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新年も明けてもう1週間ですが、もうちょっと12月のコスパワイン会のワインです。今回はポルトガルの赤。キンタ・デ・ボンス・ヴェントス2016。生産者はカーサ・サントス・リマです。リスボンにあるワイナリーで、4代前からワイン造りを行っていましたが、1930年代より本格的に取り組みだしたそう。2013年には最新技術を取り入れたワイナリーを新設、そのコストパフォーマンスの高さで世界的に知られています。リスボン、ドウロ、ヴィーニョ・ヴェルデ、アレンテージョ、アルガルヴェに、実に350ha以上の畑を有しているというのもそのコスパの秘密かもしれません。セパージュは、カステラン、トゥーリガ・ナシオナル、カマラレ、ティンタ・ミウダとポルトガルらしく土着品種オンリー。価格は1200円程度。色は黒さがあり透明度も低いですがガーネット系の雰囲気はあります。香りは濃厚なフルーツが感じられ、赤や青のベリーのコンポート、完熟ヤマモモやそのジャム、プラム、更には葡萄ジャム、寧ろ葡萄の佃煮というべき要素まであったでしょうか。そこに、ナッツやバニラ、各種茶色いスパイスといったものや、少々の桜の花、若しくは桜餅といったようなニュアンスが加わります。味わいは、香りに似合った南の産地らしい果実味の華やかなものです。アタックからキッチリ主張しますね。ただ、しっとりながらも明るさのある酸と、キュッと締まる渋みがあり、ポルトガルワインらしい抑制も見られます。渋みは量も多く、そこまで強いものではありませんが後口まで印象を残します。ボディはなめらかなミディアムです。会ではパスタのところで飲みましたが、これはもうバッチリ。ミートソースのトマトのコク、甘み、それに肉の旨みといったものに、ワインの果実味や渋み、そしてしっかりしたフルーツ香がよく馴染みます。ググッと立体感、深みが出ますね。また、チーズプレートのゴーダチーズを少し残していたものを合わせてみましたが、こちらもバッチリ。キャラメル的なニュアンスのあるチーズの風味に、ワインの果実感がバッチリですし、チーズのまろやかさがワインの果実味や渋みを柔らかく感じさせてくれますね。ポルトガルワインはボチボチ飲んでいますが、リスボンを明確に産地としているワインは初めてだったかもしれません。果実感がありフルーティに楽しめるところは少しドウロっぽかったかも。ただ、それなりの落ち着きもあり、やはりこのワインが1500円しないというのは大変なコストパフォーマンスの高さではないかなと思います。キンタ・デ・ボンス・ベントスカーサ・サントス・リマ[長S] 赤ワイン楽天内でも取り扱いがあり、なんとこちらのお店では投稿時現在で1100円。まさにデイリーワインに最適ですね。にほんブログ村
2020年01月06日
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今回から、9月のピノ・ノワール飲み比べ会のワインです。先ずは、スターターの白から。ムロス・アンティゴス・アルヴァリーニョ2016。生産者アンセルモ・メンデスは、元々ワインコンサルタントをしていたアンセルモ・メンデス氏が、故郷ミーニョに1997年に設立したワイナリーです。ヴィーニョ・ヴェルデの産地であるミーニョですが、アンセルモ・メンデスでは早摘みしたブドウに、時に補糖をして微発泡に仕上げる従来のヴィーニョ・ヴェルデと異なる、補糖や発泡のないスタイルのものを手がけ高評価を得ています。セパージュは、アルヴァリーニョ100%。ミーニョはスペインのリアス・バイシャスに近く、アルヴァリーニョの産地としても現在注目されています。価格は2000円程度。色は薄い黄色もツヤ感あり。香りはやはりフルーティさがよく出ており、リンゴ、みかん、グレープフルーツ、メロンなどなど感じられました。また、そこに若干の蜜っぽさも。ただ、甘いニュアンスだけでなく、石灰、各種ハーブ、若干の土っぽさといった要素も。あと、どこか金木犀的な黄色い花の気配もあったでしょうか。味わいは、香りに似合った果実味のアタックのあるものですが、そこに加わるトーンの低い酸、後口にかけてはっきり見えてくる軽い苦味がバランスよし。ボディはミディアムくらいありました。やはり、海辺のワインらしくまったりしたミネラルが感じられます。 会では最初に飲みましたので、チーズプレートと合わせることになりました。やはり、ブルーなど濃いものにはちょっと難しいですが、ハード系の旨みにはバッチリです。また、結構良かったのがドライフルーツで、今回キウイを添えて下さっていましたが、その甘味や香りに、ワインのフルーティさがよく馴染みました。また、ウォッシュチーズをそのキウイと一緒にいただきますと、味わいがマイルドになってワインと合いやすくなったのは面白い発見でした。微発泡もしておらず、結構しっかり目の白ワインと言う雰囲気です、ヴィーニョ・ヴェルデと言えばあの爽やかさ、と考えて飲みますと大分びっくりしますが、これはこれで完成度の高さを感じさせてくれました。また、やっぱり魚介系に合わせてみたいなと言う味わいでもあり、これからの季節カニや牡蠣なんて楽しそうです。アンセルモ・メンデス ムロス・アンティゴス・アルヴァリーニョ投稿時現在、楽天内では1848円が最安値のようです。これはなかなかのコスパワインだったなと。ポルトガルワインはこういうものが2000円切って見つかるのですから嬉しいところです。にほんブログ村
2019年09月12日
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と言う事で、今回から先日の台所山猫さんでの和食と爽やかなワインの会のワインです。先ずはポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデから。ツイン・ヴァインズ・ヴィーニョ・ヴェルデ。生産者はジョゼ・マリア・ダ・フォンセカです。リスボンからさらに南の地にあるセトゥーバルのワイナリーで、1834年の創業。ずっと家族経営を続けていますが、自社畑の総面積は実に650haに上り、本拠セトゥーバルは勿論、アレンテージョ、ドウロ、ダン、そして今回のヴィーニョ・ヴェルデと5つの産地で34のブランドを手がける大きな生産者です。セパージュはロウレイロ70%、トラジャドゥラ15%、ペデルナン10%、アルヴァリーニョ5%。価格は1200円程度です。色は淡い黄色。黄色感はゼロではありませんが薄いものです。香りは開けたてはちょっとカヴァなどに感じることもあるマヨネーズ風味のおかきの様なニュアンスがありつつ、洋ナシや南国フルーツが出るといった所。それが、時間と共におかきっぽさはなりを潜め、抜栓時からあった洋ナシや南国フルーツっぽさに加えてライムやグレープフルーツ、スイーティなど黄色や緑の柑橘のニュアンスも現われよりフルーティに。また、白や黄色の花、蜜っぽさ、乾燥ハーブ、それに若干のヨードっぽさ?のような要素も出てきたでしょうか。味わいはフルーティで果実味しっかり。やや辛口と感じる方もいたくらいです。しかし、そこは爽やかワインの代表格ヴィーニョ・ヴェルデ、明るい柑橘的な酸がその果実味の中にしっかり入ります。ボディもライトで、クリアーさやパリッと感のあるものとなっており、ヴィーニョ・ヴェルデらしく微発泡もしていることから、フレッシュでさっぱりした口当たりです。会では、1品目のタイラギ貝と春野菜の柚子胡椒ソース和えのところで頂きました。相性は手堅い感じで、タイラギ貝の甘みやしっかりした食感に、ワインの果実味や微発泡な口当たりがよく合いますし、そこに柚子胡椒のソースの塩味や旨み、若干の辛みと香りが加わると、果実味に加えて酸の明るさともよく馴染む感じに。野菜とも、やはりその甘味や食感にいいですね。今回は試せませんでしたが、2品目のお造りにもよかったのではないかなと。特に、ヒラメがありましたがああいった白身の魚とも間違いなさそうです。ジョゼ・マリア・ダ・フォンセカと言いますと、酒精強化のモスカテル・デ・セトゥーバルや、辛口赤白のペリキータなどのブランドは知っていましたが、ヴィーニョ・ヴェルデをやっているのは知りませんでした。今回どうかなと試してみましたが、カザル・ガルシアなどより少しフルーティな印象が強いのは南方の生産者らしさなのかななんて思いつつも、さすがのまとまりだなとも感じさせてくれました。食事との相性も間違いなく、これからの季節に重宝するワインでしょう。ツイン・ヴァインズ ヴィーニョ・ヴェルデ 750ml/ジョゼ・マリア・ダ・フォンセカ楽天内でもいくつか取り扱いがあるようです。こちらのお店では1166円。暑い季節には冷蔵庫に常備したいワインです。にほんブログ村
2019年04月23日
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と言う事で今回から先日の中華料理とロゼワインの会のワインです。先ずは夏にぴったりなヴィーニョ・ヴェルデから。ラゴ・ヴィーニョ・ヴェルデ・ロゼ。生産者キンタ・ダ・カルサダは1917年設立だそうで、昨年で100周年だったワイナリーです。ポルトから北東の、アマランテと言う街にある、ヴィーニョ・ヴェルデで最も古い畑のある宮殿建築のなかあり、ホテルも兼ねているようです。セパージュは、地場品種のヴィニャオと言う黒ブドウ100%。価格は、1000円程度。色は淡いピンク。赤みも大人しく、桜色ともいえるピンクらしいピンクでした。香りはイチゴ、ラズベリー、クランベリーなどフレッシュ赤ベリーのニュアンスがよく出ています。また、ピンクグレープフルーツや、少々のモモっぽさ、また、洋ナシ的な雰囲気等もあり、フレッシュでフルーティです。加えて、赤い花や微かな桜っぽさといった要素も。更に、ピンクペッパーや若干ながらオリエンタルスパイスの気配などもあったでしょうか。味わいは明るい酸がふわっと広がりつつ、そこに酸と互角程度の果実味が乗って来て香りに似合ったフルーティさがあります。ボディはライトでさらっとした質感。ヴィーニョ・ヴェルデらしく微発泡しており、よく冷えていたこともあって実に爽やかでした。会では、最初のよだれ鶏、続いての前菜4種の辺りで飲みました。よだれ鶏とは、タレの味わいがしっかりしていたこともありやや負け気味でしたが、それでも鶏の旨みとの相性の良さは見えました。前菜とは、ホタテと万能ねぎ・生姜のソースとの相性が非常に良かったですね。ホタテの甘みとワインの果実感が合うのと、ソースのネギや生姜の香りとも喧嘩せず、寧ろ馴染む感じでした。また、タコの豆板醤+山椒の和え物とも中々。山椒、豆板醤どちらの香りとも、ワインのフレッシュな赤いフルーツの気配が噛み合いますし、タコの旨みとはやはりバッチリ。キレイな色合いにフレッシュなフルーツ香、そして果実味がありつつも明るい酸と微発泡の爽やかさがあると、まさに暑い時期に冷やして飲むのにぴったり、そして、ワイン会などのアペリティフとしても最適なワインでした。【6本〜送料無料】ラゴ ヴィーニョ ヴェルデ ロゼ NV カルサダ 750ml [ロゼ]Lago Vinho Verde Rose Quinta Da Calcada楽天内ではこちらのお店で現在1026円。このお手頃な価格もうれしいところです。にほんブログ村
2018年09月09日
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今回はポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデです。ロゼになります。ヴィーニョ・ヴェルデ・ロゼ。ヴィーニャス・アルタスのワインは、以前白のヴィーニョ・ヴェルデを記事にしていますが、こちらはそれのロゼになります。やっぱり詳細は不明です。インポーターはコルドンヴェールということで、扱いは岡山ではイオンになります。セパージュは、パデイロ、ボハカル、エスパデイロという地場品種3種。価格は1000円程度ですが、実はイオンの在庫処分セールで800円弱で買えました^^;色は淡いオレンジといった所で、夕焼けを思わせるような雰囲気です。香りは赤ベリー各種やチェリーといった赤いフルーツを軸に、柿や若干のリンゴっぽさを感じるなどやはりフルーティ。ただ、少々お店で熟成していたのか、ピンクペッパーっぽさやハーブのニュアンスに加え、ペトロール的な軽いオイリーさも感じました。その他、花の蜜や赤い花っぽさ、それに若干のマヨネーズおかき的なニュアンスもあったでしょうか。味わいは、ヴィーニョ・ヴェルデらしく微発泡しています。また、「やや辛口」表記でしたが果実味のアタックはしっかりあり、というか軽く残糖していたのかなと。酸は明るくキュッとした、小さな赤いフルーツを思わせるものですが、印象は大人しく溶け込んだ感じも受けたのは、やはり長くお店に在庫としてあったからでしょうか。ボディはライトで、後口に軽い苦みの印象を残しつつすっと消えます。食事との相性では、鱧の焙りがいいつまみになりました。焙ったことでの香ばしさがワインの赤いニュアンスに合いますし、鱧独特の香りや味わいに対してもワインの旨みが馴染みますね。甘味は全く邪魔になりませんし、それどころか鱧の旨み+今回使ったポン酢の塩気や旨み、酸味に対し、その甘味が加わることでむしろ旨みの印象がアップする感じに。その他、ゴーヤチャンプルーとも、ゴーヤの苦味に負けずいい相性でしたし、ブリの塩焼きや信田揚げ、砂肝のから揚げ、野菜の煮しめ等相性の幅は広かったです。まさに良く冷やして、暑い時期に気軽に楽しめるワインですし、食事との相性も幅広く、ビール代わりと言う程ではありませんが、某酒場を放浪するテレビ番組を見ながら、ゴーヤチャンプルーなどをつまみつつ居酒屋気分で飲めました。ただ、若干のオイリーさが出ている等、結構深みも感じられたのは楽しかったですね。にほんブログ村
2017年09月12日
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しばらく日本ワイン関係の記事が続きましたので、ここらで久々に海外ワインを。ポルトガルの赤になります。キンタ・ド・カルモ ティント2013。生産者はキンタ・ド・カルモ。こちらのワインは、以前シャトー・ラフィットとのジョイントで造られていました。レゼルヴァが漫画「神の雫」に掲載されたこともありましたね。現在は、ラフィットグループの手を離れ、リスボンから30キロくらいのところにあるという、1922年創業のバカリョア社と言うワイナリーのグループ会社となっています。キンタ・ド・カルモ自体は、アレンテージョ地方にあり、渓谷地形を活かした水はけのよい畑でブドウが作られています。セパージュは、アラゴネス、トリンカデイラ、アリカント・ブーシェの地場品種に、カベルネ・ソーヴィニヨンを加えたもの。価格は、楽天内では3650円。色は赤黒く透明感も無し。エッジには少々紫感も見える赤が。香りは赤ベリーに黒ベリー、ブルーベリー、さらにはそれらベリーのジャムといったベリー感あふれるもので、加えてプラムやカシス、ヤマモモ、それにダークチェリーや少々のチェリーリキュールといった要素も感じられ、南欧らしいフルーティーさの強いものとなっています。勿論フルーツだけでなく、スミレの花やバルサミコ、茶色いスパイス、軽いココナッツといった様なものや、微かなターリーさやなめし革、それにコーヒーといったニュアンスも感じられました。味わいは、フルーティな香りに似合った果実のアタックしっかりなもの。そこに、明るい酸がピッと入り、その酸は後口にかけて果実味の印象が落ち着くとグッと存在感を増します。また、渋みもしっかりあり、果実味や酸の背景にタンニンが敷き詰められたような感覚でした。舌触りにも存在感がありますね。ボディはミディアムフルといった所で、そこまでごつい感じではなく、丸さと膨らみ、ハリを感じるといった所でした。今回は、塩漬け生アンコールペッパーがありましたのでそれで全卵カルボナーラを作ったのですが、よく合いました。コショウの香りとワインのスパイシーさやベリー感がよく合いますし、チーズたっぷりで濃厚な味わいのカルボナーラソースに対し、ワインの果実味や渋みがよいアクセントになってくれました。また、ブリアラが売っていたのでこんな時期ですばブリ大根をしてみましたところ、これもいい相性。脂の乗った串間黒瀬ブリの味わいはワインのインパクトに負けず、むしろ果実味や渋みと相まって脂の旨みが引き出され脂っこさが抑えられる感じに。その他、砂肝のから揚げとは、鉄っぽさを旨みとして引き出してくれましたし、トマトベースの肉じゃがなんかも、トマトの甘みや旨みと噛み合う感じでいいつまみになりました。ここのワインはラフィット時代のものも飲んでいますが、その当時の印象は結構果実味を抑えた感じ、結構ボルドー的というものでした。勿論ヴィンテージの違いもありますし一概には言えないのでしょうが、今回のもの果実味豊かでよりポルトガル的になったような気もします。また、ラフィット時代のものは15年位熟成したものも飲みまして、非常に良かったのですが、今回のワインもその位熟成させてみてどうなるかも興味深いところです。キンタ・ド・カルモ’13 【7776283】インポーター、販売者はベルーナだったりします。にほんブログ村
