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2024年01月20日
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カテゴリ: クラシック


神奈川県立音楽堂 19:00〜
 前方右手

 シューベルト:白鳥の歌 D.957 〜 レルシュタープの詩による歌曲
         愛の使い / 戦士の予感 / 春の憧れ / セレナーデ / 住処 / 異郷にて / 別れ
 ベートーヴェン:遥かなる恋人に寄す op.98
 シューベルト:白鳥の歌 D.957 〜 ハイネの詩による歌曲
         アトラス / 彼女の肖像 / 漁師の娘 / 街 / 海辺で / ドッペルゲンガー
         同 D965A 〜 ザイドルの詩による歌曲   鳩の便り
 <アンコール>
 シューベルト:さすらい人の月に寄せる歌 D.870
        弔いの鐘 D.871
        夕映の中で D.799

 テノール:イアン・ボストリッジ
 ピアノ:ユリウス・ドレイク

 ボストリッジ。何度も聞いていますが、コロナ明けでは初めてじゃないかしらん。
 そう。ボストリッジはなんだかんだ来日の度に聞いてますし、そもそもはもう20年以上前にシューベルティアーデに行って聞いたのが最初。確かフェルトキルヒの音楽学校か何かの教室みたいな小さい会場で、演奏者のすぐ横みたいな席で、水車屋を聞いて圧倒されたのがはじまり。以後国外でも何度か聞いていますが、シューベルティアーデには行きにくくなってしまったので、あまり外では聞いてないかな。シューベルティアーデとか、また行きたいけど、難しいなぁ、休みが..........
 今ドイツ歌曲を歌わせたら、確かにトップクラスに入る人でしょう。というか1、2を争うと言うべきか。

 来日しているのですが、リサイタルはこれを除くと首都圏では平日にトッパンホールでやるだけ。あと、札響の東京公演にブリテンのセレナーデを歌いに出るらしいのですが.........うむー。トッパンホールで平日ねぇ.......行きにくい.........
 ともあれ白鳥の歌だし、これは聞いておこうと思って買ったのでした。

 ドイツ歌曲の第一人者みたいな存在でありながら、ボストリッジはイギリス人です。なので、やはりちょっとドイツ語には違和感があります。それ言ったらお前のドイツ語なんぼのもんやねん、と突っ込まれればもう一言もないのですが、分かってしまうものは分かってしまうのだから仕方ない。聞けば聞くほどそれは分かってしまいます。まぁ、こちらが聞いて思っている以上に、ネイティヴ・スピーカーのような達者な人にはむしろ違和感がなかったりするのかも知れませんが.....
 文句の言いどころは、これくらい。まぁ、控えめに言って極上でした。分かっているけれど、実際こうも凄いかと。

 白鳥の歌がメインですが、今回は、前半でレルシュタープの詩に付けた歌を、後半はまずベートーヴェンの「遥かなる恋人に寄す」を歌い、その後に白鳥の歌のハイネの詩に付けた歌を、最後にザイドルの「鳩の便り」を歌って終わるという構成。まぁ、途中ベートーヴェンを挟んだだけ、とも言えますが。
 ボストリッジは、スエードかベルベットかというような生地の黒いジャケットに灰色のスラックスで、白いシャツにノーネクタイで登場。ドレイクも白シャツにノーネクタイは変わらず。考えてみると歌い手としては理に適っているけれど、意外と珍しいかも知れません。

