元気づけようと一緒に月族の始祖で初代月尊・鹽女(エンニョ)の彫像を作った『始祖を見習って月族の栄光を取り戻してください』『うん!』しかし乳母は父に殺されてしまう…結黎が聞いた話では月尊は海市から戻ってから不機嫌だった。巽風にも寛容だったが、急に雷刑にすると命じたという。驚いた小蘭花は東方青蒼の寝宮を訪ねた。「月尊大人…怒らないで聞いて欲しいの、巽風殿下は海市主と手を組んだって本当?」「奴にだまされたようだ」「それなら死罪は許してあげたら?血を分けた兄弟でしょう?」しかし東方青蒼は父も弟も肉親とは思っていないという。「あの者は巽風を溺愛したが、私が何をしても笑みを見せなかった 私に業火(ギョウカ)を操る天賦の才があると分かっても、喜ぶどころかこう言った ″なぜお前が…″とな、忌まわしい息子が己の地位を奪うと思ったのだろう」「違う、そうとは思えない」「私の七情を絶ったのはあの者だ そのために私が死ぬことも厭わず、あの者は私を何度も痛めつけた だが私に己を殺させ、命の代償を払い、枯らそうとした七情の木が回復しつつある…滑稽だろう?」すると東方青蒼は部屋を出て行ってしまう。小蘭花は先の月尊の言葉の意味を考えていた。「なぜお前が…ってどういう意味なの?」觴闕と結黎は怖いもの知らずにも程があると呆れたが、小蘭花は水雲天で聞いていた話と実際の蒼鹽海や月尊は全然、違うと訝しむ。「先代を殺したという話も何か裏があるのでは?」しかし觴闕は月尊が大勢の前で先代を殺したと話し、裏などないと否定した。「いいえ、何かある!…觴闕、その時のことを詳しく教えて!」つづく( ゚ェ゚)あれ?月尊の化粧が微妙に濃くなってない?w
2023.05.27
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苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第15話長珩(チャンハン)は容昊(ヨウコウ)の協力で封印を破り、小蘭花(シャオランファ)を救うため蒼鹽海(ソウエンカイ)へ向かった。しかし忘川(ボウセン)を下っている途中で雲中君(ウンチュウクン)に見つかってしまう。長珩はついに自分の気持ちを明かし、小蘭花への想いを貫き、愛する人を助けに行くと訴えた。すると激怒した雲中君は長珩を拘束、仙族の掟を破って月族の間者と通じた罪で戦神の名を剥奪し、昊天(コウテン)塔に閉じめてしまう。一方、寂月(セキゲツ)宮では巡回していた觴闕(ショウケツ)が結黎(ジエリー)を見咎めていた。「夜更けというのにこそこそ何をしている?」「昼間、死にかけたから寝付けなくて…」結黎は両親もなく苦労して店を持ったが、小蘭花のせいで潰れてしまったという。「だから小蘭花を頼って来たのに…ここでも命を狙われてばかりよ」「お前も独りか…」觴闕は自分も天涯孤独だと話した。幼い頃は薬材となる霊龍の骨や鱗を狙う者たちに何度も騙されたという。もし東方青蒼(ドンファンチンツァン)が助けてくれなければ骨も残っていなかっただろう。觴闕はこれを教訓に決して自分を虐げた者のような卑劣な真似をしないと決意、この世で最も誠実な男になると誓った。しかし結黎は失笑し、苦労したのに真心で応えるのかと呆れる。「どうせ踏みにじられるだけよ、私は自分で自分を守って来た、誰も信じない」「間違ってる!」「間違っているのはそっちよ!」境遇が似ている2人は意気投合したように見えたが、相容れない価値観だと知る。その頃、結黎を追っていた蝶衣(チョウイ)は寂月(セキゲツ)宮に逃げ込まれたと報告していた。「配下を送りました、宮殿を一歩でも出たら捕まえます」翌朝になっても結黎はふてくされていた。そこで小蘭花は自分の腕輪を貸して結黎を逃すことにする。「これは″骨蘭″って言うの、運命簿を修繕するまで身を守れるようにって月尊がくれたわ 月尊の血で作られ、月尊と同じ力を持つの、これがあれば出て行く時、邪魔されない」喜んだ結黎は早速、逃げようと言ったが、小蘭花は東方青蒼の七情の木を治す約束のため一緒に行けないと断った。結黎は仕方なく九幽まで送って欲しいと頼む。自分には腕輪を使いこなす力がない上、何より衛兵たちは小蘭花に逆らえないと知っていた。「でも…私の心が読まれたら緊張が伝わってバレてしまうわ」すると結黎が巾着から神器のかんざしを出した。「″蔵心(ゾウシン)の簪″よ」かつて月族の始祖・鹽女(エンニョ)と仙族の始祖・重華(チョウカ)は愛し合っていた。しかし月族は仙族に裏切られ、傷ついた鹽女は自分の心を重華に感じさせないようこのかんざしを作ったという。実は三界広しと言えど心を隠せる神器は東方青蒼が持っている指輪・幽玉戒(ユウギョクカイ)とこのかんざしだけだった。このかんざしを挿していれば思いはかんざしの中に隠され、霊力が強い者にも感じることができないという。「言っておくけど貸すだけよ?」(*゚▽゚)*。_。)*゚▽゚)*。_。)ウンウン小蘭花と結黎は難なく宮殿から出た。しかし暗松林(アンショウリン)で突然、蝶衣が現れ、襲われてしまう。小蘭花は咄嗟に腕輪を結黎に持たせて逃したが、蝶衣の鉄鞭が腕に命中した。その時、宮殿にいた東方青蒼も腕に激痛が走る。袖をまくってみると大きな傷跡が浮かび上がった。すると結黎が衛兵に連行されて来る。「尊上!小蘭花をお助け下さい!」一方、蝶衣に襲われた小蘭花はかんざしを抜いて東方青蒼に知らせようとしていた。しかし鉄鞭で吹き飛ばされ、運命簿を落としてしまう。蝶衣は運命簿を拾おうと鉄鞭を放ったが、突然、鉄鞭が破壊された。その時、長珩が降り立ち、小蘭花を救ってくれる。「長珩仙君…」小蘭花は安心したのか、急に力が抜けて長珩の胸の中に倒れ込んだ。司命殿で目を覚ました小蘭花は長珩仙君の姿に気づいて慌てて拝礼した。すると落とした運命簿を長珩が持っていると分かり、安堵する。そこで小蘭花は東方青蒼が自分をさらって丁重に扱うのはこの運命簿を修復させるためだと明かした。しかし誰の運命簿かは知らず、なぜ東方青蒼と海市が狙うのかまでは分からないという。「確かに傷んでいて読めないな…」「すぐ直します、早く修繕して謎を暴けば私は間者ではないと証明できます」長珩は司命殿を引き上げるふりをして幻鏡を出た。出迎えた蝶衣は長珩に扮する必要があるのか訝しんだが、容昊は小蘭花の想い人に扮してこそ従わせることができたという。すると早速、留芳(リュウホウ)閣に東方青蒼が現れた。蝶衣は首領を逃すことにしたが、容昊は修繕が済むまで何とかだまし続けるという。「配下を連れて奴を止めに行け」しかし蝶衣はあっけなく退けられてしまう。東方青蒼は殿内にある水槽に目をつけた。そこで水に触れてみると、そのまま幻鏡に吸い込まれてしまう。東方青蒼は″千重幻鏡(センチョウゲンキョウ)″に捕らわれた。すると鏡に首領が映る。容昊はその絶大な霊力をもってしても、無数の鏡の中から本物の小蘭花を探し出すのは至難の業だと笑った。容昊は東方青蒼を足止めし、長珩に扮して司命殿に戻った。するとついに小蘭花は運命簿の修復に成功する。「謝惋卿(シャワンケイ)?人族の名だわ」その時、小蘭花はふと机の飾り台が割れていないことに気づいた。あれは東方青蒼と中庭で餅を作った時のこと、水雲天では毎年、大戦の勝利と月尊の封印を祝うと知った大強(ダーチァン)が激怒して器を投げ、台を真っ二つに割っている。小蘭花は長珩が偽物だと気づきいて逃げようとしたが、容昊に捕まった。容昊はまさか小蘭花に見破られるとは意外だった。「ここは私の念が生んだ場所だ、お前は逃げられぬ、大人しく運命簿を渡せ」すると小蘭花は投げ飛ばされ、運命簿が手から落ちてしまう。しかしその時、鏡を粉々に砕いた東方青蒼が幻鏡に現れた。「私のものに誰も触れてはならぬ」「馬鹿な…これほど早く辿り着くとは!」小蘭花は無事に運命簿を取り返し、容昊は東方青蒼の一撃であっけなく倒れてしまう。「お前は何者だ?なぜ運命簿を狙う?…言わぬなら私が確かめよう」東方青蒼は首領の仮面を剥がそうとしたが、蝶衣が現れ、小蘭花に襲いかかる。焦った東方青蒼は咄嗟に蝶衣を退けたが、その隙に容昊は脱出した。小蘭花は東方青蒼のおかげで難を逃れた。しかし幻鏡を出ても東方青蒼は一言も声をかけず、黙々と歩き始めてしまう。小蘭花は慌てて後を追い、化魂墟(カコンキョ)までやって来た。「待って!月尊大人、助けてくれてありが…」その時、突然、東方青蒼が振り返り、小蘭花の両肩を強くつかむ。「なぜ逃げた!私の視界から消えるなと言ったはずだ! あと一歩、遅ければ死んでいたんだぞ?!」「逃げたわけじゃ…だってあなたの七情の木を治すって約束したでしょう? 結黎を助けたかっただけなの」「私の視界から消えてはならぬ!どこへ行くにも私に知らせよ!分かったか?!」「…わ、分かった」すると東方青蒼は我ながら感情的になったと気づき、慌てて手を離した。東方青蒼はこの機会に化魂鼎(カコンテイ)を破壊、悪の根源となる祟気(スイキ)を消した。すると霧が晴れて風雪が止み、海市は急に明るくなる。そこで小蘭花は東方青蒼の機嫌を直すため運命簿を渡すことにした。「修繕できたわ、どうぞ」「…私が修繕を命じても言い逃れするのに、長珩ならばやるんだな?」しかし小蘭花はあの司命殿が偽物だと気づいたきっかけは東方青蒼が壊した木の台が無傷だったからだという。「このことを知っているのは世界中で私たちだけ…ふふ そうだ、千重幻鏡には何万もの私の姿が映し出されていたのでしょう?なぜ本物が分かったの?」「…幾千万本のうり二つの蘭の花の中にいても私はお前を見つけ出せる ゆえに逃げても無駄だ、忘川の源でも天地の果てでも、どこにいようと見つけてみせる」東方青蒼の言葉を聞いた小蘭花は自然と涙があふれ出した。「どうして泣く?」「うれしくて…前に師父も似たような言葉を言ってくれた 師父は私にとって誰よりも身近で大切な人よ?あなたも…」小蘭花は何か言いかけたが、急に倒れてしまう。その頃、蝶衣は深手を負った容昊を息山(ショクサン)の洞窟へ運び込んだ。「凶神のお力で救っていただきたく参りました!」するとどこからともなく邪悪な妖気が現れる。「祟気に守られているのに誰にやられた?」「東方青蒼です!」「東方青蒼?!…ふん、太一(タイイツ)の後、三界に敵はいないと思ったが、どうやら面白くなりそうだ」凶神は容昊を救った。意識が戻った容昊は感謝し、凶神を解き放つ助けとなる息山神女(シンニョ)・息芸(ショクウン)を見つけ出したと報告する。「いずれここに連れて来ます」東方青蒼は小蘭花を連れて蒼鹽海に戻った。すると天幕で休ませていた小蘭花がようやく目を覚ます。「ここはどこ?」「猟師の集落だ」東方青蒼は暖を取りながら魚を焼いていた。「まだ怒ってる?…ごめんなさい、もう勝手に抜け出さない、出かける時はまずあなたに伝えるから」「食べろ…」その時、東方青蒼は小蘭花のかんざしに気づいた。鹽女の神器をなぜ小蘭花が持っているのか分からなかったが、返すよう迫る。しかし小蘭花は結黎に借りたと訴え、借りた物は返す必要があると拒んだ。「持っていても構わぬが髪に挿すな」「イヤ!…だって心の中を知られたくないもの」「心の動きが分かれば、すぐお前を助けに行ける」「なら余計に外せない、私の心の中に勝手に入って来ないで!…秘密は必要よ!」「前は気にしなかっただろう?」「それは昔のことよ!」「今と何が違う?!」すると東方青蒼は怒って天幕に入ってしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)何もう月尊サイコーwww
2023.05.26
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梦华录 A Dream of Splendor第26話「鉄の掟」沈如琢(シンジョタク)の屋敷に身を寄せた宋引章(ソウインショウ)。すると翌朝、桂花巷(ケイカコウ)に引章の文を持った沈家の使いが訪ねて来た。…孤月(コゲツ)を渡して、宋引章…孫三娘(ソンサンニャン)は仕方なく琵琶を渡したが、自分が趙盼児(チョウパンアール)と顧千帆(コチェンファン)の婚約を漏らしたせいだと分かった。事情を聞いた葛招娣(カツショウテイ)は引章が横恋慕と知らず顧千帆に惹かれていたと分かったが、まだパンRには黙っていた方がいいという。「今日は様子が変だったし、皇城司(コウジョウシ)の役人も街中にいる…たぶん顧副使に何かあったんだ」「まさか?!」その頃、パンRは半遮面(ハンシャメン)で顧千帆と一夜を明かしていた。顧千帆の傷の包帯を替えるパンR、実は父が寧辺軍の都巡検使だったため、出征から戻ると母と一緒に手伝ったという。「良く学んだのだな、君の素早い対処がなければ私は死んでいた」すると顧千帆はパンRに口づけしながら涙を拭いた。「帽妖(ボウヨウ)事件は解決した、今後はこんな心配をさせないと約束する あ、そうだ、売りに出ている酒楼を一覧にしておいた、陳廉(チンレン)に持たせるから訪ねるといい」顧千帆が眠りにつくとパンRはそっと部屋を出た。回廊では陳廉が待っている。「目覚めたら皇城司に連れて帰ります…店と家を見張らせていますが、数日、休んでは?」一方、蕭欽言(ショウキンゲン)は顧千帆が助かったと聞いて安堵していた。顧千帆を揺さぶり、斉牧(セイボク)の正体に気づかせようとしたが、こんなことになろうとは…。それにしてもあの趙氏という娘は確かに良き妻の資質を備えていた。「惜しむらくは身分の差が大き過ぎることだ…」片や蕭謂(ショウイ)は栄陽(エイヨウ)県主を娶りたいと願っていた。しかしこのまま閑職にある宗室の娘を娶れば、一生、鳴かず飛ばずなのは目に見えている。すると噂をすれば何とやら、ふいに蕭謂が現れた。「陝西(センセイ)路での探し物はめどが立ちました」桂花巷に戻ったパンRは引章が出て行ったと知った。憤慨したパンRはすぐ迎えに行こうとしたが、三娘と招娣が引き止める。「突然、訪ねても引章は会いたがらない 使いの話では引章は宝のように扱われ、身の回りの品も全部、新調したらしいわ お付きの侍女も4人いた」「挨拶もなしに出て行くなんて…そうね、いいわ、放っておく」パンRは引章と口喧嘩になったと教え、実は顧千帆が大怪我をしたと明かした。そこでしばらく茶坊を休みたいという。すると三娘は氷が買えず、引章の琵琶もないことから、早朝だけ店を開けたらどうかと提案した。パンRはこの機会に本格的に酒楼の開業を目指そうと決意、三娘と招娣も賛成する。「はお、新たな地で新しいことを試しましょう」顧千帆は手負いの身体でパンRに会いに来た。舟で涼を取りながら最近の出来事を報告するパンR。実は氷が手に入らず困っていたが、思いがけず杜長風(トチョウフウ)から氷の差し入れが届いたという。聞けば三娘が勧めてくれた豚の肝のお礼だそうで、パンRははじらって笑う三娘を見て2人の関係に勘づいた。「捨てる神あれば拾う神ありね」「だが宋引章は心配だな」しかしパンRは顧千帆の怪我ほど心配なことはなかったという。思えば引章ももう大人、本人の意思を尊重すべきだろう。すると陳廉が駆けつけ、橋から口笛で合図した。(」゚ロ゚)」 <副使!宮中から召喚で~す!!拝謁を終えた斉牧(セイボク)は偶然、顧千帆と出くわした。そこで人払いしてから叔父の顔をのぞかせたが、もはや顧千帆との関係が修復できないと気づく。顧千帆は帽妖事件の黒幕が斉牧だと知っていた。さらに事件と無関係を装うため、帽妖に自分の屋敷を襲わせたこともばれている。「陛下は中丞をお召しになり休養を許可されたとか…くれぐれもご自愛ください」顧千帆は叔父と決別し、紫辰之殿に向かった。一方、パンRは三娘と望月(ボウゲツ)楼を見に来た。店主は帰郷のため急いで手放さなくてはならず、売値2000貫が底値だという。パンRは交渉の末1800貫で手を打ったが、店主は契約には夫か父親が必要だと言った。実は東京(トウケイ)では女子は酒楼の店主になれないという。朝廷から酒の醸造を許可されている店は″正店″と呼ばれ、72軒のみ、他は″脚店″と呼ばれた。何でも酒造りには陽の気が大事で、陰の気である女子は麹に触れられないという。そのため女子が正店の店主にはなれないという″鉄の掟″ができた。現在の会頭である欣楽(キンガク)楼の店主・任員外(ジンインガイ)は戸部に仕える半役人、もし面倒を起こせば食材を卸してくれなくなるばかりか、料理人まで去ってしまうだろう。パンRは店主が呆れた掟を持ち出して自分たちを体良く追い出したと分かっていた。しかし確かに店主の言うように下手に組合を刺激しない方が良い。「他を当たりましょう、いつか女を馬鹿にする掟を変えてみせる」すると店先で琵琶の音が聞こえた。パンRはふと引章を思い出し、沈家でも楽しく琵琶を弾いていることを願う。一方、引章はまるで掌中の珠のように大事にされていた。その日、沈如琢は引章に首飾りを贈ったが、引章は興味を示さない。「真珠は好きじゃない」「ではこれは?珊瑚だ」引章はふとパンRが挿していた珊瑚のかんざしを思い出し、珊瑚がいいという。そこで沈如琢は屋敷にある珊瑚を全て集めるよう命じた。「君が欲しいと言うなら月だって取ってくるよ…」すると沈如琢はまだ日が高いうちから引章の衣に手をかけた。皇帝は蕭宰相を救った顧千帆の功績を認め、客省使(カクショウシ)に任命した。こうして顧千帆は皇城司司使に昇格、雷敬(ライケイ)は普州(フシュウ)刺史および入内内侍(ニュウナイナイジ)省副都知となる。そこで顧千帆はこの千載一遇の機会に思い切って母の追封を上奏した。「母亡き後、私を育ててくれた叔母に称号を賜りたく…」「叔母の追封?…先例はあるか?」そこですかさず蕭欽言が太宗(タイソウ)の時代に防御使の義姉が育ての恩により郡君に封じられたことがあると進言する。皇帝は感慨深げに″生みの恩より育ての恩か″とつぶやき、特別に顧氏を県君誥命(コウメイ)に封じると命じた。紫辰之殿を出た顧千帆は蕭欽言と回廊を歩いた。「さすがですね、苦肉の策を巡らせて斉牧を排除し、皇城司まで制圧した」「私が皇城司に手を出すと言ったか?」顧千帆は蕭欽言が欲しい物を手に入れるためなら獲物を崖まで追い込み、決して逃さないと嫌みを言った。しかし蕭欽言は親子で助け合い、朝堂で確固たる地位を築きたいだけだという。顧千帆は蕭欽言のような野心はないと断った。これから母の墓を建て直したらパンRを娶り、閑職を得るという。すると蕭欽言は笑って否定した。「残念だが斉牧もお前が私の若い頃にそっくりだと感じているぞ いずれゆっくり話そう、墓を移す時は連絡をくれ、これでもお前の母の夫だ」顧千帆は母の墓参りに出かけた。目標だった従五品となり、母も誥命夫人となれば顧家から外される心配はなくなる。「やり遂げたよ…」その夜、顧千帆はこっそりパンRを訪ね、昇進を果たし、母も追封されたと報告した。「本当は母の墓前で大泣きするはずだった…だが泣くことも笑うこともできなかった 喜びか苦しみかも分からない、全て自分が望んだことなのに…」顧千帆は何と説明したら良いのか分からず失笑してしまう。するとパンRは作り笑いなど見たくないと言った。「一緒にるのよ、喜びも悲しみも分かち合いましょう?」そこで顧千帆はパンRの肩を抱き寄せ、初めて弱音を吐いた。「辛い…」つづく( ๑≧ꇴ≦)沈如琢がキ…自重w
2023.05.24