2017年08月19日
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先日開催いたしました白ワインを飲む会のワイン、2種類目はポルトガル。分類上はヴィーニョ・ヴェルデのようです。ムロス・アンティゴス・アルヴァリーニョ2012。生産者アンセルモ・メンデスはポルトガル北部、ミーニョ地方のワイナリーです。元々醸造コンサルタント活躍されていたアンセルモ氏が、満を持して1997年に開業しました。ミーニョは、その環境特性から、複数の品種のブドウを完熟させずに収穫、微発泡の爽やかなワインとして仕上げるヴィーニョ・ヴェルデの産地なのですが、近年はアルヴァリーニョ等の高級品種を単一で、しっかり完熟させ、微発泡ではなく補糖なども行わないかっちりした白ワインとして作るものも増えており、アンセルモもそういったスタイルの旗手の一人となっています。という事で、本ワインもアルヴァリーニョ100%、ヴィンテージも2012という事でモダンスタイルのカッチリタイプです。価格は、写真のお店で2000円。送料込みです^^色は明るい黄色。濃い色合いという感じではありませんが、軽くツヤ感もあったような。香りは色合いに似合った柑橘感豊かなもので、レモンっぽさを中心にグレープフルーツやライム、さらにフレッシュフルーツだけでなく、懐かしのレモネードのような要素も。ただ、やはり作り方の影響か、蜜っぽさや蜜入りリンゴの様なニュアンスや、ドライマンゴーなどのドライフルーツ感が加わります。その他、白い花やミネラル、ハーブといったものも感じられました。味わいはバランスのいいもので、果実味が旨みと共にアタックからじんわり拡がりつつ、そこに明るい柑橘的な酸が優しく加わります。ボディはなめらかさとクリアーさを感じるライト。ハリや骨格を感じるものとなっています。会では、やはりパクチー入りカプレーゼとの相性がバッチリでした。ポルトガルはパクチー=コリアンダーを食べる国で、スパイスとしては勿論葉っぱも用いるとの事ですが、パクチーのグリーンな香りと、ワインの柑橘感や、蜜っぽさの奥にあるハーブっぽいニュアンスが共鳴する感じに。また、ワインの優しい果実味や酸に、トマトの甘さ酸っぱさ、モッツァレラの旨みといったものもよく合っていました。また、鶏ハムもいいつまみで、ハムの旨みや塩気が、ワインの果実味といい対比になります。加えて、質感の相性もいいですね。よくある微発泡なヴィーニョ・ヴェルデと比べますと、確かに香りにも味わいにもしっかりしたところはあります。しかし、柑橘のニュアンスが出ていて、鮮やかな酸があるところなど、そのフレッシュさはやはりヴィーニョ・ヴェルデだなと。サラダとの相性も良かったですし、生魚系にも良さそうで、前菜辺りと合わせたいワインですし、これからの季節、お昼や、夕方のまだ明るいうちからよく冷やして、屋外やテラス辺りで楽しむには100点のワインと言えそうです。海が見えれば200点でしょうね^^【送料無料】アンセルモ・メンデス ムロス・アンティゴス アルヴァリーニョ [2012] 4997678457792【04001】【YDKG-f】【smtb-KD】【wineday】【ぽっきり】【ポッキリ】ジメジメを忘れさせてくれるワインでした。にほんブログ村
2017年06月30日
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さて、これで先日のシャルドネ飲み比べ会のワインも最後。〆にはやはり赤もということで、ポルトガルのものを。アネト・ディル2010。生産者はソブレードス。ポルトガル、ドウロ地方のワイナリーで、家族経営ですが設立自体は2001年と実は結構最近。ポルトガルのワイナリーらしく、樹齢の高い木が植わっている畑を所有しており、手掛ける品種は、黒ブドウではトゥーリガ・ナシオナルやティンタ・ロリス、白ブドウではアリント等地場品種が殆どですが、一部セミヨンなど国際品種も植えているとの事。セパージュは、トゥーリガ・フランカ トゥーリガ・ナショナル ティンタ・ロリスというザ・ポルトガルな内容です。価格は、楽天内では1300円程度でしょうか。色は赤さはあるものの、しっかり濃く、黒さもあります。濃く深いガーネットといったところでしょうか。ただ、エッジにはルビーも見えます。香りは茶色いスパイスやオリエンタルハーブといったものが感じられ、さらにチョコやココアの雰囲気も少々。そこに、ドライトマトやブラックオリーブ、スミレの花といった要素や、各種赤ベリーやブラックベリー、ダークチェリーといった濃いフルーツ香、さらにはそれらフルーツのジャムといったニュアンスも感じられたでしょうか。味わいは開けたては、酸主体で硬質感すら感じさせるような口当たりのミディアム系。それが、時間と共に果実味が一気に開き、フルーティさ、南国感を感じさせるものに。ボディも、丸さや膨らみ、まろやかさを感じる質感になり、ミディアムフル位の印象にはなったでしょうか。ただ、口当たりの滑らかさは、時間がたっても健在でした。会では、これはもうオリーブがいいつまみでした。塩気が果実味といい対比になりますし、香りの面の相性、似た要素があるおかげでか上々です。また、バジルソースとトマトのオイル漬けにもよく馴染みます。バジルソースの香りとワインのスパイシーさやスミレっぽさがいいですし、トマトとは香りも勿論ですし、トマトの甘みがワインの果実味にハマり、さらに酸味が味わいを引き締めてくれる感じでした。このワインを合わせるなら、豚肉系が先ずは思いつくでしょうか。ローストは勿論、角煮なんかにも良さそうです。特に、八角などを用いた中華風のものですとより面白い相性になるかも。手頃な価格ですが、果実味の膨らみや、意外なバランスの良さを感じられました。ヨーロッパのワインは流石にまあそれなりの値段のものが多くなってきている中で、ポルトガルというのは、欧州におけるコスパワイン最後のフロンティアではないかと個人的に考えていたりするのですが、このワインにもそういう可能性を感じました。なんせ、6年熟成した1300円のワインがこれだけまだまだ元気な訳ですからね~。ソブレードス アネト ディル暖かいドウロ地方のらしさが出ていたように思います。にほんブログ村
2016年10月15日
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今回はポルトガルの格安白ワインです。アデガ・ド・モレイロ・ヴィーニョ・ブランコ。生産者はサントス&サントスです。リスボア地方にあるワイナリーで、創業は1977年。その名の通り、サントス兄弟によってコストパフォーマンスの高いワインを作るべく立ち上げられました。現在は兄弟の子供たちが運営しています。150ヘクタールの広大な畑を所有、地場品種を中心に栽培しているそうです。モレイロとは風車の事で、サントス兄弟が所有していた風車からとったそう。セパージュは、フェルナン・ピエス70%、アリント30%。価格は、写真のお店で753円。色は黄色。そこまで薄くはありませんが、濃くも無くといった所。麦わら位でしょうか。香りはフルーティです。バナナっぽさがありつつ、そこにレモンやミカン、グレープフルーツといった柑橘類や、洋ナシ、パッションフルーツっぽさといったものが加わります。その他、白い花や軽い石灰っぽさ、それにオリエンタルハーブっぽさ等が感じられたでしょうか。味わいは、果実味中心。ただ、フルーツ感はスッと消えます。そこに旨みや、後口にかけての苦味が加わる感じで、酸は全体の背景的にしっとりと、しかし明るく存在する印象でした。ボディはライト。香りのミネラル感の印象とは異なり、丸さやまろやかさを感じる口当たりでした。食事との相性で面白かったのは、野菜のトルティーヤです。ソースがカレーベースだったのですが、カレーの香りとワインの南国フルーツ感やハーブっぽさがよく馴染みました。トルティーヤ生地の香りにもなじみますし、野菜の甘みやみずみずしさは、ワインの果実中心の味わいにフレッシュさを加えてくれる感じで、非常にいい相性でした。その他、ブリのお刺身との相性も良好。ワインのボリューム感と魚の脂の乗った濃厚さがよく馴染んでいました。一方、アジとはちょっと生臭みが出る感じ。ネギやショウガなどの薬味を一緒にすると、臭みが抑えられ相性はグッとアップしましたね。また、チャーシューもいい感じ。やや甘味のある、しかし肉の旨さを感じられるもので脂は少な目でしたが、肉の旨みや味付けの甘みに、ワインの香りや旨み、果実味がいいですし、後口の軽い苦みのおかげで食も進みますね。ワイナリーのスタンス通り、コスパの高いワインでした。ただ、流石に持続力はあまりなく、抜栓二日目はまだ何とか、という所でしたが三日目になりますと香りも味もへたってくる感じで、アルコール感も少し目立ち始めました。なるべく早いうちに飲み切った方がよさそう。イベントやパーティなどでは使いやすいかもしれませんね。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2015年09月07日
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ここからは先日のコスパワイン会のワインです。先ずは、まさに夏ワインなコチラ。ヴィーニョ・ヴェルデ。生産者はヴィーニャス・アルタスですが、ワイナリーについての詳細は不明。ホームページも見当たりませんでした。インポーターはコルドンヴェールのようですが、取り扱いは実はイオンです。ヴィーニョ・ヴェルデは、「緑のワイン」を意味するポルトガル語。ポルトガル北西部、ミーニョのワインです。作られているワインは実は赤が多いそうですが、やはり「緑のワイン」そのものな、この微発泡白が日本では有名でしょうね。セパージュは、アリント40%、トラジャドゥーラ30%、ローレイロ30%。価格は、イオンで950円!です。色は青みがかった極薄い黄色。極めて典型的な色合いですね。香りは、グレープフルーツやライム、軽いスダチなど柑橘しっかり。そこに、白い花や軽いリンゴっぽさ、それに微かな南国フルーツ的ニュアンスが加わります。また、軽いグリーンペッパー的な雰囲気や、レモングラスなどのグリーンハーブっぽさもあったでしょうか。味わいは、ヴィーニョ・ヴェルデらしく微発泡しているのですが、その発泡感はかなり弱めだったのが特徴的かなと。中心要素は果実味ですがそこまで濃いものではなく、明るくフレッシュな酸と、後口にかけてのグレープフルーツ的な苦みと相まってフレッシュフルーティです。ボディは勿論ライト。ただ、発泡の弱さもあってか、少々の丸みを感じはしました。色々つまみを合わせましたが、先ず基本的に合わないものは無いですね。で、その中でもピクルスはいいつまみでした。ピクルスの酸や旨み(ヒラタさんでは、砂糖を使わずにピクルスを作られています)とワインの果実味やボディ感がよく馴染んでいました。また、サラミも中々で、魚系に合うかなと思っていたのですが、これまた果実味、さらに後口の苦味などが、肉の旨み、脂にいい感じでした。では、魚系と嵌らないかというとそんなことは無く、ホタテのスモークとは、ホタテの香り、旨み、食感が、ワインの香り、味わい、そして発泡感にマッチ。他のものも悪くないですが、ホタテが魚介スモークの中では一番でしたね。ヴィーニョ・ヴェルデは色々飲んでいますが、白はどれもフレッシュで微発泡、度数もあまり高くなく、夏場にキンキンに冷やして楽しいワインです。このワインも、発泡感が大人しく、やや丸みや果実味の印象を強めに感じるものの、やはり、夏に楽しいワインであることに間違いないかと思います。昼間から頂くのもいいですし、屋外、例えば海でシーフードバーベキューなんかと一緒に頂くのにも100点なワインではないかなと思います。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2015年08月04日
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今回は、涼しくなってきた夜に美味しいフルーティなポルトガルの赤です。ポルカ・デ・ムルサ・ティント2011。生産者はレアル・コンパーニャ・ヴェーリャ。ポートワインの産地であり、世界最古の原産地呼称制定地域でもあるドウロのワイナリーです。1756年創業という歴史ある作り手で、古くからポートワインの他、テーブルワインも手掛けて来ました。価格は1080円程度ですが、楽天内には取り扱いは無し。色は紫感もまだあるガーネット系。透明度も低めです。香りはブラックベリーやダークチェリー、それに少々のブルーベリーやプラムなど、色の濃いフルーツやスミレ、軽いポルチーニ的なキノコといったものが感じられました。また、時間と共に赤いベリーのコンポートや、それらのフレッシュフルーツ、さらに、遠くにトマトやバルサミコといったものも。味わいは、開けて直ぐは南国らしい果実味を中心に、乳酸系の明るい酸や渋みが追いかけてくるといった感じ。ボディはミディアム程度で、ミネラル感もありクリアーな質感です。また、抜栓二日目になりますと、果実味がこなれて酸がより存在感を増します。ボディの印象も、よりしなやかに感じられたでしょうか。食事とはなかなか意外な相性でした。ハンバーグ(デミソース)や、牛肉の赤ワイン煮に合わせてみますと、やはり間違いない感じ。ソース的に肉の旨味を引き立てつつ、酸や渋みで後口をサッパリといった感じ。ただ、よりよかったのがお寿司で、先ず酢飯との相性がよく、さらに、サーモンやブリとは、脂の旨味とワインの渋みや果実味が抜群。サーモンとは、香りの面でも良好です。また、面白いのがイクラの軍艦。およそ赤ワインとは合いそうにないものですが、臭みなど全く出ず、何やらフルーティな雰囲気さえ。流石海洋国家ポルトガルのワインというべきか、生魚、さらには魚卵にさえ合ってしまいました。ドウロのワインはしっかりしており、香りや味わいは分かりやすいので、肉系やトマト系などと合わせてばかりでしたが、ちょっと相性の探究をしてみないといけませんね。にほんブログ村 「ワインモア」でこの記事を チェック!