 ボストリッジは昔から身体を動かして歌うスタイル。よく動くんですよね。とはいうものの、リズムをとっているような動きではなくて、揺らすとかいうのとも違う。むしろ動き回るという感じに近い。演技とも違いますし。強いて言えば、話す時に身体を使って身振りを交えて話す、というのは無意識にあるものだけれども、あれに近いんでしょうか。珍しいタイプだと思います。鶴田浩二か東海林太郎か、というような直立不動というのもまぁ実際にはそんなにないのだけれども、歌曲の場合はそんなに動かす人はあまりいないと思うのでね。
 ただ、それが歌唱に悪影響を及ぼしているかというとむしろ逆なのでしょう。それが一つのスタイルとなって出来上がっている気はします。思えば、昔々に聞いた水車屋の頃から、そういうスタイルでした。よく動いて、ひょろっとした細っこい身体全体で歌っていました。それがまたあの歌曲集の場合には合ったものだけれども、白鳥の歌でもそれは変わりません。
 とはいえ、ボストリッジのドラマティックなスタイルは、後半で本領を発揮。前半も悪くなかったけれども、後半は一気にギアを上げた感じ。レルシュタープの歌が何処か甘いところを感じさすとするならば、ベートーヴェンは結構筋肉質の音楽で、劇的緊張が一気に高まった感じ。ボストリッジの全身で歌うようなスタイルには合ってます。そしてそのまま白鳥の歌後半のハイネの詩による歌曲へ。この日の白眉はハイネの二曲目、彼女の肖像でしょうか。歌に於いて、フォルテ、フォルティッシモとはこういうことなのだよ、と見本を見せられるが如し。普通、ハイネの歌の中では、一番劇的に激しいのはドッペルゲンガーだと思われると思うのですが、ボストリッジの今日の歌では、この「彼女の肖像」の最後が最大のフォルティッシモ。ここは「君を失ってしまった!」と嘆くところですが、しかし、曲調的には静かに入っていく曲で、実際、そこまで歌い上げない人もいるくらい。ここをボストリッジはホールの壁も割れんばかりに歌ったのですね。叫ぶのではない。大音声、というのとも違う。あくまで歌。歌としてmaxまで持っていく。県立音楽堂はもう70年以上前に建てられた、現役のホールとしては最古参の部類だと思うのですが(日比谷公会堂とか旧奏楽堂くらいですかね、他には)、確かに1000人くらいしか入らないホールとはいえ、ここでホールの容量が不足していると思ったことはないんですよね。そのホールに収まり切らないんじゃないか、と思ってしまうようなフォルティッシモの歌唱。
 ここでこれならドッペルゲンガーはどうなってしまうのか、と思ったのですが、ドッペルゲンガーも凄かったけれど、そこまでの柄の大きさではなかった。むしろ、内に向けて刺さってくるような、そんな鋭さを持つフォルティッシモ。どちらがどう、というのではなく、それぞれの歌に於いて表現を突き詰めた結果、なのでしょう。

 歌としては、好みの問題もあるけれど、むしろ本編よりもアンコールの3曲がより響いた気はします。
 正直、この白鳥の歌の後だと、まぁ時間的にはともかく、アンコールやるのか、無くてもいいくらいだけどな、と思う中でのまずは「さすらい人の月に寄せる歌」。これもいい歌なのだけれども、それに続けての2曲目。弔いの鐘、としていますが、死を告げる鐘、などともいう。伴奏の鐘を模した響きが印象的で、穏やかに聞こえてその実迫るものがある歌ですけれども、白鳥の歌とは打って変わってしみじみと歌い上げる。これで終わってもいいくらい、いや、下手なものをこれ以上重ねても仕方ない、というと思うところに、最後に「夕映の中で」。思わず唸らされるような見事な選曲。そして見事な歌唱。
 私はもともとドイツ歌曲からクラシックを聞き始めたようなものなので、やはりドイツ歌曲は好きという以上にホームポジションなのですが、なかなか最近はいい歌が聞けなかったりするのだけれど、本当に久し振りに、ドイツ歌曲を堪能させてもらいました。最近も聞いてないわけではなかったんですけれどもね。でも、こういう歌を聞くのは本当に久しぶり。近年のボストリッジの来日でも、ここまで気の入った歌はあまり聞けなかったんじゃないかな。あのハイネは、珍しくずっと覚えてるんじゃないかという気がします。正直、コンサートの記憶って、そんなにしっかり覚えてるもんじゃないんですよね、我ながら。年に1、2公演くらいかも知れません。後々まで覚えていそうなのは。その中でも、シューベルティアーでのボストリッジの水車屋は、細部はともかく、自分でも珍しく感動したことがあるとすればあの時くらいじゃないだろうか、という記憶が残るものだったのだけれども、そこまで行かずともずっと覚えているかも知れないと思います。
 確か、ボストリッジって、私より年上だったように思うので、もうそろそろ還暦くらいなんじゃないかと思うんですけれどもね。なにしろシューベルティアーデで聞いたのは20年以上前だから、少なくとも50代にはなっている筈なんだけれども、ちょっとそうは思えない歌だなぁと。ヴンダーリッヒなんかとはまたちょっと違う意味で永遠の若者的なところを感じます。勿論、音楽家としては、物凄く成熟していると思うのですけれども。

 公演後にサイン会をやるというけれど、今更CDって言っても持ってるし....と思ったら、来週発売の新著がフライングで販売、というのでそれを買って、サインももらってきました。なんかイニシャルだけみたいなアレな感じのサインだけど.........そういえば前に所沢でももらったかな。あの時はプログラムにもらったんだったか。

 トッパンホールのとかは、どうすっかなぁ.......いまいちピンとこないし、これくらいのものが聞ければと思わなくもないけれど、これほどのものはなかなか聞けないかも知れないしなぁ、無理までせんでもいいかなぁ、とか思いつつ。





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最終更新日  2024年01月20日 02時21分06秒
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