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苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第14話蔵珠斉(ゾウシュセイ)の店主・結黎(ジエリー)は蒼鹽海(ソウエンカイ)の都・九幽(キュウユウ)にやって来た。途中で巡回の月兵に見とがめられたが昏迷散をまいて切り抜け、侍女に成りすまして宮殿に潜入する。すると小蘭花(シャオランファ)はのんきに司命殿の花壇で水まきしていた。「ちょっと、あんたのせいで危うく死にかけたのよ?!」結黎が面紗を外して顔を見せると、小蘭花は友との突然の再会に目を丸くした。結黎は小蘭花が海市(カイシ)で騒ぎを起こしたせいで店を留芳(リュウホウ)閣に壊され、命を狙われていると訴えた。驚いた小蘭花は自分も巻き込まれただけだと釈明、危ないところを東方青蒼(ドンファンチンツァン)に救われたという。「月尊大人に救われた?…ハハ~ン、どうやら噂は本当のようね」今や九幽では月尊と蘭花仙子の艶聞がまことしやかに語られていた。小蘭花は誤解だと否定したが、結黎は何にせよ責任を取ってここで面倒を見て欲しいという。その時、思いがけず東方青蒼がやって来た。小蘭花は結黎を花壇に隠し、慌てて東方青蒼を出迎えた。「何かご用ですか?」「会いに…いや、お前を見張りに来た」すると東方青蒼は運命簿の修繕を急げと迫った。小蘭花は直せると言ったのは出まかせだったと明かし、東方青蒼が毎日、催促するのも自分と話したい口実だと誤解していたという。「私の勝手な思い込みだったのね…」どちらにしても自分の力では無理だと訴えたが、東方青蒼は小蘭花が水雲天(スイウンテン)を守るために嘘をついていると疑った。「よかろう…」そこで東方青蒼は指を鳴らし、花壇に隠れている結黎を召喚する。「3日のうちに修繕できなければこやつの首をもぎとる、觴闕(ショウケツ)、その者を見張れ」「はっ!」ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ@ジエリー觴闕は結黎を牢へ連行した。何とか助かりたい結黎は自分の命を盾にしても無駄だと訴え、それより仙族をさらって修繕するまで毎日1人、殺した方が効果があると提案する。しかし觴闕は仙族を殺せば蘭花仙子が悲しみ、ひいては月尊が悲しむことになると反対した。結黎は月尊が仙女ごときのために悲しむはずないと呆れたが、觴闕だけは月尊の本当の姿を知っているという。聞けば東方青蒼は小蘭花のために羹(アツモノ)を作ったり、恋心を実らせてやろうと試験を手伝ったり、寂しがらないよう司命殿まで再現していた。結黎は月尊の心に小蘭花がいると確信した。しかし男女の情に疎い觴闕はあくまで義侠心で小蘭花を助けただけに過ぎないという。結黎は月尊の行動は小蘭花を想っているがゆえだと説明、未来の月主の親友である自分に優しくすべきだと訴えた。「確かに…閉じ込めよ!」( ๑≧ꇴ≦)なんでや~!その時、結黎を助けるため小蘭花が駆けつけた。小蘭花は觴闕が東方青蒼の命令しか聞かないと知っていたが、一か八か説得してみるという。(*´・-・).<ねぇ、觴闕…(๑•̀ㅂ•́)و✧<ここに!(; ╹⌓╹)ビクッ!<結黎は私が預かる…(๑•̀ㅂ•́)ノ″<はっ!(*´・ω)(ω・`*)あれ?結黎は小蘭花の司命殿で世話になることになった。そこで月尊と小蘭花の関係を探るべく、3つの質問をする。「手をつないだ?」「うん」「同室で寝たことは?」「確かに同じ部屋で寝たことはあ…」「あ~詳しくは聞かないわ、口づけは?」「うん、何度もしたけどでもそれは…」「小蘭花!やり手なのね!」焦った小蘭花は東方青蒼が同心呪(ドウシンジュ)という術で自分とつながってしまい、嫌々ながら面倒見てくれただけだと釈明した。しかし結黎は東方青蒼の本心を見抜き、体面から小蘭花を好きだと言えないだけだという。「もしや仲違いでもした?運命簿の修復はあなたをなだめる口実よ」結黎は月尊の気持ちを利用すれば女主人になれるとそそのかした。小蘭花も確かに東方青蒼の機嫌を取れば宮殿から逃げられるかもしれないと気づく。「分かった、やってみる、どうすればいいの?」東方青蒼は觴闕から小蘭花が呼んでいると聞いた。そこで小蘭花の本音が分かるよう幽玉戒(ユウギョクカイ)を外すことにする。そうとは知らず、小蘭花は結黎の助言に従って猫なで声で東方青蒼に媚を売った。東方青蒼は無駄足だったと落胆して帰ることにしたが、小蘭花が引き留める。「鮮花(センカ)餅を作ったの、食べない?」東方青蒼は久しぶりに小蘭花の鮮花餅を食べた。しかし水雲天で食べた時と少し味が違う。小蘭花は東方青蒼の憂いが消えるよう忘憂(ボウユウ)草の蜜を入れたと明かした。「巽風(ソンホウ)のことか?…小細工など弄せず、早く運命簿を修繕せよ」不機嫌になった東方青蒼は席を立ってしまう。「待って!大魔頭(ダーモートウ)!まだ話があるの!」「なぜ大魔頭と?」「″月尊大人″だと偉過ぎて怖いから言いたいことも言えない…嫌ならもう言わないわ」「好きに呼べば良い、で話とは?」「司命殿の花を数えたら本当に8452本あった、過去のつまらないことまであなたは覚えていてくれた 親切は見せかけじゃないはずよ」「…お前に対し、何の情も抱いたことはない」「信じない」すると東方青蒼は手の平に小さな業火(ギョウカ)を出して見せた。業火は三界でも最強の術、小蘭花でも月族の始祖・鹽女(エンニョ)と東方青蒼しか操れないと知っていた。しかし業火を会得するには七情を捨てるという大きな代償が必要だという。心にわずかでも情が残れば業火を操ることはできず、そのため太古の秘術で情を断ち、愛を滅すのだ。「ゆえに肉親であってもためらいなく殺せる、誰かを愛することもない」東方青蒼は父から七情を奪い取られた時の壮絶な苦しみを今でも昨日のことのように覚えている。その時、小蘭花は第1話で東方青蒼と元神が入れ替わった時のことを思い出していた。確か入れ替わる直前、目の前に凍りついた大木が現れ、指で触れたはず…。「あれがあなたの心の中の七情の木だったのね… 結黎の言う通り、あなたがしてくれたことを考えれば今度は私がお返しをするべきだわ 入れ替わりも七情の木のせいだったのね」小蘭花は自分に治せない草木はないと自信を見せた。すると東方青蒼は根を絶った七情の木なら蘇らないと言い放ち、呆れて帰ってしまう。「大強(ダーチァン)!私は諦めないわ!」小蘭花は結黎から7種類の感情をわかせる薬をツケで買った。自分がこれを飲み、同心術でつながっている東方青蒼に七情を思い出させるという。一方、東方青蒼は神器を外したまま巽風の処遇について話し合っていた。すると幽王の進言を聞きながら急に笑い出してしまう。東方青蒼は小蘭花のせいだと気づき、必死に感情を抑えようとするが止まらなかった。( ๑≧ꇴ≦)੭ꠥ⁾⁾<わっはははははは~幽王たちは困惑していたが、今度は月尊が急に泣き出してしまう。。・゜・(ノД`)・゜・。うわ~ん!幽王たちはさすがに血を分けた弟を殺すのは忍びないのだと誤解し、生かすも殺すも月尊に任せると進言した。「失せろ!」東方青蒼は激高して臣下たちを追い出すと、泣きながら觴闕に叫んだ。「早く幽玉戒を持って来い!」東方青蒼は小蘭花と結黎を呼びつけた。小蘭花と結黎は平伏したが、恐ろしさのあまり顔をあげられない。すると東方青蒼は術を操って結黎の首を縛り上げ、自分を愚弄すればこうなると脅した。涙ながらに結黎の命乞いをする小蘭花、さすがに觴闕も動揺したが、東方青蒼は危ないところで結黎を解放する。「次はない」その頃、水雲天では容昊(ヨウコウ)が長珩(チャンハン)に協力し、雲中君(ウンチュウクン)の封印を解いていた。「小蘭花を守るため突き放してきたのは間違いだった…私のせいで蒼鹽海に追われたのだ」容昊は長珩が命をかけて小蘭花を助けに行くつもりだと知っていたが、止めなかった。もし師父を救えるなら自分も決して命を惜しまなかっただろう。つづく( ๑≧ꇴ≦)月尊!演じ分けが上手いんです
2023.05.23
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苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第13話蒼鹽海(ソウエンカイ)へ単独で乗り込み、小蘭花(シャオランファ)を見つけた長珩(チャンハン)。「一緒に帰ろう!」まさか小蘭花の中身が東方青蒼(ドンファンチンツァン)だと知る由もなく、長珩は小蘭花の頬にそっと手を伸ばした。すると東方青蒼はいきなり長珩の手に噛みつき、隙を突いて逃げ出してしまう。東方青蒼は別の場所へ飛ばしたはずの小蘭花を発見し、口を押さえて物陰に引きずり込んだ。小蘭花は長珩仙君に会いたいと抵抗したが、東方青蒼に脅され断念する。「その姿で長珩に会えば即座に殺され、私を水雲天(スイウンテン)に連れて帰るだろう そばにいれば私はいつでもやつを殺せるぞ?…分かったらここに隠れていろ」「長珩仙君を傷つけないと約束して!もし破ったら自害して一生、戻れなくするから!」実はその頃、容昊(ヨウコウ)と示し合わせた巽風(ソンホウ)が謀反を起こしていた。小蘭花は大木の影に身を潜め、東方青蒼と長珩の話を聞いていた。すると長珩仙君が自分を間者ではないと信じてくれていると知る。…私を救うためだけに蒼鹽海まで来たの?どうしてそこまで…しかし東方青蒼は蒼鹽海を離れたくないと訴えた。ここは水雲天で虐げられているより何百倍も居心地がいいという。「一緒に戻れば私の潔白を証明してくれますか?雲中君(ウンチュウクン)に逆ってでも私を守れますか?」長珩は即答できなかったが、公明正大な兄なら必ず真相を明らかにしてくれると取り繕った。「ふっ、できないのですね?…でも月尊大人(ダーレン)はそれができる 私を守り、誰にも傷つけさせない、だから私はここに残ります」「月尊大人?」長珩は小蘭花が東方青蒼を″月尊大人″と呼んことに大きな衝撃を受け、何としてでも小蘭花を連れ帰ると決めた。その時、小蘭花がうっかり物音を立ててしまう。「何者だ?!」長珩は小蘭花がいる大木に向かって一撃を放ったが、突如、現れた容昊が助けてくれる。実は容昊は物陰で怯えている東方青蒼の中身が小蘭花だと知っていた。東方青蒼は霊力がないと見抜かれ、容昊に剣を突きつけられた。長珩は自分が術を解くと安心させたが、小蘭花は東方青蒼が霊力を取り戻してしまうと反対する。「長珩仙君が危険を顧みず救いに来てくれただけで十分です、今のうちにお戻りください」「だめだ!(はっ!)そうだ、君の魂だけ抜き取り連れて帰ろう 魔法の土で体を作り直し、魂を入れればいい!」容昊も東方青蒼を抹殺する好機を逃すまいと賛同し、剣を構えた。雲行きが怪しくなり、雷鳴がとどろいた。すると見かねた小蘭花は無意識に駆け出し、東方青蒼に唇を重ねてしまう。その時、ちょうど稲光が2人を直撃、元に戻った東方青蒼は激しい業火(ギョウカ)で長珩と容昊を跳ねよけた。長珩は無謀にも東方青蒼に戦いを挑もうとしたが、あっけなく吹き飛ばされてしまう。「手負いの者を相手にはせぬ…出て行け」「長珩仙君!」小蘭花は咄嗟に飛び出したが、東方青蒼が引き留め、再び口づけして長珩に見せつける。憤慨した長珩は何とか立ち上がったが、容昊が慌てて長珩を連れて姿を消した。(# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ <何てことするのよ?!…ついて来ないで!東方青蒼は言い訳しようとしたが、小蘭花はとりつく島もなく行ってしまう。巽風は寂月(セキゲツ)宮を掌握、玉座に座っていた。すると觴闕(ショウケツ)から謀反の報告を聞いて東方青蒼がやって来る。「ふん、まだ成りすましているのか?」しかし灯りに照らされた東方青蒼の顔を見た巽風は愕然となった。「…東方青蒼!」東方青蒼はあっさり巽風を縛り上げると、手を触れることもなく一撃を与えて投げ飛ばしてしまう。一方、丹音(タンイン)は深手を負って戻った長珩の姿に動揺していた。勝手に蒼鹽海へ乗り込んだとばれてしまうため、医者を呼ぶこともできない。何より長珩を救うには薬ではなく、霊力が必要だった。長珩は四水宝珠(シスイホウジュ)の修復で精気を失ったところ祟気(スイキ)にあたり、その上、東方青蒼から攻撃を受け、もはや仙気が消えかかっている。そこで容昊は盟友を救うため、自分の内力の半分を分け与えた。東方青蒼は觴闕にだけ小蘭花と中身が入れ替わっていたと明かした。それにしても海市(カイシ)首領が巽風に協力した狙いが分からない。東方青蒼はひとまず巽風を見張るよう命じたが、ふと気になることがあった。「私に霊力がないと知りながら、なぜ殺さなかった?私を殺せば月尊になれたものを…」「なぜ私が?!誰よりも大切な方を裏切るなんてあり得ません!(๑•̀ㅂ•́)و✧」東方青蒼は小蘭花が言った通り、觴闕の忠誠心が本物だと知った。蝶衣(チョウイ)は長珩のために霊力を失った首領の姿に涙した。冷酷なふりをしても友情のために命を懸ける容昊、蝶衣は自分も同じように助けたいと言いかけたが、容昊に遮られてしまう。「長珩を救うのはまだ使えるからだ、蒼鹽海と戦わせて東方青蒼を葬らせる …で宮殿はどうなった?」「巽風は敗れ、東方青蒼に牢に入れられました、刺客を送りますか?」「要らぬ…東方青蒼なら弟でもためらわず殺すだろう」長珩はようやく目覚めた。丹音の話では容昊が自分の霊力の半分を使って助けてくれたという。そこへちょうど容昊が現れた。容昊の髪は白くなり、さすがに長珩は責任を感じたが、覚悟は決まったという。「…待っていてくれ、この世で一番の美酒を持ち帰る」しかし寝宮を出ると雲中君の使いが待っていた。長珩が召喚された。長珩は雲中君から間者を救うため蒼鹽海へ行ったと責められたが、小蘭花は間者ではないと反発する。しかし容昊と丹音が駆けつけ、咄嗟にこれも敵を倒したいがゆえだったと訴えた。雲中君はこのままでは神仙たちに示しがつかず、激しい雷鳴をとどろかせて牽制する。すると長珩は結局、敵を倒したいあまり無謀なことをしたと罪を認め、罰として霊力を封じられ、禁足処分となった。一方、司命殿に戻った小蘭花は落ち込んでいた。せっかく助けに来てくれた長珩を失望させてしまったに違いない。「まさか私は…あり得ない!東方青蒼は水雲天の敵なのよ!」その様子を密かに觴闕が見ていた。觴闕は月尊に小蘭花の様子を報告、木の下を行ったり来たりしているだけだと伝えた。すると東方青蒼は觴闕が小蘭花を仙子と呼んだことに気づく。「蘭花仙子?いつから敬うようになった?」実は宮殿では入れ替わりの事実など知らず、小蘭花が身を挺して月尊を守ったと噂が広まっていた。今や小蘭花は月族の恩人と敬われ、觴闕もうっかり仙子と呼んでしまったという。「侍女たちは感謝の宴を開きたいと…しかし尊上が禁足を命じていますから」「…禁足を解こう、蒼鹽海ならどこへでも行かせて良い、無礼を働く者は許さぬと伝えよ」「さすが尊上です!それにしてもあれほど逃げたがっていた蘭花仙子が月尊を助けるなんて… 明らかに蘭花仙子は…」「明らかに何だ?」「明らかに…心から服従しています!」東方青蒼は觴闕の次の言葉に期待したが、見当違いだった。「尊上、宴に行かれますか?蒼鹽海の復興と団結の好機になるかと…」「馬鹿者!!娘子の集いになど行けるか?!」「失言しました!」しかし東方青蒼はこっそり暗松林(アンショウリン)で開かれた宴の様子を見に行った。侍女たちは賓客の小蘭花のため、月族の美しい衣装を用意していた。孤独な水雲天とは違い、沢山の侍女たちに囲まれる小蘭花。そこで東方青蒼は方術を放ち、花吹雪で興を添えてやる。小蘭花はふと東方青蒼の気配を感じたが、どうやら気のせいのようだ。大木の後ろに隠れた東方青蒼は背後から聞こえてくる小蘭花の笑い声を聞いていた。そこで久しぶりに幽玉戒(ユウギョクカイ)を外してみる。すると小蘭花の感情と連動し、東方青蒼も思わず笑みがこぼれた。つづく((( *´꒳`* ))) 最後のシーン好き
2023.05.21
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君九龄 Jun Jiu Ling最終話「因果応報の罰」太炎(タイエン)3年、北祁(ホクキ)の人質となった太上皇たちが殺されたのは楚譲(ソジョウ)が身代金を着服したせいだった。しかし楚譲は九齢(ジゥリン)たちの謀反だと訴え、衛兵を呼んで朝堂を包囲してしまう。命が惜しい朝臣たちは皇帝に従うと決めたが、その時、陸雲旗(リクウンキ)が武徳司を率いて乗り込んだ。陸雲旗はかつて九齢公主を守れなかったことを悔やみ、今日は決して同じ間違いを犯せないという。思わぬ腹心の裏切りに呆然となる楚譲、そこで断罪できるものならやってみろと開き直った。「朕は父と兄長の跡を継ぐ正当な皇帝、朕はこの国の天子であるぞ!」「…陛下はその座を得るために何をしたのかしら?」するとこれまで黙って話を聞いていた九齢が楚譲と対峙した。九齢は″太炎3年″と書かれた封じ紙を見せた。「これはあなたの不正の証し… 身代金の着服が発覚するのを恐れ、自ら先帝を手にかけて皇位を簒奪(サンダツ)したのね? 父親を犠牲にし、兄長を殺し、即位後は奸臣を重用、3郡を割譲し、税を増やして民を苦しめた! お前に皇帝の資格などない!」すると九齢は重要な証人となる先帝の侍女・氷児(ヒョウジ)を呼んだ。( ತ _ತ) <びんR!氷児は先帝の侍女で薬係だった。当時、氷児は薬を届けるため先帝の寝殿に向かっていたが、その時、楚譲が寝殿から出てくるところを目撃したという。殿内には倒れた先帝の姿があり、首に絞められた跡があった。「その日の宿直は陸大人です」すると陸雲旗は今まで真実を隠してきたと認め、全てを明かすことにした。「御書房を通りかかると助けを求める声が聞こえた…中に入ると楚譲が先帝の首を絞めていた」動揺した陸雲旗は楚譲に言われるまま、部屋を出て戸を閉めたという。陸雲旗は楚譲が先帝を殺害したと証言した。驚いた衛兵たちは皇帝を見限って剣を下ろし、袁宝(エンホウ)は人知れず逃げ出してしまう。賢(ケン)王は楚譲が本当に父と兄を殺したと知り、憤懣やるかたない。しかし往生際の悪い楚譲は陸雲旗の裏切りに憤った。「この恩知らずめ!なぜこんな女のために朕を裏切るのだ?!」「…なぜなら彼女が九齢だからだ」「そうさ、彼女は楚九齢だ」朱瓚(シュサン)は君九齢の正体を明かした。君九齢は火事で亡くなったと思われていた楚九齢だった。朝堂は呆然、成国公(セイコクコウ)、寧雲釗(ネイウンショウ)、寧炎(ネイエン)も突然の事実に目を丸くする。すると誰よりも動揺した楚譲が思わずつまずき、尻もちをついた。「皇叔、残念でしたね…あの年、父皇の死の真相を知った私は婚儀であなたを殺そうと決めた」実はあの時、楚譲は九齢にだけこっそり先帝を殺したと認めていた。「まさか私まで殺そうとするなんて…君(クン)父娘が私を救ってくれました なぜあんなことを…楚譲、こうして再び姿を現したのは父皇に代わり罰を下すためよ! 父皇に取って代わろうとし、己の権力と私欲のために実直な臣を遠ざけた 敵と戦い、多くの者が犠牲になったわ!成国公がいなければ国はとっくに滅んでいた! 想像してみて、死後に皇陵に入ったら、そこにいる先祖たちに顔向けできるの?! 良心に恥じたことはなかったの?!」楚譲はふいにあの日の夜のことを思い出した。皇兄に呼ばれて寝宮を訪ねた楚譲、実はすでに身代金を着服したことがばれていると知る。楚譲は過ちを認めたが許してもらえず、兄が背を向けた隙に腰紐を解いて首を絞めたのだった。すると抵抗する気力を失った楚譲は泣き崩れ、そのまま床に寝転んでしまう。楚譲が地味に大●洋?w九齢はついに父の敵を討ち、玉座で微笑む父の幻像を見て安堵した。朱瓚と方承宇(ホウショウウ)は九齢と中庭を歩きながら、楚譲をどうするのか尋ねる。すると九齢は極刑にすることを望まなかった。「楚譲の所業の全てを民に知らせて裁きに任せるわ、生きて蔑まれることこそ最大の罰よ」そこへ寧雲釗が玉璽(ギョクジ)を持ってやって来る。 ←( ๑≧ꇴ≦)エーッ!今?!w「皇帝の座を空けてはおけない、懐(カイ)王殿下の擁立を…」寧雲釗は九齢に頼まれ、奸臣を演じながら楚譲を近くで見張っていた。「寧公子、あなたがいなければ父皇の恨みは晴らせなかった、あなたへの恩義を心に刻むわ」しかし九齢はまだ幼い九穃(キュウヨウ)に皇帝の重責は担えないという。「玉座に座れば天下を得られるわけではない、民心を得てこそ天下の統治者と言えるの」朱瓚は九齢が賢王を推挙していると気づき、賛同した。その時、陸雲旗がやって来る。朱瓚は2人で話をさせるため、承宇と寧雲釗を連れて涼亭で待つことにした。陸雲旗はこれが九齢と話せる最後の機会だと分かっていた。「初めて皇宮に入った時の持ち場がここだった、そして思いがけず君と再会した 君が通りかかるのを見るたび夢のようで幸せだったよ 」しかしあの夜、楚譲が自分を先帝付きにしたのはこれが目的だったと気づいたという。「先帝を救おうと思えば救えたのに見逃した…」すると陸雲旗は短剣を差し出し、命を以って償いたいと訴えた。九齢は短剣を抜いて陸雲旗を刺そうとしたが、寸でのところで手を止める。「陸雲旗…これで終わりにしましょう」九齢はうっすら笑みを浮かべ、剣を捨てた。( ;∀;)ルールー…いい人だったのに…←え?w九齢堂に親しい仲間たちが集まった。すでに九齢の正体が公主だと公になったが、それでも皆との関係が変わることはない。すると寧承宇が訪ねて来た。対応に出た錦繍(キンシュウ)は中庭に誘ったが、寧雲釗は話があるので店で待つという。寧雲釗は即位の準備で遅くなったと断った。「また行ってしまうのか?」「…成国公の一家と北方へ行くわ」すると寧雲釗は最後にもう一度だけ九齢と碁を打ちたいと頼む。一方、中庭ではなかなか戻ってこない九齢を皆が心配していた。朱瓚は酔い覚ましの薬を取りに行くとみえみえの口実で席を立ったが、2人の対局を見てそっと引き上げる。「風に当たったらすっきりしたよ」朱瓚は何事もなかったように席に戻った。そこで承宇は明日、都を発つと伝える。「姐夫、九齢をお願いします」「任せてくれ」寧雲釗は九齢との大切な思い出を振り返りながら碁を打った。するとふいに手を止める。「…また私の負けだ」「楽しかったわ」「そうだな」寧雲釗は名残惜しそうに九齢の顔を見つめていたが、潔く帰って行った。北方でかくまわれていた承宇がやっと沢州に帰って来た。曹(ソウ)氏たちは無事な承宇の姿に安堵し、ようやく方家にも平穏が戻る。一方、陳七(チンシチ)は錦繍を娶ると決意していた。錦繍は相変わらず素直になれないが、夫として振る舞う陳七に悪い気はしない。そして賢王は新帝に即位した。含元(ガンゲン)殿では文武百官が新帝を迎える。「面をあげよ」おわり( ;∀;)うわ~ん!終わってしまった~!って、あれ?これで終わり?そうなんです!皆さんもお気づきですね?肝心な男主と女主のキャッキャウフフ~♪のデンディングがカットされてるんです↓それがこちらですいやこれカットする?!( ̄▽ ̄;)もしや触覚が似合わなすぎてNG出たのか?いや〜楽しかったわ〜またポンちゃんのドラマが始まることを祈りつつ…皆様、お付き合いありがとうございました