2014年10月03日
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今回はポルトガルワインです。コスパ満点のお手頃ワインの多いイメージですがグランヴァンもあります。今回は、そんな上級レンジなワインです。インコグニート2008。生産者はコルテス・デ・シーマ。ポルトガルの中では新しい産地である、南方のアレンテージョのワイナリーで、1996年からワイン作りを始めたという、こちらもまだ新しい作り手になります。カリフォルニアでワイン作りを学んだデンマーク人の夫妻が営んでおり、当地で世界基準のワイン作りを導入しました。一方で、地場品種であるアラゴネス(スペインのテンプラリーニョ)や、ポルトガル固有品種であるトゥーリガ・ナシオナルを大切にしています。ただ、このワイナリーの真骨頂はシラー。アレンテージョにシラーが向いていることを世界に知らしめたワイナリーで、ヒュー・ジョンソンの「死ぬまでに飲むべき1001本のワイン」に選ばれました。本ワインは、同ワイナリーのトップキュヴェになります。セパージュは、シラー100%。価格は、写真のお店で8424円。色は赤紫。中心部は黒く透明度は無し。まだまだ若さを感じます。香りは、開けて直ぐは茶色いスパイス、黒ベリー、プラム、それに赤ベリーやそのジャム、少々のアセロラといった赤いフルーツのニュアンスも出ていました。そこに、キノコや土、軽いターリーさ、奥の方に感じる甘草、それにドライマンゴーや黄色いフルーツのドライフルーツといったものが加わります。また、抜栓翌日になりますと、ナッツや桐っぽさ、黒コショウ、トリュフ、チェリー、干しブドウ、オリーブオイルやブラックオリーブそのもの、それにカラメルや軽いプリンのような雰囲気といったものが出てきました。味わいは強いですが、一方でバランスは抜群。豊富な渋味、明るい酸、ジューシーな果実味が拮抗しています。各要素がしっかりしていながら、そのバランスの良さのおかげで落ち着いた印象を受けるといった感じ。ボディは紛うことなきフルボディ。タンニンしっかりで堅牢な印象。なめらかな口当たりですが、硬質感を感じます。単独での鑑賞にも十二分に耐えますが、一方で食事にも合います。ただ、これに合わせるならこれはもう肉です。ラム肉をキノコとシンプルに塩コショウ+醤油で炒めた物をつまんでみましたが、ラム肉のやキノコの旨みをよく引き出しつつ、さらに果実味や胡椒や醤油の香りとワインの香りがあいまって、全体と味の深みが増す印象でした。また、ラム肉をトマト煮込みにしてみますと、トマトの酸や旨みとはやはりよく合うようで、炒め物とはまた違った、香りや酸の相性でした。また、牛肉のたたきも大正解。肉の脂の甘みや旨みをよく引き出してくれます。もちろん、ワインが脇役になるという事は無く、その味わいの要素の中に違和感なく肉の味わいを取り込んでいました。世界にはあまり知られていない優れたワインがたくさんあります。このワインも、そんなワインの一つといえるでしょう。なお、来月6日には1日ワインバースペイン&ポルトガル編を開催いたします。流石にこのワインは出ませんが^^;、イベリア半島のまだ見ぬ銘酒をお楽しみいただければと思います。詳細はリンク先をご覧ください。お待ちしております!!にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年06月25日
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今回はポルトガルのお手頃赤ワインです。アトランティコ・レゼルヴァ2011。生産者カザ・アグリコラ・アレクサンドレ・レウヴァスは、伝統産地ポルトガルにおいて2003年創業という新しいワイナリーです。ワイナリーのあるアレンテージョはポルトガル南部の比較的新しい産地ですが、樹齢15年を超える木もあり、本ワイナリーも所有しています。サスティナブル農法を実践している他、コルクの産地という事でコルクの木の植樹にも熱心です。セパージュは、アリカンテ・ブーシェ 50%、カベルネ・ソーヴィニヨン25%、アラゴネス25%。価格は、写真のお店で980円。色は濃いルビーといったところ。ガーネットというには赤く、紫感も少々。香りは、シナモンなど定番の茶色いスパイスや黒コショウっぽさに、少々の焼き芋や焼き栗っぽさといった甘さと香ばしさのあるニュアンスが感じられました。その他、赤ベリーやブルーベリー、ヤマモモ、プラムといったフルーツや、軽いヨード的な雰囲気も。味わいは、果実味がメインも、そこに明るくフレッシュな酸が入っているので、軽快なものとなっています。渋みは穏やかで、後口にかけてアクセントになる程度。ボディはミディアムライト程度。柔らかく丸い口当たりで、旨みも感じます。ブリ大根と合わせたいところでしたが、お気に入りのアラと切り身のセットが出ていなかったのでブリの刺身をつまんでみることに。しかし、これが結構いけます。味わいがはっきりしているもののそこまでごつくないワインですので、寒ブリの強い脂と濃厚な味わいによくマッチしました。脂の甘みとワインの果実味、そして魚の旨みとワインの旨みが引き合い、それをタンニンや酸が上手く纏め上げる感じです。その他、から揚げやメンチカツなどスーパーのお惣菜を適当に合わせてみましたが十分いけます。から揚げの鶏の旨みにも合いますし、メンチカツにもやや押され気味ではありますが、肉の旨みといけます。また、酸やタンニンは揚げ物の油っぽさにも効きますね。ポルトガルは青魚の摂取量が多く、焼いたイワシに赤ワインを合わせたりもするそうで、なるほどブリに合うのも頷けるかなと思います。果実味のインパクトが弱いワインではありませんが、食事にはかなり合わせやすいタイプかなと。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年02月25日
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さて、ここからは先日のお寿司とシャンパーニュとシャルドネの会のワイン…と行きたいところですがその前に、先日21日は満月でしたので、今月の満月ロゼです^^ドウロ・ロゼ2010。生産者カルムは、ポルトガルのドウロで18世紀からワイン作りを行っています。ポートの名産地ということで、多分に漏れずポート作りも行っていたようですが、1990年代から高品質なスティルワイン作りを志向したそうです。ドウロ東部のスペイン国境に近いエリアの、雨が少なく痩せた土壌で、かつ、標高の高い場所に畑を持っています。セパージュは、トゥーリガ・ナシオナル100%。ポートにもよく使われるドウロを代表する品種です。価格は、写真のお店で1344円。色は赤みのある鮮やかなピンクです。結構華やか。香りは、ロゼらしくラズベリーやストロベリーといったニュアンスがありますが。トゥーリガ・ナシオナルの赤によく感じるスミレっぽさや八角、シナモンといった茶色いスパイスっぽさといったものも出ているのが面白かったです。その他、微かなトマトっぽさやピンクグレープフルーツ的ニュアンス、サクランボといった要素も感じられたでしょうか。味わいはジューシーな印象。果実味が印象の中心ですが、しっとり系も明るさのある酸がスッと出てきて、赤いフルーツ的ないいバランスです。また、後口にかけて微かな渋味も。ボディはクリアーさのあるライトですが、やや丸み、膨らみを感じさせはします。食事との相性も広くいけます。タイ料理とあわせますと、生春巻きや牛肉を使ったスパイシーなサラダなど色々合いました。特に、ややスパイシーな香りのニュアンスや微かなタンニンが、牛肉を使っていつつもさっぱりしているサラダには香り、旨みの面でなかなかの好相性でした。また、鳥肉との相性もいいようで、バンバンジーとあわせますと鳥の旨みをよく引き出してくれますほか、ゴマダレとワインのフルーツ感が意外とマッチします。また、醤油とも相性いいらしく、しょうゆ味のから揚げもいいつまみになりました。手頃な価格ですが、フルーティさだけでない、少し赤ワインに通じるような複雑なニュアンスもありました。夏場に冷やしてもいいですが、涼しくなってからも色々楽しめそうなロゼです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年08月24日
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今回はお手頃ながら各要素のしっかりした、コスパ充分のポルトガルの赤です。コルエイタ2008。生産者のキンタ・デ・バイショは、ポルトガル西部のバイラーダ地区のワイナリー。バイラーダの葡萄栽培はポルトガル建国時にまで遡る歴史あるものですが、このワイナリーは設立20数年という新しいつくり手。それでも、バイラーダのメジャーなエリアに畑を持ち、バイラーダの土着品種バガやポルトガルの伝統品種トゥーリガ・ナシオナル、それにシラーやメルローといった品種を栽培しています。セパージュは、バガとトゥーリガ・ナシオナルのポルトガルオリジナルなもの。価格は1390円ですが楽天内には無し。ポルトガルワイン専門店の播磨屋にて購入しました。色は黒いです。紫やガーネットも感じますが、黒いといっていいでしょう。ただ、エッジにはガーネットが見えます。香りは色に似合った濃い要素が出ており、ブラックベリーを中心にブルーベリーのコンポートやダークチェリーのジャム、ドライプルーン、ココアっぽさといったものを感じます。その他、アプリコットや茶色いスパイス、ヤマモモ、赤い花、さらには時間経過でスミレっぽさや下草、赤ベリーといったようなものも表れました。味わいは果実味のインパクトがパッと来ますが、直ぐに明るい、小さな果実系の酸としっかりした渋味が出てきます。ボディーはクリアーで滑らか。ミディアムフルで、やや涼しげですらあります。ポルトガルは魚をよく食べる国で、イワシの炭火焼と赤ワインを良くあわせたりするそうです。というわけで、同じ青魚のサンマを使った、日本近海どりさんまと粒マスタードを摘んでみたところ、サンマの脂や旨みとワインのタンニンなどがまずまずの引き合いを見せました。また、魚系ですと、鰹のたたきも、少々の塩気を伴う鰹の旨みや炙られた事による香ばしさとワインの香りや味わいに影響が見られなかなかのつまみにはなりました。ただ、このワインはやはり肉でしょう。鹿肉の燻製を摘んだところ肉の鉄っぽさを伴う旨みをワインの各要素が良く引き伸ばしてくれますし、香りも旨みをよく盛り立ててくれます。その他、鳥肉で肉じゃがを作ったところ、甘辛さを纏った鳥の旨みとの相性の良さは他にあわせたどれよりも素晴らしかったですし、ジャガイモも結構いいつまみになりました。ジューシーながら滑らかさ、少々のクールさも感じさせる、ポルトガルらしい赤だったと思います。その中で、バイラーダのバガらしいアプリコット系のニュアンスがあり、土地の個性も感じられました。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年08月02日
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ワイン会のワインも一段落で、今回はポルトガルの白です。ムロス・アンティゴス アルヴァリーニョ2011。ポルトガル北部、ミーニョ川の近くのヴィーニョ・ヴェルデ地方では、微発泡でフレッシュなその名もヴィーニョ・ヴェルデという白ワインが作られています。ただ、最近は発泡せず、よりしっかりしたワインが作られ出しているそうで、このワインもそんなモダンヴィーニョ・ヴェルデの一つです。生産者アンセルモ・メンデスは1987年からワインメーカーとなり、現在高い評価を得ている現代ポルトガルワインを代表する作り手で、上記のようなスタイルのヴィーニョ・ヴェルデを手掛けるのも必然かも知れませんね。セパージュは、スペインでもよいワインが生まれているアルヴァリーニョ100%。価格は写真のお店で2079円です。色はうすいですが確かに黄色を感じる辺りはやはりよくあるヴィーニョ・ヴェルデとは違うところ。香りは白い花を中心とするフローラルなニュアンスと、レモンやグレープフルーツ、みかん、少々のライムやスイーティといった様々な柑橘がよく感じられました。しかし、それだけでなく洋梨やリンゴ、微かな花の密、ミネラル、ハーブ、それに微かな土っぽさやスパイスといったような要素も感じられ、やはり複雑さがあるなと。味わいは、強さのある果実味中心ですが、明るく溌剌とした酸やミネラル、旨味がよくまとまり、一体感のあるものになっています。バランスがよく、フルーティなスタイルで、ボディは量感のあるミディライトです。食事との相性は、フレッシュなだけではないので結構広目です。シーフードマリネやお寿司、天ぷらなど合わせてみましたが、マリネはちょっと甘味の強いスタイルだったもののワインの果実味と量感がうまく受け止めてくれます。また、お寿司では白身やイカといったものの他、赤身やエビ、カニといった味のしっかりしたもの、或いはウニのような個性のあるものにもいけます。天ぷらでは、油感をすっにりさせてくれるという効果以上に、食材の甘味や旨味と結び付く効果がよりしっかり感じられたように思います。やはり、フレッシュで、ビール代わりに楽しめるようなヴィーニョ・ヴェルデとは一線を画すワインです。はっきりと白ワインだということを感じさせてくれますね。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事を チェック!
