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カテゴリ: 文学・芸術
▼悪の華と薔薇19(レスボス)
『悪の華』には薔薇がまだまだ出てきます。「薔薇色の靴下が片方だけ、思い出のように残った」(「ある受難の女」)、「吐息までが薔薇園に吹く風のように薫る」(「シテールへのある旅」)「薔薇色と神秘的な青が織りなす夕べ」(「愛し合う男女の死」)などですが、いずれもかなり長い詩なので、ここでは省略させていただきます。

さて、ここで最後になりますが、『悪の華』初版本から裁判で削除された詩を紹介しましょう。当時の公序良俗に反する禁断の作品とは、一体どのように怪しげな詩だったんでしょうね。これも長い詩なので、二回に分けて紹介します。

タイトルは「レスボス」です。後で詳しく説明しますが、レスボスとはレズビアンの語源となったギリシャの島のことです。

Lesbos(レスボス)

Mère des jeux latins et des voluptés grecques,
Lesbos, où les baisers, languissants ou joyeux,
Chauds comme les soleils, frais comme les pastèques,
Font l'ornement des nuits et des jours glorieux,
Mère des jeux latins et des voluptés grecques,

ラテン風遊戯とギリシャ風享楽の母である
レスボスよ、太陽のように熱烈で、スイカのように冷やかな、
気だるい、あるいは楽しい口づけが、
夜と栄光の昼を飾る島、
ラテン風遊戯とギリシャ風享楽の母よ、

Lesbos, où les baisers sont comme les cascades
Qui se jettent sans peur dans les gouffres sans fonds,
Et courent, sanglotant et gloussant par saccades,
Orageux et secrets, fourmillants et profonds;
Lesbos, où les baisers sont comme les cascades!

レスボスよ、口づけが滝のように襲い掛かる島、
その滝は恐れもせず、底なしの深遠へと飛び込んで、
荒れたかと思うと静まり、ごった返したり深く沈んだり、
不規則に泣きわめきながら流れ落ちる。
レスボスよ、口づけが滝のように襲い掛かる島!

Lesbos, où les Phrynés l'une l'autre s'attirent,
Où jamais un soupir ne resta sans écho,
À l'égal de Paphos les étoiles t'admirent,
Et Vénus à bon droit peut jalouser Sapho!
Lesbos où les Phrynés l'une l'autre s'attirent,

レスボスよ、女たちがお互い惹かれあう島、
ため息が絶えずため息を呼ぶ島よ、
天の星たちでさえ、お前をパフォス(注:キプロス島の古名)と並べて崇め、
美の女神が女詩人サッフォーを妬むのも無理はない!
レスボスよ、女たちがお互い惹かれあう島、

Lesbos, terre des nuits chaudes et langoureuses,
Qui font qu'à leurs miroirs, stérile volupté!
Les filles aux yeux creux, de leur corps amoureuses,
Caressent les fruits mûrs de leur nubilité;
Lesbos, terre des nuits chaudes et langoureuses,

レスボスよ、暑く物憂げな夜の大地、
夜は、ああ不毛の快楽よ!
目に隈ができた、情欲をそそる体をした乙女たちに
鏡の前で裸になった、その熟れた果実を愛撫させる。
レスボスよ、暑く物憂げな夜の大地、

Laisse du vieux Platon se froncer l'oeil austère;
Tu tires ton pardon de l'excès des baisers,
Reine du doux empire, aimable et noble terre,
Et des raffinements toujours inépuisés.
Laisse du vieux Platon se froncer l'oeil austère.

いかめしい老プラトンには、しかめ面をさせておけ。
甘美な帝国の女王よ、愛すべき、高貴な国よ、
過剰なまでの口づけと、尽きることのない洗練さゆえに、
お前は罪を許されるのだ。
いかめしい老プラトンには、しかめ面をさせておけ。

Tu tires ton pardon de l'éternel martyre,
Infligé sans relâche aux coeurs ambitieux,
Qu'attire loin de nous le radieux sourire
Entrevu vaguement au bord des autres cieux!
Tu tires ton pardon de l'éternel martyre!

永遠に続く苦痛ゆえにお前の罪は許される、
その罪は、身の程知らずの心に休みなく課せられる!
遠く離れた別の空の辺境にぼんやりと垣間見た、
輝くような微笑に引き寄せられた心に。
永遠に続く苦痛ゆえにお前の罪は許される!

Qui des Dieux osera, Lesbos, être ton juge
Et condamner ton front pâli dans les travaux,
Si ses balances d'or n'ont pesé le déluge
De larmes qu'à la mer ont versé tes ruisseaux?
Qui des Dieux osera, Lesbos, être ton juge?

レスボスよ、どのような神がお前を裁けようか、
労苦で青ざめたお前の額をどのような神が非難できようか、
お前の小川を通って海へと流れる涙の洪水を
金の秤で重さを量ったりしないのならば?
レスボスよ、どのような神がお前を裁けようか?

Que nous veulent les lois du juste et de l'injuste ?
Vierges au coeur sublime, honneur de l'archipel,
Votre religion comme une autre est auguste,
Et l'amour se rira de l'Enfer et du Ciel!
Que nous veulent les lois du juste et de l'injuste?

正義の法も邪の法も私たちに意味があるだろうか?
崇高な心を持った処女たち、島々の誉れよ、
お前たちの宗教も、他の宗教と同じように尊厳があり、
恋愛するのに地獄も天国も関係ないのだから!
正義の法も邪の法も私たちに意味があるだろうか?


ここでちょうど半分ぐらいです。後半は明日紹介しますが、ギリシャの女流詩人サッフォーとレスボスについて説明しておきましょう。

サッフォーは紀元前6,7世紀に活躍した古代ギリシャの詩人です。生まれはトルコに近いエーゲ海に浮かぶレスボス島。裕福な生まれで、アンドロス島出身の富裕な男と結婚して少なくとも娘を一人もうけています。レスボス島の上流社会に属し、若い女性を集めてお茶会のような会合を開き、そこで詩を発表したり教えたりしていたようです。女子教育の元祖的存在ですね。

その詩の中に、若い女性に対する穏やかで、ときに激しい恋慕が詠った詩編があることから、サッフォーとその仲間が同性愛者であるとみる研究家は多いようです。そのため後世、レスボス島の女という意味でレズビアン(女性同性愛者)という言葉が生まれたんですね。また、サッフォーから派生した言葉としてサフィズム(女性同性愛)という言葉もあります。

ボードレールは、そうしたレスボス島の大らかな恋愛について、プラトンが眉をひそめているというようなことを書いていますが、実はプラトンはサッフォーの精神性や詩を高く評価していたようです。そのプラトンですら、眉をひそめる恋愛行為という意味で使ったのでしょうか。
(続く)





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最終更新日  2008.04.14 10:29:25
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