2023.05.19
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君九龄 Jun Jiu Ling第39話「勝利の後に」北祁(ホクキ)軍が天侑(テンユウ)に侵攻、ついに城楼で両兵が激しくぶつかりあった。城門はかろうじて方錦繍(ホウキンシュウ)と陳七(チンシチ)ら民の協力で死守していたが、いよいよ戦鼓を叩く君九齢(クンジゥリン)の元まで敵兵が迫ってくる。驚いた懐(カイ)王・楚九穃(ソキュウヨウ)は九齢の足にしがみついた。「九穃!恐れないで!」「怖くなんかない!」すると九穃は勇気を振り絞って兵士たちを鼓舞した。しかし懐王に気づいた敵兵が九穃めがけて走ってくる。九穃は目をつぶって覚悟を決めたが、その時、背後から飛んできた鉾(ホコ)が敵兵を退けた。一方、後方にいた北祁太子のもとに急報が舞い込んだ。「陛下が崩御しました!刺客に暗殺され、二皇子はすでに撤退を… 成国公(セイコクコウ)と清河伯(セイカハク)も迫っています!」驚いた郁遅海(イクチカイ)は撤退を決め、合図を聞いた北祁の兵士たちは潮が引くように逃げ出した。九齢と九穃の危機を救ったのは朱瓚(シュサン)だった。九齢は無我夢中で戦鼓を叩き続けていたが、朱瓚が腕をつかんで止める。実はすでに援軍が到着し、朱瓚は北祁皇帝の暗殺に成功していた。城楼にいた敵兵も投降、すると九齢は急に身体の力が抜けて朱瓚の腕の中に倒れてしまう。その夜、楚譲(ソジョウ)は都が無事だと聞いて喜んだ。しかし都を救ったのが成国公父子だと知り、朱山(シュサン)を逆賊扱いした手前、民に顔向けできないという。すると寧雲釗(ネイウンショウ)が謀反の罪を言い出したのは黄誠(コウセイ)であり、誤解した皇帝に罪はないと進言した。都合よく黄誠は逃亡して行方不明、全ての責任を押し付けることができる。しかも陸雲旗(リクウンキ)の報告では驚いたことに九齢と賢(ケン)王が皇帝をかばっていた。九齢たちは皇帝が民に苦難を与えたことを謝罪するため帝陵へ出かけていたが、思いがけず北祁が都を包囲して戻れなくなったと説明したという。「朱瓚に北祁皇帝を暗殺させ、成国公を動員したのは陛下の策だったと…」寧雲釗は即刻、都へ戻るよう嘆願、楚譲もすぐ準備するよう命じた。楚譲は陸雲旗だけを残して人払いした。確かに弟である賢王には自分をかばう理由があるが、九齢の意図が分からない。陸雲旗は成国公を許してもらうためではないかと進言したが、楚譲は九齢の自分への当てこすりだと分かった。「あの女子は団結して都を守るよう民を焚きつけた 今後も誰かを焚き付けて何か企むやもしれぬ…殺せ」「御意!」寧雲釗は楚譲が九齢を狙うと分かっていた。そこで陸雲旗を引き留め、手を組もうと持ちかける。「寧雲釗、気は確かか?」「彼女のためだけではない、私の願いは明君が治める太平の世だ」「なるほど、それで玉璽を隠したのか?」すると陸雲旗は手を下すのが褒賞のあとだと明かした。九齢が目を覚ますと朱瓚がいた。思わず朱瓚に抱きつき号泣する九齢、しかしふと我に返り、楚九黎(ソキュウレイ)と九穃の姿に気づく。すると朱瓚は姉弟で話せるよう外へ出た。九黎は楚氏を代表して都を守ってくれた九齢に感謝した。すると九齢は姉の手を握り締め、家族を守れたことが嬉しいという。「…花皇后、草皇后、石皇后、土皇后、次から次へと皇后は入れ替わる」その詩はまだ幼い九齢が作った詩で、九黎と九齢しか知らないはずだった。「九齢なのね?!」「姐姐…あの時、怒られてから虫皇后とは遊んでいないわ」「でもなぜ顔と声が違うの?」「話せば長くなる…君家の父娘が私を救ってくれた」九齢はついに真実を明かし、姉弟3人は抱き合って再会を喜んだ。「これからはどんなことも一緒に乗り越えるのよ、いいわね?」「そうね、姐姐」九齢は外で待っていた朱瓚と合流した。実は方承宇(ホウショウウ)も都へ入り、雲霄閣(ウンショウカク)がかくまっているという。朱瓚は暗殺の際に深手を負ったことを隠したが、民を守るためなら死んでも悔いはなかったと話した。すると九齢は朱瓚がいかに大切な存在か身に染みたと訴え、再会したら2度と手を離さないと決めていたと明かす。朱瓚も九齢が恋しかったと打ち明けた。「君が隣にいないと何をしても空しい…」2人は互いの想いを確認し合い、しばし熱い抱擁を交わした。天侑に平和が戻った。九齢は朱瓚、成国公、清河伯と共に参内、その功績を認められ山陽(サンヨウ)公主に封じられる。しかし九齢の顔は強張ったまま、拝跪する様子もなかった。袁宝(エンホウ)は早く感謝するよう急かしたが、その時、朱瓚が父の謀反の罪が濡れ衣だったと証明されたはずだと上奏する。そこで楚譲はこれも黄誠の讒言のせいだと話し、黄誠が和議に乗じて姿をくらましたまま見つからないと言い訳した。「すでに行方を追わせておる、捕まえたら必ずや成国公の名誉を回復しよう」すると思いがけず賢王が捕縛した黄誠を連れてやって来た。黄誠は北祁太子の友人だと触れ回っていたが、北祁軍に相手にされず、殺されそうになったところを賢王の配下が救ったという。朱山はこの場で黄誠の尋問を行うよう嘆願した。すると寧炎(ネイエン)や武官たちが賛同、楚譲は渋々、黄誠に成国公を陥れたのか追及する。黄誠は確かに世子に息子を殺され恨みがあったと認め、成国公に謝罪した。そこで楚譲は黄誠を大理寺で裁くよう命じたが、賢王は敵と通じて忠臣を陥れたのなら、慣例通り肉削ぎの極刑にすべきだと訴える。楚譲はついに腹心を見限り、黄誠を刑部に引き渡すよう決めた。「陛下…なんと冷酷な…太炎(タイエン)3年の件をお忘れか!」動揺した黄誠は思わず口を滑らせ、朝堂は騒然となった。黄誠は皇帝を恐れて口ごもった。すると死んだはずの承宇が現れ、方家に残っていた銀子を証拠として差し出す。それは北祁の人質となった太上皇と交換するはずの身代金だった。楚譲は慌てて偽物だと声を荒らげたが、朱山は確かに銀子に″太炎3年内承運庫(ダイショウウンコ)″と彫られていると確認する。「これは太炎3年に朝廷が鋳造した銀子…北祁は身代金をもらえず太上皇を殺めたのだな 銀子は沢(タク)州へ運ばれていなかったのか?!」つづく※訂正とお詫び┏○゛前回、誤りがありました北祁軍を率いているのがてっきり皇太子だと思っていましたが、将軍でした( ̄▽ ̄;)将軍のそばにいるのが皇太子・郁遅海のようですでも…何だかおかしくない?そんなわけで前回のあらすじは直さずこのまま行きます ←直さないのかーいw
2023.05.18
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梦华录 A Dream of Splendor第25話「命の危機」蕭欽言(ショウキンゲン)の船を襲ったのは顧千帆(コチェンファン)が信頼する叔父・斉牧(セイボク)の配下である崔(サイ)指揮だった。船上で繰り広げられる激しい攻防。顧千帆は孤軍奮闘して父を守ったが、最後の最後で崔指揮に胸を刺されてしまう。しかし顧千帆は意識を失ったふりをして相手を油断させ、ちょうど手元にあった折れた木片をつかみ、崔指揮の首に突き刺した。茶湯巷(チャユコウ)では民が火の気が上がった船を見て騒ぎになっていた。その時、偶然、趙盼児(チョウパンアール)が通りかかり、船で蕭欽言が″千帆″と叫ぶ声に気づく。パンRは咄嗟に桟橋に駆けつけ船に縄を投げると、民と協力して船を接岸させた。すると船の中に血まみれで意識のない顧千帆の姿を見つける。パンRは顧千帆が身につけている皇城司の照明弾を上げて助けを呼び、無我夢中で応急処置をした。「やめるんだ!強く押したら死んでしまう!」「血が黒いでしょう?毒よ」照明弾を見た陳廉たちが駆けつけた。陳廉は顧千帆をすぐ運び出させたが、なぜかパンRがいる。「息はまだある、右肩に4寸もの深手が…毒はできるだけ絞り出しておいたわ」「分かりました、この件は…」「安心して、私は何も見ていない でも生死に関わらず、明日、状況を教えて欲しいの、茶坊で待ってる」パンRは瀕死の状態で運ばれて行く顧千帆を桟橋で見送った。皇城司に運び込まれた顧千帆は朦朧とした意識の中で陳廉を呼んだ。「私は目が覚めたと斉中丞に伝えろ…それから…」顧千帆は雷敬(ライケイ)に聞こえないよう陳廉の耳元で囁き、再び意識を失ってしまう。パンRはやっとの思いで桂花巷(ケイカコウ)へ戻った。帰りを待っていた宋引章(ソウインショウ)が声をかけたが、パンRは逃げるように母屋に入ってしまう。すると何も知らない引章が部屋に入ってきた。「寿宴で顧副使に助け船を出してもらったでしょう? お礼に宴席を設けたいけど訪ね先を知らないから…陳廉に聞いてくれない?」パンRは事情を言えず、顧副使は忙しいので時間がないと答えた。「なぜパンR姐が知っているの?」「…知っているからよ!」動揺していたパンRは思わず声を荒らげ、驚いた引章は泣きながら出て行ってしまう。孫三娘(ソンサンニャン)はパンRに何かあったと気づいて様子を見に行った。しかしパンRは泣き顔を見せまいと寝所に入ってしまう。三娘はひとまずそのままそっとしておくことにした。するとほとんど眠れなかったパンRが早朝から出かけて行くのを見つける。三娘は憔悴したパンRを心配して店を休むよう勧めたが、パンRは顧千帆が心配で居ても立っても居られなかった。そこへ葛招娣(カツショウテイ)がやって来る。「引章姐が具合が悪いから休むって…」「そう、ご勝手に…」パンRは話もそこそこに慌てて出かけてしまう。さすがに招娣もパンRの異変に気づいたが、三娘はとにかくすぐ後を追うよう頼んだ。半遮面(ハンシャメン)には今日も引章の琵琶を目当てに満席だった。しかし引章が店に来るかも分からず、その上、この蒸し暑さの中、氷が手に入らなくなってしまう。パンRは製氷店に交渉に行ったが、実は池蟠(チハン)の嫌がらせだと分かった。三娘と招娣は店をパンRに任せて氷を探しに出かけた。三娘は顔が広い招娣に銭を託して氷の仕入れを頼み、引章の様子を見に行くことにする。その時、偶然、学童たちにからかわれている杜長風(トチョウフウ)と遭遇した。すると学童が杜長風めがけて放ったつぶてが運悪く三娘に命中してしまう。杜長風は子供の遊びだと寛大だったが、三娘は額から血を流しながら激高した。「懲らしめなきゃ気が済まない!」三娘は書院に乗り込み、師である杜長風をからかう子供たちを厳しく叱りつけた。「師範をあがめないなんて、一体ここで何を学んでいるの?! どれだけ自分が恵まれているか分かっている?!」三娘は銭塘(セントウ)に残してきた息子を思い出し、当時は半年も働いてようやく都落ちの知識人を師に招くことができたという。すると三娘は杜長風が無官だとしても実力で及第した堂々たる進士だと訴えた。「あんなたちに寛容なのはなぜか分かる?誰よりも度量が大きいからよ! 愛してくれる人を大切にしないで、反対に…ぁぁ〜もういいわ」一方、港で買い物をしていた招娣は運悪く母親に見つかった。「捕まえた!離さないよ!」母親は招娣の足にしがみついて大泣き、周囲の目を気にした招娣は咄嗟に銭をばらまき、母が拾っている間に逃げ出した。杜長風は三娘が書院に起き忘れた籠を持って追いかけた。三娘は悪童に何も言えない杜長風を意気地なしだと蔑んだが、不思議と間抜けなところが憎めない。すると三娘は陳廉から聞いた杜長風の目の話を思い出し、それは病のせいだと教えた。「これちょうだい…」三娘は豚の肝を買って杜長風に渡すと、30日間1切れずつ食べるよう勧めて帰ってしまう。顧千帆は翌朝になっても目覚めなかった。すると蕭欽言が手配した鍼の第一人者が駆けつけ、治療を始める。陳廉は顧千帆に付き添い、悲しみに暮れた。「パンR姐が今も知らせを待っています…助かったのはパンR姐のおかげなんですよ? 素早い対処がなければ今頃は…ゥッ…パンR姐の思いに応えて早く起きてください」「…応えるとも」その時、顧千帆がついに意識を取り戻した。「託したことはやり遂げてくれたか?」「はい」「中丞は何と?」「最初の言葉はこうだったそうです…″崔指揮はいつ死んだ?蕭欽言は生きているか?″」「私のことは?」「36言目に…」顧千帆は叔父に深く失望し、皆が止めるのも聞かず起き上がった。三娘は店を休んだ引章に食事を差し入れた。しかし引章は食べたくないと器を払い落としてしまう。三娘はこれまで我慢していた不満が爆発、確かに蕭府で面目を施したが、だからと言って家族に威張り散らすなと叱った。「″風骨″の揮毫(キゴウ)だけで公主にでもなったつもり?! 不機嫌になるたびパンRがなだめてる、なのにあんたは茶坊で琵琶を弾こうともしない 3人で開いた店でしょう?」「ごめんなさい、でも本当に具合が悪くて…」「パンRは歩くのもおぼつかないのに茶坊に出てる、暑さに弱いあんたに薄味の料理をって… あんたはパンRを気遣ったことがある?…パンRはあんたに借りはないし、母親でもないのよ?」半遮面の裏庭に陳廉に付き添われて顧千帆が現れた。するとパンRは思わず抱きつき、泣いてしまう。「助かると信じていたわ…」「会えて安心した、私なしでは君は喧嘩できないし、散歩や商いもできないだろう?」しかし運悪く店にやって来た引章が2人の抱き合う姿を見てしまう。引章はようやく気づいた。これまで2人が一緒にいたのは偶然ではなく、恋仲だったからだと…。引章は店から飛び出し、桟橋にたどり着いた。すると姿が見えない引章を探していた三娘が現れる。「さっきは言い過ぎたわ…」「平気よ、譜面を探しに好好(コウコウ)姐のところへ行くだけ でも本当に紛失して顧副使の怒りを買ったらパンR姐はとりなしてくれる?」「もちろんよ、婚約の日も近いし、譜面なんて大したことないわ」三娘は引章に鎌をかけられ、うっかり口を滑らせた。引章は自分だけ蚊帳の外だったと知り、深く傷ついた。そこで沈如琢を訪ね、気持ちに変わりはないか確認する。「もちろん…真珠のような君に市井(シセイ)の泥は合わない 今後は私が君の面倒を見て守ってやりたい」つづく|ω・`)、今回ばかりは引章が可哀想だわ~
2023.05.18
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君九龄 Jun Jiu Ling第38話「民を守るために」皇帝や朝臣が逃げ出す中、君九齢(クンジゥリン)と賢(ケン)王が都を守るため立ち上がった。寧炎(ネイエン)も私兵を率いて合流したが、民の不安を払拭して団結させるには先帝の長子である懐(カイ)王・楚九穃(ソキュウヨウ)が先頭に立つ必要があるという。そこで九齢は懐王府に駆けつけ、九穃に事情を説明した。「戦場は危険です…行かれますか?」「もちろんだ、皇族としての務めを果たす」すると陸雲旗(リクウンキ)が残して行った武徳司が九齢と懐王を守ると誓った。朱瓚(シュサン)は北祁(ホクキ)皇帝の暗殺に成功したものの深手を負っていた。しかし張宝塘(チョウホウトウ)と李三氷(リサンヒョウ)が北方に身を潜めていた方承宇(ホウショウウ)を頼り、一命を取り留める。一方、都では北祁の侵攻を知った民たちが避難しようと城門に押しかけていた。賢王は正直に皇帝が逃げたと知らせたが、自分たちが守ると説得する。まだ幼い懐王と九黎(キュウレイ)公主も必死に一緒に戦おうと訴えたが、やはり民の不安は拭えなかった。すると九齢が一歩前に出て、共に城門を守り、故郷を守ろうと決起を促す。「皆さん、痘瘡(トウソウ)は治せない病だと言われていました でも私が治ると鼓舞して皆で打ち勝ったのです 心を1つにすれば城門を守れる、北祁を追い払えます 将兵の命に従い力を合わせれば大丈夫、私たちの家を守ることができるわ! 勝機を作り、援軍の到着を待ちましょう!」九齢に鼓舞された天侑(テンユウ)の民は立ち上がり、一丸となって都を守ることになった。しかし正直なところ九齢も勝算があるとは言い切れない。するとその夜、北祁軍が城門の前で人質を殺して見せしめにした。九齢はその残忍なやり方に憤りながら、九穃に天侑の主としてこの犠牲を決して忘れてはならないと訴える。一方、朱瓚は無事に目を覚ましていた。承宇に助けられたと気づいて安堵したが、ふとすでに9日だと聞いて飛び起きる。「行かねば…都に九齢がいる」朱瓚はふらふらになりながら着替え始めた。すると九齢の危機を知った承宇も同行すると決める。その頃、北方では北祁軍が慌てて撤退していた。成国公(セイコクコウ)・朱山(シュサン)は朱瓚が暗殺に成功したと気づき、直ちに都へ戻ると決める。清河伯(セイカハク)は朱瓚の消息がないことが気がかりだったが、成国公は国のために犠牲になったとしても後悔はないはずだと言った。翌朝、ついに北祁軍が城門に突撃した。陳七(チンシチ)は将兵や民と一緒に城門を死守、方錦繍(ホウキンシュウ)と柳児(リュウジ)は怪我人の手当に奔走し、九黎も自ら配給を手伝う。その頃、行宮に避難した楚譲(ソジョウ)は都がまだ陥落していなことに驚いていた。聞けば九齢が賢王、懐王、寧炎と共に城門を守っているという。「誰が懐王を連れ出した?」「君九齢です」「またあの者か…」すると楚譲は玉璽(ギョクジ)が見つかったか聞いた。袁宝(エンホウ)はまだ見つからないと謝罪したが、その時、陸雲旗が探してもないのなら御書房にあるのだろうと取り繕ってくれる。寧雲釗(ネイウンショウ)は陸雲旗の協力に感謝したが、九齢のためだと分かっていた。錦繍は炊き出しに来ない陳七を心配し、差し入れを届けた。錦繍の手作りだと気づいて喜ぶ陳七、しかし錦繍は照れ隠しに買ってきたと嘘をつく。「沢(タク)州の味が出せる店なんてないさ、ふっ」「…死ぬなら一緒よ」「一緒に?!」「…あ、九齢と一緒にってことよ」錦繍は素直になれなかったが、その時、武器が到着した。「錦繍、城楼に武器を運んだら残って戦うよ…元気で」「陳七…もし死んだら許さないから!」陳七は小さくうなづいて出かけて行った。城楼に突然、九齢を迎えに懐王の師である顧(コ)先生がやってきた。実は陸雲旗から頼まれていたと話し、九齢と両殿下を脱出させる時機を見計らっていたという。「もう脱出していい頃合いです、懐王殿下の名声は十分、広まりました 敵の侵入は防げぬやも…楚家の血を残さねば」しかし九齢は決して逃げないと拒み、名声や王位のためではないと訴えた。北祁軍の攻撃が続いた。ついに敵軍が城楼に到達、激しい攻防戦の中、賢王も剣を抜き応戦する。すると合図の戦鼓を叩いていた兵士が射抜かれ、倒れた。それを見た九齢は九穃を連れて駆けつけ、必死に戦鼓を叩き続ける。「敵を倒せぇぇぇ!全員が戦士だぁぁぁ!」城門に九齢の号令が響いた。後方で見守っていた北祁太子・郁遅海(イクチカイ)はもうすぐ都が手に入ると喜んだ。隣には側近で黄誠(コウセイ)と通じていた皇太子の替え玉がいる。その頃、城楼では寧炎が敵兵に刺されていた。兵士が慌てて寧炎を避難させる中、城門では錦繍が女たちを連れて駆けつけ、陳七たちに加勢する。命懸けで都を守る天侑の民、その頃、朱瓚や援軍も都へ急いでいた。つづく( ๑≧ꇴ≦)結局、美味しいところを全部、持っていく九齢w
2023.05.17