2012年12月27日
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さて、先日のゲミシュター・サッツのワインの会のワインもこれで最後。今回唯一の赤ワインはポルトガル・ドウロ地方のものです。レセルバ・ティント・フィールド・ブレンド2007。生産者キンタ・ド・ヴァラッドはポートワインの名産地ポルトガル・ドウロの地のワイナリー。レストランや宿泊施設も一緒に営んでおり、ワインツーリズムの行き先としても人気なようです。この地のワイナリーの多分に漏れず、ポートワインの生産を行っておりましたが、スティルワインももっと発信していきたいとニーポートなどの生産者と共に赤白のワインの生産にも力を入れています。そして、その方法として、地場品種を用いる事、そして、地元に昔から残っているゲミシュター・サッツを用いるという事を行っているのです。現在、これらの生産者は「ドウロボーイズ」と呼ばれ、その評価を高めています。セパージュは、ティンタ・ロリス、ティンタ・アマレラ、トゥーリガ・ナシオナル、トゥーリガ・フランサなどの良くこの地で使われている品種を中心に、少量しか含まれない品種もあわせると、実に20種類を越える葡萄が用いられているそうです!価格は、写真のお店で3129円。色は赤黒いです。ガーネット感もエッジにかけてなくはないですが、まだまだ濃いですね。香りは、ドウロに良く見られるスミレっぽさを感じますが、あまり強くなく。スパイスも、典型的なクローヴなどの茶色いものがでていますが、結構黒コショウ的な雰囲気もあったでしょうか。各要素が拮抗しており、全体的に落ち着いた印象を受けますが、その他、チョコっぽさやココア、黒ベリー、赤ベリーのコンポート、バルサミコ、黒い土、ミネラル少々のキノコなどを感じました。味わいは流石に果実味中心です。ただ、これも一応第一の要素ではありますが、そこまで濃いものではなく、また、他の要素に比べて突出しすぎるものでもありません。酸は乳酸系のもので、比較的明るめ。タンニンは渋味、舌触りとそこそこで、何やらトータルするとボルドー的な雰囲気です。この点につきましては、結構骨格がしっかりして硬質な質感だった事も関係しているかと。ボディはきっちりフルボディです。会では、勿論イタリアン式豚肉とアサリのアレンテージョ風のタイミングで飲みました。豚肉はあまり脂のごついものではなかったのですが、肉の旨みとワインの硬質かつフルーティな雰囲気が結構マッチしました。また、さすがだったのは、アサリやそのエキスとあわせても生臭みなど全くでないところ。それどころか、時間が経って穏やかさの増したワインとは、香りの要素や旨みの間に引き合う感じすら見られました。ただ、このワインにはやはり赤身肉が王道でしょうね。鹿やイノシシのローストや煮込みなどは間違いないでしょうし、牛肉でも、あまり脂のきつすぎないものなら幅広くいけそうです。また、味噌を用いたものなど和食系にも面白そう。これまで飲んできた白がかなりのワインばかりだったので、印象薄くなるかなと思いましたが、これも結構凄いワインでした。クラシカルな雰囲気の中に、南方らしい果実実のとっつきやすさがあり、今飲んでもよし、寝かせてもよしな1本かと思います。ポルトガルワインは、田崎真也氏も評価されていらっしゃいますが、かなり面白い存在かと思います。このワインは、価格的にも品質的にも、そんな現代ポルトガルワインのベンチマークたり得るワインではないかと感じました。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年12月25日
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今回はポルトガルの赤。ポートの産地であるドウロのスティルワインです。ティント・レゼルヴァ2009。生産者はカルム。18世紀からワイン作りをしていたという伝統あるワイナリーで、1995年からは有機農法の認定も得ています。ポート用の南斜面の温暖な畑ではなく、北や東斜面、さらには標高が650mという高地のものもあるということで、葡萄の生育環境は結構冷涼だそうです。セパージュは、トゥーリガ・ナシオナル、ティンタ・ロリス、トゥーリガ・フランカというドウロに良くあるスタイルです。価格は、写真のお店で2688円。色は黒紫感強いですが、赤さは感じられます。ルビー系の非常に濃いものといったところでしょうか。香りは、まさにドウロワインといった感じで、甘草などの茶色いスパイスを中心に、ローリエやコリアンダーなどのハーブ系のニュアンスも感じられます。フルーツでは、ブラックカラント、赤ベリー、ブルーベリー、さらにベリージャムとフレッシュなものから濃いものまでベリーっぽさたっぷり。さらに、ココナッツミルクやスミレ、干し肉やハムっぽさなども感じられました。味わいは果実味がメインですが、流石は冷涼な畑というべきか、しっとりした酸も効いており甘酸っぱい感じ。タンニンはしっかりあり、渋味は勿論、舌触りにも感じられます。旨みもあり、量感のあるミディアムフルなボディと相まって、重過ぎないものの、飲み応えのあるスタイルになっています。食事との相性ではやはり肉。鳥、豚、牛と何でもござれです。鳥なら、シンプルなチキンや鴨のローストなんかがいいでしょう。チキンソテーとあわせると、鉄っぽい旨みの部分にもいいですし、味わいに柔らかさがあるので、脂との相性も良好でした。あと、焼き鳥(タレ)もいいつまみになりました。モモなら、ソースの甘みと果実味の相性と、肉の旨みとワインの旨みの相性といったところですが、レバーですと、独特の香りとワインのスパイシーさが良く合い香りの相性も楽しめました。その他、豚肉ですとやはり内臓系ですがレバーパテが、鳥レバーと似たような、しかしもう少し柔らかいマリアージュを見せましたし、牛肉ですとサシの多い和牛のステーキでも、やはり柔らかさと脂が良く合うようで、なかなかよかったです。色も濃く、まだまだ果実味の元気な濃厚スタイルではありますが、オールドワールドらしい落ち着きもあり、現段階でも十分美味しく飲めます。また、もう少し寝かせて、果実味が適度に削げ落ちた頃にいただくと(5年~10年くらいでしょうか)、より面白くなりそうな雰囲気もあります。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年10月28日
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今回はポルトガルのお手ごろ赤です。カステロ・ダルバ・ドウロ・ティント2009。生産者ヴィニョス・ドウロ・スペリオルはルイ・マディラとジョアン・マストの二人がオーナー。マディラ酒の作り手ではなく、ドウロの地でポートワイン用の葡萄を生産していました。近年ドウロのスティルワインが急速にその地位を高めるのを目の当たりにし、1999年に本ワイナリーを立ち上げたそうです。セパージュはティンタ・バロッカ、ティンタ・ロリス、トゥリガ・フランカ、トゥリガ・ナシオナルというこの地域定番のもの。価格は、写真のお店では965円。色は黒紫の濃く、透明度の低いものですがエッジにはルビーも見えます。香りはスミレっぽさやブルーベリー、ブラックベリーといったこの手のセパージュらしいニュアンスがしっかり。また、ラズベリーなどの赤ベリーっぽさやベリージャム的な要素といったものも。フルーツっぽさとしては、さらにプラムや少々の干し葡萄といったものも感じられました。その他、シナモンなどの茶色いスパイス、黒コショウ、肉系のニュアンスといったものも感じられました。味わいは乳酸系の酸が中心でしょうか。明るいものです。しかし、旨みと果実味も酸に拮抗するくらいのものはあります。ただ、香りや色合いの印象からすると果実味はかなり大人しいですね。繊細で優しいものです。ボディもミディアムですが、タンニンは結構元気で渋味、舌触りともに感じられます。この渋味が後から来て味わいの印象を引き締めていますね。食事との相性ではやはり肉類と好相性。豚や鳥とはあわせやすいです。まず、分厚いローストポークと合わせてみましたが、ワインのタンニンや旨みが肉の旨みを良く引き出します。果実味は繊細なので、肉の味付けは大人しめの方がよさそう。また、鳥肉とではトマト煮などの定番には勿論、フライドチキンの衣の味にも負けず鳥肉の旨みを増してくれました。また、鳥肉は骨付きのものでしたが、骨に近い部分の鉄っぽさのある身との相性は格別でした。なので、牛肉などの赤身でも、あまり脂や味の強いものでなければ上手くあわせられそうです。お手ごろですが果実味もほどほどで味わいのバランスがいいのが驚きでした。その為、この暑い時期でも飲みやすく、また、食事にも合わせやすいです。デイリーワインとしては結構優秀なワインだと思います。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年08月13日
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今回はポルトガルワイン。ポートワインで有名なドウロ地方の白です。ドウロ・ムラル・ブランコ2009。生産者キンタ・ド・ポルタルは100年以上に渡ってドウロの地でワイン作りを行っています。ドウロらしくポートワインを手がけているほか、酒精強化のモスカテルやスティルワインも生産しています。特に、1993年からは新樽を増やしてスティルワインに力を入れているそうです。現在は、ボルドー出身の醸造研究家の指導も受けています。セパージュはマルヴァジア・フィナ45%、コデガ・ド・ラリーニョ30%、フェルナオン・ピレス25%という地場品種オンリーです。価格は1260円でしたが楽天内には無し。播磨屋さんにて購入しました。色は薄めですが、南方らしいツヤを感じる麦藁。香りはグレープフルーツやオレンジといった柑橘のニュアンスを中心に、アカシヤの花系の蜜っぽさや白い花のニュアンスが出ています。そこに洋梨や少々のマスカットといったフルーティさも加わりますね。また、石灰系のミネラルっぽさや白コショウ系のスパイスと言ったものも感じられました。味わい果実味中心。トーンは低めで蜜っぽさを感じるものです。そこに、穏やかな酸と後口にかけて存在感のある旨みが加わりバランスを取ります。ボディはミディアムくらいのふくらみがあり、エキス分もありますが、基本的には優しい口当り。ミネラル感もさほどなく、後口の微かな苦味が印象を〆ます。食事との相性はよく、味わいの印象的には肉系かなと思いましたが、魚介との愛称の方がむしろいいくらいでした。鮮魚系ですと、やはり脂の乗ったものがよく、ハマチやブリ、サーモンの刺身や握りといったものとは脂と果実味、ほのかな苦味の相性が良好。香りは柑橘系が出ているので問題ないですね。また、カキフライ+レモン+タルタルソースもいいですね。牡蠣のコク、ソースのコク、ワインの果実味やボディ、レモンの酸や香りとワインの果実味や香りがよく連続します。あと、結構よかったのがチーズやクリーム系のもので、クワトロフォルマッジョのピッツァやカニクリームコロッケと合わせるとクリームやチーズの濃さがワインに嵌りました。南の産地らしい香りやフルーティさ、コクのあるワインでしたが、食事に合わせやすいのは流石ポルトガルワインですね。アレンテージョなどの柑橘強めのものなどとはまた違った雰囲気を持っていて、個性もしっかり感じられました。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年04月05日
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今回はポルトガルの赤。当ブログのプロフィール画像に使っている、カザル・ガルシアの発泡してないワインです。カザル・ガルシア・ティント。生産者キンタ・ダ・アヴェレーダはヴィーニョ・ヴェルデ地区で作られるワイン、「ヴィーニョ・ヴェルデ」で有名なメーカーです。規模は大きく、ヴィーニョ・ヴェルデ地区のワイン生産者の中ではトップシェアを誇ります。テーブルワインを多く作り、国内で親しまれている他、輸出にも力を入れ、世界50カ国に輸出しています。セパージュはトゥーリガ・ナシオナルとティンタ・ロリスという伝統的なスタイル。価格は、写真のお店で1365円。色は紫の強い黒で、エッジには赤ないしガーネットも見えます。透明度はあまり高くないです。香りは茶色いスパイスのニュアンスが来て、さらにプラムやザクロ、コケモモ、赤ベリーやベリージャムと言ったフルーツっぽさが続きます。その他、スミレっぽさや黒糖ないしコーヒーのような香ばしさ、キノコ、タイムやローリエといったハーブっぽさといったものが加わります。味わいは軽やかで、果実味メインですがそこまで強烈なものでもありません。酸は乳酸系で、背景というよりは果実味に寄り添う感じ。渋味は大人しく、タンニンの触感も余りありません。ボディはスカスカというようなものではありませんが、ライトといっていいと思います。食事との相性は幅広く、鰹のタタキやマグロの赤身、ブリの刺身といった鮮魚系にも問題なく合います。生臭みなど全く出ず、特に鰹のタタキは脂のコクや血合いの滋味がワインの果実味やほどほどなボディによく合いました。鳥肉系統ともいい相性で、焼き鳥(タレ)やローストチキンは勿論、フライドチキンとあわせても衣に負けず、油っぽさを果実味とタンニンで抑えつつ、肉の旨みをよく引き立ててくれました。また、鴨鍋と合わせると、鴨肉の旨みとワインの旨みが引き合う他、鴨のダシがよく出た鍋ダシとワインの果実味がよく合うのには驚きました。フルーティでカジュアルな、いかにも南欧といったワインです。が、ポルトガルらしい大人しさもあり、その辺が食事との相性、特に、魚介や和食系の味わいとの相性のよさに繋がっているのでしょうね。日本のテーブルワイン(赤)としては結構いい線入ってるように思います。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年03月12日
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今回は最近見かけることが多くなったポルトガルのお手軽レンジの赤です。ラパリーガ・ダ・キンタ2008。生産者ルイス・ドゥアルテ・ヴィーニョスは2007年設立という若いワイナリーですが、ワインメーカーのルイス・ドゥアルテ氏はポルトガルのワイン誌で2度のワインメーカー・オブ・ジ・イヤーを獲得した実力者です。アレンテージョ地方の個性を保ちつつ、世界に通用するワイン作りを目標としています。セパージュはトウリガ・ナシオナル40%、トリンカデイラ30%、アラゴネス30%と地場品種の定番の組み合わせ。価格は、写真のお店では1170円です。色は黒さの強い黒紫で、えっじには紫がよく出ているでしょうか。香りは黒ベリーやブルーベリー、プラム、ベリージャムといったフルーティさがメインです。そこに、茶色いスパイスやスミレ、チョコ、少々のバルサミコ、ヤマモモ、ダージリンティー、レーズン、バニラといった要素が重なります。また、時間経過と共に黒ベリーやプラムっぽさは減っていき、赤ベリーやダークチェリー、赤ベリージャムといったよりフレッシュなニュアンスが強まりました。味わいはしっとり系も明るさのある酸とトーン低めの果実味がいいバランスです。酸→果実味→酸と順に口の中で感じられるメインの要素が変わっていきますね。タンニンは後口にかけて軽く渋味を感じさせるくらいです。ボディはミディアムでさらっとしたもの。また、飲んだ後レーズンっぽい余韻が残ります。単独で飲んでも悪くないでしょうが、食事にも勿論よく合います。ミートソースパスタと合わせると、肉の旨み、ソースのコクやトマト由来の酸味といったものがワインの果実味や酸に見事に合います。また、肉系では豚肉ともよく合い、ローストポークや黒酢の酢豚といったものにもよかったですし、豚肉とあさりのアレンテージョ風は鉄板の相性。貝の旨みにだって嵌ります。また、貝以外にも、カニや脂の乗ったブリ、それにウニのお寿司にも意外なほど合います。特に、ブリの脂と旨みは、ワインのタンニンや果実味と連続性が産まれます。このワインも魚介に合う赤です。ポルトガルは海洋国家で魚介をよく食べるそうですが、確かにこういうワインなら日常の食事にもあわせやすいでしょうね。ワイン自体も、バランスがよく濃すぎないスタイルですので、幅広い層が楽しめるタイプかと思います。コストパフォーマンス十分ですね。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年01月28日
