天の王朝

天の王朝

PR

×

プロフィール

白山菊理姫

白山菊理姫

フリーページ

ハーバード経済日誌


ハーバード経済日誌(2)


ハーバード経済日誌(3)


ハーバード経済日誌(4)


ハーバード経済日誌(5)


ハーバード経済日誌(6)


古代飛騨王朝を探して


海外でのダイビングあれjこれ


海外でのダイビングあれこれ2


海外でのダイビングあれこれ3


驚異のガラパゴス(1)


驚異のガラパゴス(2)


驚異のガラパゴス(3)


歴史箱


山口博教授の講演録


古典SFの世界


富山サイエンス・フィクションの世界


ETとの交信は可能か


不思議な世界


不思議な世界2


不思議な世界3


不思議な世界4


不思議な世界5


不思議な世界6


不思議な世界7


不思議な世界8


フォト・ギャラリー


雑感


誰がケネディを殺したか


誰がケネディを殺したか2


誰がケネディを殺したか3


誰がケネディを殺したか4


カストロが愛した女スパイ1


カストロが愛した女スパイ2


カストロが愛した女スパイ3


カストロが愛した女スパイ4


カストロが愛した女スパイ5


カストロが愛した女スパイ6


カストロが愛した女スパイ7


カストロが愛した女スパイ8


カストロが愛した女スパイ9


カストロが愛した女スパイ10


カストロが愛した女スパイ11


出雲族と大和族の話(パート1)


出雲族と大和族の話(パート2)


サイド自由欄

設定されていません。
2008.02.11
XML
テーマ: いい言葉(574)
カテゴリ: 文学・芸術
▼エロディアード「舞台」4(マラルメ18)
香料を拒絶したエロディアードに対して乳母が謝る場面です。

N.(乳母)
Pardon ! l'âge effaçait, reine, votre défense
De mon esprit pâli comme un vieux livre ou noir...
お許しください、女王さま! 古ぼけた、あるいはすすけた書物のように、
長い年月が私のぼけた頭からあなたの申しつけを消し去っていました。

面白い言い回しですね。ここで注目するのは、乳母がエロディアードのことを「女王」と呼んでいることでしょうか。乳母は最初、「王女」と呼び、次に「わが子」、そして今度は「女王」です。このことからも、エロディアードが実は、悲劇の女王の人生そのものを具象化した人物であることがわかりますね。

H.(エロディアード)
Assez ! Tiens devant moi ce miroir.
言い訳はもう十分! 私の目の前でこの鏡を持ちなさい。

O miroir !
おお、鏡よ!

Eau froide par l'ennui dans ton cadre gelée
お前の凍りついた枠の中で、倦怠により冷え切った水よ、

Que de fois et pendant des heures, désolée
幾たび、そして幾時間、私は夢想に戸惑い、

Des songes et cherchant mes souvenirs qui sont
お前の氷の下に隠された深い穴に沈んだ

Comme des feuilles sous ta glace au trou profond,
枯葉のような思い出を探しながら、

Je m'apparus en toi comme une ombre lointaine,
遠くかすんだ影のように、私はお前の前に現れたことでしょう。

Mais, horreur ! des soirs, dans ta sévère fontaine,
でも、恐ろしい! 私は夜になるたびに、お前の荘厳な泉の中に

J'ai de mon rêve épars connu la nudité !
私の乱れ散る夢に出てくる裸の姿を知ったのです!

Nourrice, suis-je belle ?
乳母よ、私は美しいかしら?


N.(乳母)
Un astre, en vérité
Mais cette tresse tombe...
星のようです、本当に。
でも髪がほつれ落ちて・・・


この後も乳母とエロディアードの対話は続きますが、ここまでにしておきましょう。エロディアードは乳母が手に持った鏡を見ながら、鏡に呼び掛けていますね。鏡を荘厳な泉にたとえた上で、その泉の底に何か大切な思い出を無くしてしまったと言っているようです。「乱れ散る夢に出てくる裸の姿」とはエロチックですが、美の本質のことを言っているのでしょうか。

マラルメは1866年1月2日の夜、「詩を裸体の姿で再び見た」と友人に3日付けの手紙に書いています。そして「今夜(3日夜のこと)その著作を試みようと思っている」とも言っているんですね。その結果が、エロディアードのこの表現にも反映しているのではないかと思います。