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君九龄 Jun Jiu Ling第37話「敵軍の襲来」陸雲旗(リクウンキ)は皇帝に君九齢(クンジゥリン)が沢(タク)州へ向かったと嘘をつき、金十八(キンジュウハチ)たちに後を追わせて取り繕った。一方、成国公(セイコクコウ)・朱山(シュサン)に代わり臨時の鎮守職に就いた清河伯(セイカハク)だったが、頻繁に配置換えを行ったせいで綻びが生じ、北祁(ホクキ)の皇太子に攻め込まれてしまう。朝廷は包囲された清河伯の消息がつかめず、援軍を送るも半分は行方知れずになった。皇帝が逆賊となった成国公の切り捨てを命じ、朱山たちは自由に動けなかった。しかし北祁の動きを読んでいた朱山は朝廷が送った援軍と合流、北祁の兵糧を奪うことに成功する。郁(イク)夫人は勝手に兵を動かしたことで追及されると心配したが、配下は元はと言えば清河伯のせいだと嘆いた。「貴方様がいなければ負けていました」すると朱瓚(シュサン)は今なら北祁国内の防御がおろそかなはずだと気づき、密かに北祁に潜入して皇帝を暗殺すると決める。朱山は危険すぎると反対したが、張宝塘(チョウホウトウ)と李三氷(リサンヒョウ)がお供を申し出た。「父上、母上、どうかお元気で…行って来ます!」その頃、監禁された九齢は朱瓚の身を案じていた。…朱瓚、元気にしている?同じ頃、敵地へ向かった朱瓚も九齢のことを考えていた。…九齢、元気にしているか?今回は戻れぬ可能性もある、だが君に会うため必ず生きて戻る朱山は援軍を率いて清河伯の陣営に到着した。清河伯は成国公が援軍を奪い、双方が消耗するのを待って英雄気取りで現れたと呆れたが、兵士たちが否定する。実は朱山は清河伯が奇襲を受けることを察し、北部で攻撃をかけ、敵を挟撃(キョウゲキ)していた。むしろ進退窮まっていた清河伯たちを救出してくれたという。すると朱山が今は言い争っている場合ではないと訴えた。「都を救わねば…6万の敵軍が東の郊外にいる」「何だって!敵の真の狙いは北方ではなく都であったのか…もう終わりだ」何も知らなかった清河伯は落胆したが、朱山はすでに一部の軍を都に差し向けたと教えた。「諦めるのはまだ早い、だが急がねば、間に合えば良いが…」陸雲旗は知らせを受け、慌てて武徳司に戻った。「何事だ…?」実は金十八たちが北祁軍の待ち伏せに遭い、金十八は虫の息となって運び込まれた。「陸大人…早くお逃げください…」すると金十八は絶命してしまう。九齢は何とか縄を切ろうと奮闘していた。するといきなり陸雲旗が飛び込んでくる。「北祁が来る!官兵が買収され百芒(ハクボウ)城の門を開けた」精鋭たちは北方の前線に送られ都は手薄、陥落は時間の問題だろう。実はすでに皇帝も避難の準備を進めていた。陸雲旗は九齢の縄を解いて一緒に逃げることにしたが、九齢は拒む。「皇帝が逃げて民心が離れたら本当に終わりよ…」「だから今のうち逃げるのだ!行くぞ!」「陸雲旗!…私は国を守る、父皇はこの国と民を守ると誓ったわ、その誓いを忘れてはならない」「…九齢、ついに認めたな」陸雲旗は今度こそ九齢を救いたいと訴え、九黎(キュウレイ)公主を娶ったのも九齢の大事な家族を守るためだったと明かした。この地位にしがみついているのも大切な人を守るため、世間に悪人だと罵られようが、皇帝の犬と蔑まれようが、全ては九齢のためだったという。しかし九齢は人生には生死より是非が大事な時があると言った。「私は安穏と生きるより、父皇の理想や志を受け継ぎ、何があっても民を守る これが私の選んだ人生なの…私を思っているなら好きにさせて」すると陸雲旗は武徳司の令牌を外し、九齢に渡した。「私が間違っていた、君さえ私のそばにいて安全ならいいと思っていた 九齢、約束してくれ、必ず生き延びると…九黎と九穃(キュウヨウ)のことは任せてくれ」敵軍が都に迫っていた。九齢は急いで九齢堂に向かったが、なぜか大街は平常通り、民たちが慌てている様子はない。…何てこと?朝廷は北祁の侵攻を隠しているのね、自分さえ逃げられればどうでもいいの?…一方、宮中では袁宝(エンホウ)たちが大慌てで皇帝の荷物をまとめていた。すると寧雲釗(ネイウンショウ)が現れ、皇帝が呼んでいると嘘をついて袁宝を書斎から遠ざける。寧雲釗はその隙に玉璽(ギョクジ)を箱から盗んで袂に隠したが、その時、陸雲旗が現れた。「寧大人?…出立しますよ」九齢堂にようやく九齢が戻った。しかし再会を喜んだのも束の間、方錦繍(ホウキンシュウ)たちは北祁が攻めて来ると知る。皇帝は民を見捨ててすでに腹心たちと逃げ出し、九齢は都を仕切れるのが賢(ケン)王だけだと気づいた。「…賢王に会ってくる、錦繍、あるだけの銭で武器を買い占めて 陳七(チンシチ)は武器の分配を、それと武器の材料を買い集めて 柳児(リュウジ)は今晩中に食料を買い集めておいて、商人が値を釣り上げるのを防がなくては…」こうして九齢と九齢堂は都を守るため動き出した。九齢は賢王に直談判、十数万の民と共に戦って欲しいと嘆願した。「北の軍が戻れば勝機はあります」しかし賢王は皇帝の命でなければ兵馬司が言うことを聞かないと困惑する。すると九齢は拝跪し、身分を明かした。「かつてのお言葉を実現してください、″北祁を退け民を守る″とおっしゃったわ …皇叔、私は楚九齢です」賢王はにわかに信じられなかったが、九齢は御膳房の桂花餅(ケイカモチ)を知っていた。九齢の誕辰に必ず先帝と一緒に作った桂花餅、賢王は顔が違っても確かに九齢本人だと確信する。「九齢なのだな…そなたが男なら国を守る柱となっただろう」そこで賢王は兵馬司に掛け合い、私兵を動員することにした。「皇叔、世子爺の行き先をご存知ですか?」「それが…都を離れてからは分からぬ」翌朝、皇帝は朝議に現れなかった。すると探しに向かった太監が皇帝がどこにもいないと報告、三皇子の姿も見えないという。一方、方承宇(ホウショウウ)は三桃(サントウ)と一緒に北方で身をひそめていた。そんなある日、突然、宝塘と三氷が深手を追った朱瓚を連れて現れる。「姐夫(ジェフー)、何があったんだ?!」「北祁皇帝を暗殺した際に大怪我を…やっと逃れて来ました」朱瓚は弓が背中から貫通し、意識がなかった。賢王は九齢と一緒に城門の守りを固めていた。そこで賢王は将軍に特に北門に注意するよう頼む。「恐らく北祁はここを攻めてくるだろう、戦闘の合図は太鼓だ、鳴っている間は手を緩めるな」九齢は陳七に徳盛昌で武器を受け取って来るようたのみ、錦繍と柳児には有志を募って物資の配給を頼んだ。すると寧炎(ネイエン)が私兵を連れて合流する。つづく( ;∀;) ルールー、サイコだけど良い人やん ←違うw
2023.05.16
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梦华录 A Dream of Splendor第24話「″帽妖″再び」荒地を駆け回る抱一(ホウイツ)仙師を追って過酷な日々を続ける欧陽旭(オウヨウキョク)。その夜も民家の軒下で激しい雨をしのぎながら、食べ物を探しに出かけた書童・子明(シメイ)の帰りを待っていた。すると突然、賊が現れ、ある物を出せという。図体の大きな男はいきなり欧陽旭の首をつかみ、その間に小さな男が荷物をあさった。「あったぞ!」男は高慧(コウケイ)が送った文や誓いの品を取り返すと、欧陽旭の腕をつかんで婚約解消書に無理やり拇印を押させた。欧陽旭は高鵠(コウコク)の仕業だと分かった。しかし実は男たちを手配したのが高慧本人だと知る。今や高慧は趙盼児(チョウパンアール)と親しく、婚約のことも全てばれていた。「今夜のことを公にしてみろ、高家が見逃しても皇城司が許すまい 趙娘子(ニャンズー)はまもなく皇城司の顧千帆(コチェンファン)に嫁ぐからな」あくどい高慧がなぜパンRを許したのか。欧陽旭は呆然としていたが、何より衝撃を受けたのはパンRの裏切りだった。「趙盼児…なぜ君は他人に嫁ぐのだ?…顧千帆と言ったな、絶対に許すものか!」宋引章(ソウインショウ)は敬愛する顧千帆と自分を尊重してくれる沈如琢(シンジョタク)の間で心が揺れていた。…欲張ってはだめ、絶対に…すると自分を探しているパンRの姿を見つける。「引章?どこへ行ってたの?」「教坊司の人が迎えに来てくれて…他の芸妓もいたからその人たちを送ってから帰って来たの」引章は沈如琢の舟で送ってもらったとは言えなかった。斉牧(セイボク)は顧千帆から証人を引き取った。そこで殿前司(デンゼンシ)・崔(サイ)指揮を屋敷に呼び、安(アン)国公の罪を証明するよう指示する。「しかしそれでは蕭欽言(ショウキンゲン)が無傷なのでは?」「なぜ柯政(カセイ)の弟子と同じ考えなのか?…そう言えばお前の姉は鄭青田(テイセイデン)の妻だったな? お前は姉のため、柯政の弟子は師のために敵を討つのだな だがみんな単純過ぎる、帽妖騒ぎをでっち上げたくらいで陛下が蕭欽言に疑念を抱くと思うか?」斉牧は全て安国公に押し付ければ一石二鳥だと言った。これで蕭欽言に打撃を与えつつ、自分たちは無関係だと示し、皇帝も蕭欽言を警戒して立太子を急ぐだろう。そうすれば政に皇后が干渉する余地がなくなり、皇后派は権勢を失うはずだ。( ゚ェ゚)そうなの? ←全然、分かっていない管理人w桂花巷(ケイカコウ)では孫三娘(ソンサンニャン)と葛招娣(カツショウテイ)が引章のため宴を準備していた。身振り手振りで誇らしげに寿宴の話を続ける引章、するとパンRが夏向きに顧千帆が剣舞で作った魚膾(ギョカイ)を半遮面(ハンシャメン)でも出そうと提案する。しかし引章は高尚な場で低俗な物を出すのは駄目だと反対した。「パンR姐(ジェ)、半遮面は雅さが売りだと言ったでしょう? 茶坊の経営も3人全員が賛成しないと駄目だって…忘れたの?」招娣は三娘の片付けを手伝いながら、なぜ引章があそこまで怒ったのか分からないとぼやいた。「名をあげたから自分が誇らしいのよ」「でもパンR姐の前で顧副使を褒めるなんて…気まずいよ」「引章は知らないの」「えーっ?!陳廉(チンレン)さえ気づくのに?」すると招娣は寿宴から戻った引章は別人のようだと言った。「じゃあ魚膾は売らないの?三娘姐の料理は菓子よりもっと美味しいのに〜 茶坊にこだわる必要が?酒楼なら料理も茶も出せるのにな」顧千帆はパンRを舟遊びに誘い、斉牧が仲人でなくても嫁いでくれるか聞いた。パンRは仲人など誰でも良いと笑い、それより酒楼を開きたいと明かす。しかし顧千帆は文人が集まる茶坊と違い、酒楼には色々な客が来ると心配した。「でも父が官吏だったから官界の事情も少しは知ってる 豊登楼(ホウトウロウ)は自警団長の母親の店だし、朝廷の妃の親族にも料理店を営む者は多いわ」「私のためなら不要だ」「違うわ、商いを大きくすれば自分で客をもてなさずに済むし、三娘も厨房に集中できる それに夫婦たるもの、互いに思いやり合うべきよ」「…ありがとう」「でも引章はついてこないかも…」実は引章は柯政(カセイ)から揮毫(キゴウ)をもらって依頼、傲慢になっているという。その時、茶湯巷(チャユコウ)が急に騒がしくなった。「帽妖(ボウヨウ)が現れた!逃げろ!」解決したはずの帽妖が現れた。焦った崔指揮は斉牧を訪ね、証人を奪われた皇城司の腹いせではないかと疑う。「例の罪人は牢獄にいるのになぜ街に帽妖が?しかも我々が陛下に報告する前日に現れるなんて…」斉牧はあり得ないと声を荒らげたが、結局、時機が来たら″黒幕は皇城司″と報告させることにした。「雷敬(ライケイ)が顧千帆に罪を着せたらどうすれば?」「雷敬でも顧千帆でもどちらでもいい、2人とも皇城司の人間だ… 立太子を邪魔する者は決して容赦せぬ」工エエェェ(;╹⌓╹)ェェエエ工パンRと三娘は酒楼の開業に前向きだった。しかし三娘は自分たちが酒楼を開くほどの銭を稼げるかが問題だという。するとパンRは顧千帆に頼るつもりだと明かした。三娘は東京(トウケイ)での成功も欧陽旭と別れたおかげだと思うと感慨深い。「そうね、欧陽に嫁がなかったことは今まで生きて来た中で最も幸運だった…ふふ」( ゚ェ゚)頼るって…そうなの?半遮面には一躍時の人となった引章の琵琶を聞こうと大勢が押しかけた。しかし引章は疲れたので止めたいという。パンRは常連が待っていると頼んだが、引章はうっかり沈如琢の言葉が口をついて出た。「もう以前とは違う、数百文のはした金や文人崩れ相手に演奏しろと? ″風骨″の揮毫に顔向けできない、1回で十分よ」「でも私たちはその″はした金″や″文人崩れ″なくして東京で生きて行けないわ ″風骨″とは形ではなく、心にあるものよ」すると引章はあと1回だけという条件でしぶしぶ2回目の演奏を始めてくれる。一方、1階では杜長風(トチョウフウ)が引章の演奏を聴きながら涙していた。陳廉から杜長風の話を聞いていた三娘は菓子を差し入れ、ちょうど店に届いた氷を持たせて暑さをしのぐよう勧める。「高家から面倒をかけられていないか?」「気にしないで、もう大丈夫よ、菓子はおごるわ」東京のこの所の蒸し暑さで製氷店は大繁盛だった。池蟠(チハン)は引章のせいで張好好(チョウコウコウ)と喧嘩別れになったと逆恨み、製氷業の会頭である立場を利用して半遮面に氷を売らないよう命じてしまう。顧千帆は昨日の帽妖騒ぎが父の仕業だと考え、その夜、密かに蕭欽言と接触した。「ばれたか…わざわざ茶湯巷を選んだのはパンRの商売敵を困らせるためだ 未来の舅として私も配慮している」蕭欽言は冗談めかして認め、実は帽妖事件の黒幕は安国公ではなく斉牧だと教えた。にわかに信じられない顧千帆、しかし蕭欽言は帽妖の件で皇帝が自分に疑念を抱いた場合、最も利を得るのは斉牧だという。「斉牧が当時、皇城司に入るよう勧めたのは母方の親族の情からだと思っているのだろう? しかし知っているか?私と淑娘(シュクジョウ)の婚儀の時、あやつは花婿側の介添人だった」顧千帆は呆然となった。斉牧は自分の素性を知りながら、文官を諦めさせて悪名高き皇城司に入らせたという。蕭欽言も顧千帆が亡き母を誥命(コウメイ)夫人にして朝廷に供養させ、墓を立て直したいという目的を知っていた。そのためこれまで顧千帆の選択を尊重して見守ってきたが、首輔の座に返り咲いた今、斉牧は自分たち父子の仲を脅かそうとしている。「確かに昨日の騒ぎは私だ、だが今日のは違う」蕭欽言は顧千帆の目を覚まさせるため、″今夜は護衛をつけずにお忍びで月見をする″と動静を漏らしていた。「斉牧の配下たちは私をどうするかな?こんな好機をみすみす見逃すだろうか?」驚いた顧千帆はすぐ帰るよう訴えたが、蕭欽言は命懸けで顧千帆を助けると笑って船に乗ってしまう。蕭欽言の船が桟橋を離れると、早速、刺客が現れた。次々と船に襲いかかる刺客たち、すると思いがけず蕭謂(ショウイ)が父を助けにやって来る。しかし蕭謂は刺客に腕を斬られ、もはや父の盾になるしかなかった。その時、顧千帆が現れる。「蕭宰相を守れ!」蕭謂は父を連れて客室へ逃げ込んだ。孤軍奮闘する顧千帆、その時、ある刺客の覆面を剥ぎ取ることに成功する。しかしその下から現れたのは見覚えのある顔だった。「崔指揮?」つづく
2023.05.15
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苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第12話水雲天(スイウンテン)では雲中君(ウンチュウクン)が涌泉(ヨウセン)宮に見張りをつけ、長珩(チャンハン)を牽制していた。今や誰もが小蘭花(シャオランファ)を月族の間者だと決めつけ、雲中君も長珩と小蘭花の仲を疑っているのだろう。すると丹音(タンイン)仙女が差し入れを届けにやって来た。丹音は恩人である小蘭花を間者だとは思えないと訴え、もし助け出す方法があるなら協力したいと申し出る。そこで長珩は水雲天を抜け出すため、方術で丹音と入れ替わった。巽風(ソンホウ)と南北の幽王が月尊に謁見した。しかしなぜか仙族の娘が月尊のそばに控えている。北幽王は政事に関わらせるのはいかがなものかと難色を示したが、仙女から尊上に意見するのかと凄まれてしまう。すると南幽王が月尊の命に従い、仙族に反撃する策を上奏した。「…最も守りが薄い瀟(ショウ)水から攻めましょう、内から守りを崩して水雲天を皆殺しにします! 草一本たりとも残しません!」「何だと?!…もう一度、言ってみろ!」小蘭花は″草一本たりとも″と聞いて激高、思わず玉座を降りて南幽王の図面を取り上げ、燃やしてしまう。「私は父を殺した大罪を思い出すにつれ、良心がとがめ、悔やんでも眠れぬ ゆえに本日より、残酷な殺生は2度とせぬ! これからは三界の平和のため、月族の安寧に努める!解散!」「父上を思い出す?…その後悔はいささか遅いのでは?」巽風は兄の言葉に耳を疑った。「お前が遅くないと思ってくれれば遅くないのでは?」小蘭花はうっかり口を滑らせ、尻尾をつかまれる前に慌てて皆を下げた。東方青蒼(ドンファンチンツァン)は小蘭花の勝手な振る舞いで月尊の威厳を損ねたと激怒した。しかし小蘭花はその威厳のせいで弟に好かれないのだと呆れる。東方青蒼は好かれなくても良いと言ったが、ふと共に育った弟なら秘密に気づいたかもしれないと焦った。「はいはい…バレたら私たちは無惨に殺されちゃうのね~」「…忘れよ、いずれにせよ明晩には雷が落ちる、それまでは私から離れるな」「でも沐浴の時はどうするの?」一方、水雲天では澧沅仙尊(レイゲンセンソン)が娘を探して涌泉宮を訪ねた。「でぃえ!」丹音はうっかり″パパ″と呼んでしまったが、慌てて取り繕う。そこで丹音はもしや小蘭花が息山神女(ショクサンシンニョ)ではないかと聞いてみた。澧沅は息蘭聖草を見たことがあったが、小蘭花の真身は見たことのない葉や茎だったという。…小蘭花が長珩仙君の許嫁なはずないわ、何が天極鏡よ、ふふ…丹音は安堵したが、そこへ容昊(ヨウコウ)が現れた。東方青蒼は自分になりすましてやりたい放題の小蘭花に仕返しすべく、沐浴すると言い出した。焦った小蘭花は身体を見られたくない一心で、自分が洗うと申し出る。こうして東方青蒼は目隠しをして浴槽に浸かり、小蘭花は指示されるまま自分の身体を磨いた。しかしその様子を侍女に見られてしまう。小蘭花はなぜ巽風を幽王にしないのか聞いた。東方青蒼の話では蒼鹽海(ソウエンカイ)では南幽と北幽の勢力が最も大きく、祖父の代に内乱を避けるべく王位を与えたという。「3万年前、蒼鹽海の混乱に乗じ2人は動き出したが、私が鎮圧して再び帰順させた」「2人はあなたを恐れているのに巽風のことは恐れていない だからあなたがいない隙に月尊の座を奪おうとしたのね なぜ戻った時、2人を罰しなかったの?」「内応者を捕らえる」「内応者?って誰?!」 澧沅仙尊は長珩の正体に気づかず帰って行った。しかし容昊は長珩の朋友、すぐ様子がおかしいと勘付いてしまう。容昊は長珩が偽物だと見破って術を解くと、驚いたことに正体は丹音だった。「丹音?!長珩はどこだ?!」巽風は侍女から東方青蒼が仙女の身体を洗っていたと聞いた。常に孤高の存在だった東方青蒼の変貌ぶりに驚愕する巽風、すると侍女が最近の月尊はまるで別人のようだと訴える。「別の者か…」そこで巽風は兄の正体を探るため、兄弟で腕比べしたいと申し出た。断る理由を探す小蘭花だったが、巽風は掟により上下間の腕比べは拒めないと迫る。「よそ者がいると技を盗まれます、早く追い出してください」すると東方青蒼は″觴闕(ショウケツ)″と囁いて出て行った。小蘭花は東方青蒼の示唆で妙策を思いついた。「お前の進歩を見るのに私が自ら手を出すまでもあるまい…觴闕、お前が手合わせしてやれ」「しかし幼い頃、兄上に教わった黒殺斬(コクサツザン)は恐るべき技、觴闕に防げるかどうか…」すると觴闕は試せば分かると言った。小蘭花は危機を乗り切り寝殿に戻った。しかし巽風は東方青蒼が偽物だと気づいてしまう。実は東方青蒼は巽風に黒殺斬を教えていなかった。子供の頃に何度も教えて欲しいとせがんだが、東方青蒼は大人になったら教えるとはぐらかし、結局、教えてもらう前に東方青蒼が父を殺してしまう。それ以来、兄弟は不仲になった。「それを知らないとは…」巽風はいつもそばに張り付き、見張っている仙女を疑った。東方青蒼の弱みを握った巽風はその夜、海市首領と接触した。容昊は月兵の1人を犠牲にして祟気(スイキ)の威力を見せつけ、弱っている東方青蒼ならたやすく殺せるという。一方、東方青蒼は嵐が来るのを今か今かと待っていた。小蘭花は元に戻ればまた閉じ込めるのかと落胆したが、東方青蒼は従順なら閉じ込めないという。「本当に?嘘じゃない?」「本座に二言はない…ただしまた逃げようとしたら…」「本当に帰れないの?」「諦めるのだな、命ある限りお前は蒼鹽海に留まるのだ」「命が尽きる時は水雲天がいい!」するとついに暗雲が垂れ込め、雷鳴が轟いた。「暗松林(アンショウリン)へ行くぞ、雷はそこに落ちる」東方青蒼は小蘭花の霊力では万が一に対応できないため、法器を持って行った。小蘭花と東方青蒼は暗松林に到着、雷が落ちる場所へ向かった。その時、待ち伏せしていた容昊と蝶衣(チョウイ)が現れ、道をふさぐ。小蘭花は東方青蒼らしく自分が手を下さぬうちに去れと叫んだが、容昊はすでに東方青蒼が偽物だと知っていた。「月尊の正体は役立たずの仙女であろう?」(; ̄◇ ̄).oO(どうしよ~見抜かれてるすると容昊が祟気を放った。東方青蒼は咄嗟に前に出て小蘭花をかばったが、突然、水の陣から長珩が現れ、祟気を浴びてしまう。「長珩仙君!」小蘭花は自分の姿が東方青蒼だということも忘れ、思わず走り出した。そこで東方青蒼は法器を投げて結界を作り、小蘭花を別の場所へ飛ばしてしまう。「あれ?…長珩神君!東方青蒼?!どこ?!」長珩は身体から祟気を抜いたが、深手を負った。「私がいる限り小蘭花に手出しはさせない!」すると容昊は止めを刺そうとした蝶衣を止める。「…祟気で弱っている、傷つけるな、それより息山神女を追うぞ」海市首領と蝶衣が消えた。長珩は小蘭花の無事を知って安堵する。「一緒に帰ろう」思わず小蘭花の頬に手を伸ばす長珩だったが…。つづく( ๑≧ꇴ≦)ちゃんはんしぇんじゅ〜ん!
2023.05.14
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苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第11話小蘭花(シャオランファ)は激しい嵐の中、東方青蒼(ドンファンチンツァン)を中庭に連れ出した。そこでふいをついて唇を重ね、再び2人は入れ替わってしまう。すると嵐が収まり、急に晴れてきた。「止まった…ふん!嵐はあなたのせいだったのね!」東方青蒼は元に戻るため小蘭花に口づけしたが、唇を噛まれてしまう。「ペッペッ!…無駄よ!口づけだけじゃ元には戻れない!」「もしや…」東方青蒼は稲光が必要だと気づいて嵐を呼ぼうとしたが、小蘭花の霊力ではどうにもならなかった。「私の身体を返せ!殺されてもいいか?!」激怒した東方青蒼は小蘭花の首をつかんだが、そこへ觴闕(ショウケツ)が駆けつける。「尊上に何てことを!」觴闕はまさか仙女が東方青蒼だと気づかず、かついで牢に連れて行ってしまう。小蘭花はしばらく月尊になり切ってやり過ごそうと決めた。しかし復帰祝いの儀式で拝跪する臣下にうっかり拝礼し、生贄として連行された仙族の間者も解放してしまう。寝殿に戻れば護衛が目障りだと引き上げさせ、夜伽に押しかけて来た女たちは全員、追い出した。そこで觴闕を呼びつけ、東方青蒼がどんな人物なのか聞き出そうとする。「何をするのが好きで、どんな物を好むとか、普段の様子…率直に私の印象を教えてくれ」「尊上?なぜそんなことを…」「大戦で傷を負い、どうやら記憶にも影響したようだ…昔のことを思い出せぬ 今は霊力も途切れ途切れだし、幽王にも負けるかもしれないな」「他に知る者は?いるなら口封じを…」「だめーっ!…知っているのはお前だけだ!お前なら幽王から私を守れるか?」「まあ…一騎打ちなら何とか…」その時、突然、東方青蒼が飛び込んで来る。実は東方青蒼は小蘭花の腕輪で業火(ギョウカ)を放ち、脱獄していた。東方青蒼は自分になりすました小蘭花に飛びつき、口づけしようと迫った。小蘭花は觴闕に助けを求めたが、觴闕は2人の邪魔をしないよう慌てて出て行ってしまう。「だから稲光がなければ無駄なんだってば!」東方青蒼は小蘭花の言葉でふと冷静になり、もし中身が入れ替わっているとばれたら2人とも死ぬことになると警告した。驚いた小蘭花は東方青蒼の霊力で雷を呼ぶことにしたが、力はあっても使いこなすことができない。東方青蒼は仕方なく3日後に雷が起こると教え、それまで自分の指示に従うよう命じた。「覚えておけ、誰かの前でほころびを見せれば、私たちは共に死ぬことになる…分かったな?」「(゚ェ゚(。_。(゚ェ゚(。_。*)コクコク」留芳(リュウホウ)閣に密偵が戻った。侍女に成り済ました密偵の話では運命簿は東方青蒼が身につけているという。運命簿と息山神女(ショクサンシンニョ)を奪うためには東方青蒼を排除するしかないが、霊力では太刀打ちできない。しかし容昊(ヨウコウ)には崇気(スウキ)があった。蝶衣(チョウイ)は用心深い東方青蒼には容易に近づけないと訴えたが、容昊には協力者がいた。東方青蒼は自分の姿になった小蘭花に立ち振る舞いを教え込んだ。しかししがない下っぱ仙女だった小蘭花はいつも頭を下げる立場、人を見下すことなどできない。「もう疲れた~バタン!@ベッド」「もう良い、だが忘れるな、誰も恐れず、誰も信じるな」すると小蘭花は腹心の觴闕も信じないのか聞いた。自分なら入れ替わったことを觴闕だけには明かし、3人で力を合わせて戻る方法を見つけるという。東方青蒼は無邪気な小蘭花に呆れ、己しか信じないと言い放った。蒼鹽海(ソウエンカイ)では強者を尊ぶ。もし入れ替わったことが漏れれば月尊の座を狙い、皆が挑んで来るだろう。「それは違うわ、觴闕は心からあなたを思っている、裏切ったりしない あなたには他者の心も感情も分からないのね ぁ…ちなみに勝者は敗者を殺す決まりがあるの?」「決まってはいない」「それなら言うけど怒らないでね…ならどうして父親を殺したの?」容昊は巽風(ソンホウ)と接触、東方青蒼が蒼鹽海に戻ったと知って駆けつけたと言った。「3万年前、もし殿下の率いる軍が救援に向かっていたら東方青蒼は敗れなかったはず… それを問われて殿下の忠心を疑われたら何と弁明するおつもりで? とは言っても血を分けた兄弟、殿下が恨みを捨てて歩み寄れば月尊も過去を水に流すでしょう」容昊は父を殺された恨みなど忘れた方が良いと助言し反応を見た。すると巽風は例え命を失おうとも父の敵を討つという。実は海市の創設に力を貸してくれたのは他でもない巽風だった。容昊は3万年前、巽風のために南北の幽王を互いに牽制させ、九幽(キュウユウ)を守った。そして今度は敵討ちを手伝うことができるという。確かにこの数年、首領が陰で策を巡らせてくれたおかげで巽風は父上が固めた地盤を南北の幽王に奪われずに済んでいた。しかし相手が東方青蒼となれば話は別、一撃で倒せないのなら下手に刺激を与えるべきではない。「お手伝いはします、では時をかけて策を練り、機会を待ちましょう…」すると容昊は姿を消した。巽風はまだ幼い頃、兄が父を刺殺した場面を目撃していた。今でもその光景は昨日のことのように思い出される。一方、小蘭花も東方青蒼の口から父を殺したと聞いていた。しかしその表情には苦悩も後悔も見えない。「私は夢に見るほど両親が欲しかったのに、その手で父親を殺すなんて… 皆があなたを″ろくでなし″と言っていたけど、誤解だと思ってた」「私はろくでなしだ、お前もな…死にたくなければ″ろくでなし″になる術を学べ」「私は善良な仙女よ!」すると小蘭花は怒って東方青蒼を寝殿から追い出してしまう。「この者を見張り、中に入れるな!」ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ <はっ!つづく( ๑≧ꇴ≦)入れ替わってる方が面白いし上手いw
2023.05.14
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君九龄 Jun Jiu Ling第36話「逆賊の烙印」黄誠(コウセイ)に弾劾された成国公(セイコクコウ)・朱山(シュサン)は自ら軍務を退きたいと嘆願した。楚譲(ソジョウ)は隠居を認めて都で療養するよう命じたが、実際のところ引責辞任なのは否めない。民の間では功を求める成国公が戦を起こそうとしたため、皇帝がやむを得ず兵権を奪って罷免したと噂になった。君九齢(クンジゥリン)は成国公府に駆けつけた。すでに使用人たちは暇を出され、朱瓚(シュサン)の話では成国公夫妻は北方へ帰るという。「あなたは?」「私がいないと君が困る」九齢は皇帝がこのまま成国公を見逃すとは思えず、両親を無事に逃すのが朱瓚の務めだと訴えた。「私なら大丈夫」そこへ成国公と郁(イク)夫人が現れた。九齢は方家を救うため自分に功を譲ってくれたことが仇になったと責任を感じていたが、朱山はもともと目の敵にされていたのだと笑う。「これで君は本望を果たせるだろう」成国公の言葉に九齢ははっとした。「声望を得てこそより多くのことができる、陛下は君が疎ましくとも民意に背けぬ」その時、皇宮から使いがやって来た。皇后が君大夫を呼んでいるため急いで参内して欲しいという。朱山と郁夫人は九齢に別れを告げて先に屋敷を出た。朱瓚は両親を送って行くと決め、九齢に2年前のような愚かな真似だけはしないで欲しいと釘を刺す。すると九齢は今や生き続けることが最優先になったと安心させ、朱瓚と抱き合って別れを惜しんだ。九齢が丹鳳(タンホウ)門に到着すると、偶然、寧雲釗(ネイウンショウ)の馬車と一緒になった。建前上は決別した2人、そこで寧雲釗は歩きながらこっそり九齢に情報を伝える。「朝議後すぐ、再び召集がかかった、きっと一大事だろう」「ついに楚譲が堂々と動き出したのね、あなたもどうか身を守って」「九齢、君は成国公と関係が深い、注意を怠るなよ」2人はそれぞれのやり方で国と民のために尽力しようとしていた。黄誠は朱山を謀反の罪で罰するよう嘆願した。これまでも成国公を糾弾する上奏文は多かったが、今回は朱山が戦を起こそうと画策している証拠が見つかったという。それは朱山が北祁(ホクキ)の皇太子に送ったという文だった。「敵国とよしみを通じ、朝廷を裏切った証拠です!」…まずい、九齢がちょうど宮中にいる、巻き添えにならねばいいが…寧雲釗は九齢の身を案じたが、その不安は的中した。皇后の診察を終えた九齢はちょうど回廊を歩いていた。すると中庭を通りかかり、かつてここで家族と楽しい時間を過ごしたことを思い出す。その時、突然、陸雲旗(リクウンキ)が現れた。「懐かしいのかい?」「…意味が分からないわ」九齢は慌てて帰ろうとしたが、陸雲旗は九齢に薬を嗅がせて眠らせてしまう。九齢は見知らぬ寝殿で目を覚ました。しかし両手両足を縛られて動けない。_(:3 」∠)_ <起きたかい?ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノその声は婚礼衣装を着て隣にいた陸雲旗だった。九齢は慌てて寝台から転がり落ち、そのまま必死に門まではって行く。「誰か!助けて!」「無駄なことはよせ、私が封鎖した…今日、婚儀を挙げよう」部屋には2年前と同じ婚礼衣装が飾ってあった。「正気じゃない…来ないで!」「…分かった、行かない」←( ๑≧ꇴ≦)ルールーw聞き分けはいいwwwすると陸雲旗は君九齢が顔を変えた九齢公主だと悟った。実はここに連れて来たのは九齢を監禁するためではなく、皇帝から守るためだという。「ここが嫌なら別の場所へ行こう、君と一緒なら地の果てでも…」「気が触れたの?!来ないで!」「私は正気だ…君を愛しすぎたせいだ!」しかしどんなに訴えても陸雲旗の想いは九齢に届かなかった。(´・_・`)、<分かった、離れるよ…ここで君を守る ←素直なのよw北方へ向かった成国公一行だったが、追っ手に行く手を阻まれた。将軍は直ちに都へ戻って裁きを受けるよう勧告、やましいことがないなら都へ戻るべきだと訴える。しかし朱山はここで命を落とすことになろうと戻らないと抵抗した。「私は天侑(テンユウ)の安寧を保つため生死を顧みず戦って来た 私が忠臣か逆賊かは天地と自らが知っている、それで十分だ 良心の呵責はない!自分が選んだ道を貫き通す!」すると将軍は自ら腕を斬って交戦したと偽装し、成国公のために道を空けた。一方、陳七(チンシチ)は丹鳳門の前で九齢を待っていた。知らせを聞いた柳(リュウ)番頭は宮中を探してみたが、誰もが君大夫はすでに南門から出たという。しかし陳七は九齢が決して連絡もなしに帰らないと分かっていた。九齢はかつて沢州で一晩戻らず、方家を心配させた経験から消息を絶つなどあり得ない。その時、寧雲釗の側仕え・小丁(ショウテイ)が現れた。寧雲釗は人目のない裏道まで柳番頭を呼び出した。すると恐れていた通り九齢が戻ってこないという。「居場所は分かる、陸雲旗の所だろう」寧雲釗は九齢との決別が芝居だと明かし、自分が陸雲旗を調べてみると言った。「何か分かれば小丁が連絡する」皇帝は成国公が逃亡したと知り激怒、ついに朱山を討てと命じた。すると退廷した寧雲釗が陸雲旗を呼び止め、九齢をさらったのかと迫る。「成国公が逃亡して謀反が確定した今、九齢が突然、姿を消した…陛下はどう思うと?」「私を脅しているのか?」「私と九齢のことに関わるなと言っているだけだ」九齢堂に寧雲釗から報告が届いた。やはり九齢は陸雲旗にさらわれたが、皇帝ではないことが唯一の救いだという。陳七は患者に九齢が休養で実家に戻っているとごまかしていたが、いつまで騙し通せるか分からなかった。すると遅れて柳児(リュウジ)が九齢堂に戻ってくる。一方、九齢は監禁されたまま途方に暮れていた。そこへ陸雲旗が九齢の好物を買って戻って来る。「空腹だろう?口を開けて…」しかし九齢は顔を背けて食べようとしなかった。「成国公が気になるんだな…謀反の罪に定められた、都に連行され次第、処刑される」「そんなバカな…」「まあ私たちには関係ない争いだ、さあ食べて」激怒した九齢は腕を振り回し、料理を吹き飛ばした。「出て行って!」「そう怒るな…九齢堂は君を守るため沢州へ戻ったと言ってる そうだ、今日は寧雲釗が君に会わせて欲しいと言って来たよ、笑えるだろう? 寧雲釗は君が好きなんだ、さすが学があるやつは違うな~中身を見抜いたんだな…」「消えて…」(´・_・`)ショボン… ←素直に出て行くルールー成国公はなかなか捕まらなかった。人望が厚い朱山、恐らく多くの者が逃亡を手助けしているのだろう。陸雲旗はどちらにしても北方を目指していると報告、早速、清河伯(セイカハク)に知らせることにした。「頼んだ件はどうなっておる?」「徳盛昌が分家したゆえ、君九齢は沢州へ、金十八(キンジュウハチ)に追わせました」すると楚譲は方家が負け、朱家が倒れ、今こそ好機だという。「2度と逃すでないぞ」「はい」つづく( ;∀;)ルールーなりに九齢を助けているのにwww ←違うw
2023.05.13
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君九龄 Jun Jiu Ling第35話「動かぬ証拠」突然、方(ホウ)家に舞い込んだ承宇(ショウウ)の訃報。曹(ソウ)氏たちは絶望の中、弔問客たちの挨拶を受けていた。すると君九齢(クンジゥリン)たちが駆けつける。曹氏は跡継ぎを失った悲しみと怒りから九齢につかみかかり、葬儀は騒然となった。そこで九齢は高(コウ)執事に今日の弔問を終えるよう頼み、客人たちを帰して門を閉めてもらう。九齢は祖母たちに実は承宇が生きていると明かした。「祖母、これは承宇と考えた脱出策だったのです、どうか芝居にお付き合いください 楚譲(ソジョウ)の目を欺き、承宇の死を信じさせるのです」実は承宇は密かに朱瓚(シュサン)が北方へかくまってくれたという。こうして方家に再び笑顔が戻り、錦繍(キンシュウ)もわだかまりを解いて祖母との再会を喜んだ。その夜、曹氏は寝所に九齢を呼んだ。「世子爺はあなたを好きなのね…もしお前の伴侶になってくれるなら安心できるわ」九齢は何とも答えられず、それよりまだ方家の危機は去っていないと警告する。楚譲は取引の痕跡を隠滅しようとするはず、そこで印章以外に楚譲が残したものはないか尋ねた。曹氏は覚悟を決め、自分の寝所にある密室に九齢を案内した。実はこの部屋に来るのはこれが2度目になるという。「老爺が亡くなる前に一度、来たきり、その時に秘密を全て聞いたの、再び入る勇気はなかった…」隠し部屋には人質の太上皇を解放するため準備されたはずの官銀が残っていた。太炎3年、この銀子を溶かして馬蹄銀を作り、官銀は私財に化けたという。曹氏は道を誤った夫に憤り、この銀子で徳盛昌の富を築くと分かっていたら止めていたと嘆いた。思えば方家を襲った苦難も当然の報いだったのだろう。九齢はついに動かぬ証拠を手に入れ、感慨で胸がいっぱいになった。「…事実を白日の下にさらし、皇祖父と父皇の無念を晴らします」九齢の思いがけない誓いに曹氏は呆然、すると九齢は自らの素性を明かした。曹氏は慌ててひざまずき、これも方家が欲に目がくらんだせいだと謝罪する。しかし九齢は自分こそ借りがあると訴え、本物の君蓁蓁(クンシンシン)は自分の身代わりになって亡くなったと教えた。「祖母…方家の皆さんに守られ、ご親切を受けました、許されるなら蓁蓁のままでいさせてください」朱瓚は老夫人の寝室に密室があったと知り、なぜ秘密が漏れなかったのか合点がいった。官銀と印章があれば当時の楚譲の罪を証明できる。そこで九齢は徳盛昌の荷と一緒に官銀を運び出すと決めた。いよいよ核心に迫ってきた2人、すると朱瓚は九齢を抱き寄せ、実は両親がよくこうして話をしているという。「寄り添っていると心も近付くと言うんだ…九齢、いつまでも変わらず君を愛し続けるよ」( ゚ェ゚)・・・表向き承宇が亡くなり、九齢と方家の関係も悪化、残るは全国に数十店舗もある徳盛昌をどう処分するかだった。そこで九齢は祖母たちに分家して減らそうと提案する。「騒動を起こして3つに分けます、庶民にとって相続争いは格好の話の種だわ」朱瓚は注目されるほど安全だと言った。楚譲は袁宝(エンホウ)から方家の報告を聞いた。葬儀では方家の女たちが泣き叫び、跡取りを失った悲しみに打ちひしがれていたという。しかもその後、すぐ分家騒動が起きて役所の前で曹氏、劉氏、孫娘たちの罵り合い合戦が繰り広げられていた。「残された女たちは恐るるに足らずでしょう」「それは朗報だ」楚譲は安堵したが、すでに九齢と朱瓚は都へ出発したという。陸雲旗(リクウンキ)は成国公(セイコクコウ)が北方へ送った密書を奪い、皇帝に報告した。「…まだ北方の政策に口を出しておる」楚譲は思わず頭を抱えた。「分からなくなってきた…誰が忠臣で、誰が偽っているのか」すると楚譲は独りで考えたいと人払いした。九齢と朱瓚は途中で車列を離れ、武徳司の追っ手をまいて都に向かった。張宝塘(チョウホウトウ)と李三氷(リサンヒョウ)は茶楼にいる2人と合流、実は成国公が北方へ文を出しても返信がないという。「清河伯(セイカハク)の身に何か?」「偵察を送りましたが、すぐには戻りません」「あとは屋敷で話そう」偶然にもその様子を陸雲旗が見ていた。陸雲旗は仲睦まじい九齢と朱瓚に怒り心頭、すると江百虎(コウハクコ)が実行に移すかと尋ねる。「ギギギ…もちろん、だが今ではない!」( ゚ェ゚)・・・朱瓚は九齢を九齢堂に送り届けて成国公府に帰った。すると父が皇帝に呼び出されたまま、まだ戻っていないと知る。その頃、黄誠(コウセイ)は成国公が官兵をけしかけ、北祁(ホクキ)と対立させていると糾弾していた。朱山(シュサン)は事実だと認め、それが自分のやり方だという。「何の密書かは存じませんが、北祁への警戒を怠るなと伝えているのは事実です 北祁人の気質はよく知っている、信用できません、一寸たりとも国土は譲れない」 朱山は態度を緩めてはならないと進言し、侵攻は迎え撃つべきだと訴えた。しかし黄誠は成国公がせっかくの和議を妨げていると非難する。「北方の官吏や将校に対して上奏が寄せられています 成国公の帰京後、朝廷からの命を聞かず、清河伯も北方では身動きが取れないとか 成国公がいる限り、辺境に安寧は訪れません」黄誠は朝廷を無視した罪と職権乱用で成国公を処罰するよう嘆願した。つづく( ゚ェ゚)・・・ ←何か言えw
2023.05.12
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君九龄 Jun Jiu Ling第34話「忘れ得ぬ記念日」君九齢(クンジゥリン)と朱瓚(シュサン)は城門で方承宇(ホウショウウ)を出迎えた。朱瓚は承宇から義理の兄と呼ばれてまんざらでもないが、九齢は仮の婚約なので″世子爺″と呼べば良いという。「では私のことも承宇と呼んでください」しかし朱瓚は意地でも義兄の立場にしがみついた。( ̄꒳ ̄)<積もる話もあるだろう、内弟、姐夫は先に失礼するよ~(; ゚ェ゚)<ぁ…哥哥、お気をつけて方錦繍(ホウキンシュウ)は承宇と顔を合わせるのが気まずいのか、薬を届けに出かけて留守だった。そこで九齢は承宇にあらかじめ今回の参内が実際は危険なことだと明かす。「この機会にこちらから勅書を返してしまいましょう」「私もそうするつもりだった」翌日、九齢と承宇は皇帝に謁見した。楚譲(ソジョウ)は徳盛昌の功徳に対して褒美を与えるが、何が望みか尋ねる。すると承宇は皇帝の書を希望し、代わりにかつて徳盛昌が賜った勅書を返還したいと申し出た。楚譲は気がかりだった勅書を無事に取り戻し、その場で″福″と書いて徳盛昌への褒美とする。こうして九齢と承宇は無事に含元(ガンゲン)殿を出た。その時、前から九齢に向かって陸雲旗(リクウンキ)が歩いてくる。承宇は何事かと身構えたが、そこへ朱瓚が現れた。「…小棗(ショウソウ)、何を見ている?私の妻だ」「すぐそうではなくなる…今日は何の日だと?」九齢は今日が自分の誕辰であり陸雲旗との婚姻記念日だと分かっていたが、九齢堂の開業1周年だと答えた。しかし朱瓚は陸大人と九黎(キュウレイ)公主の婚姻1周年だと言う。「なんだ?祝って欲しいのか?」「今日は九齢の誕辰、私との婚姻から2年だ、覚えていないのか?世子爺?」「そんなわけなかろう」「ふん、てっきりお前は九齢公主を忘れたのだとばかり…」朱瓚と陸雲旗は一触即発となったが、朱瓚は急にきびすを返し、九齢たちと帰ってしまう。(  ̄꒳ ̄).oO(誕辰おめでとう@遠い目…ってルールーwww承宇は陸雲旗から自分たちを守ってくれた朱瓚の姿を見て決心がついた。そこで九齢堂に戻ると、朱瓚に九齢を一生、大切にして欲しいと頼む。「約束するよ」「姐夫!」そこへ九齢がやって来た。九齢は承宇にすぐ帰るよう勧め、勅書を返せば次の標的が祖母だと警告する。この時、承宇はようやく方家を長年、陥れて来たのが皇帝だと知った。出発前に念のため雷中蓮(ライチュウレン)に護衛を増やすよう頼んできたが、相手が皇帝となれば足りるはずがない。「私もあなたと行くわ」「駄目だ、何より君が行けば陛下に怪しまれるよ」朱瓚は自分が手配すると安心させたが、九齢はもう1つ相談があると切り出した。その夜、朱瓚は九齢堂の1周年を祝うという名目で祝宴を開いた。陳七(チンシチ)は承宇を避けている錦繍に戸締まりの確認を頼み、承宇に後を追うよう合図する。すると柳児(リュウジ)が厨房を見てくると声をかけ、陳七も手伝いに行った。朱瓚は邪魔者が張宝塘(チョウホウトウ)と李三氷(リサンヒョウ)だけになったところで2人を追い払う。こうして九齢と2人きりになった朱瓚、実は密かに誕辰祝いを準備していた。「おめでとう、九齢… 毎年、誕辰にはこの長寿菓子を食べていたな だから作り方を聞いて私が作った、まずくても食べてくれ」「昔は父がいつも準備してくれたわ…まさかまた食べられる年が来るなんて…ありがとう」「以前は先帝が君を守っていた、今後は私が守る」一方、承宇は錦繍を呼び止め、ようやく2人だけで話ができた。錦繍は立派になった承宇の姿に感激もひとしおだったが、改めて母の過ちを謝罪する。「まだそんなことを…あの件は忘れると言ったろう?」「ありがとう」朱瓚は九齢が6月18日に九齢堂を開業し、陸雲旗が婚姻の日を6月18日にした理由も分かった。「奴をどう思っていた?」「婚姻に同意したのは復讐のためだったの、特別な感情はないわ」喜んだ朱瓚は宝塘と三氷が見ているとも知らず、九齢を抱き寄せ、唇を重ねた。するとちょうど厨房から柳児と陳七が戻って来てしまう。「料理が出来ましたよ~って、ぁ…」柳児と陳七は慌てて背を向けた。( ゚ェ゚)・・・一方、陸雲旗は祖廟で独り九齢の位牌を前に誕辰を祝っていた。「ある女子と出会った、彼女は…君によく似ている、彼女に会うたび、君を思い出すんだ 今度ここに連れて来て君に会わせるよ」( ;∀;)ルールー…←って泣くところじゃないw宴がお開きになり、九齢と朱瓚は2人きりで星を眺めていた。「いつから私が好きだったの?早く言えば良かったのに…」「幼い頃から少し好きだった…子供だったからな、成長するに従い想いが募っていったんだ 時機を見て言うつもりだった、結局、北方に8年もいて、戻ったら君はいなくなっていた」「今後は何があっても離れないと約束してくれる?」すると朱瓚が小指を差し出し、2人は指切りをして愛を誓った。「あなたの前では一番好きな自分に戻れたわ」「私が君の最も強い鎧になる」( ゚ェ゚)・・・・・承宇は帰郷の途についた。方家では承宇の参内が無事に終わり安堵していたが、その夜、思わぬ知らせが舞い込む。「大変だ!少爺が!客桟の火事に巻き込まれ、お亡くなりに!」曹(ソウ)氏は呆然、すると劉(リュウ)氏は衝撃のあまり卒倒してしまう。一方、楚譲も方家の跡継ぎが火事に巻き込まれて死んだと聞いていた。方承宇は代々伝わる玉佩を常に身につけていたが、遺体からその玉佩が見つかって身元が特定されたという。しかし楚譲は念のため確認するよう命じた。九齢堂にも承宇の訃報が届いた。悲しみに暮れる錦繍たち、すると九齢は方家に帰ると決める。朱瓚と錦繍も同行することにしたが、錦繍は承宇の死が不自然だと憤った。「あまりにも偶然すぎる…なぜこんなことに!」翌朝、憔悴した曹氏は化粧箱からある印章を取り出した。まさか九齢の警告した通り、皇帝の狙いが方家の皆殺しだったとは…。つづく
2023.05.11
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君九龄 Jun Jiu Ling第33話「鴛鴦の灯籠」君九齢(クンジゥリン)と寧雲釗(ネイウンショウ)は衆目の前で袂を分った。実はこれも九齢の計画、寧雲釗が楚譲(ソジョウ)の信頼を得るためには、楚譲が警戒する人物たちと一線を画す必要があった。そのせいで嘲られ、貶められることになったが、寧雲釗は協力を惜しまなかったという。事情を聞いた朱瓚(シュサン)は危うく2人の名演技に騙されそうになったと笑ったが、九齢と寧雲釗の密談に嫉妬を隠せなかった。九齢堂に陸雲旗(リクウンキ)がやって来た。ちょうど差し入れを届けに来た朱瓚は陸雲旗の姿を見て激高したが、九齢がなだめる。すると陸雲旗は懐(カイ)王・楚九穃(ソキュウヨウ)が病だと伝えた。九齢も朱瓚も罠だと疑ったが、陸雲旗は治療するかどうか決まったら来ればいいという。その夜、楚九黎(ソキュウレイ)は懐王がもののけに取り憑かれたと聞いた。子供まで利用するのかと憤る九黎、しかし陸雲旗は黄誠(コウセイ)の案だと打ち明ける。「黄誠?…九穃を利用して成国公(セイコクコウ)を倒すつもりね? 成国公を父皇の一味だと思っているの?でももう父皇は死んだのに…何がしたいの? はっ!この機に乗じて君九齢を抑え込む気なのね?そうなんでしょう?」「…つまり公主はそれが可能だと思うのですね?(ニヤリ」陸雲旗は九黎が焦ったことで黄誠に協力する理由ができた。懐王はもののけに取り憑かれたため、皇陵に送られることになった。明日の朝議で話し合い、異論が出なければすぐ出立するという。朱瓚の話を聞いた九齢は真の目的が先帝の残党をあぶり出すことだと気づき、成国公にくれぐれも反対しないよう伝えて欲しいと頼んだ。そこで朱瓚は父と母に黄誠の策略だと報告し、明日の朝議では立場を示さず、沈黙を貫くよう訴える。しかし朱山は自分に考えがあると言った。翌朝、朱山は朱家の兵を率いて懐王府へ向かった。配下から正式な訪問状を受け取った陸雲旗は謁見を認め、これで黄誠たちの目的が達成されたという。その頃、黄誠も従者から朱山が懐王府に入ったと聞いた。「懐王を試金石に成国公の人となりを暴く」朝議で大理寺・譚松(タンショウ)が懐王を皇陵に送るよう上奏した。しかし成国公が自ら懐王を見舞ったところすこぶる元気だったと報告する。今、君大夫が診療中ゆえ、真偽のほどはすぐ分かるというのだ。譚松は巫女でもない君大夫では治せないと指摘したが、かえって成国公に揚げ足を取られてしまう。「懐王殿下がもののけに憑かれているなら皇陵に行かず、皇宮に留まるべきでは? 陛下は至高の存在、どんなもののけも退散する もちろん、もののけを殺気で制してもいい、殺気なら私の配下が最強です」すると成国公は決めるのは無論、皇帝だと言った。思いがけず選択を迫られた楚譲、仕方なく世子夫人の診断が終わるのを待ってから決めるという。その時、気まずい空気を察した寧雲釗が咄嗟に上奏した。「陛下、増員していただいたゆえ″慶都志(ケイトシ)″が完成しました、お祝い申し上げます」成国公のおかげで黄誠の悪だくみは失敗した。安堵した九齢だったが、今後も弟は何かと利用されるに違いない。しかし朱瓚はまだ姉だと名乗り出ないようなだめた。夜の街に繰り出した2人、すると朱瓚が露店の灯籠に目を留める。「鴛鴦(オシドリ)の絵はどうですか?夫婦の末長い幸せを祈ります」店主の言葉を聞いた朱瓚は喜んで灯籠を買うと言ったが、持ち合わせがない。九齢は失笑して代金を払うと、店主に実は彼は兄だと言った。朱瓚は兄だと言われ、面白くなかった。「冗談はよせ」「あなたも隠し事をしていたわ…紫英仙株(シエイセンシュ)の使い道を言わなかったでしょう?」朱瓚は実は墓前での出来事を九齢が全て見ていたと知った。九齢と朱瓚は橋の石段に腰掛け、しばし甘いひと時を過ごした。「当初はあなたを遠ざけようと試みたわ、でもいつの頃からか気づいたの どんな時も会いたくてたまらない、恋しい存在なんだって…」「私はいつからそんな大事な存在に?ならどうして準備万端整うまで正体を隠していたんだ? もし失敗したら私を逃していたかもしれないんだぞ?」朱瓚は九齢を失ったと知った時の恐怖を思い出し、涙をこぼした。「私が知っているあなたはふざけてばかりの人よ?どんな危険に面しても平気なふりをする いつもそばに寄り添い、命を救ってくれた それに私に沙樺(サカ)を見せるためだけに北方から都まで来てくれる人だわ もし最も幸せな時がいつか聞かれたら、あなたがいた時と答える、だから…」すると2人はこれからもずっとこうして寄り添い、仲睦まじく、尊敬し合おうと約束した。黄誠は懐王を利用する策が失敗、そこで成国公が連れて来た難民を支援したのが徳盛昌(トクセイショウ)だと告発した。驚いた楚譲は陸雲旗を呼び出して追及したが、陸雲旗は何とも言いようがないと困惑する。今や方家と成国公と縁家、言及するのはばかられたという。「また君九齢か…」「陛下、徳盛昌は北方で難民を救済し、兵器や甲冑の鋳造を援助しました それゆえ17軒の銭荘で銭が尽きています」「何だと?!報告が遅すぎるぞ?!」「陛下、陛下が徳盛昌は探るなと仰せでしたので…」すると楚譲はこれからは些細なことも報告するよう指示し、徳盛昌の当主を都へ呼ぶよう命じた。「褒賞を与える…君九齢め、いよいよ生かしておけぬ」朱瓚は茶楼で賢(ケン)王に九齢との縁談について相談した。しかし賢王は富豪と権力者が姻戚になろうとすれば、当然、皇帝は警戒するという。婚姻を阻む最も簡単な方法は当事者のどちらかを消すことだ。ならば標的は成国公の庇護があり武術をたしなむ朱瓚ではなく九齢だろう。賢王は皇帝が密かに陸雲旗を呼んでいたと教え、九齢をしっかり守るよう助言した。「確かに君小姐には九齢公主の面影がある…だが代替品にしてはならぬぞ?」「分かってします、安心してください、彼女は代替品などではない、唯一無二の存在です」方家では唯一の跡継ぎである承宇(ショウウ)を守るため、曹(ソウ)氏が代わりに謁見すると決めた。しかし承宇は皇帝が召したのが自分である以上、代わりは許されないという。「祖母こそ方家の屋台骨、方家から私がいなくなっても祖母や母、姉たちがいます 重要なのは私ではなく、方家の血脈と不屈の精神です」曹氏は承宇が立派に成長したと感激し、この世の荒波にもまれるべき時が来たのだと悟った。朱山は方家を守るため、朝議で九齢の功績を上奏することにした。軍功があれば皇帝も民の手前、方家を取り潰すことはできないだろう。そこで難民のために手配したのは九齢で、便宜上、自分の名を借りて動いたと説明した。黄誠は成国公が人の手柄で褒賞をもらったと非難したが、武官から成国公が命を賭して敵を防いだからこそ君小姐も大事を成せたと反論する。すると寧雲釗が全ての功績は皇帝が名君ゆえだとおだて、皇帝の信頼無くして成国公の今日はないと訴えた。皇帝におもねる朝臣たちは一斉に皇帝の功績だと絶賛、これでは楚譲も成国公と九齢の功績を認めざるを得ない。「2人は互いを補い合ったのだ…受けるべき褒美を与えねばな」こうして九齢は県主から郡主に昇格した。朱瓚は九齢が反対すると踏んで父の上奏を隠していた。九齢はこれでは成国公が窮地に陥ると心配したが、朱瓚は九齢が父を守りたいように、父も九齢を守りたいのだという。実は皇帝が方家と成国公の縁談を壊すため、九齢を消したがっていた。九齢は朱瓚が片時も離れなかったのは自分を刺客から守っていたからだと知る。しかし今回、先帝の遺児をかばった成国公も楚譲の恨みを買ったはずだ。「何か考えが?」「郡主になれたのなら公主の座も近いはず…」つづく( ゚ェ゚)男主と女主が接近すればするほど視聴意欲が落ちるという…w
2023.05.10
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梦华录 A Dream of Splendor第23話「琵琶を剣に」蕭欽言(ショウキンゲン)の寿宴。琵琶を抱えたまま長時間、待たされた宋引章(ソウインショウ)は思わずふらついた。「大丈夫か?」その時、遅れて寿宴にやって来た顧千帆(コチェンファン)が通りかかり、引章を支えてくれる。「我慢ならぬならその琵琶を剣として容赦なく刺せばいい」すると家職・忠(チュウ)氏が出て来た。顧千帆は楽妓をこんな所で待たせて汗をかいていると指摘、驚いた忠氏は使用人に2人を化粧室へ連れて行くよう命じ、罰として鞭打ちを言い渡した。寿宴に顧千帆が現れた。満足そうな蕭欽言と面白くない蕭謂(ショウイ)、するとやっと張好好(チョウコウコウ)の出番となる。蕭謂は歌の最中、客人に駱駝(ラクダ)のこぶをふるまい、柯政(カセイ)には直接、丁重に勧めた。しかし柯政は民を虐げて得た物など食さないという。「ゆっくり曲を聴かせてくれ」柯政は書で天下に知られ、音曲の大家でもあった。曲の感想を聞かれた柯政は歌はありふれていたが、琵琶は素晴らしいという。そこで蕭欽言は宋引章にもう1曲、演奏を頼むことにした。張好好は屈辱の中、下がったが、その時、蕭謂が琵琶だけでは退屈なため、剣の達人である顧副使に剣舞を披露して欲しいという。「公孫大娘(コウソンタイジョウ)と雷海青(ライカイセイ)のように宋娘子に合わせて剣舞を披露すれば話題になる」すると突然、引章が口を挟んだ。「なりません、孟子いわく″規則なくば方円は成さず″ 顧副使はかつて二甲の進士で、今や陛下に緋衣(ヒイ)を賜る身 楽妓ごときにと並んでは名声が傷つきます そもそも公孫大娘と雷海青の芸は玄宗皇帝だけに献上したもの、少爺は慎むべきかと…」「馬鹿を申すな!」「士大夫の風骨は千金より重い、少爺の言が先です、私は事実を申したまで…」引章は毅然としていた。しかし顧千帆は引章が矢面に立たないよう、剣術なら少しばかりたしなむと言って席を立つ。「かつて太祖は金韲玉膾(キンセイギョッカイ)を趙普(チョウフ)に授けたとか… これを蕭宰相への祝いに贈ります」すると顧千帆は見事な剣さばきで黄河鯉(コウガコイ)をおろして見せ、客人たちに振る舞った。柯政も鯉に舌鼓を打ち上機嫌、そこで引章に2曲目が聞きたいと頼んだ。いよいよ涼州(リョウシュウ)を披露する機会に恵まれた引章、その音律にはこれまで自分を見下して来た者たちへの怒りが込められていた。すると柯政は金戈風雷(キンカフウライ)の意を感じると大絶賛、その絶技は唐の雷海青に匹敵するという。「筆を持て…感謝の印にある2文字を贈りたい」柯政は引章の言葉に感銘を受けたと話し、孤月(コゲツ)に″風骨@柯政″と記した。「″士大夫の風骨は千金より重い″!宋娘子の見識もまた評価されるべきものだ!」柯政が人に揮毫(キゴウ)を贈るのは実に数十年ぶりのことだった。柯政はひと足先に宴を引き上げた。蕭欽言は中庭で見送ると、清流派が次々と帰って行く。すると斉牧(セイボク)が現れた。「明日、正式に首輔に就任ですな、どうぞお手柔らかに…」「手加減してくれるなら感謝します」柯政が失脚すれば清流派の領袖(リョウシュウ)となるのは斉牧、政敵である2人は牽制し合いながら別れた。控え室に戻った宋引章は時の人になっていた。柯政と言えば30年も宰相を務め、文武百官の中でも股肱(ココウ)の臣だという。例え他郷へ追いやられようと今も清流派の柱であり、士大夫の領袖だった。楽妓たちは皇帝の称賛より価値があるとはやし立てたが、張好好に気づいて慌てて帰り支度を始める。しかし当の引章は全く実感がわかなかった。このところ急に東京(トウケイ)は暑くなった。趙盼児(チョウパンアール)たちにはこたえたが、明後日には氷が到着する。すると慌てて陳廉(チンレン)が駆けつけ、宋引章を迎えに行って欲しいと頼んだ。「凄いことです!引章姐姐は柯大人に称賛され、揮毫を賜りました!」実は引章をひと目見ようと人が集まり、迎えが必要だという。パンRはすぐ馬車で出かけたが、運悪く車軸が壊れて立ち往生した。その時、偶然にも高慧(コウケイ)が馬車で通りかかり、事情を聞いて蕭府まで送ってくれるという。気まずい2人だったが、高慧は乳母の件を謝罪し、父が正しかったことが分かったと認めた。どうやら欧陽旭(オウヨウキョク)は都へ戻るため、自分を西京(サイケイ)に呼び、駆け落ちさせるつもりだという。「私たちは見る目がなかったのね」「…最初は違ったのかも?」パンRは華やかな東京に惑わされたのかもしれないと言ったが、高慧は自分を騙した以上、代償を払わせると言い放った。顧千帆は引章を人が少ない西側の門へ案内し、パンRが迎えに来ると安心させた。「今後は誰のためでも人に恨まれる言葉は控えた方がいい」引章は何か言いたそうだったが、家職に促され外へ出た。しかしパンRが遅れたせいで門の前で酔っ払いに絡まれ、思いがけず沈如琢(シンジョタク)に助けられる。「なぜここに?」「教坊司からの知らせで君を迎えに来た」引章は独りで帰ると言ったが、沈如琢はまたからまれると心配し、舟に連れて行った。忠氏は顧千帆を引き留めたが、顧千帆は宴が終わるのを待たずに帰ることにした。「実は宴での無礼を宰相が非常に気にされています、人前で魚を切らせることになり… 寿宴が終わってから酒を酌み交わしたいと仰せです」「ご子息の指導で忙しいだろう、邪魔はせぬ」すると顧千帆は宋引章がパンRの友人のため面倒を見たと話し、余計な気を回して探らないよう釘を刺した。張好好は傷心のまま双喜(ソウキ)楼へ戻った。好好の帰りを待っていた池蟠(チハン)は寿宴で何があったのか知る由もなく、九官鳥を構っている。「馬鹿様じゃない、若様だ!」←これはw字幕の勝利wwwしかし機嫌が悪い好好から鳥を黙らせろと怒られてしまう。「私が頼んだのは蟋蟀(コオロギ)よ!」「蟋蟀は逃げた!」「どうせまた騙されたんでしょう?!」池蟠は好好の八つ当たりの原因が宴だと気づき、宋引章の方が好評だったのかと聞いた。「どうだ?図星だろう?だからあの疫病神3人と距離を置けと言っただろう?! 愚か者め、皆に持ち上げられ、誠に天女の歌声だと思ったか? 才能も美貌も若さも宋引章に負けている!」短気な池蟠は売り言葉に買い言葉でうっかり口を滑らせ、好好の逆鱗に触れた。「こんなことになるなら一緒にいるんじゃなかった!後悔してる!」さすがの池蟠もこれには深く傷つき、九官鳥を連れて帰ってしまう。蕭府を出た顧千帆は斉牧と合流した。実は殿前司を向かわせたのは顧千帆を守るためだという。顧千帆は証人が拷問に耐えられず自害したことにして引き渡すと伝えた。すると斉牧は安堵し、帽妖の件にはもう関わらないよう告げる。「あとは殿前司が適切な処置をする」「はい」そこで顧千帆はこの機に仲人の件を相談することにした。斉牧は反対しなかったが、五品に昇進して亡き母を誥命(コウメイ)夫人に封じるという当初の願いを思い出させる。「実のところ武芸や剣術は好きではなく、将来は文官になりたいと言っていたな だが趙氏を妻にすれば文官に就くことは叶うまい」斉牧はよく考えるよう伝え、顧千帆を桟橋で降ろした。一方、引章は沈如琢の舟で帰途についた。沈如琢は今後、自分が引章の面倒を見たいと申し出たが、引章は沈如琢の本心が読めず困惑する。「数日、考えさせて欲しいのです」「分かった、だが君は応えてくれると信じている」沈如琢は名を上げた引章が今さら数百文の茶代のために文人崩れ相手に琵琶を弾くとは思えなかった。「私なら立派な御殿を築き、君を大切にする」顧千帆は陳廉に例の罪人を自害したことにして報告書を出すよう命じた。「その後は引き渡す」「事件の解決のため禁軍まで出てきた、こんな厄介な事件は手放すに限ります… (Ŏ艸Ŏ)オット」その時、顧千帆はふと気づいた。「なぜ帽妖の黒幕が安(アン)国公だと分かったんだ?」「誰がですか?」( ゚ェ゚)いや誰ですか?@管理人「今、会っていた」「ならば恐らくその方が本当の黒幕でしょうね」その頃、過酷な毎日を送る欧陽旭は賊に襲われていた。「ある物を渡してもらおう」つづく(  ̄꒳ ̄)あ、欧陽旭のこと忘れてたわw
2023.05.09