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大分時間が経ちましたが新年に飲んだワインです。エト・カルタ2009生産者ニーポートはその名のとおりドウロで1842年からポートワインを作っているワイナリーです。大手資本が入る事の多いポートメーカーですが、ここは5代に渡り家族経営を貫いています。最近はスティルワインの生産にも力を入れており、そのために自社畑まで取得する熱の入れようです。可愛らしいラベルの本ワインですが、ベルリン在住の日本人ドローイング作家の方が書いたもので、日本向けだけの特別なものです。セパージュはトウリガフランカ、ティンタロリス、ティンタアマレラ、トウリガナショナルといった複数の地場品種です。価格は、お店によってまちまちですが、カード決済が使えなくてもいいなら写真のお店が1512円で最安値のようです。色はまだ若く黒いです。紫も見え、エッジにははっきり現われます。香りにも若さがあり、赤ベリーやブルーベリー、軽い黒ベリーなどフルーティさがよく出ています。そこに、茶色いスパイスや甘草、スミレっぽさと言ったものが加わってくる感じです。その他、ミネラルや少々の土、ローリエといった要素も。味わいのインパクトは酸味が一番でしょうか。乳酸系ですがハツラツとした酸がはっきり感じられます。果実味は酸よりやや大人しめですが、フルーティなそれがあります。タンニンは、口当りこそ滑らかですが、渋味自体は果実味と同程度くらいには感じられます。ボディはミディアムくらいで、さらりとした印象。食事との相性では、ライターや講師としてご活躍されている青木冨美子さんのブログで松前漬けとの組み合わせが登場していたので試してみたところ、イカの旨みや数の子の旨みと確かにワインがよく合います。また、ワインの酸が松前漬けの濃厚さを上手く落ち着かせてくれもします。その他、魚介系と相性がよく、お寿司ともあわせたのですが、イクラやイカ、それに赤身にもいい具合でしたし、タコのマリネにも旨みがこれまたあいます。面白いワインです。実は、ローストビーフやミートローフともあわせてみたのですが、魚介系とのマリアージュほどの相乗効果は得られませんでした。鳥肉系や、豚肉でもシンプルなソテーなどですとまた違うのでしょうが、赤ワイン、それもある程度タンニンを感じるようなものが肉以上に魚介に合うとは…。上記青木さんのブログでは、かぶら寿司と大根寿司とのマリアージュも試されており、これがまたいいようです。今回は試せませんでしたが、かなり興味深い組み合わせです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年01月20日
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先日は満月だったという事で、月一恒例の満月ロゼです。今回はヴィーニョ・ヴェルデのロゼ。ガゼラ・ヴィーニョ・ヴェルデ・ロゼ。生産者ソグラペはマテウス・ロゼでも有名な、ポルトガルの大手ワイナリーです。ポートを本拠地とし、チリのコンチャ・イ・トロ社などと比べても遜色が無いほどの充実した設備を所有しているそうです。本ワインのポップなラベルは、若者の支持拡大を狙って近年採用されたそうで売り上げアップに貢献しているようです。セパージュはバガ、ルフェテ、ティンタ・バロッカ、トゥーリガ・フランカ。バイラーダの品種であるバガを使っているのは珍しいです。価格は、写真のお店で759円。どこも3桁で買えますね^^色は鮮やかなルビー色。ちょっとオレンジも感じられるでしょうか。香りはストロベリーやラズベリーなどの赤べりーの香りがいっぱいです。他にも、スイカやザクロ、アセロラといった赤いフルーツを感じられますし、ピンクグレープフルーツ的な柑橘のニュアンスも。その他、南国的な赤い花や軽いスパイスといった要素もありました。味わいはやはり果実味しっかり。これまでいくつかのヴィーニョ・ヴェルデ・ロゼを飲んできましたが、果実味のインパクトは一番あるくらいかもしれません。ちょっと花の蜜的な雰囲気がありますね。酸味も勿論ありますが、果実味の裏方として、ジューシーな味わいを構成します。ボディは割と丸めで、ミネラル感もあるライトです。単独でもスイスイゴクゴク楽しめるワインですが、食事との相性ももちろんいいです。スモークサーモンのマリネとあわせると、サーモンとの相性もいいですが、使われていたオニオンスライスやパプリカと驚きの好相性でした。野菜の甘みと果実味が嵌りますし、香りもスムーズになじみます。焼きパプリカ+オリーブオイルとかでも良さそうですね。また、焼き鳥はタレでも塩でもok。鶏の旨みは良く合いますし、脂感もキレイに流してくれます。そして、何よりよく合うのがトマト。トマトソースもいいですが、フレッシュトマトとも、甘みや香り、特に、ちょっと青さのあるそれが非常に嵌りました。ちょっと甘く感じる可能性もあるので、微発泡の爽やかさを楽しむ意味でも、やはりキンキンに冷やして飲みたいところです。夏場の屋外パーティやバーベキューなどで、焼き野菜や鳥肉と共にカジュアルに楽しむにはうってつけでしょう。にほんブログ村
2011年08月15日
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先日のケータリングワイン会のワイン、続いてはフレッシュフルーティな微発泡ロゼですカザル・ガルシア・ヴィーニョ・ヴェルデ・ロゼ。生産者キンタ・ダ・アヴェレーダはポルトガルの大きなワインメーカー。生産量も多く輸出も積極的で、カザル・ガルシアシリーズは世界60カ国で楽しまれるヴィーニョ・ヴェルデとなっています。ちなみに、ヴィーニョ・ヴェルデとは若い葡萄を用い、微発泡スタイルで作られる。ポルトガル北西部のワインです。セパージュはヴィニャオン、アザル・ティント、ボラサール。価格は、写真のお店では1365円。色は鮮やかなバラ色。透明度の高いルビーといってもいいでしょう。香りは赤いフルーツ満載。ラズベリー、ストロベリー、クランベリーその他の赤いべりーもろもろやチェリー、それに少々のピンクグレープフルーツっぽさと言ったものも感じられます。おおむねフルーツメインですが、他にも土っぽさや軽い乾燥ハーブやかすかな紅茶といったものも感じられました。味わいは香りに似合った果実味メインのスタイルですが、結構果実味は繊細だったりします。また、明るい酸と旨み、それにミネラル感が果実味の後ろに入っており、ジューシーながら甘すぎないバランス感があります。よく冷えていますと、酸はより存在感を増しますので、辛口派はキンキンに冷やして楽しみたいところ。発泡感はスパークリングよりははるかに大人しく、ペティヤン程度で、ボディはライト。会では、前菜のところで飲みましたが何にでもよく合います。タコとセロリのマリネとは、生に近いタコとあわせても生臭みが出ることもなく、塩分と果実味、そして旨み同士がよく引き合います。また、セロリの香りにもいいですね。ヒヨコマメのサラダや冷たいガスパチョとは、先ずトマトとワインの香り、旨みがよく合うので、トマトベースのこの2品と合わないはずがありませんね。バジルなどのハーブ系にもいい感じです。クロスティーニとは、この後の白や赤に比べると劇的感は弱いですが、それでもまろやかな旨みのマリアージュを見せてくれました。フレッシュフルーティでカジュアルなのですが、ただ明るいだけでは無い、どこか陰のある雰囲気はやはりポルトガルワインだなという感じです。食事にあわせて楽しめ、そのままでもゴクゴクいけるこういったワインをもっと気軽にどこでも楽しめるようになれば、ワイン文化はもっと拡がりそうです^^にほんブログ村
2011年07月28日
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今回はポルトガルワイン。微発泡のロゼです。ガタオ・ロゼ。生産者ボルゲスは1884年創業のワイナリーで、ドウロは勿論、ダンやミーニョ(ヴィーニョ・ヴェルデ)等様々な地域に多くの畑を有しているそうです。高級レンジからデイリーワインまで幅広く手がけており、この「ガタオ」はデイリーレンジのブランドで、ボルゲスを代表するワインとなっています。セパージュは、トゥーリガ・フランサとモウリスコ。価格は、写真のお店で1000円。色は赤みの強い、鮮やかなバラ色。香りは、フルーティさたっぷりで、チェリー、ラズベリー、クランベリー、ストロベリー、アセロラ、さらに黒い葡萄そのものを思わせるようなニュアンスと言ったものが感じられました。その他、土っぽさや軽いスパイス、バラ、ミネラルといった要素も感じられますが、あくまでフルーティさの裏方と言ったところ。味わいは、果実味しっかり。ただ、ごつさや重さは無く、軽快で優しいものです。また、意外に?キレイでフレッシュな酸が入っており、甘酸っぱい印象。ボディはライトで、微発泡さもあるので、より軽快な印象を強めます。ただ、タンニンも微かに感じられ、後口にかけてはグレープフルーツ的な苦味も。これは単独で云々と言うよりは(勿論、甘酸っぱい系で単独でもいけはしますが)、よく冷やして食事にあわせて楽しみたいワインです。いろいろなものに合いますが、魚介なら色の近いもの同士あうのかサーモンのお寿司とはよくマリアージュしました。サーモンの脂に微かなタンニンが合わさって旨みを引き出す他、サーモン独特の香りとワインの香りがよくマッチします。また、鳥肉ともやはりよく、最近嵌っている鳥肉のおろし煮とは、肉の旨みとは勿論、煮る時に使った白だしの旨みや大根おろしの甘みとも合っていました。さらに、先日記事にした菜の花とアスパラとタレッジョのリゾットにも好相性。チーズのミルキーさにワインの果実味が嵌るほか、菜の花やアスパラガスの甘みや苦味(これは菜の花だけですが)といったものにも対応する要素が感じられました。いいですね。難しいワインではなく、冷やしてカジュアルに楽しめるワインです。夜や落ち着いた雰囲気より、昼間の太陽や青空、それに屋外が似合います。サーモンや菜の花と相性がいいので、これからの季節はサンドイッチやばら寿司なんかを作って、このワインを持って花見やピクニックにでも行けば最高でしょうね。にほんブログ村
2011年03月10日
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今回は年末年始に飲むのにぴったりな、日本限定で十二支の描かれたラベルのポルトガル産赤ワインです。エト・カルタ07。生産者は、ポートワインの名生産者であるニーポート。1842年の創業以来、家族経営を守り、現代で5代目となる老舗です。ポートワイン一筋でしたが、5代目当主ディルクがブルゴーニュワインのファンであったことから、スティルワインの生産もはじめました。さすが老舗というべきか、樹齢80年になる木が、混植されているような畑を購入し、それらのブドウを用いてワイン作りを行い、すぐさま高い評価を得ました。セパージュは、トウリガフランカ、トウリガナショナル、ティンタロリス、 ティンタアマレラ、ティンタバローサ 。価格は、写真のお店で2160円。色はガーネット。ルビーよりは暗いですが、さすがブルゴーニュファンの造ったワインというべきか、透明度の高さが特徴的。香りはベリーの印象が一番。黒ベリーを中心に、熟した赤ベリー、赤ベリーのジャム、さらにはドライベリーといったものも感じられます。赤ベリーの中では、ラズベリー、クランベリーが中心。加えて、スミレ、腐葉土、それにバルサミコや軽いココア、アメリカンチェリーといったものが感じられます。味わいも、色合いに似合った透明感のあるボディが印象的で、ドウロらしい重さはほぼ無し。ピノ的といっていいほどです。主たる要素は果実味で、しっかりフルーティですが、こなれ感があります。酸は乳酸系ながらも明るさのあるものがピッと入ります。タンニンは、渋みは感じますが舌触りはなし。ミディアムボディで、岩清水系の口当たり。肉との相性はいいですが、あまり重たいものよりはあっさり系のほうが向いているようです。味噌鍋とあわせましたが、具材では豚肉以上に鶏肉のほうが好相性。また、出汁の染みた糸こんにゃくや野菜ともよく合いました。特に、こんにゃくは結構よかったです^^牛ステーキともまずまず合いましたが、脂身よりは赤身のほうがしっくり来ます。たたきやローストビーフのほうがベターかもしれません。他に合わせるなら、鴨肉のローストや、シーフードなんか面白いかも。特に、トマト系との相性もいいので、カニのトマトパスタあたり試したいところです。ポルトガルワインは多少飲んではいますが、ここまでクリアーなドウロというのは初めてでした。07ということで、少し瓶熟成が進んではいるのでしょうが、こういう作り方もできるというのは発見でした。因みにこのワイン、出荷する国によってラベルを変えているそうで、日本用のこの十二支のラベルは、ベルリン在住の日本人の女性デザイナーの方が作られたそうです。可愛らしくていいですよね^^にほんブログ村
2011年01月07日
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今年に入りまして、以前から好きだったカザル・ガルシアのロゼを飲み、ヴィーニョ・ヴェルデのロゼって結構いいなと思い、先月と今月で2種類、計3種類のヴィーニョ・ヴェルデ・ロゼを試してみました。どれも・微発泡である。・色はいわゆるロゼワインのそれよりは大分紅い。・ベリーの香りいっぱい。・価格はヴィーニョヴェルデ価格で、お手ごろ。・さっぱりライトボディでカジュアルに昼から、屋外で試したい。と、共通項の多い、似たスタイルだった事は確かです。が、やはり、それでも違うところは違っていました。カザル・ガルシア・ヴィーニョ・ヴェルデ・ロゼは、3種類の中ではもっとも果実味のインパクトを強く感じるものでした。香りにも、赤ベリーだけでなく、それらのコンポートや微かな蜜など、より濃いニュアンスを感じたように思います。ファーメガ・ロゼは3種の中ではもっともドライな印象。旨みやミネラルがよく感じられ、酸には、あくまでもこのタイプのワインの中では、ですが、やや重さも感じました。カサ・ド・ヴァージェ・ロゼは、3種の中ではもっとも酸の印象が強いです。ファーメガの酸も印象的ではありますが、こちらの酸は寄り軽快でフレッシュ。前に出て感じられます。セパージュが微妙に違ったり、もちろん、使われているブドウが同じでも畑も違うわけで、その辺に由来するのでしょうが、結構微妙ながらもはっきりとした違いが楽しめました。ワイン通受けするようなグレートなワインではありませんが、夏向きのカジュアルワインで、飲み比べも気軽に出来ます^^ただ、どのワインも時間とともに意外に変化するのも魅力かもしれません。楽天内にはまだ、猫のボトルでおなじみのガタオのロゼやマテウス・ロゼでおなじみ?のソグラペ社が作るガゼラ・ロゼ、ポルトガルのトップワイナリーの一つであるキンタ・ド・コットのパス・デ・テイシェイロ・ロゼといったものがありますので、追々試してみたいと思っています。特に、パス・デ・テイシェイロは白の方もそうなのですが、微発泡を抑えて熟成可能性のあるものを目指しているそうなので、どのようなスタイルなのか興味深いところです。
2010年07月25日
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今回はまたまたヴィーニョ・ヴェルデのロゼです。カサ・ド・ヴァージェ ヴィーニョ・ヴェルデ・ロゼ08。生産者はカサ・ド・ヴァージェです。ワイナリーの詳細については、ドウロ川の近くの山間にある、標高が高く冷涼な畑でブドウを栽培しているということと、ワインツーリズムに対応しておりワイナリーで宿泊できるという事くらいしか分かりませんでした^^;セパージュも、よく分かりませんでしたが、どうやらヴィニャオンとラボ・デ・オヴェーリャなる品種から出来ているようです。価格は、写真のお店で777円とお手ごろ。色は、このスタイルのワインに共通する鮮やかな赤。ざくろや紅いバラのそれに近いものがありますね。香りも、ほかのものとよく似ており、フルーティさがいっぱいです。ストロベリーを中心に、ラズベリー、クランベリー、その他もろもろの赤ベリーのニュアンスたっぷりです。その他、梅っぽさなんかも見られたでしょうか。時間が経つと変化が見られ、ミネラルっぽさや土的なニュアンスがよりはっきり現われるようになったり、赤い花、ブルーベリーや微かなプラムっぽさなども少し濃いフルーツも感じられだしたりしました。味わいは、酸味が意外なほどしっかりしていました。シャープさはなく、優しく丸い酸ですが、味わいの中心に居ます。その後ろに、熟したイチゴ的な果実味が広がっているといった感じです。ただ、時間が経つと果実味はもう少し深さと存在感を増しました。ボディはライトで柔らかな飲み口ですが、透明感があり時間経過とともにそれなりのエキス分らしさも見せました。微発泡ですが、発泡は相当弱め。実はこのワイン、先日記事にしましたKATOKEN☆NIGHTで、前菜盛り合わせのタイミングで飲んだのですが、どれとも相性は相当よかったです。パプリカの甘酢とは、甘酢の味わいとワインの果実味がそこそこ引き合う他、オクラの旨みや香りがワインのそれと非常にマッチしていました。下津井タコの山椒ソースと合わせますと、山椒の香りがワインの奥底にあるスパイシーなニュアンスや土っぽさを上手く引き出してくれます。さらに、チャーシューと合わせますと、肉の旨みを見事に引き出しつつ、甘辛い味わいとワインの香りがよくマッチします。しかし、一番だったのはバンバンジー。鶏肉とはやはりよく合うようで、旨みはチャーシュー以上に引き出してくれますし、コクのあるバンバンジーソースと香りや果実味がよく合い、お互いが丸さを強めつつ鮮やかさは増していました。これもいいですね。シンプルながら以外に楽しめる引き出しもありますし、気軽さ、食事との相性の良さはさすがのものがあります。イベントは16時からでしたが、よく冷えたこのワインは暑い中を移動した後には最適ですし、昼下がりのやや高めの日差しにも良くあっていました。 鮮やかです。赤ワインほどではありませんが…^^
2010年07月23日
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先日の天婦羅とポルトガルワインの会のワインもこれで最後です。〆はやはりポートですね。ヴィンテージ・ポート97。生産者はバロス・アルメイダ社です。1913年設立ですが、最初はドウロ川に近い地の利を活かしポートワインの貿易に携わっていました。しかし、その後生産に転じ、第二次大戦後には既に名声を得るまでにいたったそうです。セパージュは、トゥーリガ・ナシオナル、ティンタ・ロリス、ティンタ・バロカ、ティント・カン、トゥーリガ・フランカの5種類。価格は6000円でしたが、楽天内には無し。ただ、同生産者の、1950年などのより古い、古酒ならいくつかあるようです。色は赤黒いですね。ただ、ぼちぼちとガーネットも見えてきています。香りは、様々な甘いニュアンスに溢れていました。チョコレートっぽさ、高級バルサミコ、黒蜜といった黒くて甘いものを中心に、フルーティさでも、干し葡萄やプラム、その他ベリージャムやヤマモモジャムといった濃いニュアンスを感じました。もちろん、それだけでなく土や茶系スパイス、タバコや乾燥ハーブっぽさといった要素もあります。味わいは、当然ですが甘口です。蜜っぽいような果実っぽいような、流石酒精強化といった甘さでした。ベタツキなどはもちろん無し。渋味は、まだ若いためある程度あると考えていましたが、殆ど印象に無く、甘さに取り込まれているようです。酒質の強さやエキス分、アルコールといったものも感じられますが、意外に柔らかな口当たりです。ボディはやはりフルボディですが。会では、最後にチーズを頂きながらほぼ単独で飲みました。チーズは、ハードタイプよりは白カビの方が相性がいいように思いますが、まあポートを飲むのならやっぱりスティルトンなんでしょうね。この手のワインはやはり食事とあわせてどうのこうのというのではなく、上記スティルトンのようなブルーチーズをつまみにしたり、バニラアイスにかけたりして楽しむのが良さそうですね。強いてあげるなら、ビターなチョコのスイーツやあんこなんかにあわせるとどうなるのか面白そうではありますね。芳醇を画に描いたような、流石の美味しさですね。もっとも、やはりまだ若い印象は否めず、上記1950年のワインなんてどうなってるんだろうと大変興味深いところです(値段的に手が出ませんが^^;)。なお、ポートは蝋封のものも多く、これも実際そうだったのですが、開ける時に蝋がぽろぽろ崩れまして難儀しました^^;飲食店で開けるときは要注意ですね。
2010年07月07日
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先日の天婦羅とポルトガルワインの会の赤ワイン、続いては南東部アレンテージョのワインです。ボルバ・ガラフェイラ01。生産者はボルバ共同醸造所。1955年設立とまだ若い共同醸造所で、スペインとの国境地帯に位置しています。ガラフェイラとは酒商のプライベートリザーブワイン、つまりガレージワインのこと。ただ、その名前を名乗るには樽熟2年以上、瓶熟1年以上の熟成がワイン法で義務付けられています。セパージュはアラゴネス、トリンカデイラ、アリカンテ・ブーシェ。価格は3370円ですが、楽天内に取り扱いは無し。色は鮮やかなガーネット。赤みもちゃんと感じられます。香りは、より土っぽさを感じるポルトガルらしさ満載のものとなっています。腐葉土、黒い土、ゴボウや人参といった根菜のニュアンスがよく感じられました。他に、トマトっぽさや少々のバルサミコ、チョコ、鉄分、ミネラル、茶色いスパイスといった要素も感じられます。フルーティさも、こなれてきてはいるようですが感じられ、ブラックベリーやブルーベリー、赤ベリーコンポートといったものはありました。味わいは、こなれ感のあるバランスのいい辛口。主たる要素は旨みで、そこに繊細な果実味とミネラル感、少々の渋味といった味わいが加わります。酸味は落ち着いており、全体の背景として後ろから支えてくれています。口当たりは滑らかでみずみずしく、柔らかさも感じられるミディアムフルボディでした。会では、やはり終盤のとうがらし、キクラゲ辺りから飲み始めました。カレー塩をつけたアナゴとの相性が一番だったかと思いますが、このワインも意外と稚鮎にあっていたりしました。また、最後にお出しいただいたチーズのハードタイプともよく合います。旨みの強いものに結構いいようです。他にあわせるなら、やはり肉類でしょう。牛、ラム、鳥、鴨色々いけそうですが、豚肉のパテ、なかでも、香りのいい豚肉のそれなどとあわせるとかなり良さそうです。アレンテージョの、そしてポルトガルワインの特徴を今回飲んだワインの中では一番感じさせてくれたように思います。決して洗練されていないわけではないのですが、キンタ・ドス・ロケスのワインなどと比べますと、よりローカルな魅力を持っているといえそうです。個人的には、こういうワインは非常に好きです^^
2010年07月05日
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先日の天婦羅とポルトガルワインの会のワイン、ココからは赤です。ダン・レッド・レゼルヴァ02。生産者はキンタ・ドス・ロケス。ポルトガルの伝統産地ダンの作り手です。生産者元詰めを初めて行ったり、高級品種に特化した栽培やフレンチオークでの醸造をやり始めるなど、現代ポルトガルワインを代表する作り手といえます。セパージュは、トゥーリガ・ナシオナル、アルフロシェイロ・プレト、ジャエン、ティンタ・ロリス、ティント・カンの5種類。価格は、写真のお店で3570円。色は濃いガーネット。エッジにはルビーも見え、全体的には黒さよりは赤さを感じます。香りはぼちぼち熟成感も出てきたでしょうか。黒コショウや茶色いスパイスを中心に、黒い土や紅茶、なめし革、ベーコン、微かな茸やバルサミコといったような要素を感じられました。フルーティさもあり、黒ベリーや赤ベリー、ベリーのコンポート、ダークチェリー、それに少々の干し葡萄といったニュアンスがあります。その他、ドライローズマリーやタイムといった少々のハーブっぽさも。味わいは、果実味主体ですがこなれており、全体を包むしっとりとした酸のおかげで非常にいいバランスです。果実味は、やや黒さを感じるトーンの低いものですが、優しさはあります。酸は乳酸系。タンニンは大人しく、アクセントとして渋味を感じる程度。旨みも充分です。ツルツルとした質感を感じさせるミディアムフルボディで、エキス分もあります。会では、万願寺とうがらしのあたりから飲み始めましたが、とうがらしとの相性は抜群。とうがらしの甘みや香りと、ワインの果実味、香りがよく引き合っています。また、天婦羅の衣が上手く両者をつないでくれています。その他、アナゴやキクラゲとも悪くありませんでしたが、意外だったのが最期の稚鮎との相性。鮎独特の苦味や藻由来の独特の香りと、ワインの旨みや香りが嵌っていました。衣のおかげで、タンニンや果実味も邪魔になりません。他にあわせるなら、やはり鳥肉や豚肉が面白いでしょうね。焼き鳥や焼き豚、ローストチキンなどもいいでしょうし、トマトのソースにも合いそうです。ブルゴーニュグラスで飲んだのですが、香りがよく引き立ちいい感じでした。また、あの大振りのグラスで飲んでもバランスが崩れないどころか、むしろ合っているくらいで、ワインのポテンシャルの高さも伺えました。流石のワインですね。じっくりしっとり向き合える印象です。
2010年07月03日
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まだまだ続く天婦羅とポルトガルワインの会のワイン、続いては中継ぎに飲んだロゼです。ファーメガ・ロゼ。生産者はカーヴェス・ダ・セルカというワイナリーですが、詳細は不明でした^^;ただ、ヴィニョ・ヴェルデの作り手のようで、本ワインも微発泡でした。セパージュはティンタ・ロリス、トゥーリガ・フランサ(以上ドウロ産)、アザル・ティント、エスパデイロ、トゥーリガ・ナシオナル(以上ミーニョ産)の5種類です。価格は、写真のお店で780円とお手ごろです。色は鮮やかなロゼ色。ピンクよりは赤が強いタイプです。微発泡しており、クリーミーな口当たりですが、そこそこ刺激もあります。香りは、シンプルにフルーティです。ラズベリー、ストロベリー、クランベリーといった赤ベリーをたっぷり感じます。また、巨峰ないしファンタグレープのようなニュアンスもありました。その他、少々の金時人参っぽさやミネラルも感じられましたし、赤い花、品種由来の土系の要素といったものも感じられました。味わいは、香りの印象からすると意外なほどにドライで、フレッシュながら、黒葡萄らしいやや重さのある酸を中心にミネラル感や旨みといったものが続きます。果実味はそれらの後ろにイチゴ的なものがほんのり感じられました。温度上昇や時間経過で、そこそこ存在感が増してきますが、第一要素になるまではいたりませんでした。ボディは軽快なライトボディです。会では、掻き揚げ2種類と万願寺とうがらしのタイミングで飲みました。印象としましては、とうもろこしと合わせますと素材の甘みとパワーにやや負け気味かなという感じです。しかし、枝豆と合わせますと、豆のクリーミーさ、旨みをよく引き立ててくれ、かつ、豆のやや青さを感じる香りとワインのベリーなニュアンスが妙に上手く混じり合ってなんだかスイーツっぽいような雰囲気が産まれました。万願寺とうがらしとは、とうがらしの香りや甘みを引き出してくれましたが、枝豆ほど興味深い変化とまでは行きませんでした。まあ、合わせる相手はあまり選ばないタイプだと思いますが、マルゲリータピザやトマトソースのパスタ、生ハム、それにから揚げやらシュウマイやらの点心などとは面白そうです。以前、カザル・ガルシアのロゼを飲んで、ヴィーニョ・ヴェルデのロゼにはかなり興味を持っていたのですが、これもなかなか面白いワインでした。カザル・ガルシアと比べますと、よりシャープ(泡やミネラルのせいでしょうか)で、ドライな印象です。複雑さ云々のワインではありませんがいいデイリーワインです。
2010年07月01日
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先日の天婦羅とポルトガルワインの会のワイン、続いては以前記事にした事もあります離島の白です。フレイ・ジガンテ05。生産者はピコ島醸造協同組合です。リスボンから西へ1500kmほど行った、大西洋の真ん中くらいにあるアソーレス諸島のピコ島の共同醸造所です。潮風から葡萄の木を守るため石垣を張り巡らせた光景が独特で、「ピコ島のブドウ園文化の景観」として世界遺産にも登録されています。セパージュは、ヴェルデーリョ、アリント、テランテス。ヴェルデーリョはこの島の主力品種だそうです。価格は、写真のお店で2730円。色は深みのある黄金。よく熟成しています。香りにも、蜜っぽさが満載で、ハチミツや花の蜜、ミードといったものがしっかり感じられました。また、蜜入りリンゴや焼きリンゴ、リンゴのコンポートっぽさも。加えて、カリンやアプリコット、梅酒、それに微かなシェリーといったものも感じました。その他、オリエンタルなハーブやスパイス、少々のミネラルといった要素もありますね。味わいは辛口。ちょっとドライですらあります。しっとりとまでは行きませんがやや重みのある酸が主体で、その後から繊細な果実味がほんのり出てきます。ミネラル感もありますが、開いた印象ですね。エキス分のあるミディアムボディで、柔らかな口当たりながら酒質の強さを感じました。会では、やはり序盤のエビ、イカ、キス、掻き揚げ辺りとあわせましたが、キスとの相性は抜群です。ジューシーさがあり旨みがよく引き出されたキスとワインのエキス分や隠れた旨みが非常によく引き合っています。ワインの香りや味わいの濃い部分は、衣が上手く取り持っていました。その他のものですと、イカやエビの頭と相性がよく、淡白ながらも芯のある味わいの食材とはよく合うようでした。新鮮な夏野菜の天婦羅などともあわせてみたいところです。ちょっとコルクが湿りすぎで、吹いたのかなという疑惑もありますが、味わい、香りともに特に問題はないように感じました。ただ、以前飲んだときよりは大分印象が変わっていた、というか変わりすぎなような気もしますので、微妙なところですね^^;まあ、美味しく飲めたので良しとします^^
2010年06月29日
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先日の天婦羅ワイン会のワイン、続いてはドウロの白です。レゼルヴァ・ブランコ08。生産者はキンタ・ド・ヴァラッド。ドウロでも最古参の部類の生産者だそうです。標高数百から1000m級の高地で葡萄作りが行われており、寒暖の差の大きく、降雨量も少ない環境となっています。ちなみに、以前、この生産者の通常キュヴェを記事にしています。セパージュは、ラビガート、ヴェルデーリョ、ヴィオジーニョ、アリントという地場品種4種。価格は、写真のお店で2814円。色は極薄い黄色。甲州シュール・リー並です。香りはドウロらしい柑橘の強いシャルドネっぽいもの。木やクリーム、軽い蜜っぽさといったしっかりした要素が感じられ、それに加えてグレープフルーツ、温州みかん、ライム、少々のスウィーティといったようなものが感じられました。その他、ミネラルも石灰的なものが魏核的しっかりありますし、少々のハーブっぽさや白コショウなどのスパイスも感じられたでしょうか。味わいは、ミネラル感が強いです。若く、まだ閉じ気味という部分もあるのでしょうが、香り以上にミネラルの存在感がありますね。しっとりとした酸も広く全体に効いています。ボディはミディアムで、ミネラル感から骨太な印象を受けます。果実味は、ほんわか暖かい感じで、最初は閉じ気味ですが、時間経過と温度上昇でぼちぼちと開いてきます。会では、序盤のエビ、イカ、キスのところで飲みましたが、もちろんどれとも喧嘩などはせず、相性は良好です。なかでも、イカは特に好相性で、甘みや旨みとワインのミネラル感、果実味がよく引き合っていました。また、少し残しておいて生とうもろこしの掻き揚げのところでも飲みましたが、とうもろこしの香りや甘みと近しい部分もあって、抜群の相性です。とうもろこしの甘みがより鮮やかに、かつ奥深く感じられました。他にあわせるなら、魚介のトマト煮こみや焼き鳥(塩)などほど程のコクのあるものと試してみたいところです。まだ若く、単独で云々というよりは食事にあわせたほうがより輝くワインだと思いますが、これがあと3~5年くらい経つと、蜜っぽさや濃厚さが増し、単独でも十分楽しめるようになりそうです。ポルトガルワインといいますと、見かけるのは殆どといっていいほど赤ですが、白も案外いいですよ^^
2010年06月27日
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ここからは例の如く、先日の天婦羅ワイン会のワインです。1本目は微発泡のこちら。ムラーリャ・ド・モンサン ヴィニョ・ヴェルデ。生産者はモンサン共同醸造所。1958年設立の、最近出来た共同醸造所ですが、現在までに参加する葡萄農家が相当な数増えているという、勢いのあるワイナリーです。モンサンは、ヴィニョ・ヴェルデの産地ミーニョの中でも、特に高級種アルヴァリーニョの産地なのだそうです。ということで、セパージュにはアルヴァリーニョがもちろん使われており、加えてトラジャドゥーラも使われています。価格は、写真のお店で1279円。色は青みがかった薄い黄色。レモン果汁系の色合いです。微発泡で、泡が云々というレベルではありませんが、プチプチと快適です。香りは、ミネラリーなニュアンスが結構強く、石灰的なものを中心に、土っぽさというか根菜というか、シャブリに近いようなものを感じました。その他は、やはりフレッシュな柑橘が中心で、グレープフルーツ、蜜柑、ライム、レモンといったものを感じます。また、少々のリンゴっぽさやバニラ、蜜というものも感じられ、流石アルヴァリーニョといった印象です。味わいにも、しっかりしたミネラルを感じます。ボディは柔らかなライトなのですが、ミネラルの太さのおかげか少々の緊張感もありますね。また、酸味もかなりしっかりしており、フレッシュなリンゴ酸で味わいのメインの要素になっています。果実味は繊細で酸の裏側といった印象ですが、温度が上がると多少前に出てきます。会では、アペリティフ的に最初に飲みましたが、微発泡とキレのある酸、ほどほどの果実味がぴったりです。よく冷やして楽しめます。また、最初のウリの酢の物とエビには少しあわせてみましたが、相性はいいですね。酢の物の酢とも喧嘩しませんし、エビの甘み、香りとワインのミネラル感、少々のバニラ的ニュアンスがよく合います。あと、枝豆の掻き揚げにもビール感覚でよく合います^^。天婦羅のコースを、これ1本で通すのもありな感じです。アルヴァリーニョのヴィニョ・ヴェルデは実は初めてでしたが、香りやコクが他の品種のものより大分しっかりしている印象を受けました。3桁価格のお手軽ヴィニョ・ヴェルデは、キンキンに冷やしてビール代わりにゴクゴクという感じですが、こちらは、そういった飲み方も出来ますが、もう少し高級な、こういった天婦羅やレストラン料理にも合わせていけそうです。まあ、これも1000円チョイのワインですが…^^;
