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2008.02.12
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▼エロディアード「舞台」5(マラルメ19)

エロディアードはこの後、乳母が自分に触れようとしたことを非難します。どうやら誰かに触れられると、現実世界に戻らなければならなくなり、あの不吉な運命(聖書に描かれた悲劇)の歯車が回り始めると嘆いているようです。

そのような運命のことを知らない乳母は、エロディアードが頑なに現実(世俗)世界を拒み続ける秘密を聞きだそうとします。ところが、エロディアードは秘密を明かそうとしません。それでも追究する乳母に「私のためよ」とだけ答えます。

この辺りのやりとりにも、マラルメの詩人としての苦悩がにじみ出ています。昨日のコメントにも書かせてもらいましたが、マラルメがこの作品に取り組み始めた1864年11月、マラルメ家に長女ジュヌヴィエーヴが生まれます。生まれたばかりのジュヌヴィエーヴの泣き声は、マラルメの「頭を絶えずガンガン」させます。

加えて、英語教師としての現実的な生活もマラルメの創作活動を邪魔したようです。マラルメは翌65年には友人に宛てた手紙で次のような心情も吐露しています。「専門の文学者(詩人のこと)でないのは悲しいことだ! 失えば再び見出せない私の最も美しい情熱や稀有な霊感は、毎瞬時、教師という嫌な仕事で中断される」

乳母に触れられたくないというエロディアードは、俗世界の雑事(不吉な運命)のことを思い出したくないというマラルメの心情だったのかなと思ってしまいますね。詩の世界に没頭しているとき、女神が微笑んで美しい詩句が浮かんできても、赤ん坊のかすかな泣き声で忘れてしまうという現実があったのでしょうか。そういえば、乳母は赤ん坊のイメージと重なりますね。

先へ進みましょう。
エロディアードは乳母の棘のある口調と憐憫を戒めたうえで、自分の心境をとうとうと語りはじめ、最後はほとんど独演会となります。その一部を紹介しましょう。エロディアードは鏡の中に存在する清らかな肉体・処女性(お前)と、鏡に映るその姿(妹)に向かって呼び掛けています。処女賛歌であり、孤独を賛美しているようでもあります。

Et ta soeur solitaire, ô ma soeur éternelle
そしてお前の孤独な妹、ああ、私の永遠なる妹よ、

Mon rêve montera vers toi : telle déjà,
私の夢はお前に向かって昇っていく。すでに、

Rare limpidité d'un coeur qui le songea,
その夢を夢想する私の心は稀有なほど澄んでいる。

Je me crois seule en ma monotone patrie
私はただ一人、寂然とした私の祖国に住んでいるのだと思う。

Et tout, autour de moi, vit dans l'idolâtrie
私の周りのすべてが、鏡の偶像崇拝の中に生きている。

D'un miroir qui reflète en son calme dormant
その鏡は、夢の静寂の中に、ダイヤの光輝の眼差しをもつ

Hérodiade au clair regard de diamant...
エロディアードを映し出す・・・

O charme dernier, oui ! je le sens, je suis seule.
ああ、究極の魅惑よ、そう! 私にはわかるわ。私は独り。
(続く)

鏡の海を進む孤独な船?

船と海





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最終更新日  2008.02.12 11:31:31
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