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君九龄 Jun Jiu Ling第32話「水面下の戦い」城門を開けるよう嘆願を続ける成国公(セイコクコウ)・朱山(シュサン)と避難民たち。三皇子は判断に困っていたが、丞相・黄誠(コウセイ)は決して開けてはならないと反対した。しかし皇帝から開門するよう勅命が届く。一方、密かに賢(ケン)王府を訪ねた朱瓚(シュサン)は、皇帝に進言してくれた賢王に拝跪して感謝した。賢王は北方の民が来なければ手詰まりだったと安堵し、やりの手の″世子夫人″に舌を巻く。「芝居も終盤なのになぜ世子夫人は現れぬのだ?」「実は君九齢(クンジゥリン)は陸雲旗(リクウンキ)を振り切るため、私と一芝居打ったのです」陸雲旗はなぜ数万もの難民に気づかなかったのか首を傾げた。江百虎(コウハクコ)の話では誰かが金銭面で支援し、難民が商人に扮して官道を通らずに来たという。「ふっ、あの者しか考えつかぬ策だ…帰って来たのだな」すると九齢は幼い頃から好んで着ていた紅い衣をまとい、市場を堂々と馬で駆けて来た。待ち構えていた陸雲旗は一瞬、楚九齢が帰って来た錯覚に陥ったが、ふと我に返る。「捕えよ」しかし武徳司が動こうとしたその時、朱瓚が張宝塘(チョウホウトウ)、李三氷(リサンヒョウ)を連れて現れた。「成国公の世子夫人に手出しは許さぬ」朱瓚は成国公が謁見中に夫人に手出しすれば皇帝の顔を潰すことになると指摘、九齢の馬に相乗りすると、わざと夫婦の仲を見せつけるように通り過ぎて行った。陸雲旗が武徳司に戻ると、金十八(キンジュウハチ)たちが制服を脱いで私物をまとめ、整列していた。「朱家に鞍替えしたのか?」金十八たちは失態を犯したと認めたが、陸雲旗は九齢を守るという命令を遂行したことには変わりないと許した。朱山は皇帝に謁見し、自ら罰を請うた。やむを得ず勅命に背き、また息子が戦のためとは言え脱走したことも弁解の余地はないという。楚譲(ソジョウ)は功により罪は償ったと許し、わざわざ玉座を降りて成国公を立たせた。そこで朱山は褒賞のための寄付も撤回するよう嘆願、将兵たちにとって皇帝の信頼こそが値千金(アタイセンキン)だという。憤懣やるかたない黄誠は思わず寧雲釗(ネイウンショウ)に八つ当たりした。成国公が凱旋したゆえ、寧炎(ネイエン)も停職したかいがあったという。しかし寧雲釗は叔父が反対したのは和議であり成国公は無関係だと訴え、今や叔父の心配も杞憂に終わったと答えた。皇帝は寧炎を朝廷に復帰させると決めた。しかし寧雲釗にはかつての清廉潔白な姿はなく、皇帝にこびへつらう姿は実直な寧炎の甥とは思えないと揶揄されている。「申し訳ないわ…」九齢は寧雲釗の噂に胸が痛んだが、その様子を見た朱瓚はこれも九齢の策なのだと分かった。すると宝塘と三氷が黄誠の密会相手が実は北祁の皇太子・郁遅海(イクチカイ)だと報告する。しかし郁遅海は替え玉を残してすでにどこかへ消えていた。都で自由に動けたのは他にも協力者がいたからだろう。その頃、朱山は皇帝に兵権を返上していた。楚譲は確かに清河伯(セイカハク)を臨時の鎮守職に任じたが、都で養生してからまた北方を守って欲しいという。しかし朱山は年老いた自分より壮年の清河伯こそ適任だと訴え、引退を申し出た。「では朕がしばらく預かることにしよう、そちが英気を養ったら再び戻す」九齢は世子夫人という肩書きのため、成国公府に滞在することになった。すると朱瓚がこれまで城外でかくまっていた先帝の侍女・氷児(ヒョウジ)を連れて来てくれる。氷児は素絹(ソケン)と名を変え、身分を伏せて生活していた。「こちらは九齢公主だ」「氷児、私は顔を変えたの」氷児は公主が無事だったと知って安堵し、実は印章の文様の件についてはまだ話していないという。当時、先帝は印章の文様について君応文(クンオウブン)神医に何か話していた。「黄誠も文様を目にしています、先帝が黄誠の前でうっかり文書を落とした際、文様を見たのです」成国公は無事に皇宮から戻った。翌朝、朱山は兵権を返したと明かし、朱瓚に九齢との婚約を解消して都を発とうという。2人の関係に気づいていた郁(イク)夫人は九齢を養女にしたいと言って時間を稼ごうとしたが、九齢は笑ってごまかした。結局、婚約の話は後回しになった。朱瓚は九齢がなぜ養女の話を断らなかったのかと不満をあらわにする。しかし九齢はともかく自分のことで成国公を煩わせたくないと言った。朱瓚と九齢は宝塘と三氷と一緒に食事に出かけた。すると運悪く同じ店に陸雲旗が現れる。牽制し合う朱瓚たちと陸雲旗、しかし九齢はこらえるよう合図し、引き上げることにした。「行きましょう」「その必要はない、ごゆっくり」陸雲旗は先に席を立った。陸雲旗が店を出ると黄誠の従者が現れた。馬車で陸雲旗を待っていた黄誠は成国公の父子という同じ敵がいると訴え、協力せずとも見て見ぬふりをしてくれれば十分だという。「見返りは?」「…君九齢が陸府を訪れるというのはどうだ?」その頃、宝塘は陸雲旗への怒りを爆発させていた。「あの時、殺しておくんだった、九齢公主のせいだ!」朱瓚は慌てて話を遮ったが、九齢は困惑した。「つまり公主が陸雲旗を助けたの?…いつの話?」実は10年前、成国公に拾われた陸雲旗は屋敷で盗んだものを売っていた。朱瓚たちは陸雲旗を屋敷の外で懲らしめたが、その時、何も知らない九齢公主が駆けつけ、陸雲旗を助けたという。…あれが陸雲旗だったとは…九齢はその時のことを思い出し、呆然となった。寧雲釗は九齢堂に九齢を訪ねた。しかし対応に出た方錦繍(ホウキンシュウ)は九齢なら会わないと追い返す。「たった半年で陛下に取り入り、侍講(ジコウ)学士に昇進したそうね~なんて口達者なのかしら?」「君小姐に会いたい」錦繍は仕方なく呼びに戻った。すると街行く人が足を止め、世子夫人となった君大夫が佞臣(ネイシン)に成り果てた寧雲釗と一線を画すのも無理はないと噂する。側仕えの小丁(ショウテイ)は憤慨したが、寧雲釗は毅然として九齢を待った。九齢は内心、申し訳なく思いながら、あえて衆目の中で寧雲釗と決別した。「寧大人、道が異なれば助け合えません、気まずいので今後は会いに来ないでください」「友人でもないと?」「目指すものが違うのよ?友人になれると思う?」すると寧雲釗は2度と訪れないと約束し、帰って行った。つづく|ω・`)ちょっとどうでもよくなって…端折りましたw
2023.05.09
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梦华录 A Dream of Splendor第22話「疑念」母の墓前で許嫁の趙盼児(チョウパンアール)を紹介した顧千帆(コチェンファン)。すると帰りの舟で実はまだ秘密があると明かし、父親については複雑すぎて全てを話せないという。しかしパンRは顧千帆を信じ、ゆっくり待つと答えた。幸せに包まれ都へ戻った顧千帆とパンR。茶湯巷で舟を降りると、偶然、池蟠(チハン)と遭遇した。パンRは無視して先を急いだが、池蟠はパンRの連れが顧千帆だと知って驚く。実は顧千帆と池蟠は幼なじみ、池蟠はうっかり″蕭(ショウ)″と呼びかけそうになって慌てて言葉を飲み込んだ。「なんだ!私の仇敵(キュウテキ)2人が人知れず結託していたのか!」池蟠と顧千帆は小競り合いになったが、池蟠が顧千帆に投げ飛ばされてしまう。すると池蟠は倒れたまま顧千帆の足にしがみつき、様子を見に来たパンRの足までつかんだ。可四(カシ)たちは主を引き離したが、池蟠はそのままパンRの履物を剥ぎ取り、川に投げ捨ててしまう。「ざまーっ!ぶはははは~!」その時、池蟠が探していた大切な蟋蟀(コウロギ)が見つかった。「私の大事な玉頭佗(ギョクズダ)~♪」しかしパンRはその蟋蟀を見てある事実に気づく。「本物を知らないでしょう?ふん、玉頭佗は赤い頭、青緑の首、金色の羽なの よく見なさいよ?それは糞虫じゃないの?」顧千帆は教養のない池蟠がいい鴨なのは東京(トウケイ)中が知っていると嘲笑い、パンRと帰って行った。パンRは露店で新しい靴を買った。思いがけずパンRが池蟠と犬猿の仲だと知った顧千帆、しかしパンRは蹴鞠と賽子で負かして恨まれているだけだという。「蹴鞠と賽子?実は私も好きだ」「さすがね、池蟠と馬が合うわけね~ふふ」一方、桂花巷(ケイカコウ)では今日も宋引章(ソウインショウ)が顧千帆から贈られた古譜を修練していた。しかし沈如琢(シンジョタク)から沈家なら自分を良民にできるとほのめかされ、その言葉が気になって集中できない。洗濯していた孫三娘(ソンサンニャン)は引章に何か悩みがあると気づき、手伝って欲しいと声をかけた。「聞きたいことがあるの…″教坊司に頼めば良民にできる″と言われた、騙されているのかしら?」「沈如琢って人ね?男を信じてはだめよ、役人の甘言は忘れなさい」引章は慌てて張好好(チョウコウコウ)の話だと嘘をつき、池蟠が身請けしてくれるらしいと取り繕う。すると三娘はいずれ顧千帆が引章を良民にしてくれるとパンRから聞いたと安心させた。顧千帆はパンRを屋敷まで送った。「今日も帽妖を追うの?」「もう大詰めだ」実は帽妖は蕭欽言(ショウキンゲン)の失脚を狙う者たちが講じた奇策だった。寿宴後に予定されていた首輔就任もこの騒ぎで危うくなるだろう。するとまたしても引章と出くわした。「道ばたで会ったので送って来た…そう言えば古曲の練習は進んでいるか?」「7割方は…そうだ、お聴かせします」パンRたちはさすが引章だと絶賛した。しかし顧千帆は引章の演奏が下の下だったと直言する。″涼州大編(リョウシュウタイヘン)″は塞外(サイガイ)の名曲、矛がぶつかり合う荒々しさを表現していた。「君の演奏は嬉しくて飛び上がっている少女の恋心だ、話にならぬ」顧千帆は蕭宰相が琵琶の名手だと教え、寿宴で披露したいなら別の曲にすべきだという。「顧副使のお言葉を胸に猛練習します」「よく励め…古譜を贈られた理由も考えるように」すると三娘は引章なら必ず上達すると励まし、パンRに顧千帆を送るよう頼んだ。パンRは言葉を選ばねば引章が落ち込んでしまうと呆れた。しかし顧千帆は引章のための助言だと訴える。今日の荒療治のおかげで寿宴で恥をかかずに済んだのだ。「はおはお、早く帰って」パンRが引章の様子を見に行くと、引章は深く傷ついていた。しかしパンRは自分にとって引章は天下一の奏者だという。「顧千帆は別の曲にと言っていたけれど、あの曲を究めましょう? 披露した暁には驚嘆の声が上がるわ、顧千帆に前言撤回させ、謝らせるの」「うん」一方、葛招娣(カツショウテイ)は茶坊が休みの時も池で取れた魚を売って小遣い稼ぎをしていた。三娘は給金が足りないのかと心配したが、招娣は銭なら多ければ多い方がいいという。「嫁荷にするんだ~」招娣は知人の話だとごまかしたが、実は嫁荷が少なかった母が嫁ぎ先で10貫嫁と呼ばれ、虐げられていた。その夜、帽妖を追っていた顧千帆はついに黒衣の賊を捕らえた。すると殿前司(デンゼンシ)・崔(サイ)指揮が都虞侯(トグコウ)の文を持って詔獄を訪ね、賊を渡すよう要求する。しかし顧千帆はようやく捕まえた証人を渡さなかった。「ただのなりすまし犯を譲れないだと?」「殿前司の獄が担っているのは重罪人への取り調べでは?」揚げ足を取られた崔指揮は何が何でも連れて帰ると迫り、一触即発となる。そこへ雷敬(ライケイ)がやって来た。雷敬はおとなしく罪人を渡すよう指示したが、顧千帆は雷敬まで出て来たのなら、なおさら譲れないという。雷敬は場所を移して顧千帆を説得した。しかし逆に顧千帆から殿前司の誰に頼まれて来たのかと問い詰められてしまう。「郭(カク)都指揮使だ」「こたびの帽妖騒ぎの黒幕は蕭宰相の政敵のようです 殿前司は陛下の直属軍、二品である郭都指揮使も黙っていればいいものを… なぜ小者を引き取るためだけのために夜半に司使を訪ねたのか どんな賂を受けたのか知りませんが、果てなき争いに巻き込まれないでください」顧千帆は雷敬を帰して詔獄に戻り、崔指揮に引き取るよう伝えた。すると崔指揮は共に斉牧(セイボク)の命を受けている身、便宜を図ってもらえないかと丁重に頼む。そこで指に墨をつけ、机に印を書いた。「斉中丞(チュウジョウ)の密書の印だ、覚えがあろう?」顧千帆は驚いた。なぜ叔父は直接、自分に命じず、崔指揮を通じて引き渡しを求めたのだろうか。「罪人は私の管理下に置くと伝えてくれ、余計なことは言わせぬし危害も加えないと… 何かあれば直接、指示して欲しいとな」顧千帆は叔父から寿宴で会おうと密書を受け取った。その密書にもあの″斉″という印がある。顧千帆は叔父へ疑念を抱き、激しく動揺した。翌日、蕭府は寿宴の支度で慌ただしかった。張好好は緊張気味の引章を落ち着かせていたが、その時、皇帝から聖旨が届いたと知らせる声が聞こえる。「陛下から祝辞が届くとは、蕭宰相も誇らしいわね~」好好は控え室から中庭の様子を眺めながら、中央にいるのが蕭宰相で、後ろにいるのが斉中丞だと教えた。「右側にいるのは蕭宰相の仇敵である柯(カ)大人よ」こたび柯政(カセイ)は宰相の職を解かれ、地方官になるという。招待客が宴席に揃った。賢(ケン)妃の兄である高(コウ)観察や雷敬の顔も見える。「支度はできた?…では行きましょう」張好好は楽妓たちを連れて宴席に向かった。蕭欽言は着替えのため席を立った。結局、顧千帆の姿はなく、贈り物さえ来ていない。ともかく席は残しておくよう家職に命じたが、そこへ蕭謂(ショウイ)が着替えの手伝いに来た。蕭欽言は自分がいない時こそ息子がもてなすべきだと呆れ、聖旨の一件でも恥をかいたと嘆く。「お前と来たら衆人環視の中で片手で聖旨を忠(チュウ)に手渡し、柯大人の不興を買った」蕭謂は不手際を詫びて出て行った。すると部屋から父の恨み言が聞こえる。「せめて千帆の1割だけでも才があればわしも苦労せぬのに…」寿宴は予定がずれ込み、最後の出番だった張好好と引章は長い時間、回廊で待たされることになった。琵琶を抱きかかえていた引章はすっかり疲れ、これでは演奏に支障が出てしまう。「腕がもう限界です…」好好は下に置くよう指示したが、使用人から失礼だと叱られた。実は宰相の使用人は三品の役人、心の中では楽妓を賎民だと見下しているのだろう。引章は仕方なく琵琶を抱えていたが、思わずふらついた。「大丈夫か?」つづく( ゚ェ゚)いつも思うんだけど…池蟠のエピっている?w
2023.05.08
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苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第10話月尊(ゲッソン)の座をめぐって争いが絶えない月(ゲツ)族。巽風(ソンホウ)は風原一帯で南北の幽王と戦っていたが、その時、雷鳴がとどろき黒龍が現れた。「月尊だ!月尊がお戻りになった!」争いは直ちに終息、劣勢を強いられていた巽風は兄の帰還に助けらた形となったが、東方青蒼(ドンファンチンツァン)への敵意は隠せなかった。一方、長珩(チャンハン)は四水宝珠(シスイホウジュ)を修復し、大洪水は免れた。そこで雲中君(ウンチュウクン)に東方青蒼を成敗するため蒼鹽海(ソウエンカイ)に行きたいと嘆願する。しかし雲中君は長珩が小蘭花(シャオランファ)を連れ去られたせいで気が急いていると見抜き、勝手に動いてはならないと釘を刺した。寂月(セキゲツ)宮に主が戻った。觴闕(ショウケツ)は小蘭花を寝殿に案内することにしたが、″噬仙(スイセン)楼″と聞いて小蘭花は愕然となる。「仙を噬(カ)む場所?!ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ」「ただの部屋だ、他にも誅仙(チュウセン)亭や弒神塢(シシンオ)という建物がある 先代の月尊が造り、水雲天の平定を願って名前をつけたんだ」一方、東方青蒼は久しぶりにのんびり沐浴しながら息蘭(ショクラン)全書を読んでいた。すると息蘭聖印は同心呪(ドウシンジュ)でつながる者のどちらかを承影(ショウエイ)剣で殺せば解けると分かる。しかし承影剣は太古の戦の折に打ち砕かれ、破片は四方に散っていた。觴闕は破片が銀湖の湖底にあると思い出し、すぐ探しに行くという。東方青蒼が噬仙楼にやって来た。しかし小蘭花は布団をかぶって隠れてしまう。「小花妖?これまで尊大だったのに急に怖くなったのか?」「私が間違っておりましたぁ~」「今までと同じように接すればよい」「いえいえ、2度と無礼な真似は致しません!」東方青蒼は呆れて帰ることにしたが、その時、慌てて小蘭花が顔を出した。「いくら私を好きになっても無駄よ?諦めてちょうだい」「私がお前を好きだと?」「違うなら月尊大人、私を帰らせてちょうだい」「どこへ帰るというのだ? …忘れるな、私は衆目の前でお前を連れ去った、これほどの″名誉″を消しされると思うか?」東方青蒼はこれからは自分のそばにいるよう命じ、運命簿を渡した。「この部屋から出ずに運命簿を修繕せよ」巽風が蒼鹽海の神器・幽玉戒(ユウギョクカイ)の返還にやってきた。しかし巽風は父を殺して月尊の座についた兄にわだかまりがあり、兄弟と言えども警戒を怠らない。「生きていたのなら、なぜお戻りにならなかったのですか?蒼鹽海の内乱を座視していたと?」東方青蒼は申し開きをする必要はないと突っぱね、自ら神器を受け取ろうとした。すると巽風はわざと入れ物を落としてしまう。「失礼致します」觴闕は神器を拾いながら、巽風の逆心を疑った。「放っておけ、最愛の父を殺した私を殺したいだけだ…過ちを犯さぬうちは生かしておく」觴闕は小蘭花が運命簿の修繕もせず、拷問で負った傷にも薬を塗ろうとしないと報告した。水雲天に帰りたいとわめき散らすばかり、恐らく初めて家を離れて不安なのだろう。「家を離れた…か」すると觴闕の話を聞いた東方青蒼はすぐ腕の良い大工を呼ぶよう命じた。容昊(ヨウコウ)は司命殿を調べたが、結局、師匠の運命簿を見つけられなかった。まさか小蘭花と一緒にいた東方青蒼があの運命簿を見てしまったのだろうか。大戦の折、師匠は東方青蒼の業火に傷つけられ、その傷痕は転生しても消えずに残っていた。もし運命簿の中で転生した師匠を見て傷痕に気づけば、東方青蒼に赤地女子(セキチジョシ)だと知られてしまう。赤地女子の元神が残っていると分かれば、東方青蒼は必ずやその元神で10万の兵士の封印を解こうとするはずだ。「師父の復活を邪魔だてする者は許さぬ…」容昊はまず東方青蒼が運命簿の件を知っているのか探らせ、それから息山神女を奪う手を考えると決めた。小蘭花は急に東方青蒼に呼び出された。薄暗い廊下に来た小蘭花は牢に入れられると誤解したが、扉の先には懐かしい司命殿が広がる。小蘭花はついに帰ってきたと喜び、思わず命格(メイカク)樹に抱きついて感激の涙を流した。「気に入ったか?」(*゚▽゚)*。_。)*゚▽゚)*。_。)ウンウン東方青蒼は小蘭花の笑顔を見て得意げに特別に作らせたと教えた。「え?…水雲天じゃないの?」小蘭花はようやく景色の違いや花壇の精霊たちがいないと気づく。「本当の家に帰りたいの、どうかお願い、水雲天ではかくまってあげたでしょう? あなたのことは決して口外しない、長珩仙君だって…」「また長珩か?!お前の頭には長珩の2文字だけか?!」「…もう言いません!だから帰して」「なぜ帰りたがる!お前が望むことは何でも叶えてやったのに!」東方青蒼は思い通りにならない小蘭花に苛立ちを隠せなかった。しかしそんな自分の雑念に困惑し、司命殿に留まっていたのは同心呪のせいだと明かしてしまう。同心呪とは同じ喜びや悲しみを感じる呪術で、東方青蒼は仕方なく小蘭花を守って面倒を見ていた。今は神器が小蘭花の感情を遮ってくれているが、自分の弱みである小蘭花を閉じ込めておく必要があるという。「じゃあ私への親切は全て偽りだったと?」「…そうだ、偽りなのはもちろん、不快だと思っていた」すると東方青蒼は小蘭花を閉じ込めて帰ってしまう。司命殿は毎日、嵐に見舞われた。「東方青蒼!いつまで私を閉じ込めておくつもりよ! 日は差さない、話し相手もいない!恩を仇で返すつもり?!東方青蒼!出て来い!」小蘭花は窓を開けて怒りを爆発させていたが、ふと妙策を思いつく。一方、東方青蒼は觴闕に小蘭花の様子を聞いていた。觴闕の話では毎日、月尊を罵っていたが、今度は食を断って抗っているという。すると衛兵が駆けつけ、例の仙女が寒さにやられ虫の息だと報告した。仙女は治療を拒み、何でも死ぬ前に月尊と話したいと訴えているという。東方青蒼は小蘭花を心配して司命殿に駆けつけた。すると小蘭花は外で話したいと懇願し、嵐の中、東方青蒼を連れて中庭に出る。東方青蒼は早く話せと迫ったが、その時、小蘭花がいきなり抱きついて唇を重ねた。つづく( ๑≧ꇴ≦)思いっきり行きましたね〜w