2010年06月25日
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今回はポルトガルのデイリー赤です。ティント07。生産者はキンタ・ド・ヴァラッド。以前同じ価格帯の白を記事にしました、ドウロの生産者です。ロバート・パーカー氏の評価が高く、このティントはなんと90点をつけているのだとか。セパージュは、ティンタ・バロカ、ティンタ・ロリス、トゥーリガ・フランサ、トゥーリガ・ナシオナルという地場品種100%です。価格は、写真のお店で1400円。色は黒いです^^エッジにはガーネットも見えました。香りは、やはりブラックベリーやダークチェリーといった黒いフルーツ、ベリーのジャムといった濃さのあるニュアンスを感じます。また、バルサミコ酢や土といった黒っぽい印象も。その他、茶色いスパイス各種(この国らしいコリアンダーっぽさがあります)、乾燥ハーブ、それに少々の焼き芋といったものも感じられたでしょうか。味わいは、やはり暖かいドウロらしい豊かな果実味が印象的。また、タンニンもまだまだ元気で、渋味を感じるのみならず、後口にかけて舌触りもしっかりありますね。酸は、乳酸系のしっとりしたものが果実やタンニンの後ろで下支えしているタイプ。ボディは柔らかなフルボディで、最初の口当たりは割と滑らか。少し暗い印象も。まだまだ若さがあり、果実やタンニンがはっきり出ているので、食事に合わせるならしっかりした味わいのものがいいでしょう。やはり肉料理とはよく合いますが、相性の幅は広いです。煮豚や角煮は鉄板で、バルサミコ酢を少したらして食べるとよく合います。また、鳥肉なら照り焼きや焼き鳥のモモやフライドチキンにも合いますし、一方でラム肉のソテーや牛肉(脂の多い和牛にもいい感じ)のステーキなど赤身肉にもいけます。チョコレートソースやベリーソースなど、あまりしっかりした黒いソースを持ってくるとちょっと厳しいかもしれませんが。ポルトガルの赤は、安いものでも若いうちは手強いものが多く、5年くらいは少なくとも待ちたい印象が強いのですが、こちらは濃さ、バランスともにモダンなポルトガルのスタイルで、早飲みが出来ますし、パーカー氏のポイントが高いのも頷けます。ただ、そうは言っても、やはりもう数年寝かせても良さそうです。
2010年05月22日
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今回はポルトガルの白です。ブランコ08。生産者キンタ・ド・ヴァラッドはポートワインでおなじみのドウロ地区中央部のワイナリーです。フェレイラ家によって6世代にわたって営まれて居るそうです。地場品種を用いた赤白のスティルワインのほか、ドウロらしくポートワインも作っています。パーカー氏の評価も高いようで、本ワインも90点を獲得しているとか。セパージュは、アリント、ゴウヴェイオ(ヴェルデーリョ種の別名)、ラビガート・エ・ヴィオシーニョ?の3種。価格は、写真のお店で1300円でしたが、セールもあってか現在は売り切れ。また入荷しそうですが。色は非常に薄い黄色。甲州並です。香りはドウロらしいニュアンスを感じるワインです。レモン、グレープフルーツ、オレンジ、ダイダイなど柑橘の香りいっぱいで、加えてカルダモンやレモンバーム、タイム、コリアンダーといったハーブっぽさも。さらに、洋梨やリンゴ、白桃といったフルーツや白い花っぽいフローラルなニュアンスといったものも感じられました。味わいは、やはり豊かな果実味が印象的。酸もしっとりじんわりしたものが感じられますが、あくまでも脇役ですね。ミネラル感は、無くはないですが柔らかいものです。ボディはミディアムライトで、後口には旨みしっかり。また、蜜っぽい余韻がはっきり感じられました。食事にはよく合うタイプです。ただ、フルーティな味わいながら、あまり濃い肉料理などよりは魚を使ったものの方がしっくり来ます。白身魚やイカタコなんかの握り寿司などにも意外といけますし、青魚の焼き魚なんてのにも意外に合います。また、料理番組のページを見て試してみた、タラとジャガイモのスープ、春野菜としらすのスープ煮、サワラとシイタケのクリームソースの3種の料理は、どれもなかなかの相性のよさでした。柑橘のニュアンスとハーブっぽさがありますが、グリューナーとはまた違う、南の個性を持ったワインです。ただ、南っぽさがありながらも、底抜けに陽気、といった印象ではなく、どこか陰のあるといいますか、引っ込み思案な雰囲気があるのはポルトガルらしいですね。
2010年04月07日
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今回はポルトガルのロゼワインです。カザル・ガルシア ヴィーニョヴェルデ・ロゼ。生産者はポルトガル北部ミーニョの、ヴィーニョヴェルデのワインの一大メーカーとして知られる、キンタ・ダ・アヴェレーダです。以前ヴィーニョヴェルデのワインを記事にしていますほか、プロフィール写真に使用しているものは、このワインの白です。こちらはロゼですが、ちゃんと微発泡しています。セパージュは、ヴィニャオン、レッド・アザル、ボラサール(どれも初耳です^^;)。価格は、楽天内では写真のお店で1386円。色はやや紅いロゼ色。ピンクのバラっぽいですね。香りは、赤い小さなフルーツのオンパレードです。フレッシュなラズベリー、クランベリー、ストロベリーといったニュアンスに、アセロラっぽさも感じます。また、割と濃い香りも感じられ、それらベリーのコンポートっぽさや少々の蜜、バラ的な赤い花といったような印象も。その他、ピンクグレープフルーツや少々のミネラルといった要素を感じました。味わいは、割としっとり感のある果実味がもっとも支配的です。しかし、その果実の後ろからフレッシュなそれこそまさに小さな赤ベリー系の酸が顔を覗かせます。ミネラル感も割とありますが、一方でほんのりとですがタンニンと思しき渋味も。ボディはライトで、当然ながら微発泡です。食事との相性は幅広いです。チキン南蛮や鶏のから揚げ、焼き鳥(タレ)といったものや、煮豚、チャーシューといったものともよく合い、日常のお惣菜にぴったりです。魚系でも、鰹のたたきやマグロの刺身、焼きアナゴ、ウニといった味の濃いものはもちろん、鯛のお椀やエビカニの類にもOKです。もっとカジュアルに、チーズとハムのサンドイッチなんかでもいいですし、他にも菜の花とハムを具材にしたセサミバンズのサンドイッチにもよく合いました。具はサーモンを用いたものなんかもいいでしょうね。ポップなラベルに鮮やかな色合い、フルーティな香味に少々の微発泡、そして食事によく合って手頃なお値段と、まさにカジュアル、まさにデイリーワイン!といったワインです。個人的にはかなり好みでした。上記サンドイッチなどとも相性がいいですから、簡単な食事とこのワインを持ってお花見に行ったりすれば最高でしょうね~。 ラベルのアップ。ロゼらしくピンクです。キレイな色合いです。万人受けするワインでしょう。
2010年03月30日
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今回は春にもぴったりなさっぱりとしたヴィーニョ・ヴェルデです。キンタ・ダ・アヴェレーダ・ヴィーニョ・ヴェルデ07。生産者はキンタ・ダ・アヴェレーダ社です。当ブログの第1番目の記事であるカザル・ガルシアと同じ生産者で、社名を冠しているだけあってより上級のレンジとなります。キンタ・ダ・アヴェレーダは、北部ポルトガル、ミーニョのワイナリーでその歴史は300年になります。家族企業ですが、グループを形成し結構な規模を誇る大手です。セパージュは、トラジャドゥーラやローレイロといった定番の品種の他、高級種であるアルヴァリーニョも使用されています。価格は、播磨屋さんで1050円で、これもお手ごろワインです。なお、楽天内にはなぜか04ヴィンテージが出ています。色は極めて薄い黄色。甲州ほどではないにしろ、薄いです。香りは、まさにヴィーニョ・ヴェルデらしい爽やかなもので石灰や鉱物などのミネラルを中心に、軽い白胡椒系のスパイス、フローラル、それにグレープフルーツ、レモン、ライムといった柑橘類、かすかな洋梨っぽさやメロンのようなニュアンスを感じました。また、時間経過や温度上昇とともに、蜜っぽさやリンゴ、その他パパイヤなどの黄色いフルーツっぽさも感じられました。この辺はアルヴァリーニョの影響かもしれませんね。味わいは、特徴である微発泡を感じはしますが、かなり大人しいものになっています。開けたては非常にドライで、塩気を感じるほどのミネラルと生き生きしたリンゴ酸系の酸味が主役。時間が経つと、香りの濃さに似合った蜜系の果実味が徐々に出てきます。ただ、それは酸より前に来る事はありません。ボディはライト。明るい雰囲気です。まあ、単独で鑑賞云々というワインではありません。しかし、食事とともに気軽に楽しむには、最適なワインの一つでしょう。脂しっかりの、あるいは血の滴るような肉料理などには流石に合わないでしょうが(しかし、口をさっぱりさせるくらいなら出来るでしょう)、和食や魚料理、お鮨、あるいはサラダといったようなものにはぴったりです。最近良く記事に登場しますカキも、フライや焼きはもちろん、酢ガキにだっていけそうです。また、タラをよく食べる国のワインだけあって、タラのソテーやフライ、それにタラちりや蒸し鍋なんかにもいい感じ。その他、ジャガイモにも良く合いますし、まあ相性のよい料理を上げればキリがない状態です。その他、これからの季節なら春野菜のパスタや天婦羅などにもいいでしょうし、まさに気軽に楽しむデイリーワインのお手本のようなワインだと思います。天気のいい日に、昼間から野外でワイワイ飲むのにも最適でしょう。実はこのワイン、ワイン&スピリッツで92点を獲得しています。こういったワインを高く評価するのは、やはりワインを身近な食文化として持っている人々ならではだなと思いますね。
2010年03月12日
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デイリー赤続きで、今度はポルトガル産です。キンタ・サンタ・エフューミア・ドウロ05。生産者はそのまんまですがキンタ・ド・サンタ・エフューミアです。1864年創業のドウロのワイナリーで、スティルワインのほかポートも作っています(むしろポートがメインでしょうか)。「キンタ」とはドメーヌのようなもので、ポートメーカーには大手メーカーや協同組合が多い中、創業当初から家族経営を貫いているそうです。セパージュはトゥーリガ・ナシオナル40%、ティンタ・ロリス40%、トゥーリガ・フランサ20%とポートと同じものです。楽店内には扱いは無く、近所のお店で900円弱でした。ちなみに、ポートなら楽天にも何種類かあります。色は黒々とした濃いガーネット。紫も見えます。ただ、エッジにはぼちぼちルビーも。香りは流石にドウロらしい濃いニュアンスがあります。フルーツならブラックベリーやダークチェリー、ブルーベリーに干し葡萄といったものを感じます。また、ポルトガルらしく赤いフルーツのニュアンスも感じられますが、ドライクランベリーやコンポートなどやはり濃さがあります。その他、煮詰めたバルサミコや黒い土、ココア、チョコレート、コリアンダーやシナモンなどの茶色いスパイスや少々のスミレといったような要素も感じられました。味わいは、タンニンがしっかり主張します。渋味を感じるのはもちろん、口の中で舌触りとしても感じられます。ただ、やはりというべきか果実味は色合いや香りからは意外なほどに繊細で、落ち着き、大人しさがあります。一方、酸は割りと元気で、フレッシュさのあるものが果実より少し前に出るくらいでいい塩梅です。旨みも豊かにありますね。ボディはミディアムフルといった感じで、濃厚さ重さをそこまで強く感じないツルツル感があるのもやはりポルトガルらしいところ。これも、やはり食事に合わせて楽しめるワインです。あわせるならやはり肉類でしょうね。結構幅広くあわせられそうで、ローストビーフや牛肉のタタキ、ラム肉のソテーや鹿肉のローストなど、赤身肉とはソース的な相性を見せてくれます。また、豚の角煮やチャーシュー、煮豚といった豚肉とは、タンニンや果実味が脂や肉の旨みを引き立ててくれました。一方、焼き鳥(たれ)やローストチキンなどをあわせると、脂が合うのはもちろん、肉の鉄っぽさを美味い具合に引き出してくれました。トマトの味わいにも合うので、上記お肉のトマト煮やトリッパのトマト煮なども面白そうですが、ワインに力があるのであまりあっさりしすぎているものよりはやはり肉料理的なものの方がいいでしょうね。こちらもいいデイリーワインですが、前回のピッチーニに比べますとタンニンやコクの出方がよりしっかりしている印象でした。カジュアルなのはカジュアルですが、バルのようなお店でディナーシーンに気軽に、といった感じでしょうか。
2010年01月21日
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今回は、先日のカルムの赤です。カルム・ティント06。カルムの畑は、標高が~650mというなかなかの高地にあり、350~650mの地点ではブランコが、125~400mの地点ではこのティントが、それぞれ作られているそうです。また、斜面もかなり急なのだとか。向きはやはりというか南ないし西向き。赤ワイン用ブドウ畑の土壌はシスト中心で花崗岩も一部に含まれているそうです。セパージュは、トゥーリガ・ナシオナル、トゥーリガ・フランサ、ティンタ・ロリスのドウロの定番のもの。価格は、写真のお店で1512円。色は濃いガーネット。やはり若さがあり、黒々しています。香りは茶色いスパイスと黒胡椒、少々のスミレっぽさを感じます。さらに、フルーティさも時間とともに強まっていき、ブルーベリーやブラックベリー、クランベリーやラズベリーのドライフルーツ、加えて、少々のアプリコットも。その他、紅茶やチョコ、ココアっぽさといった要素も感じられました。味わいは、色の印象よりはバランスがいいのが印象的です。もちろん、やはり果実味主体ではありますが、乳酸系の酸がわりと活き活きと存在感をみせます。また、旨みも効いていますので、飲み応えもありますね。ただ、タンニンはやはりこの国らしく滑らかで、渋味もほどほど。ボディは、柔らかく丸いミディアムフルといったところでしょうか。飲みやすさはありますが、やはりドウロらしさを感じられるワインですので、食事に合わせるなら豚肉との相性はいいですね。トマト煮こみ、スペアリブ、角煮、シンプルなローストと幅広くあわせられます。ただ、トンカツにしてしまうと、衣の厚さによっては油に負けてしまう事もありますので注意です。その他、ラムのソテー、ローストチキンや照り焼きチキンなどもいいでしょうし、ウナギの蒲焼を、パプリカなどの夏野菜と炒めて、山椒やその他スパイスで風味付けしたりしてもよく合いそうです、若いドウロのワインといいますと、固かったり果実味やタンニンが強すぎたりする事も多いのですが、こちらはかなりバランスがよく、早飲み出来るつくりになっています。これの上にレゼルバがあるのですが、そちらはかなりしっかりしているようなので、飲み比べて見たいものです。
2009年09月10日
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今回はポルトガルのお手ごろ白ワインです。カルム・ブランコ08。生産者カルムは、ポートでおなじみのドウロ地方のワイナリーです。ワイナリーはドウロにあるのですが、オーナーはマディラさんというなんともややこしいことになっています^^;1995年から有機農法に切り替えたそうで、オリーブオイルと、地場品種を用いたスティルワイン造りを行っています。ただ、醸造設備はやはり最新のものを用いて衛生管理などにも気を使っているようです。セパージュはコデガ・ド・ラリーリョ種、ラビガト種、ヴィオジーニョ種という完全地場品種(しかも、ドウロ以外ではあまり見ない品種です)。楽天内では、残念ながら既に売り切れ。赤とセットでなら、写真のお店が送料無料で3780円です。色は薄い黄色ですが、ややツヤも感じます。香りは非常に豊かなグレープフルーツのニュアンスと、少々のライムも感じます。加えて、カリンや白い花(バトナージュしているそうです)、ミネラルといったものも感じました。その他、ハーブやパイナップル、パッションフルーツ、微かなバター、紅茶っぽさといった要素もありましたね。味わいは、フレッシュなリンゴ酸系の酸が主体。果実味は存在感はあるものの、意外に繊細です。ミネラル感は柔らかめです。ボディはミディアムで、柔らかさ、まったり感のあるものになっています。ただ、全体を通してフレッシュさは感じますね。これは、まさに食事に合わせて楽しみたいワインです。やはり、タコのトマト煮には抜群の相性ですね。コリアンダーを使ってやればなおよしでしょう。基本的に、トマト系の料理とは相性がいいタイプですから、鳥の煮込みでも、ソースにしてカジキのソテーに添えたものでも、何でもあわせられそうです。その他、シーフードやチキンのシンプルなグリル、柑橘の効いた白身魚のカルパッチョなどとも好相性でしょう。ややバターなどを感じる部分があるので、和食とは微妙かもしれませんが、天ぷら、特に春野菜のものなどとは良さそうですね。コクはあるのですが、85%ステンレスタンク熟成だそうで、やはり白にも独特のコクがあるなぁと思わせてくれます。ポルトガルは赤ワインの方がやはり楽天などでも多く見かけますが、案外白も面白いですよ。
