天の王朝

天の王朝

PR

×

プロフィール

白山菊理姫

白山菊理姫

フリーページ

ハーバード経済日誌


ハーバード経済日誌(2)


ハーバード経済日誌(3)


ハーバード経済日誌(4)


ハーバード経済日誌(5)


ハーバード経済日誌(6)


古代飛騨王朝を探して


海外でのダイビングあれjこれ


海外でのダイビングあれこれ2


海外でのダイビングあれこれ3


驚異のガラパゴス(1)


驚異のガラパゴス(2)


驚異のガラパゴス(3)


歴史箱


山口博教授の講演録


古典SFの世界


富山サイエンス・フィクションの世界


ETとの交信は可能か


不思議な世界


不思議な世界2


不思議な世界3


不思議な世界4


不思議な世界5


不思議な世界6


不思議な世界7


不思議な世界8


フォト・ギャラリー


雑感


誰がケネディを殺したか


誰がケネディを殺したか2


誰がケネディを殺したか3


誰がケネディを殺したか4


カストロが愛した女スパイ1


カストロが愛した女スパイ2


カストロが愛した女スパイ3


カストロが愛した女スパイ4


カストロが愛した女スパイ5


カストロが愛した女スパイ6


カストロが愛した女スパイ7


カストロが愛した女スパイ8


カストロが愛した女スパイ9


カストロが愛した女スパイ10


カストロが愛した女スパイ11


出雲族と大和族の話(パート1)


出雲族と大和族の話(パート2)


サイド自由欄

設定されていません。
2008.04.13
XML
テーマ: いい言葉(574)
カテゴリ: 文学・芸術
▼悪の華と薔薇18(未明の薄明かり)
これまで紹介した詩編は『悪の華』の「憂鬱と理想」からでしたが、今日紹介する、薔薇がでてくる詩は「パリの描景」からです。タイトルは「未明の薄明かり」です。

Le Crépuscule du Matin(未明の薄明かり)

La diane chantait dans les cours des casernes,
Et le vent du matin soufflait sur les lanternes.

起床ラッパが兵舎の庭に響き渡り、
街燈に朝の風が吹きつけていた。

C'était l'heure où l'essaim des rêves malfaisants
Tord sur leurs oreillers les bruns adolescents;
Où, comme un oeil sanglant qui palpite et qui bouge,
La lampe sur le jour fait une tache rouge;
Où l'âme, sous le poids du corps revêche et lourd,
Imite les combats de la lampe et du jour.
Comme un visage en pleurs que les brises essuient,
L'air est plein du frisson des choses qui s'enfuient,
Et l'homme est las d'écrire et la femme d'aimer.

それは、悪夢の群れによって
褐色の肌をした若者の耳がよじれる時。
ぴくぴくと痙攣して動く、血走った眼のように
日の光の中でランプの灯が赤い染みとなる時。
ざらざらして重たい肉体の重みに耐えかねた魂が、
ランプの灯と日の光の闘いを真似る時。
そよ風がぬぐう、涙に濡れた顔のように、
朝の空気は去り行くものの戦慄に満ちている。
男は書くことに、そして女は愛することに、疲れている。

Les maisons çà et là commençaient à fumer.
Les femmes de plaisir, la paupière livide,
Bouche ouverte, dormaient de leur sommeil stupide;
Les pauvresses, traînant leurs seins maigres et froids,
Soufflaient sur leurs tisons et soufflaient sur leurs doigts.
C'était l'heure où parmi le froid et la lésine
S'aggravent les douleurs des femmes en gésine;
Comme un sanglot coupé par un sang écumeux
Le chant du coq au loin déchirait l'air brumeux
Une mer de brouillards baignait les édifices,
Et les agonisants dans le fond des hospices
Poussaient leur dernier râle en hoquets inégaux.
Les débauchés rentraient, brisés par leurs travaux.

あちこちの家々から、かまどの煙が立ち昇りはじめ、
売春婦たちは、鉛色のまぶたを閉ざし、
口を開けて、愚かな眠りをむさぼっていた。
乞食女たちは、やせて冷たくなった乳房を引きずりながら、
燃えさしの薪に息を吹きかけ、自分の指にも息を吐きかけていた。
それは、冷たさと吝嗇(りんしょく)の最中にあって、
産褥にある女性の産みの苦しみがいっそう増す時。
泡立つ血によって断たれた嗚咽のように、
遠くでは雄鶏の鳴き声が、もやの立ち込める大気を切り裂いていた。
霧が立ち込める海は建造物を飲み込み、
救済施設の奥の部屋では瀕死の患者が、
不規則な痙攣とともに、断末魔の喘ぎ声を絞りだしていた。
放蕩者たちは、自分の放蕩に傷つき、帰宅の途についていた。

L'aurore grelottante en robe rose et verte
S'avançait lentement sur la Seine déserte,
Et le sombre Paris, en se frottant les yeux
Empoignait ses outils, vieillard laborieux.

薔薇色と緑色のローブをまとった曙は、震えながら、
人気のないセーヌ川の岸辺をゆっくりと進んでいった。
そして、まだほの暗いパリは、眠い眼をこすりながら、
勤勉な老人のように、仕事道具を取り上げるのだった。


パリの朝の情景を、「放蕩息子」のボードレールが描いた詩ですね。遊びすぎて疲れ果て、もう詩は書けないと嘆きながらも、それでも詩を書かずにいられない詩人の姿が浮かんできます。

「泡立つ血によって断たれた嗚咽」「断末魔の喘ぎ声を絞りだし」など、ところどころボードレール流に残酷で暗い表現が見受けられます。それでも最後の節では、夜明けということもあり、意外と明るいトーンになっていますね。フランス語の薔薇色には「楽観的な」という意味もありますから、曙に薔薇色を見出したボードレールもまた、悲観的でありながら楽観の詩人であったのかなとも思われてきます。まあ、そうでなければ、ああも湯水のように遺産を食い潰すこともしなかったでしょうね。

未明の薄明かりではありませんが、夕暮れの薄明かりの中に浮かび上がる富士山です。

黄昏と富士山
(続く)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008.04.13 11:50:59
コメント(2) | コメントを書く
[文学・芸術] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

立山の百姓@ 尖山について はじめまして。 尖山の近くで農園を営ん…
simo@ Re:新刊『UFOと交信すればすべてが覚醒する』の解説(03/21) こんにちは。初めまして。 昨年妻が海で撮…
たぬき@ Re:ニニギの兄に祭り上げられたホアカリの正体(03/12) ホアカリ。 徐福が秦の始皇帝の使節を隠れ…
たぬき@ Re:サノノミコト(神武天皇)になぜ神が付いたのか(07/29) ジンム。と読まずに 大和言葉風味、古代語…

バックナンバー

・2026.05
2026.04
2026.03
2026.02
2026.01
2025.12
2025.11
2025.10
2025.09
2025.08

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: