ストーリーのキーポイントはレナとティコ・ムーンの愛と、あまり深くは描かれないのですがエヴァとコンスタンティンの心理でしょう。レナがティコ・ムーンに恋することになっていなければ、任務だけではあれほどまでに彼を守れなかっただろうし、エヴァが麻薬中毒になっているのはティコ・ムーンが忘れられないからで、20年前に彼を救ったのも彼女の愛。コンスタンティンはたまたま発病が表面に出なかったためにティコ・ムーンを父と思い彼を守った。一方では独裁者マクビーの、子供の病気回復よりも自分のそれを優先し、冷凍貯蔵で息子の死後に再び権力を持とうとした、愛のない権力欲が描かれ、その対決は愛の勝利に終わるわけです。地球に向かう宇宙船の窓から地球を眺めながらレナがティコ・ムーンに言う映画最後のセリフは、この2時間弱の映画の中でもっとも好きなセリフです。「Je n'ai encore jamais quitte la lune.」(まだ一度も月を離れたことはなにの)というだけのセリフですが、なぜかとってもエロティックに響きます。