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2023年06月05日
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カテゴリ: オペラ
新国立劇場 14:00〜
 4階左手

 サロメ:アレクサンドリーナ・ベンダチャンスカ
 ヘロデ:イアン・ストーレイ
 ヘロディアス:ジェニファー・ラーモア
 ヨハナーン:トマス・トマソン
 東京フィルハーモニー交響楽団
 指揮:コンスタンティン・トリンクス
 演出:アウグスト・エファーディング

 昨日の今日で連日の新国立劇場です。どんだけ好きなんだって?いやそういうわけでは全然無い。ましてリゴレットで色々がっかりした翌日だし、正直気は乗らなかったのですけどね。なにしろサロメだし。別にそんなに観たいわけじゃないし。でも、まぁ、買ってあるし、行こうかな、と思って。
 もうね、前日と段違いです。全然いいじゃないかと。オケはどちらも東フィルなのだけど、リゴレットのあの演奏は、ほぼ同時期にこれやってたからなのか。メンバーが完全に一緒かどうかはわかりませんが、今の東フィルは流石に完全に違うメンバーでやれるほどの人員は抱えてないと思うし。まぁ、そもそもお前サロメのことそんなに分かってるのか?とか問われれば、まぁリゴレットほどには知らないかも知れんなぁ、とは思うんですけれどもね。

 まず、主役級の歌手が粒が揃っている。それだけでなく、丁寧で雑なところがない。まぁ、サロメというのはヨハナーン以外は出ずっぱりに近いのもあって、気を抜く余裕もないのですが、それにしても詰めの甘いところがない。傷が無いわけではないのです。粒が揃っているとはいえ、なんでも圧倒的にサラリと歌えてしまう、という訳ではないから、足りない部分がないとは言わない。でも、それはもう仕方ないことであって、その上でどれだけのことが出来るか、という意味で、丁寧にやっているので、不満には思わないのですよね。
 個別の歌手を言えば、ヨハナーン役のトマス・トマソンがなかなかの声量で圧倒していて、これは良かったと思います。サロメ役のペンダチャンスカも、圧倒的とまでは言わないですが、よく最後まで歌い切っていました。ヘロデとヘロディアスの二人もこの二人に伍して劣らず、隙のない歌唱。
 他の役は日本人キャストで、殆ど二期会所属らしいのですが、まぁ、それなり。ただ、これは言っておいていいけれど、声量や技術はともかく、丁寧さという意味では珍しくちゃんとやっていました。

 そう、全体に、やっぱり丁寧に詰めてあるんですよね。だから、観ていても「なんで?」と思うことがない。それは演奏だけでなく、演技に於いても同じで、なんでそう動く?というところがない。
 この演出は今回で7回目の再演らしく、新国立劇場ではずっと同じ演出です。初演は2000年で、演出は1999年に亡くなったエファーディングのものなので、いわば忘れ形見といったところでしょうか。そういう意味では20年くらいサロメはこれしか観てない気もするのですが、よく出来ていると思います。新国では再演での演出が残念なことになっている事例が少なからずあるのだけれど、今日のこの演出はちゃんとしていて、いい意味で長年の上演の蓄積が出来ているのだと思います。
 ちょっと気になったのは、この演出、衣装はなんとなくそれっぽい「昔のパレスチナというか中東というかってこんな感じ?でもちょっと近代入ってるけどね」という感じのものなのですが、宗教論争を始めるユダヤ人達が、今回は見るからに近世か近代のユダヤ人のような衣装を着ていること。つまり、洋服風の上着を着ているのですね。ボタンのついたチョッキを着ていたり。これ、前からこうだっけなぁ?ナザレ人の方は中東っぽい衣装なのですけどね。いや、変えてもいいけど、どうだっけなぁと。どういう意図でこうなってるのかな、という。昔からだったとして、今回はそれに気付いてしまったので。

 オケは前述の通り東フィルですが、力強い演奏。例によってちょっと管が怪しかったりするんですけれどね。でも、それを含めても、よく統制されたいい演奏だったと思います。指揮者のトリンクスは何度か新国で振っているそうで、正直あまり印象はなかったのですが、練れた演奏でした。
 今回の歌唱陣は、正直言うとベテラン勢による、或いは盛りを過ぎた面々だったかも知れません。なにしろジェニファー・ラーモアですからね。でも、それが悪い方には行かず、むしろよく練れたものになっていたのではないかなと。
 実はリゴレットもサロメもこの週末が千秋楽ということで、一番練れた状態なのだとは思いますが、サロメの完成度はかなり高かったと思います。





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最終更新日  2023年06月05日 01時20分02秒
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