ラッコの映画生活

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2007.06.28
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カテゴリ: フランス映画
SOUS LE SABLE

95min

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寸評:オゾン節としては まあまあ の出来か?。シャーロット・ランプリングは 『スイミング・プール』 よりはるかに良い。

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F・オゾンの作品を見るのは3本目だろうか。どれも一風変わった話法・筆法の映画だ。 『スイミング・プール』 は現実と妄想と書かれつつある小説の混交。 『ふたりの5つの分かれ路』 は物語の時間的逆行。そしてこの『まぼろし』は日本語題が示しているように まぼろし まやかし 、『ふたりの5つの分かれ路』は なかなかの秀作 、この『まぼろし』は まあまあ と言ったところだろうか。なぜ辛口な批評かと言えば、それはここまで まぼろし として夫の姿をスクリーンに出さなくとも主人公マリーの心情は十分に描くことができると思うし、やるならもっと大胆に まぼろし を現実のように描いてくれた方がボク好みだからだ。

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マリー50歳、ジャン60歳と言ったところだろうか。子供はいないけれど、結婚してもうかなり長いらしく、仲の良い夫婦だ。パリ住まいの2人はヴァカンスでフランス南西部、ボルドーの南の大西洋岸ランド地方のジャンの故郷の家に車を走らせやってくる。ほとんど会話らしき会話はないのだけれど、長年連れ添っている夫婦の雰囲気をシャーロット・ランプリングとブリュノ・クレメルは実に良い感じに醸し出している。何の説明もいらないといった感じ。余談だけれど、スパゲティーを茹でるのにお湯の沸いた鍋にパスタを入れて木ベラで湯に押し込む。自分は当たり前のように菜箸を使っているので「あっ、西洋人は箸使わないよな~」なんて妙に感心してしまう。

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海岸、それも人気のあまりない静かな浜に行って、砂浜に寝そべって甲羅干しするマリーにジャンは泳いでくると言って水辺へ。しばらくして居眠りしていたマリーが目を覚ますと夫の姿がどこにもない。海水浴場の監視員とか呼んで、警察のヘリも捜索するのだけれど、ジャンは見つからない。事故か自殺か失踪か。捜索願いを出して、マリーは一人パリに帰るしかない。もともと英国人のマリーが大学で英文学を教える日常、友人宅に招かれるなどの生活が再開する。

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これ以上物語を語ろうとするとどうしても ネタバレ になってしまうのだけれど、彼女は文字通り まぼろし と生活をしている。あれは何の映画だったろうか、いつものように2人前のコーヒー入れて、でも相手がもう居ないこと思い出して2つのカップの1つのコーヒーを捨てるシーンがあったけれど、英国人のマリーは紅茶でフランス人のジャンはコーヒーで、両方用意したりしている感じで、映像としてもジャンの姿がちらちら出てくる。マリーの まぼろし ということなんだろうけれど。ごく最初は見ていて「あれあれ?、何何?」って思うけれど、夫が居なくなったことを受け入れられないマリーの妄想、 まぼろし

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やがてランド地方の警察から「ご主人らしき水死体が上がった」と連絡受けてマリーは死体確認に向かう。遺留品の時計を見て「違う」と言い、相当に原形を逸した遺体を敢えて見て「夫じゃない」と答える彼女。本当は時計も遺体も夫のものだって彼女にはわかっているのだろうけれど、それを認めないのは、ここに及んでまだ 現実を認めようとしない という彼女の心理ではないですね、たぶん。直前に描かれるジャンの母親との会話がそのヒントでしょう。息子独占欲の強いこの母親に「あなたより私の方が息子のことは知っている」って言われた結果だとボクは思う。夫ジャンを自分だけのものにしておきたかったのではないでしょうか。どうせ遺体が見つからなくともいずれ失踪して10年経てば同じことだと知ってもいるわけだし。それで一人去年の夏の浜辺に行って涙を流すんですね。最後は遠くに夫らしき小さな人影を見つけてマリーはその方へ砂浜を駆けていく。走っていく先の人影は最後には消し去って欲しかったですね。実際にでもいいし、走り寄るマリーの陰にでもいいですから。涙を流して夫の死を受け入れたのだから、それでもまだ妄想を続ける彼女というのはしつこ過ぎます。

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Last updated  2007.07.03 02:00:09
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