2023.05.07
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苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第9話大強(ダーチァン)を水雲天(スイウンテン)から逃し、再び独りぼっちになった小蘭花(シャオランファ)。…どうしてこんなに辛いの?でもこれで良かったのよ…小蘭花は部屋に戻る気力もなく、花壇で眠ってしまう。すると東方青蒼(ドンファンチンツァン)と觴闕(ショウケツ)が現れた。觴闕が脈診したところ、小蘭花は心配事がなくなったおかげで霊力が回復している。「本座を案じていたのか…」そこで觴闕は早速、小蘭花に運命簿を修繕させようとしたが、東方青蒼が止めた。「寝かせてやれ…」東方青蒼は小蘭花を抱きかかえて寝台へ運んだ。そこで手のひらから腕輪を出し、小蘭花の腕にはめておく。「小花妖、これは私の血からできた骨蘭(コツラン)だ、礼としてお前に贈ろう 危ない時はこれがお前を守る、私がお前のそばにいなくとも誰にも傷つけさせぬ」一方、長珩(チャンハン)は配下から海市(カイシ)で崇気(スウキ)騒ぎがあったと報告を受け、首領を訪ねた。しかし首領は仮面で顔を隠し、声も変えているため、長珩はまさか容昊(ヨウコウ)だとは気づかない。長珩は崇気を封じ込めた瓶を見せ、海市が関わっているのか聞いた。すると容昊は全ては突如、現れた謎の男のせいだと話し、蝶衣(チョウイ)の背中の傷跡を見せる。「業火(ギョウカ)…?!」長珩は驚愕した。実は三界で業火が操れるのは東方青蒼だけしかいない。「その謎の男はあの日、水天雲の者を連れて行ったとか…確か名もない蘭の精霊だと聞いた」容昊は長珩に東方青蒼の存在を明かした。東方青蒼の霊力は強大、息山神女(ショクサンシンニョ)をそばで守るなら手が出せないが、長珩と手を組めば少しは戦えるだろう。翌日は飛昇試験に合格した仙女たちの任命式だった。東方青蒼は小蘭花の願いが叶う大切な日を静かに見守ることにしたが、長珩が司命殿に現れる。「私が殺しに行かぬゆえ、自ら殺されにきたか…ふっ」すると東方青蒼は司命殿を飛び出し、長珩を誘い出した。玉京(ギョクケイ)では雲中君(ウンチュウクン)が見守る中、任命式が始まった。試験の合格者は1人ずつ幻鏡に入り、太古の神霊・元亀(ゲンキ)が真身を見て職を振り分ける。仙族の系統は東君が8つに分類、各々の真の姿に基づいて乾(ケン)・坤(コン)・震(シン)・巽(ソン)・坎(カン)・離(リ)・艮(ゴン)・兌(ダ)のどれかに属している。最初に呼ばれたのは元梧(ゲンゴ)仙女だった。元梧は結界から幻鏡に入ってすぐ出てくると、系統は″震″と示され、配属は風伯(フウハク)府と決まる。続いて小蘭花の番になったが、結界に入った小蘭花はなかなか出て来なかった。元亀は小蘭花を旧友と呼び、再会を喜んでいた。「私をご存知なのですか?」「そうだ…」元亀はこの世の全ての命を知っているが、中でも小蘭花は特別な存在だという。全く意味が分からず困惑する小蘭花、すると元亀はいずれ運命を担う時に分かると教えた。「旧友よ、無事を祈る」小蘭花が結界から出てきた。しかしどの系統にも属しておらず、真の姿も蘭ではなく、誰も見たことのないものだと判明する。雲中君は仙族でも人族でもなければ月族だと断定、衛兵に小蘭花を捕えるよう命じた。すると小蘭花の腕輪が業火を放ち、衛兵を吹き飛ばしてしまう。小蘭花は驚いて腕輪を捨てたが、もはや言い逃れできなくなった。一方、東方青蒼は司命殿を壊さないよう場所を変えて長珩と戦っていた。すると容昊が現れ加勢、しかし2人の力を合わせても東方青蒼は余裕の笑みを浮かべている。その時、東方青蒼は急に首を絞められ苦しくなった。小蘭花の異変に気づいた東方青蒼は遊びをやめて2人の攻撃を跳ね返し、姿を消してしまう。雲中君は小蘭花を拘束、そのまま吊り上げて拷問していた。「東方青蒼は一体どこにいる?」「何も知りません…」「ではなぜ東方青蒼の業火に守られていたのだ?」「分かりません」憤慨した雲中君は月族の間者にとどめを刺そうとしたが、その時、激しい業火が再び小蘭花を守った。「本座のものに誰も触れさせぬ…」すると東方青蒼が現れ、小蘭花を抱きかかえて降りてきた。神仙たちは一斉に仙術を放ったが、東方青蒼は結界を張って小蘭花を守った。「あなたがドンファンチンツァン?…私を騙したのね?」「だましたことはない」東方青蒼は自分がいる限り小蘭花を決して傷つけないと約束し、落ちていた腕輪を拾って小蘭花にはめた。神仙たちは仙力を使い切ったが、東方青蒼はびくともしなかった。すると東方青蒼が結界から現れ、激しい業火を操りながら神仙たちを次々なぎ倒してしまう。「やめて…」小蘭花の命令に逆らえない東方青蒼は攻撃を止めるしかなかった。「私の行手を阻むなら、水雲天を平らげ皆殺しにする 3万年前、私は封じられ、蒼鹽海(ソウエンカイ)は踏みにじられた、必ずやこの恨みを晴らしてみせる」東方青蒼は意識を失った小蘭花を抱きかかえて出て行ったが、雲中君は身を守ることに必死で追いかける力も残っていない。しかし正門で長珩が待ち伏せしていた。「小蘭花を放せ」長珩は東方青蒼に戦いを挑むも、激しい業火に太刀打ちできなかった。しかし小蘭花が朦朧とする意識の中、かろうじて東方青蒼の裾をつかんで制止する。東方青蒼は小蘭花の命に逆らえなかったが、ふと妙策を思いついて飛び上がった。東方青蒼は長珩が管理している水源・四水宝珠(シスイホウジュ)を破壊して戻った。すると小蘭花を抱き上げて悠々と歩き出す。「ふっ、この者と水雲天、どちらを救う?」それでも長珩は小蘭花を助けに行こうとしたが、青川(セイセン)が止めた。「今すぐ手を打たねば水雲天と雲夢澤(ウンムタク)があふれ出した水に飲み込まれてしまいます!」「ぐっ…」小蘭花が目を覚ますと大強がいた。驚いて飛び起きた小蘭花だったが、気がつけば忘川(ボウセン)にいる。「はっ!忘川の両族の境界…私を蒼鹽海に連れて行くつもり?!」小蘭花は死んだふりをしてごまかそうとしたが無駄だった。( ;∀;)<月尊大人、歯を磨かず顔も洗わないとか言っちゃってすいませんでしたぁぁぁ~( ー̀ωー́ )<ピキッ…(;^ꇴ^)<月尊大人、特にご用がなければ失礼します、自分で帰れますんで~しかし小蘭花は今や逆賊、東方青蒼は水雲天に戻ればただでは済まないと警告した。小蘭花は呆然となり、家に帰りたいと号泣してしまう。。・゜・(ノД`)・゜・。逆賊じゃないもん!家に帰して!うわーん!すると東方青蒼の目からも涙があふれ出した。東方青蒼は偵察から戻った觴闕と合流、岸へ上がった。巽風(ソンホウ)は風原一帯で南北の幽王と争い、銀湖(ギンコ)を奪われて九幽(キュウユウ)にいるという。「恐らく一晩もたないかと…」南北の幽王は月尊の座を狙っていた。小蘭花は2人が話している隙に逃げようとしたが、舟に乗り込む前に東方青蒼が気づいてしまう。すると東方青蒼は舟を真っ二つに割った。觴闕の真身は巨大な黒龍だった。すると觴闕は東方青蒼と小蘭花を頭に乗せ、凄まじい勢いで雲を突き抜ける。小蘭花は悲鳴をあげて東方青蒼にしがみついていたが、やがて美しい夕陽が見えて来た。つづく
2023.05.07
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君九龄 Jun Jiu Ling第31話「輝く星空の下で」君九齢(クンジゥリン)と朱瓚(シュサン)は2人だけで都へ出発した。その夜、森の中で暖を取りながら美しい星空を眺める2人…。朱瓚の話では毎年、夏の終わりには空に無数の星が輝き、地上の蛍と一体になって天の川が人間界に流れ込むように見えるという。「来年の夏、見に来よう」「…そうね」すると頑なに″君小姐″と呼んで来た朱瓚がついに″君九齢″と呼んだ。「君九齢…ずっと君の目に答えを探そうとしてきた」←( ๑≧ꇴ≦)探さんといて!「…あの人が恋しいのね、私がその人よ」←(ノ*>∀
2023.05.06
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梦华录 A Dream of Splendor第21話「ただ一つの希望の光」その夜、顧千帆(コチェンファン)は父の別邸を訪ねた。宰相に返り咲いた蕭欽言(ショウキンゲン)、しかし朝廷にいる政敵は少なくとも100人、加えて清流派も自分を排除しようとしているという。蕭姓の息子たちは実権のない蔭官(インカン)でしかなく、仮に血生臭い争いになった時、自分を助けられるのは顧千帆だけだった。「千帆、お前の助けが必要なのだ、皇城司は奇襲部隊でもある…」しかし顧千帆は冷たくあしらい、ここへ来たのは知らせたいことがあるからだという。「身を固める、相手は趙盼児(チョウパンアール)だ」蕭欽言は元賎民など釣り合わないと反対したが、顧千帆は一時の気の迷いでも当てつけでもないと言った。「私にとってパンRはまたとない至宝、陰ひなたに暮らして来た私の唯一の希望の光だ」どちらにせよ清流派が蕭欽言の命を狙えば黙っているつもりはない。顧千帆は帽妖(ボウヨウ)騒ぎが蕭欽言の失脚を目論む政敵の攻撃だと分かっていた。「心配してくれるのか?」「…私はパンRとの仲を祝福して欲しいだけだ、いつの日かパンRとの子を連れて挨拶に来る」「数日後に私の寿宴(ジュエン)がある、お前は来られるか?…少しでいい、顔を出せ」しかし顧千帆は何も言わずに帰ってしまう。「淑娘(シュクジョウ)…私たちに孫ができるぞ(ボソッ」←じいちゃん、気が早いw宋引章(ソウインショウ)と張好好(チョウコウコウ)は蕭宰相の寿宴に招かれ、早速、双喜(ソウキ)楼で練習を始めた。しかし夜通し練習していた引章はうっかり曲目を間違えてしまう。好好はてっきり沈如琢(シンジョタク)からもらった譜面だと思い、忠告した。「引章、気を悪くしないで聞いてね…東京(トウケイ)の男は一筋縄ではいかない 甘い言葉に惑わされないで、そうしないと泣きを見るわ」「その人はそんな人じゃ…」引章は顧千帆のことだと思って否定した。引章が帰ると池蟠(チハン)が涼亭にやって来た。好好は引章の琵琶と自分の歌ではどちらが良いか聞いたが、池蟠はうっかり琵琶の方が良かったと口を滑らせる。「お前の歌はもう聴きすぎて耳にたこができた、少し調子を変えたらどうだ?」怒った好好は池蟠の頭を引っ叩いて部屋に戻ったが、池蟠は木の実をのどに詰まらせ、危うく窒息しそうになった。パンRは顧千帆と一緒に高慧(コウケイ)を訪ねた。欧陽旭(オウヨウキョク)の本性を知った高慧は深く傷つき、父が婚約を解消させた本当の理由を知る。「親にとって子は何より大切だもの、父君が愛しいあなたを害すはずないわ」そんなパンRの言葉をちょうど中庭に来た高鵠(コウコク)が聞いていた。「父君に従うべきよ、あなたは幸せになるべき人だもの…」すると高慧が父の姿に気づき、ついに泣き出してしまう。高鵠は娘を説得してくれた顧千帆とパンRに感謝し、2人の婚姻には祝い酒を飲みに行くと言った。一方、半遮面(ハンシャメン)では陳廉(チンレン)と葛招娣(カツショウテイ)がかち合い、一触即発になっていた。孫三娘(ソンサンニャン)が割って入り止めたが、一方的に陳廉の肩を持ったせいで招娣を怒らせてしまう。そこで陳廉に杜長風(トチョウフウ)への差し入れを頼み、招娣にいかに陳廉に世話になったのか話して聞かせた。「恩があるんだし、会うたびに争うのはやめなさい」「…分かった、これからは疫病神として敬い、おじぎすればいいんだろう?」「ちょっと、人情の分からない子ねぇ」「だったら三娘姐はどうして息子に縁を切られたのさ…はっ!」招娣は流石に言いすぎたと気づき、慌てて謝罪した。すると三娘は確かに自分も義理人情を分からず、苦労して傷つきながら少しずつ理解したと話す。「あんたには回り道をさせたくない、だから時には我慢して、違う角度から人や物を見て欲しいの」「ありがとう、初めて人に注意されたよ」沈如琢は引章を呼び出し、かんざしを贈った。相変わらず強引な沈如琢に戸惑う引章だが、沈家が教坊司との関係が深く、自分を良民にすることも頼めると聞いて心が揺れる。そんな2人の姿を偶然、墓参りに出かけるパンRと顧千帆が見かけた。「あの2人、本当に親しいのね、三娘から聞いてはいたけれど… 彼は見ず知らずの私を助けてくれたの、いかにも聖人君子ね」「他の男を褒めるなよ」「あら、あなただって褒めていたじゃない?2人が恋仲になれば最高なのに~ 引章はあなたを崇拝しているわ、あなたにもらった譜面を片時も手放さないの」顧千帆の母の墓石には″礼部侍郎女顧氏″とあった。「娘(ニャン)、パンRを連れて来たよ、賢くて有能で私に優しくしてくれる、もう孤独じゃない」「ご安心ください、これからは私が彼を支えます」顧千帆はパンRの手を握りしめ、今後は地位や富など求めず、互いに支え合い、心穏やかに暮らしたいと言った。「そんな向上心のないことを…五品に昇進して誥命(コウメイ)夫人に封じてもらわなくちゃ」「はお、なら君には富を築く重要任務を任せよう」使いから戻った陳廉は厨房の三娘と談笑していた。そこへ招娣がやって来たが、三娘の言いつけを守り、黙ってお茶を出してくれる。すると陳廉は書院で子供から聞いた話を教えた。何でも杜長風は進士の中で下位だったにも関わらず、皇帝に拝謁した時、うっかり屁をして官職を逃したという。「それで書院に戻って師範をしているんです、生徒たちからも馬鹿にされてますよ」しかし目が悪いのは生まれつきではなく、最近になって次第に視力が落ちてきたという。「特に夕方がひどいそうです」「夕方?」陳廉は出来立ての菓子をもらって帰ることにした。すると中庭で偶然、招娣と出くわす。陳廉はあの夜のことを謝ったが、招娣は無かったことにして忘れて欲しいと言った。「そうだ、あの日、港で母親と何をしてた?」「(ドキッ!)言っておく!私の家族は皆、死んだんだ!」陳廉はまた招娣を怒らせ、慌てて退散した。顧千帆とパンRは墓参りを終えて水路で帰途についた。すると顧千帆はパンRの亡き両親に挨拶するため、吉日を選んで水陸会(スイリクエ)を行いたいという。「実はある人に仲人を頼もうかと…御史中丞(ギョシチュウジョウ)・斉牧(サイボク)大人だ」顧千帆はあえて父のことを聞かないパンRの優しさに気づいてた。「今は全てを話せない…」つづく( ๑≧ꇴ≦)おじいちゃんw上手いわwww
2023.05.05
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君九龄 Jun Jiu Ling第30話「撹乱作戦」天侑(テンユウ)は北祁(ホクキ)と正式に和議を結び、北方からの撤退を命じた。しかし成国公(セイコクコウ)・朱山(シュサン)は勅命を無視、民を避難させる時間を稼ぐため留まり、そのせいで敵軍に包囲されてしまう。そこで君九齢(クンジゥリン)はこのまま北上して成国公を助けようと決めた。雷中蓮(ライチュウレン)は自分たちのわずかな兵では何もできないと言ったが、九齢が奇策を思いつく。一方、南東へ向かった郁(イク)夫人は難民を連れて無事に百芒(ヒャクボウ)城へ戻った。しかし西に行った九齢が戻っていないと知り、恐らく易(エキ)州に向かったと気づく。その頃、朱瓚(シュサン)たちも保州を出て父がいる易州を目指していた。( ゚ェ゚)え?姜成たちはどこ行ったの?援軍じゃなくてただの挨拶?w易州では成国公が惨敗を喫していた。残った兵はわずか120名、兵糧もわずかとなり、朱山は1日休んでから突破すると決める。しかしその夜、思いがけず好機が訪れた。「成国公!北祁軍に痘瘡(トウソウ)が発生し、混乱しています!」実は九齢は成国公を逃すため、敵軍陣営に痘瘡を広めてかく乱させていた。…腹心の者を選び、痘瘡に似た症状が出る薬を飲ませるわ…その者を敵軍に送り込み、痘瘡が出たと思わせるの( ̄▽ ̄;)イヤイヤイヤ~生物兵器は違反でしょう?@北祁人w都では講談師が成国公を蔑む出まかせを広めていた。「成国公が撤退しないのは自分のためだ!和議を結んでしまったら成国公は北方で威張れない!」しかしちょうど都へ辿り着いた難民たちが激怒、成国公は危険を顧みず民を助け、夫人たちは難民の受け入れに尽力してくれたと訴えた。その時、成国公が危機を脱して勝利したと知らせる早馬が駆け抜けて行く。講談師は民から嘘つきと猛反発され、すごすご引き上げて行った。朱瓚は父の無事を知り、百芒城府衙(ガ)に駆けつけた。そこで早速、噂の″世子夫人″に会いに行ったが、実はその正体が君九齢だと知る。「なぜ君が…」「私で嬉しいかしら?」「ああ…とても」2人は互いの無事を喜び安堵したが、朱瓚は急ぎ父の様子を見に行った。朱山は負傷していたが軽傷で済んだ。再会を喜び、今日は久しぶりに父子で飲み明かすことにした2人、すると朱瓚は飲まずに献杯する。「この1杯は旅立った兵士たちに捧げます…」「ウム…そうすべきだな」(; ゚ェ゚)_v ←すでに飲んでしまった父wすると朱山はお尋ね者になった息子を責めることなく、都でも戦場でも立派に戦ったと称賛した。朱瓚は父と共に戦えなかったことを謝罪し、今後は両親を心配させないと誓う。「瓚児よ…成長したのだな」都では黄誠(コウセイ)がこの機に北の鎮守職を清河伯(セイカハク)に代えるよう上奏してした。楚譲(ソジョウ)は陸雲旗(リクウンキ)に意見を聞いたが、陸雲旗は良い策だと進言する。すると楚譲は成国公父子の帰京については黄誠に一任すると決めた。その夜、泥酔した朱瓚はまた九齢の部屋に押しかけた。「なぜそうも似ているんだ?」すると朱瓚はもう寝ると言って寝台に向かってしまう。九齢は必死に止めようとしたが、そのまま朱瓚に押し倒された。その時、菓子を差し入れに来た郁夫人が何も知らずに部屋に入ってしまう。(꒪ꇴ꒪〣)<わ、私は何も見ていないわ!じゃあね!( ๑≧ꇴ≦)<夫人!あ、違うんです!夫人!思わぬ誤解を受けてしまった九齢、しかし無邪気に酔い潰れた朱瓚の顔を眺めながら、思わず頬に口づけした。翌朝、目を覚ました朱瓚はまた九齢に迷惑をかけたと気づいた。「その~酔っている間に既成事実ができたのか?偽りの世子夫人の身分が誠になったとか?」「残念ね」九齢は笑いながら酔い覚ましを渡したが、実は郁夫人に昨夜の失態を見られたと教えた。(´゚ω゚)..:;*.’:;. ブハッ!一方、楚九黎(ソキュウレイ)も民を守った世子夫人の正体が九大夫だと聞いた。「君大夫と世子はお似合いだわ」それとなく九齢をあきらめさせようとする九黎、しかし陸雲旗は世子夫人の身分が真実だろうが嘘だろうが自分に関係ないという。「私の生きる意味は美しいと思う物を全て手にれることです」成国公は褒賞を受けるため都へ戻るよう命じられた。しかし黄誠の企みなのは明らか、朱瓚はたとえ父でも軍と一緒でなければ危険だと反対する。九齢はならば自分と朱瓚がひと足先に都へ戻り、準備してはどうかと提案した。確かに黄誠の陰謀が先に分かれば対処もできる。すると九齢は成国公には3州の難民を連れて都に入って欲しいと訴えた。「北方の民の苦しみを朝廷と都の民に見せたいのです、兵士たちが命懸けで民を救ったことも…」郁夫人は朱瓚を呼んだ。息子が九齢公主への思いをずっと心に秘めていたのを知っていたが、今やあの世とこの世に引き離されてしまったという。郁夫人は過去に縛られず前に進んで欲しいと訴え、君大夫を大切にするよう助言した。すると朱瓚は実は相談があるという。「君小姐の名誉に関わります、このまま世子夫人のままにしては? 私から真実を明かし、君小姐の名誉を回復します」つづく( ๑≧ꇴ≦)ちょw金十八がしれっと九齢の戦術会議に参加してるんですけどwww
2023.05.05
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