2009年09月08日
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今回はポルトガルのお手ごろ赤ワインです。ポルタ・ド・フォンテロ ティント04。生産者はダン地方のポルタ・ド・フォンテロという協同組合のようですが、詳細は不明。楽天内のメルカード・ポルトガルの自社輸入のようです。ただ、ジャパン・ワインチャレンジ08で赤白ともに銀賞に輝いたようで、注目度が高まってきているようです。セパージュは、トゥーリガ・ナシオナル、ティンタ・ロリス、ジャエン、アルフロシェイロ・プレトというダン定版のものです。価格は、写真のお店で1380円。ここでしか取り扱いは無さそうです。色は濃く深いルビー。紫も感じられ04ですが若さがあります。エッジはルビーで透明度も高め。香りは、ダンらしいベリーいっぱいのものです。ブラックベリー、完熟赤ベリー、それらのコンポートやジャムといったものが感じられます。ほかに、ダークチェリーやふかふかの黒い土、少々のチョコ、コケモモ、微かなタバコといった要素も。また、スパイシーさも十分で、黒胡椒や八角、丁子などの茶色いスパイス、それに、この国でよく使われるコリアンダーも感じられました。味わいは、しっかりした旨みが印象的でした。酸や果実味を喰い気味なところすらありますね。で、その酸と果実はというと、口に含むと果実がぱっと開き主張し、続けて乳酸系の酸がぐっと出てくるといったところでしょうか。どちらもしっかりしていますが、出過ぎないのは流石銀賞ですね。ボディはほぼフルと言っていいでしょう。ただ、タンニンは非常に滑らかでなで肩ボトルらしい印象。もっとも、渋味はキッチリ感じられます。食事にあわせるなら、やはり基本的には肉類でしょう。鶏肉との相性は素晴らしく、夏野菜と鳥もも肉のトマト煮とあわせてみましたが抜群でした。他にも、シンプルなローストや照り焼き、焼き鳥(タレでも塩でも)にもいいですし、から揚げだって大丈夫です。その他、赤身肉との相性もいいです。ただ、脂やソースがあまりごついと力負けしてしまうので、牛肉ならフィレのステーキやローストビーフ、タタキ辺りが良さそうですね。ラムのソテーなんかも良さそう。トマトソースのクスクスでも添えたいところ^^また、魚ですがウナギの蒲焼とは結構いい相性です。山椒がやはりいい仕事してくれますね。それと、メルカード・ポルトガルが同じく輸入しているポルトガル産イワシのトマトソース煮の缶詰とも結構いけますね。この缶詰なかなかのもんです。食事にあわせて楽しめるカジュアルな赤ワインですが、ダンらしさはキッチリ持ち合わせています。また、まだまだ若さを感じたので、この価格帯のワインにしては結構長持ちしそうです。あと3年くらい置いてみると面白いかも。夏のスタミナ食とともに楽しんでみると良さそうです^^
2009年07月24日
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今回はポルトガルの中堅赤ワインです。ヴィラ・サンタ05。生産者は当ブログでも何度か他のキュヴェを飲んでいるJ・P・ラモスです。長年ワインのコンサルタントとして活躍しており、01年にはポルトガルのワインメーカーオブジイヤーにも輝いている作り手ですが、ワイナリーの完成は1999年、畑の初収穫はその2年前の97年で、自社での生産は最近の事のようです。ただ、その初収穫の97ヴィンテージで作ったマルケス・デ・ボルバ レゼルバが「ワインライフ」誌の世界のベストワイン64の一つに選ばれているのは流石。セパージュはアラゴネス、トリンカデイラ、アリカンテ・ブーシェという地場品種にカベルネソーヴィニヨンが加わっています。価格は、写真のお店で4312円ですが、こちらはややお高いお店で、他ではもう少し安く売られているようです。色はやや紫を感じるガーネット。透明度は低め。香りは、まだ若さはあるもののらしさは出ています。特徴的な干しブドウのニュアンスを中心に、モカ、木、それらが混ざったレーズンバターのような香り、黒い土、黒胡椒や少々の茶色いスパイス、完熟赤ベリーやそのコンポート、ダークチェリーといったものが感じられ、ほのかなバラっぽさもあったでしょうか。余韻に赤ベリーが長く感じられるのもポルトガルらしいです。味わいは、やはり果実味中心ではありますが、しっとりとした優しさのある乳酸系の酸が後ろにしっかり控えており、バランスも十分。口当たりは柔らかく、ボディもミディアムないしミディアムフルくらいでしょうか。タンニンは滑らかですが、後口にかけてやや存在感を見せます。単独でも結構楽しめ、クリーミーなブルーチーズやセミハード系の旨みの多いチーズ、あるいは生ハムやサラミあたりをつまみながら、というのでも十分だと思います。ただ、もちろん食事にも合います。やはり、あわせるなら肉類でしょうね。アレンテージョの赤は相性の幅が広く、鶏肉からラムの煮込みまで何でも対応してくれますが、こちらもそのような印象です。ただ、あまり和風のあっさりした鳥の煮物、といったものよりは、同じ鳥なら赤ワイン煮やローストなどがいいでしょうし、より赤身のしっかりした鳥のほうがベターかなという気はします。キノコやベリーのソースとの相性もいいものがありそうです。流石の完成度です。この生産者が高評価を得ているのも頷けますね。ただ、下のマルケス・デ・ボルバもそうなのですが、あまり若いものよりは多少熟成したもの、今なら03以前くらいのものがあると、よりいいかなとも思います。
2009年07月08日
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今回はちょっと久しぶりなポルトガルの赤です。ジンブロ05。生産者キンタ・ド・ジンブロは、伝統国ポルトガルにおいて1993年設立という若いワイナリー。キンタ・ド・ジンブロという、ヴィンテージポート用のブドウを長年作っており、その素晴らしい畑を最大限生かすべく2003年にオーナーが畑を取得し、スティルワインの生産を始めました。セパージュは、トゥーリガ・ナシオナル30%、トゥーリガ・フランカ30%、ティンタ・ロリス20%、ティンタ・バロカ20%。価格は、写真のお店で1701円。色は黒みのしっかりあるガーネット。紫感も感じます。香りは、最初はドウロらしい甘草やシナモン、胡椒といったスパイスや少々のスミレっぽさ、土、カラメル、微かなミネラルといったものを感じます。時間とともに、黒ベリーや赤ベリー、ベリーコンポートといったこれまたらしいフルーティさや、少々の下草っぽさといったものが現れました。また、更なる時間経過でブラックチェリーやラムレーズンないしレーズンバター、バルサミコ、なめし革といった要素も感じられました。味わいは、やはり南らしい果実味のしっかりしたスタイルです。酸は低いトーンで、ボルドー的でしょうか。渋味はやはり少なめではありますが、ドウロらしくほどほどに舌には感じられます。ボディはフルボディですが、滑らかさがあり涼やかさすら感じる口当たりです。食事なら、肉類や根菜などに幅広くあいます。牛肉のタタキやローストビーフにはやはりよくはまりましたし、ステーキやシチューにも良さそうです。ステーキなら、和風でもいいかもしれませんね。また、鳥肉ならばローストチキンや焼き鳥(タレ)はもちろん、フライドチキンやしょうゆ味のから揚げにだってあいました。その他、豚肉料理にもよく、ソテーはもちろんですがシュウマイなどスパイスを使ったもの、特に中華とは結構いい相性です。さらに、揚げた根菜のサラダなどもありです。ゴボウやカボチャによく合いますよ。ほどほどのコクと、ポルトガルらしい滑らかさがあります。モダンなドウロのお手本のような感じです。また、食事には流石の相性の良さで、特に洋食や中華など(日本風にアレンジした)いろいろなものを食べる日本の食卓にはいい赤ワインかと思います。
2009年05月18日
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最近ではポルトガルのスティルワインも多少知られるようになってきましたが、やはり有名なのはポートとマディラでしょうか。甘く、デザートワインとして、あるいはアイスクリームにかけるなどデザートそのものとして楽しんだり、あっさりしたものは食前酒としてもいいですよね。ただ、ポルトガルには他にも甘口のワインもありまして、それがモスカテルです。その名の通り、マスカット系の品種で、スペインでもこの品種を使った甘口があるようですね。ポルトガル南西のセトゥーバルとポートでお馴染みのドウロの二地域でよく作られているようです。詳しい製法は分かりませんでしたが、度数はやや高めの15度程度で、中には100年近い熟成にも耐える、相当長命なものもあるようです。本ワインは、色はアルトビールのような琥珀色ないし褐色。香りはシェリー的な熟成した複雑な風味にカラメル的なニュアンスがあり、その奥になるほどマスカットを思わせるような要素が垣間見えます。味わいはやはり甘口。色に似合ったコクもあり、クリームシェリー的な雰囲気もありますが、ボディに柔らかさ、軽快さがあり、甘味もそこまで強くないため食前にもいけそうです。食前や食後に、単独で、あるいは余りキツ過ぎないブルーチーズやドライフルーツなどと楽しめそうです。アイスクリームにかけるにはちょっと大人しいでしょうね。また、中華料理店にオンリストしているところがあるようですが、紹興酒代わりというのも面白いかも知れません。
2009年04月04日
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今回はポルトガルの白です。エンクルザード05。生産者はキンタ・ドス・ロケス。2年前の10月に同じものを飲んでいます。キンタ・ドス・ロケスはダン地方の生産者で、同地方のみならずポルトガルを代表する作り手の一つといえます。エンクルザード種は、そのダン地方の代表的な白ブドウで、香りのしっかりしたワインになります。セパージュはエンクルザード100%。価格は2500円程度ですが、05は楽天内では既に売り切れ。写真のお店では06が2520円です。色は薄い黄色。やや緑がかっています。以前より熟成はしていますが、色合いに大きな差はありませんね。うって変わって香りはバッチリ開いています。ラム酒やラムレーズンを髣髴とさせるような刻を感じる甘い風味が最も印象的。ミネラルの風味もキッチリ有りますが、前回と比べると非常に開いた印象。柑橘のニュアンスも、以前より多く感じ、グレープフルーツやレモンの他、ハッサクやオレンジなどもあり、それらは熟した印象です。ナッツっぽさも少々ありました。味わいも、以前は堅牢で閉じきったミネラル感が印象的でしたが、今回は開いてやわらかさ、こなれ感を感じるミネラルになっています。果実味も随分はっきり感じられるようになりました。酸味も落ち着いていて、乳酸系のしっとり感を感じるものになっています。ボディはミディアムライト。以前あったアルコールの辛さも落ち着いています。食事にはバッチリよく合います。中でも、ちょっとシーズンは終わってきましたが、牡蠣にはぴったりです。カキフライ、焼き牡蠣、バターソテーなど火が入ったものはもちろん、生でも問題無しです。トマトソースを使えばさらに相性アップでしょう。また、鳥肉ともぴったりで、焼き鳥(塩)やハーブソテー、から揚げなんでもござれといった印象。白身や脂の旨みをこれでもかというほど引き立ててくれます。シーフードに鳥肉といろいろ合わせて楽しめますね。ポルトガルのワインは、特に赤は廉価なものでも比較的熟成を要するものが多いという印象があったのですが、白でもこのクラスの生産者になるとやはり時間が必要ですね。05はまさに飲み頃に入ってきたというところでしょう。今楽天内では06や07が買えますが、少なくとももう2年程度は待ってあげた方がいい状態のものを飲めるように思います。
2009年03月21日
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今回は久々のポルトガル。デイリー赤ワインです。ドン フェレイタス06。生産者カーサ・デ・エルメリンダ・フェレイタスは、リスボン南東部、テラス・ド・サド地方はパルメーラの生産者です。家族経営のワイナリーですが、現当主でもう5世代目を数えるそうです。この地域でよく作られている葡萄、ペリキータを中心に栽培しています。本ワインも、ペリキータ100%。価格は、写真のお店で1260円。同店では送料無料の6本セットも扱っています。色はやや赤みの強いガーネット。エッジにはルビーも見られます。香りは、赤いフルーツのニュアンスがいっぱいです。ストロベリー、ラズベリーといったものを中心に、チェリー、コケモモといったものを感じます。他に、プラム、ブルーベリー、少々の干しブドウといった濃いフルーツも。加えて、ミネラルや様々な茶色いスパイス、紅茶っぽさ、バラといった風味や、かなり独特な土っぽさ、ミネラル、ボンレスハムといったニュアンスもあります。味わいは、香りはジューシーな果実味を連想させますが、そこはやはりこの国のワインらしくクリアーな酸味が印象的です。果実味もありますが、初めは結構しっかり閉じています。時間経過と温度上昇で、柔らかく膨らんできます。ただ、酸よりはっきり前に出るということはないでしょうか。渋味はしっかりですが、タンニンの口当たりはやはり滑らかで、ボディはミディアムボディ。酒質だけで言えば、もちろん廉価なものですが、サンジョヴェーゼやピノのワインっぽいでしょうか。食事に合わせるべきワインでしょう。焼き鳥(たれ)や鳥のから揚げといった鳥料理や、チンジャオロースや豚冷しゃぶゴマドレッシングなどの豚料理などにいい感じです。あまり手の込んだものより、家庭料理的なものの方が相性は良好。また、軽く冷やして、脂の乗ったブリや赤身魚、あるいは鰯の炭火焼や秋刀魚のグリルといった魚と合わせてみてもいいかもしれません。その他、この品種の若いワインは独特の風味があるのですが、それがシェーブルチーズと非常に良く合います。フランス産のいいものでも悪くありませんが、フェタチーズ程度で十分でしょう。どちらかというと長熟な品種なのですが、流石にこのレンジではそこまでは見込めそうにないです。ただ、あと2年くらい置いてみてもいけそうな気はします。フレッシュな酸味と香り(余韻は意外としっかりありますよ)、やさしい果実味が魅力の、食卓に添えたいデイリーワインといった印象です。
2009年03月13日
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今回も続けてポルトガルワインです。こちらは赤。レロ・ドウロ・ティント06です。生産者ボルゲスは1884年設立と歴史ある作り手です。ポルトを拠点としていますが、他にダンなどにも大きな畑を持っている大規模な生産者です。コスパワインから、トップレベルのヴィンテージポートまで手広く作っています。猫のラベルでお馴染みのガタオ ヴィーニョ・ヴェルデでも有名ですね。セパージュは、トゥーリガ・ナシオナル、トゥーリガ・フランサ、ティンタ・ロリス、ティンタ・バロッカというドウロらしいもの。価格は、写真のお店で976円。色は鮮やかなガーネット。若いため紫感もありますが、赤の方が強く出ていますね。香りは、割と変化があります。開けて直ぐは、黒胡椒やコーヒーといった風味を良く感じますが、時間と共に赤いフルーツのニュアンスが強まり、ラズベリー、クランベリー、チェリー、ヤマモモ、コケモモといったような風味を感じます。コーヒーのニュアンスは落ち着き、カラメルっぽくなるでしょうか。さらに、木ないしバニラっぽさも。他にも、下草や土のような香りも出てきました。味わいは、ドウロらしくしっかりした果実味と、豊かなボディがあると思いきや、非常にフレッシュな、小さな赤い果実を思わせる酸味が印象的です。果実味は、酸の後からほんわかとしたものが付いてくるといった感じです。ミディアムボディで、口当たりは流石の滑らかさですが、渋味自体は後口にかけて少し感じられます。食事にあわせたほうがベターなタイプですね。あわせるなら、酸味がしっかりしていたり滑らかさのあるミディアムボディなんですが、やはり魚よりは肉の方がしっくり来るかなと思います。もちろん、あまりこってりしたものには難しいので、牛肉のタタキやローストビーフ、ローストポークなんかや、鉄分の多い鳥肉をローストチキンにするなどがちょうどいいでしょうね。トンカツなどは衣の油に負け気味なので、ポークソテーの方が良さそうです。魚なら、脂のしっかりした身を、煮物にしたりグリルしてソースを工夫するなどすれば合わせられはしそうです。1000円程度のワインながら、なかなか面白いワインです。気軽に飲めますし、「ボルドーとブルゴーニュの中間」などと評される事もあるポルトガルワインらしさもきっちり備えています。インターナショナルワインチャレンジやジャパンワインチャレンジで高評価を得ているようですが頷けるかなと思います。
2009年01月24日
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