ここでも、エロディアードの美とマラルメの詩が共鳴を起こしているようです。さしずめ、エロディアードが裸の姿を晒す鏡とは、マラルメが毎晩、目の前に自分を晒さなければならない原稿用紙でしょうか。マラルメが創作の苦悩の中に、氷のように冷たい泉と、その深奥に「(詩の」裸体の姿」を見たというのもうなずけますね。

ということで、地球を映し出す鏡である海です。
海ー地球を映し出す鏡
(続く)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008.02.11 09:00:13
コメント(4) | コメントを書く
[文学・芸術] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:エロディアード「舞台」4  
furafuran  さん
こんにちは。

マラルメはさまざまな方法で、詩の世界での創作に没頭していたのですね。マラルメが生み出した言葉の一つ一つをエロディアードの言葉として、鏡に映し出されるまでが、どれほど苦しいものだったのかを思わずにいられません。

地球を映し出す穏やかな鏡の海は、水面にきらきら光って、地球の美しさを知らせてくれますね。 (2008.02.11 13:01:34)

Re[1]:エロディアード「舞台」4(02/11)  
白山菊理姫  さん
furafuranさん
こんばんは。

>マラルメはさまざまな方法で、詩の世界での創作に没頭していたのですね。マラルメが生み出した言葉の一つ一つをエロディアードの言葉として、鏡に映し出されるまでが、どれほど苦しいものだったのかを思わずにいられません。

大変な創作活動だったのでしょうね。マラルメの苦悩は、英語教師という現実的な仕事と、家庭の中の父親としての役割からも来ているようです。彼はこんなことを書いています。「失えば再び見出せない私のもっとも美しい情熱や稀有な霊感は、毎瞬時、教師という、いやな仕事で中断される」。赤ん坊の泣き声で詩が書けないと嘆いたりもしていました。

マラルメは「いい教師」「いい父親」ではなかったようです。

>地球を映し出す穏やかな鏡の海は、水面にきらきら光って、地球の美しさを知らせてくれますね。

写真には太陽が映っていますが、海は地球の環境問題を映す鏡になっていますね。場所は湘南・江ノ島でした。猫ちゃんにたくさん遭遇した日でもありました。 (2008.02.11 22:27:31)

Re:薔薇シリーズ115(02/11)  
heliotrope8543  さん
このような詩を書いた詩人が普通の現実の暮らしをしてそのはざまで悩んでいたとは思いませんでした。

この海も、予想外で、わりと慣れ親しんでいるはずの場所でした。こうして見ると神秘的に見えます。 (2008.02.12 00:13:38)

Re[1]:薔薇シリーズ115(02/11)  
白山菊理姫  さん
heliotrope8543さん
おはようございます。

>このような詩を書いた詩人が普通の現実の暮らしをしてそのはざまで悩んでいたとは思いませんでした。

幸いなことに、マラルメが友人に送った書簡が多数残されているんですね。それにより彼の創作活動の苦悩を知ることができます。作品とその作品が書かれた時期の書簡を見比べれば、マラルメが詩に込めた心情がおぼろげながらわかってきますね。

>この海も、予想外で、わりと慣れ親しんでいるはずの場所でした。こうして見ると神秘的に見えます。

太陽が映って綺麗に見えますね。冬場だからでしょうか、江ノ島の海が意外ときれなので驚きました。

しかし海洋汚染は依然として続いており、世界中で綺麗な海がなくなっている事実があります。ガラパゴスの海も汚染されはじめているのかなと、新聞記事を読みながら考えておりました。 (2008.02.12 09:22:23)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

立山の百姓@ 尖山について はじめまして。 尖山の近くで農園を営ん…
simo@ Re:新刊『UFOと交信すればすべてが覚醒する』の解説(03/21) こんにちは。初めまして。 昨年妻が海で撮…
たぬき@ Re:ニニギの兄に祭り上げられたホアカリの正体(03/12) ホアカリ。 徐福が秦の始皇帝の使節を隠れ…
たぬき@ Re:サノノミコト(神武天皇)になぜ神が付いたのか(07/29) ジンム。と読まずに 大和言葉風味、古代語…

バックナンバー

・2026.05
2026.04
2026.03
2026.02
2026.01
2025.12
2025.11
2025.10
2025.09
2025.08

© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: